JP2002047178A - I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤 - Google Patents

I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤

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JP2002047178A
JP2002047178A JP2000235144A JP2000235144A JP2002047178A JP 2002047178 A JP2002047178 A JP 2002047178A JP 2000235144 A JP2000235144 A JP 2000235144A JP 2000235144 A JP2000235144 A JP 2000235144A JP 2002047178 A JP2002047178 A JP 2002047178A
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cystine
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Megumi Obayashi
恵 大林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線、特に長波長紫外線(UV
A)照射により真皮線維芽細胞において促進されるI型
マトリックスメタロプロテアーゼの産生に対し、特異的
且つ高い阻害活性を示し、皮膚の光老化の防止に有効な
I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤を得
る。 【解決手段】 スルフヒドリル基を有する化合物
及びジスルフィド結合を有する化合物(ただしリポ酸及
びその塩並びに誘導体を除く)より選択した1種又は2
種以上を担体に含有させる。前記化合物としては、L-シ
ステイン,D-システイン,DL-システイン,L-シスチ
ン,D-シスチン,DL-シスチン,酸化型グルタチオン,
還元型グルタチオン,及びこれらの塩並びに誘導体が好
ましく使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長波長紫外線(U
VA)照射により真皮線維芽細胞において促進されるI
型マトリックスメタロプロテアーゼの産生を特異的に阻
害し得るI型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マトリックス線維の分解を促進す
るマトリックスメタロプロテアーゼと病態との関係につ
いて、多くの知見が得られている。真皮においては、紫
外線照射により線維芽細胞におけるI型マトリックスメ
タロプロテアーゼの産生が誘導され、その結果、真皮細
胞外マトリックスの主成分であるコラーゲンの分解が促
進され、しわの形成や弾性の低下といった皮膚の老化が
進行することが知られている。
【0003】かかる紫外線により促進される皮膚の老化
を改善し、或いは防止するべく、紫外線吸収剤や散乱剤
の皮膚外用剤への配合や、紫外線照射により生じる活性
酸素種の消去作用を有する物質のスクリーニングが盛ん
に行われてきた。それと同時に、上記したようなコラー
ゲンの分解に関与するI型マトリックスメタロプロテア
ーゼの活性を阻害する物質のスクリーニングも行われて
いる。
【0004】たとえば、アシルフェニルグリシン誘導体
(特開平7−101925)、ザクロ実,レモンバーム
実及び葉,グアバ,ハマメリスといった植物の抽出物
(特開平7−196526,同7−291873,同8
−283133)、ポリポレン酸及びこれを含有するホ
ウロクタケ抽出物(特開平9−40552)、ジカルボ
ン酸(特開平9−124472)、アスペルギルス属微
生物の産生物質(特開平9−241287)などが開示
されている。
【0005】しかしながら、これまでに得られたI型マ
トリックスメタロプロテアーゼ阻害剤の中には、細菌性
のコラゲナーゼ等に対し強い活性を示し、間質系のI型
マトリックスメタロプロテアーゼに対する特異性の低い
ものや、阻害活性の十分でないもの、安定性に欠けるも
のも存在していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、紫外線、特にUVA照射により真皮線維芽細胞にお
いて促進されるI型マトリックスメタロプロテアーゼの
産生に対し、特異的且つ高い阻害活性を示すI型マトリ
ックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤を得ることを目的
とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく
種々検討した結果、スルフヒドリル基を有する化合物、
又はリポ酸以外のジスルフィド結合を有する化合物が、
UVA照射により促進される真皮線維芽細胞におけるI
型マトリックスメタロプロテアーゼ産生に対し、特異的
な阻害作用を示すことを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち本発明は、スルフヒドリル基を有
する化合物及び、リポ酸及びその塩並びに誘導体以外の
ジスルフィド結合を有する化合物より選択した1種又は
2種以上を、担体に含有させてI型マトリックスメタロ
プロテアーゼ産生阻害剤とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において用いるスルフヒド
リル基を有する化合物としては、L-システイン,D-シス
テイン,DL-システイン,L-ホモシステイン,D-ホモシ
ステイン,DL-ホモシステイン,システアミン,ジヒド
ロリポ酸,システイニルグリシン,補酵素A,還元型グ
ルタチオン,還元型メタロチオネイン,還元型チオレド
キシン等が挙げられ、ジスルフィド結合を有する化合物
としては、L-シスチン,D-シスチン,DL-シスチン,L-
ホモシスチン,D-ホモシスチン,DL-ホモシスチン,酸
化型グルタチオン,酸化型メタロチオネイン,酸化型チ
オレドキシン等が挙げられる。さらにこれらのアルカリ
金属塩,塩酸塩,硫酸塩,酢酸塩,乳酸塩,アンモニウ
ム塩といった塩や、アルキル又はアルケニルエステル,
コレステリルエステル,ホスファチジルエステル,アミ
ド,配糖体などの誘導体をも用いることができる。本発
明においては、前記スルフヒドリル基を有する化合物及
び、リポ酸及びその塩並びに誘導体以外のジスルフィド
結合を有する化合物より、1種又は2種以上を選択して
用いる。
【0010】上記のスルフヒドリル基を有する化合物及
び、リポ酸及びその塩並びに誘導体以外のジスルフィド
結合を有する化合物の中でも、L-システイン,D-システ
イン,DL-システイン,L-シスチン,D-シスチン,DL-シ
スチン,酸化型グルタチオン,還元型グルタチオン及び
これらの塩並びに誘導体が、I型マトリックスメタロプ
ロテアーゼ産生阻害作用の点から、好ましく使用でき
る。
【0011】本発明においては、上記スルフヒドリル基
を有する化合物及び、リポ酸及びその塩並びに誘導体以
外のジスルフィド結合を有する化合物より選択した1種
又は2種以上を担体に含有させて、I型マトリックスメ
タロプロテアーゼ産生阻害剤とする。担体としては、
水、エタノール,プロパノール,ブタノール等低級アル
コールなどの極性有機溶媒、これらの混合液といった液
状担体、各種乳濁液、各種クリーム基剤、軟膏基剤、ゲ
ル、粉体などが用いられる。従って、本発明に係るI型
マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤は、ローシ
ョン剤,懸濁剤,乳剤,クリーム剤,軟膏剤,ゲル剤,
粉末剤,散剤,顆粒剤等の形態で提供することができ
る。また、リポソームやマイクロカプセルに内包させた
状態とすることもできる。なお、本発明に係るI型マト
リックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤には、本発明の
特徴を損なわない範囲で、抗酸化剤,防菌防黴剤,紫外
線吸収剤等の安定化剤や、吸収促進剤等を添加すること
もできる。
【0012】本発明に係るI型マトリックスメタロプロ
テアーゼ産生阻害剤における、スルフヒドリル基を有す
る化合物及び、リポ酸及びその塩並びに誘導体以外のジ
スルフィド結合を有する化合物より選択した1種又は2
種以上の含有量は、用いる担体の種類及び剤型により異
なるが、0.0001重量%〜1.0重量%程度とする
のが適切である。
【0013】
【実施例】さらに実施例により、本発明について詳細に
説明する。
【0014】[実施例1〜実施例5] I型マトリック
スメタロプロテアーゼ産生阻害剤L-システイン,還元型
グルタチオン,酸化型グルタチオンをそれぞれ10mM
となるように精製水に溶解して、実施例1,実施例3,
実施例4とし、L-シスチンを10mMとなるように9
9.5容量%エタノールに溶解して、実施例2とし、グ
ルタチオンエチルエステルを10mMとなるように50
容量%エタノール水溶液に溶解して、実施例5とした。
【0015】上記の実施例1〜実施例5について、UV
Aを照射した際のI型マトリックスメタロプロテアーゼ
産生に対する阻害効果を次のようにして評価した。ま
ず、ヒト線維芽細胞を2×104個/ウェルとなるよう
に96穴プレートに播種し、牛胎仔血清5(w/v)%を添
加したダルベッコ基礎培地(DMEM)にて、37℃で
24時間培養した。Hanks(+)液で洗浄した後、培
地を、各最終濃度の試料を含むHanks(+)液0.1
mlに交換し、40J/cm2のUVAを照射した。次
いでHanks(+)液で洗浄し、培地を0.1(w/v)%牛
血清アルブミンを含有するDMEMに交換して37℃で
24時間培養した後、生細胞数を計測し、培地上清中の
I型マトリックスメタロプロテアーゼ活性を測定した。
また比較のため、代表的な抗酸化剤であるビタミンEに
ついても、同様に評価を行った。
【0016】培地上清中のI型マトリックスメタロプロ
テアーゼ活性は、最終濃度0.04mg/mlのトリプ
シンを添加して37℃で15分間インキュベートした
後、最終濃度0.2mg/mlの大豆トリプシン阻害剤
を添加し、これについて、フルオレセインイソチオシア
ネート(FITC)で標識したI型コラーゲンを基質と
して用いて測定した。すなわち、0.25mg/mlの
FITC標識I型コラーゲンを含有する50mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.5、0.2M塩化ナトリウム,5
mM塩化カルシウム及び0.02(w/v)%アジ化ナトリ
ウムを含む)50μlを、前記トリプシン処理した培地
上清50μlに加え、遮光下にて37℃で2時間反応さ
せた。次いで40mMのο-フェナントロリン(phenant
hroline)5μlを加えて反応を停止した後、37℃に
て30分間コラーゲンの変性処理を行い、エタノールと
0.17Mトリス塩酸緩衝液(pH9.5、0.67M
塩化ナトリウムを含む)との容量比7:3の混合液50
μlを添加し、変性されたコラーゲンのみを抽出した。
2,000rpmで15分間遠心分離し、上清の蛍光強
度を励起波長495nm,蛍光波長520nmで測定し
た。
【0017】実施例1〜実施例5について、試料の最終
濃度(各実施例に含まれるスルフヒドリル基を有する化
合物もしくはジスルフィド結合を有する化合物の最終濃
度で示す)と、I型マトリックスメタロプロテアーゼ活
性との関係を、それぞれ表1〜表5に示した。また、試
料を添加しない場合の前記酵素活性を100として示し
たI型マトリックスメタロプロテアーゼ産生インデック
スについても、各表中に併せて示した。ビタミンEにつ
いては、表6に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】表1〜表5において、実施例を添加しない
系では、40J/cm2のUVAを照射することによ
り、培地中に産生,分泌されたI型マトリックスメタロ
プロテアーゼは40倍〜60倍近くに増加することが認
められる。しかしながら、実施例1添加系ではL-システ
イン濃度にして0.0625mMで約30%まで、0.
25mM〜1mMで16〜18%までI型マトリックス
メタロプロテアーゼの産生が抑制されていた。実施例2
添加系では、L-シスチン濃度にして0.25mMで27
%まで、実施例3添加系では、還元型グルタチオン濃度
にして0.25mMで64%まで、実施例4添加系で
は、酸化型グルタチオン濃度にして0.25mMで60
%まで、1mMで50%まで、実施例5添加系では、グ
ルタチオンエチルエステル濃度にして0.0625mM
〜0.25mMでほぼ60%まで、1mMでほぼ50%
までI型マトリックスメタロプロテアーゼの産生が抑制
されていた。これに対し表6より明らかなように、抗酸
化剤であるビタミンEについては、同じ濃度範囲で有意
なI型マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制効果は
認められていなかった。
【0025】また、各実施例に含有されるスルフヒドリ
ル基を有する化合物もしくはジスルフィド結合を有する
化合物について、50%阻害濃度(IC50値)を算出し
た結果を表7に示した。
【0026】
【表7】
【0027】表6より、実施例1〜実施例5に含有され
るスルフヒドリル基を有する化合物もしくはジスルフィ
ド結合を有する化合物のうちでは、L-システインが最も
低濃度で有効であることが示される。還元型グルタチオ
ン,酸化型グルタチオン及びグルタチオンのエチルエス
テルについては、いずれもほぼ同程度のI型マトリック
スメタロプロテアーゼ産生阻害作用が認められていた。
【0028】続いて、本発明に係る他のI型マトリック
スメタロプロテアーゼ産生阻害剤について以下に示す。
【0029】 [実施例6] ローション状I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤 (1)エタノール 10.00(重量%) (2)ヒドロキシエチルセルロース 1.00 (3)L-システイン塩酸塩 0.02 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (5)精製水 88.88 製法:(1)〜(4)を順次(5)に添加し、均一に溶解する。
【0030】 [実施例7] 乳剤型I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤 (1)ステアリン酸 0.20(重量%) (2)セタノール 1.50 (3)ワセリン 3.00 (4)流動パラフィン 7.00 (5)ポリオキシエチレン(10E.O.)モノオレイン酸 1.50 エステル (6)酢酸トコフェロール 0.25 (7)グリセリン 5.00 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (9)トリエタノールアミン 1.00 (10)L-シスチン 0.05 (11)精製水 80.40 製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解
し、70℃に保つ。一方、(7)〜(11)の水相成分を混
合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に
前記油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化し、冷
却する。
【0031】 [実施例8] ゲル状I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤 (1)ジプロピレングリコール 10.00(重量%) (2)カルボキシビニルポリマー 0.50 (3)水酸化カリウム 0.10 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (5)精製水 89.25 (6)L-システアミン 0.05 製法:(5)に(2)を均一に溶解した後、(1)に(4)を溶解し
て添加し、次いで(3)を加えて増粘させ、(6)を添加,混
合する。
【0032】 [実施例9] 水中油型クリーム状I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生 阻害剤 (1)ミツロウ 6.0(重量%) (2)セタノール 5.0 (3)還元ラノリン 8.0 (4)スクワラン 27.5 (5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0 (6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0 (7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 5.0 モノラウリン酸エステル (8)プロピレングリコール 5.0 (9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (10)精製水 37.3 (11)L-ホモシステイン 0.1 製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解
し、75℃に保つ。一方、(8)〜(10)の水相成分を混
合,加熱して均一とし、75℃とする。この水相成分に
前記油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサー
にて均一に乳化し、冷却後40℃にて(11)を添加,混合
する。
【0033】 [実施例10] 油中水型クリーム状I型マトリックスメタロプロテアーゼ産 生阻害剤 (1)スクワラン 38.00(重量%) (2)グリセリルジイソステアリン酸エステル 3.00 (3)ホスファチジルグルタチオン 0.15 (4)有機変性ベントナイト 1.50 (5)シリコーン処理酸化チタン 3.00 (6)1,3-ブチレングリコール 5.00 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (8)精製水 49.25 製法:(1)〜(4)を混合,加熱して溶解し、(5)を分散し
て70℃とし、油相とする。一方、(7)を(6)に溶解して
(8)に加えて混合し、70℃に加熱する。前記油相に水
相を添加し、ホモジナイザー処理して乳化後冷却する。
【0034】 [実施例11] 水中油型乳剤性軟膏型I型マトリックスメタロプロテアーゼ 産生阻害剤 (1)白色ワセリン 25.00(重量%) (2)ステアリルアルコール 25.00 (3)シスチンジエチルエステル 0.10 (4)グリセリン 12.00 (5)ラウリル硫酸ナトリウム 1.00 (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (7)精製水 36.70 (8)システイニルグリシン 0.10 製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,溶解して均一とし、
75℃に加熱する。一方、(6)を(7)に溶解して75℃に
加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、冷却後
40℃にて(8)を添加,混合する。
【0035】 [実施例12] I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤含有リポソ ーム (1)L-システイン1.0(w/v)%水溶液 50.0ml (2)補酵素A1.0(w/v)%水溶液 50.0ml (3)大豆レシチン 80.0g (4)d-δ-トコフェロール 0.5g 製法:(1),(2)を混合し、これに(4)を添加,混合した
(3)を添加して55℃で懸濁し、次いで超音波処理して
リポソームを調製し、遠心分離により回収する。
【0036】上記の実施例6〜実施例12について、実
使用試験によりUVAに起因する光老化に対する防止効
果を評価した。実使用試験は、日常戸外で作業する20
才〜50才代の男女パネラー20名を1群とし、各群に
4月〜7月の4カ月間、1日2回実施例及び比較例のそ
れぞれをブラインドにて使用させて行った。なお比較例
1〜比較例7は、実施例6〜実施例12において、スル
フヒドリル基を有する化合物及びジスルフィド結合を有
する化合物のすべてを没食子酸ナトリウムに代替して調
製した。実施例12及び比較例7については、リポソー
ム15gを精製水85gに分散して使用させた。
【0037】光老化防止効果は、各パネラーについて、
使用試験開始前及び使用試験終了後の皮膚のしわ及び皮
膚弾性を比較して評価した。皮膚のしわは写真撮影及び
皮膚表面のレプリカの画像解析により評価し、皮膚弾性
はキュートメーターを用いた測定結果により評価した。
皮膚のしわ及び皮膚弾性について、使用試験終了後に改
善が見られたかどうかを判断し、皮膚のしわについては
「改善」,「やや改善」,「変化なし」,「やや悪
化」,「悪化」の5段階で、皮膚弾性については「向
上」,「やや向上」,「変化なし」,「やや低下」,
「低下」の5段階で評価し、各評価を得たパネラー数に
て表8に示した。
【0038】
【表8】
【0039】表8より明らかなように、本発明に係る実
施例使用群では、いずれにおいても皮膚のしわの悪化傾
向及び皮膚弾性の低下傾向を認めたパネラーは存在せ
ず、皮膚のしわについては45%以上のパネラーで改善
傾向が認められ、皮膚弾性については65%以上のパネ
ラーで向上傾向が認められていた。これに対し、本発明
の実施例において含まれるスルフヒドリル基を有する化
合物及びジスルフィド結合を有する化合物のすべてを、
抗酸化剤である没食子酸ナトリウムに代替した比較例使
用群では、皮膚のしわ及び皮膚弾性について明確な改善
もしくは向上を認めたパネラーは存在せず、皮膚のしわ
については35%以上のパネラーで悪化傾向を認めてお
り、皮膚弾性については45%以上のパネラーで低下傾
向を認めていた。
【0040】すなわち、本発明の実施例使用群では、U
VA照射により誘導されるI型マトリックスメタロプロ
テアーゼの産生が阻害された結果、真皮細胞外マトリッ
クスの構成成分であるコラーゲンの分解が有効に抑制さ
れて、皮膚のしわの増加や皮膚弾性の低下といった光老
化現象が良好に抑制されたと考えられる。一方、抗酸化
剤を配合した比較例使用群では、かかる効果は十分には
認められなかった。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、紫
外線、特にUVA照射により真皮線維芽細胞において促
進されるI型マトリックスメタロプロテアーゼの産生に
対し、特異的且つ高い阻害活性を示すI型マトリックス
メタロプロテアーゼ産生阻害剤を得ることができ、これ
により、皮膚の光老化を有効に防止することが可能とな
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA082 AB032 AB242 AB442 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC242 AC402 AC422 AC442 AC482 AC542 AC581 AC582 AC782 AD042 AD092 AD282 AD411 AD412 AD472 AD512 AD572 AD662 CC04 CC05 DD23 DD27 DD31 DD32 DD33 DD41 DD45 EE06 EE07 EE13 EE16 FF05 4C084 AA02 BA01 BA08 BA15 BA23 CA59 DC31 MA63 NA14 ZA891 ZC201 ZC512 4C206 AA01 AA02 JA58 JA62 MA01 MA04 MA83 NA14 ZA89 ZC20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルフヒドリル基を有する化合物及びジ
    スルフィド結合を有する化合物(ただしリポ酸及びその
    塩並びに誘導体を除く)より選択した1種又は2種以上
    を含有して成る、I型マトリックスメタロプロテアーゼ
    産生阻害剤。
  2. 【請求項2】 スルフヒドリル基を有する化合物及びジ
    スルフィド結合を有する化合物が、L-システイン,D-シ
    ステイン,DL-システイン,L-シスチン,D-シスチン,D
    L-シスチン,酸化型グルタチオン,還元型グルタチオ
    ン,及びこれらの塩並びに誘導体であることを特徴とす
    る、請求項1に記載のI型マトリックスメタロプロテア
    ーゼ産生阻害剤。
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Cited By (6)

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