JPH0967226A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH0967226A
JPH0967226A JP24864595A JP24864595A JPH0967226A JP H0967226 A JPH0967226 A JP H0967226A JP 24864595 A JP24864595 A JP 24864595A JP 24864595 A JP24864595 A JP 24864595A JP H0967226 A JPH0967226 A JP H0967226A
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skin
cysteine
esters
ester
preparation
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Hitoshi Masaki
仁 正木
Atsuko Imahori
篤子 今堀
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Noevir Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】システインのエステルを配合することにより、
美白効果及び老化防止効果を有するシステインの経皮及
び細胞膜透過性を高めて、表皮基底層に有効に到達させ
ることを可能とし、皮膚の色黒,シミ,ソバカス、或い
は日焼けによる色素沈着を改善し、また抗酸化作用を増
強して酸化反応に基づく皮膚の老化を防止又は予防し、
かつ皮膚刺激性が低く、安全でさらに安定である皮膚外
用剤を提供する。 【構成】システインのホスファチジン酸及びリゾホスフ
ァチジン酸を除くリン脂質エステル、スフィンゴシン及
びその誘導体のエステル、糖脂質エステル、糖エステ
ル、ステロールエステル及び炭素数8から20のアルキ
ル若しくはアルケニルエステルから選ばれる1種又は2
種以上を有効成分として配合した皮膚外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、システインのホスフ
ァチジン酸及びリゾホスファチジン酸を除くリン脂質エ
ステル、スフィンゴシン及びその誘導体のエステル、糖
脂質エステル、糖エステル、ステロールエステル及び炭
素数8から20のアルキル若しくはアルケニルエステル
から選ばれる1種又は2種以上を配合することにより、
皮膚の色黒,シミ,ソバカス、或いは日焼けによる色素
沈着を改善し、また酸化反応に基づく皮膚の老化を防止
又は予防し、かつ皮膚刺激性が低く、安全でさらに安定
である皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】システインは、チロシナーゼ活性阻害及
びチロシナーゼ生合成阻害作用を有し、美白効果のある
アミノ酸として知られている。また、生体内で活性酸素
種を捕捉する抗酸化作用を有し、皮膚の老化を予防又は
防止することも知られている。そのためシステインを配
合した皮膚外用剤は、美白作用と老化防止作用をあわせ
持つ有効な基剤として期待されている。
【0003】しかしながらシステインは、水溶性の性質
を有しているために、経皮透過性及び細胞膜透過性が低
く、有効な美白作用及び抗酸化作用を発現させるために
はかなり高濃度を外用剤基剤中に配合する必要があっ
た。さらにシステインは酸化されて水に難溶なシスチン
となり易く、またアルカリ性下で非常に分解され易く、
さらに硫化水素,アンモニアの発生による悪臭も問題と
なる。そのため、皮膚外用剤への配合については、安定
性及び品質上いろいろと問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決し、皮膚刺激性や副作用の問題がなく、安全且つ安
定で、非常に優れた美白効果及び老化防止効果を発揮す
る皮膚外用剤を提供することを目的とする。すなわち、
美白効果及び老化防止効果を有するシステインの経皮及
び細胞膜透過性を高めて、表皮ケラチノサイト及び真皮
線維芽細胞に有効に到達させることを可能とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って本発明において
は、システインの経皮及び細胞膜透過性を高めるため、
エステル化して用いることを試みた。その結果、システ
インのカルボン酸を特定の化合物とエステル化して配合
することにより、これらの経皮透過性は顕著に高まり、
同一配合量におけるチロシナーゼ活性或いは生合成阻害
作用及び抗酸化作用が驚くほど向上することを見出し
た。従って皮膚外用剤基剤に対する前記システインエス
テルの配合量は少量でよく、外用剤の製剤安定性に及ぼ
す影響も小さく、さらに皮膚刺激の発生等安全性上の問
題もない。
【0006】システインのエステルとしては、細胞膜親
和性の高いものであれば特に限定されないが、ホスファ
チジン酸及びリゾホスファチジン酸を除くリン脂質エス
テル,スフィンゴシン及びその誘導体のエステル,糖脂
質エステル,糖エステル,ステロールエステル及び炭素
数8から20のアルキル若しくはアルケニルエステルが
好ましいものとして挙げられる。
【0007】リン脂質エステルに用いられるリン脂質と
しては、ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチ
ジルセリン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチ
ジルグリセロール,ホスファチジルコリン等のグリセロ
リン脂質があげられる。これらグリセロリン脂質のホス
ファチジル基の1位又は2位に、システイニル基をエス
テル交換反応により導入する。システインは、ホスホリ
パーゼA1又はホスホリパーゼA2によるエステル交換反
応により、効率よくホスファチジル基の1位又は2位に
エステル結合させることができる。
【0008】さらに、リン脂質エステルに用いられるリ
ン脂質としては、スフィンゴミエリン,セラミドホスホ
エタノールアミン,セラミドホスホイノシトールのよう
なスフィンゴリン脂質を用いることもできる。
【0009】スフィンゴシン及びその誘導体のエステル
は次の一般式(1)で示される。
【化1】
【0010】糖脂質エステルに用いられる糖脂質として
は、グリセロ糖脂質,スフィンゴ糖脂質のいずれでも良
い。グリセロ糖脂質としては、モノアシルグリコシルグ
リセロール,ジアシルガラクトシルグリセロール,グル
コサミニルホスファチジルグリセロール等が、また、ス
フィンゴ糖脂質の例としては、セレブロシド類,スルフ
ァチド類,セラミドオリゴヘキソシド類,グロボシド
類,ガングリオシド類等が挙げられる。
【0011】糖エステルに用いられる糖としては、細胞
膜親和性の点から単糖類又は2糖類〜3糖類くらいのオ
リゴ糖が好ましい。本発明の目的には、エリスロース,
トレオース等のテトロース類、アラビノース,キシロー
ス,リボース等のペントース類、ガラクトース,グルコ
ース,マンノース,プシコース,フルクトース等のヘキ
ソース類、N-アセチルガラクトサミン,N-アセチルグル
コサミン,マンノサミン等のアミノ糖類、マルトース,
ラクトース,ショ糖,セロビオース等の2糖類、セロト
リオース等の3糖類などが例示される。
【0012】システインの糖エステルは、システインを
エステル化し、これと糖とを水酸化ナトリウム等のアル
カリ触媒存在下にて反応させ、エステル交換反応等によ
り合成することができる。なお、副生成物のアルコール
を系から除去すると、反応を効率よく進ませることがで
きる。
【0013】ステロールエステルに用いられるステロー
ルとしては、動物起源のもの,植物起源のもの及び合成
によるもののいずれを用いても良い。かかるステロール
としては、コレステロール,ラノステロール,ジヒドロ
ステロール及びこれらの混合物であるイソコレステロー
ル,フィトステロール,シトステロール,スチグマステ
ロール,カンペステロール,デスモステロール,7-デヒ
ドロコレステロール,及びこれらステロールの還元物等
を挙げることができる。
【0014】システインのステロールエステルは、従来
公知のエステル化反応により行わせることができ、たと
えば無触媒又はパラトルエンスルホン酸,塩化スズ等の
触媒の存在下に、システイン及びステロールの混合物を
約100〜250℃程度に加熱すればよい。この反応の
終点は、酸価を測定することにより知ることができる。
【0015】システインのアルキル若しくはアルケニル
エステルに用いられるアルキル基,アルケニル基として
は、炭素数8〜20の分岐又は直鎖のアルキル基若しく
はアルケニル基が挙げらる。このようなシステインのア
ルキルエステルとしては、システインオクチルエステル
のような直鎖脂肪族エステル、システインイソステアリ
ルエステルのような分岐鎖脂肪族エステル、システイン
フェニルエチルエステルのようなフェニルアルキルエス
テル等が、アルケニルエステルとしてはシステインオレ
イルエステル等が例示される。
【0016】上記のシステインエステルを通常の皮膚外
用剤基剤中に配合して皮膚外用剤とする。配合量は、製
剤中の有効濃度や製剤の安定性等を考慮して0.001
〜10重量%程度が適当である。外用剤の形態として
は、ローション,乳剤,クリーム,軟膏等、種々の形態
をとることができる。また、化粧水,美容液,乳液等の
老化防止用及び美白用化粧料としても提供することがで
きる。
【0017】
【作用】本発明で用いるシステインエステルのメラニン
色素白色化作用、チロシナーゼ活性阻害作用及びチロシ
ナーゼ生合成阻害作用について以下に示す。システイン
エステルは、リン脂質エステルとしてシステイニルホス
ファチジルセリンを、糖エステルとしてシステイニルグ
ルコシドを、ステロールエステルとしてシステインコレ
ステロールエステル、アルキルエステルとしてシステイ
ンラウレートを用いた。比較のため、システインで同様
の作用の測定を行った。
【0018】メラニン色素白色化作用は、システインエ
ステルを50重量%エタノールに溶解た後、適当量の培
地にて希釈して試料とした。マウスB16メラノーマ細胞
(細胞数50,000程度)に添加し、3日間培養を行
った後、細胞を分離し、測色して評価した。システイン
エステルを添加せず同様に処理した系を対照としてL値
の差を求め、図1に示した。システインを添加した系と
比較して、システインエステルを添加した系では、L値
の差が3倍以上大きくなっており、システインをエステ
ル化して配合することにより、細胞膜透過性が向上しメ
ラニン色素白色化作用が顕著に上昇した。
【0019】チロシナーゼ活性阻害作用は、システイン
エステルを50重量%エタノールに溶解して試料とし、
酵素溶液としてチロシナーゼ(50,000units,シ
グマ社製)を精製水で600倍希釈したものを用い、チ
ロシン50mgを精製水100mlに溶解して基質溶液
として評価した。システインエステルは、最終濃度が
1.0μM〜100mMの範囲で段階的に変化するよう
に添加した。
【0020】酵素反応は、試料溶液2ml,1/15M
リン酸緩衝液(pH6.8)2ml,基質溶液0.5m
l,酵素溶液0.5mlを混合し、37℃にて1時間イ
ンキュベートして行わせた。反応後475nmにおける
吸光度(As)を測定した。さらに試料溶液の代わりに
精製水を添加した系,及び基質溶液の代わりに精製水を
添加した系において同様に反応させ、それぞれの場合に
おける吸光度(Ab及びA0)を測定した。チロシナーゼ
活性阻害率は数式(1)により求めた。
【数1】
【0021】チロシナーゼ生合成阻害作用の評価は次の
ようにして行った。システインエステルの50重量%エ
タノール溶液をマウスB16メラノーマ細胞(細胞数5
0,000程度)に添加し、3日間培養を行った後、以
下の方法により細胞中のチロシナーゼ活性を測定した。
すなわち、1/15Mリン酸緩衝液(pH6.8)2m
lに1.0重量%のドーパ水溶液0.5ml及び培養細
胞液0.5mlを混合し、37℃にて1時間インキュベ
ートした後、405nmにおける吸光度(As)を測定
した。対照として溶媒の50重量%エタノール水溶液の
みを同様に添加して培養し、同様に培養細胞液とドーパ
水溶液とをインキュベートして吸光度(Ab)を測定
し、数式(2)によりチロシナーゼ生合成阻害率を求め
た。システインエステルは、最終濃度が1.0μM〜1
00mMの範囲で段階的に変化するように添加した。
【数2】
【0022】各試料について、ドーズレスポンス曲線を
作成し、50%阻害濃度(ID50)を求めて、表1にま
とめて示した。表1において、システインエステルのチ
ロシナーゼ活性阻害作用及びチロシナーゼ生合成阻害作
用についてのID50は、システイン単独の場合の1/1
35から1/76及び1/103から1/54となり、
システインをエステル化することにより、同一濃度で添
加した場合、チロシナーゼ活性阻害作用及びチロシナー
ゼ生合成阻害作用は大幅に向上する。
【表1】
【0023】システインエステルの活性酸素種による細
胞傷害防御作用は、ヒト線維芽細胞に活性酸素種を暴露
し、その際の細胞生存率を指標として評価できる。培養
したヒト線維芽細胞に、システインエステルを作用させ
た後、洗浄し、ヒポキサンチン-キサンチンオキシダー
ゼ系にて活性酸素種(スーパーオキシド及びヒドロキシ
ラジカル)を暴露した。暴露後の細胞生存率はMTT還
元法により測定した。
【0024】なおMTT還元法は、細胞のミトコンドリ
ア内に存在する脱水素酵素が基質に作用して生じるNA
DHにより、系に添加したMTT(2-(4,5-シ゛メチル-2-チ
アゾリル)-3,5-ジフェニルテトラゾリウム ブロミド)
のテトラゾリウム環が開環することを利用する測定方法
である。テトラゾリウム環の開環により青色のフォルマ
ザンが生成するので、これを560nmにおける吸光度
測定により定量する。
【0025】その結果、図2に示すように、細胞膜透過
性に優れるシステインエステルで処理した場合は、70
〜80%の良好な細胞生存率を示した。これに対し、エ
ステル化していないシステインで処理した場合は、細胞
膜透過性が低いため、細胞生存率は40%弱と低かっ
た。
【0026】
【実施例】さらに、本発明について実施例により詳細に
説明する。
【0027】本発明に係る液状皮膚外用剤として実施例
1〜4及び比較例1の処方を表2に示す。(1)〜(4)の
成分と(5)に溶解した(6)〜(10)の成分を混合、均一化
して調製する。
【表2】
【0028】本発明に係る美容液として実施例5〜8及
び比較2の処方を表3に示す。(4)〜(9)の成分を(3)
に溶解均一化した後、(1),(2)及び(10)を順次加えて
調製する。
【表3】
【0029】本発明にかかる乳液として実施例9〜12
及び比較例3の処方を表4に示す。(1)〜(5)の油相成分
を混合し75℃に加熱して溶解,均一化する。一方(6),
(17)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱し、前記
の油相成分を添加して予備乳化する。(14)を添加した後
ホモミキサーにて均一に乳化し、(15)を加えてpHを調
整する。冷却後40℃にて、(8)〜(13)及び(16)の成分
を(7)に溶解して添加,混合,均一化する。
【表4】
【0030】本発明にかかるW/O乳化型クリームとし
て実施例13〜16及び比較例4の処方を表5に示す。
(1)〜(8)の油相成分を混合し75℃に加熱して溶解,均
一化する。一方(9)〜(11)の水相成分を混合,溶解して
75℃に加熱し、前記の油相成分に添加してホモミキサ
ーにて均一に乳化する。冷却後40℃にて、(13)〜(17)
の成分を(12)に溶解して添加,混合,均一化する。
【表5】
【0031】本発明にかかるO/W型乳剤性軟膏として
実施例17〜20及び比較例5の処方を表6に示す。
(1)〜(4)の油相成分を混合し75℃に加熱して溶解,均
一化する。75℃に加熱した(5)に油相成分を添加して
乳化する。冷却後40℃にて、(7)〜(11)の成分を(6)に
溶解して添加,混合,均一化する。
【表6】
【0032】本発明の実施例について製剤の安定性を2
5℃恒温槽にて観察した。1カ月,3カ月,6カ月後の
状態を観察し、良好なものは○,分離及び異臭など状態
の変化が認められるものは×として結果を表7に示し
た。液状皮膚外用剤及び美容液である比較例1及び2に
おいては、1カ月後にはシステインの分解によると思わ
れる異臭が発生していた。また、乳化系の比較例3,
4,5においてもそれぞれ異臭の発生及び状態の変化が
1〜3カ月後に認められた。しかしながら、実施例にお
いては、6カ月を過ぎた段階でも異臭及び分離の認めら
れたサンプルはなく、製剤の安定性が向上していること
が明らかであった。
【表7】
【0033】本発明の実施例について、皮膚の老化防止
効果を皮膚のしわ発生防止効果を評価することにより検
討した。試験を行ったサンプルは、実施例1,2,3,
4,7,12,13,18及び比較例1〜5である。ヘ
アレスマウス5匹を一群とし、各群について本発明の実
施例及び比較例をそれぞれ1日1回背部に塗布し、1J
/平方cm/週のUVAを50週間照射し、しわの発生
状況を経時的に肉眼観察により評価した。しわの発生状
況は、「発生せず;0点」,「微小なしわがわずかに発
生;1点」,「軽微なしわが明確に発生;2点」,「中
程度のしわが発生;3点」,「深いしわが発生;4点」
として点数化し、各群の平均点を算出して、表8に示し
た。その際、精製水を塗布した群を対照とした。
【表8】
【0034】表8より、システインエステルを配合した
実施例塗布群においては、いずれもしわの発生が顕著に
抑制されており、UVAを50週間照射した後において
も、各群とも微小なしわの発生を認めただけであった。
これに対してシステインを配合した比較例1〜5におい
ては、対照に比べ若干のしわ発生抑制効果は認められる
が、いずれにおいても明確なしわの形成が見られ、形成
されたしわはほぼ中程度の深さにまで達していた。
【0035】続いて、本発明の実施例及び比較例につい
て使用試験を行った。試験を行ったサンプルは、実施例
1,2,3,4,7,12,13,18及び比較例1〜
5である。皮膚の弾性の低下及びシミ,ソバカス,日焼
け等の色素沈着を主な症状として有するパネラー20名
を一群とし、各群にそれぞれ実施例及び比較例をブライ
ンドにて顔面及び手に使用させ、皮膚弾性及び色素沈着
の変化を観察し、評価した。使用期間は4月から10月
の6カ月間とした。皮膚弾性については、「上昇」,
「やや上昇」,「変化なし」,「低下」の4段階で、美
白効果については、「改善」,「やや改善」,「変化な
し」の3段階にて評価をし、各評価を得たパネラー数に
て表9に示した。
【表9】
【0036】表9より明らかなように、システインエス
テルを配合した実施例を使用したパネラーは全員皮膚弾
性の上昇及び色素沈着の改善が認められている。これに
対し、比較例1〜5を使用したパネラーでは、弾性がや
や上昇したパネラーもいるが、明確に上昇の認められた
パネラーはいなかった。美白効果に関しても、はっきり
と改善が認められたパネラーはおらず、35〜50%の
パネラーで変化を認めなかった。以上の結果より、シス
テインをエステル化して配合することにより、システイ
ンをそのまま配合した場合と比較して、老化防止効果及
び美白効果が飛躍的に向上していることがわかる。
【0037】なお、上記の使用期間において、いずれの
実施例を使用した群においても、痛み、痒み等の皮膚刺
激やアレルギー反応等の皮膚症状を訴えたパネラーはい
なかった。また、乳化状態の悪化や配合成分の沈降,変
質等も認められなかった。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、少
量のシステインエステルを配合することにより、非常に
優れた美白効果及び老化防止効果を発揮する皮膚外用剤
を提供することができる。本発明に係る皮膚外用剤にお
いては、有効成分であるシステインが良好に表皮,真皮
及び表皮基底層のメラノサイトに到達でき、低濃度の配
合で優れた老化防止効果及び美白効果を示す。従って、
皮膚刺激性や感作性の発現するおそれがない。またシス
テインをエステル化することにより溶媒への溶解度が向
上し、製剤の安定性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるシステインエステルと、システ
インのメラニン色素白色化作用を示す図である。
【図2】本発明で用いるシステインエステルと、システ
インの活性酸素種による細胞傷害防御作用を示す図であ
る。
【符号の説明】
1.システイニルホスファチジルセリン 2.システイニルグルコシド 3.システインコレステロールエステル 4.システインラウレート 5.システイン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/48 A61K 7/48 31/24 AED 31/24 AED 31/575 31/575 31/685 ADA 31/685 ADA 31/70 31/70 C07C 323/58 7419−4H C07C 323/58 C07F 9/10 9450−4H C07F 9/10 Z C07H 13/04 C07H 13/04 C07J 9/00 C07J 9/00 C12N 9/99 C12N 9/99

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】システインのホスファチジン酸及びリゾホ
    スファチジン酸を除くリン脂質エステル、スフィンゴシ
    ン及びその誘導体のエステル、糖脂質エステル、糖エス
    テル、ステロールエステル及び炭素数8から20のアル
    キル若しくはアルケニルエステルから選ばれる1種又は
    2種以上を配合してなる皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】皮膚外用剤が化粧料であることを特徴とす
    る請求項1に記載の皮膚外用剤。
JP24864595A 1995-08-31 1995-08-31 皮膚外用剤 Pending JPH0967226A (ja)

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