JPH0967227A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH0967227A
JPH0967227A JP7248646A JP24864695A JPH0967227A JP H0967227 A JPH0967227 A JP H0967227A JP 7248646 A JP7248646 A JP 7248646A JP 24864695 A JP24864695 A JP 24864695A JP H0967227 A JPH0967227 A JP H0967227A
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esters
glutathione
ester
skin
sphingosine
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JP7248646A
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Inventor
Hitoshi Masaki
仁 正木
Atsuko Imahori
篤子 今堀
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Noevir Co Ltd
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Noevir Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】グルタチオンの経皮及び細胞膜透過性を高め
て、表皮基底層に有効に到達させることを可能とし、皮
膚の色黒,シミ,ソバカス、或いは日焼けによる色素沈
着を改善し、また抗酸化作用を増強して酸化反応に基づ
く皮膚の老化を防止又は予防し、かつ皮膚刺激性が低
く、安全でさらに安定である皮膚外用剤を提供する。 【構成】酸化型或いは還元型のグルタチオンの炭素数1
2〜20のアルキル若しくはアルケニルエステル、ホス
ファチジン酸及びリゾホスファチジン酸を除くリン脂質
エステル、スフィンゴシン及びその誘導体のエステル、
糖脂質エステル、糖エステル、ステロールエステルから
選ばれた1種又は2種以上を有効成分として配合してな
る皮膚外用剤。酸化型グルタチオンの場合、さらに還元
型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド及び/又は還
元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を配
合してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、皮膚の色黒,シミ,
ソバカス、或いは日焼けによる色素沈着を改善し、また
抗酸化作用及びこれに基づく皮膚の老化を防止又は予防
し、かつ皮膚刺激性が低く、安全でさらに安定である皮
膚外用剤に関する。さらに詳しくは、酸化型及び/又は
還元型グルタチオンの特定のエステルから選ばれた1又
は2種以上を配合してなる皮膚外用剤、或いは酸化型グ
ルタチオンの特定のエステルから選ばれた1種又は2種
以上と還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
(NADH)及び/又は還元型ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチドリン酸(NADPH)とを配合してなる
皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】還元型グルタチオンは、生体内の酸化還
元系に関与し生体内で活性酸素種を捕捉する抗酸化作
用、SH酵素などいろいろの酵素を活性化すると共に、
補酵素としても作用すること、またメルカプツール酸抱
合等の解毒反応にも関与し、さらにチロシナーゼの活性
及び生合成を阻害することが知られている。そのため、
還元型グルタチオンを配合した皮膚外用剤は、老化防止
作用と美白作用を合わせ持つ有効な製剤として期待され
ている。
【0003】また、酸化型グルタチオンは、生体内でN
ADHやNADPHを水素供与体として、グルタチオン
リダクターゼの作用を受けて還元型グルタチオンに変化
し、生理活性を発揮することが知られている。
【0004】しかしながら、酸化型或いは還元型グルタ
チオン(以下グルタチオン類と略す)は、水溶性の性質
を有しているために、経皮透過性及び細胞膜透過性が低
く、有効な美白作用及び抗酸化作用を発現させるために
はかなり高濃度を外用剤基剤中に配合する必要があっ
た。そこで、グルタチオン類の分子中のカルボキシル基
を低級アルコールでアルキルエステル化することにより
脂溶性を付与し、配合した皮膚化粧料が提案されている
(特公昭48−1505)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚刺激性
や副作用の問題がなく、安全且つ安定で、非常に優れた
美白効果及び老化防止効果を発揮する皮膚外用剤を提供
することを目的とする。すなわち、美白効果及び老化防
止効果を有するグルタチオン類の経皮及び細胞膜透過性
を高めて、表皮基底層に有効に到達させることを可能と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って本発明において
は、グルタチオン類の経皮及び細胞膜透過性を高めるた
め、グルタチオン類誘導体の検討を行った。その結果、
グルタチオン類のグルタミン酸末端及びグリシン末端の
カルボン酸のどちらか一方又は両方を、特定の化合物と
エステル化して配合することにより、これらの経皮及び
細胞膜透過性は顕著に高まり、同一配合量におけるチロ
シナーゼ活性或いは生合成阻害作用及び抗酸化作用が驚
くほど向上することを見出した。従って皮膚外用剤基剤
に対する前記グルタチオン類のエステルの配合量は少量
でよく、外用剤の製剤安定性に及ぼす影響も小さく、さ
らに皮膚刺激の発生等安全性上の問題もない。
【0007】グルタチオン類のエステルとしては、細胞
膜親和性の高いものであれば特に限定されないが、炭素
数12〜20のアルキル若しくはアルケニルエステル、
ホスファチジン酸及びリゾホスファチジン酸を除くリン
脂質エステル、スフィンゴシン及びその誘導体のエステ
ル、糖脂質エステル、糖エステル、ステロールエステル
等が好ましい。
【0008】グルタチオン類のアルキル若しくはアルケ
ニルエステルは、炭素数12〜20のアルキル若しくは
アルケニルエステルが好ましい。このようなグルタチオ
ン類のアルキルエステルとしては、グルタチオン類のオ
クチルエステルのような直鎖脂肪族エステル、グルタチ
オン類のイソステアリルエステルのような分岐脂肪族エ
ステル、グルタチオン類のフェニルエチルエステルのよ
うなフェニルアルキルエステル等が、アルケニルエステ
ルとしてはグルタチオン類のオレイルエステル等が例示
される。
【0009】リン脂質エステルに用いられるリン脂質と
しては、ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチ
ジルセリン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチ
ジルグリセロール,ホスファチジルコリン等のグリセロ
リン脂質があげられる。これらグリセロリン脂質のホス
ファチジル基の1位又は2位に、グルタチオニル基をエ
ステル交換反応により導入する。グルタチオンは、ホス
ホリパーゼA1又はホスホリパーゼA2によるエステル交
換反応により、効率よくホスファチジル基の1位又は2
位にエステル結合させることができる。
【0010】さらに、リン脂質エステルに用いられるリ
ン脂質としては、スフィンゴミエリン,セラミドホスホ
エタノールアミン,セラミドホスホイノシトールのよう
なスフィンゴリン脂質を用いることもできる。
【0011】スフィンゴシン及びその誘導体のエステル
は、一般式(1)で示されるスフィンゴシン及びその誘
導体と、グルタチオン類のカルボン酸がエステル結合し
たものである。
【化1】
【0012】糖脂質エステルに用いられる糖脂質として
は、グリセロ糖脂質,スフィンゴ糖脂質のいずれでも良
い。グリセロ糖脂質としては、モノアシルグリコシルグ
リセロール,ジアシルガラクトシルグリセロール,グル
コサミニルホスファチジルグリセロール等が、また、ス
フィンゴ糖脂質の例としては、セレブロシド類,スルフ
ァチド類,セラミドオリゴヘキソシド類,グロボシド
類,ガングリオシド類等が挙げられる。
【0013】糖エステルに用いられる糖としては、細胞
膜親和性の点から単糖類又は2糖類〜3糖類くらいのオ
リゴ糖が好ましい。本発明の目的には、エリスロース,
トレオース等のテトロース類、アラビノース,キシロー
ス,リボース等のペントース類、ガラクトース,グルコ
ース,マンノース,プシコース,フルクトース等のヘキ
ソース類、N-アセチルガラクトサミン,N-アセチルグル
コサミン,マンノサミン等のアミノ糖類、マルトース,
ラクトース,ショ糖,セロビオース等の2糖類、セロト
リオース等の3糖類などが例示される。
【0014】グルタチオンの糖エステルは、グルタチオ
ンをエステル化し、これと糖とを水酸化ナトリウム等の
アルカリ触媒存在下にて反応させ、エステル交換反応等
により合成することができる。なお、副生成物のアルコ
ールを系から除去すると、反応を効率よく進ませること
ができる。
【0015】グルタチオン類のステロールエステルに用
いられるステロールとしては、動物起源のもの,植物起
源のもの及び合成によるもののいずれを用いても良い。
かかるステロールとしては、コレステロール,ラノステ
ロール,ジヒドロステロール及びこれらの混合物である
イソコレステロール,フィトステロール,シトステロー
ル,スチグマステロール,カンペステロール,デスモス
テロール,7-デヒドロコレステロール及びこれらステロ
ールの還元物等を挙げることができる。
【0016】グルタチオン類のステロールエステルは、
従来公知のエステル化反応により行わせることができ、
たとえば無触媒又はパラトルエンスルホン酸,塩化スズ
等の触媒の存在下に、グルタチオン類及びステロールの
混合物を約100〜250℃程度に加熱すればよい。こ
の反応の終点は、酸価を測定することにより知ることが
できる。
【0017】上記のグルタチオン類のエステルを通常の
皮膚外用剤基剤中に配合して皮膚外用剤とする。配合量
は、製剤中の有効濃度や製剤の安定性等を考慮して0.
001〜10重量%程度が適当である。外用剤の形態と
しては、ローション,乳剤,クリーム,軟膏等、種々の
形態をとることができる。また、化粧水,美容液,乳
液,クリーム等の老化防止用及び美白用化粧料としても
提供することができる。
【0018】また、酸化型グルタチオンのエステルを配
合した場合は、水素供与体であるNADH及び/又はN
ADPHと併用することにより、前記の生理活性がさら
に高められることを見出した。
【0019】
【作用】本発明で用いるグルタチオン類のエステルのメ
ラニン色素白色化作用、チロシナーゼ活性阻害作用及び
チロシナーゼ生合成阻害作用について以下に示す。グル
タチオン類のエステルは、リン脂質エステルとしてグル
タチオニル基を2位に導入した酸化型グルタチオンのホ
スファチジルセリンエステルを、糖エステルとして還元
型グルタチオングルコースエステルを、ステロールエス
テルとして還元型グルタチオンのコレステロールエステ
ル、アルキルエステルとして酸化型グルタチオンのラウ
リルエステルを用いNADPHを併用した。比較のた
め、酸化型グルタチオン及び還元型グルタチオンを用い
て同様に作用の測定を行った。
【0020】メラニン色素白色化作用は、グルタチオン
類のエステルを50重量%エタノールに溶解した後、適
当量の培地にて希釈して試料とした。マウスB16メラノ
ーマ細胞の懸濁液(細胞数50,000程度)に添加
し、3日間培養を行った後、細胞を分離し、測色して評
価した。グルタチオン類のエステルを添加せず同様に処
理した系を対照としてL値の差を求め、図1に示した。
グルタチオン類を添加した系と比較して、グルタチオン
類のエステルを添加した系では、L値の差が3倍以上大
きくなっており、グルタチオン類をエステル化して配合
することにより、細胞膜透過性が向上しメラニン色素白
色化作用が顕著に上昇した。
【0021】チロシナーゼ活性阻害作用は、グルタチオ
ン類のエステルを50重量%エタノールに溶解して試料
とし、酵素溶液としてチロシナーゼ(50,000unit
s,シグマ社製)を精製水で600倍希釈したものを用
い、チロシン50mgを精製水100mlに溶解して基
質溶液として評価した。グルタチオン類のエステルは、
最終濃度が1.0μM〜100mMの範囲で段階的に変
化するように添加した。
【0022】酵素反応は、試料溶液2ml,1/15M
リン酸緩衝液(pH6.8)2ml,基質溶液0.5m
l,酵素溶液0.5mlを混合し、37℃にて1時間イ
ンキュベートして行わせた。反応後475nmにおける
吸光度(As)を測定した。さらに試料溶液の代わりに
精製水を添加した系,及び基質溶液の代わりに精製水を
添加した系において同様に反応させ、それぞれの場合に
おける吸光度(Ab及びA0)を測定した。チロシナーゼ
活性阻害率は数式(1)により求めた。
【数1】
【0023】チロシナーゼ生合成阻害作用の評価は次の
ようにして行った。グルタチオン類のエステルの50重
量%エタノール溶液をマウスB16メラノーマ細胞(細胞
数50,000程度)に添加し、3日間培養を行った
後、以下の方法により細胞中のチロシナーゼ活性を測定
した。すなわち、1/15Mリン酸緩衝液(pH6.
8)2mlに1.0重量%のドーパ水溶液0.5ml及
び培養細胞液0.5mlを混合し、37℃にて1時間イ
ンキュベートした後、405nmにおける吸光度(A
s)を測定した。対照として溶媒の50重量%エタノー
ル水溶液のみを同様に添加して培養し、同様に培養細胞
液とドーパ水溶液とをインキュベートして吸光度(A
b)を測定し、数式(2)によりチロシナーゼ生合成阻害率
を求めた。グルタチオン類のエステルは、最終濃度が
1.0μM〜100mMの範囲で段階的に変化するよう
に添加した。
【数2】
【0024】各試料について、ドーズレスポンス曲線を
作成し、50%阻害濃度(ID50)を求めて、表1にま
とめて示した。表1において、グルタチオン類のエステ
ルのチロシナーゼ活性阻害作用及びチロシナーゼ生合成
阻害作用についてのID50は、エステル化していないグ
ルタチオン類の場合の1/271から1/60及び1/
108から1/29となり、グルタチオン類をエステル
化することにより、同一濃度で添加した場合、チロシナ
ーゼ活性阻害作用及びチロシナーゼ生合成阻害作用は大
幅に向上する。
【表1】
【0025】グルタチオン類のエステルの活性酸素種に
よる細胞傷害防御作用は、ヒト線維芽細胞に活性酸素種
を暴露し、その際の細胞生存率を指標として評価でき
る。培養したヒト線維芽細胞に、グルタチオン類のエス
テルを作用させた後、洗浄し、ヒポキサンチン-キサン
チンオキシダーゼ系にて活性酸素種(スーパーオキシド
及びヒドロキシラジカル)を暴露した。暴露後の細胞生
存率はMTT還元法により測定した。
【0026】なおMTT還元法は、細胞のミトコンドリ
ア内に存在する脱水素酵素が基質に作用して生じるNA
DHにより、系に添加したMTT(2-(4,5-シ゛メチル-2-チ
アゾリル)-3,5-ジフェニルテトラゾリウム ブロミド)
のテトラゾリウム環が開環することを利用する測定方法
である。テトラゾリウム環の開環により青色のフォルマ
ザンが生成するので、これを560nmにおける吸光度
測定により定量する。
【0027】その結果、図2に示すように、細胞膜透過
性に優れるグルタチオン類のエステルで処理した場合
は、70〜85%の良好な細胞生存率を示した。これに
対し、エステル化していないグルタチオン類で処理した
場合は、細胞膜透過性が低いため、30%未満の低い細
胞生存率を示した。
【0028】
【実施例】さらに、本発明について実施例により詳細に
説明する。
【0029】 実施例 乳液 (1) スクワラン 5.0(重量%) (2) 白色ワセリン 2.0 (3) ミツロウ 0.5 (4) ソルビタンセスキオレエート 0.8 (5) ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2 (6) 1,3-ブチレングリコール 5.0 (7) 精製水 59.0 (8) カルボキシビニルポリマー1.0重量%水溶液 20.0 (9) 水酸化カリウム 0.1 (10) エタノール 5.0 (11) グルタチオン類のエステル及び 1.0 NADPH,NADH (12) パラオキシ安息香酸メチル 0.2 (13) 香料 0.2 (1)〜(5)の油相成分を混合し75℃に加熱して溶解,
均一化する。一方(6),(7)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱し、前記の油相成分を添加して予備乳化
する。(8)を添加した後ホモミキサーにて均一に乳化
し、(9)を加えてpHを調整する。冷却後40℃にて、
(11)〜(13)の成分を(10)に溶解して添加,混合,均一化
する。
【0030】上記乳液に配合したグルタチオン類のエス
テルは、次の通りである。これらの替わりにエステル化
していないグルタチオン類及び酸化型グルタチオンとN
ADPH或いはNADHを配合したものを比較例とし
た。 エステル類 配合量 実施例1 還元型グルタチオンオクチルエステル 1.0 (重量%) 実施例2 酸化型グルタチオンイソステアリルエステル 1.0 実施例3 還元型グルタチオンスフィンゴミエリンエステル 1.0 実施例4 酸化型グルタチオンモノアシルグリコシル 1.0 グリセロールエステル 実施例5 還元型グルタチオンマルトースエステル 1.0 実施例6 酸化型グルタチオンマンノースエステル 0.95 NADPH 0.05 実施例7 還元型グルタチオンイソコレステロールエステル 1.0 実施例8 酸化型グルタチオンフィトステロールエステル 0.95 NADH 0.05 比較例1 還元型グルタチオン 1.0 比較例2 酸化型グルタチオン 0.95 NADPH 0.05 比較例3 酸化型グルタチオン 0.95 NADH 0.05 比較例4 酸化型グルタチオン 1.0
【0031】皮膚の老化防止効果(しわ発生防止効果) ヘアレスマウス5匹を一群とし、各群について本発明の
実施例及び比較例をそれぞれ1日1回背部に塗布し、1
J/平方cm/週のUVAを50週間照射し、しわの発
生状況を経時的に肉眼観察により評価した。しわの発生
状況は、「発生せず;0点」,「微小なしわがわずかに
発生;1点」,「軽微なしわが明確に発生;2点」,
「中程度のしわが発生;3点」,「深いしわが発生;4
点」として点数化し、各群の平均点を算出した。その
際、精製水を塗布した群を対照とした。
【0032】使用試験 皮膚の弾性の低下及びシミ,ソバカス,日焼け等の色素
沈着を主な症状として有するパネラー20名を一群と
し、各群にそれぞれ実施例及び比較例をブラインドにて
顔面及び手に使用させ、皮膚弾性及び色素沈着の変化を
観察し、評価した。使用期間は4月から10月の6カ月
間とした。皮膚弾性については、「上昇」,「やや上
昇」,「変化なし」,「低下」の4段階で、美白効果に
ついては、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3
段階にて評価をし、各評価を得たパネラー数にて結果を
示した。
【0033】
【表2】 皮膚の老化防止効果の結果を表2に示した。老化防止効
果測定結果より、グルタチオン類のエステルを配合した
実施例においては、いずれもしわの発生が顕著に抑制さ
れており、UVAを50週間照射した後においても、各
群とも微小なしわの発生を認めただけであった。これに
対してエステル化しないグルタチオン類を配合した比較
例1〜4においては、対照に比べ若干のしわ発生抑制効
果は認められるが、いずれにおいても明確なしわの形成
が見られ、形成されたしわはほぼ中程度の深さにまで達
していた。
【0034】
【表3】 表3に示した使用試験結果から明らかなように、グルタ
チオン類のエステルを配合した実施例を使用したパネラ
ーは全員皮膚弾性の上昇及び色素沈着の改善が認められ
た。これに対し、比較例1〜4を使用したパネラーは、
弾性がやや上昇したパネラーもいるが、明確に上昇の認
められたパネラーはおらず、美白効果に関しても、はっ
きりと改善が認められたパネラーはおらず、40〜50
%のパネラーで変化を認めなかった。以上の結果より、
グルタチオン類をエステル化して配合することにより、
エステル化していないグルタチオン類を配合した場合と
比較して、老化防止効果及び美白効果が飛躍的に向上し
ていることがわかる。
【0035】なお、上記の使用期間において、いずれの
実施例を使用した群においても、痛み、痒み等の皮膚刺
激やアレルギー反応等の皮膚症状を訴えたパネラーはい
なかった。また、乳化状態の悪化や配合成分の沈降,変
質等も認められなかった。
【0036】 実施例 液状皮膚外用剤 (1)グリセリン 20.0(重量%) (2)プロピレングリコール 10.0 (3)ポリオキシエチレン(EO5)硬化ひまし油 2.0 (4)精製水 61.7 (5)エタノール 5.0 (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.3 (7)還元型グルタチオンミリスチルエステル 1.0 (1)〜(7)の成分を順次添加し、混合,均一化する。
【0037】 実施例 美容液 (1)グリセリン 5.0(重量%) (2)プロピレングリコール 4.0 (3)エタノール 10.0 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)酸化型グルタチオンジヒドロステロールエステル 1.0 (6)精製水 79.9 (4),(5)の成分を(3)に溶解均一化した後、(1),
(2)及び(6)を順次加えて調製する。
【0038】 実施例 W/O乳化型クリーム (1)ミツロウ 3.0(重量%) (2)吸着精製ラノリン 5.0 (3)スクワラン 20.0 (4)固形パラフィン 2.0 (5)マイクロクリスタリンワックス 5.0 (6)アジピン酸ヘキシルデシル 10.0 (7)セスキオレイン酸ソルビタン 3.5 (8)ポリオキシエチレン(EO50)硬化ひまし油 1.0 (9)1,3−ブチレングリコール 5.0 (10)精製水 39.3 (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 (12)エタノール 5.0 (13)還元型グルタチオンガラクトシド 1.0 (1)〜(8)の油相成分を混合し75℃に加熱して溶解,均
一化する。一方(9)〜(11)の水相成分を混合,溶解して
75℃に加熱し、前記の油相成分に添加してホモミキサ
ーにて均一に乳化する。冷却後40℃にて、(13)の成分
を(12)に溶解して添加,混合,均一化する。
【0039】 実施例 O/W型乳剤性軟膏 (1)白色ワセリン 25.0(重量%) (2)ステアリルアルコール 15.0 (3)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 (4)パラオキシ安息香酸ブチル 0.3 (5)精製水 52.7 (6)エタノール 5.0 (7)酸化型グルタチオンフェニルエチルエステル 0.95 (8)NADPH 0.05 (1)〜(4)の油相成分を混合し75℃に加熱して溶解,
均一化する。75℃に加熱した(5)に油相成分を添加し
て乳化する。冷却後40℃にて、(7),(8)の成分を
(6)に溶解して添加,混合,均一化する。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、少
量のグルタチオン類のエステルを配合することにより、
非常に優れた美白効果及び老化防止効果を発揮する皮膚
外用剤を提供することができる。本発明に係る皮膚外用
剤においては、有効成分であるグルタチオン類が良好に
表皮,真皮及び表皮基底層のメラノサイトに到達でき、
低濃度の配合で優れた老化防止効果及び美白効果を示
す。従って、皮膚刺激性や感作性の発現するおそれがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるグルタチオン類のエステルと、
グルタチオン類のメラニン色素白色化作用を示す図であ
る。
【図2】本発明で用いるグルタチオン類のエステルと、
グルタチオン類の活性酸素種による細胞傷害防御作用を
示す図である。
【符号の説明】
1.酸化型グルタチオンのホスファチジルセリンエステ
ル 2.還元型グルタチオンのグルコースエステル 3.還元型グルタチオンのコレステロールエステル 4.酸化型グルタチオンのラウリルエステル+NADP
H 5.還元型グルタチオン 6.酸化型グルタチオン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/48 A61K 7/48 38/00 ADA C07K 5/037 AED C12N 9/99 C07K 5/037 A61K 37/02 ADA // C12N 9/99 AED

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化型及び/または還元型のグルタチオン
    の炭素数12〜20のアルキル若しくはアルケニルエス
    テル、ホスファチジン酸及びリゾホスファチジン酸を除
    くリン脂質エステル、スフィンゴシン及びその誘導体の
    エステル、糖脂質エステル、糖エステル、ステロールエ
    ステルから選ばれた1種又は2種以上を配合してなる皮
    膚外用剤。
  2. 【請求項2】酸化型グルタチオンの炭素数12〜20の
    アルキル若しくはアルケニルエステル、ホスファチジン
    酸及びリゾホスファチジン酸を除くリン脂質エステル、
    スフィンゴシン及びその誘導体のエステル、糖脂質エス
    テル、糖エステル、ステロールエステルから選ばれた1
    種又は2種以上と、還元型ニコチンアミドアデニンジヌ
    クレオチド及び/又は還元型ニコチンアミドアデニンジ
    ヌクレオチドリン酸とを配合してなる皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】皮膚外用剤が化粧料であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002047178A (ja) * 2000-08-03 2002-02-12 Noevir Co Ltd I型マトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤
JP2009051768A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Kohjin Co Ltd チロシナーゼ活性阻害組成物
WO2012063973A1 (en) * 2010-11-11 2012-05-18 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Antioxidant composition comprising oxidized glutathione

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