JPWO2005081389A1 - 多相同時スイッチング防止回路、pwmインバータ装置及びその駆動方法 - Google Patents

多相同時スイッチング防止回路、pwmインバータ装置及びその駆動方法 Download PDF

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Abstract

多相同時スイッチングを防止することにより、スイッチング素子の端子間に高いサージ電圧が印加されないPWMインバータ装置を提供する。PWM信号発生回路より出力される多相の制御信号を入力信号として取り込む複数の入力手段と、各相の入力信号の立ち上がりに応じて、それぞれ所定の期間において他相の入力信号の立ち上がりを遮蔽するための遮蔽パルスを発生させる遮蔽パルス発生手段と、他相の前記遮蔽パルス発生回路からの複数の遮蔽パルスの論理和を遮蔽期間とする信号を出力する遮蔽信号形成手段と、一相の入力信号を受けて、その立ち上がりを前記遮蔽信号形成回路からの出力信号の遮蔽期間の終了まで遅らせた信号を出力する信号遮蔽手段と、前記信号遮蔽回路からの出力信号を外部に出力する複数の出力手段とを備える同時スイッチング防止回路(100)がゲート駆動回路(3)と3相PWM信号発生回路(1)との間に挿入されている。

Description

この発明は、パルス幅変調(PWM)信号により直流電力を交流電力に変換するインバータ装置に関し、特に多相同時スイッチングを防止する回路または機能を有するインバータ装置に関するものである。
以下に、従来の3相PWMインバータ装置の一構成例について図面を参照しながら説明する。
図20の破線内部は従来の3相交流モータを駆動制御するための3相PWMインバータ装置の構成を示す回路ブロック図である(例えば、特開平7−298633号公報第2−3頁、第4図参照)。周知のように3相交流モータはU相、V相、W相と呼ばれる3つの相を持っている。これら3相をインバータ素子で駆動する場合、制御回路は各相それぞれのPWM信号を出力して制御を行う。3相PWM信号発生回路1はモータ2に供給する3相交流電圧波形(PWM波形)の基本周波数と実効電圧値に基きPWM信号を出力しており、その出力信号は6つのゲート駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fにそれぞれ伝えられ、さらにその出力がスイッチング素子である6つの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下IGBTと呼ぶ)4a,4b,4c,4d,4e,4fのゲート端子に接続されている。それぞれのIGBTには、6つのダイオード5a,5b,5c,5d,5e,5fが逆並列の接続されている。主電源6はモータ2に電力を供給する直流電源であり、実際にはAC100Vを整流平滑したDC140V程度あるいはAC200Vを整流平滑したDC280V程度の電源が一般的であるが、図面上では簡略化して電池記号にて表記している。主電源6にはコンデンサ7が並列に接続されている。ハイサイドのIGBT4a,4b,4cのコレクタ端子は主電源6の正極側端子に、ローサイドのIGBT4d,4e,4fのエミッタ端子は主電源6の負極側端子にそれぞれ接続されている。また、IGBT4aのエミッタ端子はIGBT4dのコレクタ端子と接続され、その接続点部分からモータ2に接続される出力端子Uが配線されている。同様にIGBT4bのエミッタ端子はIGBT4eのコレクタ端子と接続され、その接続点部分からモータ2に接続される出力端子Vが配線されて、IGBT4cのエミッタ端子はIGBT4fのコレクタ端子と接続され、その接続点部分からモータ2に接続される出力端子Wが配線されている。
このような構成の3相PWMインバータ装置の動作を図21を用いて説明する。図21は前記3相PWM信号発生回路1の動作を示す信号波形図である。3相PWM信号発生回路1は、モータ2に供給する3相交流電圧波形の基本周波数と実効電圧に基き、互いに120度ずつ位相のずれた3相正弦波の変調波信号EU,EV,EWを作成し、これらと三角波の搬送波信号ECとを比較して前記ゲート駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fに与えるPWM信号UP0、VP0、WP0、UN0、VN0、WN0を生成する(図21ではPWM信号UP0、VP0、WP0のみ図示)。ここでハイサイドを駆動するPWM信号UP0、VP0、WP0とローサイドを駆動するPWM信号UN0、VN0、WN0とはそれぞれが互いに論理反転の関係にあり、これによりハイサイドのIGBT4a,4b,4cとローサイドのIGBT4d,4e,4fが対応するもの同士で交互にオンオフ動作を行う。このことにより出力端子U,V,Wが主電源6の正極側端子と負極側端子とに交互にスイッチして、それらに接続されたモータ2が駆動する。実際には、ハイサイドを駆動するPWM信号UP0、VP0、WP0とローサイドを駆動するPWM信号UN0、VN0、WN0とは単純な論理反転の関係ではなく、スイッチング動作の過渡期に上下のアームが同時にオン状態となり負荷短絡を起こすことを防止するために、デッドタイムが設けられるのが通常であるが、本発明の本質には関わらないので省略する。
上記の3相PWMインバータ装置の動作についてより詳細に説明する。3相PWM信号発生回路1は、比較的周波数の高い搬送波信号ECと各相ごとの所望の波形を表している比較的周波数の低い変調波信号EU,EV,EWとを比較することにより、PWM信号を生成している。具体的には、ある変調波信号の大きさが搬送波信号の大きさより大きければ、該変調波信号に対応した相のハイサイドのIGBTがスイッチオンとなり、同じ相のローサイドのIGBTがスイッチオフとなるようなPWM信号が3相PWM信号発生回路1から出力される。搬送波信号が三角波の場合は、図21に示されるように、搬送波の立下りが2つの変調波信号の交点に一致する瞬間が存在する。このような場合においては、ハイサイドの一致した2相のIGBTは同時にスイッチオンし、急激な電流変化を招き、その結果としてIGBTの端子間に高いサージ電圧が印加されることになる。このことは、反対側のアームの相当するダイオードがフリーホイーリング・モードである間に2つのIGBTが同時にスイッチオンする場合に、特に当てはまる。さらにこのことは図22を参照することによっても説明することができる。図22は、逆回復モードでのフリーホイーリングダイオードの電流変化率(di/dt)の絶対値がより低い電流においてよる高くなる傾向を示している。図22の意味するところは、2つのスイッチングIGBTにより運ばれる全電流に起因する2つの同時逆回復電流変化率の総和の絶対値が、1つのIGBTにより運ばれる同じ大きさの全電流に起因する同時逆回復電流変化率の絶対値より大きくなるということである。搬送波信号が鋸歯波の場合は、図23に示されるように、さらに搬送波の立下りが3つの変調波信号の交点に一致する瞬間が存在する。このような場合には3相のIGBTが同時にスイッチオンすることとなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は多相同時スイッチングを防止することにより、スイッチング素子の端子間に高いサージ電圧が印加されないPWMインバータ装置を提供しようとするものである。
前記の目的を達成するために、本発明に係る多相同時スイッチング防止回路の実施の形態1は、PWM信号発生回路より出力される多相の制御信号を入力信号として取り込む複数の入力手段と、一相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して、それぞれ所定の期間において他相の入力信号の立ち上がりを遮蔽するための遮蔽パルスを発生させる遮蔽パルス発生手段と、他相の前記遮蔽パルス発生手段からの複数の遮蔽パルスの論理和により形成されるパルスのパルス幅を遮蔽期間とする遮蔽信号を出力する遮蔽信号形成手段と、上記一相の入力信号を受けて、その立ち上がり又は立ち下がりを前記遮蔽期間の終了まで遅らせた信号を出力する信号遮蔽手段と、上記信号遮蔽手段からの出力信号を外部に出力する複数の出力手段と、を備えることを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る多相同時スイッチング防止回路の実施の形態2は、PWM信号発生回路より出力される多相の制御信号を入力信号として取り込む複数の入力手段と、一相の入力信号と他相の入力信号とが所定の禁止期間内で同時に立ち上がること又は立ち下がることを検出し、その検出信号を出力する同時スイッチング検出手段と、上記同時スイッチング検出手段からの検出信号を受けて、所定の遮蔽期間を有する遮蔽信号を出力する遮蔽信号発生手段と、上記一相の入力信号を受けて、その立ち上がり又は立ち下がりを前記遮蔽期間だけ遅らせた信号を出力する信号遮蔽手段と、上記信号遮蔽手段からの出力信号を外部に出力する複数の出力手段と、を備えることを特徴とする。
上記のような構成としたため、スイッチング素子のスイッチングの結果として生じるスイッチング素子の端子間にかかるサージ電圧を低減でき、さらにはそのサージ電圧を含むスイッチング電圧とスイッチング電流との積であるスイッチング損失の低減を図ることができる。
図1は本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態1又は2の構成を示す回路ブロック図である。
図2は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例1を示す回路図である。
図3はラッチ回路の一例を示す回路図である。
図4はラッチ回路の真理値表を示す図である。
図5は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例1の動作を示すタイミングチャートである。
図6は従来の3相PWMインバータ装置において、2相同時スイッチングの瞬間における装置の端子P及び端子N間に印加される電圧VPNと端子Pより装置に流れ込む電流Iの波形を示しているシンクロスコープの画面である。
図7は本発明の3相PWMインバータ装置において、2相同時スイッチングの瞬間における装置の端子P及び端子N間に印加される電圧VPNと端子Pより装置に流れ込む電流Iの波形を示しているシンクロスコープの画面である。
図8は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例2を示す回路図である。
図9は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる第3の実施例を示す回路図である。
図10は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例4を示す回路図である。
図11は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例5を示す回路図である。
図12は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例5の動作を示すタイミングチャートである。
図13は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例6を示す回路図である。
図14は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態2にかかる実施例1を示す回路図である。
図15は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態2にかかる実施例1の動作を示すタイミングチャートである。
図16は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態2にかかる実施例2を示す回路図である。
図17は本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態3の構成を示す回路ブロック図である。
図18は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態3にかかる実施例1を示すフローチャートである。
図19は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態3にかかる実施例2を示すフローチャートである。
図20は従来のPWMインバータ装置の構成を示す回路ブロック図である。
図21は三角波搬送波による3相PWM信号発生回路の動作を示す信号波形図である。
図22はフリーホイーリングダイオードの逆回復モードでの電流変化率と電流の関係を示したグラフである。
図23は鋸歯波搬送波による3相PWM信号発生回路の動作を示す信号波形図である。
<実施の形態1>
以下、本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態1における実施例1について図面を参照しながら説明する。図1の破線内部は本発明の実施の形態1における実施例1の3相PWMインバータ装置の構成を示す回路ブロック図であり、従来のPWMインバータ装置の構成を示す回路ブロック図である図20とほぼ同じ構成であるが、同時スイッチング防止回路100がゲート駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fと3相PWM信号発生回路1との間に挿入されている点が異なる。ここで3相PWM信号発生回路1の搬送波信号は三角波である。図2はこの同時スイッチング防止回路100の内部構成を示す回路ブロック図であり、外部回路とのインターフェイスとして、3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号UP0を受け取るU相ハイサイド入力端子101,3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号VP0を受け取るV相ハイサイド入力端子102,3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号WP0を受け取るW相ハイサイド入力端子103から構成される入力手段と、ゲート駆動回路3aへ出力信号UP2を送り出すU相ハイサイド出力端子104,ゲート駆動回路3bへ出力信号VP2を送り出すV相ハイサイド出力端子105,ゲート駆動回路3cへ出力信号WP2を送り出すW相ハイサイド出力端子106から構成される出力手段とを備えている。この同時スイッチング防止回路100は、3相PWM信号発生回路1から受け取った各相のPWM信号に同時スイッチング防止のための信号処理を加えて、各相のゲート駆動回路に送り出す。
図2の回路において、ハイサイドのU相信号処理に関与する部分は、U相の信号遮蔽手段としてのU相NOT回路107及びU相ラッチ回路108と、U相の遮蔽パルス発生手段としてのU相ワンショットパルス発生回路109と、U相の遮蔽信号形成手段としてのU相NOR回路110とから構成されている。U相ハイサイド入力端子101からの配線は途中で分岐し、一方はU相NOT回路107に、他方はU相ワンショットパルス発生回路109に接続されている。同様に、ハイサイドのV相信号処理に関与する部分は、V相の信号遮蔽手段としてのV相NOT回路111及びV相ラッチ回路112と、V相の遮蔽パルス発生手段としてのV相ワンショットパルス発生回路113と、V相の遮蔽信号形成手段としてのV相NOR回路114とから構成され、またハイサイドのW相信号処理に関与する部分は、W相の信号遮蔽手段としてのW相NOT回路115及びW相ラッチ回路116と、W相の遮蔽パルス発生手段としてのW相ワンショットパルス発生回路117と、W相の遮蔽信号形成手段としてのW相NOR回路118とから構成されている。
U相ハイサイド入力端子101からの配線は途中で分岐し、一方はU相ワンショットパルス発生回路109の入力に、他方はU相NOT回路107の入力に接続されている。U相ワンショットパルス発生回路109の出力からの配線は途中で分岐し、一方はV相NOR回路114の入力に、他方はW相NOR回路118の入力に接続されている。V相ハイサイド入力端子102からの配線は途中で分岐し、一方はV相ワンショットパルス発生回路113の入力に、他方はV相NOT回路111の入力に接続されている。V相ワンショットパルス発生回路113の出力からの配線は途中で分岐し、一方はU相NOR回路110の入力に、他方はW相NOR回路118の入力に接続されている。W相ハイサイド入力端子103からの配線は途中で分岐し、一方はW相ワンショットパルス発生回路117の入力に、他方はW相NOT回路115の入力に接続されている。W相ワンショットパルス発生回路117の出力からの配線は途中で分岐し、一方はU相NOR回路110の入力に、他方はV相NOR回路114の入力に接続されている。U相NOT回路107の出力からの配線はU相ラッチ回路108のR端子に接続され、U相NOR回路110の出力からの配線はU相ラッチ回路108のS端子に接続され、U相ラッチ回路108のQ端子からの配線はU相ハイサイド出力端子104に接続されている。V相NOT回路111の出力からの配線はV相ラッチ回路112のR端子に接続され、V相NOR回路114の出力からの配線はV相ラッチ回路112のS端子に接続され、V相ラッチ回路112のQ端子からの配線はV相ハイサイド出力端子105に接続されている。W相NOT回路115の出力からの配線はW相ラッチ回路116のR端子に接続され、W相NOR回路118の出力からの配線はW相ラッチ回路116のS端子に接続され、W相ラッチ回路116のQ端子からの配線はW相ハイサイド出力端子106に接続されている。図2にはハイサイドの同時スイッチング防止回路のみが示されている。ローサイドにも同様の同時スイッチング防止回路が存在するが、その回路構成はハイサイドと同じ回路構成となるので図示を省略した。なお、各ラッチ回路は、例えば図3で示されるような回路であって、図4の真理値表で示される動作をする回路である。
このような構成の同時スイッチング防止回路により2相同時スイッチングを回避しているが、その動作を図5を用いて説明する。図5は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1における実施例1の動作を示すタイミングチャートである。3相PWM信号発生回路1から出力されたU相PWM信号UP0、V相PWM信号VP0、W相PWM信号WP0は、それぞれU相入力端子101、V相入力端子102、W相入力端子103から本回路内に導入される。ここで、3相PWM信号発生回路1の搬送波信号が三角波であるので、図5の前半に示されるように、時刻tでU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0の値が同時にロー(L)からハイ(H)に立ち上がる場合、即ちU相のスイッチング素子とV相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部がU相ワンショットパルス発生回路109に送られる。U相ワンショットパルス発生回路109はこの立ち上がりに同期して図5に示されるような所定の時間幅T1の遮蔽パルスUP1を発生させ、この遮蔽パルスUP1はV相NOR回路114とW相NOR回路118とに送られる。本実施例においてはT1=0.5μsとした。同様に、本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路113に送られる。V相ワンショットパルス発生回路113はこの立ち上がりに同期して図5に示されるような所定の時間幅T2の遮蔽パルスVP1を発生させ、この遮蔽パルスVP1はU相NOR回路110とW相NOR回路118とに送られる。本実施例においてはT2=1.0μsとした。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路117に送られるが、値がLからHに立ち上がっていないため、W相ワンショットパルス発生回路117は遮蔽パルスWP1を発生させることはない。
U相NOR回路110は、V相からの遮蔽パルスVP1とW相からの遮蔽パルスWP1のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を遮蔽信号として出力するが、この場合はV相遮蔽パルスVP1のみが送られてきているので、反転されたV相遮蔽パルスVP1をU相ラッチ回路108の端子Sに送ることになる。一方、本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は他の一部がU相NOT回路107を経由して、反転された状態でU相ラッチ回路108の端子Rに送られる。U相NOT回路107からの反転されたU相PWM信号UP0とU相NOR回路110からの反転されたV相遮蔽パルスVP1とを受けて、U相ラッチ回路108は、図4の真理値表に従い、U相PWM信号UP0の立ち上がりが時間幅T2だけ遅れた信号、即ち図5に示されるようなU相PWM信号UP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号UP2をU相ハイサイド出力端子104に送り出す。同様に、V相NOR回路114は反転されたU相遮蔽パルスUP1をV相ラッチ回路112の端子Sに送り、一方、本回路内に導入されたV相PWM信号VP0は他の一部がV相NOT回路111を経由して、反転された状態でV相ラッチ回路112の端子Rに送られる。V相ラッチ回路112は、図4の真理値表に従い、V相PWM信号VP0の立ち上がりが時間幅T1だけ遅れた信号、即ち図5に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりをU相遮蔽パルスUP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号VP2をV相ハイサイド出力端子105に送り出す。ここでT1=T2であると遅延させた2つのPWM信号の立ち上がりが再度一致し同時スイッチングを回避できないので、本実施例のようにT1≠T2である必要がある。
次に図5の後半に示されるように、時刻tでまずW相PWM信号WP0の値がLからHに立ち上がり、0.5μs未満の微小時間後にU相PWM信号UP0の値がLからHに立ち上がる場合について考える。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0は、その一部がW相ワンショットパルス発生回路117に送られる。W相ワンショットパルス発生回路117はこの立ち上がりに同期して図5に示されるような所定の時間幅T3の遮蔽パルスWP1を発生させ、この遮蔽パルスWP1はU相NOR回路110とV相NOR回路114とに送られる。本実施の形態においてはT3=1.5μsとした。一方、本回路内に導入されたW相PWM信号WP0は他の一部がW相NOT回路115を経由して、反転された状態でW相ラッチ回路116の端子Rに送られる。W相NOR回路118は、この時点でU相遮蔽パルスUP1またはV相遮蔽パルスVP1を受けていないので、W相ラッチ回路116の端子SにH信号を出力する。これによりW相ラッチ回路116は、図4の真理値表に従い、W相PWM信号WP0を遮蔽することなくそのまま出力信号WP2としてW相ハイサイド出力端子106に出力する。
微小時間後に本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は、その一部がU相ワンショットパルス発生回路109に送られる。U相ワンショットパルス発生回路109はこの立ち上がりに同期して図5に示されるような所定の時間幅T1の遮蔽パルスUP1を発生させ、この遮蔽パルスUP1はV相NOR回路114とW相NOR回路118とに送られる。このとき、遮蔽パルスUP1を受けたW相NOR回路118はW相ラッチ回路116の端子SにL信号を出力するが、端子RがLであるために、図4の真理値表に従いW相ラッチ回路116の端子Qは直前の状態を維持するため、出力信号WP2がLに反転することはない。一方、本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は他の一部がU相NOT回路107を経由して、反転された状態でU相ラッチ回路108の端子Rに送られる。U相NOT回路107からの反転されたU相PWM信号UP0とU相NOR回路110からの反転されたW相遮蔽パルスWP1とを受けて、U相ラッチ回路108は、図4の真理値表に従い、U相PWM信号UP0の立ち上がりがW相PWM信号WP0の立ち上がりより時間幅T3だけ遅れた信号、即ち図5に示されるようなU相PWM信号UP0の立ち上がりをW相遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号UP2をU相ハイサイド出力端子104に送り出す。
以上図5に基き2つの場合について本実施例の動作を説明したが、いずれの場合においても、スイッチオンの時間を遅らせ2相のスイッチングのタイミングにある時間差を設けたため、2相同時スイッチングが回避され該2相が少なくとも0.5μsの時間間隔をおいてスイッチオンしていることが分かる。また、上記動作説明においては、前半部分はU相とV相の同時スイッチングの場合について、後半部分はU相とW相の微小時間差同時スイッチングの場合について説明したが、各相の信号処理部分の構成は同一であるため、他の同時スイッチング又は微小時間差同時スイッチングの場合でも同様の動作が実現することは言うまでもない。本実施の形態の動作をより概念的に説明すると、一相の入力信号がLからHへ立ち上がると、その立ち上がりに同期して、遮蔽パルス発生手段が他相に所定の時間幅の遮蔽パルスを送り出す。この遮蔽パルスは、その値がHの期間において他相にスイッチオンの抑制を要求する信号となる。他相は遮蔽信号形成手段により複数の遮蔽パルスを受けてその論理和をとり、複数の遮蔽パルスのいずれかがHとなっている期間(これを遮蔽期間と呼ぶことにする)においてその値がHとなるような遮蔽信号を形成する。このとき必要であれば本実施の形態のように反転させた形で遮蔽信号を次の信号遮蔽手段に出力してもよい。この場合は遮蔽期間は遮蔽信号の値がLの期間となる。さらに他相は信号遮蔽手段により、遮蔽信号形成手段からの遮蔽信号に基き、他相の入力信号の立ち上がりを遮蔽期間だけ遮蔽した出力信号を出力端子に送り出す。以上が本実施の形態における同時スイッチング防止の動作を要約したものである。
本実施の形態は上述のような構成・作用を有するため、2相同時スイッチングを回避でき、それによりスイッチング素子のスイッチングの結果として生じるスイッチング素子の端子間にかかるサージ電圧を低減でき、さらにはスイッチング損失の低減を図ることができる。図6は従来の3相PWMインバータ装置において、2相同時スイッチングの瞬間における装置の端子P及び端子N間(図20参照)に印加される電圧VPNと端子Pより装置に流れ込む電流Iの波形を示しているシンクロスコープの画面である。図7は本実施の形態の3相PWMインバータ装置において、2相同時スイッチングの瞬間における装置の端子P及び端子N間(図1参照)に印加される電圧VPNと端子Pより装置に流れ込む電流Iの波形を示しているシンクロスコープの画面である。両図とも横軸は時間軸でスケールは200ns/Div、縦軸は上の波形が電圧でスケールは100V/Div、下の波形は電流でスケールは100A/Divである。図6と図7とを比較すると、2相同時スイッチング防止機能のない従来の3相PWMインバータ装置の場合(図6)は定常電圧300Vに対し最大402Vのサージ電圧が印加されているが、2相同時スイッチング防止機能のある本実施の形態の3相PWMインバータ装置の場合(図7)は定常電圧300Vに対し最大370Vのサージ電圧となっており、サージ電圧低減の効果があることが示されている。
また図6と図7によれば、2相のスイッチング素子がスイッチオンするときの時間差は、0.5μs以上であれば2相のスイッチングによるサージ電圧の重畳がなく、本効果が充分に発揮されることが分かる。したがって、上記時間幅T1、T2、T3は0.5μs以上であることが望ましく、さらには互いに0.5μs以上の時間差を持つように設定することが望ましい。
上述のような実施の形態1による同時スイッチング防止の考え方は、図8に示される本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる第2の実施例においても実現できる。図8において図2と同じ番号は同じ構成要素を示すため説明を省略するが、図2と異なる部分はU相NOR回路がU相AND回路204に、V相NOR回路がV相AND回路205に、W相NOR回路がW相AND回路206にそれぞれ置き換わり、U相ワンショットパルス発生回路109からV相AND回路205またはW相AND回路206に至る線路上に第2のU相NOT回路201が、V相ワンショットパルス発生回路113からU相AND回路204またはW相AND回路206に至る線路上に第2のV相NOT回路202が、W相ワンショットパルス発生回路117からU相AND回路204またはV相AND回路205に至る線路上に第2のW相NOT回路203がそれぞれ挿入されている点である。即ち、図2の回路では各相の遮蔽信号形成手段が反転論理和回路で構成されていたのに対し、図8の回路では各相の遮蔽信号形成手段が論理積回路とその複数の入力端子に接続された反転回路とで構成されている。この両方の構成が等価であることはド・モルガンの法則より明らかであるので、図8の同時スイッチング防止回路が図2の同時スイッチング防止回路と同じ作用・効果を具備することは言うまでもない。但し、図2の実施例1の方が各相とも第2のNOT回路が不要となり、回路構成が簡単になるという利点がある。
図2又は図8の回路に使用されているラッチ回路は図4に示されるような真理値表に基き動作するわけであるが、R端子への入力信号とS端子への入力信号との間に微妙な時間差が生じた場合には、図4の真理値表に従って動作しない場合がある。例えば、S端子の値がHでR端子の値がHでしたがってQ端子の値がLである状態において、次の瞬間にS端子の値とR端子の値とが同時にHに遷移した場合には、図4の真理値表によればQ端子の値は遷移前のLのままであるが、本来同時あるべきだが遅れが生じてR端子の値の方がS端子の値よりある時間だけ早く遷移した場合には、その時間の程度によっては一時的にS端子の値がHでR端子の値がLでしたがってQ端子の値がHである状態が存在し、しかる後にS端子の値がHとなるのでQ端子の値は遷移前のHのままとなり、本来意図しなかった動作を引き起こすこととなる。このような異常動作はS端子の値とR端子の値とが同時にHからLに遷移する場合に発生するわけであるから、S端子の値とR端子の値とが同時にHとなる状態を回避できれば、上記のような異常動作を防止できる。
図9に示された第3の実施例は、図2の実施例において発生が懸念される上記異常動作の防止対策を施したものである。即ち、図2の実施例において、U相NOT回路107からの出力信号をU相NOR回路110にも供給し、U相NOR回路110はV相からの遮蔽パルスVP1とW相からの遮蔽パルスWP1とU相NOT回路107からの出力信号の3つの信号のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように新たな結線を追加した。また同様に、V相NOT回路111からの出力信号をV相NOR回路114にも供給し、V相NOR回路114はU相からの遮蔽パルスUP1とW相からの遮蔽パルスWP1とV相NOT回路111からの出力信号の3つの信号のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように、更にはW相NOT回路115からの出力信号をW相NOR回路118にも供給し、W相NOR回路118はU相からの遮蔽パルスUP1とV相からの遮蔽パルスVP1とW相NOT回路115からの出力信号の3つの信号のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように新たな結線を追加した。図9の実施例はこのような結線を追加したことにより、各ラッチ回路のR端子の値がHのときには同時に各NOR回路の入力端子の1つがHとなり他の入力端子の値に関わらず各NOR回路は各ラッチ回路のS端子に値Lを出力するので、図9の実施例においてはS端子の値とR端子の値とが同時にHとなる状態を回避できていることがわかる。またR端子の値がHのときには、S端子の値がHであってもLであっても出力であるQ端子の値はLであるので、この結線の付加により同時スイッチング防止機能が損なわれることはない。
上記のようなラッチ回路の異常動作の防止対策は、図8の第2の実施例に対しても適用でき、それが図10の実施例4に示されている。図10の実施例は、図8の実施例において、U相ハイサイド入力端子101から導入されたU相PWM信号UP0の一部をU相AND回路204にも供給し、U相AND回路204はV相からの反転された遮蔽パルスVP1とW相からの反転された遮蔽パルスWP1とU相PWM信号UP0の3つの信号のいずれかがLの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように新たな結線を追加した。また同様に、V相ハイサイド入力端子102から導入されたPWM信号VP0の一部をV相AND回路205にも供給し、V相AND回路205はU相からの遮蔽パルスUP1とW相からの遮蔽パルスWP1とPWM信号VP0の3つの信号のいずれかがLの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように、更にはW相ハイサイド入力端子103から導入されたPWM信号WP0の一部をW相AND回路206にも供給し、W相AND回路206はU相からの遮蔽パルスUP1とV相からの遮蔽パルスVP1とPWM信号WP0の3つの信号のいずれかがLの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように新たな結線を追加した。図10の実施例はこのような結線を追加したことにより、各ラッチ回路のR端子の値がHのときには各PWM信号はLであるため同時に各AND回路の入力端子の1つがHとなり各AND回路は他の入力端子の値に関わらず各ラッチ回路のS端子に値Lを出力するので、図10の実施例においてはS端子の値とR端子の値とが同時にHとなる状態を回避できていることがわかる。またR端子の値がHのときには、S端子の値がHであってもLであっても出力であるQ端子の値はLであるので、この結線の付加により同時スイッチング防止機能が損なわれることはない。
3相PWM信号発生回路の搬送波信号が三角波である場合には2相同時スイッチング防止だけを考慮すればよいが、搬送波信号が鋸歯波の場合にはさらに3相同時スイッチング防止についても考慮する必要がある。図2の同時スイッチング防止回路100において3相同時スイッチングを引き起こすPWM信号UP0、VP0、WP0が入力された場合、U相出力信号UP2はPWM信号UP0の立ち上がりがT2とT3の長い方の時間幅だけ遮蔽された信号となり、V相出力信号VP2はV相PWM信号VP0の立ち上がりがT1とT3の長い方の時間幅だけ遮蔽された信号となり、W相出力信号WP2はW相PWM信号WP0の立ち上がりがT1とT2の長い方の時間幅だけ遮蔽された信号となる。T1,T2<T3である場合には、U相出力信号UP2とV相出力信号VP2とは図2の同時スイッチング防止回路での処理を経た後もなお同時に立ち上がり、スイッチング素子の同時スイッチングを完全に回避しきれていないこととなる。実施の形態1における同時スイッチング防止の概念を継承しながら、上記3相同時スイッチングの場合においても、有効に動作する同時スイッチング防止回路を例示したのが、図11に示される実施例5である。
以下、本発明の実施の形態1における実施例5に使用される同時スイッチング防止回路500について図11を参照しながら説明する。図11において図2と同じ番号は同じ構成要素を示すため説明を省略するが、図2と異なる部分は、W相ワンショットパルス発生回路117からV相NOR回路114の入力側への信号線路に、NOT回路501とAND回路502から構成される遮蔽パルス抑制回路が挿入されている点である。即ち、U相の信号線よりPWM信号UP0を分岐しNOT回路501により反転させた信号を一方の入力とし、W相ワンショットパルス発生回路117からの出力を他方の入力とし、一方と他方の入力の論理積をV相NOR回路114の一方の端子に対し出力するようにAND回路502が接続されている。
このような構成の同時スイッチング防止回路により3相同時スイッチングを回避しているが、その動作を図12を用いて説明する。図12は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1における実施例5の動作を示すタイミングチャートである。3相PWM信号発生回路から出力されたU相PWM信号UP0、V相PWM信号VP0、W相PWM信号WP0は、それぞれU相入力端子101、V相入力端子102、W相入力端子から本回路内に導入される。ここで、3相PWM信号発生回路1の搬送波信号が鋸歯波であるので、図12の前半に示されるように、時刻tでU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合、即ちU相とV相とW相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部がU相ワンショットパルス発生回路109に送られる。U相ワンショットパルス発生回路109はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T1の遮蔽パルスUP1を発生させ、この遮蔽パルスUP1はV相NOR回路114とW相NOR回路118とに送られる。本実施例においてはT1=0.5μsとした。同様に、本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路113に送られる。V相ワンショットパルス発生回路113はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T2の遮蔽パルスVP1を発生させ、この遮蔽パルスVP1はU相NOR回路110とW相NOR回路118とに送られる。本実施例においてはT2=1.0μsとした。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路117に送られる。W相ワンショットパルス発生回路117はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T3の遮蔽パルスWP1を発生させ、この遮蔽パルスWP1はU相NOR回路110とAND回路502とに送られる。本実施例においてはT3=1.5μsとした。
U相NOR回路110は、V相からの遮蔽パルスVP1とW相からの遮蔽パルスW のいずれかがHの場合に信号をそれ以外はH信号を遮蔽信号として出力するが、この場合はV相遮蔽パルスVP1とW相遮蔽パルスWP1とが送られてきておりT1<T3であるので、反転されたW相遮蔽パルスWP1をU相ラッチ回路108の端子Sに送ることになる。一方、本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は他の一部がU相NOT回路107を経由して、反転された状態でU相ラッチ回路108の端子Rに送られる。U相NOT回路107からの反転されたU相PWM信号UP0とU相NOR回路110からの反転されたW相遮蔽パルスWP1とを受けて、U相ラッチ回路108は、図4の真理値表に従い、U相PWM信号UP0の立ち上がりが時間幅T3だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなU相PWM信号UP0の立ち上がりをW相遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号UP2をU相ハイサイド出力端子104に送り出す。同様に、W相NOR回路118は、T1<T2であるため反転されたV相遮蔽パルスVP1をW相ラッチ回路116の端子Sに送り、一方、本回路内に導入されたW相PWM信号WP0は他の一部がW相NOT回路115を経由して、反転された状態でW相ラッチ回路116の端子Rに送られる。W相ラッチ回路116は、図4の真理値表に従い、W相PWM信号WP0の立ち上がりが時間幅T2だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなW相PWM信号WP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号WP2をW相ハイサイド出力端子106に送り出す。
V相NOR回路114は、U相遮蔽パルスUP1とW相遮蔽パルスWP1のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を遮蔽信号として出力するわけであるが、本実施例ではW相ワンショットパルス発生回路117からV相NOR回路114の入力側への信号線路に遮蔽パルス抑制回路が挿入されているため、他相とは異なる動作となる。この遮蔽パルス抑制回路では、W相遮蔽パルスWP1とU相PWM信号UP0の反転信号との論理積がとられているため、U相PWM信号UP0がHの時にはW相遮蔽パルスWP1は抑制されてV相NOR回路114に出力されない。したがって、図12の前半に示されるようなU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合には、この遮蔽パルス抑制回路が働きW相遮蔽パルスWP1がV相NOR回路114へ送られないため、V相NOR回路114の出力は反転されたU相遮蔽パルスUP1となり、V相ラッチ回路112は、図4の真理値表に従い、V相PWM信号VP0の立ち上がりが時間幅T1だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりをU相遮蔽パルスUP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号VP2をV相ハイサイド出力端子105に送り出す。
次に図12の後半に示されるように、時刻tでV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合、即ちV相のスイッチング素子とW相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路113に送られる。V相ワンショットパルス発生回路113はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T2の遮蔽パルスVP1を発生させ、この遮蔽パルスVP1はU相NOR回路110とW相NOR回路118とに送られる。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路117に送られる。W相ワンショットパルス発生回路117はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T3の遮蔽パルスWP1を発生させ、この遮蔽パルスWP1はU相NOR回路110とAND回路502とに送られる。AND回路502に送られてきた遮蔽パルスWP1は、ここでU相PWM信号UP0の反転信号との論理積がとられるが、この時点でU相PWM信号UP0はLのままなので、AND回路502はこのままV相NOR回路114に遮蔽パルスWP1を出力することとなる。したがって、V相ラッチ回路112は、図4の真理値表に従い、V相PWM信号VP0の立ち上がりが時間幅T3だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりを遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号VP2をV相ハイサイド出力端子105に送り出す。W相NOR回路118は、U相遮蔽パルスUP1とV相遮蔽パルスVP1のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を遮蔽信号として出力するが、この場合はV相遮蔽パルスVP1のみが送られてきているので、反転されたV相遮蔽パルスVP1をW相ラッチ回路116の端子Sに送ることになる。W相ラッチ回路116は、図4の真理値表に従い、W相PWM信号WP0の立ち上がりが時間幅T2だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなW相PWM信号WP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号WP2をW相ハイサイド出力端子106に送り出す。
以上説明してきたように、遮蔽パルス抑制回路はU相PWM信号UP0がHとなったとき遮蔽パルスWP1が出力されるのを抑制し、U相PWM信号UP0がLとなったとき遮蔽パルスWP1をそのまま通過させる機能を有しているため、遮蔽パルス抑制回路が付加された本実施例は、2相同時スイッチングのみならず3相同時スイッチングをも回避することができることが理解できよう。またこの遮蔽パルス抑制回路は、時間幅が中間の遮蔽パルスを発生させる相、即ち本実施例のようにV相に設けるのが適切である。U相NOR回路110はT2とT3のいずれか長い方を遮蔽期間、V相NOR回路114はT1とT3のいずれか長い方を遮蔽期間、W相NOR回路118はT1とT2のいずれか長い方を遮蔽期間とするが、T1<T2<T3である場合は、遮蔽パルス抑制回路をU相に設けると遮蔽期間はそれぞれU相でT2,V相でT3,W相でT2となり、同時スイッチングを防止できず不適切である。さらに図示していないが、このような遮蔽パルス抑制回路を図9の実施例3にも同様に付加できることは容易に理解できよう。
このような遮蔽パルス抑制回路の付加は図8の実施例にも適用できる。図13は実施例2に遮蔽パルス抑制回路を付加した本発明の実施の形態1における実施例6に使用される同時スイッチング防止回路600の回路構成図を示している。図13において図8と同じ番号は同じ構成要素を示すため説明を省略するが、図8と異なる部分は、W相ワンショットパルス発生回路117からV相AND回路205の入力側への信号線路に、V相OR回路601から構成される遮蔽パルス抑制回路が挿入されている点である。即ち、U相の信号線よりのPWM信号UP0を一方の入力とし、W相ワンショットパルス発生回路117からの出力の反転信号を他方の入力とし、一方と他方の入力の論理和をV相AND回路205の一方の端子に対し出力するようにV相OR回路601が接続されている。本実施例の遮蔽パルス抑制回路は図11の実施例の遮蔽パルス抑制回路と構成が異なるが、この両実施例全体の構成が等価であることはド・モルガンの法則より容易に証明できるので、図13の同時スイッチング防止回路が図11の同時スイッチング防止回路と同じ作用・効果を具備することは言うまでもない。さらに図示していないが、このような遮蔽パルス抑制回路を図10の実施例4にも同様に付加できることは容易に理解できよう。
<実施の形態2>
以下、本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態2における実施例1について図面を参照しながら説明する。装置全体の構成は図1と共通で、同時スイッチング防止回路100が同時スイッチング防止回路700に置き換わっただけなので図示及び説明は省略する。図14はこの同時スイッチング防止回路700の内部構成を示す回路ブロック図であり、外部回路とのインターフェイスとして、3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号UP0を受け取るU相ハイサイド入力端子701,3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号VP0を受け取るV相ハイサイド入力端子702,3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号WP0を受け取るW相ハイサイド入力端子703から構成される入力手段と、ゲート駆動回路3aへ出力信号UP2を送り出すU相ハイサイド出力端子704,ゲート駆動回路3bへ出力信号VP2を送り出すV相ハイサイド出力端子705,ゲート駆動回路3cへ出力信号WP2を送り出すW相ハイサイド出力端子706から構成される出力手段とを備えている。
図14の回路において、ハイサイドのU相信号処理に関する部分は、U相の信号遮蔽手段としての第1のU相NOT回路707及び第1のU相ラッチ回路708と、U相の遮蔽信号発生手段としてのU相ワンショットパルス発生回路709,第2のU相NOT回路710,第2のU相ラッチ回路711,U相OR回路712及び第3のU相NOT回路713とから構成されている。同様にハイサイドのV相信号処理に関する部分は、V相の信号遮蔽手段としての第1のV相NOT回路714及び第1のV相ラッチ回路715と、V相の遮蔽信号発生手段としてのV相ワンショットパルス発生回路716,第2のV相NOT回路717,第2のV相ラッチ回路718,V相OR回路719及び第3のV相NOT回路720とから構成されている。また同様にハイサイドのW相信号処理に関する部分は、W相の信号遮蔽手段としての第1のW相NOT回路721及び第1のW相ラッチ回路722と、W相の遮蔽信号発生手段としてのW相ワンショットパルス発生回路723,第2のW相NOT回路724,第2のW相ラッチ回路725,W相OR回路726及び第3のW相NOT回路727とから構成されている。本回路においては上述の各相の信号処理に関する部分以外に更に、同時スイッチング検出手段としての第1のワンショットパルス発生回路728,第2のワンショットパルス発生回路729,第3のワンショットパルス発生回路730,第1のAND回路731,第2のAND回路732及び第3のAND回路733とから構成されている。
U相ハイサイド入力端子701からの配線は途中で3つに分岐し、その1つは第1のワンショットパルス発生回路728の入力に、他の1つはU相ワンショットパルス発生回路709の入力に、残りの1つは第1のU相NOT回路707の入力に接続されている。V相ハイサイド入力端子702からの配線は途中で3つに分岐し、その1つは第2のワンショットパルス発生回路729の入力に、他の1つはV相ワンショットパルス発生回路716の入力に、残りの1つは第1のV相NOT回路714の入力に接続されている。W相ハイサイド入力端子703からの配線は途中で3つに分岐し、その1つは第3のワンショットパルス発生回路730の入力に、他の1つはW相ワンショットパルス発生回路723の入力に、残りの1つは第1のW相NOT回路721の入力に接続されている。第1のワンショットパルス発生回路728の出力からの配線は途中で分岐し、一方は第1のAND回路731の入力に、他方は第3のAND回路733の入力に接続されている。第2のワンショットパルス発生回路729の出力からの配線は途中で分岐し、一方は第1のAND回路731の入力に、他方は第2のAND回路732の入力に接続されている。第3のワンショットパルス発生回路730の出力からの配線は途中で分岐し、一方は第2のAND回路732の入力に、他方は第3のAND回路733の入力に接続されている。第1のAND回路731の出力からの配線は途中で分岐し、一方はU相OR回路712の入力に、他方はV相OR回路719の入力に接続されている。第2のAND回路732の出力からの配線は途中で分岐し、一方はV相OR回路719の入力に、他方はW相OR回路726の入力に接続されている。第3のAND回路733の出力からの配線は途中で分岐し、一方はU相OR回路712の入力に、他方はW相OR回路726の入力に接続されている。U相ワンショットパルス発生回路709の出力からの配線は第2のU相NOT回路710の入力に接続されている。V相ワンショットパルス発生回路716の出力からの配線は第2のV相NOT回路717の入力に接続されている。W相ワンショットパルス発生回路723の出力からの配線は第2のW相NOT回路724の入力に接続されている。第2のU相NOT回路710の出力からの配線は第2のU相ラッチ回路711のR端子に接続され、U相OR回路712の出力からの配線は第2のU相ラッチ回路711のS端子に接続され、第2のU相ラッチ回路711のQ端子からの配線は第3のU相NOT回路713の入力に接続されている。第1のU相NOT回路707の出力からの配線は第1のU相ラッチ回路708のR端子に接続され、第3のU相NOT回路713の出力からの配線は第1のU相ラッチ回路708のS端子に接続され、第1のU相ラッチ回路708のQ端子からの配線はU相ハイサイド出力端子704に接続されている。第2のV相NOT回路717の出力からの配線は第2のV相ラッチ回路718のR端子に接続され、V相OR回路719の出力からの配線は第2のV相ラッチ回路718のS端子に接続され、第2のV相ラッチ回路718のQ端子からの配線は第3のV相NOT回路720の入力に接続されている。第1のV相NOT回路714の出力からの配線は第1のV相ラッチ回路715のR端子に接続され、第3のV相NOT回路720の出力からの配線は第1のV相ラッチ回路715のS端子に接続され、第1のV相ラッチ回路715のQ端子からの配線はV相ハイサイド出力端子705に接続されている。第2のW相NOT回路724の出力からの配線は第2のW相ラッチ回路725のR端子に接続され、W相OR回路726の出力からの配線は第2のW相ラッチ回路725のS端子に接続され、第2のW相ラッチ回路725のQ端子からの配線は第3のW相NOT回路727の入力に接続されている。第1のW相NOT回路721の出力からの配線は第1のW相ラッチ回路722のR端子に接続され、第3のW相NOT回路727の出力からの配線は第1のW相ラッチ回路722のS端子に接続され、第1のW相ラッチ回路722のQ端子からの配線はW相ハイサイド出力端子706に接続されている。図14にはハイサイドの同時スイッチング防止回路のみが示されている。ローサイドにも同様の同時スイッチング防止回路が存在するが、その回路構成はハイサイドと同じ回路構成となるので図示を省略した。なお、各ラッチ回路は、例えば図3で示されるような回路であって、図4の真理値表で示される動作をする回路である。
このような構成の同時スイッチング防止回路により2相だけでなく3相同時スイッチングを回避しているが、その動作を図15を用いて説明する。図15は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態2における実施例1の動作を示すタイミングチャートである。3相PWM信号発生回路から出力されたU相PWM信号UP0、V相PWM信号VP0、W相PWM信号WP0は、それぞれU相入力端子701、V相入力端子702、W相入力端子703から本回路内に導入される。ここで図15の前半に示されるように、時刻tでU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合、即ちU相とV相とW相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部が第1のワンショットパルス発生回路728に送られる。第1のワンショットパルス発生回路728はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのU相スイッチング検出パルスを発生させ、第1のAND回路731と第3のAND回路733とに供給する。同様に本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部が第2のワンショットパルス発生回路729に送られ、第2のワンショットパルス発生回路729はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのV相スイッチング検出パルスを発生させ、第1のAND回路731と第2のAND回路732とに供給する。さらに同様に本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部が第3のワンショットパルス発生回路730に送られ、第3のワンショットパルス発生回路730はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのW相スイッチング検出パルスを発生させ、第2のAND回路732と第3のAND回路733とに供給する。
第1のAND回路731はU相スイッチング検出パルスとV相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちU相スイッチング検出パルスとV相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力する。両検出パルス共時間幅は0.5μsであるので、このことは時間幅0.5μs以下でU相とV相のPWM信号が立ち上がった場合、第1のAND回路731は同時スイッチング検出信号を出力することを意味する。同様に第2のAND回路732はV相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちV相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力し、このことは同様に時間幅0.5μs以下でV相とW相のPWM信号が立ち上がった場合、第2のAND回路732は同時スイッチング検出信号を出力することを意味する。また同様に、第3のAND回路733はU相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちU相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力し、このことは同様に時間幅0.5μs以下でU相とW相のPWM信号が立ち上がった場合、第3のAND回路733は同時スイッチング検出信号を出力することを意味する。したがって、図15の前半に示されるようにU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる時は、第1のAND回路731,第2のAND回路732及び第3のAND回路733は全て値Hを出力している。
一方本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部がU相ワンショットパルス発生回路709に送られる。U相ワンショットパルス発生回路709はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T1のU相遮蔽パルスUP1を発生させ、このU相遮蔽パルスUP1は第2のU相NOT回路710を経由して反転された状態で第2のU相ラッチ回路711の端子Rに送られる。本実施例ではT1=0.5μsとした。U相OR回路712は第1のAND回路731からの同時スイッチング検出信号と第3のAND回路733からの同時スイッチング検出信号との論理和を第2のU相ラッチ回路711の端子Sに出力する。即ち、U相PWM信号UP0がV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0とのいずれかと同時に立ち上がった場合には、立ち上がりから0.5μsまでU相OR回路712は値Hを出力する。第2のU相ラッチ回路711はこれら2つの信号を受けて図4の真理値表に従って出力するが、この場合はU相遮蔽パルスUP1をそのまま出力し、第3のU相NOT回路713を経由し反転させた状態で第1のU相ラッチ回路708の端子Sに供給する。さらに本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は、残り一部が第1のU相NOT回路707を経由して反転された状態で第1のU相ラッチ回路708の端子Rに供給される。第1のU相NOT回路707からの反転されたU相PWM信号UP0と第2のU相ラッチ回路711からの反転されたU相遮蔽パルスUP1とを受けて、第1のU相ラッチ回路708は、図4の真理値表に従い、U相PWM信号UP0の立ち上がりが時間幅T1だけ遅れた信号、即ち図15に示されるようなU相PWM信号UP0の立ち上がりをU相遮蔽パルスUP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号をU相ハイサイド出力端子704に送り出す。
また、本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路716に送られる。V相ワンショットパルス発生回路716はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T2のV相遮蔽パルスVP1を発生させ、このV相遮蔽パルスVP1は第2のV相NOT回路717を経由して反転された状態で第2のV相ラッチ回路718の端子Rに送られる。本実施例ではT2=1.0μsとした。その後同様な処理を経て、V相PWM信号VP0は図15に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号となってV相ハイサイド出力端子705から送り出される。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路723に送られる。W相ワンショットパルス発生回路723はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T3のW相遮蔽パルスWP1を発生させ、このW相遮蔽パルスWP1は第2のW相NOT回路724を経由して反転された状態で第2のW相ラッチ回路725の端子Rに送られる。本実施例ではT3=1.5μsとした。その後同様な処理を経て、図15に示されるようなW相PWM信号WP0の立ち上がりをW相遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号となってW相ハイサイド出力端子706から送り出される。ここでT1,T2,T3のいずれか2つが等しいと同時スイッチングを回避できないので、本実施例のようにT1≠T2≠T3≠T1である必要がある。
次ぎに図15の後半に示されるように、時刻tでV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合、即ちV相のスイッチング素子とW相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部が第2のワンショットパルス発生回路729に送られる。第2のワンショットパルス発生回路729はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのV相スイッチング検出パルスを発生させ、第1のAND回路731と第2のAND回路732とに供給する。同様に、本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部が第3のワンショットパルス発生回路730に送られる。第3のワンショットパルス発生回路730はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのW相スイッチング検出パルスを発生させ、第2のAND回路732と第3のAND回路733とに供給する。
第1のAND回路731はU相スイッチング検出パルスとV相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちU相スイッチング検出パルスとV相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力する。同様に第2のAND回路732はV相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちV相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力し、第3のAND回路733はU相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちU相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力する。したがって、図15の後半に示されるようにV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる時は、第1のAND回路731は値Lを,第2のAND回路732は値Hを、第3のAND回路733は値Lを出力している。
一方本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路716に送られる。V相ワンショットパルス発生回路716はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T2のV相遮蔽パルスVP1を発生させ、このV相遮蔽パルスVP1は第2のV相NOT回路717を経由して反転された状態で第2のV相ラッチ回路718の端子Rに送られる。V相OR回路719は第1のAND回路731からの同時スイッチング検出信号と第2のAND回路732からの同時スイッチング検出信号との論理和を第2のV相ラッチ回路718の端子Sに出力する。第2のV相ラッチ回路718はこれら2つの信号を受けて図4の真理値表に従って出力するが、この場合はV相遮蔽パルスVP1をそのまま出力し、第3のV相NOT回路720を経由し反転させた状態で第1のV相ラッチ回路715の端子Sに供給する。さらに本回路内に導入されたV相PWM信号VP0は、残り一部が第1のV相NOT回路714を経由して反転された状態で第1のV相ラッチ回路715の端子Rに供給される。第1のV相NOT回路714からの反転されたV相PWM信号VP0と第2のV相ラッチ回路718からの反転されたV相遮蔽パルスVP1とを受けて、第1のV相ラッチ回路715は、図4の真理値表に従い、V相PWM信号VP0の立ち上がりが時間幅T2だけ遅れた信号、図15に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号となってV相ハイサイド出力端子705に送り出す。
同様に、本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路723に送られる。W相ワンショットパルス発生回路723はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T3のW相遮蔽パルスWP1を発生させ、このW相遮蔽パルスWP1は第2のW相NOT回路724を経由して反転された状態で第2のW相ラッチ回路725の端子Rに送られる。その後同様な処理を経て、図15に示されるようなW相PWM信号WP0の立ち上がりをW相遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号となってW相ハイサイド出力端子706から送り出される。
本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部がU相ワンショットパルス発生回路709に送られる。U相ワンショットパルス発生回路709はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T1のU相遮蔽パルスUP1を発生させ、このU相遮蔽パルスUP1は第2のU相NOT回路710を経由して反転された状態で第2のU相ラッチ回路711の端子Rに送られる。U相OR回路712は第1のAND回路731からの同時スイッチング検出信号と第3のAND回路733からの同時スイッチング検出信号との論理和を第2のU相ラッチ回路711の端子Sに出力する。第2のU相ラッチ回路711はこれら2つの信号を受けて図4の真理値表に従って出力するが、この場合はU相遮蔽パルスUP1を遮断して値Lを出力し、第3のU相NOT回路713を経由し反転させた状態で第1のU相ラッチ回路708の端子Sに供給する。さらに本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は、残り一部が第1のU相NOT回路707を経由して反転された状態で第1のU相ラッチ回路708の端子Rに供給される。第1のU相NOT回路707からの反転されたU相PWM信号UP0と第2のU相ラッチ回蕗711からの反転されたU相遮蔽パルスUP1とを受けて、第1のU相ラッチ回路708は、図4の真理値表に従い信号を出力するが、この場合は図15に示されるようにU相PWM信号UP0をそのまま、値LのままU相ハイサイド出力端子704に送り出す。
以上図15に基き2つの場合について本実施例の動作を説明したが、いずれの場合においても、スイッチオンの時間を遅らせ2相又は3相のスイッチングのタイミングにある時間差を設けたため、2相同時スイッチング又は3相同時スイッチングが回避され該2相又は3相が少なくとも0.5μsの時間間隔をおいてスイッチオンしていることが分かる。また、上記動作説明においては、後半部分はV相とW相の同時スイッチングの場合について例示したが、各相の信号処理部分の構成は同一であるため、他の同時スイッチングの場合でも同様の動作が実現することは言うまでもない。本実施の形態の動作をより概念的に説明すると、各相の入力信号を同時スイッチング検出手段に送り込み、同時スイッチング検出手段は一相の入力信号と他相の入力信号とが所定の禁止期間内で同時に立ち上がることを検出し、その検出信号を出力する。各相の遮蔽信号発生手段は該相の入力信号がLからHへ立ち上がると、その立ち上がりに同期して所定の時間幅(遮蔽期間)の遮蔽パルスを発生させ、上記複数の検出信号を受けてその論理和をとり複数の検出信号のいずれかがHとなっている場合は上記遮蔽パルスをそのまま遮蔽信号として出力し、それ以外の場合は上記遮蔽パルスを遮断する。このとき必要であれば本実施の形態のように反転させた形で遮蔽信号を次の信号遮蔽手段に出力してもよい。この場合は遮蔽期間は遮蔽信号の値がLの期間となる。さらに各相は信号遮蔽手段により、遮蔽信号発生手段からの遮蔽信号に基き、各相の入力信号の立ち上がりを遮蔽期間だけ遮蔽した出力信号を出力端子に送り出す。以上が本実施の形態における同時スイッチング防止の動作を要約したものである。
本実施の形態は上述のような構成としたため、実施の形態1と同様多相同時スイッチングを回避でき、それによりスイッチング素子のスイッチングの結果として生じるスイッチング素子の端子間にかかるサージ電圧を低減でき、さらにはスイッチング損失の低減を図ることができる。更には同時スイッチングと判定される時間差が0.5μs以内に限定されるので、0.5μsを超える時間差のあるスイッチングに対しては無駄なスイッチング遅れを発生させることはない。
上記のような実施の形態2による同時スイッチング防止の考え方は、図16に示される本発明にかかる同時スイッチング防止回路の実施の形態2にかかる実施例2においても実現できる。図16において図14と同じ番号は同じ構成要素を示すため説明を省略するが、図14と異なる部分は、第1のワンショットパルス発生回路728,第2のワンショットパルス発生回路729,第3のワンショットパルス発生回路730が省略され、第1のワンショットパルス発生回路728から第1のAND回路731と第3のAND回路733とに引き出されていた結線はU相ワンショットパルス発生回路709からの結線に置き換えられ、第2のワンショットパルス発生回路729から第1のAND回路731と第2のAND回路732とに引き出されていた結線はV相ワンショットパルス発生回路716からの結線に置き換えられ、第3のワンショットパルス発生回路730から第2のAND回路732と第3のAND回路733とに引き出されていた結線はW相ワンショットパルス発生回路723からの結線に置き換えられている点である。即ち、第1のワンショットパルス発生回路728が供給していたU相スイッチング検出パルスをU相ワンショットパルス発生回路709が供給するU相遮蔽パルスUP1で代替し、第2のワンショットパルス発生回路729が供給していたV相スイッチング検出パルスをV相ワンショットパルス発生回路716が供給されるV相遮蔽パルスVP1で代替し、第3のワンショットパルス発生回路730が供給していたW相スイッチング検出パルスをW相ワンショットパルス発生回路723が供給するW相遮蔽パルスWP1で代替している。このようにしても、0.5μsを超える時間差のあるスイッチングに対しては無駄なスイッチング遅れを発生させる可能性はあるにしても、同時スイッチング防止機能は図14の実施例と同等であることは容易に理解できよう。更には図14の実施例と比較して、第1のワンショットパルス発生回路728,第2のワンショットパルス発生回路729,第3のワンショットパルス発生回路730が不要となり回路構成が簡単になるという利点がある。
<実施の形態3>
以上述べてきた実施の形態1及び実施の形態2では、同時スイッチング防止機能をワイアードロジックで実現してきたが、同等の機能をソフトウエアにても実現可能である。図17は本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態3における実施例1を図示しており、図1との相違は3相PWM信号発生機能を有する主制御ユニット10内にソフトウエアによる同時スイッチング防止手順1100を具備した点である。このような同時スイッチング防止手順1100は、主制御ユニット内に内蔵されたマイクロコンピュータ等により実行される。また上記マイクロコンピュータにはタイマーが内蔵されその値は所定のレジスタに格納されている。本同時スイッチング防止手順1100はワイアードロジックで実現している実施の形態1の同時スイッチング防止の概念をソフトウエアで実現したものであり、以下の5つの手順を含む。即ち第1の手順として、PWM信号発生回路より出力される複数の相の制御信号毎に設けられた遮蔽変数とタイマーとを初期化する。第2の手順として複数の相の制御信号を、Hならば1,Lならば0という2値の入力信号として取り込む。第3の手順として複数の各相それぞれの入力信号を判定する。第4の手順として、上記第3の手順における各相の入力信号の判定が0であれば、該相の出力信号を0とする。第5の手順として、上記第3の手順における各相の入力信号の判定が1であれば、該相の遮蔽変数の値を所定の期間(遮蔽期間)において1とし、他相の遮蔽変数の論理和を判定し0であれば該相の出力信号を1とする。以下、この同時スイッチング防止手順1100について図18の実施例1のフローチャートを参照しながら詳述する。
図18には、ハイサイドの制御信号についての処理のフローチャートが示されており、ローサイドの制御信号についての処理のフローチャートはハイサイドと同じであるので省略する。まずステップ1101では、装置の電源を入れる等の外部からの起動指令により本手順がスタートする。次に第1の手順としてのステップ1102が実行され、本同時スイッチング防止手順1100において使用される遮蔽変数とタイマーが初期化される。本実施例ではU相,V相,W相の3相であるので、遮蔽変数UP1,遮蔽変数VP1,遮蔽変数WP1にそれぞれ初期値0が格納される。タイマーUPT,タイマーVPT,タイマーWPTは初期化され、それぞれのレジスタの値は0となる。次に第2の手順としてのステップ1103が実行され、PWM信号発生回路より出力されるU相PWM信号UP0,V相PWM信号VP0,W相PWM信号WP0がマイクロコンピュータ内部のレジスタUP0,VP0,WP0に読み込まれ、この時点での各相の制御信号がHのときは値1が、Lのときは値0がセットされる。
第3から第5の手順はU相,V相,W相のそれぞれに対して実行され、まずU相に対する処理を説明する。第3の手順としてのステップ1104では、ステップ1103で読み込まれた制御信号の内まずレジスタUP0の値が1であるかどうかが判定され、偽であれば第4の手順であるステップ1105が実行され、真であれば第5の手順であるステップ1106以下が実行される。ステップ1105では、タイマーUPTと遮蔽変数UP1は初期化され、マイクロコンピュータのハイサイドU相出力信号ポートUP2に0が出力される。この出力により主制御ユニット10はU相ハイサイド出力端子より値LのU相出力信号UP2を駆動回路に供給する。ステップ1106では遮蔽変数UP1に値1がセットされる。ステップ1107ではタイマーUPTのレジスタの値が0より大きいかが判定され、真であればステップ1109に進み、偽であればステップ1108を実行した後にステップ1109に進む。ステップ1108ではタイマーUPTを起動させる。ステップ1109では、タイマーUPTのレジスタの値が所定の時間T1以下であるかが判定され、真であればステップ1111に進み、偽であればステップ1110を実行した後にステップ1111に進む。ステップ1110では遮蔽変数UP1に値0がセットされる。即ちステップ1106から1110までは、遮蔽期間T1において遮蔽変数UP1の値を1にしておく手順を示している。T1は他相のスイッチオンの抑制を要求する期間であり、本実施例ではT1=0.5μsとした。ステップ1111では、遮蔽変数VP1と遮蔽変数WP1の論理和が1であるかが判定され、真であればステップ1113に進み、偽であればステップ1112を実行した後ステップ1113に進む。ステップ1112では、マイクロコンピュータのハイサイドU相出力信号ポートUP2に1が出力される。この出力により主制御ユニット10はU相ハイサイド出力端子より値HのU相出力信号UP2を駆動回路に供紿する。ステップ1106から1112までが第5の手順を構成し、レジスタUP0の値が1になると、遮蔽期間において遮蔽変数UP1を1とすることにより他相に対してスイッチオンの抑制を要求するとともに、自相に対しては遮蔽変数VP1と遮蔽変数WP1の論理和を判定することにより他相からのスイッチオンの抑制要求に対する処理を実施している。
次にV相に対する手順が同様に実行される。第3の手順としてのステップ1113では、ステップ1103で読み込まれた制御信号の内レジスタVP0の値が1であるかどうかが判定され、偽であれば第4の手順であるステップ1114が実行され、真であれば第5の手順であるステップ1115以下が実行される。ステップ1114では、タイマーVPTと遮蔽変数VP1は初期化され、マイクロコンピュータのハイサイドV相出力信号ポートVP2に0が出力される。この出力により主制御ユニット10はV相ハイサイド出力端子より値LのV相出力信号VP2を駆動回路に供給する。ステップ1115では遮蔽変数VP1に値1がセットされる。ステップ1116ではタイマーVPTのレジスタの値が0より大きいかが判定され、真であればステップ1118に進み、偽であればステップ1117を実行した後にステップ1118に進む。ステップ1117ではタイマーVPTを起動させる。ステップ1118では、タイマーVPTのレジスタの値が所定の時間T2以下であるかが判定され、真であればステップ1120に進み、偽であればステップ1119を実行した後にステップ1120に進む。ステップ1119では遮蔽変数VP1に値0がセットされる。T2は他相のスイッチオンの抑制を要求する期間であり、本実施例ではT2=1.0μsとした。ステップ1120では、遮蔽変数UP1と遮蔽変数WP1の論理和が1であるかが判定され、真であればステップ1122に進み、偽であればステップ1121を実行した後ステップ1122に進む。ステップ1121では、マイクロコンピュータのハイサイドV相出力信号ポートVP2に1が出力される。この出力により主制御ユニット10はV相ハイサイド出力端子より値HのV相出力信号VP2を駆動回路に供給する。ステップ1115から1121までが同様に第5の手順を構成している。
次にW相に対する手順が同様に実行される。第3の手順としてのステップ1122では、ステップ1103で読み込まれた制御信号の内レジスタWP0の値が1であるかどうかが判定され、偽であれば第4の手順であるステップ1123が実行され、真であれば第5の手順であるステップ1124以下が実行される。ステップ1123では、タイマーWPTと遮蔽変数WP1は初期化され、マイクロコンピュータのハイサイドW相出力信号ポートWP2に0が出力される。この出力により主制御ユニット10はW相ハイサイド出力端子より値LのW相出力信号WP2を駆動回路に供給する。ステップ1124では遮蔽変数WP1に値1がセットされる。ステップ1125ではタイマーWPTのレジスタの値が0より大きいかが判定され、真であればステップ1127に進み、偽であればステップ1126を実行した後にステップ1127に進む。ステップ1126ではタイマーWPTを起動させる。ステップ1127では、タイマーWPTのレジスタの値が所定の時間T3以下であるかが判定され、真であればステップ1129に進み、偽であればステップ1128を実行した後にステップ1129に進む。ステップ1128では遮蔽変数WP1に値0がセットされる。T3は他相のスイッチオンの抑制を要求する期間であり、本実施例ではT3=1.5μsとした。ステップ1129では、変数UP1と変数VP1の論理和が1であるかが判定され、真であればステップ1131に進み、偽であればステップ1130を実行した後ステップ1131に進む。ステップ1130では、マイクロコンピュータのハイサイドW相出力信号ポートWP2に1が出力される。この出力により主制御ユニット10はW相ハイサイド出力端子より値HのW相出力信号WP2を駆動回路に供給する。ステップ1124から1130までが同様に第5の手順を構成している。
以上のようなU相,V相,W相それぞれに対する第3の手順から第5の手順が実行された後、ステップ1131では、外部からの停止指令があるかどうかを判定し、真であれば本同時スイッチング防止手順1100を停止し、偽であればステップ1103に戻り、再度ステップ1103から1131までが繰り返される。このようにステップ1103から1131を繰り返すことにより、U相PWM信号UP0,V相PWM信号VP0,W相PWM信号WP0の変化を読み取り、それに応じて所定の遮蔽期間において他相に対してスイッチオンの抑制を要求し、また複数の他相からのスイッチオン抑制要求の有無を判断して、要求があればそれらの長い方の遮蔽期間だけ該相のPWM信号の立ち上がりを遅らせて同時スイッチングを回避している。これは実施の形態1における同時スイッチング防止の概念をソフトウエアで実現したものであり、したがって同様の効果を奏することは言うまでもないが、更に同時スイッチング防止機能をソフトウエアで実現したことにより、他の機能、例えばPWM信号発生機能等と併せて1つのマイクロコンピュータで実行させることにより制御ユニットの簡素化が図られ、加えて遮蔽期間等をプログラムにより後から変更できるので、多様な用途に対応させることが容易になる。
上記実施の形態3の実施例1は、実施の形態1の実施例1の機能をソフトウエアで実現したものであるため、三角波搬送波により形成されたPWM信号に対しては有効に機能するが、鋸歯波搬送波により形成されたPWM信号に対しては実施の形態1の実施例1と同様の課題を有している。即ちU相PWM信号UP0,V相PWM信号VP0,W相PWM信号WP0が同時に立ち上がった場合(3相同時スイッチングの場合)は、U相PWM信号UP0の遮蔽期間はT3,V相PWM信号VP0の遮蔽期間はT3,W相PWM信号WP0の遮蔽期間はT2となり、スイッチング素子の同時スイッチングを完全に回避しきれていない。したがってこれに対応するには、実施の形態1の実施例5における同時スイッチング防止機能をソフトウェアで実現する必要があり、その同時スイッチング防止手順を示したのが図19のフローチャートである。
図19は本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態3における実施例2に使用されている同時スイッチング防止手順1200であり、図19において図18と同じ番号は同じステップを示すため説明を省略するが、図18の同時スイッチング防止手順1100との相違は、ステップ1120の前にステップ1201とステップ1202とから構成される遮蔽変数抑制下位手順が挿入されている点である。即ちステップ1118又はステップ1119が実行された後、ステップ1201が実行される。ステップ1201では、レジスタUP0の値が0であるかどうかが判定され、真であればステップ1120に進み、偽であればステップ1202を実行した後にステップ1120に進む。ステップ1202では遮蔽変数WP1に値0がセットされる。このようにしたことにより、遮蔽変数抑制下位手順はU相PWM信号UP0がHとなったとき遮蔽変数WP1の値を初期化し、U相PWM信号UP0がLとなったとき遮蔽変数WP1を不変とする機能を有しているため、3相同時スイッチングの場合はU相PWM信号UP0がHとなるため遮蔽変数WP1の値が初期化され0となり、V相PWM信号VP0の遮蔽期間はT1となる。このとき遮蔽変数WP1の値は一旦初期化され0となるが、この直後のW相に対する第5の手順中のステップ1115で値1がセットされるので、初期化の効果はV相に対する第5の手順中に留まり他相の処理手順には影響を与えない。したがってこのときU相PWM信号UP0の遮蔽期間はT3,W相PWM信号WP0の遮蔽期間はT2となり、3相同時スイッチングが回避されていることがわかる。また、V相とW相の2相同時スイッチングの場合はU相PWM信号UP0がLとなるため遮蔽変数WP1は不変のままとなり、V相PWM信号VP0の遮蔽期間はT3,W相PWM信号WP0の遮蔽期間はT2となり、2相同時スイッチングが回避されていることがわかる。このように遮蔽変数抑制下位手順が付加された本実施例の同時スイッチング防止手順は、2相同時スイッチングのみならず3相同時スイッチングをも回避することができることが理解できよう。
以上各実施例に基き、本発明の実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3について説明してきた。いずれの実施例も3相PWMインバータ装置であるが、本発明の各形態は多相PWMインバータ装置に対しても適用できることは言うまでもない。また、各実施例においては、PWM信号発生回路から各ゲート駆動回路に送る各PWM信号がHのときスイッチング素子がオン状態となる場合、即ち正論理の場合について説明したが、PWM信号発生回路から各ゲート駆動回路に送る各PWM信号がLのときスイッチング素子がオン状態となる場合、即ち負論理の場合は、各手段が入力信号の立ち下がりに対応するように適宜変更すればよく、このような負論理の場合においても本発明の概念を適用できることは容易に理解できるであろう。
この発明は、パルス幅変調(PWM)信号により直流電力を交流電力に変換するインバータ装置に関し、特に多相同時スイッチングを防止する回路または機能を有するインバータ装置に関するものである。
以下に、従来の3相PWMインバータ装置の一構成例について図面を参照しながら説明する。
図20の破線内部は従来の3相交流モータを駆動制御するための3相PWMインバータ装置の構成を示す回路ブロック図である(例えば、特許文献1参照)。周知のように3相交流モータはU相、V相、W相と呼ばれる3つの相を持っている。これら3相をインバータ素子で駆動する場合、制御回路は各相それぞれのPWM信号を出力して制御を行う。3相PWM信号発生回路1はモータ2に供給する3相交流電圧波形(PWM波形)の基本周波数と実効電圧値に基きPWM信号を出力しており、その出力信号は6つのゲート駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fにそれぞれ伝えられ、さらにその出力がスイッチング素子である6つの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下IGBTと呼ぶ)4a,4b,4c,4d,4e,4fのゲート端子に接続されている。それぞれのIGBTには、6つのダイオード5a,5b,5c,5d,5e,5fが逆並列の接続されている。主電源6はモータ2に電力を供給する直流電源であり、実際にはAC100Vを整流平滑したDC140V程度あるいはAC200Vを整流平滑したDC280V程度の電源が一般的であるが、図面上では簡略化して電池記号にて表記している。主電源6にはコンデンサ7が並列に接続されている。ハイサイドのIGBT4a,4b,4cのコレクタ端子は主電源6の正極側端子に、ローサイドのIGBT4d,4e,4fのエミッタ端子は主電源6の負極側端子にそれぞれ接続されている。また、IGBT4aのエミッタ端子はIGBT4dのコレクタ端子と接続され、その接続点部分からモータ2に接続される出力端子Uが配線されている。同様にIGBT4bのエミッタ端子はIGBT4eのコレクタ端子と接続され、その接続点部分からモータ2に接続される出力端子Vが配線されて、IGBT4cのエミッタ端子はIGBT4fのコレクタ端子と接続され、その接続点部分からモータ2に接続される出力端子Wが配線されている。
このような構成の3相PWMインバータ装置の動作を図21を用いて説明する。図21は前記3相PWM信号発生回路1の動作を示す信号波形図である。3相PWM信号発生回路1は、モータ2に供給する3相交流電圧波形の基本周波数と実効電圧に基き、互いに120度ずつ位相のずれた3相正弦波の変調波信号EU,EV,EWを作成し、これらと三角波の搬送波信号ECとを比較して前記ゲート駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fに与えるPWM信号UP0、VP0、WP0、UN0、VN0、WN0を生成する(図21ではPWM信号UP0、VP0、WP0のみ図示)。ここでハイサイドを駆動するPWM信号UP0、VP0、WP0とローサイドを駆動するPWM信号UN0、VN0、WN0とはそれぞれが互いに論理反転の関係にあり、これによりハイサイドのIGBT4a,4b,4cとローサイドのIGBT4d,4e,4fが対応するもの同士で交互にオンオフ動作を行う。このことにより出力端子U,V,Wが主電源6の正極側端子と負極側端子とに交互にスイッチして、それらに接続されたモータ2が駆動する。実際には、ハイサイドを駆動するPWM信号UP0、VP0、WP0とローサイドを駆動するPWM信号UN0、VN0、WN0とは単純な論理反転の関係ではなく、スイッチング動作の過渡期に上下のアームが同時にオン状態となり負荷短絡を起こすことを防止するために、デッドタイムが設けられるのが通常であるが、本発明の本質には関わらないので省略する。
特開平7−298633号公報(第2−3頁、第4図)
上記の3相PWMインバータ装置の動作についてより詳細に説明する。3相PWM信号発生回路1は、比較的周波数の高い搬送波信号ECと各相ごとの所望の波形を表している比較的周波数の低い変調波信号EU,EV,EWとを比較することにより、PWM信号を生成している。具体的には、ある変調波信号の大きさが搬送波信号の大きさより大きければ、該変調波信号に対応した相のハイサイドのIGBTがスイッチオンとなり、同じ相のローサイドのIGBTがスイッチオフとなるようなPWM信号が3相PWM信号発生回路1から出力される。搬送波信号が三角波の場合は、図21に示されるように、搬送波の立下りが2つの変調波信号の交点に一致する瞬間が存在する。このような場合においては、ハイサイドの一致した2相のIGBTは同時にスイッチオンし、急激な電流変化を招き、その結果としてIGBTの端子間に高いサージ電圧が印加されることになる。このことは、反対側のアームの相当するダイオードがフリーホイーリング・モードである間に2つのIGBTが同時にスイッチオンする場合に、特に当てはまる。さらにこのことは図22を参照することによっても説明することができる。図22は、逆回復モードでのフリーホイーリングダイオードの電流変化率(di/dt)の絶対値がより低い電流においてよ高くなる傾向を示している。図22の意味するところは、2つのスイッチングIGBTにより運ばれる全電流に起因する2つの同時逆回復電流変化率の総和の絶対値が、1つのIGBTにより運ばれる同じ大きさの全電流に起因する同時逆回復電流変化率の絶対値より大きくなるということである。搬送波信号が鋸歯波の場合は、図23に示されるように、さらに搬送波の立下りが3つの変調波信号の交点に一致する瞬間が存在する。このような場合には3相のIGBTが同時にスイッチオンすることとなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は多相同時スイッチングを防止することにより、スイッチング素子の端子間に高いサージ電圧が印加されないPWMインバータ装置を提供しようとするものである。
前記の目的を達成するために、本発明に係る多相同時スイッチング防止回路の実施の形態1は、PWM信号発生回路より出力される多相の制御信号を入力信号として取り込む複数の入力手段と、一相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して、それぞれ所定の期間において他相の入力信号の立ち上がりを遮蔽するための遮蔽パルスを発生させる遮蔽パルス発生手段と、他相の前記遮蔽パルス発生手段からの複数の遮蔽パルスの論理和により形成されるパルスのパルス幅を遮蔽期間とする遮蔽信号を出力する遮蔽信号形成手段と、上記一相の入力信号を受けて、その立ち上がり又は立ち下がりを前記遮蔽期間の終了まで遅らせた信号を出力する信号遮蔽手段と、上記信号遮蔽手段からの出力信号を外部に出力する複数の出力手段と、を備えることを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る多相同時スイッチング防止回路の実施の形態2は、PWM信号発生回路より出力される多相の制御信号を入力信号として取り込む複数の入力手段と、一相の入力信号と他相の入力信号とが所定の禁止期間内で同時に立ち上がること又は立ち下がることを検出し、その検出信号を出力する同時スイッチング検出手段と、上記同時スイッチング検出手段からの検出信号を受けて、所定の遮蔽期間を有する遮蔽信号を出力する遮蔽信号発生手段と、上記一相の入力信号を受けて、その立ち上がり又は立ち下がりを前記遮蔽期間だけ遅らせた信号を出力する信号遮蔽手段と、上記信号遮蔽手段からの出力信号を外部に出力する複数の出力手段と、を備えることを特徴とする。
上記のような構成としたため、スイッチング素子のスイッチングの結果として生じるスイッチング素子の端子間にかかるサージ電圧を低減でき、さらにはそのサージ電圧を含むスイッチング電圧とスイッチング電流との積であるスイッチング損失の低減を図ることができる。
<実施の形態1>
以下、本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態1における実施例1について図面を参照しながら説明する。図1の破線内部は本発明の実施の形態1における実施例1の3相PWMインバータ装置の構成を示す回路ブロック図であり、従来のPWMインバータ装置の構成を示す回路ブロック図である図20とほぼ同じ構成であるが、同時スイッチング防止回路100がゲート駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fと3相PWM信号発生回路1との間に挿入されている点が異なる。ここで3相PWM信号発生回路1の搬送波信号は三角波である。図2はこの同時スイッチング防止回路100の内部構成を示す回路ブロック図であり、外部回路とのインターフェイスとして、3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号UP0を受け取るU相ハイサイド入力端子101,3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号VP0を受け取るV相ハイサイド入力端子102,3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号WP0を受け取るW相ハイサイド入力端子103から構成される入力手段と、ゲート駆動回路3aへ出力信号UP2を送り出すU相ハイサイド出力端子104,ゲート駆動回路3bへ出力信号VP2を送り出すV相ハイサイド出力端子105,ゲート駆動回路3cへ出力信号WP2を送り出すW相ハイサイド出力端子106から構成される出力手段とを備えている。この同時スイッチング防止回路100は、3相PWM信号発生回路1から受け取った各相のPWM信号に同時スイッチング防止のための信号処理を加えて、各相のゲート駆動回路に送り出す。
図2の回路において、ハイサイドのU相信号処理に関与する部分は、U相の信号遮蔽手段としてのU相NOT回路107及びU相ラッチ回路108と、U相の遮蔽パルス発生手段としてのU相ワンショットパルス発生回路109と、U相の遮蔽信号形成手段としてのU相NOR回路110とから構成されている。U相ハイサイド入力端子101からの配線は途中で分岐し、一方はU相NOT回路107に、他方はU相ワンショットパルス発生回路109に接続されている。同様に、ハイサイドのV相信号処理に関与する部分は、V相の信号遮蔽手段としてのV相NOT回路111及びV相ラッチ回路112と、V相の遮蔽パルス発生手段としてのV相ワンショットパルス発生回路113と、V相の遮蔽信号形成手段としてのV相NOR回路114とから構成され、またハイサイドのW相信号処理に関与する部分は、W相の信号遮蔽手段としてのW相NOT回路115及びW相ラッチ回路116と、W相の遮蔽パルス発生手段としてのW相ワンショットパルス発生回路117と、W相の遮蔽信号形成手段としてのW相NOR回路118とから構成されている。
U相ハイサイド入力端子101からの配線は途中で分岐し、一方はU相ワンショットパルス発生回路109の入力に、他方はU相NOT回路107の入力に接続されている。U相ワンショットパルス発生回路109の出力からの配線は途中で分岐し、一方はV相NOR回路114の入力に、他方はW相NOR回路118の入力に接続されている。V相ハイサイド入力端子102からの配線は途中で分岐し、一方はV相ワンショットパルス発生回路113の入力に、他方はV相NOT回路111の入力に接続されている。V相ワンショットパルス発生回路113の出力からの配線は途中で分岐し、一方はU相NOR回路110の入力に、他方はW相NOR回路118の入力に接続されている。W相ハイサイド入力端子103からの配線は途中で分岐し、一方はW相ワンショットパルス発生回路117の入力に、他方はW相NOT回路115の入力に接続されている。W相ワンショットパルス発生回路117の出力からの配線は途中で分岐し、一方はU相NOR回路110の入力に、他方はV相NOR回路114の入力に接続されている。U相NOT回路107の出力からの配線はU相ラッチ回路108のR端子に接続され、U相NOR回路110の出力からの配線はU相ラッチ回路108のS端子に接続され、U相ラッチ回路108のQ端子からの配線はU相ハイサイド出力端子104に接続されている。V相NOT回路111の出力からの配線はV相ラッチ回路112のR端子に接続され、V相NOR回路114の出力からの配線はV相ラッチ回路112のS端子に接続され、V相ラッチ回路112のQ端子からの配線はV相ハイサイド出力端子105に接続されている。W相NOT回路115の出力からの配線はW相ラッチ回路116のR端子に接続され、W相NOR回路118の出力からの配線はW相ラッチ回路116のS端子に接続され、W相ラッチ回路116のQ端子からの配線はW相ハイサイド出力端子106に接続されている。図2にはハイサイドの同時スイッチング防止回路のみが示されている。ローサイドにも同様の同時スイッチング防止回路が存在するが、その回路構成はハイサイドと同じ回路構成となるので図示を省略した。なお、各ラッチ回路は、例えば図3で示されるような回路であって、図4の真理値表で示される動作をする回路である。
このような構成の同時スイッチング防止回路により2相同時スイッチングを回避しているが、その動作を図5を用いて説明する。図5は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1における実施例1の動作を示すタイミングチャートである。3相PWM信号発生回路1から出力されたU相PWM信号UP0、V相PWM信号VP0、W相PWM信号WP0は、それぞれU相入力端子101、V相入力端子102、W相入力端子103から本回路内に導入される。ここで、3相PWM信号発生回路1の搬送波信号が三角波であるので、図5の前半に示されるように、時刻tでU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0の値が同時にロー(L)からハイ(H)に立ち上がる場合、即ちU相のスイッチング素子とV相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部がU相ワンショットパルス発生回路109に送られる。U相ワンショットパルス発生回路109はこの立ち上がりに同期して図5に示されるような所定の時間幅T1の遮蔽パルスUP1を発生させ、この遮蔽パルスUP1はV相NOR回路114とW相NOR回路118とに送られる。本実施例においてはT1=0.5μsとした。同様に、本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路113に送られる。V相ワンショットパルス発生回路113はこの立ち上がりに同期して図5に示されるような所定の時間幅T2の遮蔽パルスVP1を発生させ、この遮蔽パルスVP1はU相NOR回路110とW相NOR回路118とに送られる。本実施例においてはT2=1.0μsとした。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路117に送られるが、値がLからHに立ち上がっていないため、W相ワンショットパルス発生回路117は遮蔽パルスWP1を発生させることはない。
U相NOR回路110は、V相からの遮蔽パルスVP1とW相からの遮蔽パルスWP1のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を遮蔽信号として出力するが、この場合はV相遮蔽パルスVP1のみが送られてきているので、反転されたV相遮蔽パルスVP1をU相ラッチ回路108の端子Sに送ることになる。一方、本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は他の一部がU相NOT回路107を経由して、反転された状態でU相ラッチ回路108の端子Rに送られる。U相NOT回路107からの反転されたU相PWM信号UP0とU相NOR回路110からの反転されたV相遮蔽パルスVP1とを受けて、U相ラッチ回路108は、図4の真理値表に従い、U相PWM信号UP0の立ち上がりが時間幅T2だけ遅れた信号、即ち図5に示されるようなU相PWM信号UP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号UP2をU相ハイサイド出力端子104に送り出す。同様に、V相NOR回路114は反転されたU相遮蔽パルスUP1をV相ラッチ回路112の端子Sに送り、一方、本回路内に導入されたV相PWM信号VP0は他の一部がV相NOT回路111を経由して、反転された状態でV相ラッチ回路112の端子Rに送られる。V相ラッチ回路112は、図4の真理値表に従い、V相PWM信号VP0の立ち上がりが時間幅T1だけ遅れた信号、即ち図5に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりをU相遮蔽パルスUP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号VP2をV相ハイサイド出力端子105に送り出す。ここでT1=T2であると遅延させた2つのPWM信号の立ち上がりが再度一致し同時スイッチングを回避できないので、本実施例のようにT1≠T2である必要がある。
次に図5の後半に示されるように、時刻tでまずW相PWM信号WP0の値がLからHに立ち上がり、0.5μs未満の微小時間後にU相PWM信号UP0の値がLからHに立ち上がる場合について考える。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0は、その一部がW相ワンショットパルス発生回路117に送られる。W相ワンショットパルス発生回路117はこの立ち上がりに同期して図5に示されるような所定の時間幅T3の遮蔽パルスWP1を発生させ、この遮蔽パルスWP1はU相NOR回路110とV相NOR回路114とに送られる。本実施の形態においてはT3=1.5μsとした。一方、本回路内に導入されたW相PWM信号WP0は他の一部がW相NOT回路115を経由して、反転された状態でW相ラッチ回路116の端子Rに送られる。W相NOR回路118は、この時点でU相遮蔽パルスUP1またはV相遮蔽パルスVP1を受けていないので、W相ラッチ回路116の端子SにH信号を出力する。これによりW相ラッチ回路116は、図4の真理値表に従い、W相PWM信号WP0を遮蔽することなくそのまま出力信号WP2としてW相ハイサイド出力端子106に出力する。
微小時間後に本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は、その一部がU相ワンショットパルス発生回路109に送られる。U相ワンショットパルス発生回路109はこの立ち上がりに同期して図5に示されるような所定の時間幅T1の遮蔽パルスUP1を発生させ、この遮蔽パルスUP1はV相NOR回路114とW相NOR回路118とに送られる。このとき、遮蔽パルスUP1を受けたW相NOR回路118はW相ラッチ回路116の端子SにL信号を出力するが、端子RがLであるために、図4の真理値表に従いW相ラッチ回路116の端子Qは直前の状態を維持するため、出力信号WP2がLに反転することはない。一方、本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は他の一部がU相NOT回路107を経由して、反転された状態でU相ラッチ回路108の端子Rに送られる。U相NOT回路107からの反転されたU相PWM信号UP0とU相NOR回路110からの反転されたW相遮蔽パルスWP1とを受けて、U相ラッチ回路108は、図4の真理値表に従い、U相PWM信号UP0の立ち上がりがW相PWM信号WP0の立ち上がりより時間幅T3だけ遅れた信号、即ち図5に示されるようなU相PWM信号UP0の立ち上がりをW相遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号UP2をU相ハイサイド出力端子104に送り出す。
以上図5に基き2つの場合について本実施例の動作を説明したが、いずれの場合においても、スイッチオンの時間を遅らせ2相のスイッチングのタイミングにある時間差を設けたため、2相同時スイッチングが回避され該2相が少なくとも0.5μsの時間間隔をおいてスイッチオンしていることが分かる。また、上記動作説明においては、前半部分はU相とV相の同時スイッチングの場合について、後半部分はU相とW相の微小時間差同時スイッチングの場合について説明したが、各相の信号処理部分の構成は同一であるため、他の同時スイッチング又は微小時間差同時スイッチングの場合でも同様の動作が実現することは言うまでもない。本実施の形態の動作をより概念的に説明すると、一相の入力信号がLからHへ立ち上がると、その立ち上がりに同期して、遮蔽パルス発生手段が他相に所定の時間幅の遮蔽パルスを送り出す。この遮蔽パルスは、その値がHの期間において他相にスイッチオンの抑制を要求する信号となる。他相は遮蔽信号形成手段により複数の遮蔽パルスを受けてその論理和をとり、複数の遮蔽パルスのいずれかがHとなっている期間(これを遮蔽期間と呼ぶことにする)においてその値がHとなるような遮蔽信号を形成する。このとき必要であれば本実施の形態のように反転させた形で遮蔽信号を次の信号遮蔽手段に出力してもよい。この場合は遮蔽期間は遮蔽信号の値がLの期間となる。さらに他相は信号遮蔽手段により、遮蔽信号形成手段からの遮蔽信号に基き、他相の入力信号の立ち上がりを遮蔽期間だけ遮蔽した出力信号を出力端子に送り出す。以上が本実施の形態における同時スイッチング防止の動作を要約したものである。
本実施の形態は上述のような構成・作用を有するため、2相同時スイッチングを回避でき、それによりスイッチング素子のスイッチングの結果として生じるスイッチング素子の端子間にかかるサージ電圧を低減でき、さらにはスイッチング損失の低減を図ることができる。図6は従来の3相PWMインバータ装置において、2相同時スイッチングの瞬間における装置の端子P及び端子N間(図20参照)に印加される電圧VPNと端子Pより装置に流れ込む電流Iの波形を示しているシンクロスコープの画面である。図7は本実施の形態の3相PWMインバータ装置において、2相同時スイッチングの瞬間における装置の端子P及び端子N間(図1参照)に印加される電圧VPNと端子Pより装置に流れ込む電流Iの波形を示しているシンクロスコープの画面である。両図とも横軸は時間軸でスケールは200ns/Div、縦軸は上の波形が電圧でスケールは100V/Div、下の波形は電流でスケールは100A/Divである。図6と図7とを比較すると、2相同時スイッチング防止機能のない従来の3相PWMインバータ装置の場合(図6)は定常電圧300Vに対し最大402Vのサージ電圧が印加されているが、2相同時スイッチング防止機能のある本実施の形態の3相PWMインバータ装置の場合(図7)は定常電圧300Vに対し最大370Vのサージ電圧となっており、サージ電圧低減の効果があることが示されている。
また図6と図7によれば、2相のスイッチング素子がスイッチオンするときの時間差は、0.5μs以上であれば2相のスイッチングによるサージ電圧の重畳がなく、本効果が充分に発揮されることが分かる。したがって、上記時間幅T1、T2、T3は0.5μs以上であることが望ましく、さらには互いに0.5μs以上の時間差を持つように設定することが望ましい。
上述のような実施の形態1による同時スイッチング防止の考え方は、図8に示される本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる第2の実施例においても実現できる。図8において図2と同じ番号は同じ構成要素を示すため説明を省略するが、図2と異なる部分はU相NOR回路がU相AND回路204に、V相NOR回路がV相AND回路205に、W相NOR回路がW相AND回路206にそれぞれ置き換わり、U相ワンショットパルス発生回路109からV相AND回路205またはW相AND回路206に至る線路上に第2のU相NOT回路201が、V相ワンショットパルス発生回路113からU相AND回路204またはW相AND回路206に至る線路上に第2のV相NOT回路202が、W相ワンショットパルス発生回路117からU相AND回路204またはV相AND回路205に至る線路上に第2のW相NOT回路203がそれぞれ挿入されている点である。即ち、図2の回路では各相の遮蔽信号形成手段が反転論理和回路で構成されていたのに対し、図8の回路では各相の遮蔽信号形成手段が論理積回路とその複数の入力端子に接続された反転回路とで構成されている。この両方の構成が等価であることはド・モルガンの法則より明らかであるので、図8の同時スイッチング防止回路が図2の同時スイッチング防止回路と同じ作用・効果を具備することは言うまでもない。但し、図2の実施例1の方が各相とも第2のNOT回路が不要となり、回路構成が簡単になるという利点がある。
図2又は図8の回路に使用されているラッチ回路は図4に示されるような真理値表に基き動作するわけであるが、R端子への入力信号とS端子への入力信号との間に微妙な時間差が生じた場合には、図4の真理値表に従って動作しない場合がある。例えば、S端子の値がHでR端子の値がHでしたがってQ端子の値がLである状態において、次の瞬間にS端子の値とR端子の値とが同時にに遷移した場合には、図4の真理値表によればQ端子の値は遷移前のLのままであるが、本来同時あるべきだが遅れが生じてR端子の値の方がS端子の値よりある時間だけ早く遷移した場合には、その時間の程度によっては一時的にS端子の値がHでR端子の値がLでしたがってQ端子の値がHである状態が存在し、しかる後にS端子の値がとなるのでQ端子の値は遷移前のHのままとなり、本来意図しなかった動作を引き起こすこととなる。このような異常動作はS端子の値とR端子の値とが同時にHからLに遷移する場合に発生するわけであるから、S端子の値とR端子の値とが同時にHとなる状態を回避できれば、上記のような異常動作を防止できる。
図9に示された第3の実施例は、図2の実施例において発生が懸念される上記異常動作の防止対策を施したものである。即ち、図2の実施例において、U相NOT回路107からの出力信号をU相NOR回路110にも供給し、U相NOR回路110はV相からの遮蔽パルスVP1とW相からの遮蔽パルスWP1とU相NOT回路107からの出力信号の3つの信号のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように新たな結線を追加した。また同様に、V相NOT回路111からの出力信号をV相NOR回路114にも供給し、V相NOR回路114はU相からの遮蔽パルスUP1とW相からの遮蔽パルスWP1とV相NOT回路111からの出力信号の3つの信号のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように、更にはW相NOT回路115からの出力信号をW相NOR回路118にも供給し、W相NOR回路118はU相からの遮蔽パルスUP1とV相からの遮蔽パルスVP1とW相NOT回路115からの出力信号の3つの信号のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように新たな結線を追加した。図9の実施例はこのような結線を追加したことにより、各ラッチ回路のR端子の値がHのときには同時に各NOR回路の入力端子の1つがHとなり他の入力端子の値に関わらず各NOR回路は各ラッチ回路のS端子に値Lを出力するので、図9の実施例においてはS端子の値とR端子の値とが同時にHとなる状態を回避できていることがわかる。またR端子の値がHのときには、S端子の値がHであってもLであっても出力であるQ端子の値はLであるので、この結線の付加により同時スイッチング防止機能が損なわれることはない。
上記のようなラッチ回路の異常動作の防止対策は、図8の第2の実施例に対しても適用でき、それが図10の実施例4に示されている。図10の実施例は、図8の実施例において、U相ハイサイド入力端子101から導入されたU相PWM信号UP0の一部をU相AND回路204にも供給し、U相AND回路204はV相からの反転された遮蔽パルスVP1とW相からの反転された遮蔽パルスWP1とU相PWM信号UP0の3つの信号のいずれかがLの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように新たな結線を追加した。また同様に、V相ハイサイド入力端子102から導入されたPWM信号VP0の一部をV相AND回路205にも供給し、V相AND回路205はU相からの遮蔽パルスUP1とW相からの遮蔽パルスWP1とPWM信号VP0の3つの信号のいずれかがLの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように、更にはW相ハイサイド入力端子103から導入されたPWM信号WP0の一部をW相AND回路206にも供給し、W相AND回路206はU相からの遮蔽パルスUP1とV相からの遮蔽パルスVP1とPWM信号WP0の3つの信号のいずれかがLの場合にL信号をそれ以外はH信号を出力するように新たな結線を追加した。図10の実施例はこのような結線を追加したことにより、各ラッチ回路のR端子の値がHのときには各PWM信号はLであるため同時に各AND回路の入力端子の1つがとなり各AND回路は他の入力端子の値に関わらず各ラッチ回路のS端子に値Lを出力するので、図10の実施例においてはS端子の値とR端子の値とが同時にHとなる状態を回避できていることがわかる。またR端子の値がHのときには、S端子の値がHであってもLであっても出力であるQ端子の値はLであるので、この結線の付加により同時スイッチング防止機能が損なわれることはない。
3相PWM信号発生回路の搬送波信号が三角波である場合には2相同時スイッチング防止だけを考慮すればよいが、搬送波信号が鋸歯波の場合にはさらに3相同時スイッチング防止についても考慮する必要がある。図2の同時スイッチング防止回路100において3相同時スイッチングを引き起こすPWM信号UP0、VP0、WP0が入力された場合、U相出力信号UP2はPWM信号UP0の立ち上がりがT2とT3の長い方の時間幅だけ遮蔽された信号となり、V相出力信号VP2はV相PWM信号VP0の立ち上がりがT1とT3の長い方の時間幅だけ遮蔽された信号となり、W相出力信号WP2はW相PWM信号WP0の立ち上がりがT1とT2の長い方の時間幅だけ遮蔽された信号となる。T1,T2<T3である場合には、U相出力信号UP2とV相出力信号VP2とは図2の同時スイッチング防止回路での処理を経た後もなお同時に立ち上がり、スイッチング素子の同時スイッチングを完全に回避しきれていないこととなる。実施の形態1における同時スイッチング防止の概念を継承しながら、上記3相同時スイッチングの場合においても、有効に動作する同時スイッチング防止回路を例示したのが、図11に示される実施例5である。
以下、本発明の実施の形態1における実施例5に使用される同時スイッチング防止回路500について図11を参照しながら説明する。図11において図2と同じ番号は同じ構成要素を示すため説明を省略するが、図2と異なる部分は、W相ワンショットパルス発生回路117からV相NOR回路114の入力側への信号線路に、NOT回路501とAND回路502から構成される遮蔽パルス抑制回路が挿入されている点である。即ち、U相の信号線よりPWM信号UP0を分岐しNOT回路501により反転させた信号を一方の入力とし、W相ワンショットパルス発生回路117からの出力を他方の入力とし、一方と他方の入力の論理積をV相NOR回路114の一方の端子に対し出力するようにAND回路502が接続されている。
このような構成の同時スイッチング防止回路により3相同時スイッチングを回避しているが、その動作を図12を用いて説明する。図12は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1における実施例5の動作を示すタイミングチャートである。3相PWM信号発生回路から出力されたU相PWM信号UP0、V相PWM信号VP0、W相PWM信号WP0は、それぞれU相入力端子101、V相入力端子102、W相入力端子から本回路内に導入される。ここで、3相PWM信号発生回路1の搬送波信号が鋸歯波であるので、図12の前半に示されるように、時刻tでU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合、即ちU相とV相とW相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部がU相ワンショットパルス発生回路109に送られる。U相ワンショットパルス発生回路109はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T1の遮蔽パルスUP1を発生させ、この遮蔽パルスUP1はV相NOR回路114とW相NOR回路118とに送られる。本実施例においてはT1=0.5μsとした。同様に、本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路113に送られる。V相ワンショットパルス発生回路113はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T2の遮蔽パルスVP1を発生させ、この遮蔽パルスVP1はU相NOR回路110とW相NOR回路118とに送られる。本実施例においてはT2=1.0μsとした。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路117に送られる。W相ワンショットパルス発生回路117はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T3の遮蔽パルスWP1を発生させ、この遮蔽パルスWP1はU相NOR回路110とAND回路502とに送られる。本実施例においてはT3=1.5μsとした。
U相NOR回路110は、V相からの遮蔽パルスVP1とW相からの遮蔽パルスWP1のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を遮蔽信号として出力するが、この場合はV相遮蔽パルスVP1とW相遮蔽パルスWP1とが送られてきておりT2<T3であるので、反転されたW相遮蔽パルスWP1をU相ラッチ回路108の端子Sに送ることになる。一方、本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は他の一部がU相NOT回路107を経由して、反転された状態でU相ラッチ回路108の端子Rに送られる。U相NOT回路107からの反転されたU相PWM信号UP0とU相NOR回路110からの反転されたW相遮蔽パルスWP1とを受けて、U相ラッチ回路108は、図4の真理値表に従い、U相PWM信号UP0の立ち上がりが時間幅T3だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなU相PWM信号UP0の立ち上がりをW相遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号UP2をU相ハイサイド出力端子104に送り出す。同様に、W相NOR回路118は、T1<T2であるため反転されたV相遮蔽パルスVP1をW相ラッチ回路116の端子Sに送り、一方、本回路内に導入されたW相PWM信号WP0は他の一部がW相NOT回路115を経由して、反転された状態でW相ラッチ回路116の端子Rに送られる。W相ラッチ回路116は、図4の真理値表に従い、W相PWM信号WP0の立ち上がりが時間幅T2だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなW相PWM信号WP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号WP2をW相ハイサイド出力端子106に送り出す。
V相NOR回路114は、U相遮蔽パルスUP1とW相遮蔽パルスWP1のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を遮蔽信号として出力するわけであるが、本実施例ではW相ワンショットパルス発生回路117からV相NOR回路114の入力側への信号線路に遮蔽パルス抑制回路が挿入されているため、他相とは異なる動作となる。この遮蔽パルス抑制回路では、W相遮蔽パルスWP1とU相PWM信号UP0の反転信号との論理積がとられているため、U相PWM信号UP0がHの時にはW相遮蔽パルスWP1は抑制されてV相NOR回路114に出力されない。したがって、図12の前半に示されるようなU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合には、この遮蔽パルス抑制回路が働きW相遮蔽パルスWP1がV相NOR回路114へ送られないため、V相NOR回路114の出力は反転されたU相遮蔽パルスUP1となり、V相ラッチ回路112は、図4の真理値表に従い、V相PWM信号VP0の立ち上がりが時間幅T1だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりをU相遮蔽パルスUP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号VP2をV相ハイサイド出力端子105に送り出す。
次に図12の後半に示されるように、時刻tでV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合、即ちV相のスイッチング素子とW相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路113に送られる。V相ワンショットパルス発生回路113はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T2の遮蔽パルスVP1を発生させ、この遮蔽パルスVP1はU相NOR回路110とW相NOR回路118とに送られる。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路117に送られる。W相ワンショットパルス発生回路117はこの立ち上がりに同期して図12に示されるような所定の時間幅T3の遮蔽パルスWP1を発生させ、この遮蔽パルスWP1はU相NOR回路110とAND回路502とに送られる。AND回路502に送られてきた遮蔽パルスWP1は、ここでU相PWM信号UP0の反転信号との論理積がとられるが、この時点でU相PWM信号UP0はLのままなので、AND回路502はこのままV相NOR回路114に遮蔽パルスWP1を出力することとなる。したがって、V相ラッチ回路112は、図4の真理値表に従い、V相PWM信号VP0の立ち上がりが時間幅T3だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりを遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号VP2をV相ハイサイド出力端子105に送り出す。W相NOR回路118は、U相遮蔽パルスUP1とV相遮蔽パルスVP1のいずれかがHの場合にL信号をそれ以外はH信号を遮蔽信号として出力するが、この場合はV相遮蔽パルスVP1のみが送られてきているので、反転されたV相遮蔽パルスVP1をW相ラッチ回路116の端子Sに送ることになる。W相ラッチ回路116は、図4の真理値表に従い、W相PWM信号WP0の立ち上がりが時間幅T2だけ遅れた信号、即ち図12に示されるようなW相PWM信号WP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号WP2をW相ハイサイド出力端子106に送り出す。
以上説明してきたように、遮蔽パルス抑制回路はU相PWM信号UP0がHとなったとき遮蔽パルスWP1が出力されるのを抑制し、U相PWM信号UP0がLとなったとき遮蔽パルスWP1をそのまま通過させる機能を有しているため、遮蔽パルス抑制回路が付加された本実施例は、2相同時スイッチングのみならず3相同時スイッチングをも回避することができることが理解できよう。またこの遮蔽パルス抑制回路は、時間幅が中間の遮蔽パルスを発生させる相、即ち本実施例のようにV相に設けるのが適切である。U相NOR回路110はT2とT3のいずれか長い方を遮蔽期間、V相NOR回路114はT1とT3のいずれか長い方を遮蔽期間、W相NOR回路118はT1とT2のいずれか長い方を遮蔽期間とするが、T1<T2<T3である場合は、遮蔽パルス抑制回路をU相に設けると遮蔽期間はそれぞれU相でT2,V相でT3,W相でT2となり、同時スイッチングを防止できず不適切である。さらに図示していないが、このような遮蔽パルス抑制回路を図9の実施例3にも同様に付加できることは容易に理解できよう。
このような遮蔽パルス抑制回路の付加は図8の実施例にも適用できる。図13は実施例2に遮蔽パルス抑制回路を付加した本発明の実施の形態1における実施例6に使用される同時スイッチング防止回路600の回路構成図を示している。図13において図8と同じ番号は同じ構成要素を示すため説明を省略するが、図8と異なる部分は、W相ワンショットパルス発生回路117からV相AND回路205の入力側への信号線路に、V相OR回路601から構成される遮蔽パルス抑制回路が挿入されている点である。即ち、U相の信号線よりのPWM信号UP0を一方の入力とし、W相ワンショットパルス発生回路117からの出力の反転信号を他方の入力とし、一方と他方の入力の論理和をV相AND回路205の一方の端子に対し出力するようにV相OR回路601が接続されている。本実施例の遮蔽パルス抑制回路は図11の実施例の遮蔽パルス抑制回路と構成が異なるが、この両実施例全体の構成が等価であることはド・モルガンの法則より容易に証明できるので、図13の同時スイッチング防止回路が図11の同時スイッチング防止回路と同じ作用・効果を具備することは言うまでもない。さらに図示していないが、このような遮蔽パルス抑制回路を図10の実施例4にも同様に付加できることは容易に理解できよう。
<実施の形態2>
以下、本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態2における実施例1について図面を参照しながら説明する。装置全体の構成は図1と共通で、同時スイッチング防止回路100が同時スイッチング防止回路700に置き換わっただけなので図示及び説明は省略する。図14はこの同時スイッチング防止回路700の内部構成を示す回路ブロック図であり、外部回路とのインターフェイスとして、3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号UP0を受け取るU相ハイサイド入力端子701,3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号VP0を受け取るV相ハイサイド入力端子702,3相PWM信号発生回路1からハイサイドのPWM信号WP0を受け取るW相ハイサイド入力端子703から構成される入力手段と、ゲート駆動回路3aへ出力信号UP2を送り出すU相ハイサイド出力端子704,ゲート駆動回路3bへ出力信号VP2を送り出すV相ハイサイド出力端子705,ゲート駆動回路3cへ出力信号WP2を送り出すW相ハイサイド出力端子706から構成される出力手段とを備えている。
図14の回路において、ハイサイドのU相信号処理に関する部分は、U相の信号遮蔽手段としての第1のU相NOT回路707及び第1のU相ラッチ回路708と、U相の遮蔽信号発生手段としてのU相ワンショットパルス発生回路709,第2のU相NOT回路710,第2のU相ラッチ回路711,U相OR回路712及び第3のU相NOT回路713とから構成されている。同様にハイサイドのV相信号処理に関する部分は、V相の信号遮蔽手段としての第1のV相NOT回路714及び第1のV相ラッチ回路715と、V相の遮蔽信号発生手段としてのV相ワンショットパルス発生回路716,第2のV相NOT回路717,第2のV相ラッチ回路718,V相OR回路719及び第3のV相NOT回路720とから構成されている。また同様にハイサイドのW相信号処理に関する部分は、W相の信号遮蔽手段としての第1のW相NOT回路721及び第1のW相ラッチ回路722と、W相の遮蔽信号発生手段としてのW相ワンショットパルス発生回路723,第2のW相NOT回路724,第2のW相ラッチ回路725,W相OR回路726及び第3のW相NOT回路727とから構成されている。本回路においては上述の各相の信号処理に関する部分以外に更に、同時スイッチング検出手段としての第1のワンショットパルス発生回路728,第2のワンショットパルス発生回路729,第3のワンショットパルス発生回路730,第1のAND回路731,第2のAND回路732及び第3のAND回路733とから構成されている。
U相ハイサイド入力端子701からの配線は途中で3つに分岐し、その1つは第1のワンショットパルス発生回路728の入力に、他の1つはU相ワンショットパルス発生回路709の入力に、残りの1つは第1のU相NOT回路707の入力に接続されている。V相ハイサイド入力端子702からの配線は途中で3つに分岐し、その1つは第2のワンショットパルス発生回路729の入力に、他の1つはV相ワンショットパルス発生回路716の入力に、残りの1つは第1のV相NOT回路714の入力に接続されている。W相ハイサイド入力端子703からの配線は途中で3つに分岐し、その1つは第3のワンショットパルス発生回路730の入力に、他の1つはW相ワンショットパルス発生回路723の入力に、残りの1つは第1のW相NOT回路721の入力に接続されている。第1のワンショットパルス発生回路728の出力からの配線は途中で分岐し、一方は第1のAND回路731の入力に、他方は第3のAND回路733の入力に接続されている。第2のワンショットパルス発生回路729の出力からの配線は途中で分岐し、一方は第1のAND回路731の入力に、他方は第2のAND回路732の入力に接続されている。第3のワンショットパルス発生回路730の出力からの配線は途中で分岐し、一方は第2のAND回路732の入力に、他方は第3のAND回路733の入力に接続されている。第1のAND回路731の出力からの配線は途中で分岐し、一方はU相OR回路712の入力に、他方はV相OR回路719の入力に接続されている。第2のAND回路732の出力からの配線は途中で分岐し、一方はV相OR回路719の入力に、他方はW相OR回路726の入力に接続されている。第3のAND回路733の出力からの配線は途中で分岐し、一方はU相OR回路712の入力に、他方はW相OR回路726の入力に接続されている。U相ワンショットパルス発生回路709の出力からの配線は第2のU相NOT回路710の入力に接続されている。V相ワンショットパルス発生回路716の出力からの配線は第2のV相NOT回路717の入力に接続されている。W相ワンショットパルス発生回路723の出力からの配線は第2のW相NOT回路724の入力に接続されている。第2のU相NOT回路710の出力からの配線は第2のU相ラッチ回路711のR端子に接続され、U相OR回路712の出力からの配線は第2のU相ラッチ回路711のS端子に接続され、第2のU相ラッチ回路711のQ端子からの配線は第3のU相NOT回路713の入力に接続されている。第1のU相NOT回路707の出力からの配線は第1のU相ラッチ回路708のR端子に接続され、第3のU相NOT回路713の出力からの配線は第1のU相ラッチ回路708のS端子に接続され、第1のU相ラッチ回路708のQ端子からの配線はU相ハイサイド出力端子704に接続されている。第2のV相NOT回路717の出力からの配線は第2のV相ラッチ回路718のR端子に接続され、V相OR回路719の出力からの配線は第2のV相ラッチ回路718のS端子に接続され、第2のV相ラッチ回路718のQ端子からの配線は第3のV相NOT回路720の入力に接続されている。第1のV相NOT回路714の出力からの配線は第1のV相ラッチ回路715のR端子に接続され、第3のV相NOT回路720の出力からの配線は第1のV相ラッチ回路715のS端子に接続され、第1のV相ラッチ回路715のQ端子からの配線はV相ハイサイド出力端子705に接続されている。第2のW相NOT回路724の出力からの配線は第2のW相ラッチ回路725のR端子に接続され、W相OR回路726の出力からの配線は第2のW相ラッチ回路725のS端子に接続され、第2のW相ラッチ回路725のQ端子からの配線は第3のW相NOT回路727の入力に接続されている。第1のW相NOT回路721の出力からの配線は第1のW相ラッチ回路722のR端子に接続され、第3のW相NOT回路727の出力からの配線は第1のW相ラッチ回路722のS端子に接続され、第1のW相ラッチ回路722のQ端子からの配線はW相ハイサイド出力端子706に接続されている。図14にはハイサイドの同時スイッチング防止回路のみが示されている。ローサイドにも同様の同時スイッチング防止回路が存在するが、その回路構成はハイサイドと同じ回路構成となるので図示を省略した。なお、各ラッチ回路は、例えば図3で示されるような回路であって、図4の真理値表で示される動作をする回路である。
このような構成の同時スイッチング防止回路により2相だけでなく3相同時スイッチングを回避しているが、その動作を図15を用いて説明する。図15は本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態2における実施例1の動作を示すタイミングチャートである。3相PWM信号発生回路から出力されたU相PWM信号UP0、V相PWM信号VP0、W相PWM信号WP0は、それぞれU相入力端子701、V相入力端子702、W相入力端子703から本回路内に導入される。ここで図15の前半に示されるように、時刻t1でU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合、即ちU相とV相とW相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部が第1のワンショットパルス発生回路728に送られる。第1のワンショットパルス発生回路728はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのU相スイッチング検出パルスを発生させ、第1のAND回路731と第3のAND回路733とに供給する。同様に本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部が第2のワンショットパルス発生回路729に送られ、第2のワンショットパルス発生回路729はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのV相スイッチング検出パルスを発生させ、第1のAND回路731と第2のAND回路732とに供給する。さらに同様に本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部が第3のワンショットパルス発生回路730に送られ、第3のワンショットパルス発生回路730はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのW相スイッチング検出パルスを発生させ、第2のAND回路732と第3のAND回路733とに供給する。
第1のAND回路731はU相スイッチング検出パルスとV相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちU相スイッチング検出パルスとV相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力する。両検出パルス共時間幅は0.5μsであるので、このことは時間幅0.5μs以下でU相とV相のPWM信号が立ち上がった場合、第1のAND回路731は同時スイッチング検出信号を出力することを意味する。同様に第2のAND回路732はV相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちV相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力し、このことは同様に時間幅0.5μs以下でV相とW相のPWM信号が立ち上がった場合、第2のAND回路732は同時スイッチング検出信号を出力することを意味する。また同様に、第3のAND回路733はU相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちU相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力し、このことは同様に時間幅0.5μs以下でU相とW相のPWM信号が立ち上がった場合、第3のAND回路733は同時スイッチング検出信号を出力することを意味する。したがって、図15の前半に示されるようにU相PWM信号UP0とV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる時は、第1のAND回路731,第2のAND回路732及び第3のAND回路733は全て値Hを出力している。
一方本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部がU相ワンショットパルス発生回路709に送られる。U相ワンショットパルス発生回路709はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T1のU相遮蔽パルスUP1を発生させ、このU相遮蔽パルスUP1は第2のU相NOT回路710を経由して反転された状態で第2のU相ラッチ回路711の端子Rに送られる。本実施例ではT1=0.5μsとした。U相OR回路712は第1のAND回路731からの同時スイッチング検出信号と第3のAND回路733からの同時スイッチング検出信号との論理和を第2のU相ラッチ回路711の端子Sに出力する。即ち、U相PWM信号UP0がV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0とのいずれかと同時に立ち上がった場合には、立ち上がりから0.5μsまでU相OR回路712は値Hを出力する。第2のU相ラッチ回路711はこれら2つの信号を受けて図4の真理値表に従って出力するが、この場合はU相遮蔽パルスUP1をそのまま出力し、第3のU相NOT回路713を経由し反転させた状態で第1のU相ラッチ回路708の端子Sに供給する。さらに本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は、残り一部が第1のU相NOT回路707を経由して反転された状態で第1のU相ラッチ回路708の端子Rに供給される。第1のU相NOT回路707からの反転されたU相PWM信号UP0と第2のU相ラッチ回路711からの反転されたU相遮蔽パルスUP1とを受けて、第1のU相ラッチ回路708は、図4の真理値表に従い、U相PWM信号UP0の立ち上がりが時間幅T1だけ遅れた信号、即ち図15に示されるようなU相PWM信号UP0の立ち上がりをU相遮蔽パルスUP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号をU相ハイサイド出力端子704に送り出す。
また、本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路716に送られる。V相ワンショットパルス発生回路716はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T2のV相遮蔽パルスVP1を発生させ、このV相遮蔽パルスVP1は第2のV相NOT回路717を経由して反転された状態で第2のV相ラッチ回路718の端子Rに送られる。本実施例ではT2=1.0μsとした。その後同様な処理を経て、V相PWM信号VP0は図15に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号となってV相ハイサイド出力端子705から送り出される。本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路723に送られる。W相ワンショットパルス発生回路723はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T3のW相遮蔽パルスWP1を発生させ、このW相遮蔽パルスWP1は第2のW相NOT回路724を経由して反転された状態で第2のW相ラッチ回路725の端子Rに送られる。本実施例ではT3=1.5μsとした。その後同様な処理を経て、図15に示されるようなW相PWM信号WP0の立ち上がりをW相遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号となってW相ハイサイド出力端子706から送り出される。ここでT1,T2,T3のいずれか2つが等しいと同時スイッチングを回避できないので、本実施例のようにT1≠T2かつT2≠T3かつT3≠T1である必要がある。
次ぎに図15の後半に示されるように、時刻tでV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる場合、即ちV相のスイッチング素子とW相のスイッチング素子が同時にスイッチオンする場合について考える。本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部が第2のワンショットパルス発生回路729に送られる。第2のワンショットパルス発生回路729はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのV相スイッチング検出パルスを発生させ、第1のAND回路731と第2のAND回路732とに供給する。同様に、本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部が第3のワンショットパルス発生回路730に送られる。第3のワンショットパルス発生回路730はこの立ち上がりに同期して時間幅0.5μsのW相スイッチング検出パルスを発生させ、第2のAND回路732と第3のAND回路733とに供給する。
第1のAND回路731はU相スイッチング検出パルスとV相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちU相スイッチング検出パルスとV相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力する。同様に第2のAND回路732はV相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちV相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力し、第3のAND回路733はU相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとの論理積、即ちU相スイッチング検出パルスとW相スイッチング検出パルスとが共にHのとき値Hを出力する。したがって、図15の後半に示されるようにV相PWM信号VP0とW相PWM信号WP0の値が同時にLからHに立ち上がる時は、第1のAND回路731は値Lを,第2のAND回路732は値Hを、第3のAND回路733は値Lを出力している。
一方本回路内に導入されたV相PWM信号VP0はその一部がV相ワンショットパルス発生回路716に送られる。V相ワンショットパルス発生回路716はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T2のV相遮蔽パルスVP1を発生させ、このV相遮蔽パルスVP1は第2のV相NOT回路717を経由して反転された状態で第2のV相ラッチ回路718の端子Rに送られる。V相OR回路719は第1のAND回路731からの同時スイッチング検出信号と第2のAND回路732からの同時スイッチング検出信号との論理和を第2のV相ラッチ回路718の端子Sに出力する。第2のV相ラッチ回路718はこれら2つの信号を受けて図4の真理値表に従って出力するが、この場合はV相遮蔽パルスVP1をそのまま出力し、第3のV相NOT回路720を経由し反転させた状態で第1のV相ラッチ回路715の端子Sに供給する。さらに本回路内に導入されたV相PWM信号VP0は、残り一部が第1のV相NOT回路714を経由して反転された状態で第1のV相ラッチ回路715の端子Rに供給される。第1のV相NOT回路714からの反転されたV相PWM信号VP0と第2のV相ラッチ回路718からの反転されたV相遮蔽パルスVP1とを受けて、第1のV相ラッチ回路715は、図4の真理値表に従い、V相PWM信号VP0の立ち上がりが時間幅T2だけ遅れた信号、図15に示されるようなV相PWM信号VP0の立ち上がりをV相遮蔽パルスVP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号となってV相ハイサイド出力端子705に送り出す。
同様に、本回路内に導入されたW相PWM信号WP0はその一部がW相ワンショットパルス発生回路723に送られる。W相ワンショットパルス発生回路723はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T3のW相遮蔽パルスWP1を発生させ、このW相遮蔽パルスWP1は第2のW相NOT回路724を経由して反転された状態で第2のW相ラッチ回路725の端子Rに送られる。その後同様な処理を経て、図15に示されるようなW相PWM信号WP0の立ち上がりをW相遮蔽パルスWP1がHとなっている期間だけ遮蔽した出力信号となってW相ハイサイド出力端子706から送り出される。
本回路内に導入されたU相PWM信号UP0はその一部がU相ワンショットパルス発生回路709に送られる。U相ワンショットパルス発生回路709はこの立ち上がりに同期して図15に示されるような所定の時間幅T1のU相遮蔽パルスUP1を発生させ、このU相遮蔽パルスUP1は第2のU相NOT回路710を経由して反転された状態で第2のU相ラッチ回路711の端子Rに送られる。U相OR回路712は第1のAND回路731からの同時スイッチング検出信号と第3のAND回路733からの同時スイッチング検出信号との論理和を第2のU相ラッチ回路711の端子Sに出力する。第2のU相ラッチ回路711はこれら2つの信号を受けて図4の真理値表に従って出力するが、この場合はU相遮蔽パルスUP1を遮断して値Lを出力し、第3のU相NOT回路713を経由し反転させた状態で第1のU相ラッチ回路708の端子Sに供給する。さらに本回路内に導入されたU相PWM信号UP0は、残り一部が第1のU相NOT回路707を経由して反転された状態で第1のU相ラッチ回路708の端子Rに供給される。第1のU相NOT回路707からの反転されたU相PWM信号UP0と第2のU相ラッチ回路711からの反転されたU相遮蔽パルスUP1とを受けて、第1のU相ラッチ回路708は、図4の真理値表に従い信号を出力するが、この場合は図15に示されるようにU相PWM信号UP0をそのまま、値LのままU相ハイサイド出力端子704に送り出す。
以上図15に基き2つの場合について本実施例の動作を説明したが、いずれの場合においても、スイッチオンの時間を遅らせ2相又は3相のスイッチングのタイミングにある時間差を設けたため、2相同時スイッチング又は3相同時スイッチングが回避され該2相又は3相が少なくとも0.5μsの時間間隔をおいてスイッチオンしていることが分かる。また、上記動作説明においては、後半部分はV相とW相の同時スイッチングの場合について例示したが、各相の信号処理部分の構成は同一であるため、他の同時スイッチングの場合でも同様の動作が実現することは言うまでもない。本実施の形態の動作をより概念的に説明すると、各相の入力信号を同時スイッチング検出手段に送り込み、同時スイッチング検出手段は一相の入力信号と他相の入力信号とが所定の禁止期間内で同時に立ち上がることを検出し、その検出信号を出力する。各相の遮蔽信号発生手段は該相の入力信号がLからHへ立ち上がると、その立ち上がりに同期して所定の時間幅(遮蔽期間)の遮蔽パルスを発生させ、上記複数の検出信号を受けてその論理和をとり複数の検出信号のいずれかがHとなっている場合は上記遮蔽パルスをそのまま遮蔽信号として出力し、それ以外の場合は上記遮蔽パルスを遮断する。このとき必要であれば本実施の形態のように反転させた形で遮蔽信号を次の信号遮蔽手段に出力してもよい。この場合は遮蔽期間は遮蔽信号の値がLの期間となる。さらに各相は信号遮蔽手段により、遮蔽信号発生手段からの遮蔽信号に基き、各相の入力信号の立ち上がりを遮蔽期間だけ遮蔽した出力信号を出力端子に送り出す。以上が本実施の形態における同時スイッチング防止の動作を要約したものである。
本実施の形態は上述のような構成としたため、実施の形態1と同様多相同時スイッチングを回避でき、それによりスイッチング素子のスイッチングの結果として生じるスイッチング素子の端子間にかかるサージ電圧を低減でき、さらにはスイッチング損失の低減を図ることができる。更には同時スイッチングと判定される時間差が0.5μs以内に限定されるので、0.5μsを超える時間差のあるスイッチングに対しては無駄なスイッチング遅れを発生させることはない。
上記のような実施の形態2による同時スイッチング防止の考え方は、図16に示される本発明にかかる同時スイッチング防止回路の実施の形態2にかかる実施例2においても実現できる。図16において図14と同じ番号は同じ構成要素を示すため説明を省略するが、図14と異なる部分は、第1のワンショットパルス発生回路728,第2のワンショットパルス発生回路729,第3のワンショットパルス発生回路730が省略され、第1のワンショットパルス発生回路728から第1のAND回路731と第3のAND回路733とに引き出されていた結線はU相ワンショットパルス発生回路709からの結線に置き換えられ、第2のワンショットパルス発生回路729から第1のAND回路731と第2のAND回路732とに引き出されていた結線はV相ワンショットパルス発生回路716からの結線に置き換えられ、第3のワンショットパルス発生回路730から第2のAND回路732と第3のAND回路733とに引き出されていた結線はW相ワンショットパルス発生回路723からの結線に置き換えられている点である。即ち、第1のワンショットパルス発生回路728が供給していたU相スイッチング検出パルスをU相ワンショットパルス発生回路709が供給するU相遮蔽パルスUP1で代替し、第2のワンショットパルス発生回路729が供給していたV相スイッチング検出パルスをV相ワンショットパルス発生回路716が供給されるV相遮蔽パルスVP1で代替し、第3のワンショットパルス発生回路730が供給していたW相スイッチング検出パルスをW相ワンショットパルス発生回路723が供給するW相遮蔽パルスWP1で代替している。このようにしても、0.5μsを超える時間差のあるスイッチングに対しては無駄なスイッチング遅れを発生させる可能性はあるにしても、同時スイッチング防止機能は図14の実施例と同等であることは容易に理解できよう。更には図14の実施例と比較して、第1のワンショットパルス発生回路728,第2のワンショットパルス発生回路729,第3のワンショットパルス発生回路730が不要となり回路構成が簡単になるという利点がある。
<実施の形態3>
以上述べてきた実施の形態1及び実施の形態2では、同時スイッチング防止機能をワイアードロジックで実現してきたが、同等の機能をソフトウエアにても実現可能である。図17は本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態3における実施例1を図示しており、図1との相違は3相PWM信号発生機能を有する主制御ユニット10内にソフトウエアによる同時スイッチング防止手順1100を具備した点である。このような同時スイッチング防止手順1100は、主制御ユニット内に内蔵されたマイクロコンピュータ等により実行される。また上記マイクロコンピュータにはタイマーが内蔵されその値は所定のレジスタに格納されている。本同時スイッチング防止手順1100はワイアードロジックで実現している実施の形態1の同時スイッチング防止の概念をソフトウエアで実現したものであり、以下の5つの手順を含む。即ち第1の手順として、PWM信号発生回路より出力される複数の相の制御信号毎に設けられた遮蔽変数とタイマーとを初期化する。第2の手順として複数の相の制御信号を、Hならば1,Lならば0という2値の入力信号として取り込む。第3の手順として複数の各相それぞれの入力信号を判定する。第4の手順として、上記第3の手順における各相の入力信号の判定が0であれば、該相の出力信号を0とする。第5の手順として、上記第3の手順における各相の入力信号の判定が1であれば、該相の遮蔽変数の値を所定の期間(遮蔽期間)において1とし、他相の遮蔽変数の論理和を判定し0であれば該相の出力信号を1とする。以下、この同時スイッチング防止手順1100について図18の実施例1のフローチャートを参照しながら詳述する。
図18には、ハイサイドの制御信号についての処理のフローチャートが示されており、ローサイドの制御信号についての処理のフローチャートはハイサイドと同じであるので省略する。まずステップ1101では、装置の電源を入れる等の外部からの起動指令により本手順がスタートする。次に第1の手順としてのステップ1102が実行され、本同時スイッチング防止手順1100において使用される遮蔽変数とタイマーが初期化される。本実施例ではU相,V相,W相の3相であるので、遮蔽変数UP1,遮蔽変数VP1,遮蔽変数WP1にそれぞれ初期値0が格納される。タイマーUPT,タイマーVPT,タイマーWPTは初期化され、それぞれのレジスタの値は0となる。次に第2の手順としてのステップ1103が実行され、PWM信号発生回路より出力されるU相PWM信号UP0,V相PWM信号VP0,W相PWM信号WP0がマイクロコンピュータ内部のレジスタUP0,VP0,WP0に読み込まれ、この時点での各相の制御信号がHのときは値1が、Lのときは値0がセットされる。
第3から第5の手順はU相,V相,W相のそれぞれに対して実行され、まずU相に対する処理を説明する。第3の手順としてのステップ1104では、ステップ1103で読み込まれた制御信号の内まずレジスタUP0の値が1であるかどうかが判定され、偽であれば第4の手順であるステップ1105が実行され、真であれば第5の手順であるステップ1106以下が実行される。ステップ1105では、タイマーUPTと遮蔽変数UP1は初期化され、マイクロコンピュータのハイサイドU相出力信号ポートUP2に0が出力される。この出力により主制御ユニット10はU相ハイサイド出力端子より値LのU相出力信号UP2を駆動回路に供給する。ステップ1106では遮蔽変数UP1に値1がセットされる。ステップ1107ではタイマーUPTのレジスタの値が0より大きいかが判定され、真であればステップ1109に進み、偽であればステップ1108を実行した後にステップ1109に進む。ステップ1108ではタイマーUPTを起動させる。ステップ1109では、タイマーUPTのレジスタの値が所定の時間T1以下であるかが判定され、真であればステップ1111に進み、偽であればステップ1110を実行した後にステップ1111に進む。ステップ1110では遮蔽変数UP1に値0がセットされる。即ちステップ1106から1110までは、遮蔽期間T1において遮蔽変数UP1の値を1にしておく手順を示している。T1は他相のスイッチオンの抑制を要求する期間であり、本実施例ではT1=0.5μsとした。ステップ1111では、遮蔽変数VP1と遮蔽変数WP1の論理和が1であるかが判定され、真であればステップ1113に進み、偽であればステップ1112を実行した後ステップ1113に進む。ステップ1112では、マイクロコンピュータのハイサイドU相出力信号ポートUP2に1が出力される。この出力により主制御ユニット10はU相ハイサイド出力端子より値HのU相出力信号UP2を駆動回路に供給する。ステップ1106から1112までが第5の手順を構成し、レジスタUP0の値が1になると、遮蔽期間において遮蔽変数UP1を1とすることにより他相に対してスイッチオンの抑制を要求するとともに、自相に対しては遮蔽変数VP1と遮蔽変数WP1の論理和を判定することにより他相からのスイッチオンの抑制要求に対する処理を実施している。
次にV相に対する手順が同様に実行される。第3の手順としてのステップ1113では、ステップ1103で読み込まれた制御信号の内レジスタVP0の値が1であるかどうかが判定され、偽であれば第4の手順であるステップ1114が実行され、真であれば第5の手順であるステップ1115以下が実行される。ステップ1114では、タイマーVPTと遮蔽変数VP1は初期化され、マイクロコンピュータのハイサイドV相出力信号ポートVP2に0が出力される。この出力により主制御ユニット10はV相ハイサイド出力端子より値LのV相出力信号VP2を駆動回路に供給する。ステップ1115では遮蔽変数VP1に値1がセットされる。ステップ1116ではタイマーVPTのレジスタの値が0より大きいかが判定され、真であればステップ1118に進み、偽であればステップ1117を実行した後にステップ1118に進む。ステップ1117ではタイマーVPTを起動させる。ステップ1118では、タイマーVPTのレジスタの値が所定の時間T2以下であるかが判定され、真であればステップ1120に進み、偽であればステップ1119を実行した後にステップ1120に進む。ステップ1119では遮蔽変数VP1に値0がセットされる。T2は他相のスイッチオンの抑制を要求する期間であり、本実施例ではT2=1.0μsとした。ステップ1120では、遮蔽変数UP1と遮蔽変数WP1の論理和が1であるかが判定され、真であればステップ1122に進み、偽であればステップ1121を実行した後ステップ1122に進む。ステップ1121では、マイクロコンピュータのハイサイドV相出力信号ポートVP2に1が出力される。この出力により主制御ユニット10はV相ハイサイド出力端子より値HのV相出力信号VP2を駆動回路に供給する。ステップ1115から1121までが同様に第5の手順を構成している。
次にW相に対する手順が同様に実行される。第3の手順としてのステップ1122では、ステップ1103で読み込まれた制御信号の内レジスタWP0の値が1であるかどうかが判定され、偽であれば第4の手順であるステップ1123が実行され、真であれば第5の手順であるステップ1124以下が実行される。ステップ1123では、タイマーWPTと遮蔽変数WP1は初期化され、マイクロコンピュータのハイサイドW相出力信号ポートWP2に0が出力される。この出力により主制御ユニット10はW相ハイサイド出力端子より値LのW相出力信号WP2を駆動回路に供給する。ステップ1124では遮蔽変数WP1に値1がセットされる。ステップ1125ではタイマーWPTのレジスタの値が0より大きいかが判定され、真であればステップ1127に進み、偽であればステップ1126を実行した後にステップ1127に進む。ステップ1126ではタイマーWPTを起動させる。ステップ1127では、タイマーWPTのレジスタの値が所定の時間T3以下であるかが判定され、真であればステップ1129に進み、偽であればステップ1128を実行した後にステップ1129に進む。ステップ1128では遮蔽変数WP1に値0がセットされる。T3は他相のスイッチオンの抑制を要求する期間であり、本実施例ではT3=1.5μsとした。ステップ1129では、変数UP1と変数VP1の論理和が1であるかが判定され、真であればステップ1131に進み、偽であればステップ1130を実行した後ステップ1131に進む。ステップ1130では、マイクロコンピュータのハイサイドW相出力信号ポートWP2に1が出力される。この出力により主制御ユニット10はW相ハイサイド出力端子より値HのW相出力信号WP2を駆動回路に供給する。ステップ1124から1130までが同様に第5の手順を構成している。
以上のようなU相,V相,W相それぞれに対する第3の手順から第5の手順が実行された後、ステップ1131では、外部からの停止指令があるかどうかを判定し、真であれば本同時スイッチング防止手順1100を停止し、偽であればステップ1103に戻り、再度ステップ1103から1131までが繰り返される。このようにステップ1103から1131を繰り返すことにより、U相PWM信号UP0,V相PWM信号VP0,W相PWM信号WP0の変化を読み取り、それに応じて所定の遮蔽期間において他相に対してスイッチオンの抑制を要求し、また複数の他相からのスイッチオン抑制要求の有無を判断して、要求があればそれらの長い方の遮蔽期間だけ該相のPWM信号の立ち上がりを遅らせて同時スイッチングを回避している。これは実施の形態1における同時スイッチング防止の概念をソフトウエアで実現したものであり、したがって同様の効果を奏することは言うまでもないが、更に同時スイッチング防止機能をソフトウエアで実現したことにより、他の機能、例えばPWM信号発生機能等と併せて1つのマイクロコンピュータで実行させることにより制御ユニットの簡素化が図られ、加えて遮蔽期間等をプログラムにより後から変更できるので、多様な用途に対応させることが容易になる。
上記実施の形態3の実施例1は、実施の形態1の実施例1の機能をソフトウエアで実現したものであるため、三角波搬送波により形成されたPWM信号に対しては有効に機能するが、鋸歯波搬送波により形成されたPWM信号に対しては実施の形態1の実施例1と同様の課題を有している。即ちU相PWM信号UP0,V相PWM信号VP0,W相PWM信号WP0が同時に立ち上がった場合(3相同時スイッチングの場合)は、U相PWM信号UP0の遮蔽期間はT3,V相PWM信号VP0の遮蔽期間はT3,W相PWM信号WP0の遮蔽期間はT2となり、スイッチング素子の同時スイッチングを完全に回避しきれていない。したがってこれに対応するには、実施の形態1の実施例5における同時スイッチング防止機能をソフトウエアで実現する必要があり、その同時スイッチング防止手順を示したのが図19のフローチャートである。
図19は本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態3における実施例2に使用されている同時スイッチング防止手順1200であり、図19において図18と同じ番号は同じステップを示すため説明を省略するが、図18の同時スイッチング防止手順1100との相違は、ステップ1120の前にステップ1201とステップ1202とから構成される遮蔽変数抑制下位手順が挿入されている点である。即ちステップ1118又はステップ1119が実行された後、ステップ1201が実行される。ステップ1201では、レジスタUP0の値が0であるかどうかが判定され、真であればステップ1120に進み、偽であればステップ1202を実行した後にステップ1120に進む。ステップ1202では遮蔽変数WP1に値0がセットされる。このようにしたことにより、遮蔽変数抑制下位手順はU相PWM信号UP0がHとなったとき遮蔽変数WP1の値を初期化し、U相PWM信号UP0がLとなったとき遮蔽変数WP1を不変とする機能を有しているため、3相同時スイッチングの場合はU相PWM信号UP0がHとなるため遮蔽変数WP1の値が初期化され0となり、V相PWM信号VP0の遮蔽期間はT1となる。このとき遮蔽変数WP1の値は一旦初期化され0となるが、この直後のW相に対する第5の手順中のステップ1124で値1がセットされるので、初期化の効果はV相に対する第5の手順中に留まり他相の処理手順には影響を与えない。したがってこのときU相PWM信号UP0の遮蔽期間はT3,W相PWM信号WP0の遮蔽期間はT2となり、3相同時スイッチングが回避されていることがわかる。また、V相とW相の2相同時スイッチングの場合はU相PWM信号UP0がLとなるため遮蔽変数WP1は不変のままとなり、V相PWM信号VP0の遮蔽期間はT3,W相PWM信号WP0の遮蔽期間はT2となり、2相同時スイッチングが回避されていることがわかる。このように遮蔽変数抑制下位手順が付加された本実施例の同時スイッチング防止手順は、2相同時スイッチングのみならず3相同時スイッチングをも回避することができることが理解できよう。
以上各実施例に基き、本発明の実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3について説明してきた。いずれの実施例も3相PWMインバータ装置であるが、本発明の各形態は多相PWMインバータ装置に対しても適用できることは言うまでもない。また、各実施例においては、PWM信号発生回路から各ゲート駆動回路に送る各PWM信号がHのときスイッチング素子がオン状態となる場合、即ち正論理の場合について説明したが、PWM信号発生回路から各ゲート駆動回路に送る各PWM信号がLのときスイッチング素子がオン状態となる場合、即ち負論理の場合は、各手段が入力信号の立ち下がりに対応するように適宜変更すればよく、このような負論理の場合においても本発明の概念を適用できることは容易に理解できるであろう。
本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態1又は2の構成を示す回路ブロック図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例1を示す回路図である。 ラッチ回路の一例を示す回路図である。 ラッチ回路の真理値表を示す図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例1の動作を示すタイミングチャートである。 従来の3相PWMインバータ装置において、2相同時スイッチングの瞬間における装置の端子P及び端子N間に印加される電圧VPNと端子Pより装置に流れ込む電流IPの波形を示しているシンクロスコープの画面である。 本発明の3相PWMインバータ装置において、2相同時スイッチングの瞬間における装置の端子P及び端子N間に印加される電圧VPNと端子Pより装置に流れ込む電流IPの波形を示しているシンクロスコープの画面である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例2を示す回路図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる第3の実施例を示す回路図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例4を示す回路図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例5を示す回路図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例5の動作を示すタイミングチャートである。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態1にかかる実施例6を示す回路図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態2にかかる実施例1を示す回路図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態2にかかる実施例1の動作を示すタイミングチャートである。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態2にかかる実施例2を示す回路図である。 本発明に係るPWMインバータ装置の実施の形態3の構成を示す回路ブロック図である。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態3にかかる実施例1を示すフローチャートである。 本発明に係る同時スイッチング防止回路の実施の形態3にかかる実施例2を示すフローチャートである。 従来のPWMインバータ装置の構成を示す回路ブロック図である。 三角波搬送波による3相PWM信号発生回路の動作を示す信号波形図である。 フリーホイーリングダイオードの逆回復モードでの電流変化率と電流の関係を示したグラフである。 鋸歯波搬送波による3相PWM信号発生回路の動作を示す信号波形図である。
符号の説明
1 3相PWM信号発生回路、 2 モータ、 3a〜f ゲート駆動回路、 4a〜f IGBT、 5a〜f ダイオード、 6 主電源、 7 平滑コンデンサ、 10 主制御ユニット(MCU)。

Claims (10)

  1. PWM信号発生回路より出力される多相の制御信号を入力信号として取り込む複数の入力手段と、
    一相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して、それぞれ所定の期間において他相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりを遮蔽するための遮蔽パルスを発生させる遮蔽パルス発生手段と、
    他相の前記遮蔽パルス発生手段からの複数の遮蔽パルスの論理和により形成されるパルスのパルス幅を遮蔽期間とする遮蔽信号を出力する遮蔽信号形成手段と、
    前記一相の入力信号を受けて、その立ち上がり又は立ち下がりを前記遮蔽期間の終了まで遅らせた信号を出力する信号遮蔽手段と、
    前記信号遮蔽手段からの出力信号を外部に出力する複数の出力手段と、
    を備えることを特徴とする多相同時スイッチング防止回路。
  2. 前記遮蔽信号形成手段は、
    反転された前記一相の入力信号と他相の前記遮蔽パルス発生手段からの複数の遮蔽パルスとを受けて、それらの論理和の反転信号を出力するように接続されていることを特徴とする請求の範囲第1項記載の多相同時スイッチング防止回路。
  3. PWM信号発生回路より出力される制御信号がU相,V相,W相の3相であり、前記遮蔽パルス発生手段は、
    U相の入力・信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅T1のU相遮蔽パルスを出力するように接続されたU相ワンショットパルス発生回路と、
    V相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅T2のV相遮蔽パルスを出力するように接続されたV相ワンショットパルス発生回路と、
    W相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅T3のW相遮蔽パルスを出力するように接続されたW相ワンショットパルス発生回路と、
    から構成され、
    前記遮蔽信号形成手段は、
    前記V相遮蔽パルスと前記W相遮蔽パルスとを受けて、それらの論理和の反転信号を出力するように接続されたU相NOR回路と、
    前記W相遮蔽パルスと前記U相遮蔽パルスとを受けて、それらの論理和の反転信号を出力するように接続されたV相NOR回路と、
    前記U相遮蔽パルスと前記V相遮蔽パルスとを受けて、それらの論理和の反転信号を出力するように接続されたW相NOR回路と、
    とから構成され、
    前記信号遮蔽手段は、
    U相の入力信号を受けその反転信号を出力するように接続されたU相NOT回路と、
    S端子、R端子とQ端子の少なくとも3つの端子を有し、前記U相NOT回路からの出力信号が前記R端子に入力され、前記U相NOR回路からの出力信号が前記S端子に入力され、前記Q端子に出力信号を出力するように接続されたU相ラッチ回路と、
    V相の入力信号を受けその反転信号を出力するように接続されたV相NOT回路と、
    S端子、R端子とQ端子の少なくとも3つの端子を有し、前記V相NOT回路からの出力信号が前記R端子に入力され、前記V相NOR回路からの出力信号が前記S端子に入力され、前記Q端子に出力信号を出力するように接続されたV相ラッチ回路と、
    W相の入力信号を受けその反転信号を出力するように接続されたW相NOT回路と、
    S端子、R端子とQ端子の少なくとも3つの端子を有し、前記W相NOT回路からの出力信号が前記R端子に入力され、前記W相NOR回路からの出力信号が前記S端子に入力され、前記Q端子に出力信号を出力するように接続されたW相ラッチ回路と、
    から構成され、
    前記時間幅T1、T2及びT3は互いに相異なることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の多相同時スイッチング防止回路。
  4. 前記時間幅T1、T2、T3とがT1<T2<T3と設定され、
    前記W相ワンショットパルス発生回路と前記V相NOR回路との間に挿入された遮蔽パルス抑制回路を備え、
    前記遮蔽パルス抑制回路は、
    U相の入力信号を受けその反転信号を出力するように接続されたNOT回路と、
    前記NOT回路からの出力信号と前記W相ワンショットパルス発生回路からの出力信号とを受け、それらの論理積信号を前記V相NOR回路に出力するように接続されたAND回路と、
    を備えたことを特徴とする請求の範囲第3項記載の多相同時スイッチング防止回路。
  5. PWM信号発生回路より出力される多相の制御信号を入力信号として取り込む複数の入力手段と、
    一相の入力信号と他相の入力信号とが所定の禁止期間内で同時に立ち上がること又は立ち下がることを検出し、その検出信号を出力する同時スイッチング検出手段と、
    前記同時スイッチング検出手段からの検出信号を受けて、所定の遮蔽期間を有する遮蔽信号を出力する遮蔽信号発生手段と、
    前記一相の入力信号を受けて、その立ち上がり又は立ち下がりを前記遮蔽期間だけ遅らせた信号を出力する信号遮蔽手段と、
    前記信号遮蔽手段からの出力信号を外部に出力する複数の出力手段と、
    を備えることを特徴とする多相同時スイッチング防止回路。
  6. PWM信号発生回路より出力される制御信号がU相,V相,W相の3相であり、前記同時スイッチング検出手段は、
    U相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅のパルスを出力するように接続された第1のワンショットパルス発生回路と、
    V相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅のパルスを出力するように接続された第2のワンショットパルス発生回路と、
    W相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅のパルスを出力するように接続された第3のワンショットパルス発生回路と、
    前記第1と第2のワンショットパルス発生回路より出力された信号の論理積信号を検出信号として出力するように接続された第1のAND回路と、
    前記第2と第3のワンショットパルス発生回路より出力された信号の論理積信号を検出信号として出力するように接続された第2のAND回路と、
    前記第3と第1のワンショットパルス発生回路より出力された信号の論理積信号を検出信号として出力するように接続された第3のAND回路と、
    から構成され、
    前記遮蔽信号発生手段は、
    U相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅T1のU相遮蔽パルスを発生するように接続されたU相ワンショットパルス発生回路と、
    前記U相遮蔽パルスの反転信号を出力するように接続された第1のU相NOT回路と、
    前記第1と第3のAND回路から出力された検出信号の論理和を出力するように接続されたU相OR回路と、
    V相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅T2のV相遮蔽パルスを発生するように接続されたV相ワンショットパルス発生回路と、
    前記V相遮蔽パルスの反転信号を出力するように接続された第1のV相NOT回路と、
    前記第1と第2のAND回路から出力された検出信号の論理和を出力するように接続されたV相OR回路と、
    W相の入力信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して所定の時間幅T3のW相遮蔽パルスを発生するように接続されたW相ワンショットパルス発生回路と、
    前記W相遮蔽パルスの反転信号を出力するように接続された第1のW相NOT回路と、
    前記第2と第3のAND回路から出力された検出信号の論理和を出力するように接続されたW相OR回路と、
    各相に対応して設けられ、S端子、R端子とQ端子の少なくとも3つの端子を有し、前記第1の一相NOT回路からの出力信号がR端子に入力され、前記一相OR回路からの出力信号がS端子に入力され、Q端子に一相遮蔽信号を出力するように接続された第1の一相ラッチ回路と、
    から構成され、
    前記信号遮蔽手段は各相に対応して設けられ、
    一相の入力信号を受けその反転信号を出力するように接続された第2の一相NOT回路と、
    前記第1の一相ラッチ回路からの出力信号を受けその反転信号を出力するように接続された第3の一相NOT回路と、
    S端子、R端子とQ端子の少なくとも3つの端子を有し、前記第2の一相NOT回路からの出力信号がR端子に入力され、前記第3の一相NOT回路からの出力信号がS端子に入力され、Q端子に出力信号を出力するように接続された第2の一相ラッチ回路と、
    から構成され、
    前記時間幅T1、T2及びT3は互いに相異なることを特徴とする請求の範囲第5項記載の多相同時スイッチング防止回路。
  7. ゲート駆動回路と、
    PWM信号発生回路とを備え、
    前記ゲート駆動回路と前記PWM信号発生回路との間に、請求の範囲第1項乃至第6項記載の多相同時スイッチング防止回路が挿入されていることを特徴とするPWMインバータ装置。
  8. 主制御ユニットと複数の相に対応した駆動回路とを有するPWMインバータ装置に適用され、
    PWM信号発生回路より出力される前記複数の相の制御信号毎に設けられた遮蔽変数とタイマーとを初期化する第1の手順と、
    しかる後に前記複数の相の制御信号を第1の値と第2の値との2値の入力信号として取り込む第2の手順と、
    しかる後に一相の入力信号の値を判定する第3の手順と、
    前記第3の手順における判定において前記入力信号の値が第2の値であれば前記一相に対応する駆動回路にスイッチオフを指示する信号を出力する第4の手順と、
    前記第3の手順における判定において前記入力信号の値が第1の値であれば前記一相の遮蔽変数の値を所定の期間第1の値とし、他相の遮蔽変数の値のいずれもが第2の値であれば前記一相に対応する駆動回路にスイッチオンを指示する信号を出力する第5の手順と、
    を備えた同時スイッチング防止方法を含んでなるインバータ装置の駆動方法。
  9. 前記複数の相はU相,V相とW相の3相であり、
    前記第3の手順は前記3相に対してそれぞれ実施され、
    前記第4の手順は前記3相に対してそれぞれ実施され、
    前記第5の手順は、
    U相に対しては、
    U相の遮蔽変数の値を第1の値とする下位手順と、
    U相のタイマーが起動していなければ起動させる下位手順と、
    U相のタイマーの時間が所定の時間T1以下でなければU相の遮蔽変数の値を第2の値とする下位手順と、
    V相の遮蔽変数とW相の遮蔽変数の値のいずれもが第2の値であればU相に対応する駆動回路にスイッチオンを指示する信号を出力する下位手順とを含み、
    V相に対しては、
    V相の遮蔽変数の値を第1の値とする下位手順と、
    V相のタイマーが起動していなければ起動させる下位手順と、
    V相のタイマーの時間が所定の時間T2以下でなければU相の遮蔽変数の値を第2の値とする下位手順と、
    W相の遮蔽変数とU相の遮蔽変数の値のいずれもが第2の値であればV相に対応する駆動回路にスイッチオンを指示する信号を出力する下位手順とを含み、
    W相に対しては、
    W相の遮蔽変数の値を第1の値とする下位手順と、
    W相のタイマーが起動していなければ起動させる下位手順と、
    W相のタイマーの時間が所定の時間T3以下でなければW相の遮蔽変数の値を第2の値とする下位手順と、
    U相の遮蔽変数とW相の遮蔽変数の値のいずれもが第2の値であればW相に対応する駆動回路にスイッチオンを指示する信号を出力する下位手順とを含み、
    しかる後に外部よりの停止指示がなければ第2の手順に戻る第6の手順と、
    を含み、
    前記時間T1、T2及びT3は互いに相異なることを特徴とする請求の範囲第8項記載のインバータ装置の駆動方法。
  10. 前記時間幅T1と時間幅T2と時間幅T3とがT1<T2<T3と設定され、
    V相に対する第5の手順は、
    U相の入力信号の値が第2の値でなければW相の遮蔽変数を第2の値とする遮蔽変数抑制下位手順を含むことを特徴とする請求の範囲第9項記載のインバータ装置の駆動方法。
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