JPWO2005043420A1 - 電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置 - Google Patents
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Abstract
設計対象の全電子回路(セル)のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータ(平行区間長、平行区間隣接距離等)を変更し(簡易ノイズチェック)、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析し、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、簡易ノイズチェックを実行させる。
Description
本発明は、電子回路の設計、ノイズチェックに用いて好適な電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置に関するものであり、特に、設計時間の短縮化を図ることができる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置に関するものである。
近年、各種電子回路の小型化や高速化に伴い、電子回路を設計する際のノイズ解析とノイズ対策が重要になってきている。従って、従来では、ノイズが制限値となるように電子回路が設計されている。
第16図は、従来の電子回路設計方法を説明するフローチャートである。
ステップSA1では、RTL(Register Transfer Level)設計が行われる。RTL設計では、論理回路の機能的な動作をデータ信号の流れと制御信号とで記述し、設計対象の電子回路における論理仕様が設計される。
ステップSA2では、ステップSA1で設計された論理仕様を入力とし、テクノロジマッピング、遅延時間や面積等を評価関数とした最適化処理を行い、ゲートレベルのセル(論理回路)を生成するための論理合成処理が実行される。
ステップSA3では、半導体チップのサイズや電気的特性の最適化をめざしながら、半導体チップ上における各セルの概略配置を決定するためのフロアプラン処理が実行される。
ステップSA4では、ステップSA3で決定された概略配置に基づいて、各セルが配置面に配置され、セル間が配線される。ステップSA5では、配置された全セルに信号を入力し、所期のタイミングや周波数で信号が出力されるかというタイミング解析が行われる。このタイミング解析には、全セルが対象となるため、大型計算機を用いても数日を要する。
ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ステップSA6の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、タイミング解析結果がエラーである場合、ステップSA4では、エラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
ステップSA5では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。
ここで、再設計のミスに起因して、再度エラーがある場合、ステップSA4では、セルの配置や配線が再度変更される。以後、ステップSA6の判断結果が「No」となるまで、ステップSA4〜ステップSA6が繰り返される。
そして、タイミング解析結果にエラーが無く、ステップSA6の判断結果が「No」になると、ステップSA7では、タイミング解析済みの各セル、配線におけるスタティックノイズ値(以下、単にノイズ値と称する)をチェックするためのスタティックノイズチェックが実行される。
このスタティックノイズチェックにおいては、配線の幅、配線層および長さに応じて容量値および抵抗値が計算され、配線同士の平行区間とセル(ドライバ、レシーバ等)の種類に応じたパラメータに基づいて、ノイズ値が計算される。
ステップSA8では、ノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSA8の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSA4では、ノイズ値が制限値以下となり、かつタイミング解析結果にエラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
ステップSA5では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ここで、ステップSA6の判断結果が「Yes」である場合、ステップSA4では、再び、再設計され、セルの配置や配線が変更される。
また、ステップSA6の判断結果が「No」である場合、ステップSA7では、上述と同様にして、再設計後におけるスタティックノイズチェックが実行される。ステップSA8では、再設計後におけるノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSA8の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSA4では、ノイズ値が制限値以下となり、かつタイミング解析結果にエラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
以後、ステップSA8の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSA4〜ステップSA8が繰り返される。そして、ステップSA8の判断結果が「Yes」、すなわち、タイミング解析結果にエラーが無く、かつノイズ値が制限値以下である場合、ステップSA9では、各セルの配置、配線に基づいて、設計対象の電子回路を製造するための製造データが作成される。
特開2002−259481号公報
第16図は、従来の電子回路設計方法を説明するフローチャートである。
ステップSA1では、RTL(Register Transfer Level)設計が行われる。RTL設計では、論理回路の機能的な動作をデータ信号の流れと制御信号とで記述し、設計対象の電子回路における論理仕様が設計される。
ステップSA2では、ステップSA1で設計された論理仕様を入力とし、テクノロジマッピング、遅延時間や面積等を評価関数とした最適化処理を行い、ゲートレベルのセル(論理回路)を生成するための論理合成処理が実行される。
ステップSA3では、半導体チップのサイズや電気的特性の最適化をめざしながら、半導体チップ上における各セルの概略配置を決定するためのフロアプラン処理が実行される。
ステップSA4では、ステップSA3で決定された概略配置に基づいて、各セルが配置面に配置され、セル間が配線される。ステップSA5では、配置された全セルに信号を入力し、所期のタイミングや周波数で信号が出力されるかというタイミング解析が行われる。このタイミング解析には、全セルが対象となるため、大型計算機を用いても数日を要する。
ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ステップSA6の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、タイミング解析結果がエラーである場合、ステップSA4では、エラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
ステップSA5では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。
ここで、再設計のミスに起因して、再度エラーがある場合、ステップSA4では、セルの配置や配線が再度変更される。以後、ステップSA6の判断結果が「No」となるまで、ステップSA4〜ステップSA6が繰り返される。
そして、タイミング解析結果にエラーが無く、ステップSA6の判断結果が「No」になると、ステップSA7では、タイミング解析済みの各セル、配線におけるスタティックノイズ値(以下、単にノイズ値と称する)をチェックするためのスタティックノイズチェックが実行される。
このスタティックノイズチェックにおいては、配線の幅、配線層および長さに応じて容量値および抵抗値が計算され、配線同士の平行区間とセル(ドライバ、レシーバ等)の種類に応じたパラメータに基づいて、ノイズ値が計算される。
ステップSA8では、ノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSA8の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSA4では、ノイズ値が制限値以下となり、かつタイミング解析結果にエラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
ステップSA5では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ここで、ステップSA6の判断結果が「Yes」である場合、ステップSA4では、再び、再設計され、セルの配置や配線が変更される。
また、ステップSA6の判断結果が「No」である場合、ステップSA7では、上述と同様にして、再設計後におけるスタティックノイズチェックが実行される。ステップSA8では、再設計後におけるノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSA8の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSA4では、ノイズ値が制限値以下となり、かつタイミング解析結果にエラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
以後、ステップSA8の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSA4〜ステップSA8が繰り返される。そして、ステップSA8の判断結果が「Yes」、すなわち、タイミング解析結果にエラーが無く、かつノイズ値が制限値以下である場合、ステップSA9では、各セルの配置、配線に基づいて、設計対象の電子回路を製造するための製造データが作成される。
ところで、従来の電子回路設計方法においては、設計者の経験やカンに基づいて、ステップSA4でセル配置・配線の再設計が行われるため、設計の手戻りが多く、設計時間の長時間化を招くという問題があった。また、従来の電子回路設計方法においては、処理対象物が多いため、全てを制限値内に収めることが困難である。
また、従来の電子回路設計方法においては、第16図に示したステップSA5でタイミング解析が実行された後、ステップSA7でスタティックノイズチェックが実行される。
ここで、タイミング解析には、前述したように膨大な時間を要する。
しかしながら、従来の電子回路設計方法においては、タイミング解析結果がOKでも、スタティックノイズチェックでNGとなれば、ステップSA4で再び、セル配置・配線を再設計し、再び、膨大な時間をかけて、タイミング解析を実行しなければならず、このことが、設計時間をさらに長時間化させる要因となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、設計時間の短縮化を図ることができる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置を提供することを目的としている。
また、従来の電子回路設計方法においては、第16図に示したステップSA5でタイミング解析が実行された後、ステップSA7でスタティックノイズチェックが実行される。
ここで、タイミング解析には、前述したように膨大な時間を要する。
しかしながら、従来の電子回路設計方法においては、タイミング解析結果がOKでも、スタティックノイズチェックでNGとなれば、ステップSA4で再び、セル配置・配線を再設計し、再び、膨大な時間をかけて、タイミング解析を実行しなければならず、このことが、設計時間をさらに長時間化させる要因となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、設計時間の短縮化を図ることができる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータに、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を実行させるための電子回路設計プログラムである。
また、本発明は、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック手段と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析手段と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック手段を動作させるスタティックノイズチェック手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明は、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック手段と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析手段と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック手段を動作させるスタティックノイズチェック手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
第1図は、本発明にかかる一実施例の構成を示すブロック図であり、第2図は、同一実施例における簡易スタティックノイズチェックの概要を説明する図であり、第3図は、同一実施例における配線情報ファイルフォーマット30Fを示す図であり、第4図は、第5図(a)に示したネット群31を表す配線情報ファイル301を示す図であり、第5図は、同一実施例におけるネット群31を示す図であり、第6図は、第7図(a)に示したネット群34を表す配線情報ファイル302を示す図であり、第7図は、同一実施例におけるネット群34を示す図であり、第8図は、第9図(a)に示したネット群37を表す配線情報ファイル303を示す図であり、第9図は、同一実施例におけるネット群37を示す図であり、第10図は、同一実施例におけるチェック結果リスト601を示す図であり、第11図は、同一実施例におけるチェック結果リスト603を示す図であり、第12図は、同一実施例の動作を説明するフローチャートであり、第13図は、第12図に示した簡易スタティックノイズチェック処理を説明するフローチャートであり、第14図は、第13図に示した配線制約情報ファイル作成処理を説明するフローチャートであり、第15図は、同一実施例の変形例の構成を示すブロック図であり、第16図は、従来の電子回路設計方法を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明にかかる一実施例について詳細に説明する。第1図は、本発明にかかる一実施例の構成を示すブロック図である。
同図において、電子回路設計装置10は、前述したRTL設計、論理合成、フロアプラン処理、後述する簡易スタティックノイズチェック(第2図参照)、タイミング解析、スタティックノイズチェック、製造データ作成等により電子回路の設計を行う装置である。
制御部11は、設計に関する制御を行う。この制御部11の動作の詳細については、後述する。記憶部12は、制御部11で用いられるコンピュータプログラム、各種情報、データを記憶する。入力部13は、キーボード、マウス、外部データ読取部等である。出力部14は、製造データ等を外部装置へ出力する。表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等である。
テクノロジ情報ファイル格納部20は、第2図に示したテクノロジ情報ファイル21を格納している。テクノロジ情報ファイル21は、セル間を接続する配線に必要なテクノロジ特性を定義するテクノロジ情報のファイルである。
テクノロジ情報は、各配線層で使用可能な配線の幅、ノイズ対策スペース値(ノイズ対策を考慮した場合の配線間隔の最小スペース値)、配線ユニット長、配線層の種類、名称、ノイズ値の制限値等である。
第1図に戻り、配線情報ファイル格納部30は、配線情報ファイルを格納している。配線情報ファイルは、第3図に示した配線情報ファイルフォーマット30Fに基づいて、スタティックノイズチェック対象の各ネット(電子回路の最小単位)における配線情報を定義するための配線情報のファイルである。
ネットは、送信側のドライバ(セル)と、受信側のレシーバ(セル)と、ドライバとレシーバとを接続する配線とから構成されている。
2つのネットが隣接配置されている場合、両配線の平行区間で一方の配線は、他方の配線へノイズを与える。以下では、ノイズを与える側のネットをaggressorネットと称する。ノイズを受ける側のネットをvictimネットと称する。
第5図(a)には、ネット群31の平面図が図示されている。ネット群31は、第5図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット32およびvictimネット33から構成されている。
aggressorネット32は、ドライバ32a(セル)と、レシーバ32b(セル)と、ドライバ32aとレシーバ32bとの間を接続する配線32cとから構成されており、victimネット33に対してノイズを与える。配線32cは、ドライバ32aのピン(X)とレシーバ32bのピン(A)との間であって、第5図(b)に示したB層およびA層にまたがって配設されている。
第5図(a)に示したvictimネット33は、ドライバ33a(セル)と、レシーバ33b(セル)と、ドライバ33aとレシーバ33bとの間を接続する配線33cとから構成されており、aggressorネット32からノイズを受ける。配線33cは、ドライバ33aのピン(X)とレシーバ33bのピン(A)との間であって、第5図(b)に示したC層に配設されている。
第3図に示した配線情報ファイルフォーマット30Fにおいて、DVは、配線情報の開始を表す。DV_ENDは、配線情報の終了を表す。AGRSは、上述したaggressorネットに関する情報を表し、ドライバマクロ名、ドライバピン名、レシーバマクロ名、レシーバピン名、KIND=ネット種別の情報である。
ドライバマクロ名は、ドライバに付与された名称であり、例えば、ドライバ32a(第5図(a)参照)のMCRDV1である。ドライバピン名は、ドライバのピン名であり、例えば、ドライバ32aのピン(X)である。
レシーバマクロ名は、レシーバに付与された名称であり、例えば、レシーバ32b(第5図(a)参照)のMCRRV1である。レシーバピン名は、レシーバ32bのピン名であり、例えば、レシーバ32bのピン(A)である。KIND=ネット種別は、aggressorネット32の種別(clock信号伝送用、電源用等)を表し、例えば、clockである。
VCTMは、上述したvictimネットに関する情報を表し、ドライバマクロ名、ドライバピン名、レシーバマクロ名、レシーバピン名、KIND=ネット種別の情報である。
ドライバマクロ名は、ドライバに付与された名称であり、例えば、ドライバ33a(第5図(a)参照)のMCRDV2である。ドライバピン名は、ドライバのピン名であり、例えば、ドライバ33aのピン(X)である。
レシーバマクロ名は、レシーバに付与された名称であり、例えば、レシーバ33b(第5図(a)参照)のMCRRV2である。レシーバピン名は、レシーバ33bのピン名であり、例えば、レシーバ33bのピン(A)である。KIND=ネット種別は、victimネット33の種別(clock信号伝送用、電源用等)を表し、例えば、clockである。
PARは、aggressorネットの配線幅、aggressorネットの配線層、victimネットの配線幅、victimネットの配線層、平行区間長PR、平行区間隣接距離WD、ドライバー平行区間距離DLの情報から構成されている。
aggressorネットの配線幅は、aggressorネットの配線の幅であり、例えば、配線32c(第5図(a)参照)の配線幅(0.8μm)である。aggressorネットの配線層は、aggressorネットが配設された配線層であり、例えば、aggressorネット32のB層である。
victimネットの配線幅は、victimネットの配線の幅であり、例えば、配線33c(第5図(a)参照)の配線幅(1.6μm)である。victimネットの配線層は、victimネットが配設された配線層であり、例えばvictimネット33のC層である。平行区間長PRは、aggressorネットの配線とvictimネットの配線とが近接した状態で平行とされている区間(以下、平行区間と称する)の長さであり、第5図(a)の場合、300μmである。
平行区間隣接距離WDは、上記平行区間における配線間の隣接距離であり、第5図(a)の場合、3μmである。ドライバ−平行区間距離DLは、aggressorネットのドライバから平行区間までの配線距離であり、第5図(a)の場合、200μmである。
第4図には、第5図(a)に示したネット群31を表す配線情報ファイル301が図示されている。配線情報ファイル301は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
第6図には、第7図(a)に示したネット群34を表す配線情報ファイル302が図示されている。配線情報ファイル302は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
第7図(a)には、ネット群34の平面図が図示されている。ネット群34は、第7図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット35およびvictimネット36から構成されている。
aggressorネット35は、ドライバ35a(セル)と、レシーバ35b(セル)と、ドライバ35aとレシーバ35bとの間を接続する配線35cとから構成されており、victimネット36に対してノイズを与える。配線35cは、ドライバ35aのピン(X)とレシーバ35bのピン(A)との間であって、第7図(b)に示したB層、C層およびA層に亘って配設されている。
第7図(a)に示したvictimネット36は、ドライバ36a(セル)と、レシーバ36b(セル)と、ドライバ36aとレシーバ36bとの間を接続する配線36cとから構成されており、aggressorネット35からノイズを受ける。配線36cは、ドライバ36aのピン(X)とレシーバ36bのピン(A)との間であって、第7図(b)に示したC層に配設されている。
配線36cと配線35cとは、2つの平行区間を有している。従って、配線情報ファイル302(第6図参照)には、上記2つの平行区間に対応させてPARが2つ記述されている。
第8図には、第9図(a)に示したネット群37を表す配線情報ファイル303が図示されている。配線情報ファイル303は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
第9図(a)には、ネット群37の平面図が図示されている。ネット群37は、第9図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット38、aggressorネット39およびvictimネット40から構成されている。
aggressorネット38は、ドライバ38a(セル)と、レシーバ38b(セル)と、ドライバ38aとレシーバ38bとの間を接続する配線38cとから構成されており、victimネット40に対してノイズを与える。配線38cは、ドライバ38aのピン(X)とレシーバ38bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したC層およびB層にまたがって配設されている。
aggressorネット39は、ドライバ39a(セル)と、レシーバ39b(セル)と、ドライバ39aとレシーバ39bとの間を接続する配線39cとから構成されており、victimネット40に対してノイズを与える。配線39cは、ドライバ39aのピン(X)とレシーバ39bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したB層およびA層にまたがって配設されている。
第9図(a)に示したvictimネット40は、ドライバ40a(セル)と、レシーバ40b(セル)と、ドライバ40aとレシーバ40bとの間を接続する配線40cとから構成されており、aggressorネット38およびaggressorネット39の双方からノイズを受ける。配線40cは、ドライバ40aのピン(X)とレシーバ40bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したC層に配設されている。
配線40cは、配線38cおよび配線39cとの間にそれぞれ2つの平行区間を有している。従って、配線情報ファイル303(第8図参照)には、上記2つの平行区間に対応させてPARが2つ記述されている。
ここで、一実施例では、全セルを配置、配線し、タイミング解析を実行する前に、第2図に示した簡易スタティックノイズチェックが実行される。
簡易スタティックノイズチェックでは、テクノロジ情報ファイル21、全セルのうち、一部のセルに対応する配線情報ファイル301等を入力として、当該一部のセルのノイズ値が制限値以下であるか否かのチェックが実行される。
ノイズ値が制限値を超えている場合、ノイズ値が制限値以下となるように、配線情報ファイル301のパラメータのうちノイズ低減に効果がある平行区間隣接距離WD、平行区間長PR等に制約がかけられ、自動的に変更される。
簡易スタティックノイズチェックでは、配線情報ファイル301が入力された場合、配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501と、チェック結果リスト601とが出力される。
配線制約情報ファイル501は、配線情報ファイル301について、ノイズ値が制約値以下となるように平行区間隣接距離WDや平行区間長PRに制約がかけられたファイルであり、配線情報ファイル301と同様のフォーマットとされている。
第10図に示したように、チェック結果リスト601は、配線情報ファイル301に基づく、簡易スタティックノイズチェックの結果を表すリストであり、配線情報ファイル名、テクノロジ情報ファイル名、victimネット名、aggressorネット名、パラメータの制限値、ノイズ値等である。
なお、第11図に示したチェック結果リスト603は、配線情報ファイル303に対応している。
第1図に戻り、配線制約情報ファイル格納部50は、上述した配線制約情報ファイル501等を格納する。
つぎに、一実施例の動作について、第12図〜第14図に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
ステップSB1では、電子回路設計装置10の制御部11は、ステップSA1と同様にして、RTL設計を実行する。ステップSB2では、制御部11は、ステップSB1で設計された論理仕様を入力とし、テクノロジマッピング、遅延時間や面積等を評価関数とした最適化処理を行い、ゲートレベルのセル(論理回路)を生成するための論理合成処理を実行する。
ステップSB3では、制御部11は、半導体チップのサイズや電気的特性の最適化をめざしながら、半導体チップ上における各セルの概略配置を決定するためのフロアプラン処理を実行する。
ステップSB4では、制御部11は、簡易スタティックノイズチェックを実行する。具体的には、第13図に示したステップSC1では、制御部11は、全セルのうち一部のセルに対応する例えば、配線情報ファイル301(配線情報ファイル302(第6図参照)、配線情報ファイル303(第8図参照)も同様)を配線情報ファイル格納部30から読み出し、この配線情報ファイル301を解釈する。配線情報ファイル301は、例えば、ユーザにより指定される。
ステップSC2では、制御部11は、テクノロジ情報ファイル格納部20よりテクノロジ情報ファイル21(第2図参照)を読み出し、このテクノロジ情報ファイル21を解釈する。
ステップSC3では、制御部11は、ステップSC1およびステップSC2の解釈に基づいて、ノイズ値計算に用いられるパラメータを整理する。
ステップSC4では、制御部11は、配線情報ファイル301に対応するネット群31(第5図参照)におけるノイズ値(Nv)を以下の(1)式にパラメータを代入して計算する。
Nv=ΣLn×Ka×Kb、f(ΣC,L)×αag×αvc ・・・(1)
(1)式において、ΣLnは、平行区間長の合計である。Kaは、victimネットにおける係数である。Kbは、aggressorネットにおける係数である。f(ΣC,L)は、aggressorネットのドライバから平行区間までの配線によるaggressorネットの波形なまりを考慮した緩和関数であり、距離および容量から求められる。
αagは、aggressorネットのドライバ係数であり、ドライバの駆動能力により決定される。αvcは、victimネットのドライバ係数であり、ドライバの駆動能力により決定される。
ステップSC5では、制御部11は、ステップSC4で計算されたノイズ値(Nv)が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSC5の判断結果が「Yes」である場合、ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
一方、ステップSC5の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSC7では、配線制約情報ファイル作成処理を実行する。
この配線制約情報ファイル作成処理では、上記ノイズ値が制限値以下となるように、配線情報ファイルのパラメータ(例えば、平行区間長PR、平行区間隣接距離WD)を変更(微調整)し、配線制約情報ファイルを作成するための処理である。パラメータを変更(微調整)する方法としては、例えば、第1の方法、第2の方法、第3の方法がある。
第1の方法は、平行区間隣接距離WDを単位長さ(例えば、1μm)ずつ伸ばし、ノイズ値を低減する方法である。第2の方法は、平行区間長PRを単位長さ(例えば、1μm)ずつ短くし、ノイズ値を低減する方法である。第3の方法は、平行区間隣接距離WDを単位長さ(例えば、1μm)ずつ伸ばすとともに、平行区間長PRを単位長さ(例えば、1μm)ずつ短くし、ノイズ値を低減する方法である。
なお、一実施例においては、ノイズ値を低減する方法としては、上記第1〜第3の方法以外に、aggressorネットの配線幅を狭くする方法、victimネットのドライバ駆動能力を小さくする方法、aggressorネットのドライバ駆動能力を小さくする方法、ドライバ−平行区間距離DLを短くする方法、各方法を複数組み合わせる方法を適用してもよい。
配線制約情報ファイル作成処理において、第14図に示したステップSD1では、制御部11は、ユーザにより、上述した第1の方法が予め設定されているか否かを判断する。ステップSD1の判断結果が「Yes」である場合、ステップSD2では、制御部11は、第1の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDを単位長さ伸ばす。ステップSD3では、制御部11は、ステップSC4(第13図参照)と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDを考慮して、ノイズ値を計算する。
ステップSD4では、制御部11は、ステップSD3で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD4の判断結果が「No」である場合、ステップSD2では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDをさらに単位長さ伸ばす。ステップSD3では、制御部11は、ステップSC4(第13図参照)と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDを考慮して、ノイズ値を計算する。
以後、ステップSD4の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD2〜ステップSD4が繰り返される。
そして、ステップSD4の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
一方、第14図に示したステップSD1の判断結果が「No」である場合、ステップSD6では、制御部11は、ユーザにより、上述した第2の方法が予め設定されているか否かを判断する。
ステップSD6の判断結果が「Yes」である場合、ステップSD7では、制御部11は、第2の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間長PRを単位長さ短くする。ステップSD8では、制御部11は、ステップSC4と同様にして、変更後の平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
ステップSD9では、制御部11は、ステップSD8で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD9の判断結果が「No」である場合、ステップSD7では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間長PRをさらに単位長さ短くする。ステップSD8では、制御部11は、変更後の平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
以後、ステップSD9の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD7〜ステップSD9が繰り返される。
そして、ステップSD9の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
一方、第14図に示したステップSD6の判断結果が「No」であり、第3の方法が設定されている場合、ステップSD10では、制御部11は、第3の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDを単位長さのばし、平行区間長PRを単位長さ短くする。ステップSD11では、制御部11は、ステップSC4と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDおよび平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
ステップSD12では、制御部11は、ステップSD11で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD12の判断結果が「No」である場合、ステップSD10では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDをさらに単位長さのばすとともに、平行区間長PRをさらに単位長さ短くする。ステップSD11では、制御部11は、変更後の平行区間隣接距離WDおよび平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
以後、ステップSD12の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD10〜ステップSD12が繰り返される。
そして、ステップSD12の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
第12図に戻り、ステップSB5では、ステップSB3で決定された概略配置およびステップSB4で作成された配線情報ファイル(配線制約情報ファイル)に基づいて、各セルが配置面に配置され、セル間が配線される。
ステップSB6では、配置された全セルに信号入力し、所期のタイミングや周波数で信号が出力されるかというタイミング解析が行われる。このタイミング解析には、全セルが対象となるため、大型計算機を用いても数日を要する。
ステップSB7では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ステップSB7の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、タイミング解析結果がエラーである場合、ステップSB5では、エラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
ステップSB6では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSB7では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。
ここで、再設計のミスに起因して、再度エラーがある場合、ステップSB5では、セルの配置や配線が再度変更される。以後、ステップSB7の判断結果が「No」となるまで、ステップSB5〜ステップSB7が繰り返される。
そして、タイミング解析結果にエラーが無く、ステップSB7の判断結果が「No」になると、ステップSB8では、タイミング解析済みの各セル、配線におけるスタティックノイズ値(以下、単にノイズ値と称する)をチェックするためのスタティックノイズチェックが実行される。
この場合、ステップSB4で簡易スタティックノイズチェックが実行済みであるため、従来に比べて、ノイズが低減される。
このスタティックノイズチェックにおいては、ステップSC4(第13図参照)と同様であるが、この場合、全ての配線情報ファイル(全セル)を対象とし、ノイズ値が計算される。
ステップSB9では、ノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSB9の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSB4では、一部の配線情報ファイルに対して、簡易スタティックノイズチェックが実行される。
以後、ステップSB9の判断結果が「Yes」になるまで、ステップSB4〜ステップSB9が繰り返される。
そして、ステップSB9の判断結果が「Yes」、すなわち、タイミング解析結果にエラーが無く、かつノイズ値が制限値以下である場合、ステップSB10では、各セルの配置、配線に基づいて、設計対象の電子回路を製造するための製造データが作成される。
以上説明したように、一実施例によれば、第12図に示したステップSB4で、設計対象の全電子回路(セル)のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、ステップSB6で信号伝送のタイミングを解析し、ステップSB8で全電子回路に関するノイズ値を計算し、ステップSB9で該ノイズ値が制限値を超えた場合、ステップSB4(一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更)を実行させることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
以上本発明にかかる一実施例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、前述した一実施例においては、前述した各機能を実現するためのプログラムを第15図に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体200に記録して、この記録媒体200に記録されたプログラムをコンピュータ100に読み込ませ、実行することにより各機能を実現してもよい。
コンピュータ100は、上記プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)110と、キーボード、マウス等の入力装置120と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)130と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)140と、記録媒体200からプログラムを読み取る読取装置150と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置160とから構成されている。
CPU110は、読取装置150を経由して記録媒体200に記録されているプログラムを読み込んだ後、プログラムを実行することにより、前述した各機能を実現する。なお、記録媒体200としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
以上説明したように、本発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
同図において、電子回路設計装置10は、前述したRTL設計、論理合成、フロアプラン処理、後述する簡易スタティックノイズチェック(第2図参照)、タイミング解析、スタティックノイズチェック、製造データ作成等により電子回路の設計を行う装置である。
制御部11は、設計に関する制御を行う。この制御部11の動作の詳細については、後述する。記憶部12は、制御部11で用いられるコンピュータプログラム、各種情報、データを記憶する。入力部13は、キーボード、マウス、外部データ読取部等である。出力部14は、製造データ等を外部装置へ出力する。表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等である。
テクノロジ情報ファイル格納部20は、第2図に示したテクノロジ情報ファイル21を格納している。テクノロジ情報ファイル21は、セル間を接続する配線に必要なテクノロジ特性を定義するテクノロジ情報のファイルである。
テクノロジ情報は、各配線層で使用可能な配線の幅、ノイズ対策スペース値(ノイズ対策を考慮した場合の配線間隔の最小スペース値)、配線ユニット長、配線層の種類、名称、ノイズ値の制限値等である。
第1図に戻り、配線情報ファイル格納部30は、配線情報ファイルを格納している。配線情報ファイルは、第3図に示した配線情報ファイルフォーマット30Fに基づいて、スタティックノイズチェック対象の各ネット(電子回路の最小単位)における配線情報を定義するための配線情報のファイルである。
ネットは、送信側のドライバ(セル)と、受信側のレシーバ(セル)と、ドライバとレシーバとを接続する配線とから構成されている。
2つのネットが隣接配置されている場合、両配線の平行区間で一方の配線は、他方の配線へノイズを与える。以下では、ノイズを与える側のネットをaggressorネットと称する。ノイズを受ける側のネットをvictimネットと称する。
第5図(a)には、ネット群31の平面図が図示されている。ネット群31は、第5図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット32およびvictimネット33から構成されている。
aggressorネット32は、ドライバ32a(セル)と、レシーバ32b(セル)と、ドライバ32aとレシーバ32bとの間を接続する配線32cとから構成されており、victimネット33に対してノイズを与える。配線32cは、ドライバ32aのピン(X)とレシーバ32bのピン(A)との間であって、第5図(b)に示したB層およびA層にまたがって配設されている。
第5図(a)に示したvictimネット33は、ドライバ33a(セル)と、レシーバ33b(セル)と、ドライバ33aとレシーバ33bとの間を接続する配線33cとから構成されており、aggressorネット32からノイズを受ける。配線33cは、ドライバ33aのピン(X)とレシーバ33bのピン(A)との間であって、第5図(b)に示したC層に配設されている。
第3図に示した配線情報ファイルフォーマット30Fにおいて、DVは、配線情報の開始を表す。DV_ENDは、配線情報の終了を表す。AGRSは、上述したaggressorネットに関する情報を表し、ドライバマクロ名、ドライバピン名、レシーバマクロ名、レシーバピン名、KIND=ネット種別の情報である。
ドライバマクロ名は、ドライバに付与された名称であり、例えば、ドライバ32a(第5図(a)参照)のMCRDV1である。ドライバピン名は、ドライバのピン名であり、例えば、ドライバ32aのピン(X)である。
レシーバマクロ名は、レシーバに付与された名称であり、例えば、レシーバ32b(第5図(a)参照)のMCRRV1である。レシーバピン名は、レシーバ32bのピン名であり、例えば、レシーバ32bのピン(A)である。KIND=ネット種別は、aggressorネット32の種別(clock信号伝送用、電源用等)を表し、例えば、clockである。
VCTMは、上述したvictimネットに関する情報を表し、ドライバマクロ名、ドライバピン名、レシーバマクロ名、レシーバピン名、KIND=ネット種別の情報である。
ドライバマクロ名は、ドライバに付与された名称であり、例えば、ドライバ33a(第5図(a)参照)のMCRDV2である。ドライバピン名は、ドライバのピン名であり、例えば、ドライバ33aのピン(X)である。
レシーバマクロ名は、レシーバに付与された名称であり、例えば、レシーバ33b(第5図(a)参照)のMCRRV2である。レシーバピン名は、レシーバ33bのピン名であり、例えば、レシーバ33bのピン(A)である。KIND=ネット種別は、victimネット33の種別(clock信号伝送用、電源用等)を表し、例えば、clockである。
PARは、aggressorネットの配線幅、aggressorネットの配線層、victimネットの配線幅、victimネットの配線層、平行区間長PR、平行区間隣接距離WD、ドライバー平行区間距離DLの情報から構成されている。
aggressorネットの配線幅は、aggressorネットの配線の幅であり、例えば、配線32c(第5図(a)参照)の配線幅(0.8μm)である。aggressorネットの配線層は、aggressorネットが配設された配線層であり、例えば、aggressorネット32のB層である。
victimネットの配線幅は、victimネットの配線の幅であり、例えば、配線33c(第5図(a)参照)の配線幅(1.6μm)である。victimネットの配線層は、victimネットが配設された配線層であり、例えばvictimネット33のC層である。平行区間長PRは、aggressorネットの配線とvictimネットの配線とが近接した状態で平行とされている区間(以下、平行区間と称する)の長さであり、第5図(a)の場合、300μmである。
平行区間隣接距離WDは、上記平行区間における配線間の隣接距離であり、第5図(a)の場合、3μmである。ドライバ−平行区間距離DLは、aggressorネットのドライバから平行区間までの配線距離であり、第5図(a)の場合、200μmである。
第4図には、第5図(a)に示したネット群31を表す配線情報ファイル301が図示されている。配線情報ファイル301は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
第6図には、第7図(a)に示したネット群34を表す配線情報ファイル302が図示されている。配線情報ファイル302は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
第7図(a)には、ネット群34の平面図が図示されている。ネット群34は、第7図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット35およびvictimネット36から構成されている。
aggressorネット35は、ドライバ35a(セル)と、レシーバ35b(セル)と、ドライバ35aとレシーバ35bとの間を接続する配線35cとから構成されており、victimネット36に対してノイズを与える。配線35cは、ドライバ35aのピン(X)とレシーバ35bのピン(A)との間であって、第7図(b)に示したB層、C層およびA層に亘って配設されている。
第7図(a)に示したvictimネット36は、ドライバ36a(セル)と、レシーバ36b(セル)と、ドライバ36aとレシーバ36bとの間を接続する配線36cとから構成されており、aggressorネット35からノイズを受ける。配線36cは、ドライバ36aのピン(X)とレシーバ36bのピン(A)との間であって、第7図(b)に示したC層に配設されている。
配線36cと配線35cとは、2つの平行区間を有している。従って、配線情報ファイル302(第6図参照)には、上記2つの平行区間に対応させてPARが2つ記述されている。
第8図には、第9図(a)に示したネット群37を表す配線情報ファイル303が図示されている。配線情報ファイル303は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
第9図(a)には、ネット群37の平面図が図示されている。ネット群37は、第9図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット38、aggressorネット39およびvictimネット40から構成されている。
aggressorネット38は、ドライバ38a(セル)と、レシーバ38b(セル)と、ドライバ38aとレシーバ38bとの間を接続する配線38cとから構成されており、victimネット40に対してノイズを与える。配線38cは、ドライバ38aのピン(X)とレシーバ38bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したC層およびB層にまたがって配設されている。
aggressorネット39は、ドライバ39a(セル)と、レシーバ39b(セル)と、ドライバ39aとレシーバ39bとの間を接続する配線39cとから構成されており、victimネット40に対してノイズを与える。配線39cは、ドライバ39aのピン(X)とレシーバ39bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したB層およびA層にまたがって配設されている。
第9図(a)に示したvictimネット40は、ドライバ40a(セル)と、レシーバ40b(セル)と、ドライバ40aとレシーバ40bとの間を接続する配線40cとから構成されており、aggressorネット38およびaggressorネット39の双方からノイズを受ける。配線40cは、ドライバ40aのピン(X)とレシーバ40bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したC層に配設されている。
配線40cは、配線38cおよび配線39cとの間にそれぞれ2つの平行区間を有している。従って、配線情報ファイル303(第8図参照)には、上記2つの平行区間に対応させてPARが2つ記述されている。
ここで、一実施例では、全セルを配置、配線し、タイミング解析を実行する前に、第2図に示した簡易スタティックノイズチェックが実行される。
簡易スタティックノイズチェックでは、テクノロジ情報ファイル21、全セルのうち、一部のセルに対応する配線情報ファイル301等を入力として、当該一部のセルのノイズ値が制限値以下であるか否かのチェックが実行される。
ノイズ値が制限値を超えている場合、ノイズ値が制限値以下となるように、配線情報ファイル301のパラメータのうちノイズ低減に効果がある平行区間隣接距離WD、平行区間長PR等に制約がかけられ、自動的に変更される。
簡易スタティックノイズチェックでは、配線情報ファイル301が入力された場合、配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501と、チェック結果リスト601とが出力される。
配線制約情報ファイル501は、配線情報ファイル301について、ノイズ値が制約値以下となるように平行区間隣接距離WDや平行区間長PRに制約がかけられたファイルであり、配線情報ファイル301と同様のフォーマットとされている。
第10図に示したように、チェック結果リスト601は、配線情報ファイル301に基づく、簡易スタティックノイズチェックの結果を表すリストであり、配線情報ファイル名、テクノロジ情報ファイル名、victimネット名、aggressorネット名、パラメータの制限値、ノイズ値等である。
なお、第11図に示したチェック結果リスト603は、配線情報ファイル303に対応している。
第1図に戻り、配線制約情報ファイル格納部50は、上述した配線制約情報ファイル501等を格納する。
つぎに、一実施例の動作について、第12図〜第14図に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
ステップSB1では、電子回路設計装置10の制御部11は、ステップSA1と同様にして、RTL設計を実行する。ステップSB2では、制御部11は、ステップSB1で設計された論理仕様を入力とし、テクノロジマッピング、遅延時間や面積等を評価関数とした最適化処理を行い、ゲートレベルのセル(論理回路)を生成するための論理合成処理を実行する。
ステップSB3では、制御部11は、半導体チップのサイズや電気的特性の最適化をめざしながら、半導体チップ上における各セルの概略配置を決定するためのフロアプラン処理を実行する。
ステップSB4では、制御部11は、簡易スタティックノイズチェックを実行する。具体的には、第13図に示したステップSC1では、制御部11は、全セルのうち一部のセルに対応する例えば、配線情報ファイル301(配線情報ファイル302(第6図参照)、配線情報ファイル303(第8図参照)も同様)を配線情報ファイル格納部30から読み出し、この配線情報ファイル301を解釈する。配線情報ファイル301は、例えば、ユーザにより指定される。
ステップSC2では、制御部11は、テクノロジ情報ファイル格納部20よりテクノロジ情報ファイル21(第2図参照)を読み出し、このテクノロジ情報ファイル21を解釈する。
ステップSC3では、制御部11は、ステップSC1およびステップSC2の解釈に基づいて、ノイズ値計算に用いられるパラメータを整理する。
ステップSC4では、制御部11は、配線情報ファイル301に対応するネット群31(第5図参照)におけるノイズ値(Nv)を以下の(1)式にパラメータを代入して計算する。
Nv=ΣLn×Ka×Kb、f(ΣC,L)×αag×αvc ・・・(1)
(1)式において、ΣLnは、平行区間長の合計である。Kaは、victimネットにおける係数である。Kbは、aggressorネットにおける係数である。f(ΣC,L)は、aggressorネットのドライバから平行区間までの配線によるaggressorネットの波形なまりを考慮した緩和関数であり、距離および容量から求められる。
αagは、aggressorネットのドライバ係数であり、ドライバの駆動能力により決定される。αvcは、victimネットのドライバ係数であり、ドライバの駆動能力により決定される。
ステップSC5では、制御部11は、ステップSC4で計算されたノイズ値(Nv)が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSC5の判断結果が「Yes」である場合、ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
一方、ステップSC5の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSC7では、配線制約情報ファイル作成処理を実行する。
この配線制約情報ファイル作成処理では、上記ノイズ値が制限値以下となるように、配線情報ファイルのパラメータ(例えば、平行区間長PR、平行区間隣接距離WD)を変更(微調整)し、配線制約情報ファイルを作成するための処理である。パラメータを変更(微調整)する方法としては、例えば、第1の方法、第2の方法、第3の方法がある。
第1の方法は、平行区間隣接距離WDを単位長さ(例えば、1μm)ずつ伸ばし、ノイズ値を低減する方法である。第2の方法は、平行区間長PRを単位長さ(例えば、1μm)ずつ短くし、ノイズ値を低減する方法である。第3の方法は、平行区間隣接距離WDを単位長さ(例えば、1μm)ずつ伸ばすとともに、平行区間長PRを単位長さ(例えば、1μm)ずつ短くし、ノイズ値を低減する方法である。
なお、一実施例においては、ノイズ値を低減する方法としては、上記第1〜第3の方法以外に、aggressorネットの配線幅を狭くする方法、victimネットのドライバ駆動能力を小さくする方法、aggressorネットのドライバ駆動能力を小さくする方法、ドライバ−平行区間距離DLを短くする方法、各方法を複数組み合わせる方法を適用してもよい。
配線制約情報ファイル作成処理において、第14図に示したステップSD1では、制御部11は、ユーザにより、上述した第1の方法が予め設定されているか否かを判断する。ステップSD1の判断結果が「Yes」である場合、ステップSD2では、制御部11は、第1の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDを単位長さ伸ばす。ステップSD3では、制御部11は、ステップSC4(第13図参照)と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDを考慮して、ノイズ値を計算する。
ステップSD4では、制御部11は、ステップSD3で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD4の判断結果が「No」である場合、ステップSD2では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDをさらに単位長さ伸ばす。ステップSD3では、制御部11は、ステップSC4(第13図参照)と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDを考慮して、ノイズ値を計算する。
以後、ステップSD4の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD2〜ステップSD4が繰り返される。
そして、ステップSD4の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
一方、第14図に示したステップSD1の判断結果が「No」である場合、ステップSD6では、制御部11は、ユーザにより、上述した第2の方法が予め設定されているか否かを判断する。
ステップSD6の判断結果が「Yes」である場合、ステップSD7では、制御部11は、第2の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間長PRを単位長さ短くする。ステップSD8では、制御部11は、ステップSC4と同様にして、変更後の平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
ステップSD9では、制御部11は、ステップSD8で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD9の判断結果が「No」である場合、ステップSD7では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間長PRをさらに単位長さ短くする。ステップSD8では、制御部11は、変更後の平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
以後、ステップSD9の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD7〜ステップSD9が繰り返される。
そして、ステップSD9の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
一方、第14図に示したステップSD6の判断結果が「No」であり、第3の方法が設定されている場合、ステップSD10では、制御部11は、第3の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDを単位長さのばし、平行区間長PRを単位長さ短くする。ステップSD11では、制御部11は、ステップSC4と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDおよび平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
ステップSD12では、制御部11は、ステップSD11で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD12の判断結果が「No」である場合、ステップSD10では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDをさらに単位長さのばすとともに、平行区間長PRをさらに単位長さ短くする。ステップSD11では、制御部11は、変更後の平行区間隣接距離WDおよび平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
以後、ステップSD12の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD10〜ステップSD12が繰り返される。
そして、ステップSD12の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
第12図に戻り、ステップSB5では、ステップSB3で決定された概略配置およびステップSB4で作成された配線情報ファイル(配線制約情報ファイル)に基づいて、各セルが配置面に配置され、セル間が配線される。
ステップSB6では、配置された全セルに信号入力し、所期のタイミングや周波数で信号が出力されるかというタイミング解析が行われる。このタイミング解析には、全セルが対象となるため、大型計算機を用いても数日を要する。
ステップSB7では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ステップSB7の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、タイミング解析結果がエラーである場合、ステップSB5では、エラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
ステップSB6では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSB7では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。
ここで、再設計のミスに起因して、再度エラーがある場合、ステップSB5では、セルの配置や配線が再度変更される。以後、ステップSB7の判断結果が「No」となるまで、ステップSB5〜ステップSB7が繰り返される。
そして、タイミング解析結果にエラーが無く、ステップSB7の判断結果が「No」になると、ステップSB8では、タイミング解析済みの各セル、配線におけるスタティックノイズ値(以下、単にノイズ値と称する)をチェックするためのスタティックノイズチェックが実行される。
この場合、ステップSB4で簡易スタティックノイズチェックが実行済みであるため、従来に比べて、ノイズが低減される。
このスタティックノイズチェックにおいては、ステップSC4(第13図参照)と同様であるが、この場合、全ての配線情報ファイル(全セル)を対象とし、ノイズ値が計算される。
ステップSB9では、ノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSB9の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSB4では、一部の配線情報ファイルに対して、簡易スタティックノイズチェックが実行される。
以後、ステップSB9の判断結果が「Yes」になるまで、ステップSB4〜ステップSB9が繰り返される。
そして、ステップSB9の判断結果が「Yes」、すなわち、タイミング解析結果にエラーが無く、かつノイズ値が制限値以下である場合、ステップSB10では、各セルの配置、配線に基づいて、設計対象の電子回路を製造するための製造データが作成される。
以上説明したように、一実施例によれば、第12図に示したステップSB4で、設計対象の全電子回路(セル)のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、ステップSB6で信号伝送のタイミングを解析し、ステップSB8で全電子回路に関するノイズ値を計算し、ステップSB9で該ノイズ値が制限値を超えた場合、ステップSB4(一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更)を実行させることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
以上本発明にかかる一実施例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、前述した一実施例においては、前述した各機能を実現するためのプログラムを第15図に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体200に記録して、この記録媒体200に記録されたプログラムをコンピュータ100に読み込ませ、実行することにより各機能を実現してもよい。
コンピュータ100は、上記プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)110と、キーボード、マウス等の入力装置120と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)130と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)140と、記録媒体200からプログラムを読み取る読取装置150と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置160とから構成されている。
CPU110は、読取装置150を経由して記録媒体200に記録されているプログラムを読み込んだ後、プログラムを実行することにより、前述した各機能を実現する。なお、記録媒体200としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
以上説明したように、本発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
以上のように、本発明にかかる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置は、電子回路の設定に対して有用であり、特に、設計時間の短縮に適している。
【書類名】明細書
【発明の名称】電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路の設計、ノイズチェックに用いて好適な電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置に関するものであり、特に、設計時間の短縮化を図ることができる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子回路の小型化や高速化に伴い、電子回路を設計する際のノイズ解析とノイズ対策が重要になってきている。従って、従来では、ノイズが制限値となるように電子回路が設計されている。
【0003】
第16図は、従来の電子回路設計方法を説明するフローチャートである。
ステップSA1では、RTL(Register Transfer Level)設計が行われる。RTL設計では、論理回路の機能的な動作をデータ信号の流れと制御信号とで記述し、設計対象の電子回路における論理仕様が設計される。
【0004】
ステップSA2では、ステップSA1で設計された論理仕様を入力とし、テクノロジマッピング、遅延時間や面積等を評価関数とした最適化処理を行い、ゲートレベルのセル(論理回路)を生成するための論理合成処理が実行される。
【0005】
ステップSA3では、半導体チップのサイズや電気的特性の最適化をめざしながら、半導体チップ上における各セルの概略配置を決定するためのフロアプラン処理が実行される。
【0006】
ステップSA4では、ステップSA3で決定された概略配置に基づいて、各セルが配置面に配置され、セル間が配線される。ステップSA5では、配置された全セルに信号を入力し、所期のタイミングや周波数で信号が出力されるかというタイミング解析が行われる。このタイミング解析には、全セルが対象となるため、大型計算機を用いても数日を要する。
【0007】
ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ステップSA6の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、タイミング解析結果がエラーである場合、ステップSA4では、エラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0008】
ステップSA5では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。
【0009】
ここで、再設計のミスに起因して、再度エラーがある場合、ステップSA4では、セルの配置や配線が再度変更される。以後、ステップSA6の判断結果が「No」となるまで、ステップSA4〜ステップSA6が繰り返される。
【0010】
そして、タイミング解析結果にエラーが無く、ステップSA6の判断結果が「No」になると、ステップSA7では、タイミング解析済みの各セル、配線におけるスタティックノイズ値(以下、単にノイズ値と称する)をチェックするためのスタティックノイズチェックが実行される。
【0011】
このスタティックノイズチェックにおいては、配線の幅、配線層および長さに応じて容量値および抵抗値が計算され、配線同士の平行区間とセル(ドライバ、レシーバ等)の種類に応じたパラメータに基づいて、ノイズ値が計算される。
【0012】
ステップSA8では、ノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSA8の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSA4では、ノイズ値が制限値以下となり、かつタイミング解析結果にエラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0013】
ステップSA5では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ここで、ステップSA6の判断結果が「Yes」である場合、ステップSA4では、再び、再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0014】
また、ステップSA6の判断結果が「No」である場合、ステップSA7では、上述と同様にして、再設計後におけるスタティックノイズチェックが実行される。ステップSA8では、再設計後におけるノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSA8の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSA4では、ノイズ値が制限値以下となり、かつタイミング解析結果にエラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0015】
以後、ステップSA8の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSA4〜ステップSA8が繰り返される。そして、ステップSA8の判断結果が「Yes」、すなわち、タイミング解析結果にエラーが無く、かつノイズ値が制限値以下である場合、ステップSA9では、各セルの配置、配線に基づいて、設計対象の電子回路を製造するための製造データが作成される。
【0016】
特許文献1 特開2002−259481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、従来の電子回路設計方法においては、設計者の経験やカンに基づいて、ステップSA4でセル配置・配線の再設計が行われるため、設計の手戻りが多く、設計時間の長時間化を招くという問題があった。また、従来の電子回路設計方法においては、処理対象物が多いため、全てを制限値内に収めることが困難である。
【0018】
また、従来の電子回路設計方法においては、第16図に示したステップSA5でタイミング解析が実行された後、ステップSA7でスタティックノイズチェックが実行される。
ここで、タイミング解析には、前述したように膨大な時間を要する。
【0019】
しかしながら、従来の電子回路設計方法においては、タイミング解析結果がOKでも、スタティックノイズチェックでNGとなれば、ステップSA4で再び、セル配置・配線を再設計し、再び、膨大な時間をかけて、タイミング解析を実行しなければならず、このことが、設計時間をさらに長時間化させる要因となる。
【0020】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、設計時間の短縮化を図ることができる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータに、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を実行させるための電子回路設計プログラムである。
【0022】
また、本発明は、電子回路設計装置による電子回路設計方法であって、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック手段と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析手段と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック手段を動作させるスタティックノイズチェック手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
かかる発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0025】
以下、図面を参照して本発明にかかる一実施例について詳細に説明する。第1図は、本発明にかかる一実施例の構成を示すブロック図である。
【0026】
同図において、電子回路設計装置10は、前述したRTL設計、論理合成、フロアプラン処理、後述する簡易スタティックノイズチェック(第2図参照)、タイミング解析、スタティックノイズチェック、製造データ作成等により電子回路の設計を行う装置である。
【0027】
制御部11は、設計に関する制御を行う。この制御部11の動作の詳細については、後述する。記憶部12は、制御部11で用いられるコンピュータプログラム、各種情報、データを記憶する。入力部13は、キーボード、マウス、外部データ読取部等である。出力部14は、製造データ等を外部装置へ出力する。表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等である。
【0028】
テクノロジ情報ファイル格納部20は、第2図に示したテクノロジ情報ファイル21を格納している。テクノロジ情報ファイル21は、セル間を接続する配線に必要なテクノロジ特性を定義するテクノロジ情報のファイルである。
【0029】
テクノロジ情報は、各配線層で使用可能な配線の幅、ノイズ対策スペース値(ノイズ対策を考慮した場合の配線間隔の最小スペース値)、配線ユニット長、配線層の種類、名称、ノイズ値の制限値等である。
【0030】
第1図に戻り、配線情報ファイル格納部30は、配線情報ファイルを格納している。配線情報ファイルは、第3図に示した配線情報ファイルフォーマット30Fに基づいて、スタティックノイズチェック対象の各ネット(電子回路の最小単位)における配線情報を定義するための配線情報のファイルである。
【0031】
ネットは、送信側のドライバ(セル)と、受信側のレシーバ(セル)と、ドライバとレシーバとを接続する配線とから構成されている。
【0032】
2つのネットが隣接配置されている場合、両配線の平行区間で一方の配線は、他方の配線へノイズを与える。以下では、ノイズを与える側のネットをaggressorネットと称する。ノイズを受ける側のネットをvictimネットと称する。
【0033】
第5図(a)には、ネット群31の平面図が図示されている。ネット群31は、第5図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット32およびvictimネット33から構成されている。
【0034】
aggressorネット32は、ドライバ32a(セル)と、レシーバ32b(セル)と、ドライバ32aとレシーバ32bとの間を接続する配線32cとから構成されており、victimネット33に対してノイズを与える。配線32cは、ドライバ32aのピン(X)とレシーバ32bのピン(A)との間であって、第5図(b)に示したB層およびA層にまたがって配設されている。
【0035】
第5図(a)に示したvictimネット33は、ドライバ33a(セル)と、レシーバ33b(セル)と、ドライバ33aとレシーバ33bとの間を接続する配線33cとから構成されており、aggressorネット32からノイズを受ける。配線33cは、ドライバ33aのピン(X)とレシーバ33bのピン(A)との間であって、第5図(b)に示したC層に配設されている。
【0036】
第3図に示した配線情報ファイルフォーマット30Fにおいて、DVは、配線情報の開始を表す。DV_ENDは、配線情報の終了を表す。AGRSは、上述したaggressorネットに関する情報を表し、ドライバマクロ名、ドライバピン名、レシーバマクロ名、レシーバピン名、KIND=ネット種別の情報である。
【0037】
ドライバマクロ名は、ドライバに付与された名称であり、例えば、ドライバ32a(第5図(a)参照)のMCRDV1である。ドライバピン名は、ドライバのピン名であり、例えば、ドライバ32aのピン(X)である。
【0038】
レシーバマクロ名は、レシーバに付与された名称であり、例えば、レシーバ32b(第5図(a)参照)のMCRRV1である。レシーバピン名は、レシーバ32bのピン名であり、例えば、レシーバ32bのピン(A)である。KIND=ネット種別は、aggressorネット32の種別(clock信号伝送用、電源用等)を表し、例えば、clockである。
【0039】
VCTMは、上述したvictimネットに関する情報を表し、ドライバマクロ名、ドライバピン名、レシーバマクロ名、レシーバピン名、KIND=ネット種別の情報である。
【0040】
ドライバマクロ名は、ドライバに付与された名称であり、例えば、ドライバ33a(第5図(a)参照)のMCRDV2である。ドライバピン名は、ドライバのピン名であり、例えば、ドライバ33aのピン(X)である。
【0041】
レシーバマクロ名は、レシーバに付与された名称であり、例えば、レシーバ33b(第5図(a)参照)のMCRRV2である。レシーバピン名は、レシーバ33bのピン名であり、例えば、レシーバ33bのピン(A)である。KIND=ネット種別は、victimネット33の種別(clock信号伝送用、電源用等)を表し、例えば、clockである。
【0042】
PARは、aggressorネットの配線幅、aggressorネットの配線層、victimネットの配線幅、victimネットの配線層、平行区間長PR、平行区間隣接距離WD、ドライバ−平行区間距離DLの情報から構成されている。
【0043】
aggressorネットの配線幅は、aggressorネットの配線の幅であり、例えば、配線32c(第5図(a)参照)の配線幅(0.8μm)である。aggressorネットの配線層は、aggressorネットが配設された配線層であり、例えば、aggressorネット32のB層である。
【0044】
victimネットの配線幅は、victimネットの配線の幅であり、例えば、配線33c(第5図(a)参照)の配線幅(1.6μm)である。victimネットの配線層は、victimネットが配設された配線層であり、例えばvictimネット33のC層である。平行区間長PRは、aggressorネットの配線とvictimネットの配線とが近接した状態で平行とされている区間(以下、平行区間と称する)の長さであり、第5図(a)の場合、300μmである。
【0045】
平行区間隣接距離WDは、上記平行区間における配線間の隣接距離であり、第5図(a)の場合、3μmである。ドライバ−平行区間距離DLは、aggressorネットのドライバから平行区間までの配線距離であり、第5図(a)の場合、200μmである。 【0046】
第4図には、第5図(a)に示したネット群31を表す配線情報ファイル301が図示されている。配線情報ファイル301は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
【0047】
第6図には、第7図(a)に示したネット群34を表す配線情報ファイル302が図示されている。配線情報ファイル302は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
【0048】
第7図(a)には、ネット群34の平面図が図示されている。ネット群34は、第7図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット35およびvictimネット36から構成されている。
【0049】
aggressorネット35は、ドライバ35a(セル)と、レシーバ35b(セル)と、ドライバ35aとレシーバ35bとの間を接続する配線35cとから構成されており、victimネット36に対してノイズを与える。配線35cは、ドライバ35aのピン(X)とレシーバ35bのピン(A)との間であって、第7図(b)に示したB層、C層およびA層に亘って配設されている。
【0050】
第7図(a)に示したvictimネット36は、ドライバ36a(セル)と、レシーバ36b(セル)と、ドライバ36aとレシーバ36bとの間を接続する配線36cとから構成されており、aggressorネット35からノイズを受ける。配線36cは、ドライバ36aのピン(X)とレシーバ36bのピン(A)との間であって、第7図(b)に示したC層に配設されている。
【0051】
配線36cと配線35cとは、2つの平行区間を有している。従って、配線情報ファイル302(第6図参照)には、上記2つの平行区間に対応させてPARが2つ記述されて
いる。
【0052】
第8図には、第9図(a)に示したネット群37を表す配線情報ファイル303が図示されている。配線情報ファイル303は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
【0053】
第9図(a)には、ネット群37の平面図が図示されている。ネット群37は、第9図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット38、aggressorネット39およびvictimネット40から構成されている。
【0054】
aggressorネット38は、ドライバ38a(セル)と、レシーバ38b(セル)と、ドライバ38aとレシーバ38bとの間を接続する配線38cとから構成されており、victimネット40に対してノイズを与える。配線38cは、ドライバ38aのピン(X)とレシーバ38bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したC層およびB層にまたがって配設されている。
【0055】
aggressorネット39は、ドライバ39a(セル)と、レシーバ39b(セル)と、ドライバ39aとレシーバ39bとの間を接続する配線39cとから構成されており、victimネット40に対してノイズを与える。配線39cは、ドライバ39aのピン(X)とレシーバ39bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したB層およびA層にまたがって配設されている。
【0056】
第9図(a)に示したvictimネット40は、ドライバ40a(セル)と、レシーバ40b(セル)と、ドライバ40aとレシーバ40bとの間を接続する配線40cとから構成されており、aggressorネット38およびaggressorネット39の双方からノイズを受ける。配線40cは、ドライバ40aのピン(X)とレシーバ40bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したC層に配設されている。
【0057】
配線40cは、配線38cおよび配線39cとの間にそれぞれ2つの平行区間を有している。従って、配線情報ファイル303(第8図参照)には、上記2つの平行区間に対応させてPARが2つ記述されている。
【0058】
ここで、一実施例では、全セルを配置、配線し、タイミング解析を実行する前に、第2図に示した簡易スタティックノイズチェックが実行される。
【0059】
簡易スタティックノイズチェックでは、テクノロジ情報ファイル21、全セルのうち、一部のセルに対応する配線情報ファイル301等を入力として、当該一部のセルのノイズ値が制限値以下であるか否かのチェックが実行される。
【0060】
ノイズ値が制限値を超えている場合、ノイズ値が制限値以下となるように、配線情報ファイル301のパラメータのうちノイズ低減に効果がある平行区間隣接距離WD、平行区間長PR等に制約がかけられ、自動的に変更される。
【0061】
簡易スタティックノイズチェックでは、配線情報ファイル301が入力された場合、配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501と、チェック結果リスト601とが出力される。
【0062】
配線制約情報ファイル501は、配線情報ファイル301について、ノイズ値が制約値以下となるように平行区間隣接距離WDや平行区間長PRに制約がかけられたファイルであり、配線情報ファイル301と同様のフォーマットとされている。
【0063】
第10図に示したように、チェック結果リスト601は、配線情報ファイル301に基づく、簡易スタティックノイズチェックの結果を表すリストであり、配線情報ファイル名、テクノロジ情報ファイル名、victimネット名、aggressorネット名、パラメータの制限値、ノイズ値等である。
【0064】
なお、第11図に示したチェック結果リスト603は、配線情報ファイル303に対応している。
【0065】
第1図に戻り、配線制約情報ファイル格納部50は、上述した配線制約情報ファイル501等を格納する。
【0066】
つぎに、一実施例の動作について、第12図〜第14図に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
【0067】
ステップSB1では、電子回路設計装置10の制御部11は、ステップSA1と同様にして、RTL設計を実行する。ステップSB2では、制御部11は、ステップSB1で設計された論理仕様を入力とし、テクノロジマッピング、遅延時間や面積等を評価関数とした最適化処理を行い、ゲートレベルのセル(論理回路)を生成するための論理合成処理を実行する。
【0068】
ステップSB3では、制御部11は、半導体チップのサイズや電気的特性の最適化をめざしながら、半導体チップ上における各セルの概略配置を決定するためのフロアプラン処理を実行する。
【0069】
ステップSB4では、制御部11は、簡易スタティックノイズチェックを実行する。具体的には、第13図に示したステップSC1では、制御部11は、全セルのうち一部のセルに対応する例えば、配線情報ファイル301(配線情報ファイル302(第6図参照)、配線情報ファイル303(第8図参照)も同様)を配線情報ファイル格納部30から読み出し、この配線情報ファイル301を解釈する。配線情報ファイル301は、例えば、ユーザにより指定される。
【0070】
ステップSC2では、制御部11は、テクノロジ情報ファイル格納部20よりテクノロジ情報ファイル21(第2図参照)を読み出し、このテクノロジ情報ファイル21を解釈する。
【0071】
ステップSC3では、制御部11は、ステップSC1およびステップSC2の解釈に基づいて、ノイズ値計算に用いられるパラメータを整理する。
【0072】
ステップSC4では、制御部11は、配線情報ファイル301に対応するネット群31(第5図参照)におけるノイズ値(Nv)を以下の(1)式にパラメータを代入して計算する。
Nv=ΣLn×Ka×Kb、f(ΣC,L)×αag×αvc ・・・(1)
【0073】
(1)式において、ΣLnは、平行区間長の合計である。Kaは、victimネットにおける係数である。Kbは、aggressorネットにおける係数である。f(ΣC,L)は、aggressorネットのドライバから平行区間までの配線によるaggressorネットの波形なまりを考慮した緩和関数であり、距離および容量から求められる。
【0074】
αagは、aggressorネットのドライバ係数であり、ドライバの駆動能力により決定される。αvcは、victimネットのドライバ係数であり、ドライバの駆動能力により決定される。
【0075】
ステップSC5では、制御部11は、ステップSC4で計算されたノイズ値(Nv)が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSC5の判断結果が「Yes」である場合、ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
【0076】
一方、ステップSC5の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSC7では、配線制約情報ファイル作成処理を実行する。
【0077】
この配線制約情報ファイル作成処理では、上記ノイズ値が制限値以下となるように、配線情報ファイルのパラメータ(例えば、平行区間長PR、平行区間隣接距離WD)を変更(微調整)し、配線制約情報ファイルを作成するための処理である。パラメータを変更(微調整)する方法としては、例えば、第1の方法、第2の方法、第3の方法がある。
【0078】
第1の方法は、平行区間隣接距離WDを単位長さ(例えば、1μm)ずつ伸ばし、ノイズ値を低減する方法である。第2の方法は、平行区間長PRを単位長さ(例えば、1μm)ずつ短くし、ノイズ値を低減する方法である。第3の方法は、平行区間隣接距離WDを単位長さ(例えば、1μm)ずつ伸ばすとともに、平行区間長PRを単位長さ(例えば、1μm)ずつ短くし、ノイズ値を低減する方法である。
【0079】
なお、一実施例においては、ノイズ値を低減する方法としては、上記第1〜第3の方法以外に、aggressorネットの配線幅を狭くする方法、victimネットのドライバ駆動能力を小さくする方法、aggressorネットのドライバ駆動能力を小さくする方法、ドライバ−平行区間距離DLを短くする方法、各方法を複数組み合わせる方法を適用してもよい。
【0080】
配線制約情報ファイル作成処理において、第14図に示したステップSD1では、制御部11は、ユーザにより、上述した第1の方法が予め設定されているか否かを判断する。ステップSD1の判断結果が「Yes」である場合、ステップSD2では、制御部11は、第1の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDを単位長さ伸ばす。ステップSD3では、制御部11は、ステップSC4(第13図参照)と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDを考慮して、ノイズ値を計算する。 【0081】
ステップSD4では、制御部11は、ステップSD3で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD4の判断結果が「No」である場合、ステップSD2では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDをさらに単位長さ伸ばす。ステップSD3では、制御部11は、ステップSC4(第13図参照)と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0082】
以後、ステップSD4の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD2〜ステップSD4が繰り返される。
【0083】
そして、ステップSD4の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
【0084】
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
【0085】
一方、第14図に示したステップSD1の判断結果が「No」である場合、ステップSD6では、制御部11は、ユーザにより、上述した第2の方法が予め設定されているか否かを判断する。
【0086】
ステップSD6の判断結果が「Yes」である場合、ステップSD7では、制御部11は、第2の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間長PRを単位長さ短くする。ステップSD8では、制御部11は、ステップSC4と同様にして、変更後の平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0087】
ステップSD9では、制御部11は、ステップSD8で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD9の判断結果が「No」である場合、ステップSD7では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間長PRをさらに単位長さ短くする。ステップSD8では、制御部11は、変更後の平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0088】
以後、ステップSD9の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD7〜ステップSD9が繰り返される。
【0089】
そして、ステップSD9の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
【0090】
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
【0091】
一方、第14図に示したステップSD6の判断結果が「No」であり、第3の方法が設定されている場合、ステップSD10では、制御部11は、第3の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDを単位長さのばし、平行区間長PRを単位長さ短くする。ステップSD11では、制御部11は、ステップSC4と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDおよび平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0092】
ステップSD12では、制御部11は、ステップSD11で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD12の判断結果が「No」である場合、ステップSD10では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDをさらに単位長さのばすとともに、平行区間長PRをさらに単位長さ短くする。ステップSD11では、制御部11は、変更後の平行区間隣接距離WDおよび平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0093】
以後、ステップSD12の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD10〜ステップSD12が繰り返される。
【0094】
そして、ステップSD12の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
【0095】
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
【0096】
第12図に戻り、ステップSB5では、ステップSB3で決定された概略配置およびステップSB4で作成された配線情報ファイル(配線制約情報ファイル)に基づいて、各セルが配置面に配置され、セル間が配線される。
【0097】
ステップSB6では、配置された全セルに信号入力し、所期のタイミングや周波数で信号が出力されるかというタイミング解析が行われる。このタイミング解析には、全セルが対象となるため、大型計算機を用いても数日を要する。
【0098】
ステップSB7では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ステップSB7の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、タイミング解析結果がエラーである場合、ステップSB5では、エラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0099】
ステップSB6では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSB7では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。
【0100】
ここで、再設計のミスに起因して、再度エラーがある場合、ステップSB5では、セルの配置や配線が再度変更される。以後、ステップSB7の判断結果が「No」となるまで、ステップSB5〜ステップSB7が繰り返される。
【0101】
そして、タイミング解析結果にエラーが無く、ステップSB7の判断結果が「No」になると、ステップSB8では、タイミング解析済みの各セル、配線におけるスタティックノイズ値(以下、単にノイズ値と称する)をチェックするためのスタティックノイズチェックが実行される。
【0102】
この場合、ステップSB4で簡易スタティックノイズチェックが実行済みであるため、従来に比べて、ノイズが低減される。
【0103】
このスタティックノイズチェックにおいては、ステップSC4(第13図参照)と同様であるが、この場合、全ての配線情報ファイル(全セル)を対象とし、ノイズ値が計算される。
【0104】
ステップSB9では、ノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSB9の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSB4では、一部の配線情報ファイルに対して、簡易スタティックノイズチェックが実行される。
【0105】
以後、ステップSB9の判断結果が「Yes」になるまで、ステップSB4〜ステップSB9が繰り返される。
【0106】
そして、ステップSB9の判断結果が「Yes」、すなわち、タイミング解析結果にエラーが無く、かつノイズ値が制限値以下である場合、ステップSB10では、各セルの配置、配線に基づいて、設計対象の電子回路を製造するための製造データが作成される。
【0107】
以上説明したように、一実施例によれば、第12図に示したステップSB4で、設計対象の全電子回路(セル)のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、ステップSB6で信号伝送のタイミングを解析し、ステップSB8で全電子回路に関するノイズ値を計算し、ステップSB9で該ノイズ値が制限値を超えた場合、ステップSB4(一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更)を実行させることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
【0108】
以上本発明にかかる一実施例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0109】
例えば、前述した一実施例においては、前述した各機能を実現するためのプログラムを第15図に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体200に記録して、この記録媒体200に記録されたプログラムをコンピュータ100に読み込ませ、実行することにより各機能を実現してもよい。
【0110】
コンピュータ100は、上記プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)110と、キーボード、マウス等の入力装置120と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)130と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)140と、記録媒体200からプログラムを読み取る読取装置150と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置160とから構成されている。
【0111】
CPU110は、読取装置150を経由して記録媒体200に記録されているプログラムを読み込んだ後、プログラムを実行することにより、前述した各機能を実現する。なお、記録媒体200としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
【0112】
以上説明したように、本発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0113】
以上のように、本発明にかかる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置は、電子回路の設定に対して有用であり、特に、設計時間の短縮に適している。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1図は、本発明にかかる一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】第2図は、同一実施例における簡易スタティックノイズチェックの概要を説明する図である。
【図3】第3図は、同一実施例における配線情報ファイルフォーマット30Fを示す図である。
【図4】第4図は、第5図(a)に示したネット群31を表す配線情報ファイル301を示す図である。
【図5】第5図は、同一実施例におけるネット群31を示す図である。
【図6】第6図は、第7図(a)に示したネット群34を表す配線情報ファイル302を示す図である。
【図7】第7図は、同一実施例におけるネット群34を示す図である。
【図8】第8図は、第9図(a)に示したネット群37を表す配線情報ファイル303を示す図である。
【図9】第9図は、同一実施例におけるネット群37を示す図である。
【図10】第10図は、同一実施例におけるチェック結果リスト601を示す図である。
【図11】第11図は、同一実施例におけるチェック結果リスト603を示す図である。
【図12】第12図は、同一実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図13】第13図は、第12図に示した簡易スタティックノイズチェック処理を説明するフローチャートである。
【図14】第14図は、第13図に示した配線制約情報ファイル作成処理を説明するフローチャートである。
【図15】第15図は、同一実施例の変形例の構成を示すブロック図である。
【図16】第16図は、従来の電子回路設計方法を説明するフローチャートである。
【発明の名称】電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路の設計、ノイズチェックに用いて好適な電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置に関するものであり、特に、設計時間の短縮化を図ることができる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子回路の小型化や高速化に伴い、電子回路を設計する際のノイズ解析とノイズ対策が重要になってきている。従って、従来では、ノイズが制限値となるように電子回路が設計されている。
【0003】
第16図は、従来の電子回路設計方法を説明するフローチャートである。
ステップSA1では、RTL(Register Transfer Level)設計が行われる。RTL設計では、論理回路の機能的な動作をデータ信号の流れと制御信号とで記述し、設計対象の電子回路における論理仕様が設計される。
【0004】
ステップSA2では、ステップSA1で設計された論理仕様を入力とし、テクノロジマッピング、遅延時間や面積等を評価関数とした最適化処理を行い、ゲートレベルのセル(論理回路)を生成するための論理合成処理が実行される。
【0005】
ステップSA3では、半導体チップのサイズや電気的特性の最適化をめざしながら、半導体チップ上における各セルの概略配置を決定するためのフロアプラン処理が実行される。
【0006】
ステップSA4では、ステップSA3で決定された概略配置に基づいて、各セルが配置面に配置され、セル間が配線される。ステップSA5では、配置された全セルに信号を入力し、所期のタイミングや周波数で信号が出力されるかというタイミング解析が行われる。このタイミング解析には、全セルが対象となるため、大型計算機を用いても数日を要する。
【0007】
ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ステップSA6の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、タイミング解析結果がエラーである場合、ステップSA4では、エラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0008】
ステップSA5では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。
【0009】
ここで、再設計のミスに起因して、再度エラーがある場合、ステップSA4では、セルの配置や配線が再度変更される。以後、ステップSA6の判断結果が「No」となるまで、ステップSA4〜ステップSA6が繰り返される。
【0010】
そして、タイミング解析結果にエラーが無く、ステップSA6の判断結果が「No」になると、ステップSA7では、タイミング解析済みの各セル、配線におけるスタティックノイズ値(以下、単にノイズ値と称する)をチェックするためのスタティックノイズチェックが実行される。
【0011】
このスタティックノイズチェックにおいては、配線の幅、配線層および長さに応じて容量値および抵抗値が計算され、配線同士の平行区間とセル(ドライバ、レシーバ等)の種類に応じたパラメータに基づいて、ノイズ値が計算される。
【0012】
ステップSA8では、ノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSA8の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSA4では、ノイズ値が制限値以下となり、かつタイミング解析結果にエラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0013】
ステップSA5では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSA6では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ここで、ステップSA6の判断結果が「Yes」である場合、ステップSA4では、再び、再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0014】
また、ステップSA6の判断結果が「No」である場合、ステップSA7では、上述と同様にして、再設計後におけるスタティックノイズチェックが実行される。ステップSA8では、再設計後におけるノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSA8の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSA4では、ノイズ値が制限値以下となり、かつタイミング解析結果にエラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0015】
以後、ステップSA8の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSA4〜ステップSA8が繰り返される。そして、ステップSA8の判断結果が「Yes」、すなわち、タイミング解析結果にエラーが無く、かつノイズ値が制限値以下である場合、ステップSA9では、各セルの配置、配線に基づいて、設計対象の電子回路を製造するための製造データが作成される。
【0016】
特許文献1 特開2002−259481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、従来の電子回路設計方法においては、設計者の経験やカンに基づいて、ステップSA4でセル配置・配線の再設計が行われるため、設計の手戻りが多く、設計時間の長時間化を招くという問題があった。また、従来の電子回路設計方法においては、処理対象物が多いため、全てを制限値内に収めることが困難である。
【0018】
また、従来の電子回路設計方法においては、第16図に示したステップSA5でタイミング解析が実行された後、ステップSA7でスタティックノイズチェックが実行される。
ここで、タイミング解析には、前述したように膨大な時間を要する。
【0019】
しかしながら、従来の電子回路設計方法においては、タイミング解析結果がOKでも、スタティックノイズチェックでNGとなれば、ステップSA4で再び、セル配置・配線を再設計し、再び、膨大な時間をかけて、タイミング解析を実行しなければならず、このことが、設計時間をさらに長時間化させる要因となる。
【0020】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、設計時間の短縮化を図ることができる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータに、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を実行させるための電子回路設計プログラムである。
【0022】
また、本発明は、電子回路設計装置による電子回路設計方法であって、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック手段と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析手段と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック手段を動作させるスタティックノイズチェック手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
かかる発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0025】
以下、図面を参照して本発明にかかる一実施例について詳細に説明する。第1図は、本発明にかかる一実施例の構成を示すブロック図である。
【0026】
同図において、電子回路設計装置10は、前述したRTL設計、論理合成、フロアプラン処理、後述する簡易スタティックノイズチェック(第2図参照)、タイミング解析、スタティックノイズチェック、製造データ作成等により電子回路の設計を行う装置である。
【0027】
制御部11は、設計に関する制御を行う。この制御部11の動作の詳細については、後述する。記憶部12は、制御部11で用いられるコンピュータプログラム、各種情報、データを記憶する。入力部13は、キーボード、マウス、外部データ読取部等である。出力部14は、製造データ等を外部装置へ出力する。表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等である。
【0028】
テクノロジ情報ファイル格納部20は、第2図に示したテクノロジ情報ファイル21を格納している。テクノロジ情報ファイル21は、セル間を接続する配線に必要なテクノロジ特性を定義するテクノロジ情報のファイルである。
【0029】
テクノロジ情報は、各配線層で使用可能な配線の幅、ノイズ対策スペース値(ノイズ対策を考慮した場合の配線間隔の最小スペース値)、配線ユニット長、配線層の種類、名称、ノイズ値の制限値等である。
【0030】
第1図に戻り、配線情報ファイル格納部30は、配線情報ファイルを格納している。配線情報ファイルは、第3図に示した配線情報ファイルフォーマット30Fに基づいて、スタティックノイズチェック対象の各ネット(電子回路の最小単位)における配線情報を定義するための配線情報のファイルである。
【0031】
ネットは、送信側のドライバ(セル)と、受信側のレシーバ(セル)と、ドライバとレシーバとを接続する配線とから構成されている。
【0032】
2つのネットが隣接配置されている場合、両配線の平行区間で一方の配線は、他方の配線へノイズを与える。以下では、ノイズを与える側のネットをaggressorネットと称する。ノイズを受ける側のネットをvictimネットと称する。
【0033】
第5図(a)には、ネット群31の平面図が図示されている。ネット群31は、第5図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット32およびvictimネット33から構成されている。
【0034】
aggressorネット32は、ドライバ32a(セル)と、レシーバ32b(セル)と、ドライバ32aとレシーバ32bとの間を接続する配線32cとから構成されており、victimネット33に対してノイズを与える。配線32cは、ドライバ32aのピン(X)とレシーバ32bのピン(A)との間であって、第5図(b)に示したB層およびA層にまたがって配設されている。
【0035】
第5図(a)に示したvictimネット33は、ドライバ33a(セル)と、レシーバ33b(セル)と、ドライバ33aとレシーバ33bとの間を接続する配線33cとから構成されており、aggressorネット32からノイズを受ける。配線33cは、ドライバ33aのピン(X)とレシーバ33bのピン(A)との間であって、第5図(b)に示したC層に配設されている。
【0036】
第3図に示した配線情報ファイルフォーマット30Fにおいて、DVは、配線情報の開始を表す。DV_ENDは、配線情報の終了を表す。AGRSは、上述したaggressorネットに関する情報を表し、ドライバマクロ名、ドライバピン名、レシーバマクロ名、レシーバピン名、KIND=ネット種別の情報である。
【0037】
ドライバマクロ名は、ドライバに付与された名称であり、例えば、ドライバ32a(第5図(a)参照)のMCRDV1である。ドライバピン名は、ドライバのピン名であり、例えば、ドライバ32aのピン(X)である。
【0038】
レシーバマクロ名は、レシーバに付与された名称であり、例えば、レシーバ32b(第5図(a)参照)のMCRRV1である。レシーバピン名は、レシーバ32bのピン名であり、例えば、レシーバ32bのピン(A)である。KIND=ネット種別は、aggressorネット32の種別(clock信号伝送用、電源用等)を表し、例えば、clockである。
【0039】
VCTMは、上述したvictimネットに関する情報を表し、ドライバマクロ名、ドライバピン名、レシーバマクロ名、レシーバピン名、KIND=ネット種別の情報である。
【0040】
ドライバマクロ名は、ドライバに付与された名称であり、例えば、ドライバ33a(第5図(a)参照)のMCRDV2である。ドライバピン名は、ドライバのピン名であり、例えば、ドライバ33aのピン(X)である。
【0041】
レシーバマクロ名は、レシーバに付与された名称であり、例えば、レシーバ33b(第5図(a)参照)のMCRRV2である。レシーバピン名は、レシーバ33bのピン名であり、例えば、レシーバ33bのピン(A)である。KIND=ネット種別は、victimネット33の種別(clock信号伝送用、電源用等)を表し、例えば、clockである。
【0042】
PARは、aggressorネットの配線幅、aggressorネットの配線層、victimネットの配線幅、victimネットの配線層、平行区間長PR、平行区間隣接距離WD、ドライバ−平行区間距離DLの情報から構成されている。
【0043】
aggressorネットの配線幅は、aggressorネットの配線の幅であり、例えば、配線32c(第5図(a)参照)の配線幅(0.8μm)である。aggressorネットの配線層は、aggressorネットが配設された配線層であり、例えば、aggressorネット32のB層である。
【0044】
victimネットの配線幅は、victimネットの配線の幅であり、例えば、配線33c(第5図(a)参照)の配線幅(1.6μm)である。victimネットの配線層は、victimネットが配設された配線層であり、例えばvictimネット33のC層である。平行区間長PRは、aggressorネットの配線とvictimネットの配線とが近接した状態で平行とされている区間(以下、平行区間と称する)の長さであり、第5図(a)の場合、300μmである。
【0045】
平行区間隣接距離WDは、上記平行区間における配線間の隣接距離であり、第5図(a)の場合、3μmである。ドライバ−平行区間距離DLは、aggressorネットのドライバから平行区間までの配線距離であり、第5図(a)の場合、200μmである。 【0046】
第4図には、第5図(a)に示したネット群31を表す配線情報ファイル301が図示されている。配線情報ファイル301は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
【0047】
第6図には、第7図(a)に示したネット群34を表す配線情報ファイル302が図示されている。配線情報ファイル302は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
【0048】
第7図(a)には、ネット群34の平面図が図示されている。ネット群34は、第7図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット35およびvictimネット36から構成されている。
【0049】
aggressorネット35は、ドライバ35a(セル)と、レシーバ35b(セル)と、ドライバ35aとレシーバ35bとの間を接続する配線35cとから構成されており、victimネット36に対してノイズを与える。配線35cは、ドライバ35aのピン(X)とレシーバ35bのピン(A)との間であって、第7図(b)に示したB層、C層およびA層に亘って配設されている。
【0050】
第7図(a)に示したvictimネット36は、ドライバ36a(セル)と、レシーバ36b(セル)と、ドライバ36aとレシーバ36bとの間を接続する配線36cとから構成されており、aggressorネット35からノイズを受ける。配線36cは、ドライバ36aのピン(X)とレシーバ36bのピン(A)との間であって、第7図(b)に示したC層に配設されている。
【0051】
配線36cと配線35cとは、2つの平行区間を有している。従って、配線情報ファイル302(第6図参照)には、上記2つの平行区間に対応させてPARが2つ記述されて
いる。
【0052】
第8図には、第9図(a)に示したネット群37を表す配線情報ファイル303が図示されている。配線情報ファイル303は、配線情報ファイルフォーマット30F(第3図参照)に対応しており、配線情報ファイル格納部30に格納されている。
【0053】
第9図(a)には、ネット群37の平面図が図示されている。ネット群37は、第9図(b)に示したA層、B層およびC層という3つの配線層にまたがって配線されており、aggressorネット38、aggressorネット39およびvictimネット40から構成されている。
【0054】
aggressorネット38は、ドライバ38a(セル)と、レシーバ38b(セル)と、ドライバ38aとレシーバ38bとの間を接続する配線38cとから構成されており、victimネット40に対してノイズを与える。配線38cは、ドライバ38aのピン(X)とレシーバ38bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したC層およびB層にまたがって配設されている。
【0055】
aggressorネット39は、ドライバ39a(セル)と、レシーバ39b(セル)と、ドライバ39aとレシーバ39bとの間を接続する配線39cとから構成されており、victimネット40に対してノイズを与える。配線39cは、ドライバ39aのピン(X)とレシーバ39bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したB層およびA層にまたがって配設されている。
【0056】
第9図(a)に示したvictimネット40は、ドライバ40a(セル)と、レシーバ40b(セル)と、ドライバ40aとレシーバ40bとの間を接続する配線40cとから構成されており、aggressorネット38およびaggressorネット39の双方からノイズを受ける。配線40cは、ドライバ40aのピン(X)とレシーバ40bのピン(A)との間であって、第9図(b)に示したC層に配設されている。
【0057】
配線40cは、配線38cおよび配線39cとの間にそれぞれ2つの平行区間を有している。従って、配線情報ファイル303(第8図参照)には、上記2つの平行区間に対応させてPARが2つ記述されている。
【0058】
ここで、一実施例では、全セルを配置、配線し、タイミング解析を実行する前に、第2図に示した簡易スタティックノイズチェックが実行される。
【0059】
簡易スタティックノイズチェックでは、テクノロジ情報ファイル21、全セルのうち、一部のセルに対応する配線情報ファイル301等を入力として、当該一部のセルのノイズ値が制限値以下であるか否かのチェックが実行される。
【0060】
ノイズ値が制限値を超えている場合、ノイズ値が制限値以下となるように、配線情報ファイル301のパラメータのうちノイズ低減に効果がある平行区間隣接距離WD、平行区間長PR等に制約がかけられ、自動的に変更される。
【0061】
簡易スタティックノイズチェックでは、配線情報ファイル301が入力された場合、配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501と、チェック結果リスト601とが出力される。
【0062】
配線制約情報ファイル501は、配線情報ファイル301について、ノイズ値が制約値以下となるように平行区間隣接距離WDや平行区間長PRに制約がかけられたファイルであり、配線情報ファイル301と同様のフォーマットとされている。
【0063】
第10図に示したように、チェック結果リスト601は、配線情報ファイル301に基づく、簡易スタティックノイズチェックの結果を表すリストであり、配線情報ファイル名、テクノロジ情報ファイル名、victimネット名、aggressorネット名、パラメータの制限値、ノイズ値等である。
【0064】
なお、第11図に示したチェック結果リスト603は、配線情報ファイル303に対応している。
【0065】
第1図に戻り、配線制約情報ファイル格納部50は、上述した配線制約情報ファイル501等を格納する。
【0066】
つぎに、一実施例の動作について、第12図〜第14図に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
【0067】
ステップSB1では、電子回路設計装置10の制御部11は、ステップSA1と同様にして、RTL設計を実行する。ステップSB2では、制御部11は、ステップSB1で設計された論理仕様を入力とし、テクノロジマッピング、遅延時間や面積等を評価関数とした最適化処理を行い、ゲートレベルのセル(論理回路)を生成するための論理合成処理を実行する。
【0068】
ステップSB3では、制御部11は、半導体チップのサイズや電気的特性の最適化をめざしながら、半導体チップ上における各セルの概略配置を決定するためのフロアプラン処理を実行する。
【0069】
ステップSB4では、制御部11は、簡易スタティックノイズチェックを実行する。具体的には、第13図に示したステップSC1では、制御部11は、全セルのうち一部のセルに対応する例えば、配線情報ファイル301(配線情報ファイル302(第6図参照)、配線情報ファイル303(第8図参照)も同様)を配線情報ファイル格納部30から読み出し、この配線情報ファイル301を解釈する。配線情報ファイル301は、例えば、ユーザにより指定される。
【0070】
ステップSC2では、制御部11は、テクノロジ情報ファイル格納部20よりテクノロジ情報ファイル21(第2図参照)を読み出し、このテクノロジ情報ファイル21を解釈する。
【0071】
ステップSC3では、制御部11は、ステップSC1およびステップSC2の解釈に基づいて、ノイズ値計算に用いられるパラメータを整理する。
【0072】
ステップSC4では、制御部11は、配線情報ファイル301に対応するネット群31(第5図参照)におけるノイズ値(Nv)を以下の(1)式にパラメータを代入して計算する。
Nv=ΣLn×Ka×Kb、f(ΣC,L)×αag×αvc ・・・(1)
【0073】
(1)式において、ΣLnは、平行区間長の合計である。Kaは、victimネットにおける係数である。Kbは、aggressorネットにおける係数である。f(ΣC,L)は、aggressorネットのドライバから平行区間までの配線によるaggressorネットの波形なまりを考慮した緩和関数であり、距離および容量から求められる。
【0074】
αagは、aggressorネットのドライバ係数であり、ドライバの駆動能力により決定される。αvcは、victimネットのドライバ係数であり、ドライバの駆動能力により決定される。
【0075】
ステップSC5では、制御部11は、ステップSC4で計算されたノイズ値(Nv)が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSC5の判断結果が「Yes」である場合、ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
【0076】
一方、ステップSC5の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSC7では、配線制約情報ファイル作成処理を実行する。
【0077】
この配線制約情報ファイル作成処理では、上記ノイズ値が制限値以下となるように、配線情報ファイルのパラメータ(例えば、平行区間長PR、平行区間隣接距離WD)を変更(微調整)し、配線制約情報ファイルを作成するための処理である。パラメータを変更(微調整)する方法としては、例えば、第1の方法、第2の方法、第3の方法がある。
【0078】
第1の方法は、平行区間隣接距離WDを単位長さ(例えば、1μm)ずつ伸ばし、ノイズ値を低減する方法である。第2の方法は、平行区間長PRを単位長さ(例えば、1μm)ずつ短くし、ノイズ値を低減する方法である。第3の方法は、平行区間隣接距離WDを単位長さ(例えば、1μm)ずつ伸ばすとともに、平行区間長PRを単位長さ(例えば、1μm)ずつ短くし、ノイズ値を低減する方法である。
【0079】
なお、一実施例においては、ノイズ値を低減する方法としては、上記第1〜第3の方法以外に、aggressorネットの配線幅を狭くする方法、victimネットのドライバ駆動能力を小さくする方法、aggressorネットのドライバ駆動能力を小さくする方法、ドライバ−平行区間距離DLを短くする方法、各方法を複数組み合わせる方法を適用してもよい。
【0080】
配線制約情報ファイル作成処理において、第14図に示したステップSD1では、制御部11は、ユーザにより、上述した第1の方法が予め設定されているか否かを判断する。ステップSD1の判断結果が「Yes」である場合、ステップSD2では、制御部11は、第1の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDを単位長さ伸ばす。ステップSD3では、制御部11は、ステップSC4(第13図参照)と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDを考慮して、ノイズ値を計算する。 【0081】
ステップSD4では、制御部11は、ステップSD3で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD4の判断結果が「No」である場合、ステップSD2では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDをさらに単位長さ伸ばす。ステップSD3では、制御部11は、ステップSC4(第13図参照)と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0082】
以後、ステップSD4の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD2〜ステップSD4が繰り返される。
【0083】
そして、ステップSD4の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
【0084】
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
【0085】
一方、第14図に示したステップSD1の判断結果が「No」である場合、ステップSD6では、制御部11は、ユーザにより、上述した第2の方法が予め設定されているか否かを判断する。
【0086】
ステップSD6の判断結果が「Yes」である場合、ステップSD7では、制御部11は、第2の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間長PRを単位長さ短くする。ステップSD8では、制御部11は、ステップSC4と同様にして、変更後の平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0087】
ステップSD9では、制御部11は、ステップSD8で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD9の判断結果が「No」である場合、ステップSD7では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間長PRをさらに単位長さ短くする。ステップSD8では、制御部11は、変更後の平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0088】
以後、ステップSD9の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD7〜ステップSD9が繰り返される。
【0089】
そして、ステップSD9の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
【0090】
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
【0091】
一方、第14図に示したステップSD6の判断結果が「No」であり、第3の方法が設定されている場合、ステップSD10では、制御部11は、第3の方法を実行することにより、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDを単位長さのばし、平行区間長PRを単位長さ短くする。ステップSD11では、制御部11は、ステップSC4と同様にして、変更後の平行区間隣接距離WDおよび平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0092】
ステップSD12では、制御部11は、ステップSD11で計算されたノイズ値が、予め設定された制限値以下であるか否かを判断する。ステップSD12の判断結果が「No」である場合、ステップSD10では、制御部11は、配線情報ファイル301における平行区間隣接距離WDをさらに単位長さのばすとともに、平行区間長PRをさらに単位長さ短くする。ステップSD11では、制御部11は、変更後の平行区間隣接距離WDおよび平行区間長PRを考慮して、ノイズ値を計算する。
【0093】
以後、ステップSD12の判断結果が「Yes」となるまで、ステップSD10〜ステップSD12が繰り返される。
【0094】
そして、ステップSD12の判断結果が「Yes」になると、ステップSD5では、制御部11は、変更後の配線情報ファイル301に対応する配線制約情報ファイル501を作成する。
【0095】
第13図に戻り、ステップSC8では、制御部11は、配線制約情報ファイル501を出力するとともに、配線制約情報ファイル格納部50に格納する。ステップSC6では、制御部11は、チェック結果リスト601を出力する。
【0096】
第12図に戻り、ステップSB5では、ステップSB3で決定された概略配置およびステップSB4で作成された配線情報ファイル(配線制約情報ファイル)に基づいて、各セルが配置面に配置され、セル間が配線される。
【0097】
ステップSB6では、配置された全セルに信号入力し、所期のタイミングや周波数で信号が出力されるかというタイミング解析が行われる。このタイミング解析には、全セルが対象となるため、大型計算機を用いても数日を要する。
【0098】
ステップSB7では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。ステップSB7の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、タイミング解析結果がエラーである場合、ステップSB5では、エラーが発生しないように再設計され、セルの配置や配線が変更される。
【0099】
ステップSB6では、上述と同様にして、再設計後におけるタイミング解析が行われる。タイミング解析には、大型計算機を用いても数日をさらに要する。ステップSB7では、タイミング解析結果にエラーがあるか否かが判断される。
【0100】
ここで、再設計のミスに起因して、再度エラーがある場合、ステップSB5では、セルの配置や配線が再度変更される。以後、ステップSB7の判断結果が「No」となるまで、ステップSB5〜ステップSB7が繰り返される。
【0101】
そして、タイミング解析結果にエラーが無く、ステップSB7の判断結果が「No」になると、ステップSB8では、タイミング解析済みの各セル、配線におけるスタティックノイズ値(以下、単にノイズ値と称する)をチェックするためのスタティックノイズチェックが実行される。
【0102】
この場合、ステップSB4で簡易スタティックノイズチェックが実行済みであるため、従来に比べて、ノイズが低減される。
【0103】
このスタティックノイズチェックにおいては、ステップSC4(第13図参照)と同様であるが、この場合、全ての配線情報ファイル(全セル)を対象とし、ノイズ値が計算される。
【0104】
ステップSB9では、ノイズ値が制限値(しきい値)以下であるか否かが判断される。ステップSB9の判断結果が「No」である場合、すなわち、ノイズ値が制限値を超えている場合、ステップSB4では、一部の配線情報ファイルに対して、簡易スタティックノイズチェックが実行される。
【0105】
以後、ステップSB9の判断結果が「Yes」になるまで、ステップSB4〜ステップSB9が繰り返される。
【0106】
そして、ステップSB9の判断結果が「Yes」、すなわち、タイミング解析結果にエラーが無く、かつノイズ値が制限値以下である場合、ステップSB10では、各セルの配置、配線に基づいて、設計対象の電子回路を製造するための製造データが作成される。
【0107】
以上説明したように、一実施例によれば、第12図に示したステップSB4で、設計対象の全電子回路(セル)のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、ステップSB6で信号伝送のタイミングを解析し、ステップSB8で全電子回路に関するノイズ値を計算し、ステップSB9で該ノイズ値が制限値を超えた場合、ステップSB4(一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更)を実行させることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
【0108】
以上本発明にかかる一実施例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0109】
例えば、前述した一実施例においては、前述した各機能を実現するためのプログラムを第15図に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体200に記録して、この記録媒体200に記録されたプログラムをコンピュータ100に読み込ませ、実行することにより各機能を実現してもよい。
【0110】
コンピュータ100は、上記プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)110と、キーボード、マウス等の入力装置120と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)130と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)140と、記録媒体200からプログラムを読み取る読取装置150と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置160とから構成されている。
【0111】
CPU110は、読取装置150を経由して記録媒体200に記録されているプログラムを読み込んだ後、プログラムを実行することにより、前述した各機能を実現する。なお、記録媒体200としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
【0112】
以上説明したように、本発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように電子回路のパラメータを変更し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、パラメータの変更を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0113】
以上のように、本発明にかかる電子回路設計プログラム、電子回路設計方法および電子回路設計装置は、電子回路の設定に対して有用であり、特に、設計時間の短縮に適している。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1図は、本発明にかかる一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】第2図は、同一実施例における簡易スタティックノイズチェックの概要を説明する図である。
【図3】第3図は、同一実施例における配線情報ファイルフォーマット30Fを示す図である。
【図4】第4図は、第5図(a)に示したネット群31を表す配線情報ファイル301を示す図である。
【図5】第5図は、同一実施例におけるネット群31を示す図である。
【図6】第6図は、第7図(a)に示したネット群34を表す配線情報ファイル302を示す図である。
【図7】第7図は、同一実施例におけるネット群34を示す図である。
【図8】第8図は、第9図(a)に示したネット群37を表す配線情報ファイル303を示す図である。
【図9】第9図は、同一実施例におけるネット群37を示す図である。
【図10】第10図は、同一実施例におけるチェック結果リスト601を示す図である。
【図11】第11図は、同一実施例におけるチェック結果リスト603を示す図である。
【図12】第12図は、同一実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図13】第13図は、第12図に示した簡易スタティックノイズチェック処理を説明するフローチャートである。
【図14】第14図は、第13図に示した配線制約情報ファイル作成処理を説明するフローチャートである。
【図15】第15図は、同一実施例の変形例の構成を示すブロック図である。
【図16】第16図は、従来の電子回路設計方法を説明するフローチャートである。
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータに、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するテキスト記述による配線モデルを使ってノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるような配線制約情報を出力する簡易ノイズチェック工程と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を実行させるための電子回路設計プログラムである。
また、本発明は、電子回路設計装置による電子回路設計方法であって、前記回路設計装置の簡易ノイズチェック手段が、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するテキスト記述による配線モデルを使ってノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるような配線制約情報を出力する簡易ノイズチェック工程と、前記回路設計装置のタイミング解析手段が、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、前記回路設計装置のスタティックノイズチェック手段が、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するテキスト記述による配線モデルを使ってノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるような配線制約情報を出力する簡易ノイズチェック手段と、全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析手段と、タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック手段を動作させるスタティックノイズチェック手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するテキスト記述による配線モデルを使ってノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるような配線制約情報を出力し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、配線制約情報の出力を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するテキスト記述による配線モデルを使ってノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるような配線制約情報を出力し、信号伝送のタイミングを解析し、全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、一部の電子回路に関するノイズ値計算、配線制約情報の出力を行わせることとしたので、設計時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
Claims (18)
- コンピュータに、
設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、
全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、
タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、
を実行させるための電子回路設計プログラム。 - 前記所定の方法は、電子回路における隣接配線の平行区間長を短くする方法であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路設計プログラム。
- 前記所定の方法は、電子回路における隣接配線の平行区間の距離を伸ばす方法であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路設計プログラム。
- 前記所定の方法は、電子回路における配線幅を狭くする方法であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路設計プログラム。
- 前記所定の方法は、電子回路におけるドライバの駆動能力を小さくする方法であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路設計プログラム。
- 前記所定の方法は、電子回路におけるドライバから、隣接配線の平行区間までの距離を短くする方法であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路設計プログラム。
- 設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック工程と、
全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析工程と、
タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック工程を実行させるスタティックノイズチェック工程と、
を含むことを特徴とする電子回路設計方法。 - 前記所定の方法は、電子回路における隣接配線の平行区間長を短くする方法であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の電子回路設計方法。
- 前記所定の方法は、電子回路における隣接配線の平行区間の距離を伸ばす方法であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の電子回路設計方法。
- 前記所定の方法は、電子回路における配線幅を狭くする方法であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の電子回路設計方法。
- 前記所定の方法は、電子回路におけるドライバの駆動能力を小さくする方法であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の電子回路設計方法。
- 前記所定の方法は、電子回路におけるドライバから、隣接配線の平行区間までの距離を短くする方法であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の電子回路設計方法。
- 設計対象の全電子回路のうち一部の電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、所定の方法により、該ノイズ値が制限値以下となるように前記電子回路のパラメータを変更する簡易ノイズチェック手段と、
全電子回路について、信号伝送のタイミングを解析するタイミング解析手段と、
タイミングが解析済みの全電子回路に関するノイズ値を計算し、該ノイズ値が制限値を超えた場合、前記簡易ノイズチェック手段を動作させるスタティックノイズチェック手段と、
を備えたことを特徴とする電子回路設計装置。 - 前記所定の方法は、電子回路における隣接配線の平行区間長を短くする方法であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の電子回路設計装置。
- 前記所定の方法は、電子回路における隣接配線の平行区間の距離を伸ばす方法であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の電子回路設計装置。
- 前記所定の方法は、電子回路における配線幅を狭くする方法であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の電子回路設計装置。
- 前記所定の方法は、電子回路におけるドライバの駆動能力を小さくする方法であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の電子回路設計装置。
- 前記所定の方法は、電子回路におけるドライバから、隣接配線の平行区間までの距離を短くする方法であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の電子回路設計装置。
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