JP2002092069A - クロストークを考慮した信号遅延解析方法とそれを用いた遅延改善方法及びlsi設計方法 - Google Patents

クロストークを考慮した信号遅延解析方法とそれを用いた遅延改善方法及びlsi設計方法

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JP2002092069A
JP2002092069A JP2000281196A JP2000281196A JP2002092069A JP 2002092069 A JP2002092069 A JP 2002092069A JP 2000281196 A JP2000281196 A JP 2000281196A JP 2000281196 A JP2000281196 A JP 2000281196A JP 2002092069 A JP2002092069 A JP 2002092069A
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delay
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nets
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Yoshiyuki Kawakami
善之 川上
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号遷移とタイミングを考慮してクロストー
クによる遅延への影響が大きなところを検出・改善す
る。 【解決手段】 信号遷移を反映したカップリング容量を
考慮して抵抗・容量ネットワークを定義し、タイミング
解析をリンクさせて遅延計算を行う。新たに求められた
タイミング解析結果を基に、再度カップリング容量を定
義して抵抗・容量ネットワークを作成し、再び遅延計算
とタイミング解析を実施する。この操作を繰り返し、遅
延変動量を検出することにより、クロストークの影響を
発生させやすい場所を特定する。また、セル配置後の概
略配線経路の決定時の抵抗・容量ネットワークを用いる
ことにより、LSI設計の早期段階でクロストークの影
響を解析する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路
(LSI)の設計方法に関するものであり、特にLSI
中の配線におけるクロストークを考慮した信号遅延解析
方法とそれを用いた遅延改善方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSIの製造技術の向上により、デバイ
スの高速化、配線幅や配線間隔の短縮化、及び配線層の
多層化が進み、回路の誤動作を引き起こす要因となるク
ロストークノイズ現象が無視できなくなってきている。
この現象は、信号が変化する場合に、配線間の容量を介
して電流が流れるときに発生する。
【0003】クロストークノイズの影響を正確に求める
方法として、LSI製造後にその動作試験を行う方法が
あるが、万一違反が発見された場合、設計や製造のやり
直しが必要となるため、多大なコストとTAT(turn-a
round time)がかかり過ぎる難点がある。
【0004】そこで、レイアウト設計後に、その配線結
果を用いて配線間のカップリング容量を求め、クロスト
ークノイズを算出する方法が提案されている。例えば、
特開平11−40677号公報に開示された方法では、
同時に信号遷移する複数の隣接ネットの容量値を算出し
て、クロストークを検出する。信号遷移時間と信号遷移
方向の見積もりには、静的タイミングシミュレータを用
いる。静的に処理がなされるので、高速検出が可能とな
る。
【0005】カップリング容量の大きさは、信号遷移の
方向によって異なる。例えば、2つの信号が同方向遷移
の場合では、ほぼゼロに近くなるが、異方向遷移の場
合、片側が定常状態であるときの容量値に比べて、ほぼ
2倍近くになる。このことは、遷移方向を正確に見積も
らないとクロストークノイズによる遅延の影響を正確に
は検出できないことになる。これらに関する報告は、"F
ull-Chip Verificationof UDSM Designs", Proceedings
of ICCAD'98, pp.453-460の中で紹介されている。
【0006】ところで、前述の特開平11−40677
号公報の技術は容量のみに着目した方法であるが、実際
の配線には寄生抵抗が存在するため、クロストークノイ
ズの影響による遅延の変化を考えるとき、抵抗の影響を
無視するわけにはいかない。容量に加えて抵抗の影響を
加味したモデルは公知例1("Reduced Order Macromode
l of Coupled interconnects for timing and function
al verification of sub half-micron IC designs", Pr
oceedings of ASP-DAC'98, pp.45-50)に報告されてい
る。これは、クロストークの影響を1つのマクロブロッ
クで表現し、それを用いて解析するものである。
【0007】一方、LSIの製造技術の急激な進化はデ
ザインルールの縮小化を加速させ、結果としてLSI内
部で物理的な変化をもらたし、更に設計の困難さを増す
ことになった。例えば、回路内を信号が伝達する時間、
すなわち信号遅延時間(以下、単に「遅延時間」とい
う。)に占める配線遅延とゲート遅延の関係が、「配線
遅延>ゲート遅延」になり、チップ設計において配線遅
延を考慮することは必須の課題となっている。これは、
トランジスタデバイスや配線パターンの寸法が小さくな
っているのに対してトランジスタの能力(例えば、ドレ
イン電流量)が変わらないためゲート遅延が小さくな
り、一方、配線遅延は配線抵抗が大きくなってきたため
に、ゲート遅延に比べて小さくならないことから起こる
ものである。そのため、配線に着目したタイミング設計
が重要なものとなっている。
【0008】機能ブロック間配線は比較的長配線なの
で、配線遅延が大きくなる。その配線遅延を低減するこ
とは最も重要なことである。その対策として、以下の2
つが挙げられる。
【0009】1)リピータ(遅延調整セル:バッファ)
を挿入して総遅延時間を削減する。すなわち、元々の駆
動セルではその配線全体を駆動するには弱い力なので、
それを補うためにリピータの挿入によって配線分割し、
適正な遅延を得るようにする技術である。
【0010】2)配線幅と配線間隔を変えて長配線の遅
延を削減する。すなわち、配線幅を広げることによっ
て、実質的に配線抵抗を下げ、遅延の削減を行う。この
場合、配線容量が大きくなる場合があるので、その配線
につながる出力側のトランジスタの駆動能力を大きくす
ることも必要となる。
【0011】1)に関する代表的なリピータ挿入アルゴ
リズムは、公知例2("Buffer Placement in Distribut
ed RC-tree Networks for Minimal Elmore Delay", Pro
ceedings of International Symposium Circuits and S
ystems, 1990, pp.865-868)によって開示されている。
また、2)に関しては、公知例3("Optimal Wire Sizi
ng and Buffer Insertion for Low Power and a Genera
lized Delay Model",Proceedings of IEEE Internation
al Conference on Computer-Aided Design, 1995, pp.1
38-143)に開示されている。これらに代表される遅延改
善(最小化)アルゴリズムは、回路の時間的な振る舞い
に関係なく、予め与えられた配線RCネットワークを基
に、静的に処理される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】まず、クロストークノ
イズに対する遅延の影響を検出するために、前述の技術
は下記の問題点を有している。
【0013】第1の問題点は、特開平11−40677
号公報の技術では、カップリング容量の大小だけでクロ
ストーク検出を行っている点である。しかし実際、クロ
ストークが発生するとタイミングのずれが生じるため、
その影響を考慮しないと正確には遅延を求めることがで
きない。
【0014】第2の問題点は、公知例1ではクロストー
クノイズの解析を行うために予めクロストークモデルに
基づくマクロライブラリを用意することが必要な点であ
る。
【0015】第3の問題点は、特開平11−40677
号公報や公知例1等は、レイアウト設計完了後を対象に
しているものであり、論理設計又はレイアウト設計の初
期段階で適用できるものでないことである。すなわち、
もしクロストークノイズによる誤動作が起こり易いこと
がレイアウト設計完了後に分かったとしたら、論理設計
やレイアウトの修正をやり直すことが必要となり、結果
として設計のTATが大きくなる問題がある。
【0016】第4の問題点は、公知例2や公知例3の遅
延改善方法がクロストークの影響を考慮したものでない
ため、たとえその方法で遅延改善を行ったとしても、ク
ロストークの影響によって誤動作を起こす可能性を残し
ていることである。
【0017】本発明の目的は、従来と比べてより精度の
高い、クロストークの影響を考慮した信号遅延解析方法
と、それを用いた遅延改善方法及びLSI設計方法を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の信号
遅延解析方法は、遅延解析を行う対象となる配線ネット
tと、当該ネットNtに対してある距離以内に存在する
他の配線ネットNaとのクロストークを考慮して遅延解
析するとき、それら配線ネット間のカップリング容量を
各配線ネットの信号遷移を考慮して決定し、その結果を
基に遅延計算及びタイミング解析を行うことにより、ク
ロストークの影響が大きい配線ネットを検出するもので
ある。
【0019】具体的には、本発明に係る第1の信号遅延
解析方法は、基本素子とその間を接続する配線とから構
成されるLSIの設計において既に配線パターンが定義
されている場合の信号遅延解析方法であって、着目した
任意の配線ネットNtと、当該配線ネットNtに任意の距
離より近い位置にある他の配線ネットNaとがあり、前
記配線ネットNt及びNaに対して寄生抵抗及び寄生容量
を定義した抵抗・容量ネットワークにおいて前記配線ネ
ットNt及びNaの間でカップリング容量Cj(jは任意
の自然数)が定義されているとき、前記カップリング容
量Cjに対してあるパラメータkjを乗じた形で抵抗・容
量ネットワークを作成する第1のステップと、前記パラ
メータkjを0か1か2のいずれかに初期化し、前記カ
ップリング容量Cjを対接地に置き換えて新たな抵抗・
容量ネットワークを作成する第2のステップと、前記第
2のステップで得られた抵抗・容量ネットワークから全
ての基本素子及び配線ネットの遅延時間を計算する第3
のステップと、前記第3のステップで得られた全ての基
本素子及び配線ネットの遅延時間並びに基本素子の論理
情報を基に、前記LSIのプライマリインプットからプ
ライマリアウトプットまでのタイミング解析をi(iは
2以上の自然数)回繰り返す毎に、第i回目のタイミン
グ解析TAiを行う第4のステップと、i−1回目とi
回目のタイミング解析結果TAiとTAi-1とを比較する
第5のステップと、前記配線ネットNtにおける信号遷
移状態とその開始時刻と遅延時間とを表す組情報を求め
る第6のステップと、前記第6のステップで求めた組情
報を基に、前記配線ネットN tの信号遷移期間における
配線ネットNt及びNaの各々の信号遷移状態に応じて前
記パラメータkjを更新して、新たな抵抗・容量ネット
ワークを作成する第7のステップと、前記第4から第7
のステップをi回だけ繰り返した時点で、その回に求め
た遅延時間とその前の回で求めた遅延時間との差が任意
の指定値よりも大きいとき、前記配線ネットNtを、ク
ロストークの影響を受け易いクリティカルネットとして
検出する第8のステップとを備えたものである。
【0020】本発明に係る第1の遅延改善方法は、クロ
ストークの影響を考慮した形で最適化を行うものであ
る。その方法は、上記第1の信号遅延解析方法を基に、
ネット間の信号遷移を考慮したカップリング容量を取り
入れた抵抗・容量ネットワークを用いて遅延解析をし、
その結果を使って、バッファ挿入、対象ネットの配線幅
の拡大や隣接する配線との間隔の拡大、その配線が存在
する配線層を変えること、その配線ネットを駆動するト
ランジスタの能力を変えることのいずれか、又はそれら
の組み合わせによってなされる。
【0021】本発明に係る第2の信号遅延解析方法は、
レイアウト設計における論理セル配置が終わった段階で
概略配線を決定する際に、配線ネット間のクロストーク
の影響をある縦横に区切られた矩形スロット内の配線の
有無によって区別し、それを基に上記第1の信号遅延解
析方法でクロストークの影響が大きい配線ネットをクリ
ティカルネットとして検出するものである。
【0022】本発明に係る第2の遅延改善方法は、上記
第2の信号遅延解析方法で検出されたクリティカルネッ
トの概略配線経路を当該クリティカルネットと同一の矩
形スロットに存在しない他のネットの経路に変更するこ
とにより、クロストークの影響を低減するものである。
【0023】また、本発明に係るLSI設計方法は、論
理設計からレイアウト設計へとトップダウンに設計を行
う方法であって、論理設計が完了した後、論理セルを配
置し、その間を配線するレイアウト設計を行うとき、配
線経路を決定する概略配線ステップにおいて上記第2の
遅延改善方法を採用し、その後詳細配線を行った後に、
最終的なタイミング決定を行うときに上記第1の遅延改
善方法を採用することとしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態を図1〜図12を参照しながら説明する。
【0025】図1は、本発明の第1の実施形態における
クロストークを考慮した信号遅延解析方法を実現するフ
ロー図である。本方法は、8つのステップS1〜S8か
らなる。
【0026】図2の回路図を例に挙げて説明する。図2
において、501から506は論理セルを表している。
セル501からセル502に向かって信号が流れるもの
と仮定し、その間に配線ネット507が存在する。本実
施形態では、この配線ネット507に関するクロストー
クを考慮した信号遅延の解析について説明する。
【0027】ここでは、配線ネット507に隣接して他
の配線ネット508、509があるものとする。配線ネ
ット508はセル503からセル504に、配線ネット
509はセル505からセル506にそれぞれ接続され
ており、また、図2中の矢印の方向に信号が流れるもの
と仮定する。
【0028】まず、ステップS1で図2の論理セル及び
配線のパターンから寄生抵抗及び寄生容量の抽出を行
い、抵抗・容量ネットワークを作成する。
【0029】図3及び図4は、ある回路で寄生抵抗容量
抽出を行った結果を示している。図3は、2つのネッ
ト、パスA→B→C→DとパスE→F→G→Hとの間に
2つのカップリング容量が定義されていることを示して
いる。図4は、このネットワークをある記述で表現した
ものである。左端の列にある文字の先頭が“C”のと
き、その行は容量に関する定義であり、先頭が“R”の
とき、抵抗に関する定義である。例えば、1行目のC1
によれば、ノードAとグラウンド間の容量として、Ca
[fF]が付いている。また、11行目のR1によれ
ば、ノードAとノードBの間に抵抗Rabが与えられてい
る。カップリング容量はC3とC6の行で定義されてい
る。ステップS1では、このカップリング容量値(図4
では、Cbf[fF]とCcg[fF])に対してあるカッ
プリング容量パラメータ(カップリング係数)kjを与
える。4列目のk1×Cbf[fF]とk2×Ccg[fF]
とはそれを示している。
【0030】このような操作を図2に対して施した結果
を図5に示す。配線ネット507に対して任意の間隔で
他の配線ネットが存在する場合、その配線パターン間に
カップリング容量を発生させる。図2では、区間1と区
間2と区間3がその場合に対応している。
【0031】例えば、区間1では、ノードN1とノード
7との間にカップリング容量C17を、ノードN2とノー
ドN8との間にカップリング容量C28をそれぞれ定義す
る。また、上記と同様にしてカップリング容量パラメー
タkjを与える。
【0032】同様にして、区間2では、ノードN3とノ
ードN11との間にカップリング容量C311を、ノードN4
とノードN12との間にカップリング容量C412を、区間
3では、ノードN5とノードN9との間にカップリング容
量C59を、ノードN6とノードN10との間にカップリン
グ容量C610を各々定義する。
【0033】次に、ステップS2によって、生成された
抵抗・容量ネットワークにおけるカップリング容量パラ
メータkjに対して、0か1か2を与え、抵抗・容量ネ
ットワークを更新する。この意味は、次のとおりであ
る。すなわち、kj=0なら、カップリング容量はゼロ
となるので、クロストークによる相互配線ネットの影響
は無い状態と等しくなるため、回路実動作から考える
と、(楽観的な)理想的な状態である。逆に、kj=2
なら、カップリング容量は2倍となるので、クロストー
クによる相互配線ネットの影響が大きく見積もられるた
め、回路実動作から考えると、悲観的な見積もりとな
る。kj=1は、その間に位置しているのでクロストー
クによる相互配線ネットの影響を適度に模擬しており、
実動作により近い状態といえる。したがって、kj=1
が推奨である。
【0034】パラメータkjが割り当てられたら、カッ
プリング容量は、対接地容量として書き直す。図6はそ
の結果を示している。ここでは、パラメータk1〜k6
いずれも1としている。
【0035】次に、この更新された抵抗・容量ネットワ
ークと全セル(基本素子)に対して、ステップS3で遅
延時間を計算する。遅延計算方法は、任意の方法でよ
い。その計算手法としては、Elmore法(Journal
of Applied Physics, 1948, pp.55-63)、RPH法(IE
EE Trans. Computer-Aided Design, 1983, pp.202-21
1)、AWE法(IEEE Trans. Computer-Aided Design,
1990, pp.352-366)等が代表的なものである。
【0036】図7は、図2の遅延計算の結果を示してい
る。この例では、内部セル遅延は全てtd=2の場合を
示している。また、配線遅延は、配線ネット507がt
d=8、配線ネット508はtd=7、配線ネット509
はtd=3であるものとする。
【0037】更に、ステップS4でステップS3から得
られた結果を基にタイミング解析を行う。このとき、回
路全体に対してプライマリインプットからプライマリア
ウトプットまでの解析を行う。図8は、図2のタイミン
グ解析の結果を示している。この例では、セル501、
503、505の入力信号到達時刻をそれぞれ0、2、
3としている。各セル501から502、セル503か
ら504、セル505から506の遅延分布を、セル5
01の入力信号が到達する時刻を基準に時間軸を合わせ
て表現すると、図9となる。ここで重要なことは、配線
ネット507の信号遷移が時刻2から時刻10の間で起
こっており、その遷移期間に配線ネット508及び50
9の信号遷移が含まれていることである。すなわち、配
線ネット507はそれら2つの配線ネット508及び5
09からクロストークの影響を受ける可能性があること
を意味する。
【0038】このステップS4は、次に続くステップS
5からステップS7を通じて、2回以上実行する。ここ
で、実行結果をタイミング解析結果の集合TAiと表
し、例えば1回目はi=1とする。解析結果とは、例え
ば、各セルの端子毎に到達する信号遅延時間の結果等で
ある。
【0039】次に、ステップS5でタイミング解析の結
果の比較を行う。比較は、タイミング解析結果の集合T
i-1とTAiで行う。ただし、1回目はi=1なのでT
0が存在しないため、比較は行わない。
【0040】ステップS6で、タイミング解析結果TA
iを基に配線ネットにおける信号遷移状態とその開始時
刻とその遅延時間とを再び求める。それらの項目を組情
報Q(信号遷移状態、開始時刻、遅延時間)とする。図
10に、図2におけるセル501、503、505の出
力側ピンの信号遷移状態を示している。例えば、セル5
01の出力信号波形は立ち上がりである。各配線ネット
の入力側に対して、組情報Q501、組情報Q503、組情報
505は図示のとおりである。
【0041】次に、ステップS7で、各組情報Qを基に
カップリング容量パラメータkjを更新し、新たな抵抗
・容量ネットワークを作成する。kjの更新ルールを図
11に示す。ここでは7つのルールがある。ルール
(a)によれば、2つの配線ネットの信号遷移状態がと
もに立ち上がり波形のとき、kj=0とする。ルール
(b)によれば、2つの配線ネットの信号遷移状態がと
もに立ち下がり波形のとき、同様にkj=0とする。ル
ール(c)によれば、一方が立ち上がり波形、他方が立
ち下がり波形のとき、kj=2とする。ルール(d)〜
(g)によれば、2つの配線ネットのうち片側の配線ネ
ットの信号遷移がない場合、すなわち2つの配線ネット
の各信号遷移期間に重なりがない場合には、kj=1と
する。
【0042】これらのルールを図10に適用したとき、
区間1はk1=k2=0、区間2はk 3=k4=2、区間3
はk5=k6=0となる。最終結果を図12に示す。
【0043】再び、ステップS4に戻って、ステップS
4からステップS7を任意回数iだけ繰り返す。タイミ
ング解析結果は、その都度TA2、TA3、T
4、...と増える。ステップS5では、隣り合うタ
イミング解析結果の組み合わせTAi-1とTAiとを比較
し、タイミング変化を記録する。ステップS5で各セル
に到達する時刻を比較してその変化量が大きい(タイミ
ング変化が大きい)とき、それにつながる配線ネットを
特定する。それをステップS8によって、遅延解析結果
とともに出力する。
【0044】以上により、ステップS4からステップS
7によって、クロストークの影響を考慮した遅延計算を
行い、その変動をステップS8で検出することにより、
クロストークの影響が大きい配線ネットを特定すること
ができる。
【0045】(第2の実施形態)図13は、本発明の第
2の実施形態における長距離配線ネットのクロストーク
を考慮した遅延改善方法を実現するフロー図である。本
方法は5つのサブステップS10a〜S10eを含む1
1ステップS1〜S11からなる。
【0046】この方法は、第1の実施形態で得られた
(ステップS8による)遅延解析結果に基づいて遅延改
善を行うことを基本とする。遅延改善を行う対象となる
配線ネットは当然タイミング違反のパス上にあるネット
であるが、そのときの抵抗・容量ネットワークはステッ
プS8の遅延解析結果のうち、そのネットの総容量値が
最大であるときのものを用いる(容量最大の抵抗・容量
ネットワーク採用ステップ=ステップS9)。これによ
って、タイミングを考慮して、遅延最大でかつクロスト
ークが発生しやすい最悪の組み合わせを模擬することが
可能となる。
【0047】タイミング改善ステップS10では、配線
ネットを駆動するセルのトランジスタ能力の変更(ステ
ップS10a)、バッファ挿入(ステップS10b)、
配線幅拡大(ステップS10c)、配線間隔拡大(ステ
ップS10d)、配線層変更(ステップS10e)を行
う。ステップS10a及びS10bは配線ネットに流れ
る信号の伝達時間を変える意味があり、ステップS10
c〜S10eは、カップリング容量値自体を低減するこ
とにより、クロストークの影響を少なくするものであ
る。改善ステップS10の実行後にタイミング違反が残
っている場合には、ステップS11からステップS1へ
戻る。
【0048】図14はバッファ31とバッファ32との
間にある配線ネットの遅延改善についての例である。こ
の配線ネットに隣接して3つの配線ネットが存在し、各
々とカップリング容量があるものと仮定する。
【0049】ステップS1からステップS8によって得
られた抵抗・容量ネットワークのうち、最大容量のネッ
トワークを抽出する。それが遅延改善のための基となる
抵抗・容量ネットワークとなる。そのネットワークに対
して、まずバッファ挿入による遅延改善を考える。この
ときのバッファ挿入位置候補を図15に点線の丸で示し
ている。最適化の方法は問わない。例えば、前出の公知
例2や公知例3を用いてもよい。
【0050】図15で真中の丸の候補位置が選択された
ら、図16のようにバッファ33を挿入することとな
る。それと同時に、バッファ31、32間の配線へのク
ロストークの影響を考慮して、例えばバッファ31のト
ランジスタ駆動能力の変更や、バッファ31とバッファ
32との間の配線層の変更を行う。その理由は、以下の
とおりである。すなわち、クロストークの影響を受ける
のは同時変化のときである。バッファ33とバッファ3
2との間の配線については、バッファ33に信号が到達
する時刻がこの遅延改善によって変更されているため
に、再度タイミング解析を行わないと正確なことは分か
らない。したがって、この場合の改善は特に行わない。
それに対して、バッファ31の入力信号到達時刻はバッ
ファ33を挿入したとしても変更がないため、バッファ
31とバッファ33との間の配線は依然としてクロスト
ークの影響を受ける可能性が残る。そこで、バッファ3
1とバッファ33との間の信号タイミングを変化させる
ために、トランジスタ能力や配線層を変更することにす
る。
【0051】この改善によるタイミング変化を再度評価
するために、図13に示すようにステップS11からス
テップS1へ戻る。その後、バッファ33とバッファ3
2との間の配線ネットに対してステップS10でタイミ
ング改善の要求があるとき、今度はその間の改善を実施
する。これによって、タイミング改善とともにクロスト
ークの影響を低減することができる。その結果を図17
に示す。
【0052】以上によれば、遅延改善時にクロストーク
の影響を考慮した最適化が可能となる。
【0053】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態を図18〜図20を参照しながら説明する。
【0054】図18は本発明の第3の実施形態における
概略配線時のクロストークを考慮した信号遅延解析方法
を実現するフロー図である。本方法は10ステップS2
1〜S30からなる。LSIを設計するときの1手法で
あるスタンダードセル(標準論理セル)方式ブロックの
作成を例にとって説明する。
【0055】図19(a)では、スタンダードセル方式
ブロックの初期フロアプランに対して、既にスタンダー
ドセルが割り当てられているものとする。同図では4行
の領域があり、20個のセルが配置されているものとす
る。このうち4個のセル21〜24に着目する。
【0056】まず、ステップS21でこのブロックを縦
横の直線によって仮想的に領域の矩形スロット分割を行
う。この例の場合、図19(b)に示すように20(=
4×5)個のます目ができた。
【0057】次に、ステップS22で概略配線経路の決
定を行う。ここで、経路は格子のます目の中を通過する
ものとする。その結果の例を図19(c)に示してい
る。図示のように2つのネットが同じスロットを通過し
ているものとする。
【0058】次に、ステップS23でカップリング容量
パラメータを含んだ抵抗・容量ネットワークを作成す
る。このステップS23は上記ステップS1とは次の点
で異なる。1点目、抵抗・容量値はこの場合、概略配線
経路しか求められていないので正確ではないが、単位長
さに対する容量とシート抵抗に基づいて、矩形スロット
や物理的なセル位置の関係から求めることができる。こ
のステップではその計算結果を使う。もう1つ異なる点
は、概略配線経路では相対的な位置関係が定まっていな
いため、配線ネットの隣接関係を正確に求めることがで
きない。そのため、上記ステップS1では求めることが
できた距離に基づく隣接関係が定義できない。そこで、
このステップS23では、同一矩形スロットに入るもの
は隣接とみなす。例えば、図19(d)で斜線が施され
ている2つの矩形スロットは、各々2つの概略配線経路
が属する部分である。これらの部分に関しては、それら
2つの配線ネットは隣接しているものと解釈し、カップ
リング容量を定義する。
【0059】カップリング容量値自体は、2つの配線が
最小間隔で隣接したときに発生する容量値を代表して用
いる。その結果、図20のような抵抗・容量ネットワー
クとして表現できる。
【0060】よって、それ以下の手順は、第1の実施形
態と同じ手順を適用することができ、クロストークの影
響を考慮したタイミング解析が可能となる。以下の説明
は省略する。
【0061】(第4の実施形態)図21は、本発明の第
4の実施形態における概略配線時のクロストークを考慮
した遅延改善方法を実現するフロー図である。本方法は
2つのサブステップS31a〜S31bを含む12ステ
ップS21〜S32からなる。
【0062】この方法は、第3の実施形態で得られた
(ステップS30による)遅延解析結果に基づいて遅延
改善を行うことを基本とする。クロストーク改善ステッ
プS31では、概略配線経路の変更(ステップS31
a)や、必要ならセル配置の変更(ステップS31b)
を行う。それでもクロストークの改善が不十分である場
合には、ステップS32からステップS23へ戻る。こ
れにより、クロストークの影響の大きい配線ネット数を
低減することが可能となる。
【0063】以上によれば、セル配置後の概略配線経路
の決定時にクロストークの影響を考慮した遅延解析が可
能となるため、LSI設計の早期段階でその影響に対し
て低減の対策を打つことが可能となる。
【0064】(第5の実施形態)本発明の第5の実施形
態におけるクロストークを考慮したLSI設計方法につ
いて説明する。
【0065】このLSI設計方法は、先に説明した第1
から第4の実施形態の組み合わせによって実現する。ま
ず、論理セルの配置を行った後、概略配線経路決定時に
カップリング容量パラメータを含んだ抵抗・容量ネット
ワークを用いてクロストークの影響を解析する(第3の
実施形態)。その結果、影響が大と思われる配線ネット
を特定し、それらを低減するように概略配線経路の変更
又はセルの配置変更を行う(第4の実施形態)。この最
適化によって、詳細配線より前の段階でクロストークの
影響を低減する効果が期待できる。
【0066】次に、詳細配線を行った後、実配線パター
ンに基づいた寄生抵抗容量抽出結果によるカップリング
容量パラメータを含んだ抵抗・容量ネットワークを用い
て、遅延解析を行う(第1の実施形態)。この遅延解析
によって得られた結果を基に、クロストークの影響によ
る遅延の変動が見つかった場合は、論理変更、トランジ
スタ駆動能力の変更、配線パターンの変更等を行って、
タイミングの差を生じさせてその影響を抑える。更にタ
イミング違反の配線ネットに対して、回路のタイミング
を考慮してカップリング容量が最大となる抵抗・容量ネ
ットワークを使ってトランジスタ能力の変更をはじめと
する遅延改善方法(第2の実施形態)を適用し、タイミ
ング改善を実施する。
【0067】以上によれば、セル配置から詳細配線の完
了まで一貫して、カップリング容量を考慮した抵抗・容
量ネットワークを使って遅延改善を施すことにより、L
SI設計において一貫したクロストーク解析とその改善
が実施できる。
【0068】
【発明の効果】以上説明してきたとおり、本発明によれ
ば、信号遷移を考慮したカップリング容量を反映した抵
抗・容量ネットワークを定義して、クロストークの影響
を考慮した遅延計算を行い、その変動を検出することに
より、クロストークの影響を発生させやすい配線ネット
を特定することができる。更に、詳細配線後の遅延改善
時にクロストークの影響を考慮した最適化が可能とな
る。
【0069】また、セル配置後の概略配線経路の決定時
にクロストークの影響を考慮した遅延解析が可能となる
ため、LSI設計の早期段階でその影響に対して低減の
対策を打つことが可能となる。
【0070】また、セル配置から詳細配線の完了まで一
貫して、カップリング容量を考慮した抵抗・容量ネット
ワークを使うことにより、LSI設計において一貫した
クロストーク解析とその改善が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る信号遅延解析方
法を示すフロー図である。
【図2】図1の方法を説明するための回路図である。
【図3】カップリング容量パラメータを含んだ抵抗・容
量ネットワークの例である。
【図4】図3のリスト表現である。
【図5】図2に対するカップリング容量パラメータを含
んだ抵抗・容量ネットワークの例である。
【図6】図5に対してカップリング容量を対接地に変換
した場合の例である。
【図7】図2の遅延計算の途中結果である。
【図8】図2の遅延計算の最終結果である。
【図9】図8のタイムチャート表現である。
【図10】図2のタイミング解析結果である。
【図11】(a)〜(g)はカップリング容量パラメー
タを求めるときのルールである。
【図12】図5に対して図11のルールを適用したとき
の例である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る遅延改善方法
を示すフロー図である。
【図14】図13中のタイミング改善ステップの説明図
である。
【図15】図13中のタイミング改善ステップの他の説
明図である。
【図16】図13中のタイミング改善ステップの更に他
の説明図である。
【図17】図13中のタイミング改善ステップの更に他
の説明図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る信号遅延解析
方法を示すフロー図である。
【図19】(a)〜(d)は図18の方法の説明図であ
る。
【図20】図18の方法の他の説明図である。
【図21】本発明の第4の実施形態に係る遅延改善方法
を示すフロー図である。
【符号の説明】
S1 カップリング容量パラメータkjを含んだ抵抗・
容量ネットワークの作成ステップ S2 kj=0又は1又は2で対接地容量化した抵抗・
容量ネットワークの作成ステップ S3 全基本素子及び配線の遅延時間の計算ステップ S4 プライマリインプットからプライマリアウトプッ
トまでのタイミング解析TAiステップ S5 前のTAi-1と現在のTAiの結果の比較ステップ S6 全配線に対する組情報Q(信号遷移状態、開始時
刻、遅延時間)の計算ステップ S7 カップリング容量パラメータkjを更新した抵抗
・容量ネットワークの作成ステップ S8 遅延解析結果の出力ステップ S9 最大容量の抵抗・容量ネットワークの採用ステッ
プ S10 タイミング改善ステップ S21 矩形スロット領域分割ステップ S22 概略配線経路の決定ステップ S23 矩形スロット領域に基づいたカップリング容量
パラメータkjを含んだ抵抗・容量ネットワークの作成
ステップ S24 kj=0又は1又は2で対接地容量化した抵抗
・容量ネットワークの作成ステップ S25 全基本素子及び配線の遅延時間の計算ステップ S26 プライマリインプットからプライマリアウトプ
ットまでのタイミング解析TAiステップ S27 前のTAi-1と現在のTAiの結果の比較ステッ
プ S28 全配線に対する組情報Q(信号遷移状態、開始
時刻、遅延時間)の計算ステップ S29 カップリング容量パラメータkjを更新した抵
抗・容量ネットワークの作成ステップ S30 遅延解析結果の出力ステップ S31 クロストーク改善ステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/82 H01L 21/82 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本素子とその間を接続する配線とから
    構成されるLSIの設計において既に配線パターンが定
    義されている場合の信号遅延解析方法であって、 着目した任意の配線ネットNtと、当該配線ネットNt
    任意の距離より近い位置にある他の配線ネットNaとが
    あり、前記配線ネットNt及びNaに対して寄生抵抗及び
    寄生容量を定義した抵抗・容量ネットワークにおいて前
    記配線ネットN t及びNaの間でカップリング容量C
    j(jは任意の自然数)が定義されているとき、前記カ
    ップリング容量Cjに対してあるパラメータkjを乗じた
    形で抵抗・容量ネットワークを作成する第1のステップ
    と、 前記パラメータkjを0か1か2のいずれかに初期化
    し、前記カップリング容量Cjを対接地に置き換えて新
    たな抵抗・容量ネットワークを作成する第2のステップ
    と、 前記第2のステップで得られた抵抗・容量ネットワーク
    から全ての基本素子及び配線ネットの遅延時間を計算す
    る第3のステップと、 前記第3のステップで得られた全ての基本素子及び配線
    ネットの遅延時間並びに基本素子の論理情報を基に、前
    記LSIのプライマリインプットからプライマリアウト
    プットまでのタイミング解析をi(iは2以上の自然
    数)回繰り返す毎に、第i回目のタイミング解析TAi
    を行う第4のステップと、 i−1回目とi回目のタイミング解析結果TAiとTA
    i-1とを比較する第5のステップと、 前記配線ネットNtにおける信号遷移状態とその開始時
    刻と遅延時間とを表す組情報を求める第6のステップ
    と、 前記第6のステップで求めた組情報を基に、前記配線ネ
    ットNtの信号遷移期間における配線ネットNt及びNa
    の各々の信号遷移状態に応じて前記パラメータkjを更
    新して、新たな抵抗・容量ネットワークを作成する第7
    のステップと、 前記第4から第7のステップをi回だけ繰り返した時点
    で、その回に求めた遅延時間とその前の回で求めた遅延
    時間との差が任意の指定値よりも大きいとき、前記配線
    ネットNtを、クロストークの影響を受け易いクリティ
    カルネットとして検出する第8のステップとを備えたこ
    とを特徴とする信号遅延解析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の信号遅延解析方法で検出
    されたクリティカルネットの遅延改善方法であって、 前記第7のステップで繰り返し得られた抵抗・容量ネッ
    トワークのうち、最大の遅延時間を導いた抵抗・容量ネ
    ットワークを採用する第9のステップと、 前記第9のステップで採用した抵抗・容量ネットワーク
    を基に、前記クリティカルネットとして検出された配線
    ネットNtの遅延を最小化するために、当該配線ネット
    tへのバッファ挿入、当該配線ネットNtの配線幅の拡
    大、当該配線ネットNtに隣接する配線との間隔の拡
    大、当該配線ネットNt又は隣接配線が存在する配線層
    の変更、当該配線ネットNtを駆動するトランジスタの
    能力の変更のいずれか、又はそれらの組み合わせを実施
    する第10のステップとを更に備え、 前記第10のステップで変更された配線ネットNtに対
    して再び前記第1から第10のステップを、タイミング
    違反が解消されるまで繰り返して行うことを特徴とする
    遅延改善方法。
  3. 【請求項3】 基本素子とその間を接続する配線とから
    構成されるLSIの設計において配線パターンが仮想的
    にしか定義されていない場合の信号遅延解析方法であっ
    て、 最終的にでき上がるLSI全体をいくつかの矩形スロッ
    トに分割する第1のステップと、 前記第1のステップで求めた矩形スロットを通過する配
    線経路を仮想的に定義する第2のステップと、 着目した任意の配線ネットNtと、当該配線ネットNt
    属する矩形スロットの中に存在する他の配線ネットNa
    とがあり、前記配線ネットNt及びNaに対して仮想的に
    寄生抵抗及び寄生容量を定義した抵抗・容量ネットワー
    クにおいて前記配線ネットNt及びNaの間でカップリン
    グ容量Cj(jは任意の自然数)が定義されていると
    き、前記カップリング容量Cjに対してあるパラメータ
    jを乗じた形で抵抗・容量ネットワークを作成する第
    3のステップと、 前記パラメータkjを0か1か2のいずれかに初期化
    し、前記カップリング容量Cjを対接地に置き換えて新
    たな抵抗・容量ネットワークを作成する第4のステップ
    と、 前記第4のステップで得られた抵抗・容量ネットワーク
    から全ての基本素子及び配線ネットの遅延時間を計算す
    る第5のステップと、 前記第5のステップで得られた全ての基本素子及び配線
    ネットの遅延時間並びに基本素子の論理情報を基に、前
    記LSIのプライマリインプットからプライマリアウト
    プットまでのタイミング解析をi(iは2以上の自然
    数)回繰り返す毎に、第i回目のタイミング解析TAi
    を行う第6のステップと、 i−1回目とi回目のタイミング解析結果TAiとTA
    i-1とを比較する第7のステップと、 前記配線ネットNtにおける信号遷移状態とその開始時
    刻と遅延時間とを表す組情報を求める第8のステップ
    と、 前記第8のステップで求めた組情報を基に、前記配線ネ
    ットNtの信号遷移期間における配線ネットNt及びNa
    の各々の信号遷移状態に応じて前記パラメータkjを更
    新して、新たな抵抗・容量ネットワークを作成する第9
    のステップと、 前記第6から第9のステップをi回だけ繰り返した時点
    で、その回に求めた遅延時間とその前の回で求めた遅延
    時間との差が任意の指定値よりも大きいとき、前記配線
    ネットNtを、クロストークの影響を受け易いクリティ
    カルネットとして検出する第10のステップとを備えた
    ことを特徴とする信号遅延解析方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の信号遅延解析方法で検出
    されたクリティカルネットの概略配線経路を当該クリテ
    ィカルネットと同一の矩形スロットに存在しない他のネ
    ットの経路に変更することにより、クロストークの影響
    を低減することを特徴とする遅延改善方法。
  5. 【請求項5】 論理設計からレイアウト設計へとトップ
    ダウンに設計を行うLSI設計方法であって、 論理設計が完了した後、論理セルを配置し、その間を配
    線するレイアウト設計を行うとき、配線経路を決定する
    概略配線ステップにおいて請求項4記載の遅延改善方法
    を採用し、 その後詳細配線を行った後に、最終的なタイミング決定
    を行うときに請求項2記載の遅延改善方法を採用するこ
    とを特徴とするLSI設計方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6950999B2 (en) * 2002-05-17 2005-09-27 Via Technologies Inc. Circuitry cross-talk analysis with consideration of signal transitions
JP2006107517A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Fujitsu Ltd クロストークを考慮したタイミング分析のためのシステム、方法及び論理装置
CN100359516C (zh) * 2003-07-16 2008-01-02 松下电器产业株式会社 延时计算方法、定时解析方法、计算对象网络的近似方法及延时控制方法
US7325212B2 (en) 2003-11-04 2008-01-29 Fujitsu Limited Method and device for electronic circuit designing, and computer product
JP2011124592A (ja) * 2003-09-18 2011-06-23 Hitachi Ltd 半導体装置の設計方法

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