JPWO2005036620A1 - 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
第1ステージをその位置偏差に応じて制御するコントローラ(56)と、前記位置偏差を零に漸近させる補正値群を繰り返し学習により取得するILCコントローラ(58)とを含む第1制御系(92)と;第2ステージをその位置偏差に応じて制御するコントローラ(66)と、前記位置偏差を零に漸近させる補正値群を繰り返し学習により取得するILCコントローラ(68)とを含み、両ステージの同期移動時には、第1ステージの現在位置に応じた指令値が与えられる第2制御系(94)と、対応する制御系に接続されたILCコントローラで取得される補正値群を逐次記憶するとともに、対応するILCコントローラが非接続とされた制御系にはそのILCコントローラで事前に取得された補正値群を位置偏差の補正値として逐次入力する制御装置(80)と;を備える。
Description
本発明は、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、半導体素子、液晶表示素子などの電子デバイスを製造するリソグラフィ工程で用いられる露光方法及び露光装置、並びに前記露光方法をリソグラフィ工程で用いるデバイス製造方法に関する。
半導体デバイスの製造現場では、現在、KrFエキシマレーザからの波長248nmの紫外パルスレーザ光、或いはArFエキシマレーザからの波長193nmの紫外パルスレーザ光を照明光とし、回路パターンが描画されたマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)と感光物体としてのウエハを縮小投影光学系の投影視野に対して相対的に1次元走査することで、ウエハ上の1つのショット領域内にレチクルの回路パターン全体を転写する走査露光動作とショット領域間ステッピング動作とを繰り返す、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャナ、あるいはスキャニング・ステッパとも呼ばれる)が主流となりつつある。この種のスキャニング・ステッパによると、256M(メガ)ビットD−RAMクラスの集積度を有し、最小線幅が0.25μmの回路デバイスの量産が可能である。更に、現在、1G(ギガ)ビット以上の次世代の回路デバイスを量産製造するための露光装置の開発も行われている。
ところで、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置では、レチクル(レチクルステージ)とウエハ(ウエハステージ)とを、投影光学系の投影倍率に応じた速度比を保ちながら、走査方向に関して同期移動しつつ露光を行い、レチクルに形成されたパターンをウエハ上の複数のショット領域にそれぞれ転写することがなされている。このため、走査型露光装置では、走査露光時のレチクルステージとウエハステージとの同期誤差という動的な要因が、ウエハ上に転写されたパターンの像の位置ずれ(又はディストーション)や分解能の劣化などの要因となる。従って、走査型露光装置では、走査露光時の両ステージの同期誤差を極力小さくすることが望ましく、これまでも同期誤差を低減するためのさまざまな提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかるに、これまでに提案されていた同期誤差低減に関する技術は、走査型露光装置一般、少なくとも同一機種の装置一般に共通する要因に着目した同期誤差を低減するものが殆どであった。このため、半導体メーカ(すなわち露光装置のユーザ)毎に、製造するデバイスの性能が異なるようになってきている今日においては、これまでに提案されている技術では、十分な対応が困難となりつつある。一方、半導体素子の高集積化、デバイスルール(実用最小線幅)の微細化は、将来的に更に進むことは疑い無く、より確実に同期誤差を低減させることも重要である。
かかる背景の下、走査型露光装置のレチクルステージとウエハステージとの同期誤差の低減を図り得る技術として、繰り返し学習制御(Iterative Learning Control)が最近注目されている。
また、走査型露光装置では、ウエハ上の複数のショット領域にレチクルのパターンを順次転写するに際し、スループット向上のため、通常レチクルを交互スキャン(往復スキャン)させることで、順次次のショット領域に対する露光を行う。このため、1つのショット領域に対するレチクルパターンの転写が終了した後、露光開始前のプリスキャン時(目標速度(露光時の走査速度)までの加速時間+加速終了後に速度が所定の誤差範囲で目標速度に収束するまでの整定時間)の移動距離と同じ距離だけ、露光終了時点から更にレチクルを移動して、レチクルを次ショット領域露光のための走査開始位置まで戻す動作(オーバースキャン)が必要であり、これに対応して、ウエハを次ショット領域(前記1つのショット領域の非走査方向に隣接する別のショット領域)の露光のため非走査方向に1ショット領域分ステッピングさせる動作に加えて走査方向に移動させる動作を含むショット領域間移動動作が必要となる。
繰り返し学習制御を、走査型露光装置のレチクルステージ(マスクステージ)とウエハステージ(物体ステージ)との同期誤差の低減のために採用する場合、上記のショット領域間移動動作の影響をも考えることが重要である。
本発明は、上述したような事情の下になされたもので、その第1の目的は、個々の露光装置固有のマスクと感光物体との同期誤差を低減して、マスクに形成されたパターンを感光物体上に精度良く転写することを可能とする露光方法及び露光装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、区画領域間の移動動作に起因する物体ステージの非走査方向に関する位置ずれを抑制して、パターンを感光物体上の各区画領域に精度良く転写することを可能とする露光方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、物体ステージの位置を補正しつつ、動作条件に応じて物体ステージを制御することを可能にする露光方法及び露光装置を提供することにある。
本発明の第4の目的は、物体ステージやマスクステージ等に繰り返し学習制御を採用する場合に、その繰り返し学習制御の効果を向上させることができる露光装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、マスクを保持するマスクステージと感光物体を保持する物体ステージとを所定の走査方向に同期移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上に転写する露光方法であって、前記物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群を考慮して前記マスクステージと前記物体ステージとを同期移動しながら、前記物体ステージの現在位置に応じた前記マスクステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第2の補正値群を繰り返し学習制御により得る第1工程と;前記第1の補正値群及び第2の補正値群をそれぞれ用いて前記物体ステージ及び前記マスクステージの位置を補正しながら、前記マスクステージと前記物体ステージとを前記走査方向に同期移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上に転写する第2工程と;を含む第1の露光方法である。
これによれば、実際の露光に先立って、物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群(これは、実験あるいは繰り返し学習制御などにより予め求められている)を考慮してマスクステージと物体ステージとを同期移動しながら、物体ステージの現在位置に応じたマスクステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第2の補正値群を繰り返し学習制御により得る(第1工程)。
そして、実際の露光の際には、第1の補正値群及び第2の補正値群をそれぞれ用いて物体ステージ及びマスクステージの位置を補正しながら、マスクステージと物体ステージとを走査方向に同期移動し、マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写する(第2工程)。すなわち、走査露光時に、物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群、及び物体ステージの現在位置に応じたマスクステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第2の補正値群をそれぞれ用いて物体ステージ及びマスクステージの位置が補正されるので、結果的に両ステージの同期誤差が効果的に低減された状態で、走査露光が行われることとなる。特に、マスクステージの物体ステージに対する追従誤差を零に漸近させるための第2の補正値群は、事前に行われている繰り返し学習制御によって取得されているので、本発明の露光方法が適用される露光装置固有のマスクと感光物体との同期誤差をも確実に低減することができ、マスクに形成されたパターンを感光物体上に精度良く転写することが可能となる。
この場合において、前記第1工程に先立って、前記物体ステージを前記第1工程と同様に移動しながら前記第1の補正値群を繰り返し学習制御により得る第3工程を、更に含むこととすることができる。
また、前記第1工程では、前記同期移動中に前記第1の補正値群を得るための繰り返し学習制御が並行して実行されることとすることができる。すなわち、露光に先立って、マスクステージと物体ステージとを同期移動しながら、第2の補正値群のみでなく、第1の補正値群も繰り返し学習制御により取得することとすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、感光物体を保持する物体ステージを所定の走査方向に移動し、前記感光物体上の複数の区画領域をそれぞれ露光して各区画領域に所定のパターンを形成する露光方法であって、実際の露光動作に先立って、1つの区画領域に対する露光と次の区画領域に対する露光との間で実行される区画領域間の移動動作時と同様に前記走査方向及びこれに直交する非走査方向にともに交差する所定の経路に沿って前記物体ステージを移動しながら、前記非走査方向に関する前記物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群を繰り返し学習制御により得る第1工程と;前記第1の補正値群を考慮して前記物体ステージの前記非走査方向の位置を補正しながら前記区画領域間の移動動作を行うとともに、該区画領域間の移動動作の前後で前記物体ステージを前記走査方向に移動して前記露光を行い、前記パターンを前記感光物体上の各区画領域に形成する第2工程と;を含む第2の露光方法である。
これによれば、実際の露光動作に先立って、1つの区画領域に対する露光と次の区画領域に対する露光との間で実行される区画領域間の移動動作時と同様に走査方向及びこれに直交する非走査方向にともに交差する所定の経路に沿って物体ステージを移動しながら、非走査方向に関する物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群を繰り返し学習制御により得る(第1工程)。この場合に得られる第1の補正値群は、物体ステージを非走査方向にのみ移動する繰り返し学習制御により得られた補正値群とは異なり、物体ステージの走査方向への移動が非走査方向への移動に対して与える影響が結果的に考慮された、物体ステージの実際の区画領域間の移動動作により近い補正値群となる。また、この第1の補正値群は、繰り返し学習制御によって取得されているので、本発明の露光方法が適用される露光装置固有の物体ステージの区画領域間移動動作に起因する物体ステージの非走査方向の位置誤差を確実に低減することができる。
そして、実際の露光動作の際には、上記の第1の補正値群を考慮して物体ステージの非走査方向の位置を補正しながら実際の区画領域間の移動動作を行うとともに、該区画領域間の移動動作の前後で物体ステージを走査方向に移動して露光を行いパターンを感光物体上の各区画領域に形成する(第2工程)。従って、物体ステージの区画領域間の移動動作が終了し、次の区画領域に対する露光が開始される時点では、区画領域間の移動動作に伴う物体ステージの非走査方向の位置ずれがほぼ確実に補正され、この状態で露光が行われることとなる。従って、物体ステージの区画領域間の移動動作に起因する非走査方向に関する位置誤差殆ど存在しない状態で行われる露光により、パターンを感光物体上の各区画領域に精度良く形成することが可能となる。
この場合において、前記第1工程では、所定の経路に沿って前記物体ステージを移動する際に、前記走査方向に関する前記物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第2の補正値群を考慮して前記物体ステージの前記走査方向に関する位置を補正することとすることができる。
この場合において、第1工程に先立って、上記第2の補正値群を求めるための実験などを行うこととすることもできるが、前記第1工程に先立って、露光の際の前記走査方向への移動時と同様にして前記物体ステージを前記走査方向に移動しながら前記第2の補正値群を繰り返し学習制御により得る第3工程を、更に含むこととすることもできる。
本発明は、第3の観点からすると、感光物体を保持する物体ステージを所定の走査方向に移動し、前記感光物体上の複数の区画領域をそれぞれ露光して各区画領域に所定のパターンを形成する露光方法であって、前記物体ステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群の中から選択された動作条件に対応する補正値群に基づいて、前記物体ステージの位置を補正しつつ、前記物体ステージを前記動作条件に応じて制御する露光工程を含む第3の露光方法である。
これによれば、露光工程において、物体ステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群の中から選択された動作条件に対応する補正値群に基づいて、物体ステージの位置を補正しつつ、物体ステージを動作条件に応じて制御する。すなわち、露光工程における物体ステージの動作条件として複数の動作条件が設定されるのが通常であるが、その複数の動作条件毎に、物体ステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群を実験又は繰り返し学習制御などにより予め求めておき、実際の露光工程では、そのときの動作条件に対応する補正値群を複数の補正値群の中から選択し、その補正値群に基づいて、物体ステージの位置を補正しつつ、物体ステージを動作条件に応じて制御する。従って、動作条件のいかんにかかわらず、物体ステージの位置を補正しつつ、動作条件に応じて物体ステージを制御することが可能となる。
この場合において、前記複数の補正値群は、同一行の複数の区画領域を連続して露光する際の前記物体ステージの動作パターンと、異なる行の複数の区画領域を連続して露光する際の前記物体ステージの動作パターンとに、個別に対応する補正値群を含むこととすることもできるし、あるいは、前記複数の補正値群は、前記物体ステージの複数の動作シーケンスに個別に対応する補正値群を含むこととすることもできる。
本発明の第3の露光方法では、前記複数の補正値群は、前記物体ステージの前記走査方向に関する走査動作及びステップ動作、並びに前記走査方向に直交する非走査方向に関するステップ動作のそれぞれに個別に対応する補正値群を含むこととすることができる。
また、前記各補正値群は、動作条件毎に実験などを行って予め求められていることとすることもできるが、前記各補正値群は、動作条件毎に予め行われた繰り返し学習制御によってそれぞれ取得されていることとすることもできる。
また、本発明の第3の露光方法では、前記所定のパターンはマスクに形成されたものであり、露光の際は、前記マスクを保持するマスクステージと前記物体ステージとが所定の走査方向に同期移動することで前記所定のパターンが前記感光物体上の複数の区画領域にそれぞれ転写され、更に前記露光工程では、前記マスクステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値群に基づいて、前記マスクステージの位置が補正されることとすることもできる。
この場合において、前記マスクステージの位置を補正するための前記補正値群は、実験などにより予め取得することとすることもできるが、前記マスクステージの位置を補正するための前記補正値群は、予め行われた繰り返し学習制御によって取得されていることとすることもできる。
この場合において、前記露光工程では、前記動作条件として1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で前記走査方向に関して前記両ステージが一旦停止する前記両ステージの移動シーケンスが設定され、前記1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に前記両ステージの加速を開始することとすることができる。
本発明は、第4の観点からすると、請求項15に記載の発明は、マスクと感光物体とを所定の走査方向に同期移動し、前記マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写する露光装置であって、前記マスクを載置可能であるとともに、少なくとも前記走査方向に移動可能なマスクステージと;前記感光物体を載置可能であるとともに、少なくとも前記走査方向に移動可能な物体ステージと;前記物体ステージをその目標位置と現在位置との差である位置偏差に応じて制御する第1制御系と、前記位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群を繰り返し学習により取得する第1の学習コントローラとを含む物体ステージ制御系と;前記マスクステージをその目標位置と現在位置との差である位置偏差に応じて制御する第2制御系と、前記位置偏差を零に漸近させる第2の補正値群を繰り返し学習により取得する第2の学習コントローラとを含み、前記同期移動時には、前記物体ステージの現在位置に応じた指令値が前記目標位置として与えられるマスクステージ制御系と;設定条件に応じて、前記第1及び第2の学習コントローラを対応する制御系に対して接続状態又は非接続状態に設定し、対応する制御系に対して接続状態に設定された特定の学習コントローラで取得される補正値群を逐次記憶するとともに、対応する学習コントローラが非接続状態とされた制御系に対しては前記対応する学習コントローラで事前に取得された対応する補正値群を前記位置偏差の補正値として逐次入力する制御装置と;を備える第1の露光装置である。
これによれば、例えば、露光に先立って、第1の学習コントローラを物体ステージ制御系に非接続状態とし、かつ第2の学習コントローラをマスクステージ制御系に対して接続状態とする設定条件が設定された場合、制御装置によりその設定条件に応じた設定が行われ、物体ステージ制御系とマスクステージ制御系により、マスクステージと物体ステージとの同期移動、すなわちマスクステージの物体ステージに対する追従制御が行われる。この際に、制御装置により、物体ステージ制御系に対しては第1の学習コントローラで事前に取得された対応する補正値群(第1の補正値群)が位置偏差の補正値として逐次入力され、物体ステージ制御系によりこの第1の補正値群を用いて物体ステージの位置偏差を零に漸近させるような物体ステージの位置補正が行われる。ここで、第1の学習コントローラで事前に取得された第2の補正値群が存在しない場合には、事実上補正は行われない。また、上記のマスクステージの物体ステージに対する追従制御の際に、物体ステージの位置補正と並行して、制御装置により第2の学習コントローラで繰り返し学習制御により取得される第2の補正値群が記憶される。
あるいは、露光に先立って、第1の学習コントローラを物体ステージ制御系に接続状態とし、かつ第2の学習コントローラをマスクステージ制御系に対して接続状態とする設定条件が設定された場合、制御装置によりその設定条件に応じた設定が行われ、物体ステージ制御系とマスクステージ制御系により、マスクステージと物体ステージとの同期移動、すなわち上述のマスクステージの物体ステージに対する追従制御が行われる。この際に、制御装置により、第1の学習コントローラで繰り返し学習制御により取得される第1の補正値群、及び第2の学習コントローラで繰り返し学習制御により取得される第2の補正値群が記憶される。
また、露光の際に、第1の学習コントローラを物体ステージ制御系に非接続状態とし、かつ第2の学習コントローラをマスクステージ制御系に対して非接続状態とする設定条件が設定された場合、制御装置によりその設定条件に応じた設定が行われ、物体ステージ制御系とマスクステージ制御系により、マスクステージと物体ステージとの同期移動が行われ、この同期移動中にマスクのパターンが感光物体上に転写される。このとき、制御装置により、物体ステージ制御系に対しては第1の学習コントローラで事前に取得された対応する補正値群(事前に取得された第1の補正値群又は上記記憶された第1の補正値群)が位置偏差の補正値として逐次入力されるのと並行して、マスクステージ制御系に対しては第2の学習コントローラで事前に取得された対応する補正値群として上記記憶された第2の補正値群が位置偏差の補正値として逐次入力される。これにより、物体ステージ制御系により第1の補正値群を用いて物体ステージの位置偏差を零に漸近させるような物体ステージの位置補正が行われるのと並行して、マスクステージ制御系により第2の補正値群を用いてマスクステージの位置偏差を零に漸近させるようなマスクステージの位置補正が行われる。
このように、本発明では、両ステージの同期誤差が効果的に低減された状態で、走査露光が行われ、しかも第1、第2の補正値群は、事前に行われている繰り返し学習制御によって取得されているので、露光装置固有のマスクステージと物体ステージとの同期誤差をも確実に低減することができ、これによりマスクに形成されたパターンを感光物体上に精度良く転写することが可能となる。
この場合において、前記設定条件として、前記第1の学習コントローラを前記物体ステージ制御系に接続させる第1条件と、前記第2の学習コントローラを前記マスクステージ制御系に接続させる第2条件とが、設定可能であることとすることができる。あるいは、前記設定条件として、前記第1、第2の学習コントローラを前記物体ステージ制御系、マスクステージ制御系にそれぞれ接続させる第1条件と、前記第1、第2の学習コントローラを前記物体ステージ制御系、マスクステージ制御系に対して非接続状態とする第2条件とが、設定可能であることとすることができる。
本発明は、第5の観点からすると、感光物体を所定の走査方向に移動し、前記感光物体上の複数の区画領域をそれぞれ露光して各区画領域に所定のパターンを形成する露光装置であって、前記感光物体を載置可能であるとともに、前記走査方向及びこれに直交する非走査方向を含む2次元方向に移動可能な物体ステージと;前記物体ステージを制御するとともに、前記物体ステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群の中から選択された動作条件に対応する補正値群に基づいて、前記物体ステージの位置を補正するステージ制御系と;を備える第2の露光装置である。
これによれば、物体ステージを制御するステージ制御系が、物体ステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群の中から選択された動作条件に対応する補正値群に基づいて、物体ステージの位置を補正する。すなわち、物体ステージの動作条件として複数の動作条件が設定されるのが通常であるが、その複数の動作条件毎に、物体ステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群を実験又は繰り返し学習制御などにより予め求めておき、実際の露光工程では、ステージ制御系が(あるいはその上位装置がステージ制御系を介して)、そのときの動作条件に対応する補正値群を複数の補正値群の中から選択し、その補正値群に基づいて、物体ステージの位置を補正しつつ、物体ステージを動作条件に応じて制御する。従って、動作条件のいかんにかかわらず、物体ステージの位置を補正しつつ、動作条件に応じて物体ステージを制御することが可能となる。
この場合において、前記複数の補正値群は、同一行の複数の区画領域を連続して露光する際の前記物体ステージの動作パターンと、異なる行の複数の区画領域を連続して露光する際の前記物体ステージの動作パターンとに、個別に対応する補正値群を含むこととすることもできるし、あるいは、前記補正値群は、前記物体ステージの複数の動作シーケンスに個別に対応する補正値群を含むこととすることもできる。
本発明の、第2の露光装置では、前記各補正値群は、前記物体ステージの前記走査方向に関する走査動作及びステップ動作、並びに前記非走査方向に関するステップ動作のそれぞれに個別に対応する補正値群を含むこととすることができる。
また、前記各補正値群は、動作条件毎に予め行われた繰り返し学習制御によってそれぞれ取得されていることとすることができる。
この場合において、 前記所定のパターンが形成されたマスクを載置可能であるとともに、少なくとも前記走査方向に移動可能なマスクステージを更に備える場合、前記ステージ制御系は、1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で前記走査方向に関して前記物体ステージと前記マスクステージとが一旦停止する前記両ステージの移動シーケンスを実行する際に、前記1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に前記両ステージの加速を開始することとすることができる。
本発明の第2の露光装置では、前記ステージ制御系は、前記マスクステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値群に基づいて、前記物体ステージとの同期移動時における前記マスクステージの位置を更に補正することとすることができる。
この場合において、前記マスクステージの位置を補正するための前記補正値群は、予め行われた繰り返し学習制御によって取得されていることとすることができる。
この場合において、前記ステージ制御系は、1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で前記走査方向に関して前記両ステージが一旦停止する前記両ステージの移動シーケンスを実行する際に、前記1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に前記両ステージの加速を開始することとすることができる。
本発明は、第6の観点からすると、マスクと感光物体とを所定の走査方向に同期移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上の複数の区画領域にそれぞれ転写する露光装置であって、前記マスクを載置可能であるとともに、少なくとも前記走査方向に移動可能なマスクステージと;前記感光物体を載置可能であるとともに、前記走査方向及びこれに直交する非走査方向の2次元方向に移動可能な物体ステージと;前記両ステージを制御するとともに、1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で前記走査方向に関して前記両ステージが一旦停止する前記両ステージの移動シーケンスを実行する際に、前記1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に前記両ステージの加速を開始するステージ制御系と;を備える第3の露光装置である。
これによれば、マスクステージと物体ステージとを制御するステージ制御系が、1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で走査方向に関して前記両ステージが一旦停止する両ステージの移動シーケンスを実行する際に、1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に両ステージの加速を開始する。このため、両ステージの停止時間が一定になり(通常、減速時間は一定なため)区画領域の露光終了後の両ステージの減速時に生じる振動の減衰に関する再現性を高くすることができる。この結果、加速開始時点においては、常に同じような振動(許容レベル内の振動)が残っているようにすることができ、物体ステージとマスクステージとの少なくとも一方に繰り返し学習制御を採用する場合などにおいて、その繰り返し学習制御の効果を向上させることができる。繰り返し学習制御は、再現性のある振動などの現象に対して有効だからである。
また、リソグラフィ工程において、本発明の第1〜第3の露光方法を用いて感光物体上にパターンを転写することにより、高集積度のマイクロデバイスの生産性を向上することが可能である。従って、本発明は、更に別の観点からすると、本発明の第1〜第3の露光方法のいずれかを用いるデバイス製造方法であるとも言える。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る露光装置10の全体構成が概略的に示されている。この露光装置10は、半導体素子を製造するリソグラフィ装置として現在主流となりつつある、ステップ・アンド・スキャン方式により露光動作を行う投影露光装置である。この露光装置10は、マスクとしてのレチクルRに形成された回路パターンの一部の像を投影光学系PLを介して感光物体としてのウエハW上に投影しつつ、レチクルRとウエハWとを投影光学系PLの視野に対して1次元方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に相対走査することによって、レチクルRの回路パターンの全体をウエハW上の複数のショット領域(以下、適宜「ショット領域」と略述する)の各々にステップ・アンド・スキャン方式で転写するものである。
この露光装置10は、照明ユニットILU、マスクステージとしてのレチクルステージRST、投影光学系PL、物体ステージとしてのウエハステージWST及びこれらの制御系を備えている。
前記照明ユニットILUは、例えば出力波長248nmのKrFエキシマレーザ、或いは出力波長193nmのArFエキシマレーザなどのパルスレーザ光源から成る露光用の光源(不図示)に、BMU(ビームマッチングユニット)と呼ばれる光軸調整用の光学系を一部に含む、送光光学系を介して接続されている。
ここで、光源からの紫外域のパルスレーザ光(以下、適宜「エキシマレーザ光」、「パルス照明光」あるいは「パルス紫外光」ともいう)を露光用照明光(以下、適宜「照明光」と略述する)ILとして用いるのは、256M(メガ)〜4G(ギガ)bitクラス以上の半導体メモリ素子(D−RAM)相当の集積度と微細度とを持つマイクロ回路デバイスの量産製造に必要とされる最小線幅0.25〜0.10μm程度のパターン解像力を得るためである。従って、光源としてF2レーザなどの真空紫外域のパルスレーザ光を出力するレーザ光源を用いても良い。
エキシマレーザを光源とするステップ・アンド・スキャン方式の露光装置の一例は、例えば特開平2−229423号公報及びこれに対応する米国特許4,924,257号、特開平6−132195号公報及びこれに対応する米国特許5,477,304号、並びに特開平7−142354号公報及びこれに対応する米国特許5,534,970号などに開示されている。従って図1の露光装置10においても、上記の各特許公開公報に開示された基礎技術をそのまま、或いは部分的に変更して適用することが可能である。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報及び対応する各米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
前記照明ユニットILUは、照明系ハウジングと、該ハウジング内部に所定の位置関係で収容されたオプティカルインテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、可変視野絞り(レチクルブラインド又はマスキングブレードとも呼ばれる)、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含む照明光学系とを備えている。本実施形態と同様の照明光学系の構成は、例えば特開2001−313250号公報及びこれに対応する米国特許出願公開第2003/0025890号などに開示されている。この他、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号などに開示されるような照明光学系と同様に照明光学系を構成しても良い。ここで、オプティカルインテグレータとしてはフライアイレンズ、内面反射型インテグレータ(ロッドインテグレータ等)、あるいは回折光学素子等が用いられる。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報及び対応する米国特許出願公開又は米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
この照明ユニットILUでは、回路パターン等が描かれたレチクルR上で、レチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域(X軸方向に細長い長方形状の照明領域)RA(図2(A)参照)を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。
前記レチクルステージRSTは、図1に示されるように、照明ユニットILUの下方に配置されている。このレチクルステージRSTは、実際には、リニアモータ等のアクチュエータを含むレチクル駆動系29によって駆動され、不図示のレチクルベース定盤上をY軸方向に大きなストロークで直線駆動されるとともに、X軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微小駆動されるようになっている。レチクルステージRST上に前記レチクルRが吸着保持されている。
レチクルステージRSTにはレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」と略述する)30からのレーザビームを反射する移動鏡31が固定されており、レチクルステージRSTの移動面内の位置はレチクル干渉計30によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。
ここで、実際には、図2(A)の平面図に示されるように、レチクルステージRSTの+X側の端部にはY軸方向に延びたX軸移動鏡31xが固定され、また、+Y方向の端部には、レトロリフレクタよりなる2個のY軸移動鏡31y1,31y2がそれぞれ固定されている。前者の移動鏡31xにはX軸に平行にレーザビームLRXが照射され、後者の移動鏡31y1,31y2にはそれぞれY軸に平行にレーザビームLRL,LRRが照射されている。レーザビームLRX,LRL,LRRはそれぞれ図1のレチクル干渉計30から供給されている。
この場合、レトロリフレクタから成るY軸移動鏡31y1,31y2で反射されたレーザビームLRL,LRRはそれぞれ反射ミラー39A,39Bで反射されて戻されている。すなわち、そのレチクル用のY軸干渉計はダブルパス干渉計であり、これによって、レチクルステージRSTが回転してもレーザビームの位置ずれが生じない構成になっている。なお、図2(A)において符号RAはレチクルR上のスリット状の照明領域を示す。
上記の如く、レチクルステージRSTにはX軸の移動鏡31x、及び2個のY軸の移動鏡31y1,31y2が固定され、これに対応してレチクル干渉計30も3軸のレーザ干渉計から構成されているが、図1では、これらが代表して移動鏡31、レチクル干渉計30として示されている。
なお、例えば、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(例えば移動鏡31xの反射面に相当)を形成しても良い。
レチクル干渉計30の出力は、レチクルステージ制御ユニット33、並びに制御装置としての同期制御ユニット80及びこれを介して主制御装置50に供給されている。レチクルステージ制御ユニット33は、基本的にはレチクル干渉計30から出力される位置情報が指令値(目標位置)と一致するようにレチクルステージRSTを駆動するレチクル駆動系29を制御する。
前記投影光学系PLとしては、ここでは、物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る1/4(又は1/5)縮小倍率の屈折光学系が使用されている。この投影光学系PLの光軸AXの方向がZ軸方向とされている。この場合、レチクルR上の回路パターン領域のうちのパルス紫外光によって照明された部分からの結像光束が、投影光学系PLを介して、後述するウエハステージWST上に吸着されたウエハW上のレジスト層に1/4又は1/5に縮小されて投影される。
なお、投影光学系PLを特開平3−282527号公報及びこれに対応する米国特許第5,220,454号などに開示されているように屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系としても良いことは勿論である。
前記ウエハステージWSTは、その底面に設けられた不図示の気体静圧軸受により不図示のベース上に所定のクリアランスを介して浮上支持され、リニアモータ等のアクチュエータを含むウエハ駆動系48によって、X軸方向、Y軸方向に自在に駆動されるとともに、Z軸方向、θz方向、θx方向(X軸回りの回転方向)及びθy方向(Y軸回りの回転方向)に微小駆動されるようになっている。
なお、ウエハ駆動系48は、ウエハステージ制御ユニット78によって制御されるようになっている。
ウエハステージWST上には、ほぼ円形の不図示のウエハホルダが設けられており、このウエハホルダにウエハWが静電吸着され、平坦化矯正されて保持されている。このウエハホルダはウエハWの露光時の熱蓄積による膨脹変形を抑えるために温度制御されている。
なお、図1では図示が省略されているが、投影光学系PLの結像面とウエハW表面とのZ軸方向の偏差(フォーカス誤差)や傾斜(レベリング誤差)を検出するフォーカス・レベリング検出系が投影光学系PLの近傍に設けられ、ウエハステージ制御ユニット78はフォーカス・レベリング検出系からのフォーカス誤差信号やレベリング誤差信号に応答してウエハ駆動系48に駆動指令を出力する。そのようなフォーカス・レベリング検出系の一例は、特開平7−201699号公報などに詳細に開示されている。なお、このフォーカス・レベリング検出系の出力は、ウエハステージ制御ユニット78を介して同期制御ユニット80及びこれを介して主制御装置50にも供給されるようになっている。
前記ウエハステージWSTの位置は、レーザ干渉計システム76によって逐次計測されている。これを更に詳述すると、ウエハステージWSTの−Y側及び−X側の各端面には鏡面加工が施され反射面がそれぞれ形成されている。そして、ウエハステージWSTの−X側の反射面には、図2(B)に示されるように、X軸に平行な光路に沿って間隔Dで2本のレーザビームLWX1及びLWX2がそれぞれ照射されている。これら2本のレーザビームLWX1及びLWX2は、投影光学系PLの光軸AXを通るX軸から同一の距離にある。また、ウエハステージWSTの−Y側の反射面には、Y軸に平行な光路に沿って間隔Dで2本のレーザビームLWY1及びLWY2がそれぞれ照射されている。これら2本のレーザビームLWY1及びLWY2は、投影光学系PLの光軸AXを通るY軸から同一の距離にある。
レーザビームLWX1,LWX2,LWY1,LWY2はそれぞれ図1のレーザ干渉計システム76を構成する干渉計から供給されている。
上記4軸のレーザ干渉計システム76の出力は、ウエハステージ制御ユニット78、並びに同期制御ユニット80及びこれを介して主制御装置50に供給されている。同期制御ユニット80では、レーザビームLWX1、LWX2を測長軸とする2つのX軸干渉計の出力(WX1、WX2)の平均値に基づいてウエハステージWSTのX位置を計測し、レーザビームLWY1,LWY2を測長軸とする2つのY軸干渉計の出力(WY1,WY2)の平均値に基づいてウエハステージWSTのY位置を計測し、レーザビームLWX1を測長軸とする干渉計の出力とレーザビームLWX2を測長軸とする干渉計の出力との差(又はレーザビームLWY1を測長軸とする干渉計の出力とレーザビームLWY2を測長軸とする干渉計の出力との差)と、間隔Dとに基づいてウエハステージWSTのXY面内での回転角を算出するようになっている。
このように、ウエハ側のレーザ干渉計は複数設けられているが、図1ではこれらが代表的にレーザ干渉計システム76として示されている。なお、ウエハステージWSTに形成された前述の各反射面に代えて、平面ミラーから成る移動鏡を設けても良い。
前記ウエハステージWST上には、その表面がウエハWの表面とほぼ同じ高さとなるようにされた基準マーク板FMが設けられている。この基準マーク板FMの表面には種々の基準マークが形成され、それらの基準マークは、各アライメント検出系の検出中心点のチェック(キャリブレーション)、それら検出中心点と投影光学系の投影中心との距離(ベースライン)の計測、レチクルRのウエハ座標系に対する位置チェック、又はレチクルRのパターン面と共役な最良結像面のZ方向の位置チェック等のために使われる。
さらに、本実施形態の露光装置10では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを同期移動させるための同期制御ユニット80が、制御系内に設けられている。この同期制御ユニット80は、特に走査露光時に、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを同期移動させる際に、レチクルステージ制御ユニット33によるレチクル駆動系29の制御とウエハステージ制御ユニット78によるウエハ駆動系48の制御とを相互に連動させるために、レチクル干渉計30、レーザ干渉計システム76で計測されるレチクルRとウエハWの各位置情報をリアルタイムにモニタし、それらの相互の関係が所定のものとなるように管理する。その同期制御ユニット80は、主制御装置50からの各種のコマンドやパラメータの設定情報によって制御される。このように、本実施形態では、同期制御ユニット80、レチクルステージ制御ユニット33及びウエハステージ制御ユニット78によって、両ステージRST,WSTを制御するステージ制御系(これについては更に後述する)が構成されている。
本実施形態の露光装置10では、前記制御系は、実際には、上述した光源及び露光装置本体各部のユニット(照明ユニットILU、レチクルステージRST、ウエハステージWST、ウエハ搬送系等)の各々を個別に制御する複数のユニット側コンピュータ(マイクロセッサ等)と、これらのユニット側コンピュータを統括的に制御するワークステーションなどから成る主制御装置50とを備えた分散型システムとして構築されている。
本実施形態では、上記の複数のユニット側コンピュータが主制御装置50と連携することによって、複数枚のウエハに対する一連の露光処理が実行される。その一連の露光処理の全体的なシーケンスは主制御装置50によって、不図示のメモリに記憶されたプロセスプログラムと呼ばれる所定の露光条件の設定ファイルに従って統括制御される。
プロセスプログラムはオペレータが作成した露光処理ファイル名のもとに、露光すべきウエハに関する情報(処理枚数、ショット領域サイズ、ショット領域配列データ、アライメントマーク配置データ、アライメント条件等)、使用するレチクルに関する情報(パターンの種別データ、各マークの配置データ、回路パターン領域のサイズ等)、そして露光条件に関する情報(露光量、フォーカスオフセット量、走査速度のオフセット量、投影倍率オフセット量、各種の収差や像歪みの補正量、照明光学系の開口数やコヒーレンスファクタσ値等の設定値、投影光学系の開口数の設定値等)をパラメータ群のパッケージとして記憶するものである。
主制御装置50は、実行指示されたプロセスプログラムを解読してウエハの露光処理に必要な各構成要素の動作を、対応するユニット側コンピュータにコマンドとして次々に指令していく。このとき、各ユニット側コンピュータは1つのコマンドを正常終了すると、その旨のステータスを主制御装置50に送出し、これを受けた主制御装置50はユニット側コンピュータに対して次のコマンドを送るようになっている。
図3には、本実施形態に係る走査型露光装置10のステージ制御系90のブロック図が示されている。このステージ制御系90は、同期制御ユニット80と、ウエハステージ制御系92と、レチクルステージ制御系94とを含んで構成されている。
前記ウエハステージ制御系92は、主制御装置50からの指示に応じて同期制御ユニット80から出力されるウエハステージWSTに対する位置指令値PWに基づいて、ウエハステージWSTの位置をフィードバック制御するフィードバック制御系である。このウエハステージ制御系92は、位置指令値PWとウエハステージWSTの位置との差である位置偏差を演算する減算器52、該減算器52の出力段に設けられた加算器54、該加算器54の出力信号を動作信号として例えば(比例+積分+微分)制御動作を行なうPIDコントローラ(あるいは(比例+積分)制御動作を行うPIコントローラ)から成るウエハステージコントローラ56、及び制御対象Wpとしてのウエハステージ系等を含んで構成されている。本実施形態では、ウエハステージWSTをその位置偏差に応じて制御する第1制御系が、ウエハステージコントローラ56によって構成されている。
ここで、制御対象Wpは、直接的にはウエハ駆動系48であるが、ウエハ駆動系48によってウエハステージWSTが駆動され、このウエハステージWSTの位置情報がレーザ干渉計システム76によって計測され、この計測された位置情報が減算器52にフィードバック入力されることにより位置制御ループが構成される。その意味からすると、制御対象Wpは実質的にはウエハ駆動系48及びウエハステージWSTを含むウエハステージ系であると言える。従って、以下では、ウエハステージ系Wp(この伝達関数はWp)と記述する。
ウエハステージ制御系92を構成する減算器52の出力端が、回路開閉用のスイッチSW1を介して第1学習コントローラとしてのILCコントローラ58の入力端に接続され、このILCコントローラ58の出力端が、加算器54の第1の入力端に接続されている。この加算器54の第2の入力端には、前述の減算器52の出力端が接続されている。従って、スイッチSW1がON状態のとき、加算器54では、減算器52から出力される位置偏差ΔPwとILCコントローラ58の出力である補正値とを加算した動作信号をウエハステージコントローラ56に出力する。
また、ILCコントローラ58の出力である補正値は、同期制御ユニット80に対しても出力されるようになっている。
ここで、ILCコントローラ58について簡単に説明する。
このILCコントローラ58は、ILC積分器及び該ILC積分器の出力段に接続されたILC補償器を含んで構成することができる。ILC積分器は、トラッキング(追従)エラーを記憶するメモリであり、z変換の演算子をZとして、そのILC積分器の伝達関数は、一例としてZ-1/(1−Z-1)で表される。このILC積分器では、各繰り返しで発生したトラッキング(追従)エラーが毎回メモリ内の値に加算される。
ILC補償器は、一例として学習ゲイン、フィルタ等を含んで構成することができる。学習ゲインKは、学習の収束速度及び収束安定性の調整に用いられるパラメータであり、その大きさは、ILC補償器の伝達関数をGcとし、ILCコントローラ58の制御対象の伝達関数(ILCコントローラ58を除く、フィードバック制御系の閉ループ伝達関数)をGpとすると、学習の収束条件である|1−GcGp|<1を満たすように設定される。ここで、ウエハステージコントローラの伝達関数をWcとすると、Gp=Wc・Wp/(1+Wc・Wp)の関係がある。
前記フィルタは、位相特性、ゲイン特性の微調整、ノイズ除去用などに用いられる。このフィルタとして、例えばウエハステージコントローラの伝達関数と、ウエハステージ系の伝達関数との積に対する逆伝達関数を有するいわゆる逆システムと、その逆システムから出力される高周波成分を除去するためのローパスフィルタとの組み合わせを適用することができる。
この他、学習の収束安定性を良くするためにマイナスの無駄時間要素を用いても良い。
前記レチクルステージ制御系94は、同期制御ユニット80から出力されるレチクルステージRSTに対する位置指令値PRに基づいて、レチクルステージRSTの位置をフィードバック制御するフィードバック制御系である。このレチクルステージ制御系94は、位置指令値PRとレチクルステージRSTの位置との差である位置偏差ΔPRを演算する減算器62、該減算器62の出力段に設けられた加算器64、該加算器64の出力信号を動作信号として例えば(比例+積分+微分)制御動作を行なうPIDコントローラ(あるいは(比例+積分)制御動作を行うPIコントローラ)から構成されるレチクルステージコントローラ66、及び制御対象Rpとしてのレチクルステージ系等を含んで構成されている。本実施形態では、レチクルステージRSTをその位置偏差に応じて制御する第2制御系がレチクルステージコントローラ66によって構成されている。
ここで、制御対象Rpは、直接的にはレチクル駆動系29であるが、レチクル駆動系29によってレチクルステージRSTが駆動され、このレチクルステージRSTの位置情報がレチクル干渉計30によって計測され、この計測された位置情報が減算器62にフィードバック入力されることにより位置制御ループが構成される。その意味からすると、制御対象Rpは実質的にはレチクル駆動系29及びレチクルステージRSTを含むレチクルステージ系であると言える。従って、以下では、レチクルステージ系Rpと記述する。
レチクルステージ制御系94を構成する減算器62の出力端が、回路開閉用のスイッチSW2を介して第2学習コントローラとしてのILCコントローラ68の入力端に接続され、このILCコントローラ68の出力端が、加算器64の第1の入力端に接続されている。この加算器64の第2の入力端には、減算器62の出力端が接続されている。従って、スイッチSW2がON状態のとき、加算器64では、減算器62から出力される位置偏差とILCコントローラ68の出力である補正値とを加算した動作信号をレチクルステージコントローラ66に出力する。
ILCコントローラ68は、前述のILCコントローラ58と同様に構成されている。このILCコントローラ68の出力である補正値は、同期制御ユニット80に対しても出力されるようになっている。
前記同期制御ユニット80は、ユニット側コンピュータの1つであり、次のa.〜f.のような種々の役割を有している。
a.同期制御ユニット80は、主制御装置50からの指示に基づき、減算器52に対して位置指令値PWを出力する。
b.同期制御ユニット80は、例えばウエハステージWSTに対するレチクルステージRSTの追従制御を行う場合に、ウエハステージ制御系92の出力であるウエハステージWSTの位置情報(WX1,WX2,WY1,WY2)に基づき次式(1)に基づいてレチクルステージRST、すなわちレチクルRの位置を計測するレチクル干渉計30の3軸の計測値(RX、RL、RR)の目標値(RX’、RL’、RR’)を算出し、これをレチクルステージ制御系94に対して位置指令値PRとして出力する。
式(1)において、右辺第1項の3行4列の行列は変換係数行列であり、右辺第2項の3行1列の行列はオフセットである。
なお、上記の位置情報(WX1,WX2,WY1,WY2)は、レーザ干渉計システム76を構成する各干渉計の計測値である。
c.同期制御ユニット80は、主制御装置50からの指示に基づき、ウエハステージWSTとは無関係にあるいは単独でレチクルステージRSTを移動する場合などには、減算器62に対して主制御装置50からの指示に応じた位置指令値PRを出力する。
d.同期制御ユニット80は、設定条件に応じて、スイッチSW1、SW2のオン・オフ(ON/OFF)を行う。
e.同期制御ユニット80は、スイッチSW1が「ON」のときには、ILCコントローラ58から各繰り返しの都度出力される補正値を順次取り込み、その順次取り込まれた補正値群を時系列データとして不図示の内部メモリの所定の記憶領域(バッファメモリ)に記憶する。また、同期制御ユニット80は、スイッチSW2が「ON」のときには、ILCコントローラ68から各繰り返しの都度出力される補正値を順次取り込み、その順次取り込まれた補正値群を時系列データとして内部メモリの対応する記憶領域(バッファメモリ)に記憶する。本実施形態では、同期制御ユニット80の内部メモリには、バッファメモリが、動作条件毎に予め用意されており、各バッファメモリに対する補正値群の取り込みが、ウエハステージWSTの複数の動作条件について個別に行われる。
f.同期制御ユニット80は、スイッチSW1が「OFF」のとき、学習コントローラ68でそのときと同一のウエハステージWSTの動作条件下で事前に取得された補正値群が記憶されたバッファメモリを選択し、その補整バッファ内の補正値群を位置偏差の補正値としてウエハステージ制御系92に対して加算器54の第3の入力端(端点e参照)を介して逐次入力する。また、同期制御ユニット80は、スイッチSW2が「OFF」のときにウエハステージWSTに対するレチクルステージRSTの追従制御を行う場合に、学習コントローラ68で事前に取得された補正値群を位置偏差の補正値として加算器64の第3の入力端(端点f参照)を介してレチクルステージ制御系94に対して逐次入力する。
なお、図3において、レチクルステージ制御ユニット33及びウエハステージ制御ユニット78が、二点鎖線で示されている。
次に、ステージ制御系90によって行われる1つのショット領域の露光の際のウエハステージの基本的な走査手順について図4(A)及び図4(B)を参照しつつ、簡単に説明する。
図4(A)には、投影光学系PLの有効フィールドPL’に内接する、ウエハ上のスリット状の照明領域(レチクルR上の照明領域RAと共役な領域;以下、「照明スリット」という)STと1つの区画領域としてのショット領域Sとの関係が平面図にて示され、図4(B)には、ステージ移動時間とステージ速度との関係が示されている。なお、実際には、ショット領域Sが照明スリットSTに対して矢印Yの反対方向に移動することで露光が行なわれるが、図4(A)では、図4(B)のステージ移動時間とステージ速度の関係表と対応付けるため、照明スリットSTがショット領域Sに対し移動するように示されている。
まず、基本的(一般的な)走査手順としては、ショット領域Sの端部から所定量離れた位置に照明スリットSTの中心Pが位置付けられ、ウエハステージWSTの加速が開始される。このとき、同時にレチクルステージRSTは、ウエハステージWSTと反対向きにかつウエハステージWSTの加速度の投影倍率の逆数倍の加速度で加速が開始されている。そして、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTが所定の速度に近づいた時点で、レチクルRとウエハWの同期制御が開始される。この両ステージWST、RSTの加速開始時点から同期制御の開始時点までの時間T1を、加速時間と呼ぶ。同期制御開始後、ウエハとレチクルの変位誤差が所定の関係になるまでレチクルステージRSTによるウエハステージWSTに対する追従制御が行われ、露光が開始される。この同期制御開始後、露光開始までの時間T2を、整定時間と呼ぶ。
上記の加速開始から露光開始までの時間(T1+T2)がプリスキャン時間と呼ばれる。このとき、例えば加速時間T1での平均加速度をa、整定時間をT2とすると、プリスキャン時における移動距離は(1/2)・a・T1 2+a・T1・T2と表すことができる。
また、等速移動により露光が行われる露光時間T3は、ショット領域長をL、照明スリットSTの走査方向の幅をwとした場合、T3=(L+w)/(a・T1)となり、移動距離はL+wとなる。
この露光時間T3の終了時点でショット領域Sに対するレチクルパターンの転写は終了するが、スループット向上のため、ステップ・アンド・スキャン方式では、通常レチクルRを交互スキャン(往復スキャン)させることで、順次次のショット領域に対する露光を行うので、前記プリスキャンでの移動距離と同じ距離だけ、露光終了時点から更にレチクルRを移動して、レチクルRを次ショット領域露光のための走査開始位置まで戻すことが必要である。このとき、ウエハ(ウエハステージ)はレチクル(レチクルステージ)に対応して走査方向に移動されることとなる。このための時間が、等速度オーバースキャン時間(後整定時間)T4、減速オーバースキャン時間T5であり、総じて(T4+T5)がオーバースキャン時間である。このオーバースキャン時間における移動距離は、減速オーバースキャン時間T5における減速度をbとすると、−(1/2)・b・T5 2−b・T5・T4となり、この距離が(1/2)・a・T1 2+a・T1・T2となるようにT4、T5、及び減速度bが設定される。
一般の制御系ではa=−bなので、T1=T5、T2=T4に設定するのが最も容易な制御法となる。
次に、本実施形態の露光装置10により、レチクルRのパターンをウエハW上の複数のショット領域に順次転写する際の動作について、主制御装置50(より正確には主制御装置50内のCPU)の処理アルゴリズムを示す図5のフローチャートを中心に、かつ適宜他の図面を参照しつつ説明する。ここでは、図6に示されるような複数(例えば76個)のショット領域に対して、同図に示されるような経路で露光を行う場合について説明する。ここで、図6中の経路は、前述の照明スリットSTの中心Pが各ショット領域上を通過する軌跡を示し、この軌跡中の実線部は、各ショット領域の露光の際の照明スリットSTの中心P(以下「点P」とも記述する)の経路を示し、点線部は、非走査方向の同一行内の隣接ショット領域間における点Pの移動軌跡を示し、一点鎖線部は、異なる行間における点Pの移動軌跡を示す。なお、実際には、点Pが固定でウエハWが移動するのであるが、図6においては、説明を分かり易くするため、ウエハW上を点P(照明スリットSTの中心)が移動するかのように図示されている。
まず、図5のフローチャートの処理に先立って、主制御装置50により各ユニットコンピュータを介して、不図示のレチクルアライメント系、ウエハステージWST上の基準マーク板FM、及び不図示のウエハアライメント検出系を用いたレチクルアライメント、ウエハアライメント検出系のベースライン計測、及びウエハアライメント(EGA方式等)等の準備作業が行われる。
なお、上記のレチクルアライメント、ベースライン計測等については、例えば特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許5,646,413号等に詳細に開示され、また、EGAについては、特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号)等に詳細に開示されている。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報並びにこれらに対応する上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
このような準備作業が終了すると、図5のフローチャートがスタートする。
まず、ステップ102において、露光対象のショット領域が属する行の番号を示すカウンタn及び行内のショット領域番号を示すカウンタmをともに1に初期化する(m←1、n←1)。
次のステップ104で、ウエハ上のファーストショットS1、すなわち1行目の1番目のショット領域S1の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に伝送する。ここで、各種設定情報には、前述したレチクルステージ、ウエハステージの位置制御に関連する制御情報、例えば露光に先立って行われる例えばEGA方式のウエハアライメントにより得られるEGAパラメータ(ウエハのX,Y方向のオフセットOx,Oy、ウエハの移動を規定するステージ座標系の直交度誤差w、ウエハの回転誤差θ、ウエハのX,Y方向の拡大縮小(スケーリング)誤差rx,ry)の設定値(これは露光時のウエハの位置を決定するためのデータとなる)、及び露光時の両ステージの位置に関連した補正パラメータ(例えば、レチクルステージ(あるいはウエハステージ)側の移動鏡の曲がり情報)、並びに露光量制御に関するデータ、例えばエキシマレーザのパルスエネルギ密度、パルス発光数等のデータ、更には設定された露光シーケンスデータ(これには、スキャン方向(プラススキャンかマイナススキャンか)の情報が含まれる)などが含まれる。また、場合によっては、ステージ移動時の各機構部のエラー情報なども含まれる。
次のステップ106では、同期制御ユニット80に対してレチクルステージRST及びウエハステージWSTの移動を指示する。
上記の主制御装置50からの指示に基づき、同期制御ユニット80では、ウエハW上のファーストショットの露光のための走査開始位置(加速開始位置)にウエハWを移動させるためウエハステージ制御ユニット78に指示を与える。これにより、ウエハステージ制御ユニット78によってウエハ駆動系48を介してウエハステージWSTが上記の加速開始位置に移動される。次いで、同期制御ユニット80では、干渉計システム76及びレチクル干渉計30の計測値をモニタしつつ、ウエハステージ制御ユニット78、レチクルステージ制御ユニット33をそれぞれ介して前述したレチクル駆動系29及びウエハ駆動系48を制御し、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向の相対走査を開始する。
このとき、主制御装置50は、ステップ108で、両ステージRST、WSTの目標走査速度への加速が終了するのを待っている。そして、両ステージRST、WSTの加速が終了すると、ステップ110に進んで光源の発光を開始する。
この光源の発光開始とほぼ同時に、同期制御ユニット80では、両ステージRST、WSTの露光前同期整定動作を開始している。
このように、両ステージRST、WSTの同期整定が完了して露光が開始されるのに先立って、光源の発光は開始されているが、主制御装置50によりレチクル干渉計30の計測値に基づいて、レチクルステージRSTと同期して可動レチクルブラインドの所定のブレードの移動が制御され、レチクルRのパターン領域外の余分な部分が露光されるのが防止されているのは、通常のスキャニング・ステッパと同様である。
そして、両ステージRST、WSTが等速同期状態に達すると、照明ユニットILUからの照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
同期制御ユニット80は、特に上記の走査露光時には、レチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vw(=Vy)とが、投影光学系PLの投影倍率(1/4倍あるいは1/5倍)に応じた速度比に維持されるように同期制御を行う。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上のファーストショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介してファーストショットに縮小転写される。
上記の走査露光中、主制御装置50は、ステップ112で露光が終了するのを待っている。
そして、上記のようにしてファーストショットの走査露光が終了すると、ステップ112での判断が肯定され、ステップ114に進んでレーザ光の照射を停止する。この照射停止は、光源の発光そのものを停止しても良いし、光源内の不図示のシャッタを閉鎖しても良い。
次のステップ116では、カウンタmを参照して、そのカウント値mが第n行目(ここでは第1行目)の最後のショット領域の番号であるか否かを、例えばショットマップに基づいて判断する。ここでは、m=1であるため、ここでの判断は否定され、ステップ118に進んでカウンタmを1インクリメントした後、ステップ120に移行し、第n行目第m番目のショット領域(ここでは、第1行目第2番目のショット領域(すなわちセカンドショット)S2の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に伝送する。この各種設定情報の伝送は、同期制御ユニット80によって、露光終了直後の走査方向に関するウエハステージWST及びレチクルステージRSTの等速オーバースキャン(後整定)動作が行われている間に行われる。このため、同期制御ユニット80では、送られてきた各種設定情報を無理なく受け取り内部メモリに記憶することができる。
上記の設定情報の伝送後、主制御装置50では、ステップ122で第1モードの両ステージRST、WSTの移動(以下、「第1モードの移動」と略述する)を、同期制御ユニット80に指示した後、ステップ108に戻り、両ステージRST、WSTの目標走査速度への加速が終了するのを待つ。
このステップ108の待ち状態の間、同期制御ユニット80によって、第1モードの移動動作が実行される。以下、この第1モードの移動動作について、詳述する。
<第1モードの移動動作>
ここでは一例として、図7に示されるような同一行に位置する隣接ショット領域、ファーストショットS1、セカンドショットS2を順次露光する場合の、ショット領域間における両ステージの移動動作について説明する。
ここでは一例として、図7に示されるような同一行に位置する隣接ショット領域、ファーストショットS1、セカンドショットS2を順次露光する場合の、ショット領域間における両ステージの移動動作について説明する。
図8には、この第1モードの移動動作に関連するウエハステージWSTの走査方向に関する速度曲線Vy1(t)が実線で示され、非走査方向に関する速度曲線Vx1(t)が点線で示されている。この図8において、横軸は時間(t)を示す。
なお、この第1モードの移動動作では、レチクルステージRSTは、上記の速度曲線Vy1(t)の投影倍率の逆数倍の大きさの速度の時間変化曲線に従って移動するので、詳細説明は省略する。
本実施形態では、実際には、ジャーク、すなわち加速度の変化する割合(位置の時間による3階微分)の時間変化を示すジャーク曲線に基づいて、加速度の時間変化を示す加速度曲線、速度の時間変化を示す速度曲線が同期制御ユニット80によって順次算出され、さらにこの速度曲線に基づいて位置の指令値が同期制御ユニット80によって生成される。そして、この指令値に従ってウエハステージ制御ユニット78によってウエハ駆動系48を介してウエハステージWSTが制御されるが、以下では、説明を分かり易くするために、図8の速度曲線を中心として、適宜他の図面を参照して説明を行う。
まず、走査方向(スキャン方向)について考える。前述のようにしてショット領域S1の露光が終了した時点t1(このとき点Pは、図7中の点Aの位置にある)から等速オーバースキャン時間T4が経過した時点t2(=t1+T4)に、ウエハステージWSTは減速(図7中の+Y方向に速度を有する時の−Y方向の加速)を開始する。減速開始後、その減速度が徐々に大きくなって(−Y方向の加速度がその絶対値が大きくなって)所定の一定値となり、その後一定時間ΔT、その一定値を維持する。但し、減速開始時点t2から時間Ty5の間が減速時間である。
このとき、図7中の点A(0,Ay)を基準点としてウエハステージWSTは、図8に示されるように、露光終了時点t1から時間T4の間一定速度Vscanで+Y方向に進み、その後は、時間T4経過の時点t2を時間の基準点として、図8の速度曲線Vy1(t)に従った速度で時間Ty5だけ更に+Y方向に進む。この時間Ty5が経過した時点t3で、別の区画領域としてのショット領域S2に対するプリスキャンが開始される分岐点B(Bx,By)となる(図7参照)。
その後、ウエハステージWSTは、加速開始点t3を時間の基準として、−Y方向に速度曲線Vy1(t)に従った速度で時間Ty1の間加速される。
上記の如くして加速が行われ、図8中に示される時点t4になると、ウエハステージWSTが目標走査速度である−Vscan(ここで負号は、−Y方向の速度という意味である)に達し、その後、レチクルRとウエハWの同期制御期間としての時間T2を経て、露光が開始される。露光時間T3はT3=(ショット領域長Ly+照明スリット幅w)/Vscanで表わされる。
次に非走査方向(非スキャン方向)の移動動作(ショット領域間ステッピング動作)を考える。図8に示されるように、ショット領域S1の露光が終了した時点t1で直ちに、速度曲線Vx1(t)に従ってウエハステージWSTの−X方向への加速が開始される。そして、加速開始から時間Tx5が経過した時点で最高速度である−Vxmax(ここで負号は−X方向の速度であることを意味する)に達する。このとき、ウエハステージWSTのX座標は、−Bxであり、点Pは、図7中の点B(Bx,By)にある。次いで、その時点から速度曲線Vx1(t)に従って減速(−X方向に速度を有する時の+X方向の加速)を開始する。そして、減速開始時点(加速終了時点)から時間Tx1が経過すると減速が終了し速度0となる(すなわち非スキャン方向に関する移動を停止する)。このとき、ウエハステージのX座標は、−Lx(Lxはステッピング長である)となっており、P点は図7中の点C(Lx,Cy)に達している。
すなわち、スキャン方向に関しては、図8に示されるように、前ショット領域の露光終了時点t1から時間(T4+Ty5+Ty1)が経過した時点t4で次ショット領域の露光のための加速が終了するが、非スキャン方向に関しては図8に示されるように、前ショット領域の露光終了時点から時間(Tx5+Tx1)が経過した時点では加減速が終了しており、これより、仮にTy1=Tx1かつTy5=Tx5が成り立つとすると、スキャン方向の整定時間T2における同期制御開始よりT4だけ早くステッピング動作が終了することが分かる。この時ウエハステージWSTの軌跡は、図7に示されるように放物線状となる。
上述したスキャン方向の整定時間における同期制御開始より非スキャン方向のステッピング動作が早く終了するとは、スキャン方向の速度がゼロとなる点、すなわち減速が終了して次ショット領域の露光のための加速が開始される点である図7のB点(Bx,By)のX座標Bxがショット領域S1とS2の境界よりS2寄りとなるように、ウエハステージWSTのスキャン方向のオーバースキャン及びプリスキャン動作に並行して、非スキャン方向の移動動作(ステッピング動作)が行われるように、ウエハステージ制御ユニット78及び同期制御ユニット80が、ウエハステージWSTのX、Yそれぞれの方向の移動を制御するようになっているということである。
上記の非走査方向のステッピングの際、図8からも明らかなように非走査方向に関して速度Vx1(t)が常に変化しており、非走査方向に関してウエハステージWSTは常に移動している。換言すれば、ウエハステージWSTは途中で停止することなく、スキャン方向の助走動作と並行してステッピング動作を行う。従って、ほぼ最短時間でウエハステージWSTのショット領域間移動動作(走査方向及び非走査方向を含む)が可能となり、スループットの向上が可能となる。
ところで、前述の如く、プリスキャン時間にはレチクルRをウエハWに完全に追従させるための整定時間T2が含まれるため、非スキャン方向に関する加減速制御はできるだけ整定時間T2の開始時点より早く終了していることが望ましい。これを実現するため、本実施形態では、ウエハステージ制御ユニット78及び同期制御ユニット80では、図8からも明らかなように、露光終了に続くウエハステージWSTのスキャン方向での等速オーバースキャン時間T4の間に、ウエハステージWSTの非スキャン方向での移動動作を開始することとしており、その等速オーバースキャン時間T4分だけ早く非スキャン方向に発生する加減速制御を終了するような制御を行っている。すなわち、非走査方向のステッピングは、走査方向の同期制御の開始より先に終了しているので、同期制御ユニット80では、整定時間T2の間は、スキャン方向の同期制御のみに専念できる。これに加え、同期制御の際に非走査方向の減速の影響が殆どないため、同期整定時間T2の短縮及びこれに対応して等速オーバースキャン時間(後整定時間)T4の短縮も可能であり、この点においてもスループットの向上が可能である。
図5の説明に戻り、上で説明した第1モードの移動動作が行われている間、主制御装置50では、前述の如く、ステップ108で両ステージRST、WSTの加速が終了するのを待っている。そして、上記の第1モードの移動動作が終了すると、ステップ108の判断が肯定される。以後、ステップ116における判断が肯定されるまで、ステップ110→112→114→116→118→120→122→108のループにおける処理(判断を含む)を繰り返す。これにより、第n行目の第2番目のショット領域(この場合第1行目の第2番目のショット領域(セカンドショットS2)から第n行目(この場合第1行目)の最後のショット領域(ショット領域S7)のそれぞれに対して、交互スキャンにて走査露光がそれぞれ行われ、それらのショット領域に対してレチクルRのパターンが順次転写される。
このようにして、第1行目の最後のショット領域に対する走査露光が終了すると、ステップ116における判断が肯定され、ステップ124に移行する。
ステップ124では、カウンタmを1に初期化するとともに、カウンタnを1インクリメントする(m←1、n←n+1)。
次のステップ126では、カウンタnを参照して、そのカウント値nが最終行番号Nより大きいか否かを判断する。この場合、n=2であるから、このステップ126における判断は否定され、ステップ128に進んでnは偶数であるか否かを判断する。この場合、n=2であるから、ここでの判断は肯定され、ステップ130に進んでn行目(この場合2行目)の第1番目のショット領域の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に伝送した後、ステップ132に進んで第2モードの両ステージRST、WSTの移動(以下、「第2モードの移動」と略述する)を、同期制御ユニット80に指示した後、ステップ108に戻り、両ステージRST、WSTの目標走査速度への加速が終了するのを待つ。このステップ108の待ち状態の間、同期制御ユニット80によって、第2モードの移動動作が実行される。以下、この第2モードの移動動作について、説明する。
<第2モードの移動動作>
この第2モードの移動動作は、図6中に一点鎖線で示される、異なる行間における点Pの移動軌跡のうち、奇数行(非走査方向に並ぶ複数のショット領域から成る行)内の最終ショット領域(便宜上「ショット領域A」と呼ぶ)の露光終了後、異なる行(次の行)の最初のショット領域(便宜上「ショット領域B」と呼ぶ)の露光開始前、具体的には、図4中のショット領域S7とショット領域S8との間、ショット領域S27とショット領域S28との間、ショット領域S49とショット領域S50との間、ショット領域S69とショット領域S70との間に行われる両ステージの移動動作である。
この第2モードの移動動作は、図6中に一点鎖線で示される、異なる行間における点Pの移動軌跡のうち、奇数行(非走査方向に並ぶ複数のショット領域から成る行)内の最終ショット領域(便宜上「ショット領域A」と呼ぶ)の露光終了後、異なる行(次の行)の最初のショット領域(便宜上「ショット領域B」と呼ぶ)の露光開始前、具体的には、図4中のショット領域S7とショット領域S8との間、ショット領域S27とショット領域S28との間、ショット領域S49とショット領域S50との間、ショット領域S69とショット領域S70との間に行われる両ステージの移動動作である。
図9には、この第2モードの移動動作に関連するウエハステージWSTの走査方向に関する速度曲線Vy2(t)が実線で示され、非走査方向に関する速度曲線Vx2(t)が点線で示されている。この図9において、横軸は時間(t)を示す。
この第2モードの移動動作のように、異なる行間の移動動作では、ウエハのスキャン露光前の加速条件とレチクルのスキャン前の加速条件とを合わせる必要があるため、ウエハステージは露光開始に先立って、非スキャン方向のみでなくスキャン方向に関しても一旦停止する必要がある。
このため、上記のショット領域A、B間におけるウエハステージWSTの走査方向に関する移動動作のシーケンスとしては、図9に示される速度曲線Vy2(t)のように、ショット領域Aの露光終了時点した時点t11から等速オーバースキャン時間T4経過した時点t12(=t11+T4)に、ウエハステージWSTは減速を開始する。そして、さらに減速時間Ty5を経過した時点t13で、露光後の減速が終了し、ショット領域Aの露光のための走査開始位置に対応する位置に達する。この時点t13で、速度曲線Vy2(t)に従ったY軸方向のステッピング(以下、適宜「Yステップ」と呼ぶ)を開始する。このY軸方向のステッピングは、前述した非スキャン方向のショット領域間ステッピングと同様の速度変化曲線に従って、ウエハステージWSTをY軸方向に移動させることにより行われる。図9の場合には、ウエハステージWSTは、時点t13で−Y方向への加速を開始する。そして、Y軸方向のステッピング開始後、時間T6を経過した時点t14でY軸方向のステッピングを終了し、この時点から時間ΔT1の間、ウエハステージWSTは、走査方向の移動を停止する。そして、時点t14から時間ΔT1を経過した時点t15(=t14+ΔT1)でショット領域Bの露光のための加速が開始される。
この第2モードの移動動作では、レチクルステージRSTは、前述したショット領域Aに対する露光後の減速終了位置までウエハステージWSTが移動した時点で、走査開始位置への移動を終了することができるので、この場合には、ウエハステージWSTのショット領域B露光前の加速が開始されるまで停止していれば良い。なお、第2モードの移動動作では、上記のショット領域Aの露光後の後整定期間を無くすようにしても良い。
非スキャン方向に関するウエハステージWSTの移動動作は、前述の第1モードの移動動作と同様に、ショット領域Aの露光終了後の時点t11に開始され、その時点より(Tx5+Tx1)経過した時点で終了する。
なお、図6から明らかなように、ショット領域S27とショット領域S28との間、及びショット領域S49とショット領域S50との間の第2モードの移動動作では、ウエハステージWSTは非スキャン方向に関して一定の座標位置に維持されるようになっている。
図5の説明に戻り、上で説明した第2モードの移動動作が行われている間、主制御装置50では、前述の如く、ステップ108で両ステージRST、WSTの加速が終了するのを待っている。そして、上記の第2モードの移動動作が終了すると、ステップ108の判断が肯定される。以後、ステップ116における判断が肯定されるまで、ステップ110→112→114→116→118→120→122→108のループにおける処理(判断を含む)を繰り返す。これにより、第n行目(この場合第2行目)の第1番目のショット領域S8から最後のショット領域S16のそれぞれに対して、交互スキャンにて走査露光がそれぞれ行われ、それらのショット領域に対してレチクルRのパターンが順次転写される。
このようにして、第2行目の最後のショット領域S16に対する走査露光が終了すると、ステップ116における判断が肯定され、ステップ124に移行する。
ステップ124では、カウンタmを1に初期化するとともに、カウンタnを1インクリメントする(m←1、n←n+1)。
次のステップ126では、カウンタnを参照して、そのカウント値nが最終行番号Nより大きいか否かを判断する。この場合、n=3であるから、このステップ126における判断は否定され、ステップ128に進んでnは偶数であるか否かを判断する。この場合、n=3であるから、ここでの判断は否定され、ステップ134に進んでn行目(この場合3行目)の第1番目のショット領域の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に伝送した後、ステップ136に進んで第3モードの両ステージRST、WSTの移動(以下、「第3モードの移動」と略述する)を、同期制御ユニット80に指示した後、ステップ108に戻り、両ステージRST、WSTの目標走査速度への加速が終了するのを待つ。このステップ108の待ち状態の間、同期制御ユニット80によって、第3モードの移動動作が実行される。以下、この第3モードの移動動作について、説明する。
<第3モードの移動動作>
この第3モードの移動動作は、図6中に一点鎖線で示される、異なる行間における点Pの移動軌跡のうち、偶数行内の最終ショット領域(便宜上「ショット領域C」と呼ぶ)の露光終了後、異なる行(次の行)の最初のショット領域(便宜上「ショット領域D」と呼ぶ)の露光開始前、具体的には、図6中のショット領域S16とショット領域S17との間、ショット領域S38とショット領域S39との間、ショット領域S60とショット領域S61との間に行われる両ステージの移動動作である。
この第3モードの移動動作は、図6中に一点鎖線で示される、異なる行間における点Pの移動軌跡のうち、偶数行内の最終ショット領域(便宜上「ショット領域C」と呼ぶ)の露光終了後、異なる行(次の行)の最初のショット領域(便宜上「ショット領域D」と呼ぶ)の露光開始前、具体的には、図6中のショット領域S16とショット領域S17との間、ショット領域S38とショット領域S39との間、ショット領域S60とショット領域S61との間に行われる両ステージの移動動作である。
図10には、この第3モードの移動動作に関連するウエハステージWSTの走査方向に関する速度曲線Vy3(t)が実線で示され、非走査方向に関する速度曲線Vx3(t)が点線で示されている。この図10において、横軸は時間(t)を示す。
この第3モードの移動動作においても、ウエハのスキャン露光前の加速条件とレチクルのスキャン前の加速条件とを合わせる必要があるため、ウエハステージWSTは露光開始に先立って、非スキャン方向のみでなくスキャン方向に関しても一旦停止する必要がある。
このため、上記のショット領域C、D間におけるウエハステージWSTの走査方向に関する移動動作のシーケンスとしては、図10に示される速度曲線Vy3(t)のように、ショット領域Cの露光が終了した時点t21からほぼ時間(Tx5+Tx1)経過した時点t22で、ウエハステージWSTは減速を開始する。そして、さらに減速時間Ty5を経過した時点t23で、露光後の減速が終了し、ショット領域Dの露光のための走査開始位置に達する。この時点t23から時間ΔT2の間、ウエハステージWSTは、走査方向の移動を停止し、時点t23から時間ΔT2を経過した時点t24(=t23+ΔT2)で、ショット領域Dの露光のための加速が開始される。
この第3モードの移動動作では、レチクルステージRSTは、前述したショット領域Cに対する露光後、減速を開始し、その減速開始から時間Ty5経過した時点で、走査開始位置への移動を終了することができるので、この場合には、ショット領域Dに対する露光前におけるウエハステージWSTの加速が開始されるまで停止していれば良い。
非スキャン方向に関するウエハステージWSTの移動動作は、前述の第1モードの移動動作と同様に、ショット領域Cの露光終了後の時点t11に開始され、その時点より(Tx5+Tx1)経過した時点で終了する。
なお、図6から明らかなように、ショット領域S38とショット領域S39との間の第3モードの移動動作では、ウエハステージWSTは非スキャン方向に関して一定の座標位置に維持されるようになっている。
図5の説明に戻り、同期制御ユニット80によって、上述した第3モードの移動動作が行われている間、主制御装置50では、前述の如く、ステップ108で両ステージRST、WSTの加速が終了するのを待っている。そして、上記の第3モードの移動動作が終了すると、ステップ108の判断が肯定される。以後、第3行目の第1番目のショット領域(図6の場合、ショット領域S17)から最終行(第N行)の最後のショット領域SM(S76)に対する露光が終了するまで、上記ステップ108以下の処理が繰り返される。
このようにして、ウエハW上のショット領域の走査露光とショット領域間のステッピング動作とが、完全交互スキャンにて繰り返し行われ、ウエハW上の最終ショット領域であるショット領域SMに対するレチクルRのパターンの転写が終了すると、ステップ126における判断が肯定され、本ルーチンの一連の処理を終了する。
本実施形態の場合、図6に示されるような経路で、順次交互にスキャン露光が行なわれる。この場合、総露光行が偶数行なので、図6の左下のショット領域S1より露光が開始され、最初の1行が左→右の順で露光されると、次の行は右→左へと交互にステッピングが行なわれ、最終的に左上のショット領域SMの露光が終了した時点で、所定のウエハ交換位置までウエハステージWSTが移動するという動作を繰り返すというシーケンスとなる。上記の交互スキャンの際に、同一行間の隣接ショット領域間では、前述した効率の良いウエハステージWSTのショット領域間移動制御が行われる。
説明は前後するが、本実施形態の露光装置10では、第1モード、第2モード、及び第3モードの移動動作におけるウエハステージの移動、及び前記第1モードの移動動作におけるウエハステージWSTに対するレチクルステージRSTの追従制御に関して、予め繰り返し学習制御が行われ、その学習制御の結果得られた補正値群を用いて、実際の露光動作の際のウエハステージWST及びレチクルステージRSTの位置が補正されている。
以下、本実施形態における繰り返し学習制御について、さらに詳述する。
本実施形態の露光装置10では、前述した第1モード、第2モード及び第3モードの移動動作のそれぞれについて、予め繰り返し学習制御によりウエハステージWSTの目標位置に対する位置誤差を補正するための補正値群が取得され、対応するバッファメモリに記憶される。また、第1モードの移動動作に関しては、レチクルステージRSTのウエハステージWSTに対する追従誤差を補正するための補正値群が取得され、対応するバッファメモリに記憶される。
まず、第1モードの移動動作に関する補正値群の取得について説明する。この第1モードの移動動作に関する補正値群の取得は、次のような手順で行われる。
A.まず、主制御装置50からの指示に応じて、同期制御ユニット80によって、図3のスイッチSW1が「ON」、かつスイッチSW2が「OFF」に設定される。そして、同期制御ユニット80から図8に示される速度曲線Vy1(t)(0≦t≦t3)に対応するウエハステージWSTのY軸方向の位置指令が出力される。これにより、ウエハステージ制御ユニット78によって、ウエハステージ系Wpが制御され、ウエハステージWSTの+Y方向をスキャン方向とする正スキャンが行われる。このウエハステージWSTの正スキャン中、所定のサンプリング間隔で、ILCコントローラ58によって、ウエハステージWSTのY軸方向に関する目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値が順次算出される。そして、この順次算出される補正値群から成る一連の時系列データが同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリに記憶される。
なお、このとき、同期制御ユニット80は、例えば、減算器62に対して位置指令として、レチクル干渉計30の計測値(RX,RL,RR)を入力する、あるいは(RX’,RL’,RR’)=(0,0,0)を入力するようになっている。従って、前者の場合レチクルステージRSTは、ある位置にそのまま静止し、後者の場合レチクルステージRSTは、原点位置に復帰した後、その位置に静止する。
次いで、同期制御ユニット80では、ウエハステージWSTの走査方向が上と逆向きになるような図8の速度曲線Vy1(t)(t3≦t≦t5)に対応する位置指令を出力し、この位置指令に応答してウエハステージ制御ユニット78によってウエハステージ系Wpが制御される。そして、ウエハステージWSTの負スキャンにおける、補正値群が上記と同様にして同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリに記憶される。
B. 次に、図8に示される速度曲線Vy1(t)、Vx1(t)(0≦t≦t5)に対応するウエハステージWSTのY軸方向及びX軸方向の位置指令が同期制御ユニット80から減算器52に入力される。これにより、ウエハステージ制御ユニット78により前述したショット領域S1とショット領域S2との連続した露光の際と同様の移動軌跡(図7参照)に従って、ウエハステージWSTが移動される。このとき、同期制御ユニット80では、先に内部メモリ内の対応するバッファメモリ内に記憶されている対応する各補正値をサンプリングクロックに同期して加算器54の第3の入力端に加え、ウエハステージWSTのY軸方向の位置を補正している。また、このウエハステージWSTの図7の経路に沿った移動中に、所定のサンプリング間隔で、ILCコントローラ58によって、X軸方向に関するウエハステージWSTの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値が順次算出される。そして、この順次算出される補正値群から成る一連の時系列データが同期制御ユニット80の内部メモリ内の対応するバッファメモリに記憶される。
次いで、図8に示される速度曲線Vx1(t)を正負反転した非スキャン方向の速度曲線及び速度曲線Vy1(t)に対応するウエハステージWSTのY軸方向及びX軸方向の位置指令が同期制御ユニット80から減算器52に入力される。これにより、ウエハステージ制御ユニット78により図7の移動軌跡を逆行するような移動軌跡に従ってウエハステージWSTが移動される。このときも、同期制御ユニット80では、上述と同様にしてウエハステージのY軸方向の位置を補正している。また、このウエハステージWSTの移動中に、所定のサンプリング間隔で、ILCコントローラ58によって、ウエハステージWSTのX軸方向に関する目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値が順次算出される。そして、この順次算出される補正値群から成る一連の時系列データが同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリに記憶される。
C. 次に、主制御装置50からの指示に応じて、同期制御ユニット80によって、図3のスイッチSW1が「OFF」かつスイッチSW2が「ON」に設定される。そして、同期制御ユニット80から図8に示される速度曲線Vy1(t)に対応するウエハステージWSTのY軸方向の位置指令が出力される。これにより、ウエハステージ制御ユニット78によって、ウエハステージ系Wpが制御され、ウエハステージWSTの正スキャンが行われる。このとき、同期制御ユニット80では、先に内部メモリの対応するバッファメモリに記憶されている対応する各補正値をサンプリングクロックに同期して加算器54の第3の入力端に加え、ウエハステージWSTのY軸方向の位置を補正している。
また、上記のウエハステージWSTの正スキャンと並行して、同期制御ユニット80は、減算器62に対して位置指令として、前述の式(1)で算出される目標位置(RX’,RL’,RR’)を入力している。これにより、レチクルステージ制御ユニット33によりレチクルステージ系Rpが制御され、これによりウエハステージWSTの正スキャンに追従する、レチクルステージRSTの−Y方向をスキャン方向とする負スキャンが行われる。このレチクルステージRSTの負スキャン中、所定のサンプリング間隔で、ILCコントローラ68によって、レチクルステージRSTのY軸方向に関する目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値が順次算出される。そして、この順次算出される補正値群から成る一連の時系列データが同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリに記憶される。
次いで、同期制御ユニット80では、ウエハステージWSTの走査方向が上と逆向きになるような図8の速度曲線Vy1(t)に対応する位置指令を出力し、この位置指令に応答してウエハステージ制御ユニット78によって上述と同様にしてウエハステージ系Wpが制御されるとともに、これと並行して、同期制御ユニット80からの目標位置(RX’,RL’,RR’)が減算器62に対して位置指令として入力される。これにより、レチクルステージRSTの正スキャンにおける、補正値群が上記と同様にして同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリに記憶される。
以上により、第1モードの移動動作の場合の繰り返し学習が終了し、第1モードの移動動作に関する補正値群として、ウエハステージWSTのスキャン動作時の位置偏差の補正値群(正スキャン、負スキャンにそれぞれ対応する補正値群を含む)及びX軸方向に関するステッピング動作時の位置偏差の補正値群(−X方向へのステッピング(以下「負方向ステップ」と呼ぶ)、+X方向へのステッピング(以下「正方向ステップ」と呼ぶ)にそれぞれ対応する補正値群を含む)、並びにレチクルステージRSTのウエハステージWSTに対する追従誤差(同期誤差)の補正値群(正スキャン、負スキャンにそれぞれ対応する補正値群を含む)が、同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリにそれぞれ記憶(格納)されていることになる。
第2モードの移動動作に関しても、図9の速度曲線Vy2(t)及びこれを正負反転した速度曲線(−Vy2(t)と記述する)、並びに図9の速度曲線Vx2(t)及びこれを正負反転した速度曲線(−Vx2(t)と記述する)を、それぞれ用い、上記第1の移動モードの場合のA.及びB.と同様の手順で繰り返し学習が行われ、(正方向Yステップかつ正方向Xステップ)、(正方向Yステップかつ負方向Xステップ)、(負方向Yステップかつ正方向Xステップ)及び(負方向Yステップかつ負方向Xステップ)にそれぞれ対応する補正値群が同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリに記憶される。
第3モードの移動動作に関しても、図10の速度曲線Vy(t)及びこれを正負反転した速度曲線(−Vy3(t)と記述する)、並びに図10の速度曲線Vx3(t)及びこれを正負反転した速度曲線(−Vx3(t)と記述する)を、それぞれ用い、上記第1の移動モードの場合のA.及びB.と同様の手順で繰り返し学習が行われ、(正スキャン後正方向Xステップ)、(正スキャン後負方向Xステップ)、(負スキャン後正方向Xステップ)及び(負スキャン後負方向Xステップ)にそれぞれ対応する補正値群が同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリに記憶される。
そして、実際の露光の際には、前述したフローチャートのステップ122、132、136でそれぞれのモードの各ステージの移動動作が、同期制御ユニット80からの位置指令に応じてウエハステージ制御系92、レチクルステージ制御系94によって実行されるが、この際、スイッチSW1、SW2はともにOFF状態に設定されている。従って、第1モードの移動動作、第2モードの移動動作、第3モードの移動動作のいずれを行う場合でも、同期制御ユニット80により、内部メモリ内の対応するモードの対応するウエハステージWSTの移動方向(スキャン、Yステップ、Xステップそれぞれの正・負方向)の補正値群を構成する各補正値が、サンプリングクロックに同期して、繰り返し学習時の各補正値の取得タイミングに対応するタイミングで加算器54、64それぞれの第3の入力端に逐次入力される。これにより、ウエハステージWSTの位置偏差、及びレチクルステージRSTの位置偏差(ウエハステージWSTに対する追従誤差(両ステージの同期誤差))が、零に漸近するような両ステージの位置補正が行われる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置10によると、露光の際には、主制御装置50により、ILCコントローラ58をウエハステージ制御系92に非接続状態とし、かつILCコントローラ68をレチクルステージ制御系94に対して非接続状態とする設定条件が設定されると、その設定条件に応じて同期制御制御ユニット80によりスイッチSW1、SW2がともに「OFF」にされて設定条件の通りの設定が行われる。そして、この状態で、前述のフローチャートに従った処理が行われ、例えば第1モードの移動動作が主制御装置50から指示された場合、同期制御ユニット80の位置指令に基づき、ウエハステージ制御系92とレチクルステージ制御系94により、前述したレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期移動が行われ、この同期移動中に照明光ILで照明されたレチクルRのパターンがウエハW上の各ショット領域にそれぞれ転写される(ステップ110〜ステップ114参照)。
上記のレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期移動中、同期制御ユニット80により、ウエハステージ制御系92に対してはILCコントローラ58で事前に取得された対応する補正値群(第1の補正値群と呼ぶ)が位置偏差の補正値として逐次入力されるのと並行して、レチクルステージ制御系94に対してはILCコントローラ66で事前に取得された対応する補正値群(第2の補正値群と呼ぶ)が位置偏差の補正値として逐次入力される。これにより、ウエハステージ制御系92により第1の補正値群を用いてウエハステージWSTの位置偏差を零に漸近させるようなウエハステージWSTの位置補正が行われるのと並行して、レチクルステージ制御系94により第2の補正値群を用いてレチクルステージRSTの位置偏差(レチクルステージRSTのウエハステージWSTに対する追従誤差、すなわち両ステージRST、WST間の同期誤差)を零に漸近させるようなレチクルステージRSTの位置補正が行われる。
このように、本実施形態の露光装置10では、両ステージRST、WSTの同期誤差が効果的に低減された状態で、走査露光が行われ、しかも上記の第1、第2の補正値群は、先に説明したように事前に行われている繰り返し学習制御によって取得されているので、露光装置10固有の両ステージRST、WSTの同期誤差をも確実に低減することができ、これによりレチクルRに形成されたパターンをウエハW上に精度良く転写することが可能となる。
また、本実施形態では、実際の露光動作に先立って、例えば第1モードの移動動作に関する補正値群の取得動作中の手順B.で説明したように、1つのショット領域に対する露光と次のショット領域に対する露光との間で実行されるショット領域間の移動動作と同様に走査方向(スキャン方向)及びこれに直交する非走査方向にともに交差する所定の経路(図7に示されるU字状の移動軌跡参照)に沿ってウエハステージWSTを移動しながら、非走査方向(X軸方向に関するウエハステージ)の目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値群(Xステップに関する補正値群)を得るための繰り返し学習制御が、同期制御ユニット80及びウエハステージ制御ユニット78によって行われる。
この場合に得られるXステップに関する補正値群は、ウエハステージWSTを非走査方向にのみ移動する繰り返し学習制御により得られた補正値群とは異なり、ウエハステージWSTの走査方向への移動が非走査方向への移動に対して与える影響が結果的に考慮された、ウエハステージWSTの実際のショット領域間の移動動作(ステッピング)により近いXステップに関する補正値群となる。
そして、実際の露光動作の際には、同期制御ユニット80により、上記のXステップに関する補正値群を考慮してウエハステージWSTの非走査方向の位置を補正しながら実際のショット領域間移動動作が行われるとともに、該ショット領域間移動動作の前後で前述の走査露光のためのレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向の同期移動が行われ、レチクルパターンがウエハW上の各ショット領域に転写される。この場合、ウエハステージWSTのショット領域間移動動作が終了し、次のショット領域に対する走査露光が開始される時点では、ショット領域間移動動作に伴うウエハステージWSTの非走査方向(X軸方向)の位置ずれがほぼ確実に補正され、この状態で走査露光が行われることとなる。従って、物体ステージの区画領域間の移動動作に起因する非走査方向に関する両ステージRST,WST間の位置ずれが殆ど存在しない状態で行われる走査露光により、パターンをウエハW上の各ショット領域に精度(例えば重ね合わせ精度)良く転写することが可能となる。
また、本実施形態では、Xステップに関する補正値群の取得のため、所定の経路に沿ってウエハステージWSTを移動する際に、同期制御ユニット80により、走査方向に関するウエハステージWSTの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させるスキャンに関する補正値群を考慮してウエハステージWSTの走査方向に関する位置が補正されている。これにより、Xステップに関する補正値群は、ウエハステージWSTの走査方向への移動が非走査方向への移動に対して与える影響が結果的に考慮されるのみならず、走査方向に関する位置誤差がXステップに与える影響を除去したものとなる。
この場合において、スキャンに関する補正値群は、予め実験(シミュレーションを含む)などで求めることもできるが、本実施形態では、前述の手順A.で説明したように、手順B.に先立って、露光の際の同期移動時と同様にしてウエハステージWSTを走査方向に移動しながらスキャンに関する補正値群を繰り返し学習制御により得ることとしている。このため、露光装置10固有のウエハステージのWSTのショット領域間ステッピングの際の走査方向に関する位置誤差がXステップに与える影響を確実に除去することが可能となる。
また、本実施形態の露光装置10によると、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとを制御するステージ制御系90(より正確には、ステージ制御系90を構成する同期制御ユニット80)が、ウエハステージWSTの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群の中から選択された、動作条件(例えば前述の第1モード〜第3モード、あるいはスキャン、Yステップ及びXステップの正方向、負方向などの別)に対応する補正値群に基づいて、ウエハステージWSTの位置を補正する。
前述の如く、露光装置10では、ウエハステージWSTの動作条件として複数の動作条件が設定されるが、その複数の動作条件毎に、ウエハステージWSTの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群を繰り返し学習制御により予め求めている。
そして、実際の露光工程では、ステージ制御系90を構成する同期制御ユニット80が、そのときの動作条件(主制御装置50によって指定(設定)される)に対応する補正値群を複数の補正値群の中から選択し、その補正値群に基づいて、ウエハステージWSTの位置を補正しつつ、ウエハステージWSTを動作条件に応じて制御している。
従って、動作条件のいかんにかかわらず、ウエハステージWSTの位置を補正しつつ、動作条件に応じてウエハステージWSTを制御することが可能となる。
また、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを制御するステージ制御系90が、1つのショット領域の露光と次のショット領域の露光との間で走査方向に関して両ステージRST、WSTが一旦停止する両ステージRST、WSTの移動シーケンスを実行する際、例えば前述した第2モードの移動動作あるいは第3モードの移動動作などを実行する際に、1つのショット領域の露光終了から一定時間の経過後に両ステージRST、WSTの加速を開始する。例えば、前述の第2モードの移動動作の場合は、ステージ制御系90を構成する同期制御ユニット80がショット領域Aの露光終了時点t11から一定時間(T4+Ty5+T6+ΔT1)の経過を管理し、その一定時間の経過後に両ステージRST、WSTの加速を開始するようになっている。また、例えば、前述の第3モードの移動動作の場合は、ステージ制御系90を構成する同期制御ユニット80がショット領域Cの露光終了時点t21から一定時間(Tx5+Tx1+Ty5+ΔT2)の経過を管理し、その一定時間の経過後に両ステージRST、WSTの加速を開始するようになっている。
このため、両ステージの停止時間が一定になり(通常、減速時間(Ty5)は一定なため)ショット領域の露光終了後の両ステージの減速時に生じる振動が停止中に減衰するが、その振動の減衰に関する再現性を高くすることができる。この結果、加速開始時点においては、常に同じような振動(許容レベル内の振動)が残っているようにすることができ、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとの繰り返し学習制御を採用する場合に、その繰り返し学習制御の効果を向上させることができる。繰り返し学習制御は、再現性のある振動などの現象に対して有効だからである。
なお、上記実施形態では、前述した第1モードの移動動作に関する補正値群の取得に際し、露光に先立って、同期制御ユニット80が、スイッチSW1を「ON」にしてILCコントローラ58をウエハステージ制御系92に接続状態とし、かつスイッチSW2を「OFF」にして、レチクルステージRSTを所定位置に静止させつつ、ウエハステージ制御ユニット78によるウエハステージWSTの第1モードの移動動作及びこれに伴う繰り返し学習制御が行われる。そして、ウエハステージWSTの第1モードの移動動作に関する補正値群が同期制御ユニット80の内部メモリの対応するバッファメモリに記憶される(前述の手順A.及びB.参照)。その後、手順C.として、同期制御ユニット80がスイッチSW1を「OFF」、かつスイッチSW2を「ON」にしてILCコントローラ58をウエハステージ制御系92に非接続状態とし、かつILCコントローラ68をレチクルステージ制御系94に対して接続状態とし、ステージ制御系90により、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期移動、すなわちレチクルステージRSTのウエハステージWSTに対する追従制御が行われる。この際に、同期制御ユニット80により、ウエハステージ制御系92に対してはILCコントローラ58で事前に取得された対応する補正値群を構成する各データが位置偏差の補正値として逐次入力され、ウエハステージ制御系92によりこの補正値群を用いてウエハステージWSTの位置偏差を零に漸近させるようなウエハステージWSTの位置補正が行われる。また、レチクルステージRSTのウエハステージWSTに対する追従制御の際に、ウエハステージWSTの位置補正と並行して、同期制御ユニット80によりILCコントローラ68で繰り返し学習制御により取得される補正値群が記憶される。
すなわち、上記実施形態では、このような段階を経て、ウエハステージWST、レチクルステージRSTの位置偏差を補正するための補正値群を取得する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないことは勿論である。
例えば、露光に先立って、同期制御ユニット80が、スイッチSW1、SW2を同時に「ON」にして、ILCコントローラ58をウエハステージ制御系92に接続状態とし、かつILCコントローラ68をレチクルステージ制御系94に対して接続状態とする。そして、この状態で、ステージ制御系90により、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期移動、すなわちレチクルステージRSTのウエハステージWSTに対する追従制御を行うこととしても良い。かかる場合には、このレチクルステージRSTのウエハステージWSTに対する追従制御中に、同期制御ユニット80により、ILCコントローラ58で繰り返し学習制御により取得されるウエハステージWSTの位置偏差を補正する補正値群、及びILCコントローラ68で繰り返し学習制御により取得されるレチクルステージRSTの位置偏差を補正するための補正値群が、内部メモリの対応するバッファメモリにそれぞれ記憶される。すなわち、ウエハステージWSTの位置偏差を補正する補正値群、及びレチクルステージRSTの位置偏差を補正する補正値群を、一度に取得するようにしても良い。
かかる場合も、露光の際に、その得られた各補正値群を上記実施形態と同様に用いることで、上記実施形態と同様に、ウエハステージWSTの位置偏差、及びレチクルステージRSTの位置偏差(ウエハステージWSTに対する追従誤差(両ステージの同期誤差))が、零に漸近するような両ステージの位置補正が可能となる。
また、上記実施形態では、第1モード〜第3モードの移動動作(ウエハステージWSTの複数の動作シーケンス)に個別に対応する補正値群を予め前述した繰り返し学習制御により取得しておき、露光の際には、両ステージWST,RSTを制御するステージ制御系90が、ウエハステージWSTの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群の中から選択された動作条件に対応する補正値群に基づいて、ウエハステージWSTの位置を補正する場合について説明した。しかしながら、補正値群が用意される動作条件の分類方法は、これに限らず、前記複数の補正値群は、同一行の複数のショット領域を連続して露光する際のウエハステージの動作パターンと、異なる行の複数のショット領域を連続して露光する際のウエハステージの動作パターンとに、個別に対応する補正値群を含むこととしても良い。また、動作条件に対応する補正値群に基づいてウエハステージの位置を補正することを主目的とするのであれば、補正値群は、繰り返し学習制御ではなく、シミュレーションなどで予め動作条件毎に求めておいても良い。
また、上記実施形態では、ウエハへの露光を行う前にステージを移動させて繰り返し学習制御を行う場合について説明したが、露光を行いながら前述の学習制御を行って補正値群を記憶するようにしても良い。繰り返し学習制御によって得られる補正値群は、例えば、露光装置固有の情報として各露光装置の出荷前に個別に取得して同期制御ユニットに記憶しておくことができるが、さらに出荷先での環境に合わせて繰り返し学習制御を行い、その際の補正値群を記憶するようにしても良い。
また、露光装置のレチクルステージあるいはウエハステージとして、粗動ステージと微動ステージとで構成されるステージ(以下、「粗微動型ステージ」という)が知られている。この場合、微動ステージは、レチクル又はウエハを保持すると共に、比較的短いストロークで移動可能であるが、その位置制御性(位置決め精度を含む)は高精度かつ高応答性となるように構成される。また、粗動ステージは、微動ステージを比較的長い距離に渡って移動させることができるように構成される。本発明は、このような粗微動型ステージを有する露光装置においても適用することができる。粗微動型ステージにおいても、粗動ステージ及び微動ステージの制御系は、共に位置指令値に基づくフィードバック制御系として構成することができるので、粗微動各ステージの制御系に繰り返し学習制御機能を持たせても良い。しかし、最終的な位置制御(位置決めを含む)の対象であるレチクルやウエハを保持する微動ステージの制御系にのみ、繰り返し学習制御機能を持たせても良い。いずれの場合においても、上記実施形態のように、レチクルがウエハに追従するような追従制御を行うことが可能である。例えば、レチクルステージを粗微動型ステージとした場合、上記実施形態で説明したレチクルステージの制御系をレチクル微動ステージの制御系として用いることができる。この場合、レチクル粗動ステージに対する目標位置(位置指令値)を、レチクル粗動ステージがレチクル微動ステージの近傍に位置するような値に設定することで、レチクル微動ステージが、ウエハステージへの追従制御ではなく、ウエハステージとは独立した位置のフィードバック制御を行なうように構成することが可能である。また、レチクルステージ、ウエハステージともに粗微動型ステージとした場合は、上記実施形態で説明したレチクルステージの制御系をレチクル微動ステージの制御系として用い、上記実施形態で説明したウエハステージの制御系をウエハ微動ステージの制御系として用いるようにすれば良い。この場合、レチクル微動ステージは、ウエハ微動ステージに対する追従制御が行われるように設定される。
なお、上記実施形態では露光用照明光として波長が100nm以上の紫外光、具体的はKrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光あるいはF2レーザ光(波長157nm)などを用いる場合ついて説明したが、これに限らず、例えばg線、i線などのKrFエキシマレーザと同じ遠紫外域に属する遠紫外(DUV)光などを用いることもできる。なお、YAGレーザの高調波などを用いても良い。
さらに、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。なお、単一波長発振レーザとしては例えばイッテルビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
また、上記実施形態の露光装置において、露光用照明光としては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことは勿論である。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行なわれている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置も本発明の適用範囲に含まれるものである。
また、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも本発明を適用することができる。例えば電子線露光装置として、例えばマスク上で互いに分離した250nm角程度の多数のサブフィールドに回路パターンを分解して形成し、マスク上で電子線を第1方向に順次シフトさせるとともに、第1方向と直交する第2方向にマスクを移動するのに同期して、分解パターンを縮小投影する電子光学系に対してウエハを相対移動し、ウエハ上で分解パターンの縮小像を繋ぎ合せて合成パターンを形成するマスク投影方式の露光装置を用いることができる。
ところで、上記実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影露光装置(スキャニング・ステッパ)に本発明が適用された場合について説明したが、例えばミラープロジェクション・アライナ、プロキシミティ方式の露光装置(例えばX線が照射される円弧状照明領域に対してマスクとウエハとを一体的に相対移動する走査型のX線露光装置)などにも本発明を適用できる。
また、投影光学系は縮小系だけでなく等倍系、又は拡大系(例えば液晶ディスプレイ製造用露光装置など)を用いても良い。さらに、投影光学系は屈折系、反射系、及び反射屈折系のいずれであっても良い。なお、露光用照明光の波長によって光学素子(特に屈折素子)に使用可能な硝材やコーティング材の種類が制限され、かつ硝材毎にその製造可能な最大口径も異なるので、露光装置の仕様から決定される露光波長やその波長幅(スペクトル半値幅)、及び投影光学系のフィールドサイズや開口数などを考慮して、屈折系、反射系、及び反射屈折系のいずれかを選択することになる。
一般、露光波長が190nm程度以上であれば、硝材として合成石英と蛍石とを用いることができるので、反射系、及び反射屈折系は言うに及ばず、屈折系も比較的容易に採用することができる。また、波長が200nm程度以下の真空紫外光では、その狭帯域化された波長幅によっては屈折系をも用いることができるが、特に波長が190nm程度以下では、硝材として蛍石以外に適当なものがなく、かつ波長の狭帯化も困難になることから、反射系、又は反射屈折系を採用するのが有利である。さらにEUV光では、複数枚(例えば3〜6枚程度)の反射素子のみからなる反射系が採用される。なお、電子線露光装置では電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系が用いられる。また、真空紫外域の露光用照明光ではその減衰を低減する気体(例えば窒素、ヘリウムなどの不活性ガス)で光路を満たすか、あるいはその光路を真空とし、EUV光、又は電子線ではその光路を真空とする。
また、本発明の一部(少なくとも、マスクを構成要件として含まないもの)は、マスク(レチクル)を用いずにウエハ上に直接所定のパターンを露光する露光装置にも適用することが可能である。
さらに、本発明は、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、角型のガラスプレート上に液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、プラズマディスプレイや有機ELなどの表示装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置、さらにはマスク又はレチクルの製造に用いられる露光装置などにも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、プロキシミティ方式のX線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、光露光装置(DUV光やVUV光)などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、あるいは水晶などが用いられる。また、EUV露光装置では反射型マスクが用いられ、プロキシミティ方式のX線露光装置、又はマスク投影方式の電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
《デバイス製造方法》
次に上述した各実施形態の露光装置及びその露光方法をリソグラフィ工程で用いるデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
次に上述した各実施形態の露光装置及びその露光方法をリソグラフィ工程で用いるデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図11には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図11に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図12には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図12において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明した露光装置及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法によると、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置及び露光方法が用いられるので、レチクルとウエハとの同期誤差を極力低減した状態で走査露光が行われ、これによりレチクルのパターンをウエハW上の各ショット領域に重ね合わせ精度良く転写することができる。また、ウエハ上の同一行のショット領域間ではウエハステージを停止させることなくショット領域間の移動動作が行われるので、高スループットでレチクルのパターンをウエハW上の各ショット領域に転写することが可能となる。従って、本実施形態のデバイス製造方法によると、高集積度のデバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能になる。
本発明の露光方法及び露光装置は、感光物体上にマスクのパターンを転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、半導体素子、液晶表示素子などの電子デバイスの製造に適している。
Claims (28)
- マスクを保持するマスクステージと感光物体を保持する物体ステージとを所定の走査方向に同期移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上に転写する露光方法であって、
前記物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群を考慮して前記マスクステージと前記物体ステージとを同期移動しながら、前記物体ステージの現在位置に応じた前記マスクステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第2の補正値群を繰り返し学習制御により得る第1工程と;
前記第1の補正値群及び第2の補正値群をそれぞれ用いて前記物体ステージ及び前記マスクステージの位置を補正しながら、前記マスクステージと前記物体ステージとを前記走査方向に同期移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上に転写する第2工程と;を含む露光方法。 - 請求項1に記載の露光方法において、
前記第1工程に先立って、前記物体ステージを前記第1工程と同様に移動しながら前記第1の補正値群を繰り返し学習制御により得る第3工程を、更に含む露光方法。 - 請求項1に記載の露光方法において、
前記第1工程では、前記同期移動中に前記第1の補正値群を得るための繰り返し学習制御が並行して実行されることを特徴とする露光方法。 - 感光物体を保持する物体ステージを所定の走査方向に移動し、前記感光物体上の複数の区画領域をそれぞれ露光して各区画領域に所定のパターンを形成する露光方法であって、
実際の露光動作に先立って、1つの区画領域に対する露光と次の区画領域に対する露光との間で実行される区画領域間の移動動作時と同様に前記走査方向及びこれに直交する非走査方向にともに交差する所定の経路に沿って前記物体ステージを移動しながら、前記非走査方向に関する前記物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群を繰り返し学習制御により得る第1工程と;
前記第1の補正値群を考慮して前記物体ステージの前記非走査方向の位置を補正しながら前記区画領域間の移動動作を行うとともに、該区画領域間の移動動作の前後で前記物体ステージを前記走査方向に移動して前記露光を行い、前記パターンを前記感光物体上の各区画領域に形成する第2工程と;を含む露光方法。 - 請求項4に記載の露光方法において、
前記第1工程では、所定の経路に沿って前記物体ステージを移動する際に、前記走査方向に関する前記物体ステージの目標位置とその現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる第2の補正値群を考慮して前記物体ステージの前記走査方向に関する位置を補正することを特徴とする露光方法。 - 請求項5に記載の露光方法において、
前記第1工程に先立って、露光の際の前記走査方向への移動時と同様にして前記物体ステージを前記走査方向に移動しながら前記第2の補正値群を繰り返し学習制御により得る第3工程を、更に含む露光方法。 - 感光物体を保持する物体ステージを所定の走査方向に移動し、前記感光物体上の複数の区画領域をそれぞれ露光して各区画領域に所定のパターンを形成する露光方法であって、
前記物体ステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群の中から選択された動作条件に対応する補正値群に基づいて、前記物体ステージの位置を補正しつつ、前記物体ステージを前記動作条件に応じて制御する露光工程を含む露光方法。 - 請求項7に記載の露光方法において、
前記複数の補正値群は、同一行の複数の区画領域を連続して露光する際の前記物体ステージの動作パターンと、異なる行の複数の区画領域を連続して露光する際の前記物体ステージの動作パターンとに、個別に対応する補正値群を含むことを特徴とする露光方法。 - 請求項7に記載の露光方法において、
前記複数の補正値群は、前記物体ステージの複数の動作シーケンスに個別に対応する補正値群を含むことを特徴とする露光方法。 - 請求項7に記載の露光方法において、
前記複数の補正値群は、前記物体ステージの前記走査方向に関する走査動作及びステップ動作、並びに前記走査方向に直交する非走査方向に関するステップ動作のそれぞれに個別に対応する補正値群を含むことを特徴とする露光方法。 - 請求項7に記載の露光方法において、
前記各補正値群は、動作条件毎に予め行われた繰り返し学習制御によってそれぞれ取得されていることを特徴とする露光方法。 - 請求項7に記載の露光方法において、前記所定のパターンはマスクに形成されたものであり、露光の際は、前記マスクを保持するマスクステージと前記物体ステージとが所定の走査方向に同期移動することで前記所定のパターンが前記感光物体上の複数の区画領域にそれぞれ転写され、更に前記露光工程では、前記マスクステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値群に基づいて、前記マスクステージの位置が補正されることを特徴とする露光方法。
- 請求項12に記載の露光方法において、
前記マスクステージの位置を補正するための前記補正値群は、予め行われた繰り返し学習制御によって取得されていることを特徴とする露光方法。 - 請求項13に記載の露光方法において、
前記露光工程では、前記動作条件として1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で前記走査方向に関して前記両ステージが一旦停止する前記両ステージの移動シーケンスが設定され、前記1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に前記両ステージの加速を開始することを特徴とする露光方法。 - マスクと感光物体とを所定の走査方向に同期移動し、前記マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写する露光装置であって、
前記マスクを載置可能であるとともに、少なくとも前記走査方向に移動可能なマスクステージと;
前記感光物体を載置可能であるとともに、少なくとも前記走査方向に移動可能な物体ステージと;
前記物体ステージをその目標位置と現在位置との差である位置偏差に応じて制御する第1制御系と、前記位置偏差を零に漸近させる第1の補正値群を繰り返し学習により取得する第1の学習コントローラとを含む物体ステージ制御系と;
前記マスクステージをその目標位置と現在位置との差である位置偏差に応じて制御する第2制御系と、前記位置偏差を零に漸近させる第2の補正値群を繰り返し学習により取得する第2の学習コントローラとを含み、前記同期移動時には、前記物体ステージの現在位置に応じた指令値が前記目標位置として与えられるマスクステージ制御系と;
設定条件に応じて、前記第1及び第2の学習コントローラを対応する制御系に対して接続状態又は非接続状態に設定し、対応する制御系に対して接続状態に設定された特定の学習コントローラで取得される補正値群を逐次記憶するとともに、対応する学習コントローラが非接続状態とされた制御系に対しては前記対応する学習コントローラで事前に取得された対応する補正値群を前記位置偏差の補正値として逐次入力する制御装置と;を備える露光装置。 - 請求項15に記載の露光装置において、
前記設定条件として、前記第1の学習コントローラを前記物体ステージ制御系に接続させる第1条件と、前記第2の学習コントローラを前記マスクステージ制御系に接続させる第2条件とが、設定可能であることを特徴とする露光装置。 - 請求項15に記載の露光装置において、
前記設定条件として、前記第1、第2の学習コントローラを前記物体ステージ制御系、マスクステージ制御系にそれぞれ接続させる第1条件と、前記第1、第2の学習コントローラを前記物体ステージ制御系、マスクステージ制御系に対して非接続状態とする第2条件とが、設定可能であることを特徴とする露光装置。 - 感光物体を所定の走査方向に移動し、前記感光物体上の複数の区画領域をそれぞれ露光して各区画領域に所定のパターンを形成する露光装置であって、
前記感光物体を載置可能であるとともに、前記走査方向及びこれに直交する非走査方向を含む2次元方向に移動可能な物体ステージと;
前記物体ステージを制御するとともに、前記物体ステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる複数の補正値群の中から選択された動作条件に対応する補正値群に基づいて、前記物体ステージの位置を補正するステージ制御系と;を備える露光装置。 - 請求項18に記載の露光装置において、
前記複数の補正値群は、同一行の複数の区画領域を連続して露光する際の前記物体ステージの動作パターンと、異なる行の複数の区画領域を連続して露光する際の前記物体ステージの動作パターンとに、個別に対応する補正値群を含むことを特徴とする露光装置。 - 請求項18に記載の露光装置において、
前記補正値群は、前記物体ステージの複数の動作シーケンスに個別に対応する補正値群を含むことを特徴とする露光装置。 - 請求項18に記載の露光装置において、
前記各補正値群は、前記物体ステージの前記走査方向に関する走査動作及びステップ動作、並びに前記非走査方向に関するステップ動作のそれぞれに個別に対応する補正値群を含むことを特徴とする露光装置。 - 請求項18に記載の露光装置において、
前記各補正値群は、動作条件毎に予め行われた繰り返し学習制御によってそれぞれ取得されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項22に記載の露光装置において、
前記所定のパターンが形成されたマスクを載置可能であるとともに、少なくとも前記走査方向に移動可能なマスクステージを更に備え、
前記ステージ制御系は、1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で前記走査方向に関して前記物体ステージと前記マスクステージとが一旦停止する前記両ステージの移動シーケンスを実行する際に、前記1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に前記両ステージの加速を開始することを特徴とする露光装置。 - 請求項23に記載の露光装置において、
前記ステージ制御系は、前記マスクステージの目標位置と現在位置との差である位置偏差を零に漸近させる補正値群に基づいて、前記物体ステージとの同期移動時における前記マスクステージの位置を更に補正することを特徴とする露光装置。 - 請求項24に記載の露光装置において、
前記マスクステージの位置を補正するための前記補正値群は、予め行われた繰り返し学習制御によって取得されていることを特徴とする露光装置。 - 請求項25に記載の露光装置において、
前記ステージ制御系は、1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で前記走査方向に関して前記両ステージが一旦停止する前記両ステージの移動シーケンスを実行する際に、前記1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に前記両ステージの加速を開始することを特徴とする露光装置。 - マスクと感光物体とを所定の走査方向に同期移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上の複数の区画領域にそれぞれ転写する露光装置であって、
前記マスクを載置可能であるとともに、少なくとも前記走査方向に移動可能なマスクステージと;
前記感光物体を載置可能であるとともに、前記走査方向及びこれに直交する非走査方向の2次元方向に移動可能な物体ステージと;
前記両ステージを制御するとともに、1つの区画領域の露光と次の区画領域の露光との間で前記走査方向に関して前記両ステージが一旦停止する前記両ステージの移動シーケンスを実行する際に、前記1つの区画領域の露光終了から一定時間の経過後に前記両ステージの加速を開始するステージ制御系と;を備える露光装置。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
前記リソグラフィ工程では、請求項1〜14のいずれか一項に記載の露光方法により、感光物体上にパターンを転写することを特徴とするデバイス製造方法。
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