JP2003059806A - ステージ駆動方法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

ステージ駆動方法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法

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JP2003059806A
JP2003059806A JP2001247916A JP2001247916A JP2003059806A JP 2003059806 A JP2003059806 A JP 2003059806A JP 2001247916 A JP2001247916 A JP 2001247916A JP 2001247916 A JP2001247916 A JP 2001247916A JP 2003059806 A JP2003059806 A JP 2003059806A
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speed
acceleration
scanning
deceleration
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JP2001247916A
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Shinji Wakamoto
信二 若本
Kazuo Mazaki
和生 真崎
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Nikon Corp
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    • G03F7/70716Stages
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重ね合わせ精度を向上する。 【解決手段】 ウエハW上に非走査方向に沿って配置さ
れた区画領域SAnを露光する際に、主制御装置50は
ステッピング動作におけるウエハステージWST、レチ
クルステージRSTの走査方向への加減速動作における
加速度・減速度を、ステッピング動作中にウエハステー
ジが非走査方向に移動すべきステップ距離(又はステッ
プ時間)と各ステージの走査速度とに応じて決定する。
これにより、加減速動作終了前にウエハステージの非走
査方向の移動を確実に終了させることが可能な加減速度
を決定することができるので、走査方向への移動中に各
ステージを一旦停止させその終了時間を調整する必要が
なくなる。従ってステージの停止に起因して発生してい
たステージを支持する支持体の振動を抑制することがで
きるので、各ステージの位置制御性、ひいては重ね合わ
せ精度を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステージ駆動方
法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法に
係り、更に詳しくは、物体を保持するステージを駆動す
るステージ駆動方法、マスクに形成されたパターンを基
板上の区画領域に転写する露光方法及び露光装置、並び
に該露光装置を用いて露光を行うデバイス製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子(集積回路)又は
液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程では、種々
の露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の
高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパ
に改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査
型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等
の逐次移動型の投影露光装置が主流となっている。
【0003】集積回路の高集積化に伴うパターンの微細
化が進むにつれ、現在では、ステッパ等の静止型露光装
置に比べて、投影光学系に対してレチクル及びウエハを
相対走査することで、平均化効果があり、ディストーシ
ョンや焦点深度の向上により、より高精度な露光が可能
となるとともに、大フィールド露光によるショット数の
減少により高いスループットが期待できる走査型の投影
露光装置が主流となりつつある。
【0004】この走査型露光装置では、ウエハ上に非走
査方向(レチクルとウエハとの走査方向に直交する方
向)に並んだ隣接するショット領域を連続して露光する
際には、概ね次のようにしてレチクルを保持するレチク
ルステージとウエハを保持するウエハステージとを走査
方向及び非走査方向に関し、駆動していた。
【0005】すなわち、レチクルステージとウエハステ
ージとを走査方向に関してそれぞれの目標走査速度まで
加速し、両者が等速同期状態に達すると1つのショット
領域に対して走査露光が行われる。この露光の終了後か
ら次のショット領域に対する走査露光の開始までの間
に、レチクルステージとウエハステージとを走査方向に
関して一旦減速後目標速度まで加速する加減速動作を行
うのと並行して、ウエハステージを非走査方向に関して
次のショット領域の露光開始位置まで移動するショット
間ステッピング動作(以下、「ステップ動作」ともい
う)を行っていた。
【0006】図13(A)〜図13(C)には、上記の
非走査方向に隣接するショット領域を連続して露光する
際の従来の走査型露光装置における各ステージ速度の時
間変化が示されている。このうち、図13(A)は、レ
チクルステージの走査方向に関する速度変化を示し、図
13(B)は、ウエハステージの走査方向に関する速度
変化を示し、図13(C)はウエハステージの非走査方
向に関する速度変化を示す。これらの図から分かるよう
に、時間Tex1,Tex2で示される走査露光中は、ウエ
ハステージは非走査方向に関しては停止状態を維持して
いるが、時間Tex1で示される1つのショット領域に対
する走査露光が終了すると、次のショット領域の露光開
始位置に向け、非走査方向のステップ移動を開始してい
る。通常の場合、図13(A)〜図13(C)を総合す
ると分かるように、両ステージの走査方向に関する加減
速動作が終了し、次のショット領域の露光が開始される
時刻t1の前(又はこれと同時)に、ウエハステージの
ステップ移動が確実に終了するように、走査方向に関し
て両ステージを停止状態とする調整時間Tcを設定して
いた。これは、走査型露光装置では、通常、レチクルス
テージは、走査方向には大きく移動可能となっている
が、非走査方向には微動のみが可能であるため、走査露
光によりレチクルパターンをウエハ上に正確に転写する
ためには、走査露光開始の際にウエハステージの非走査
方向の移動が完了している必要があるためである。この
場合、ウエハステージのステップ動作に起因するボディ
の振動などが露光に悪影響を与えないようにするために
は、走査露光の開始時刻より幾分先立ってウエハステー
ジのステップ移動終了後の位置決め整定が終了している
ことが望ましい。かかる点を考慮して、図13(C)に
示される時間Taが設定されている。
【0007】一方、図13(A)〜図13(C)を総合
すると分かるように、走査方向に関して走査露光の終了
時点から両ステージを直ちに減速開始することなく、露
光開始直前の同期静定時間Tb1と同一のオーバースキ
ャン時間Tb2(=Tb1)の後に減速を開始することと
していた。これは、両ステージの加速度と減速度とを同
一の大きさに設定する最も簡易な加減速制御を採用した
場合に、次ショット領域に対する露光のためのレチクル
ステージ(及びウエハステージ)の走査方向の加速開始
位置を、前ショットの露光終了後の減速終了位置(速度
0の位置、すなわち上記の停止位置)に一致させるため
である。
【0008】従来は、また、図13(A)に示されるレ
チクルステージの走査速度の大きさVscanは、露光時間
を極力短縮しようとの観点から、可能な限り高速に設定
するとともに、これに応じて図13(B)に示されるウ
エハステージの走査速度の大きさβ・Vscan(βは投影
光学系の投影倍率である)を設定していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の走査型露光装置の両ステージの駆動方法では、
上記調整時間Tcを設定する関係から、走査方向に関し
て両ステージの加減速動作の途中でその加速度(減速度
を含む)が急激に変化し、これにより両ステージに作用
する反力が急激に変化する。従って、この反力の変化に
より両ステージを支持するボディが振動し、この振動が
両ステージの同期誤差を増大させてしまうという不都合
があった。
【0010】ところで、半導体素子の高集積化に伴い、
露光装置を構成する各部に対する精度の要求はますます
厳しくなっており、将来においては、上記の両ステージ
の同期誤差の増大がより大きな問題となることはほぼ間
違いない。
【0011】また、前述の如く、レチクルステージの走
査速度の大きさを可能な限り大きく(高速に)設定した
場合には、走査速度までの加速に要する時間が長くなっ
てしまい、必ずしも処理時間を短縮する(スループット
を向上させる)ことができるとは限らない。
【0012】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、ステージの位置制御性の向上を
図ることができるステージ駆動方法を提供することにあ
る。
【0013】本発明の第2の目的は、ステージの移動に
要する時間を極力短縮することができるステージ駆動方
法を提供することにある。
【0014】本発明の第3の目的は、最終製品であるデ
バイスの生産性の向上に寄与する露光方法及び露光装置
を提供することにある。
【0015】本発明の第4の目的は、デバイスの生産性
を向上させることが可能なデバイス製造方法を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、第1物体(W)を保持する第1ステージ(WST)
を、所定の第1軸方向及びこれに直交する第2軸方向に
沿って2次元的に駆動するステージ駆動方法において、
前記第1ステージを、前記第1軸方向の一側から他側へ
第1の特定速度から速度0まで減速しつつ移動するとと
もに他側から一側へ速度0から前記第1の特定速度まで
加速しつつ移動する加減速動作と、前記第1ステージ
を、前記第2軸方向の一側から他側へ所定のステップ距
離だけ移動するステップ動作とを並行して行うに際し、
前記ステップ距離及びこの関数であるステップ時間の一
方と、前記第1の特定速度とに応じて前記加減速動作に
おける減速度及び加速度を決定することを特徴とする。
【0017】ここで、ステップ時間は、ステップ距離分
の移動に要する時間そのもの、及びステップ距離分の移
動に要する時間に一定の位置決め整定時間を加えた時間
のいずれであっても良い。
【0018】これによれば、第1ステージを、第1軸方
向の一側から他側へ第1の特定速度から速度0まで減速
しつつ移動するとともに他側から一側へ速度0から第1
の特定速度まで加速しつつ移動する加減速動作と、第1
ステージを、第1軸に直交する第2軸方向の一側から他
側へ所定のステップ距離だけ移動するステップ動作とを
並行して行うに際し、ステップ距離及びこの関数である
ステップ時間の一方と、第1の特定速度とに応じて前記
加減速動作における減速度及び加速度を決定する。この
ため、第1ステージが、第1軸方向に関する上記の加減
速動作の終了前(又は終了と同時)に、第2軸方向のス
テップ動作が確実に終了し、かつ加減速動作中に停止状
態となる時間(前述した調整時間に相当)が零となるよ
うに、前記加減速動作における減速度及び加速度を容易
に決定することができる。従って、第1ステージを第1
軸方向に関して一旦停止させる動作を無くすことができ
るので、停止時に発生していたステージを支持する支持
体(例えばボディ)の振動を抑制することができ、これ
により第1ステージの位置制御性の向上が可能となる。
【0019】この場合において、請求項2に記載のステ
ージ駆動方法の如く、前記第1ステージの駆動と並行し
て、さらに、第2物体(R)を保持する第2ステージ
(RST)を前記第1軸方向の一側から他側又は他側か
ら一側へ第2の特定速度から速度0まで減速しつつ移動
するとともに他側から一側又は一側から他側へ速度0か
ら前記第2の特定速度まで加速しつつ移動する加減速動
作を行うに際し、前記ステップ距離及び前記ステップ時
間の一方と、前記第2の特定速度とに応じて前記第2ス
テージにおける加減速動作の減速度及び加速度を決定す
ることとすることができる。
【0020】この場合において、請求項3に記載のステ
ージ駆動方法の如く、前記加減速動作における前記各ス
テージの減速度及び加速度は、前記各ステージの加減速
動作に要する時間が、前記ステップ移動に要する時間以
上となるように決定されることとすることができる。
【0021】上記請求項1〜3に記載の各ステージ駆動
方法において、請求項4に記載のステージ駆動方法の如
く、前記加減速動作における前記各ステージの減速度及
び加速度は、同一且つ一定であることとすることができ
る。
【0022】この場合において、請求項5に記載のステ
ージ駆動方法の如く、前記第1ステージ及び前記第2ス
テージのうちの一方である特定ステージの前記加減速動
作における一定減速度αacc及び一定加速度αaccは、前
記各ステージの加減速動作に要する時間をTacc、前記
ステップ移動に要する時間をTstep、前記特定ステージ
の走査速度をVscan、前記特定ステージが前記加減速動
作終了後から前記走査速度に収束するまでの整定時間を
Tbとした場合に、 αacc≦2Vscan/(Tstep−2Tb) にて表される範囲内の値に設定されることとすることが
できる。
【0023】請求項6に記載の発明は、第1物体を保持
する第1ステージを、所定の第1軸方向に駆動するステ
ージ駆動方法において、前記第1ステージを前記第1軸
方向の一側から他側へ速度0から第1の特定速度まで加
速し、所定時間だけ前記第1の特定速度で等速移動し、
更に前記第1の特定速度から速度0まで減速する動作を
行うに際し、前記等速移動時に前記第1ステージを移動
すべき移動目標距離に応じて前記第1の特定速度を決定
することを特徴とする。
【0024】これによれば、第1ステージが第1軸方向
の一側から他側へ速度0から第1の特定速度まで加速さ
れた後、所定時間だけ第1の特定速度で等速移動され、
更に第1の特定速度から速度0まで減速される。この場
合の第1の特定速度は、等速移動時に第1ステージを移
動すべき移動目標距離に応じて決定される。従って、等
速移動時に第1ステージを移動すべき移動目標距離に応
じて、第1の特定速度を決定することにより、第1の特
定速度と加速度とにより定まる加速に要する時間と、等
速移動時における移動目標距離と第1の特定速度とによ
り定まる等速移動に要する時間と、第1の特定速度と減
速度とにより定まる減速に要する時間とを含むトータル
時間を最小、あるいは極力小さくするような第1の特定
速度を決定することが可能となる。すなわち、このよう
な駆動方法を採用することにより、第1ステージの移動
に要する時間を最短にすることができ、そのステージの
移動により行われる処理に関するスループットを向上さ
せることができる。
【0025】この場合において、請求項7に記載のステ
ージ駆動方法の如く、前記第1ステージの駆動と並行し
て、第2物体を保持する第2ステージを前記第1軸方向
の一側から他側又は他側から一側へ速度0から第2の特
定速度まで加速し、所定時間だけ前記第2の特定速度で
等速移動し、更に第2の特定速度から速度0まで減速す
る動作を行うに際し、前記等速移動時に前記第2ステー
ジを移動すべき移動目標距離に応じて前記第2の特定速
度を決定することとすることができる。
【0026】請求項8に記載の発明は、マスク(R)に
形成されたパターンを基板(W)上の複数の区画領域
(SAn)に順次転写する露光方法であって、前記マス
クを保持するマスクステージ(RST)と前記基板を保
持する基板ステージ(WST)とを同期して所定の第1
軸方向にそれぞれの走査速度Va,Vbで等速移動しつ
つ前記パターンを前記基板上の1つの区画領域に転写す
る工程と;前記マスクステージを前記第1軸方向の一側
から他側へ前記走査速度Vaから速度0まで減速しつつ
移動するとともに他側から一側へ速度0から前記走査速
度Vaまで加速しつつ移動する加減速動作と、前記基板
ステージを、前記第1軸方向の一側から他側又は他側か
ら一側へ前記走査速度Vbから速度0まで減速しつつ移
動するとともに他側から一側又は一側から他側へ速度0
から前記走査速度Vbまで加速しつつ移動する加減速動
作と、前記基板ステージを、前記第2軸方向の一側から
他側へ所定のステップ距離だけ移動するステップ動作と
の3つの動作を並行して行う工程と;を含み、前記ステ
ップ距離及びこの関数であるステップ時間の一方と、前
記走査速度に応じて前記各ステージの前記加減速動作に
おける減速度及び加速度を決定することを特徴とする露
光方法である。
【0027】これによれば、マスクステージと基板ステ
ージとを同期して所定の第1軸方向にそれぞれの走査速
度Va,Vbで等速移動しつつマスクに形成されたパタ
ーンを基板上の1つの区画領域に転写する。すなわち、
走査露光方式でマスクパターンを基板上の1つの区画領
域に転写する。
【0028】これに連続して、マスクステージを第1軸
方向の一側から他側(上記の走査露光時の移動方向)へ
走査速度Vaから速度0まで減速しつつ移動するととも
に他側から一側(上記の移動方向と反対方向)へ速度0
から走査速度Vaまで加速しつつ移動する加減速動作
と、基板ステージを、第1軸方向の一側から他側又は他
側から一側(走査露光時の移動方向)へ走査速度Vbか
ら速度0まで減速しつつ移動するとともに他側から一側
又は一側から他側(走査露光時の移動方向と反対方向)
へ速度0から走査速度Vbまで加速しつつ移動する加減
速動作と、基板ステージを、第2軸方向の一側から他側
へ所定のステップ距離だけ移動するステップ動作との3
つの動作を並行して行う。すなわち、マスクステージを
走査方向に関して折り返しのため減速後に反対向きに加
速するのと並行して、基板ステージを走査方向に関して
方向変換を行いつつ次の区画領域の露光開始位置までU
字状(又はV字状)の経路に沿って移動する。
【0029】この場合において、上記ステップ距離及び
この関数であるステップ時間の一方と、前記走査速度V
a,Vbとに応じて各ステージの前記加減速動作におけ
る減速度及び加速度を決定する。このため、両ステージ
の第1軸方向(走査方向)に関する上記の加減速動作の
終了前(又は終了と同時)に、第2軸方向(非走査方
向)のステップ動作が確実に終了し、かつそれぞれのス
テージの加減速動作中に停止状態となる時間(前述した
調整時間に相当)が零となるように、前記加減速動作に
おける減速度及び加速度を容易に決定することができ
る。従って、両ステージを第1軸方向に関して一旦停止
させる動作を無くすことができるので、停止時に発生し
ていた両ステージを支持する支持体(例えばボディ)の
振動を抑制することができ、これにより両ステージの位
置制御性の向上、ひいては走査露光時の同期精度の向上
が可能となる。この結果、走査露光における重ね合わせ
精度の向上、ひいては最終製品であるデバイスの生産性
の向上に寄与することが可能となる。
【0030】請求項9に記載の発明は、マスク(R)に
形成されたパターンを基板(W)上の少なくとも1つの
区画領域(SAn)に転写する露光方法であって、前記
マスクを保持するマスクステージ(RST)を第1軸方
向に沿って速度0から走査速度Vaまで加速し、所定時
間だけ前記走査速度Vaで等速移動し、前記走査速度V
aから速度0まで減速する動作と、前記基板を保持する
基板ステージ(WST)を前記第1軸方向に沿って速度
0から走査速度Vbまで加速し、所定時間だけ前記走査
速度Vbで等速移動し、前記走査速度Vbから速度0ま
で減速する動作と、を並行して行うとともに、前記両ス
テージの等速同期移動中に前記マスクを照明光により照
明する工程を含み、前記等速同期移動時に前記各ステー
ジを移動すべき移動目標距離に応じて前記各ステージの
走査速度を決定することを特徴とする露光方法である。
【0031】これによれば、マスクステージを第1軸方
向に沿って速度0から走査速度Vaまで加速し、所定時
間だけ走査速度Vaで等速移動し、走査速度Vaから速
度0まで減速する動作と、基板ステージを第1軸方向に
沿って速度0から走査速度Vbまで加速し、所定時間だ
け走査速度Vbで等速移動し、走査速度Vbから速度0
まで減速する動作と、を並行して行う。ここで、両ステ
ージの等速同期移動中にマスクを照明光により照明する
ことにより、走査露光方式でマスクに形成されたパター
ンが基板上に転写される。この場合、等速同期移動時に
各ステージを移動すべき移動目標距離に応じて各ステー
ジの走査速度が決定される。従って、各ステージの走査
速度と加速度とにより定まる加速に要する時間と、等速
同期移動時における移動目標距離と走査速度とにより定
まる等速移動に要する時間と、走査速度と減速度とによ
り定まる減速に要する時間とを含むトータル時間を最
小、あるいは極力小さくするような各ステージの走査速
度を決定することが可能となる。すなわち、これによ
り、マスクに形成されたパターンを基板上の1つの区画
領域に転写する動作に要する時間を短縮することがで
き、ひいては露光工程全体のスループットの向上を図る
ことが可能となるため、結果的に最終製品であるデバイ
スの生産性の向上に貢献することが可能となる。
【0032】請求項10に記載の発明は、エネルギビー
ム(IL)によりマスク(R)を介して基板(W)を露
光し、前記マスクに形成されたパターンを前記基板上の
複数の区画領域に転写する露光装置であって、前記マス
クを保持するマスクステージ(RST)と;前記基板を
保持する基板ステージ(WST)と;前記両ステージを
同期して前記エネルギビームに対して所定の第1軸方向
に相対移動しつつ前記パターンを前記基板上の区画領域
に転写する走査露光動作と、前記走査露光が終了した区
画領域とは異なる前記基板上の区画領域を前記エネルギ
ビームが照射される照射領域(IA)の端部である前記
走査露光の開始位置まで移動する前記基板ステージのス
テッピング動作とを繰り返し行う制御装置(50)と;
を備え、前記制御装置が、前記基板上に前記第2軸方向
に沿って配置された複数の区画領域を連続的に露光する
際に、前記ステッピング動作時の前記各ステージの前記
第1軸方向に関する減速度及び加速度を、前記ステッピ
ング動作中に前記基板ステージが前記第2軸方向に移動
すべきステップ距離及びこの関数であるステップ時間の
一方と、前記各ステージの走査速度とに応じて決定する
ことを特徴とする露光装置である。
【0033】これによれば、制御装置が、基板上に第2
軸方向(非走査方向)に沿って配置された複数の区画領
域を連続的に露光する際に、ステッピング動作時の各ス
テージの第1軸方向に関する減速度及び加速度を、ステ
ッピング動作中に基板ステージが第2軸方向に移動すべ
きステップ距離及びこの関数であるステップ時間の一方
と、各ステージの走査速度とに応じて決定する。この場
合、制御装置は、両ステージの第1軸方向(走査方向)
に関する上記の加減速動作の終了前(又は終了と同時)
に、第2軸方向(非走査方向)のステップ動作が確実に
終了し、かつそれぞれのステージの加減速動作中に停止
状態となる時間(前述した調整時間に相当)が零となる
ように、ステッピング動作時の各ステージの第1軸方向
に関する減速度及び加速度を容易に決定することができ
る。従って、両ステージを第1軸方向に関して一旦停止
させる動作を無くすことができるので、停止時に発生し
ていた両ステージを支持する支持体(例えばボディ)の
振動を抑制することができ、これにより両ステージの位
置制御性の向上、ひいては走査露光時の同期精度の向上
が可能となる。この結果、走査露光における重ね合わせ
精度の向上、ひいては最終製品であるデバイスの生産性
の向上に寄与することが可能となる。
【0034】請求項11に記載の発明は、エネルギビー
ム(IL)によりマスク(R)を介して基板(W)を露
光し、前記マスクに形成されたパターンを前記基板上の
少なくとも1つの区画領域(SAn)に転写する露光装
置であって、前記マスクを保持するマスクステージ(R
ST)と;前記基板を保持する基板ステージ(WST)
と;前記両ステージを同期して前記エネルギビームに対
して所定の第1軸方向に相対移動しつつ前記パターンを
前記基板上の区画領域に転写する走査露光動作を行う制
御装置(50)と;を備え、前記制御装置が、前記両ス
テージを等速同期移動するときの前記各ステージの走査
速度を、前記等速同期移動の際に前記各ステージを移動
すべき移動目標距離に応じて決定することを特徴とする
露光装置である。
【0035】これによれば、制御装置が、両ステージを
等速同期移動するときの各ステージの走査速度を、等速
同期移動の際に各ステージを移動すべき移動目標距離に
応じて決定する。従って、制御装置は、各ステージの走
査速度と加速度とにより定まる加速に要する時間と、等
速同期移動時における移動目標距離と走査速度とにより
定まる等速移動に要する時間と、走査速度と減速度とに
より定まる減速に要する時間とを含むトータル時間を最
小、あるいは極力小さくするような各ステージの走査速
度を決定することが可能となる。すなわち、これによ
り、マスクに形成されたパターンを基板上の1つの区画
領域に転写する動作に要する時間を短縮することがで
き、ひいては露光工程全体のスループットの向上を図る
ことが可能となり、結果的に最終製品であるデバイスの
生産性の向上に貢献することが可能となる。
【0036】請求項12に記載の発明は、リソグラフィ
工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフ
ィ工程では、請求項10又は11に記載の露光装置を用
いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法であ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】≪第1の実施形態≫以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0038】図1には、本実施形態の露光装置10の概
略構成が示されている。この露光装置10は、ステップ
・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。
【0039】この露光装置10は、不図示の光源及び照
明光学系から成る照明系IOP、この照明系IOPから
の露光用照明光(以下、単に「照明光」と呼ぶ)ILに
より照明されるマスク(第2物体)としてのレチクルR
を保持するマスクステージ(第2ステージ)としてのレ
チクルステージRST、レチクルRから射出された照明
光ILを基板(第1物体)としてのウエハW上に投射す
る投影光学系PL、ウエハWを保持する基板ステージ
(第1ステージ)としてのウエハステージWST、及び
これらの制御系等を備えている。
【0040】前記照明系IOPは、例えば特開平10−
112433号公報、あるいは特開平6−349701
号公報などに開示されるように、光源、オプティカルイ
ンテグレータ等を含む照度均一化光学系、リレーレン
ズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及びダイ
クロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成さ
れている。この照明系IOPでは、回路パターン等が描
かれたレチクルR上のX軸方向に細長く伸びる長方形ス
リット状の照明領域IAR部分(照明系IOP内のレチ
クルブラインドで規定される)を照明光ILによりほぼ
均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、
KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエ
キシマレーザ光(波長193nm)等の近紫外光(遠紫
外光)、あるいはF2レーザ光(波長157nm)など
の真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超
高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を
用いることも可能である。
【0041】前記レチクルステージRST上には、レチ
クルRが載置され、不図示のバキュームチャック等を介
して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、
レチクルステージ駆動部49によって、水平面(XY平
面)内で微小駆動されるとともに、走査方向(ここでは
図1の紙面左右方向であるY軸方向とする)に所定スト
ローク範囲で走査されるようになっている。レチクルス
テージRSTの位置及び回転量は、レチクルステージR
ST上に固定された移動鏡52Rを介して外部のレーザ
干渉計54Rによって計測され、このレーザ干渉計54
Rの計測値が制御装置としての主制御装置50に供給さ
れるようになっている。
【0042】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの
方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとして
は、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率β
(βは、例えば1/5又は1/4)を有する屈折光学系
が使用されている。このため、照明系IOPからの照明
光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明さ
れると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、
投影光学系PLを介してその照明領域IAR内のレチク
ルRの回路パターンの縮小像(部分倒立像)が表面にレ
ジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成され
る。
【0043】前記ウエハステージWSTは、不図示のリ
ニアモータ等によってXY面内で自在に駆動されるXY
ステージ14、該XYステージ14上に搭載されたZチ
ルトステージ58等を備えている。Zチルトステージ5
8上には、ほぼ円形のウエハホルダ25が載置されてお
り、このウエハホルダ25によってウエハWが真空吸着
等によって保持されている。
【0044】また、Zチルトステージ58は、XYステ
ージ14上にXY方向に位置決めされ、かつ不図示の駆
動系によりZ軸方向の移動及びXY平面に対する傾斜駆
動が可能な構成となっている。これによってZチルトス
テージ58上に保持されたウエハWの面位置(Z軸方向
位置及びXY平面に対する傾斜)が所望の状態に設定さ
れるようになっている。
【0045】さらに、Zチルトステージ58上には移動
鏡52Wが固定され、外部に配置された干渉計54Wに
より、Zチルトステージ58のX軸方向、Y軸方向の位
置及び回転(ヨーイング(Z軸回りの回転)、ピッチン
グ(X軸回りの回転)、ローリング(Y軸回りの回
転))が計測され、干渉計54Wによって計測された位
置情報(回転情報を含む)が主制御装置50に供給され
ている。主制御装置50は、この干渉計54Wの計測値
に基づいてウエハステージ駆動部56(これは、XYス
テージ14の駆動系及びZチルトステージ58の駆動系
の全てを含む)を介してXYステージ14及びZチルト
ステージ58を制御する。
【0046】投影光学系PLの側面には、不図示ではあ
るが、オフアクシス方式のアライメント系が設けられて
いる。このアライメント系としては、例えば特開平2−
54103号公報などに開示されているようなFIA
(Field Image Alignment)系のセンサが用いられてい
る。このアライメント系は、所定の波長幅を有する照明
光(例えば白色光)をウエハに照射し、ウエハ上の位置
合わせマークとしてのアライメントマークの像と、対物
レンズ等によってウエハと共役な面内に配置された指標
板上の指標マークの像とを、撮像素子(CCDカメラ
等)の受光面上に結像して検出するものである。
【0047】制御系は、図1中、主制御装置50によっ
て主に構成される。主制御装置50は、CPU(中央演
算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、R
AM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆ
るマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を
含んで構成され、装置全体を統括して制御する。
【0048】次に、上述のようにして構成された露光装
置10による露光動作の流れについて簡単に説明する。
【0049】まず、図1の主制御装置50の管理の下、
不図示のレチクルローダ、ウエハローダによって、レチ
クルロード、ウエハロードが行なわれ、不図示のアライ
メント系等を用いて、レチクルアライメント及び前述し
たアライメント系のベースライン計測等の準備作業が所
定の手順で行なわれる。
【0050】その後、主制御装置50により、アライメ
ント系を用いて例えば特開昭61−44429号公報な
どに開示されるEGA(エンハンスト・グローバル・ア
ライメント)等のウエハアライメントが実行される。こ
のようなアライメントの終了後、以下のようにしてステ
ップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
【0051】まず、主制御装置50は、ウエハアライメ
ントの結果に基づいて、ウエハステージ駆動部56を介
してXYステージ14を駆動し、Z・チルトステージ5
8上のウエハホルダ25に保持されたウエハW上に図2
(A)に示されるようにマトリックス状に配置された区
画領域としてのショット領域SAnのうちの、第1ショ
ット領域(ファーストショット)SA1の露光のための
走査開始位置(加速開始位置)にウエハステージWST
を移動する。そして、レチクルステージ駆動部49及び
ウエハステージ駆動部56を介してレチクルステージR
STとウエハステージWSTとのY軸方向の走査を開始
し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速
度に達し、両ステージが等速同期整定状態に達すると、
照明光IL、すなわち紫外パルス光によってレチクルR
のパターン領域が照明され始め、走査露光が開始され
る。
【0052】主制御装置50では、特に上記の走査露光
時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して
照明領域IARに対して+Y方向(又は−Y方向)に第
2の特定速度(走査速度Va)としての走査速度Vscan
で走査されるのに同期して、ウエハステージWSTを介
してウエハWが前記照明領域IARに共役な露光領域I
A(図1参照)に対して−Y方向(又は+Y方向)に第
1の特定速度(走査速度Vb)としての走査速度β・V
scanで走査されるように、レーザ干渉計54R、54W
の計測値に基づいてレチクルステージ駆動部49、ウエ
ハステージ駆動部56をそれぞれ介してレチクルステー
ジRST、ウエハステージWSTの位置及び速度をそれ
ぞれ制御する。
【0053】そして、レチクルRのパターン領域の異な
る領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面
に対する照明が完了することにより、ウエハW上のファ
ーストショットに対する走査露光が終了する。これによ
り、レチクルRの回路パターンが投影光学系PLを介し
てファーストショットに縮小転写される。
【0054】このようにして、ファーストショットの走
査露光が終了すると、主制御装置50により、レチクル
ステージRSTの所定時間の等速移動の後減速動作が行
われるとともに、ウエハステージWSTの後述するショ
ット間ステップ移動が行われ、セカンドショット(第2
番目のショット領域)SA2(図2(A)参照)に対す
る露光開始位置に移動される。ウエハステージWST
が、この露光開始位置に達した時点では、レチクルステ
ージRSTは前述の減速動作が終了し、かつ前述と逆向
きの加速が終了し、更に両ステージRST、WSTが等
速同期整定状態に達している。
【0055】そして、主制御装置50の管理の下、セカ
ンドショットに対して上記と同様の走査露光が行われ
る。
【0056】このようにして、ウエハW上のショット領
域に対する走査露光動作と、ウエハステージWSTのシ
ョット間ステッピング動作(これに並行して行われるレ
チクルステージRSTの往復移動動作)とが繰り返し行
われ、ウエハW上の全ての露光対象ショット領域にレチ
クルRの回路パターンがステップ・アンド・スキャン方
式で順次転写される。
【0057】ここで、上記のステップ・アンド・スキャ
ン方式の露光処理動作中における両ステージRST、W
STの動作について、図2(A)、図2(B)、図3
(A)、図3(B)及び図3(C)に基づいて更に詳述
する。
【0058】図2(A)には、ウエハW上のショット領
域の配置の一例が示されている。以下、この図2(A)
において非走査方向であるX軸方向に並んだショット領
域SA1〜SA3に対する露光を行う場合を代表的に採り
あげて、両ステージの動作を説明する。
【0059】図2(B)には、図2(A)中に太線で示
されるショット領域SA1〜SA3部分の拡大図が示され
ている。この図2(B)において、太線で描かれた軌跡
は、露光領域IAの中心(すなわち投影光学系PLの光
軸AX)のウエハWに対する相対移動の軌跡を示す。な
お、実際には、固定された露光領域IAに対してウエハ
ステージWST(ウエハW)が移動するが、図2(B)
では説明を分かり易くするために、露光領域IAの中心
が移動するものとして図示されている。
【0060】図3(A)には、X軸方向に隣接する2つ
のショット領域、例えばショット領域SA1、SA2に対
して順次露光を行う際のレチクルステージRSTの走査
方向(Y軸方向)速度の時間変化が示され、図3(B)
には、ウエハステージWSTの走査方向(Y軸方向)速
度の時間変化が示され、図3(C)には、ウエハステー
ジWSTの非走査方向(X軸方向)速度の時間変化が示
されている。なお、図2(B)と、図3(A)〜図3
(C)中に付された符号(a)〜(h)が一致する部分
は、同じ時間であることを示している。
【0061】また、各図に示されている(c)、(g)
の部分では、ショット領域(ファーストショット)SA
1、ショット領域(セカンドショット)SA2に対して前
述した走査露光が行われ、(d)、(e)、(f)の部
分では、前述したウエハステージWSTのショット間ス
テップ移動等と、レチクルステージRSTの前述したY
軸方向の減速及び逆向きの加速等が行われる。
【0062】まず、(a)の部分では、レチクルステー
ジRSTが一定加速度(αacc)で+Y方向に加速さ
れ、これと並行してウエハステージWSTが一定加速度
(−β・αacc)で−Y方向に加速される。そして、そ
れぞれの加速開始から所定の加速時間(Vscan/αac
c)経過すると、レチクルステージRSTが目標走査速
度(+Vscan)に達し、ウエハステージWSTが目標走
査速度(−β・Vscan)にほぼ達して、両ステージの加
速が終了する。
【0063】次に、(b)の部分では、ウエハステージ
WST及びレチクルステージRSTは、それぞれの速度
が所定の誤差範囲で目標走査速度に収束するように、所
定時間、すなわち同期整定時間Tb1の間、さらに上記
加速時と同じ方向に移動する。
【0064】そして、両ステージWST、RSTが等速
同期状態に達すると、(c)の部分において、ショット
領域SA1に対して前述した走査露光が行われる。
(c)の部分においては、両ステージは露光時間Tex1
の間、等速同期移動する。
【0065】この露光時間Tex1の経過後、(d)の部
分では、両ステージRST,WSTとも(c)部分にお
ける目標走査速度を維持したままそれぞれ+Y方向、−
Y方向に更に時間Tb2(=Tb1)だけ移動する。この
とき、ウエハステージWSTは、露光の終了の瞬間から
−X方向へステップ動作が開始されている(図3(C)
参照)。
【0066】そして、ステップ動作開始時(露光終了
時)から所定時間Tb2経過した時点で、レチクルステ
ージRSTは一定減速度、すなわち逆向きの一定加速度
(−αacc)で減速(逆向きの加速)が開始され、これ
に並行してウエハステージWSTは一定減速度、すなわ
ち逆向きの一定加速度(β・αacc)で−Y方向の減速
(すなわち+Y方向の加速)が開始されている。
【0067】ここで、前述した(d)部分において、
(b)部分の同期整定時間と同じ時間だけ各ステージを
Y軸方向にさらに等速移動することとしているのは、前
述の如く、両ステージの加速度と減速度とを同一の大き
さに設定する最も簡易な加減速制御を採用した場合に、
次ショット領域に対する露光のためのレチクルステージ
(及びウエハステージ)の走査方向の加速開始位置を、
前ショットの露光終了後の減速終了位置(速度0の位
置)に一致させるためである。
【0068】なお、以下においては、適宜、(d)部分
におけるY軸方向の等速移動を「オーバースキャン」、
(b)部分におけるY軸方向の等速移動を「プリスキャ
ン」とも呼ぶものとする。
【0069】そして、次の(e)の部分では、両ステー
ジRST,WSTのY軸方向への加減速動作(レチクル
ステージRSTは+Y方向への減速と−Y方向への加
速、ウエハステージWSTは−Y方向への減速と+Y方
向への加速)が続行される。すなわち、この加減速動作
の間、レチクルステージRSTは一定加速度(−αac
c)で−Y方向へ加速され、ウエハステージWSTは一
定加速度(β・αacc)で+Y方向に加速される。
【0070】そして、上記加減速動作が所定時間(2V
scan/αacc)だけ行われると、レチクルステージRS
Tが走査速度(−Vscan)、ウエハステージWSTが走
査速度(β・Vscan)にほぼ達する。
【0071】一方、上記の両ステージRST、WSTの
Y軸方向の加減速動作が行われている間も、これと並行
して、図3(C)に示されるように、ウエハステージW
STのX軸方向一側から他側へのステップ移動(ここで
は−X方向へのステップ移動)は続行されている。ここ
で、このウエハステージWSTのX軸方向のステップ移
動について、説明する。
【0072】ウエハステージWSTのX軸方向の移動
は、加速移動、減速移動、(及び最高速での等速移動)
にて行われる。この場合のステップ移動時間Tstep〔s
ec〕としては、ステップ距離をLstep[mm](図2
(B)参照)とすると、次式(2)の如く、ステップ移
動距離Lstepに依存した関数として表すことができる。
【0073】Tstep=f(Lstep) …(2)
【0074】ここで、ウエハステージWSTのステップ
移動の際の加速度をαstep[mm/sec2]、ステッ
プ移動時の最高速度をVstep[mm/sec]、ウエハ
ステージWSTのステップ移動終了後の位置決め整定時
間をTa[sec]とすると、ステップ移動時間Tstep
は、次式(3)にて表すことができる。
【0075】
【数1】
【0076】この式(3)では、図4(A),図4
(B)に基づき、ステップ移動距離Lstep(図4
(A)、図4(B)では、横軸と速度変化の折れ線とで
囲まれた面積に相当する)に応じて、次のように場合分
けがなされている。 (i) ステップ移動距離Lstepが、ウエハステージW
STが等速移動を行うことなく、加速移動、減速移動を
行うのみで足りる距離Lstep(Lstep≦Lr;Lr=Vst
ep2/2・αstep)である場合(図4(A)参照) (ii) ステップ移動距離Lstepが、ウエハステージW
STが加速移動、減速移動に加え、等速移動をも行う必
要がある距離Lstep(Lstep>Lr)である場合(図4
(B)参照)
【0077】なお、図3(C)では、ステップ移動距離
Lstepが上記(ii)となる場合を代表的に採り挙げ図示
している。
【0078】次に、(f)の部分で同期整定時間Tb1
だけ前述した(b)の部分と同様のプリスキャンが行わ
れ、各ステージが目標走査速度に収束し、両ステージR
ST、WSTが等速同期整定状態に達すると、(g)の
部分では、レチクルステージRSTが−Y方向に走査速
度(−Vscan)で等速移動されるとともに、ウエハステ
ージWSTが+Y方向に走査速度β・Vscanで同期して
等速移動される。この同期移動の間にショット領域SA
2に対してレチクルRのパターンが転写される。
【0079】そして、ショット領域SA2に対する走査
露光が終了すると、(h)の部分で各ステージのオーバ
ースキャンが行われ、このオーバースキャンの開始と同
時にウエハステージWSTのX軸方向のステップ移動が
開始される。以後、前述と同様の両ステージの移動が繰
り返される。
【0080】このようにして、レチクルRを交互スキャ
ン(往復スキャン)することで、次のショット領域SA
3以降のショット領域に対しても、順次走査露光が行わ
れる。
【0081】次に、(d)、(e)、(f)の部分にお
けるレチクルステージRST,ウエハステージWSTの
Y軸方向動作に要する時間に関し、図3(A),(B)
に基づき、より詳細に説明する。
【0082】レチクルステージRSTの走査速度(すな
わち、加減速及び同期整定後の速度)の大きさ(絶対
値)をVscan[mm/s]、加減速動作におけるレチク
ルステージの加速度の大きさ(絶対値)をαacc[mm
/sec2]、等速オーバースキャン移動及び等速プリ
スキャン移動に要する時間をそれぞれTb1(=T
b)、Tb2(=Tb)[sec]とすると、ウエハス
テージWSTとレチクルステージRSTの走査方向への
加減速動作に要する時間Taccは、図3(A)、図3
(B)より、次式(4)にて表すことができる。
【0083】 Tacc=2×(Vscan/αacc+Tb) …(4)
【0084】ここで、レチクルステージRST,ウエハ
ステージWSTのオーバースキャン、加減速動作、プリ
スキャン終了後には、すぐに露光動作に入る必要があ
る。この場合において、レチクルステージRSTは、走
査方向には大きく移動可能となっているが、非走査方向
には微動のみが可能であるため、走査露光によりレチク
ルパターンをウエハ上に正確に転写するためには、走査
露光の開始前(又は終了と同時)にウエハステージの非
走査方向の移動が完了している必要がある。この場合、
ウエハステージWSTのステップ動作に起因するボディ
の振動などが露光に悪影響を与えないようにするために
は、走査露光の開始時刻より幾分先立ってウエハステー
ジのステップ移動終了後の位置決め整定が終了している
ことが望ましい。従って、加減速動作に要する時間Tac
cと、前述したステップ時間Tstepとは、次式(5)に
示される関係を満たす必要がある。
【0085】 Tstep≦Tacc …(5)
【0086】従って、上式(4)、(5)より、加速度
αaccは次式(6)にて表すことができる。
【0087】 αacc≦2Vscan/(Tstep−2Tb) =2Vscan/{f(Lstep)−2Tb} …(6)
【0088】すなわち、この式(6)に従って、走査速
度Vscanとステップ時間Tstepとに応じて加速度αacc
(より厳密には、加速度の大きさ(絶対値))を調整
(設定)することにより、上式(5)を常に満足するよ
うにすることができる。従って、本実施形態では、主制
御装置50が、上式(6)に従って、それぞれのステー
ジの走査速度とステップ時間Tstep(又はステップ距
離)とに応じて、加速度αaccを設定している。
【0089】ここで、上述した加減速動作における各ス
テージの加速度調整について、一例を説明する。
【0090】図5に実線にて示される曲線は、上式
(3)におけるウエハステージWSTのステップ移動に
おける非走査方向(X軸方向)の最高速度Vstepを30
0[mm/sec]、ステップ移動における加速度αst
epを7000[mm/sec2]、静止のための整定時
間Taを0.050[sec]とし、レチクルステージ
RSTの走査速度Vscanを1250〔mm/s〕、加減
速動作における加速度αaccを20000[mm/se
2]、整定時間Tbを0.020[sec]とした場
合の、ステップ距離Lstepとステップ動作に要する時間
Tstepの関係を表したものである。また、図5に点線に
て示される曲線は、上式(4)における上記と同様の条
件下でのステップ距離Lstepと各ステージの加減速動作
に要する時間Taccとの関係を表したものである。
【0091】この図5において、(I)で示される範囲
は、加速度を20000〔mm/sec2〕で維持した
場合に、加減速動作に要する時間Taccがステップ時間
Tstepを上回る範囲を示している。すなわち、この範囲
においては、特に加速度の調整を行うことなく、式
(5)を満足していることになる。
【0092】一方、(II)で示される範囲は、レチクル
ステージRSTの加速度20000〔mm/sec2
を維持すると、ステップ時間Tstepが加減速動作に要す
る時間Taccを上回ってしまう範囲を示している。すな
わち、この(II)の範囲においては、このままの加速度
を維持したのでは、式(5)を満足しないので、式
(6)を用いた加速度αaccの調整が必要となる。
【0093】図6には、(II)の範囲の加速度を式
(6)の等号が成り立つように決定した場合の、ステッ
プ距離Lstepと加速度αaccとの関係が示されている。
このように、ステップ距離Lstepに応じて加速度αacc
を調整することで、図7に示されるように(I),(I
I)の全範囲で式(5)が満たされるようにすることが
できる。すなわち、主制御装置50が上述のように、加
速度αaccを設定することにより、従来のように前述し
た調整時間Tcを設けることなく、レチクルステージR
ST及びウエハステージWSTの加減速動作を、ウエハ
ステージWSTのステップ動作よりも確実に遅く(又は
同時に)終了させることが可能となる。これにより、走
査方向に関して両ステージの加減速動作の途中でその加
速度(減速度を含む)が急激に変化する事態の発生を回
避することができる。
【0094】以上説明したように、本実施形態による
と、ステップ・アンド・スキャン動作におけるショット
間ステッピング時には、主制御装置50が、ウエハステ
ージWSTを、Y軸方向の一側から他側へ走査速度(β
・Vscan)から速度0まで減速しつつ移動するとともに
他側から一側へ速度0から走査速度(β・Vscan)まで
加速しつつ移動する加減速動作と、ウエハステージWS
Tを、X軸方向の一側から他側へ所定のステップ距離
(Lstep)だけ移動するステップ動作とを並行して行う
に際し、ステップ距離(Lstep)及びこの関数であるス
テップ時間(Tstep)の一方と、走査速度(β・Vsca
n)とに応じて前記加減速動作における減速度及び加速
度を決定する。このため、ウエハステージWSTのY軸
方向に関する上記の加減速動作を終了する前(又は終了
と同時)に、X軸方向のステップ動作が確実に終了し、
かつ加減速動作中に停止状態となる時間(前述した調整
時間に相当)が零となるように、前記加減速動作におけ
る減速度及び加速度を容易に決定することができる。従
って、ウエハステージWSTをY軸方向に関して一旦停
止させる動作を無くすことができるので、停止時に発生
していたウエハステージWSTを支持する支持体(例え
ばボディ)の振動を抑制することができ、これによりウ
エハステージWSTの位置制御性を向上させることが可
能となる。
【0095】また、本実施形態によると、ショット間ス
テッピング時には、上記のウエハステージWSTの駆動
と並行して、レチクルステージRSTをY軸方向の他側
から一側へ走査速度(Vscan)から速度0まで減速しつ
つ移動するとともに一側から他側へ速度0から走査速度
(Vscan)まで加速しつつ移動する加減速動作を行う
が、この際に、主制御装置50は、ステップ距離(Lst
ep)及びステップ時間(Tstep)の一方と、走査速度
(Vscan)とに応じてレチクルステージRSTにおける
加減速動作の減速度及び加速度を決定する。これによ
り、レチクルステージRSTのY軸方向に関する上記の
加減速動作を終了する前(又は終了と同時)に、ウエハ
ステージWSTのX軸方向のステップ動作が確実に終了
し、かつウエハステージWST側と同様にレチクルステ
ージの加減速動作中に停止状態となる時間(前述した調
整時間に相当)が零となるように、前記加減速動作にお
ける減速度及び加速度を容易に決定することができる。
従って、ウエハステージWSTと同様にレチクルステー
ジRSTをY軸方向に関して一旦停止させる動作を無く
すことができ、これにより停止時に発生していたレチク
ルステージWSTを支持する支持体(例えばボディ)の
振動を抑制することができる。
【0096】また、本実施形態の露光装置10による
と、ステップ・アンド・スキャン動作におけるウエハス
テージWSTのショット間ステッピング時には、レチク
ルステージRSTを走査方向(Y軸方向)に関して折り
返すために、レチクルステージRSTを減速した後に反
対方向に加速するのと並行して、ウエハステージWST
を走査方向に関して方向変換を行いつつ次のショット領
域の露光開始位置までU字状(又はV字状)の経路に沿
って移動する。そして、この際に、前述の如く、両ステ
ージを走査方向(Y軸方向)に関して一旦停止させる動
作を無くすことができ、これにより停止時に発生してい
た両ステージを支持する支持体(例えばボディ)の振動
を抑制することができ、これにより両ステージの位置制
御性の向上、ひいては走査露光時の同期精度の向上が可
能となる。この結果、走査露光における重ね合わせ精度
の向上、ひいては最終製品であるデバイスの生産性の向
上に寄与することが可能となる。
【0097】なお、上記実施形態では、前記加減速動作
における各ステージの減速度及び加速度は、同一且つ一
定であることとしたが、これは、前述した(6)式を用
いて、加速度(減速度)を定めるためにこのようにした
ものであって、本発明がこれに限定されるものではな
い。すなわち、ウエハステージWSTの非走査方向のス
テップ距離と、走査速度とに基づいて決定するのであれ
ば、加速度及び減速度は、速度が2次以上の高次関数的
な変化をするものであっても構わない。
【0098】なお、上記実施形態では、非走査方向に隣
接するショット領域に順次レチクルパターンを転写する
場合について説明したが、これに限らず、非走査方向に
複数ショット領域離れたショット領域に対して連続して
露光を行う場合にも、上述した両ステージの駆動制御方
法は好適に適用することができる。
【0099】ところで、最終製品であるデバイスの生産
性を向上するためには、露光工程全体のスループットの
更なる向上が必要不可欠とされている。この場合、露光
工程全体の所要時間は、ウエハ交換、ウエハアライメン
ト及び露光などを含む露光工程の大部分を占める露光処
理時間に大きく影響される。従って、この露光処理時間
を短縮するために、1つのショット領域に対する露光の
ために要する時間(前述した図3の(Tex1+Tacc)
に相当)を短縮することが効果的である。従って、1つ
のショット領域に対する露光のために要する時間をでき
るだけ短縮することができる、レチクルステージRST
とウエハステージWSTの走査速度の最適値を求めるこ
とは重要である。このような観点からなされたのが、次
の第2の実施形態である。
【0100】≪第2の実施形態≫次に、本発明の第2の
実施形態を図8〜図10に基づいて説明する。この第2
の実施形態に係る露光装置は、装置構成や全体的な動作
などは、前述した第1の実施形態と同様であるが、前述
した第1の実施形態では、主制御装置50が、予め設定
された走査速度とステップ距離とに基づいて、両ステー
ジRST、WSTの加速度、及び減速度を設定していた
のに対し、本第2の実施形態では、予め設定された加速
度(減速度)と走査露光中(等速同期移動中)に各ステ
ージを移動すべき距離とに基づいて、レチクルステージ
RSTとウエハステージWSTの走査速度を決定する点
が相違する。以下、かかる相違点を中心として説明す
る。
【0101】図8には、ウエハW上の1つのショット領
域SAnに対して露光を行う際の、露光領域IAとショ
ット領域SAnとの位置関係が時間の経過とともに、左
側から順に示されている。この図8から分かるように、
露光の際には、ショット領域SAnを露光領域IAに対
して走査することによりショット領域SAn全体が露光
される。すなわち、ショット領域SAnの走査方向(Y
軸方向)の長さをLshot[mm]、スリット状の露光領域
のY軸方向の長さ(以下、「スリット幅」という)をL
slit[mm]とすると、露光時にはショット領域SA
n(すなわちウエハステージWST)は、(Lshot+Ls
lit)[mm]だけ移動する。
【0102】このときのレチクルステージRSTの露光
時の移動量は、縮小倍率βの逆数γ=1/βを用いて、
γ×(Lshot+Lslit)[mm]と表すことができる。
【0103】従って、1ショットの露光のために要する
時間T(具体的には、前述した図3(A)〜図3(C)
の(Tex1+Tacc)に相当))は、レチクルステージ
RSTの加速度をαacc[mm/sec2](=固定値)
とし、上述した走査露光のための整定時間Tb[se
c]、走査速度Vscan[mm/s]を用いると、次式
(7)として表すことができる。
【0104】
【数2】
【0105】上式(7)の右辺第1項は、ステッピング
動作に要する時間を表し、右辺第2項は、1つのショッ
ト領域に対する露光時間Tex1(又はTex2)(図3
(A)〜図3(C)参照)を表している。
【0106】この場合において、1ショットの露光のた
めに要する時間Tを最小とする走査速度Vscanは、次式
(8)に基づいて、式(9)にて表すことができる。
【0107】
【数3】
【0108】
【数4】
【0109】上式(9)において、スリット幅Lslitは
通常一定であるから、1ショットの露光のために要する
時間Tを最小とする走査速度Vscanは、レチクルステー
ジRSTの加速度αaccと、ショット領域SAnのY軸方
向長さLshotに応じて決定されることとなる。
【0110】以下、具体的な数値を用いて、1ショット
の露光のために要する時間Tを最小とする走査速度につ
いて説明する。
【0111】レチクルステージRSTの加減速動作にお
ける加速度αaccを20000[mm/sec2],ショ
ット領域SAnのY軸方向長さLshotを25[mm]、
投影光学系の縮小倍率β(=1/γ)を1/4〔倍〕、
スリット幅Lslitを8[mm]、走査露光のための整定
時間Tbを0.025[sec]とすると、上式(7)
より、1ショット領域の露光のために要する時間Tは、
走査速度Vscanとの間に、図9に示されるような関係を
有している。
【0112】この場合、式(9)より、時間Tを最小と
する理想的な走査速度Vscanは次式(10)にて求めら
れる。
【0113】 Vscan=(20000×4×(25+8)/2)1/2 ≒1148.91[mm/s] ……(10)
【0114】これは、当然のことではあるが、図9の結
果と一致している。
【0115】図10には、理想的な走査速度Vscanとシ
ョット領域SAnのY軸方向の長さLshotとの関係が示
されている。この場合、図10にVL1として表されて
いる曲線は、レチクルステージRSTの加減速動作にお
ける加速度αaccを20000[mm/sec2]に固定
した場合を示し、図10にVL2として表されている曲
線は、加速度αaccを30000[mm/sec2]に固
定した場合を示している。
【0116】本第2の実施形態では、主制御装置50
が、上式(9)に基づいて、走査露光時のレチクルステ
ージRSTの走査速度Vscan、及びウエハステージWS
Tの走査速度β・Vscanを決定している。
【0117】以上説明したように、本第2の実施形態に
よると、各ショット領域の露光に際して、レチクルステ
ージRSTがY軸方向の一側から他側へ速度0からほぼ
走査速度(Vscan)まで加速された後、時間Tbのプリ
スキャンを経て所定時間だけ走査速度で等速移動され
(この間に走査露光が行われる)、時間Tbのオーバー
スキャンを経て更に走査速度から速度0まで減速され
る。この場合の走査速度(Vscan)は、上記の等速移動
時にレチクルステージRSTを移動すべき移動目標距離
{γ・(Lslit+Lshot)}と、加速度(αacc)に応
じて決定される。ここで、加速度は装置の性能などから
定められた値が用いられることが多いので、固定値であ
ると考えることができる。あるいは、レチクルステージ
RST側の最高速度をVmaxとして、Vmaxを走査速度と
して、前述した第1の実施形態で説明した手法を用い
て、加速度を決定し、この加速度を用いても良い。いず
れにしても、加速度は予め定めた値が用いられる。
【0118】すなわち、本第2の実施形態では、上記の
等速移動時にウエハステージWSTを移動すべき移動目
標距離に応じて、走査速度(Vscan)を決定することに
より、走査速度(Vscan)と加速度(αacc)とにより
定まる加速に要する時間と、等速移動時における移動目
標距離と走査速度(Vscan)とにより定まる等速移動に
要する時間と、走査速度と減速度(αacc)とにより定
まる減速に要する時間とを含むトータル時間(厳密に
は、更にプリスキャン時間、オーバースキャン時間が含
まれる)を最小、あるいは極力小さくするような走査速
度Vscanを決定することが可能となる。なお、上記の走
査速度(Vscan)の決定に際して、プリスキャン時間、
オーバースキャン時間を考慮する必要はない(前述した
式(8)参照)。また、プリスキャン時間は厳密には加
速度の影響を受けるが、その影響は僅かである。
【0119】また、走査露光時のウエハステージWST
の走査速度は、投影倍率β(=1/γ)に応じて定める
必要があるので、レチクルステージRSTについても、
ウエハステージWST側と同様にして走査速度(β・V
scan)が決定される。従って、本第2の実施形態では、
走査露光に際して両ステージRST,WSTの走査方向
(Y軸方向)の移動に要する時間(ウエハステージWS
Tの非走査方向であるX軸方向の移動に要する時間は、
この時間に含まれる)を最短にすることができ、それぞ
れのステージの移動により行われる処理(ここでは走査
露光)に関するスループットを向上させることができ
る。
【0120】すなわち、本第2の実施形態の露光装置で
は、主制御装置50が、ウエハW上の各ショット領域を
露光するに際し、両ステージRST、WSTを等速同期
移動するときの各ステージの走査速度を、等速同期移動
の際に各ステージを移動すべき移動目標距離に応じて決
定する。これにより、主制御装置50は、各ステージの
走査速度と加速度とにより定まる加速に要する時間と、
等速同期移動時における移動目標距離と走査速度とによ
り定まる等速移動に要する時間と、走査速度と減速度と
により定まる減速に要する時間とを含むトータル時間を
最小、あるいは極力小さくするような各ステージの走査
速度を決定することが可能となる。すなわち、これによ
り、レチクルRに形成されたパターンをウエハW上の各
区画領域に転写する動作に要する時間を短縮することが
でき、ひいては露光工程全体のスループットの向上を図
ることが可能となり、結果的に最終製品であるデバイス
の生産性の向上に貢献することが可能となる。
【0121】なお、上記第2の実施形態では、走査露光
に際しての両ステージRST、WSTの駆動に本発明の
ステージ駆動方法が適用された場合について説明した
が、これに限らず、EGA(エンハンスト・グローバル
・アライメント)方式などのウエハアライメントの際の
1つのアライメントショット領域におけるアライメント
のマークの計測終了後に次のアライメントショット領域
におけるアライメントのマークの計測のためウエハステ
ージWSTを移動させる際にも、本発明のステージ駆動
方法は好適に適用することが可能である。
【0122】なお、上記第2の実施形態では各ステージ
の加減速動作における減速度、及び加速度を同一とし、
かつ一連の加減速動作中の各値は一定値であるものとし
て説明したが、本発明がこれに限定されるものではな
い。すなわち、加速度及び減速度は、速度が2次以上の
高次関数的な変化をするものであっても構わない。
【0123】また、上記各実施形態では、ウエハステー
ジWSTとレチクルステージRSTを相互に逆向きに相
対走査する場合について説明したが、これに限らず、投
影光学系として正立像を投影する光学系を用い、あるい
は投影光学系を用いることなく、ウエハステージWST
とレチクルステージRSTとを同じ向きに同期して走査
する走査露光装置にも本発明は適用可能である。この
他、走査型の露光装置に限らず、ステッパなどの静止型
露光装置におけるEGAウエハアライメント時やショッ
ト間ステッピング時に、本発明のステージ駆動方法を用
いてウエハステージを駆動することは可能である。
【0124】なお、上記実施形態では、照明光ILとし
ては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、A
rFエキシマレーザ光(波長193nm)等の近紫外光
(遠紫外光)、あるいはF2レーザ光(波長157n
m)などの真空紫外光、超高圧水銀ランプからの紫外域
の輝線(g線、i線等)などを用いるものとしたが、こ
れに限らずAr2レーザ光(波長126nm)などの他
の真空紫外光を用いても良い。また、例えば、DFB半
導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外
域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウ
ム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)
の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非
線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用
いても良い。
【0125】なお、複数のレンズから構成される照明光
学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整
をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステ
ージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線
や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認
等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造
することができる。なお、露光装置の製造は温度及びク
リーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望
ましい。
【0126】また、上記実施形態では、本発明が半導体
製造用の露光装置に適用された場合について説明した
が、これに限らず、例えば、角型のガラスプレートに液
晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、薄
膜磁気へッド、撮像素子、マイクロマシン、DNAチッ
プなどを製造するための露光装置などにも本発明は広く
適用できる。
【0127】また、半導体素子などのマイクロデバイス
だけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装
置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又は
マスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエ
ハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を
適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真
空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レ
チクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、
フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネ
シウム、又は水晶などが用いられる。
【0128】《デバイス製造方法》次に上述した露光装
置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の
実施形態について説明する。
【0129】図11には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図11に示されるように、まず、ステップ20
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0130】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、
ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージン
グ工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれ
る。
【0131】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作成されたデバイスの動作
確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程
を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0132】図12には、半導体デバイスにおける、上
記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図
12において、ステップ211(酸化ステップ)におい
てはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CV
Dステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成す
る。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウ
エハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214
(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオン
を打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214そ
れぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成して
おり、各段階において必要な処理に応じて選択されて実
行される。
【0133】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露
光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンを
ウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステッ
プ)においては、露光されたウエハを現像し、ステップ
218(エッチングステップ)において、レジストが残
存している部分以外の部分の露出部材をエッチングによ
り取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ス
テップ)において、エッチングが済んで不要となったレ
ジストを取り除く。
【0134】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0135】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
記各実施形態の露光装置が用いられるので、高集積度の
デバイスの生産性を向上させることが可能になる。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜5に記
載の各ステージ駆動方法によれば、ステージの位置制御
性の向上を図ることができるという効果がある。
【0137】また、請求項6及び7に記載の各ステージ
駆動方法によれば、ステージの移動に要する時間を極力
短縮することができるという効果がある。
【0138】また、請求項8及び9に記載の各露光方法
によれば、最終製品であるデバイスの生産性の向上に寄
与することができるという効果がある。
【0139】また、請求項10及び11に記載の各露光
装置によれば、最終製品であるデバイスの生産性の向上
に寄与することができるという効果がある。
【0140】また、請求項12に記載のデバイス製造方
法によれば、デバイスの生産性を向上させることができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかる露光装置の構成を概略
的に示す図である。
【図2】図2(A)は、ウエハの平面図を示し、図2
(B)は、図2(A)のショット領域SA1〜SA3に対
する露光を行う場合のレチクルステージとウエハステー
ジの動作を説明するための図である。
【図3】図3(A)はレチクルステージの走査方向速度
の時間変化を示す図であり、図3(B)は、ウエハステ
ージの走査方向速度の時間変化を示す図であり、図3
(C)は、ウエハステージの非走査方向速度の時間変化
を示す図である。
【図4】図4(A)、図4(B)は、ウエハステージの
ステップ移動距離について説明するための図である。
【図5】ウエハステージのステップ移動距離とステップ
移動時間、及びステップ移動距離と加減速動作に要する
時間の関係の具体例を示す図である。
【図6】ステップ移動距離に応じて加減速動作における
加速度を変更する具体例を示す図である。
【図7】図6の加速度を用いた場合の、ウエハステージ
のステップ移動距離と、ステップ移動時間及び加減速動
作に要する時間の関係の具体例を示す図である。
【図8】第2の実施形態を説明するための図であって、
ウエハ上の1ショット領域に対して露光を行う場合のウ
エハステージの移動量を説明するための図である。
【図9】レチクルの走査速度と、1ショットの露光に要
する時間との関係の具体例を示す図である。
【図10】ショット領域のY軸方向の長さと、レチクル
ステージの理想的な走査速度との関係の具体例を示す図
である。
【図11】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図12】図11のステップ204の詳細を示すフロー
チャートである。
【図13】図13(A)〜図13(C)は、従来のレチ
クルステージ及びウエハステージの速度の時間変化を示
す図である。
【符号の説明】
10…露光装置、50…主制御装置(制御装置)、IA
…露光領域(照射領域)、IL…照明光(エネルギビー
ム)、R…レチクル(マスク、第2物体)、RST…レ
チクルステージ(マスクステージ、第2ステージ)、S
n…ショット領域(区画領域)、W…ウエハ(基板、
第1物体)、WST…ウエハステージ(基板ステージ、
第1ステージ)。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1物体を保持する第1ステージを、所
    定の第1軸方向及びこれに直交する第2軸方向に沿って
    2次元的に駆動するステージ駆動方法において、 前記第1ステージを、前記第1軸方向の一側から他側へ
    第1の特定速度から速度0まで減速しつつ移動するとと
    もに他側から一側へ速度0から前記第1の特定速度まで
    加速しつつ移動する加減速動作と、前記第1ステージ
    を、前記第2軸方向の一側から他側へ所定のステップ距
    離だけ移動するステップ動作とを並行して行うに際し、
    前記ステップ距離及びこの関数であるステップ時間の一
    方と、前記第1の特定速度とに応じて前記加減速動作に
    おける減速度及び加速度を決定することを特徴とするス
    テージ駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記第1ステージの駆動と並行して、さ
    らに、第2物体を保持する第2ステージを前記第1軸方
    向の一側から他側又は他側から一側へ第2の特定速度か
    ら速度0まで減速しつつ移動するとともに他側から一側
    又は一側から他側へ速度0から前記第2の特定速度まで
    加速しつつ移動する加減速動作を行うに際し、前記ステ
    ップ距離及び前記ステップ時間の一方と、前記第2の特
    定速度とに応じて前記第2ステージの加減速動作におけ
    る減速度及び加速度を決定することを特徴とする請求項
    1に記載のステージ駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記加減速動作における前記各ステージ
    の減速度及び加速度は、前記各ステージの加減速動作に
    要する時間が、前記ステップ移動に要する時間以上とな
    るように決定されることを特徴とする請求項2に記載の
    ステージ駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記加減速動作における前記各ステージ
    の減速度及び加速度は、同一且つ一定であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のステージ駆
    動方法。
  5. 【請求項5】 前記第1ステージ及び前記第2ステージ
    のうちの一方である特定ステージの前記加減速動作にお
    ける一定減速度αacc及び一定加速度αaccは、前記各ス
    テージの加減速動作に要する時間をTacc、前記ステッ
    プ移動に要する時間をTstep、前記特定ステージの走査
    速度をVscan、前記特定ステージが前記加減速動作終了
    後から前記走査速度に収束するまでの整定時間をTbと
    した場合に、 αacc≦2Vscan/(Tstep−2Tb) にて表される範囲内の値に設定されることを特徴とする
    請求項4に記載のステージ駆動方法。
  6. 【請求項6】 第1物体を保持する第1ステージを、所
    定の第1軸方向に駆動するステージ駆動方法において、 前記第1ステージを前記第1軸方向の一側から他側へ速
    度0から第1の特定速度まで加速し、所定時間だけ前記
    第1の特定速度で等速移動し、更に前記第1の特定速度
    から速度0まで減速する動作を行うに際し、前記等速移
    動時に前記第1ステージを移動すべき移動目標距離に応
    じて前記第1の特定速度を決定することを特徴とするス
    テージ駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記第1ステージの駆動と並行して、第
    2物体を保持する第2ステージを前記第1軸方向の一側
    から他側又は他側から一側へ速度0から第2の特定速度
    まで加速し、所定時間だけ前記第2の特定速度で等速移
    動し、更に第2の特定速度から速度0まで減速する動作
    を行うに際し、前記等速移動時に前記第2ステージを移
    動すべき移動目標距離に応じて前記第2の特定速度を決
    定することを特徴とする請求項6に記載のステージ駆動
    方法。
  8. 【請求項8】 マスクに形成されたパターンを基板上の
    複数の区画領域に順次転写する露光方法であって、 前記マスクを保持するマスクステージと前記基板を保持
    する基板ステージとを同期して所定の第1軸方向にそれ
    ぞれの走査速度Va,Vbで等速移動しつつ前記パター
    ンを前記基板上の1つの区画領域に転写する工程と;前
    記マスクステージを前記第1軸方向の一側から他側へ前
    記走査速度Vaから速度0まで減速しつつ移動するとと
    もに他側から一側へ速度0から前記走査速度Vaまで加
    速しつつ移動する加減速動作と、前記基板ステージを、
    前記第1軸方向の一側から他側又は他側から一側へ前記
    走査速度Vbから速度0まで減速しつつ移動するととも
    に他側から一側又は一側から他側へ速度0から前記走査
    速度Vbまで加速しつつ移動する加減速動作と、前記基
    板ステージを、前記第2軸方向の一側から他側へ所定の
    ステップ距離だけ移動するステップ動作との3つの動作
    を並行して行う工程と;を含み、 前記ステップ距離及びこの関数であるステップ時間の一
    方と、前記走査速度に応じて前記各ステージの前記加減
    速動作における減速度及び加速度を決定することを特徴
    とする露光方法。
  9. 【請求項9】 マスクに形成されたパターンを基板上の
    少なくとも1つの区画領域に転写する露光方法であっ
    て、 前記マスクを保持するマスクステージを第1軸方向に沿
    って速度0から走査速度Vaまで加速し、所定時間だけ
    前記走査速度Vaで等速移動し、前記走査速度Vaから
    速度0まで減速する動作と、前記基板を保持する基板ス
    テージを前記第1軸方向に沿って速度0から走査速度V
    bまで加速し、所定時間だけ前記走査速度Vbで等速移
    動し、前記走査速度Vbから速度0まで減速する動作
    と、を並行して行うとともに、前記両ステージの等速同
    期移動中に前記マスクを照明光により照明する工程を含
    み、 前記等速同期移動時に前記各ステージを移動すべき移動
    目標距離に応じて前記各ステージの走査速度を決定する
    ことを特徴とする露光方法。
  10. 【請求項10】 エネルギビームによりマスクを介して
    基板を露光し、前記マスクに形成されたパターンを前記
    基板上の複数の区画領域に転写する露光装置であって、 前記マスクを保持するマスクステージと;前記基板を保
    持する基板ステージと;前記両ステージを同期して前記
    エネルギビームに対して所定の第1軸方向に相対移動し
    つつ前記パターンを前記基板上の区画領域に転写する走
    査露光動作と、前記走査露光が終了した区画領域とは異
    なる前記基板上の区画領域を前記エネルギビームが照射
    される照射領域の端部である前記走査露光の開始位置ま
    で移動する前記基板ステージのステッピング動作とを繰
    り返し行う制御装置と;を備え、前記制御装置が、前記
    基板上に前記第2軸方向に沿って配置された複数の区画
    領域を連続的に露光する際に、前記ステッピング動作時
    の前記各ステージの前記第1軸方向に関する減速度及び
    加速度を、前記ステッピング動作中に前記基板ステージ
    が前記第2軸方向に移動すべきステップ距離及びこの関
    数であるステップ時間の一方と、前記各ステージの走査
    速度とに応じて決定することを特徴とする露光装置。
  11. 【請求項11】 エネルギビームによりマスクを介して
    基板を露光し、前記マスクに形成されたパターンを前記
    基板上の少なくとも1つの区画領域に転写する露光装置
    であって、 前記マスクを保持するマスクステージと;前記基板を保
    持する基板ステージと;前記両ステージを同期して前記
    エネルギビームに対して所定の第1軸方向に相対移動し
    つつ前記パターンを前記基板上の区画領域に転写する走
    査露光動作を行う制御装置と;を備え、 前記制御装置が前記両ステージを等速同期移動するとき
    の前記各ステージの走査速度を、前記等速同期移動の際
    に前記各ステージを移動すべき移動目標距離に応じて決
    定することを特徴とする露光装置。
  12. 【請求項12】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
    方法であって、 前記リソグラフィ工程では、請求項10又は11に記載
    の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイ
    ス製造方法。
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