JPWO2005028537A1 - 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体を含む光硬化性組成物、それから得られる硬化物、及び製造方法 - Google Patents
末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体を含む光硬化性組成物、それから得られる硬化物、及び製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2005028537A1 JPWO2005028537A1 JP2005514074A JP2005514074A JPWO2005028537A1 JP WO2005028537 A1 JPWO2005028537 A1 JP WO2005028537A1 JP 2005514074 A JP2005514074 A JP 2005514074A JP 2005514074 A JP2005514074 A JP 2005514074A JP WO2005028537 A1 JPWO2005028537 A1 JP WO2005028537A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- polymer
- organic polymer
- photocurable composition
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 C*C1*C*C1 Chemical compound C*C1*C*C1 0.000 description 2
- NGCPCQBKMIPCBF-UHFFFAOYSA-N CCC(COCCCSC1(CC)O[Si](C)(N)O[Si+](C)(CCCOCC2OC2)O[Si+](C)(CCCOCC2OC2)OC1)O Chemical compound CCC(COCCCSC1(CC)O[Si](C)(N)O[Si+](C)(CCCOCC2OC2)O[Si+](C)(CCCOCC2OC2)OC1)O NGCPCQBKMIPCBF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L83/00—Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L83/04—Polysiloxanes
- C08L83/06—Polysiloxanes containing silicon bound to oxygen-containing groups
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/42—Introducing metal atoms or metal-containing groups
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G18/00—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
- C08G18/06—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
- C08G18/28—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
- C08G18/40—High-molecular-weight compounds
- C08G18/56—Polyacetals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G59/00—Polycondensates containing more than one epoxy group per molecule; Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups
- C08G59/18—Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
- C08G59/20—Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing characterised by the epoxy compounds used
- C08G59/32—Epoxy compounds containing three or more epoxy groups
- C08G59/3254—Epoxy compounds containing three or more epoxy groups containing atoms other than carbon, hydrogen, oxygen or nitrogen
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L63/00—Compositions of epoxy resins; Compositions of derivatives of epoxy resins
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/004—Photosensitive materials
- G03F7/038—Macromolecular compounds which are rendered insoluble or differentially wettable
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/004—Photosensitive materials
- G03F7/075—Silicon-containing compounds
- G03F7/0757—Macromolecular compounds containing Si-O, Si-C or Si-N bonds
Abstract
Description
一方、各種の有機重合体は、それぞれに独特の特徴を有することが広く知られており、特に主鎖骨格がポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン及びその共重合体からなる群から選ばれる飽和炭化水素系重合体は、高耐候性、高耐熱性、低透湿性、低気体透過性、優れた可とう性等の特徴を有している。一方、オキシアルキレン系重合体は、他の重合体との優れた相溶性、可とう性、更には優れた低温特性を有している。
また前記の飽和炭化水素系重合体やオキシアルキレン系重合体等の末端に加水分解性基、不飽和基、ヒドロシリル基等を導入した重合体は種々開発されているが、それらの硬化においては水分や加熱が必要であり、十分な硬化までにある程度の時間や高温状態を要した。また貯蔵安定性の点でも問題を有している。特に近年、電子部品周りの接着、シーリング用途において、工程時間の短縮を目的とした従来の熱硬化系から光硬化系への変更、また有機EL封止剤等の熱に弱い部品への光硬化系の利用が求められており、エポキシ基を有する重合体は光カチオン硬化等の新しい用途に使用され、このような電子材料等の分野での使用が期待されている。
以上のことから、各種の有機重合体の末端に選択的にエポキシ基が導入された重合体への要求は高く、また硬化工程の時間短縮が可能な光硬化への適用の必要性が非常に高いと考えられる。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキシ基含有ケイ素基を有する重合体が優れた物性を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、
1) 末端に一般式(1)、一般式(2)あるいは一般式(3)で表される構造を有する有機重合体(A)、及び、カチオン系光開始剤(B)を含むことを特徴とする光硬化性組成物に関する。
(式中、R1およびR2は、同一または異なった炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基若しくは(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から20の1価の炭化水素基であり3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xはエポキシ基および/またはオキセタン基を含有する1価の有機基、mは0以上20以下の整数、nは1、2または3の整数を示す。)
(式中、X、R2は上記と同じ、R3、R4はメチル基もしくはXあるいはR2と同一のものであるか、いずれかが有機重合体への結合部である。ここで1′は平均1で有機重合体末端への結合部を表すがR3、R4いずれかが有機重合体末端への結合部の場合1′=0である。1≦m’+n’≦50、1≦m’、0≦n’であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていて良い。)
(式中、X、R2は上記と同一である。ここで1′′は平均1で有機重合体末端への結合部を表す。1≦m′′+n′′≦20、1≦m′′、0≦n′′であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていて良い。)
2)有機重合体(A)のXが一般式(4)で表される構造を有する1)に記載の光硬化性組成物に関する。
(式中、R5は水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基を示す。)
3)有機重合体(A)のXが一般式(5)で表される構造を有する1)に記載の光硬化性組成物に関する。
(式中、R6は水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基を示す。)
4)有機重合体(A)のXが一般式(6)で表される構造を有する1)に記載の光硬化性組成物に関する。
(式中、R5は上記と同じ)
5)有機重合体(A)の主鎖骨格が、飽和炭化水素系重合体、オキシアルキレン系重合体、又はビニル系重合体から選ばれることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の光硬化性組成物に関する。
6)飽和炭化水素系重合体が、ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレン及びその共重合体からなる群から選ばれることを特徴とする5)に記載の光硬化性組成物に関する。
7)有機重合体(A)が、末端に不飽和基を有する有機重合体とヒドロシラン化合物との反応により製造されるものであり、前記のヒドロシラン化合物がエポキシ基および/またはオキセタン基を有するヒドロシラン化合物である、1)〜6)のいずれかに記載の光硬化性組成物に関する。
8)有機重合体(A)が、末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体と1分子中に1つの水酸基を有する化合物との加水分解性基の交換反応により製造されるものであり、前記の1分子中に1つの水酸基を有する化合物が少なくとも1つ以上のエポキシ基および/またはオキセタン基を有する化合物である、1)〜6)のいずれかに記載の光硬化性組成物に関する。
9)カチオン系光開始剤(B)が、一般式(7)で表される構造であることを特徴とする1)〜8)のいずれかに記載の光硬化性組成物に関する。
(式中、Wは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、Ti、Zr、Fe、Ru、OsまたはN≡Nであり、R7、R8、R9、およびR10は同一または異なる有機基であり、a、b、cおよびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。Mは、錯体[MZv+u]の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、MnおよびCoから選ばれる金属またはメタロイドである。Zは、Mに配位する配位子で、ハロゲン原子または有機基である。uは錯体イオンの正味の電荷である。vはMの原子価である。)
10)カチオン系光開始剤(B)が、オニウム塩、スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩又はボロン酸のトリアリールスルホニウム塩から選ばれるカチオン系光開始剤であることを特徴とする1)〜8)のいずれかに記載の光硬化性組成物に関する。
11)(C)エポキシ基含有化合物および/またはエポキシ基含有オリゴマー、(D)オキセタン基含有化合物および/またはオキセタン基含有オリゴマーから選ばれる少なくとも一種以上をさらに含むことを特徴とする1)〜10)のいずれかに記載の光硬化性組成物に関する。
12)1)から11)のいずれかに記載の光硬化性組成物に、光エネルギー源を照射して硬化物を得る、硬化物の製造方法に関する。
13)12)記載の製造方法で得られる硬化物に関する。
14)13)記載の硬化物を構成要素として含む製品に関する。
本発明は、新規な末端にエポキシ基および/またはエポキシ基含有ケイ素基を有する有機重合体およびカチオン系光開始剤を含有する光硬化性組成物に関するものであり、光エネルギー源の照射により短時間で優れた硬化性を発現することが可能である。当該硬化性組成物は、コーティング剤、接着剤、封止剤等の各工業的用途において非常に有用である。
本発明の光硬化性組成物は優れた硬化性を発現するとともに、その骨格となる有機重合体主鎖の種類によって、その重合体独特の特性を発現することができる。上記有機重合体の主鎖骨格には特に限定はなく、例えば、一般的に知られているアクリル系重合体、ポリエステル系重合体、飽和炭化水素系重合体、オキシアルキレン系重合体等の有機重合体を使用することができる。
本発明における有機重合体(A)の少なくとも一つの末端部分の構造は、以下の一般式(1)、一般式(2)あるいは一般式(3)で示される。
ここで式中、R1およびR2は、同一または異なった炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基若しくは(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から20の1価の炭化水素基であり3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xはエポキシ基および/またはオキセタン基を含有する1価の有機基、mは0以上20以下の整数、nは1、2または3の整数を示す。
一般式(1)でのmは、原料の入手性の点から0以上10以下のものが好ましい。
ここで式中、Xはエポキシ基を含有する1価の有機基、R2は炭素数1から20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有していもよい、R3、R4はメチル基もしくはXあるいはR2と同一のものであるか、いずれかが有機重合体への結合部である。ここで1′は平均1で有機重合体末端への結合部を表すがR3、R4いずれかが有機重合体末端への結合部の場合1′=0である。1≦m’+n’≦50、1≦m’、0≦n’であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていて良い。
ここで式中、X、R2は上記と同一である。ここで1′′は平均1で有機重合体末端への結合部を表す。1≦m′′+n′′≦20、1≦m′′、0≦n′′であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていて良い。
一般式(2)でのm’+n’は1以上50以下であるが、重合体とヒドロシラン化合物との相溶性、得られるエポキシ基および/またはオキセタン基含有有機重合体を含む光硬化性組成物の反応性の点から、好ましくは3以上30以下であり、特に好ましくは4以上20以下である。
m’の数は、1以上であるが、m’の数により有機重合体(A)の反応性が調整可能である。得られるエポキシ基および/またはオキセタン基含有有機重合体の反応性の点より、m’は2以上が好ましい。
n’の数は、0以上であるが、n’の数によりヒドロシラン化合物と有機重合体との相溶性が調整可能である。特に有機重合体(A)の主鎖骨格が飽和炭化水素有機重合体である場合は、n’は1以上が好ましく、m’が2以上のときにはn’も2以上がより好ましい。また極性の高い主鎖骨格の場合は、例えばオキシアルキレン重合体のような場合は、n’は1が好ましい。
一般式(3)でのm′′+n′′は1以上20以下であるが、重合体末端のエポキシ基数の増加の点および重合体とヒドロシラン化合物との相溶性の点から、好ましくは3以上20以下である。
m′′の数は、1以上であるが、m′′の数により有機重合体(A)の反応性が調整可能である。得られるエポキシ基および/またはオキセタン基含有有機重合体の反応性の点より、m′′は2以上が好ましい。
n′′の数は、0以上であるが、n′′の数によりヒドロシラン化合物と有機重合体との相溶性が調整可能である。特に有機重合体(A)の主鎖骨格が飽和炭化水素有機重合体である場合は、n′′1以上が好ましい。また極性の高い主鎖骨格の場合は、例えばオキシアルキレン重合体のような場合は、n′′は1が好ましい。
本発明の有機重合体の末端部分の構造は、エポキシ基の反応性の点から、Xは一般式(4)で表される構造であることが好ましく、更には、一般式(5)で表される構造であることが、製造の容易さ、原料の入手の点から、より好ましい。
ここで式中、R5は水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基を示す。
ここで式中、R6は水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基を示す。
また一般式(6)で表される構造であることが、硬化性の点から好ましい。
ここで式中、R5は上記と同じ。
本発明における有機重合体の主鎖骨格は限定されるものではないが、主鎖骨格がポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン及びその共重合体からなる群から選ばれる飽和炭化水素系重合体あるいはオキシアルキレン系重合体である場合、それから得られる硬化物がゴム状の弾性を示す特徴を有する。
前記飽和炭化水素系重合体は、芳香族環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられる。
本発明に用いる飽和炭化水素系重合体の主鎖骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主成分として単独重合もしくは共重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合もしくは共重合させ、あるいは、上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加するなどの方法により得ることができる。中でも、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるので好ましい。さらに、イソブチレン系重合体は液状または流動性を有するので取り扱いやすく、主鎖に芳香族環以外の炭素−炭素不飽和結合を含まないため水添の必要が無く、耐候性に極めて優れているので特に好ましい。
イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、イソブチレンと共重合可能な単量体単位をイソブチレン系重合体中に、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、とくに好ましくは10重量%以下の範囲で含有してもよい。この中でも、単独重合体が最も好ましい。
このような単量体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共重合体成分としては、たとえば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単量体単位を含有させてもよい。
飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体または水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜50,000程度であるのが好ましく、とくに1,000〜20,000程度の液状ないし流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から、好ましい。
オキシアルキレン系重合体の主鎖構造としては、−R11−O−で示される構造を繰り返し単位とする重合体であればよく、このとき、R11は炭素数1から20の2価の有機基であればよい。また、繰り返し単位の全てが同一である単独重合体であっても良く、2つ以上の種類の繰り返し単位を含む共重合体であっても良い。さらに、主鎖中に分岐構造を有していても良い。
R11の具体例としては、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(C2H5)CH2−、−C(CH3)2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−等が挙げられる。R11としては特に−CH(CH3)CH2−が好ましい。
オキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、例えば開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得られる。
開始剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、メタリルアルコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の2価アルコールや多価アルコール、水酸基を有する各種のオリゴマー等が挙げられる。
モノエポキシドの具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α−ブチレンオキサイド、β−ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メチルスチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類や、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、アリルグリシジルエーテル類、アリールグリシジルエーテル類等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、たとえばKOHのようなアルカリ触媒による重合法、たとえば特開昭61−215623号公報に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、たとえば特公昭46−27250号公報および特公昭59−15336号公報などに示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、セシウム触媒による重合法、ホスファゼン触媒による重合法等があげられるが、特に限定されるものではない。中でも、高分子量でかつ着色の少ない重合体が容易に得られる点からは、複合金属シアン化物錯体触媒による重合法が好ましい。
この他、オキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、水酸基末端オキシアルキレン重合体を塩基性化合物、例えばKOH、NaOH、KOCH3、NaOCH3等の存在下、2官能以上のハロゲン化アルキル、例えばCH2Cl2、CH2Br2等による鎖延長等によっても得ることができる。
さらに、上記オキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中にはオキシアルキレン系重合体の特性を大きく損なわない範囲でウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。
次に主鎖骨格がビニル系重合体の場合について説明する。
本発明のビニル系重合体の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
ビニル系重合体の主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群より選ばれる1種類のモノマー100モル%を重合して製造されること、あるいはそれらの少なくとも1つのモノマーを主として重合して製造されるものであることが好ましい。ここで「主として」とは、ビニル系重合体を構成するモノマー単位のうち50モル%以上、好ましくは70モル%以上が、上記モノマーであることを意味する。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーが好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーであり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーであり、更に好ましくは、アクリル酸ブチルである。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
なお、限定はされないが、ゴム弾性を要求する用途には本ビニル系重合体のガラス転移温度が室温ないしは使用温度よりも低いことが好ましい。
本発明における、ビニル系重合体の合成法は、フリーラジカル重合、制御ラジカル重合等の公知の方法が好適に使用できる。中でも末端に本発明の構造を導入し易い点より、制御ラジカル重合を用いることが好ましく、また制御ラジカル重合を用いた場合は、リビングラジカル重合が好ましく、原子移動ラジカル重合がより好ましい。
原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
原子移動ラジカル重合で重合した場合の本発明のビニル系重合体の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、なお好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。本発明でのGPC測定においては、通常、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
本発明におけるビニル系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合、500〜1,000,000の範囲が好ましく、1,000〜100,000がより好ましく、5,000〜50,000がさらに好ましい。
フリーラジカル重合法により重合する場合は、上記のモノマーが使用可能であり、例えばラジカル反応による溶液重合法が利用できる。重合は、通常、前記の単量体およびラジカル開始剤や連鎖移動剤等を加えて50〜150℃で反応させることにより行われる。
前記ラジカル開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック)アシッド、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、アゾビスイソ酪酸アミジン塩酸塩 、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチルなどの有機過酸化物系開始剤があげられるが、重合に使用する溶媒の影響を受けない、爆発等の危険性が低いなどの点から、アゾ系開始剤の使用が好ましい。
連鎖移動剤の例としては、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプタン類や含ハロゲン化合物等があげられる。
重合は溶剤中で行なってもよい。溶剤の例としては、エーテル類、炭化水素類、エステル類などの非反応性の溶剤が好ましい。フリーラジカル重合法で重合した場合の数平均分子量は特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合、500〜100,000のものが取り扱いの容易さの点から好ましい。さらに5,000〜30,000のものが硬化物の耐候性、作業性が良好であることからより好ましい。
本発明における有機重合体の末端へ一般式(1)、(2)または(3)の構造を有するエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を導入する方法には特に限定はないが、導入時の酸化等による劣化や導入後の脱酸等の精製の必要性のないことから、エポキシ基および/またはオキセタン基を有するヒドロシラン化合物の不飽和基への付加反応による導入、あるいは末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体と1分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基および/またはオキセタン基および1つの水酸基を有する化合物との加水分解性基の交換反応による導入が好ましい。
ヒドロシラン化合物の付加反応による導入は、(I)末端に不飽和基を有する有機重合体を合成し、その後エポキシ基および/またはオキセタン基を有する平均1個のヒドロシリル基を有するヒドロシラン化合物を付加反応させる方法、あるいは(II)ヒドロシリル基を分子内に2個以上有するビドロシラン化合物の有機重合体末端への付加反応後、アリル基等の不飽和基を有するエポキシ化合物による未反応ヒドロシリル基への付加反応による方法のいずれでも可能である。
前者(I)の方法では、ヒドロシラン化合物のヒドロシリル基が平均1個のため選択的に重合体末端に容易に導入でき、重合体の高分子量化が抑制できる。この場合、反応物の仕込み順序等に限定はないが、反応系の発熱、有機重合体の粘度等を考慮すると、ヒドロシリル化触媒と末端に不飽和基を有する有機重合体との混合物に、エポキシ基および/またはオキセタン基を有する平均1個のヒドロシリル基を有するヒドロシラン化合物を滴下する方法が好ましい。
有機重合体中の末端不飽和基とヒドロシリル基のモル比は、特に限定はないが、0.5≦ヒドロシリル基/有機重合体中の末端不飽和基≦2.0の範囲であれば良く、エポキシ基および/またはオキセタン基の導入率を高くする点から0.8≦ヒドロシリル基/有機重合体中の末端不飽和基≦1.5が好ましく、残存するヒドロシラン化合物の除去性から0.8≦ヒドロシリル基/有機重合体中の末端不飽和基≦1.2がより好ましい。
また後者(II)の方法では、重合体末端の未反応ヒドロシリル基に対し、十分にエポキシ基および/またはオキセタン基含有化合物を反応させることができ、重合体末端に複数のエポキシ基および/またはオキセタン基を導入することが可能である。この場合も、反応物の仕込み順序等に限定はないが、高分子量化を抑える点からヒドロシラン化合物へ有機重合体と触媒の混合物をゆっくり滴下することが好ましい。
有機重合体中の末端不飽和基とヒドロシリル基のモル比は、特に限定はないが、2.0≦ヒドロシリル基/有機重合体中の末端不飽和基の範囲であれば良く、有機重合体末端へ複数個のエポキシ基および/またはオキセタン基を導入する点から3.0≦ヒドロシリル基/有機重合体中の末端不飽和基であることが好ましく、高分子量化の抑制の点から3.0≦ヒドロシリル基/有機重合体中の末端不飽和基≦5.0であることがより好ましい。
本発明において、特定の末端構造を有する重合体を得るためには、以下の一般式(8)、一般式(9)あるいは一般式(10)で示されるヒドロシラン化合物を使用することができる。
ここで式中、R1およびR2は、同一または異なった炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基若しくは(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から20の1価の炭化水素基であり3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xはエポキシ基および/またはオキセタン基を含有する1価の有機基、mは0以上20以下の整数、nは1、2または3の整数を示す。
ここで式中、Xはエポキシ基および/またはオキセタン基を含有する1価の有機基、R2は炭素数1から20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有していもよい、R3、R4は水素、メチル基もしくはXあるいはR2と同一のものである。1′は平均1であるがR3、R4いずれかが水素の場合1′=0である。1≦m’+n’≦50、1≦m’、0≦n’であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていて良い。
ここで式中、X、R2は上記と同一である。ここで1′′は平均1である。1≦m′′+n′′≦20、1≦m′′、0≦n′′であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていて良い。
有機重合体の末端部分の構造は、エポキシ基の反応性の点から、Xは一般式(4)で表される構造であることが好ましく、更には、一般式(5)で表される構造であることが、製造の容易さ、原料の入手の点から、より好ましい。
ここで式中、R5は水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基を示す。
ここで式中、R6は水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基を示す。また一般式(6)で表される構造であることが、硬化性の点から好ましい。
ここで式中、R5は上記と同じ。 一般式(9)でのm’+n’は1以上50以下であるが、重合体とヒドロシラン化合物との相溶性、得られるエポキシ基および/またはオキセタン基含有有機重合体を含む光硬化性組成物の反応性の点から、好ましくは3以上30以下であり、特に好ましくは4以上20以下である。
m’の数は、1以上であるが、m’の数により有機重合体(A)の反応性が調整可能である。得られるエポキシ基および/またはオキセタン基含有有機重合体の反応性の点より、m’は2以上が好ましい。
n’の数は、0以上であるが、n’の数によりヒドロシラン化合物と不飽和基含有有機重合体との相溶性が調整可能である。特に有機重合体(A)の主鎖骨格が飽和炭化水素有機重合体である場合は、n’は1以上が好ましく、m’が2以上のときにはn’も2以上がより好ましい。また極性の高い主鎖骨格の場合は、例えばオキシアルキレン重合体のような場合は、n’は1が好ましい。
一般式(10)でのm′′+n′′は1以上20以下であるが、重合体末端のエポキシ基数の増加の点および重合体とヒドロシラン化合物との相溶性の点から、好ましくは3以上20以下である。
m′′の数は、1以上であるが、m′′の数により有機重合体(A)の反応性が調整可能である。得られるエポキシ基および/またはオキセタン基含有有機重合体の反応性の点より、m′′は2以上が好ましい。
n′′の数は、0以上であるが、n′′の数によりヒドロシラン化合物と有機重合体との相溶性が調整可能である。特に有機重合体(A)の主鎖骨格が飽和炭化水素有機重合体である場合は、n′′1以上が好ましい。また極性の高い主鎖骨格の場合は、例えばオキシアルキレン重合体のような場合は、n′′は1が好ましい。
なお、有機重合体とヒドロシラン化合物の相溶性は、上記の如く、n’やn′′の増減により調整できるが、その他の相溶性調整手段として置換基R2を適切に選択する方法がある。例えば、有機重合体が飽和炭化水素系重合体の場合には、R2は炭素数2〜20のアルキル基や炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。
これらのヒドロシラン化合物は、公知の合成方法により合成することができる。例えば、Si原子上に炭化水素および水素原子を有するポリシロキサン化合物のヒドロシリル基を、アリル基等の末端に不飽和基を有する化合物でヒドロシリル化反応させることにより、上記のヒドロシラン化合物を得ることができる。
すなわちエポキシ基および/またはオキセタン基を導入する場合は、例えばアリルグリシジルエーテルなどの化合物とヒドロシリル基を有するポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化することで導入可能である。
同様に上記一般式(2)、(3)でのR2の導入方法は、末端にアリル基等の不飽和基を有する炭化水素あるいはα−メチルスチレン等をヒドロシリル化させることで導入可能である。
一般式(10)の化合物としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを上記のように変成し、エポキシ基および/またはオキセタン基およびR2を導入する方法が、原料の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの入手性、導入時の選択性が高く好ましい。
末端に不飽和基を有する有機重合体の合成方法としては、一般的に知られている方法で問題はなく、例えばリビングカチオン重合等により末端がハロゲン基であるようなものは、金属アルコキシドにより脱ハロゲン化水素する方法、あるいは四塩化チタン等の存在下、アリルトリメチルシラン等を反応させることにより不飽和基を導入することができる。また、水酸基末端に不飽和結合を有する化合物を反応させて、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより導入させる方法等が挙げられる。
例えば、水酸基末端を有する重合体を不飽和基末端にする場合は、水酸基末端を−ONaや−OKなどのオキシメタル基にした後、一般式(11):
または一般式(12):
(式中、R12は炭素数1から20の2価の有機基、R13は炭素数10以下の炭化水素基、Yはハロゲン原子。)で示される不飽和基含有化合物を反応させる方法が挙げられる。
末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;NaOH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる方法があげられる。
一般式(10)または(11)で示される不飽和基含有化合物の具体例としては、
CH2=CH−CH2−Cl、CH2=CH−CH2−Br、CH2=CH−C2H4−Cl、CH2=CH−C2H4−Br、CH2=CH−C3H6−Cl、CH2=CH−C3H6−Br、CH2=C(CH3)−CH2−Cl、CH2=C(CH3)−CH2−Br、CH2=C(CH2CH3)−CH2−Cl、CH2=C(CH2CH3)−CH2−Br、CH2=C(CH2CH(CH3)2)−CH2−Cl、CH2=C(CH2CH(CH3)2)−CH2−Br、
等が挙げられ、特に反応性の点から、CH2=CH−CH2−Cl、CH2=C(CH3)−CH2−Clが好ましい。
不飽和基の導入方法としては、これ以外にCH2=CH−CH2−基やCH2=C(CH3)−CH2−基等を有するイソシアネート化合物、カルボン酸、エポキシ化合物等を用いることもできる。
上記ヒドロシリル化の反応は、末端に不飽和基を有する有機重合体とヒドロシラン化合物を、VIII族遷移金属触媒の存在下で反応させる方法が好ましい。
VIII族遷移金属触媒としては、白金、ロジウム、コバルト、パラジウム及びニッケル等のVIII族遷移金属元素から選ばれた金属錯体触媒等が有効に使用される。例えば、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体、Ptメタル、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2等のような化合物が使用できるが、ヒドロシリル化の反応性の点から、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体のいずれかであることが好ましい。特に白金−ビニルシロキサン錯体が反応誘導期が短い等の点で好ましい。
ヒドロシリル化反応の触媒としては、これら以外にもAlCl3、TiCl4等やベンゾイルパーオキサイドなどのラジカル開始剤等も使用することができる。
ヒドロシリル化反応は、重合体が劣化等の好ましくない副反応が起こらない温度であれば、反応速度等の点から好ましい温度を選択すればよいが、通常10〜150℃、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは40〜100℃の範囲とするのが好適であり、反応温度の調節、反応系の粘度の調整など必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の溶剤を用いることができる。
ヒドロシリル化反応の反応促進には、特開平8−283339号公報で開示される酸素の使用による触媒の再活性化や硫黄添加などの方法を用いることができる。
さらにヒドロシリル化反応において有機重合体、反応溶媒、系中の可塑剤等が酸素により酸化されることを抑制するために、酸化防止剤の存在下でヒドロシリル化反応を行うことができる。
エポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基の導入率を測定する方法としては種々の方法が考えられるが、現在のところNMRスペクトルにより、エポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基の導入された末端と導入されなかった末端の積分値を比較することで正確な値を得ることができる。
次に、本発明における末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法について詳しく説明する。
本発明の末端にエポキシ基および/またはオキセタン基を有するイソブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能型イソブチレン系重合体を用いて製造することができる。例えば、この重合体の脱ハロゲン化水素反応や特開昭63−105005号公報に記載されているような重合体への不飽和基導入反応等により末端に不飽和基を有するポリイソブチレンを得た後、一般式(8)、(9)あるいは(10)で示されるようなエポキシ基含有ヒドロシラン化合物を白金触媒を用いてヒドロシリル化反応で付加反応をさせることによりエポキシ基含有ケイ素基を重合体に導入する方法があげられる。
水添ポリブタジエン系重合体では、たとえば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体の水酸基末端を−ONaや−OKなどのオキシメタル基にした後、一般式(11)または一般式(12)で表される不飽和基含有化合物を反応させる方法により、同様に末端に不飽和基を含有する水添ポリブタジエン系重合体を得ることが可能である。
上記方法では、出発原料として使用した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分子量をもつ末端不飽和基含有水添ポリブタジエン系重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合には、一般式(11)あるいは一般式(12)の有機ハロゲン化合物を反応させる前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応させれば分子量を増大させることができ、その後一般式(11)あるいは一般式(12)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水添ポリブタジエン系重合体を得ることができる。
末端不飽和基含有水添ポリブタジエン系重合体へのエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基の導入は、前記イソブチレン系重合体の場合と同様にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応をさせることにより製造される。
飽和炭化水素系重合体が、芳香族環でない不飽和結合を分子中に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有機系重合体のような従来のゴム系重合体から形成される被膜と比べて耐候性がよい。また、該重合体は炭化水素系重合体であるので低気体透過性や耐水性がよく、低気体透過性の高い被膜を形成する。
本発明のエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を末端に有するオキシアルキレン系重合体の製造法としては、特に限定されず、例えば末端に不飽和基を有するオキシアルキレン系重合体と一般式(8)、(9)あるいは一般式(10)で示されるエポキシ基含有モノヒドロシラン化合物によるヒドロシリル化反応により得ることができる。
末端に不飽和基を有するオキシアルキレン系重合体の製造法としては、例えばエーテル結合により不飽和基を導入する場合は、オキシアルキレン系重合体の水酸基末端のメタルオキシ化により−OM(MはNaまたはK等)を生成した後、一般式(11)または一般式(12)で表される不飽和基含有化合物を反応させる方法が同様に利用できる。
本発明のエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を末端に有するビニル系重合体の製造法としては、特に限定されず、例えば末端に不飽和基を有するオキシアルキレン系重合体と一般式(8)、(9)あるいは一般式(10)で示されるエポキシ基含有モノヒドロシラン化合物によるヒドロシリル化反応により得ることができる。
加水分解性基の交換反応によるエポキシ基および/またはオキセタン基の導入は、末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体と1分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基および/またはオキセタン基および1つの水酸基を有する化合物との加水分解性基の交換反応により末端にエポキシ基および/またはオキセタン基が導入可能となる。
上記の末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体の加水分解性シリル基は、特に限定されるものではないが、代表的なものを示すと、例えば一般式(13)で表わされる基が挙げられる。
(式中R1、R2、mおよびnは前記一般式(1)と同じである。Qは水酸基または加水分解性基を示し、Qが二個以上存在する時、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
上記Qのうちの加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であれば良い。具体的には例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、加水分解性が穏やかで取扱やすいという点でメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
水酸基や加水分解性基が反応性ケイ素基中に2個以上存在する場合には、それらは同一であっても良く、異なっていてもよい。
なお、下記一般式(14)で表される反応性ケイ素基が入手が容易であるため好ましい。
(式中R2、Q、nは前記と同じ。)
上記の末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体の製造法としては、特に限定されず、前述した不飽和基を末端に有する有機重合体と、下記一般式(15)で表されるヒドロシラン化合物とを前述した付加反応の方法を用いることで得ることができる。
(式中R1,R2,Q,mおよびnは前記と同じ。)
上記ヒドロシラン化合物は、特に一般式(16)
で表わされる化合物が入手性の点から好ましい。
(式中R2,Q,mおよびnは前記と同じ。)
一般式(15)または(16)の化合物を具体的に例示するならば、トリクロルシラン、メチルジクロルシラン、ジメチルクロルシラン、フェニルジクロルシラン、トリメチルシロキシメチルクロルシラン、1,1,3,3−テトラメチル−1−ブロモジシロキサンの如きハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメチルシロキシメチルメトキシシラン、トリメチルシロキシジエトキシシランの如きアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシラン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシラン、トリメチルシロキシジアセトキシシランの如きアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラン、ビス(ジエチルケトキシメート)トリメチルシロキシシラン、ビス(メチルエチルケトキシメート)メチルシラン、トリス(アセトキシメート)シランの如きケトキシメートシラン類;メチルイソプロペニルオキシシランの如きアルケニルオキシシラン類などが挙げられる。これらのなかで、特にアルコキシシラン類が好ましく、アルコキシ基の中でもメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基が特に好ましい。
前記末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体と反応せしめる1分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基および/またはオキセタン基および1つの水酸基を有する化合物としては、特に限定はないが反応性の点で2級あるいは1級の水酸基を有する化合物が好ましい。
上記1分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基および/またはオキセタン基および1つの水酸基を有する化合物の具体的例としては、下記一般式(17)で表される化合物が使用できる。
(W’はエポキシ基および/またはオキセタン基を含有する1価の有機基)
これらの化合物の具体的な化合物としては、入手性の点より2,3−エポキシ−1−プロパノール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、グリセリンジグリシジルエーテル等の化合物が挙げられる。
これら化合物の使用量に特に限定はないが、交換反応を速やかに進行させるために末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体の加水分解性基に対し、1当量以上使用することが好ましい。
加水分解性基の交換反応は、上記の末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体と上記の1分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基および/またはオキセタン基および1つの水酸基を有する化合物にエステル交換反応触媒を加え反応させることにより実施することができる。
上記エステル交換反応触媒は、アルカリ金属アルコキシド、Sn化合物、Ti化合物、Zn化合物、Ba化合物、及び慣用的な強アルカリ化合物により例示される。適切なエステル交換反応触媒の例としては、ジメチル錫ネオデカノエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、オクチル酸コバルト、ジイソオクチルメルカプトアセテート、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニウム、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、水酸化バリウム一水和物及び他の有機金属触媒が挙げられる。特に、エステル交換反応触媒がテトライソプロピルチタネート、水酸化バリウム一水和物及びナトリウムメトキシド等のアルコキシドから選ばれることが好ましい。
上記エステル交換反応触媒の量は、特に限定はないが、通常上記有機重合体に対し50ppm〜100,000ppm、好ましくは50ppm〜3000ppmの範囲で使用される。
この反応は溶剤をさらに含むことができる。この溶剤に特に限定はないが、例えばペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン及びノナン等の脂肪族炭化水素;例えばベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素;並びに例えばペルクロロエチレン及びブロモベンゼン等のフッ素置換、塩素置換及び臭素置換された脂肪族又は芳香族炭化水素により例示される。また2種以上の無極性溶剤を併用することもできる。
溶剤の量に限定はないが、ポリマー100重量部当たり0〜100重量部の溶剤を含むことができる。
この方法は、生成物から揮発分を除去することで反応を促進することが可能である。揮発性成分を除去する方法は当該技術分野で公知であるものが使用可能である。本発明において任意の揮発性成分除去方法を使用することができる。そのような方法は、加熱、加熱し減圧すること、ロータリーエバポレーター、薄膜ストリッパー、ワイプ式フィルムエバポレーター(wiped film evaporator)又はこれらの組み合わせにより例示される。好ましくは、揮発分は、生成物を約2600〜13300Paの減圧下で50〜150℃の温度に加熱することにより除去される。
本発明の末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体は、選択的に末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を導入した新規な重合体であり、製造の際にも重合体主鎖の劣化等を回避し合成することが可能である。このようにして得られた重合体は、それ単独でエポキシ基の公知な反応を利用して硬化させることも可能であり、また従来使用されているエポキシ系硬化物への改質剤的な使用法によっても重合体主鎖由来の特徴を発現することが期待される。
本発明の末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体硬化方法としては、エポキシ基および/またはオキセタン基含有化合物の一般的な硬化剤により、エポキシ基および/またはオキセタン基を反応させ硬化させることができる。硬化剤としては、アミン系硬化剤、酸系硬化剤、3フッ化ホウ素アミンコンプレックス系硬化剤、カチオン系光硬化剤等が一般的な方法で使用可能である。
特に光硬化反応を用いた場合は、短時間で硬化させることが可能となり好ましい。
本発明の光カチオン開始剤(B)は、光により、(A)成分の樹脂のカチオン重合を開始する化合物であれば特に限定はなく、いずれでも使用することができる。例えば光カチオン開始剤の好ましい例として下記一般式(7)で表される構造が挙げられる。
(式中、Wは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、Ti、Zr、Fe、Ru、OsまたはN≡Nであり、R7、R8、R9、およびR10は同一または異なる有機基であり、a、b、cおよびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。Mは、錯体[MZv+u]の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えば、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Zは例えば、Mに配位する配位子で、F、Cl、Br等のハロゲン原子や有機基である。uは錯体イオンの正味の電荷である。vはMの原子価である。)
またカチオン系光開始剤(B)が、オニウム塩、スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩又はボロン酸のトリアリールスルホニウム塩から選ばれるカチオン系光開始剤であることが、入手性が容易なことから好ましい。
これらのオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、トリルクミルヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス〔4−(ジフェニルスルフォニオ)−フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル〕スルフィド、η5−2,4−(シクロペンタジェニル)〔1,2,3,4,5,6−η−(メチルエチル)ベンゼン〕一鉄(1+)等が挙げられる。一般式(7)において陰イオンの具体例としては、テトラフルオロボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサクロロアンチモネート等が挙げられる。これらの光カチオン開始剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また上記のオニウム塩以外にも、デカメチルフェロセン/テトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラート、デカメチルフェロセン/テトラキス(3,5−ジフルオロメチルフェニル)ボラート、デカメチルフェロセン/テトラキス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボラートなど特開平11−49791、特開2000−226396等に記載の開始剤を使用することが可能であり、組成物の安定性向上等の効果がある。
本発明の樹脂組成物における(B)成分の含有割合は、通常0.1〜10重量部であり、好ましくは、0.3〜3重量部である。(B)成分の含有割合0.1重量部以上であるとより樹脂組成物の硬化状況が良好となり好ましく、又硬化後に光カチオン開始剤が溶出の予防の観点から10重量部以下が好ましい。
本発明の光硬化性組成物には、(B)成分に加え増感剤を使用することが可能である。増感剤としては、特に限定はなく、一般のカチオン系光開始剤に用いられる増感剤なら問題なく使用できる。具体例としては、ジアリールヨードニウムやトリアリールスルホニウム塩の増感にはアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族炭化水素が、ジアリールヨードニウム塩の増感にはベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、ミヒラーケトン、9,10−フェナントラキノンなどの芳香族ケトン、エオシン、ケトクマリン、アクリジン染料などが、トリアリールスルホニウム塩の増感には芳香族アミン、芳香族3級アミン、クマリン、イソベンゾフランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の光硬化性組成物には、必要に応じてエポキシ基を有する化合物(C)および/またはオキセタン基を有する化合物(D)を含有することができる。エポキシ基を有する化合物(C)は、硬化物の硬化性や機械的強度を向上することができ、以下のものが例示できる。例えば、エポキシ基を1個有する化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等があり、エポキシ基を2個以上有する化合物としては、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。また、脂環式エポキシ基を有する化合物も問題なく使用できる。
これらの(C)成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。また(A)成分の主鎖骨格の種類により相溶性等が異なるため、(A)成分に適した化合物を選択することが好ましい。本発明の樹脂組成物における(C)成分の含有割合は、通常1〜70重量部であり、好ましくは、1〜50重量部である。(C)成分の添加は、組成物の硬化性、接着性、耐熱性を改良させるのに有効である。
本発明におけるオキセタン環を有する化合物(D)は、一般式(18)で表されるオキセタン環を少なくとも1つ有する化合物であればいずれでも使用することができる。
ここで式中、R14、R15は、同一または異なった水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基を示す。
これらオキセタン環を有する化合物としては、3−エチル−3‐ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチルー3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−ヘキシロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3‐(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、1,4−ビス{[3‐エチル−(3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3,3‘−ジメチルー2−(p−メトキシフェニル)−オキセタン等の化合物が挙げられる。
これらの(D)成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。また(A)成分の主鎖骨格の種類により相溶性等が異なるため、(A)成分に適した化合物を選択することが好ましい。本発明の樹脂組成物における(D)成分の含有割合は、通常1〜70重量部であり、好ましくは、1〜50重量部である。(D)成分の添加は、組成物の高速硬化性、高分子量化に有効である。
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の光カチオン重合性化合物、シランカップリング剤、充填剤、改質剤、安定剤、他の樹脂成分等のその他の成分を含有することができる。
他の光カチオン重合性化合物としては、例えば、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、スピロオルソエステル化合物、ビニルエーテル化合物、エチレン性不飽和化合物、環状エーテル化合物、環状チオエーテル化合物、ビニル化合物等が挙げられる。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。
シランカップリング剤とは、エポキシ基、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基等の反応性基を有するシラン化合物が挙げられる。具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトシキシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトシキシラン等が挙げられる。これらの成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の樹脂組成物におけるシランカップリング剤成分の含有割合は、特に限定はないが通常0.1〜20重量部であり、好ましくは、0.3〜10重量部である。0.1〜20重量部の範囲では、接着性向上の効果と経済性のバランスの点で優れている。
充填剤としては、例えば、微粒子シリカ、ガラスビーズ、タルク、スチレン系ポリマー粒子、メタクリレート系ポリマー粒子、エチレン系ポリマー粒子、プロピレン系ポリマー粒子等が挙げられ、中でも無機充填剤が好ましく使用でき、特に微粒子シリカが好ましい。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。
微粒子シリカは、一次粒子の平均系が5〜100nmのシリカが好ましい。これらは、表面処理、未処理のものいずれも使用できる。
これらの無機充填剤を使用することにより、高強度化、耐透湿性や接着性を向上させることができる。
改質剤としては、例えば重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤等が挙げられる。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。
安定剤としては、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。
他の樹脂成分としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエーテル、ポリエステル、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂成分が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、各成分を均一に混合することにより調製される。混合する方法に特に限定はないが、まず(B)成分のカチオン系光開始剤を除くその他の成分を十分に混合した後に、(B)成分のカチオン系光開始剤を混合することが組成物の安定性の点で好ましい。特に水分を多く含有するような成分については、事前に脱水処理を施し、混合することが好ましい。混合する方法、装置には特に限定はないが、手攪拌、機械的攪拌装置、ロールミル等を用い適宜混合することにより調整される。
本発明の硬化物は、硬化性組成物に光エネルギー源を照射することにより得られる。光エネルギー源としては、一般に光硬化反応に用いられるものを特に制限なく使用できるが、紫外線、電子線、可視光等を挙げることができる。例えば、光硬化性組成物自体の硬化は、塗布された基材を望ましい光エネルギー源、例えば紫外線ランプの下を所定の速度で通過させ、そして必要なエネルギー源を出力状態に所定の時間おくことによりその塗布された基材を完全に光エネルギーに暴露することを含む公知の方法のうちのいずれかにより達成される。
硬化物を得る際に施す光硬化性組成物の塗布としては、例えば、はけ塗り、押出、吹付け、グラビア、キスロール、ディスペンサー及びエアーナイフによるような当該技術分野で公知の任意の適切な手法が適用できる。
本発明の光硬化性組成物を塗布する固体基材は、例えば紙、ポリオレフィンフィルム、ポリオレフィン被覆紙、箔、木材、厚紙及び綿等の柔軟なシート材料;例えばアルミニウム、銅、スチール及び銀等の金属材料;例えばガラス及び石等のケイ質材料;並びに例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びポリアクリレート等の合成ポリマー等が挙げられる。
また必要に応じて光エネルギーの照射の後に、さらに加熱等の後硬化させることにより、より十分に硬化させることができる。
本発明の光硬化性組成物は、接着剤、塗料、シーリング剤組成物、防水剤、吹き付け剤、型取り用材料、注入型ゴム材料等として有用である。具体的には、UV硬化型塗料・コーティング・インキ、液状ソルダレジスト、液晶用レジスト、光ファイバーコーティング剤、UV・可視光硬化型接着剤、光ディスクコーティング剤、電子部品用封止剤等が挙げられる。中でも、加熱工程の低減、生産性向上が求められる電子部品用途への使用が好適である。
本発明の光硬化性組成物を含む硬化物を構成要素としてなる製品は、本発明の光硬化性組成物、あるいは必要に応じて他の光カチオン重合性化合物、シランカップリング剤、充填剤、改質剤、他の樹脂成分等混合した光硬化性組成物を、各用途の使用部位に本発明の光硬化性組成物を塗布し、光エネルギーを照射することによりその部位を接着、シール、封止したものである。
これら製品の製造方法としては特に限定はなく、各用途に適した工程が使用できる。例えば、光ファイバーコーティングでは、光ファイバーの紡糸装置中に本発明の光硬化性組成物を満たしたカップおよびUV照射装置を設置し、ファイバー線を引きカップを通過することで光硬化性組成物をコーティングし、その後UV照射により硬化し、本発明の硬化性組成物からなる硬化物で被覆された光ファイバーを得ることができる。
その他、有機EL素子の封止剤として使用した場合は、基材上の素子周辺を本発明の光硬化性組成物でシールし、キャップした後UV照射し封止することにより、本発明の硬化性組成物からなる硬化物で本発明の硬化物で封止された有機EL素子が得られる。
本発明の光硬化性組成物は、(A)成分の主鎖骨格の種類を変更することでその主鎖骨格独特の性能が期待できる。
特に本発明の(A)成分の主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体の場合は、本発明の光硬化性組成物およびそれを含む硬化物に優れた耐熱性、低透湿性、低吸湿性、低気体透過性等を付与することができる。このような硬化性組成物は、電子材料周辺での接着剤あるいはシーリング剤として好適であり、特に熱および湿気等に弱い部品等、例えば有機EL等に対する接着剤、シーリング剤に好適である。
また(A)成分の主鎖骨格がオキシアルキレン系重合体の場合は、本発明の光硬化性組成物およびそれを含む硬化物に優れた低温特性、可とう性、他成分との優れた相溶性等を付与することができる。
また(A)成分の主鎖骨格がアクリル系重合体の場合は、そのモノマー種の調整により本発明の光硬化性組成物およびそれを含む硬化物に優れた耐候性、可とう性、他成分との優れた相溶性等を付与することができる。
これら(A)成分の主鎖骨格は、単一であっても良く、2種以上を組み合わせることで上記の特徴を併せ持つ光硬化性組成物およびそれを含む硬化物を得ることが可能である。
(合成例1)
(エポキシ基含有ヒドロシランの合成)
シロキサン結合の繰返し単位が平均5個のメチルハイドロジェンポリシロキサン23.3g、トルエン20gを200ml三口フラスコに計量し、冷却管および滴下管を取り付け、90℃に昇温した。続いてα−メチルスチレン7.7g、アリルグリシジルエーテル7.44g、トルエン15gおよび白金−1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で0.3重量%のトルエン溶液)6μlの混合物をゆっくり滴下し、2時間攪拌した。ヒドロシランのモル数は、アルコールに溶解させたメチルハイドロジェンポリシロキサンにアルカリ水溶液を滴下したときの水素発生量により算出した。反応の進行は、1H−NMRにてα−メチルスチレンの不飽和基のピーク(5.0ppm付近、5.3ppm付近)の減少、アリルグリシジルエーテルの不飽和基のピーク(5.3ppm付近、5.9ppm付近)の減少およびヒドロシランのピーク(4.4ppm付近)の減少により追跡した。反応終了後、1H−NMRで確認の結果下記式(14)で表すようなα−メチルスチレン基平均2個、エポキシ含有基平均2個が導入され、ヒドロシリル基が平均1個残存するヒドロシラン(SH−1)が得られた。
(合成例2)
(エポキシ基含有環状ヒドロシランの合成)
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン100gを300ml三ツ口フラスコに計量し、90℃に昇温した。続いて上記ヒドロシランに対しアリルグリシジルエーテル104.5g、1‐ヘキサデセン102.6gおよび白金−1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で0.3重量%のトルエン溶液)10μlの混合物をゆっくりと滴下した。1時間反応後、1H−NMRでアリル基のピーク(5.3ppm付近、5.9ppm付近)を確認した結果、反応物のアリル基の消滅が確認でき、下記式(15)で示される平均1個のヒドロシリル基を有する化合物(SH−2)が得られた。
(合成例3)
(アリル末端イソブチレン系重合体の合成)
2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)138mlおよびトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)1012ml、1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン8.14g(35.2mmol)を加えた。
次にイソブチレンモノマー254ml(2.99mol)が入っているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス/エタノールバス中につけて冷却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを液化ガス採取管から重合容器内に導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入することにより容器内を常圧に戻した。次に、2−メチルピリジン0.387g(4.15mmol)を加えた。次に、四塩化チタン4.90ml(44.7mmol)を加えて重合を開始した。反応時間70分後に、アリルトリメチルシラン9.65g(13.4mmol)を加えてポリマー末端にアリル基の導入反応を行った。反応時間120分後に、反応溶液を水200mlで4回洗浄した後、溶剤を留去することによりアリル末端イソブチレン系重合体(P−1)を得た。
こうして得られたポリマーの収量より収率を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法により、また末端構造を300MHz1H−NMR分析により各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマー末端由来のアリル基のピーク(4.97ppm:=CH2、5.79ppm:−CH=C))の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMRは、Varian Gemini300(300MHz for 1H)を用い、四塩化炭素/重アセトン中で測定した。
なお、GPCは送液システムとしてWaters LC Module1、カラムはShodex K−804を用いて行った。分子量はポリスチレンスタンダードに対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、Mn=5800、Mw/Mn=1.39、
Fn(v)=1.88(NMR分析において、開始剤残基となる芳香族環1分子当たりに対するアリル基の数)であった。
(合成例4)
(末端アリル基含有オキシプロピレン系重合体の合成)
数平均分子量が2000のポリプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量が10000のポリプロピレングリコールを得た。続いてこのポリプロピレングリコールの末端水酸基に対して1.2倍当量のCH3ONa(メタノール溶液)を添加し、減圧下でメタノールを除去しながら、末端をメタルオキシ化した。ここに1.3倍当量の3−クロロ−1−プロペンを添加し、反応させた後、副生した塩を脱塩精製により除き、末端にアリル基を有するオキシプロピレン系重合体(P−2)を得た。
得られた重合体の末端アリル基濃度を測定したところ、0.223mmol/gであった。
(合成例5)
(重合体末端へのエポキシ基含有ケイ素基の導入−1)
上記の末端にアリル基を含有するポリイソブチレン系重合体(P−1)100g、1,4,−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.05gおよびトルエン100gを500mlの三ツ口フラスコに計量し、真空シール付き攪拌機、冷却管および玉栓を取り付けた。
続いて100℃に昇温後、6%酸素含有空気雰囲気化で硫黄の1%トルエン溶液を11.1μl滴下、攪拌し、続いて白金−1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体のトルエン溶液21.6μl(白金換算で3重量%のトルエン溶液)を滴下、攪拌し、上記で合成したヒドロシラン化合物(SH−2)23.9gをゆっくりと滴下し2時間反応させた。
反応の進行は、1H−NMRにより末端アリル基のピーク(5.1ppm:=CH2、5.9ppm:−CH=C)の減少、消滅および滴下したエポキシ基含有ヒドロシランのヒドロシリル基(Si−H)のピーク(4.8ppm)の減少により確認した。
得られた反応物の1H−NMRを測定したところ、初期末端アリル基含有重合体に対し、上記記載のアリル基を示すピークおよびヒドロシランを示すピークが完全に消滅していることが判明し、目的の末端に下記の構造のエポキシ基含有ケイ素基を含有するイソブチレン系重合体(A−1)が得られた。
(合成例6)
(重合体末端へのエポキシ基含有ケイ素基の導入−2)
上記の末端にアリル基を含有するオキシプロピレン系重合体100gおよびヘキサン2gを300mlの三ツ口フラスコに計量し、真空シール付き攪拌機、三方コックおよび玉栓を取り付けた。これを90℃に昇温、攪拌し、真空ポンプにより2時間共沸脱水を行った。
続いて白金−1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のトルエン溶液)4.10μl滴下し、よく攪拌した。続いてエポキシ基含有ヒドロシラン(SH−1)50.5gを窒素雰囲気下ゆっくりと滴下し、その後6時間攪拌した。
反応の進行は、1H−NMRにより末端アリル基のピーク(4.97ppm:=CH2、5.79ppm:−CH=C)の減少、消滅および滴下したエポキシ基含有モノヒドロシランのヒドロシリル基(Si−H)のピーク(4.6ppm付近)の減少により確認した。
得られた反応物の1H−NMRを測定したところ、初期末端アリル基含有重合体に対し、上記記載のアリル基を示すピークおよびヒドロシランを示すピークが完全に消滅していることが判明し、末端に下記の構造のエポキシ基含有ケイ素基を有するオキシアルキレン系重合体(A−2)が得られた。
(合成例7)
(加水分解性シリル基含有重合体の合成)
上記の末端にアリル基を含有するポリイソブチレン系重合体100gおよびトルエン2gを300mlの三ツ口フラスコに計量し、真空シール付き攪拌機、三方コックおよび玉栓を取り付けた。これを180℃に昇温、攪拌し、真空ポンプにより2時間脱水および脱塩酸を行った。
続いて100℃に冷却後、1,4,−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.05g、白金−1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体21.6μl(白金換算で3重量%のトルエン溶液)、硫黄の1%トルエン溶液を11.1μl滴下し、よく攪拌した。
さらに、メチルジメトキシシラン5.86gを滴下管によりゆっくりと滴下し、その後6%酸素含有空気中で2時間攪拌した。その後、過剰のメチルジメトキシシランを減圧除去し、下記の構造の末端に加水分解性基を有するイソブチレン系重合体を得た。
(合成例8)
(加水分解性基交換反応)
上記合成例7で得られた、末端にアルコキシシリル基を有するポリイソブチレン系重合体100g、およびトルエン100gをディーンスタークセパレーターを備えた500mlのフラスコに計量した。続いて3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン14.4gおよびテトライソプロポキシチタネート200μlを加え、攪拌しながら70℃に昇温し、16時間反応させた。反応後、トルエンおよび過剰の3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧除去した。
反応の進行は、1H−NMRにより末端メトキシ基のピーク(3.5ppm:−CH3)の減少、消滅により確認した。
得られた反応物の1H−NMRを測定したところ、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが末端に平均1.5個導入されたことが判明し、目的の末端に下記の構造のオキセタン基含有ケイ素基を含有するイソブチレン系重合体(A−3)が得られた。
(光硬化性組成物およびそれらを含む硬化物の作製)
下記実施例に従い光硬化性組成物を調整し、フィルムを塗布し、UV照射することでそれらの硬化物を得た。さらに硬化物の良溶媒で抽出することで、不溶分のゲル分率を測定算出し、硬化性を判断した。
ゲル分率の評価方法:得られた硬化物フィルムを200メッシュ金網に適量計量し、不溶分が流出しないよう包み込んだ。これらを十分量のヘキサンに15時間浸漬し、溶出分を抽出し、その後80℃2時間乾燥した。その時の不溶分の初期重量に対する割合をもってゲル分率(%)とした。
光照射の方法:市販のUVランプ(400W)を用い、サンプル位置での照度を28000〜30000μW・cm2(測定波長:310〜400nm)に調整した。照射時間を調整し、積算光量を調整した。本実施例の条件では、1分間の照射で1.5Jの積算光量となった。また、本実施例でのサンプル表面の温度は約50℃となった。
[実施例1]
上記で合成例5で合成した有機重合体(A−1)100重量部に対し、トリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート系のカチオン系光開始剤(アデカオプトマーSP−172:旭電化工業(株)製)1重量部を十分に混合し、光硬化性組成物を調整した。この混合物をアプリケーターを用いテフロン(R)製のシート上に均一に100μmの厚みで成膜し、その後UVランプによりUV照射した。
積算光量1.5JのUV照射により硬化したフィルムを剥し、ヘキサンにより溶出分を抽出し、不溶分のゲル分率を計算することで硬化性を判断した(表1)。
[実施例2]
上記で合成例5で合成した有機重合体(A−1)100重量部に対し、(D)成分のオキセタン化合物(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル)10重量部を十分混合し、更にトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート系のカチオン系光開始剤(アデカオプトマーSP−172:旭電化工業(株)製)1重量部を十分に混合し、光硬化性組成物を調整した。この混合物をアプリケーターを用いテフロン(R)製のシート上に均一に100μmの厚みで成膜し、その後UVランプによりUV照射した。
積算光量1.5JのUV照射により硬化したフィルムを剥し、ヘキサンにより溶出分を抽出し、不溶分のゲル分率を計算することで硬化性を判断した(表1)。
[実施例3]
上記で合成例6で合成した有機重合体(A−2)100重量部に対し、トリアリルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート系のカチオン系光開始剤(アデカオプトマーSP−152:旭電化工業(株)製)1重量部を十分に混合し、光硬化性組成物を調整した。この混合物をアプリケーターを用いテフロン(R)製のシート上に均一に100μmの厚みで成膜し、その後UVランプによりUV照射した。
積算光量1.5JのUV照射により硬化したフィルムを剥し、ヘキサンにより溶出分を抽出し、不溶分のゲル分率を計算することで硬化性を判断した(表1)。
[実施例4]
上記で合成例6で合成した有機重合体(A−2)100重量部に対し、(C)成分のエポキシ化合物(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)20重量部を十分混合し、更にトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート系のカチオン系光開始剤(アデカオプトマーSP−152:旭電化工業(株)製)1重量部を十分に混合し、光硬化性組成物を調整した。この混合物をアプリケーターを用いテフロン(R)製のシート上に均一に100μmの厚みで成膜し、その後UVランプによりUV照射した。
積算光量1.5JのUV照射により硬化したフィルムを剥し、ヘキサンにより溶出分を抽出し、不溶分のゲル分率を計算することで硬化性を判断した(表1)。
[実施例5]
上記で合成例8で合成した有機重合体(A−3)100重量部に対し、(D)成分のオキセタン化合物(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル)10重量部を十分混合し、更にトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート系のカチオン系光開始剤(アデカオプトマーSP−172:旭電化工業(株)製)1重量部を十分に混合し、光硬化性組成物を調整した。この混合物をアプリケーターを用いテフロン(R)製のシート上に均一に100μmの厚みで成膜し、その後UVランプによりUV照射した。
積算光量1.5JのUV照射により硬化したフィルムを剥し、ヘキサンにより溶出分を抽出し、不溶分のゲル分率を計算することで硬化性を判断した(表1)。
[実施例6]
上記で合成例5で合成した有機重合体(A−1)100重量部に対し、(C)成分のエポキシ化合物(脂環式エポキシ希釈剤:セロキサイド3000:ダイセル化学工業(株)製)10重量部、(D)成分のオキセタン化合物(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル)10重量部を十分混合し、更にトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート系のカチオン系光開始剤(アデカオプトマーSP−172:旭電化工業(株)製)1重量部を十分に混合し、光硬化性組成物を調整した。この混合物をアプリケーターを用いテフロン(R)製のシート上に均一に100μmの厚みで成膜し、その後UVランプによりUV照射した。
積算光量1.5JのUV照射により硬化したフィルムを剥し、ヘキサンにより溶出分を抽出し、不溶分のゲル分率を計算することで硬化性を判断した(表1)。
(比較例1)
本発明の末端構造を有しない、加水分解性シリル基を分子内に有するポリオキシプロピレン重合体(MSポリマーSAT350:鐘淵化学工業(株))100重量部に対し、ジブチルスズジアセチルアセトナート(ネオスタンU−220:日東化成(株))を0.5部混合し、アプリケーターを用いテフロン(R)製のシート上に均一に100μmの厚みで成膜し、その後UVランプによりUV照射した。硬化性を確認しようとしたが、フィルムは形成されず、硬化しなかった。
別途作製したサンプルを実施例のサンプル表面の温度と同等の温度(約50℃)で実施例のUV照射と同等の時間(本試験では1分)での硬化性を確認したが、フィルムは形成されず、ほとんど硬化していない状態であった。さらに同温度で2時間放置した後にゲル分率が実施例と同等となった(表2)。
(比較例2)
本発明の末端構造を有しない、分子量約10000のアリル基末端ポリイソブチレン(鐘淵化学工業(株)製、EP400A)100重量部にα−メチルスチレン変性メチルハイドロジェンポリシロキサン(鐘淵化学工業(株)製、CR100)を7.3重量部を混合し、手混ぜした後,さらに保存性改良剤としてマレイン酸ジメチル(和光純薬(株)製、特級試薬)を90μL、白金ビニルシロキサン錯体触媒(鐘淵化学工業(株)製、HS−KA)を60μL加え、手混ぜ混合した。
この混合物をアプリケーターを用いテフロン(R)製のシート上に均一に100μmの厚みで成膜し、その後UVランプによりUV照射した。硬化性を確認しようとしたが、フィルムは形成されず、硬化しなかった。
別途作製したサンプルを100℃および実施例のサンプル表面の温度と同等の温度(約50℃)で実施例のUV照射と同等の時間(本試験では1分)加熱した後の硬化性を確認したが、ほとんど硬化していない状態であった。さらに50℃で、2時間放置した後でもゲル分率が実施例と同等にならず、より高温の100℃1時間硬化させた場合に実施例と同等のゲル分率が得られた(表2)。
表1、表2より、いずれの実施例の組成物も短時間のUV照射のみで良好な硬化性を有し、かつ硬化物はゴム弾性を有する比較的柔らかい硬化物であった。また比較例の湿分硬化性あるいは熱硬化性の組成物では、このような短時間では十分な硬化性が得られなかった。
[実施例7]
実施例1のサンプルを別途作製し、UV照射に加え、さらに80℃1時間加熱硬化した。硬化したフィルムを剥し、ヘキサンにより溶出分を抽出し、不溶分のゲル分率を計算することで硬化性を確認した。その結果、実施例1でのUV照射のみに比べ、ゲル分率が向上していることが確認された(表3)。
[実施例8]
実施例5のサンプルを別途作製し、UV照射に加え、さらに80℃1時間加熱硬化した。硬化したフィルムを剥し、ヘキサンにより溶出分を抽出し、不溶分のゲル分率を計算することで硬化性を確認した。その結果、実施例5でのUV照射のみに比べ、ゲル分率が向上していることが確認された(表3)。
以上の結果より、本発明の光硬化性組成物は、良好な光硬化性を有し、(A)成分の特徴であるゴム弾性を併せ持つ硬化物が得られることが判明した。
Claims (14)
- 末端に一般式(1)、一般式(2)あるいは一般式(3)で表される構造を有する有機重合体(A)、及び、カチオン系光開始剤(B)を含むことを特徴とする光硬化性組成物。
(式中、R1およびR2は、同一または異なった炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基若しくは(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から20の1価の炭化水素基であり3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xはエポキシ基および/またはオキセタン基を含有する1価の有機基、mは0以上20以下の整数、nは1、2または3の整数を示す。)
(式中、X、R2は上記と同じ、R3、R4はメチル基もしくはXあるいはR2と同一のものであるか、いずれかが有機重合体への結合部である。ここで1’は平均1で有機重合体末端への結合部を表すがR3、R4いずれかが有機重合体末端への結合部の場合1’=0である。1≦m’+n’≦50、1≦m’、0≦n’であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていて良い。)
(式中、X、R2は上記と同一である。ここで1′′は平均1で有機重合体末端への結合部を表す。1≦m′′+n′′≦20、1≦m′′、0≦n′′であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていて良い。) - 有機重合体(A)の主鎖骨格が、飽和炭化水素系重合体、オキシアルキレン系重合体、又はビニル系重合体から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 飽和炭化水素系重合体が、ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレン及びその共重合体からなる群から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の光硬化性組成物。
- 有機重合体(A)が、末端に不飽和基を有する有機重合体とヒドロシラン化合物との反応により製造されるものであり、前記のヒドロシラン化合物がエポキシ基および/またはオキセタン基を有するヒドロシラン化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 有機重合体(A)が、末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体と1分子中に1つの水酸基を有する化合物との加水分解性基の交換反応により製造されるものであり、前記の1分子中に1つの水酸基を有する化合物が少なくとも1つ以上のエポキシ基および/またはオキセタン基を有する化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- カチオン系光開始剤(B)が、一般式(7)で表される構造であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性組成物。
(式中、Wは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、Ti、Zr、Fe、Ru、OsまたはN≡Nであり、R7、R8、R9、およびR10は同一または異なる有機基であり、a、b、cおよびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。Mは、錯体[MZv+u]の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、MnおよびCoから選ばれる金属またはメタロイドである。Zは、Mに配位する配位子で、ハロゲン原子または有機基である。uは錯体イオンの正味の電荷である。vはMの原子価である。) - カチオン系光開始剤(B)が、オニウム塩、スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩又はボロン酸のトリアリールスルホニウム塩から選ばれるカチオン系光開始剤であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- (C)エポキシ基含有化合物および/またはエポキシ基含有オリゴマー、(D)オキセタン基含有化合物および/またはオキセタン基含有オリゴマーから選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の光硬化性組成物に、光エネルギー源を照射して硬化物を得る、硬化物の製造方法。
- 請求項12に記載の製造方法で得られる硬化物。
- 請求項13に記載の硬化物を構成要素として含む製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005514074A JP4758230B2 (ja) | 2003-09-18 | 2004-09-13 | 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体を含む光硬化性組成物、それから得られる硬化物、及び製造方法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003326713 | 2003-09-18 | ||
JP2003326713 | 2003-09-18 | ||
PCT/JP2004/013707 WO2005028537A1 (ja) | 2003-09-18 | 2004-09-13 | 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体を含む光硬化型樹脂組成物およびその製造方法 |
JP2005514074A JP4758230B2 (ja) | 2003-09-18 | 2004-09-13 | 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体を含む光硬化性組成物、それから得られる硬化物、及び製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2005028537A1 true JPWO2005028537A1 (ja) | 2006-11-30 |
JP4758230B2 JP4758230B2 (ja) | 2011-08-24 |
Family
ID=34372829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005514074A Expired - Fee Related JP4758230B2 (ja) | 2003-09-18 | 2004-09-13 | 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体を含む光硬化性組成物、それから得られる硬化物、及び製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7534820B2 (ja) |
EP (1) | EP1679328A1 (ja) |
JP (1) | JP4758230B2 (ja) |
WO (1) | WO2005028537A1 (ja) |
Families Citing this family (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001163961A (ja) * | 1999-12-07 | 2001-06-19 | Toagosei Co Ltd | オキセタン環を含有するアルキド樹脂の製造方法および該樹脂からなる活性エネルギー線硬化性組成物 |
JP4651935B2 (ja) * | 2003-12-10 | 2011-03-16 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | 活性エネルギー線硬化型オルガノポリシロキサン樹脂組成物、光伝送部材および光伝送部材の製造方法 |
EP1869107A1 (en) * | 2005-04-12 | 2007-12-26 | Dow Corning Corporation | Epoxy-functional polysiloxanes, silicone composition, and coated optical fiber |
WO2007074813A1 (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Kaneka Corporation | 硬化性組成物 |
FR2904321B1 (fr) * | 2006-07-25 | 2008-09-05 | Rhodia Recherches Et Technologies Sas | Composition polymerisable et/ou reticulable sous irradiation par voie cationique et/ou radicalaire |
JP4899824B2 (ja) * | 2006-11-27 | 2012-03-21 | 東亞合成株式会社 | 多官能オキセタンの製造方法 |
KR20090123851A (ko) * | 2007-03-01 | 2009-12-02 | 아사히 가라스 가부시키가이샤 | 발수성 영역의 패턴을 갖는 처리 기재, 그 제조 방법, 및 기능성 재료의 막으로 이루어지는 패턴이 형성된 부재의 제조 방법 |
JP2009024176A (ja) * | 2008-08-01 | 2009-02-05 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 光記録媒体用硬化性樹脂組成物 |
WO2010045230A2 (en) * | 2008-10-14 | 2010-04-22 | Bridgestone Corporation | New polymers and use thereof in preparation of high impact polymeric compositions |
KR101560033B1 (ko) * | 2011-10-14 | 2015-10-16 | 주식회사 엘지화학 | 양면형 편광판 및 이를 포함하는 광학 장치 |
JP6010322B2 (ja) * | 2012-04-09 | 2016-10-19 | 株式会社カネカ | 硬化性組成物およびその用途 |
CA2878153C (en) * | 2012-08-27 | 2020-09-22 | Agfa Graphics Nv | Recycling of radiation cured printed matter |
PL2703180T3 (pl) * | 2012-08-27 | 2016-06-30 | Agfa Nv | Utwardzalne radiacyjnie, rodnikowo ciecze do odbarwiania podłoży |
JP5667281B1 (ja) * | 2013-12-27 | 2015-02-12 | 古河電気工業株式会社 | 有機電界発光素子用充填材料及び有機電界発光素子の封止方法 |
US20170037273A1 (en) | 2014-04-10 | 2017-02-09 | 3M Innovative Properties Company | Adhesion promoting and/or dust suppression coating |
CN107849223B (zh) | 2015-07-10 | 2020-07-28 | 住友精化株式会社 | 环氧树脂组合物、其制造方法、以及该组合物的用途 |
CN108603008B (zh) * | 2016-01-26 | 2021-01-08 | 富士胶片株式会社 | 包含表面修饰无机物的树脂组合物、导热材料及器件 |
CN107621752B (zh) | 2016-07-13 | 2019-11-12 | 常州强力先端电子材料有限公司 | 一种混杂型光敏树脂及其制备方法 |
CN107619399B (zh) | 2016-07-13 | 2021-04-27 | 常州强力先端电子材料有限公司 | 多官能度氧杂环丁烷类化合物及其制备方法 |
CN109791358B (zh) * | 2016-09-29 | 2022-09-02 | 株式会社钟化 | 感光性组合物、着色图案及其制造方法 |
CN110168017B (zh) | 2017-01-10 | 2022-06-21 | 住友精化株式会社 | 环氧树脂组合物 |
KR102459581B1 (ko) * | 2017-01-10 | 2022-10-27 | 스미토모 세이카 가부시키가이샤 | 에폭시 수지 조성물 |
CN110177819B (zh) | 2017-01-10 | 2022-11-08 | 住友精化株式会社 | 环氧树脂组合物 |
CN110177820B (zh) | 2017-01-10 | 2022-03-01 | 住友精化株式会社 | 环氧树脂组合物 |
US11414512B2 (en) | 2017-04-14 | 2022-08-16 | Threebond Co., Ltd. | Photocurable resin composition, fuel cell using same, and sealing method |
US20210198290A1 (en) * | 2017-09-22 | 2021-07-01 | 3M Innovative Properties Company | Cyclic siloxanes, compositions, methods, and articles |
KR20220094203A (ko) * | 2019-10-25 | 2022-07-05 | 티시움 에스에이 | 활성화되고 작용화된 예비중합체를 포함하는 조성물 |
CN115449228B (zh) * | 2022-09-28 | 2023-11-10 | 汇涌进光电(浙江)有限公司 | 耐高温高湿及光老化的光电封装材料及其制备方法、应用 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05214021A (ja) * | 1992-02-03 | 1993-08-24 | Nippon Shokubai Co Ltd | 含珪素反応性ポリマーの製造方法 |
JPH06135973A (ja) * | 1992-07-08 | 1994-05-17 | General Electric Co <Ge> | ポリエポキシシラン及び放射線硬化性ポリエポキシシリコーン組成物 |
JP2001040066A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-02-13 | Dow Corning Toray Silicone Co Ltd | 紫外線硬化性組成物 |
JP2004068000A (ja) * | 2002-06-14 | 2004-03-04 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 紫外線硬化型シリコーン組成物 |
JP2004143200A (ja) * | 2002-10-22 | 2004-05-20 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 末端にエポキシ基含有ケイ素基を有する有機重合体およびその製造方法 |
Family Cites Families (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4954580A (en) * | 1987-12-01 | 1990-09-04 | Ciba-Geigy Corporation | Epoxysiloxanes |
US5266644A (en) * | 1992-11-02 | 1993-11-30 | Eastman Kodak Company | Process for preparing epoxy-terminated polymers |
US6218482B1 (en) * | 1994-02-24 | 2001-04-17 | New Japan Chemical Co., Ltd. | Epoxy resin, process for preparing the resin and photo-curable resin composition and resin composition for powder coatings containing the epoxy resin |
US5696179A (en) * | 1994-10-19 | 1997-12-09 | Dsm, N.V. | Silane oligomer and radiation curable coating composition containing the oligomer |
FR2752582B1 (fr) * | 1996-08-21 | 2003-06-13 | Rhone Poulenc Chimie | Compositions a base de polyorganosiloxanes a groupements fonctionnels reticulables et leur utilisation pour la realisation de revetements anti-adherents |
US5939477A (en) * | 1998-02-02 | 1999-08-17 | Dow Corning Corporation | Silicone pressure sensitive adhesive composition containing functionalized polyisobutylene |
FR2784025B1 (fr) * | 1998-10-02 | 2002-10-31 | Rhodia Chimie Sa | Composition dentaire a base d'une silicone fonctionnalisee reticulable/polymerisable par voie cationique |
EP1179567B1 (en) * | 1998-10-08 | 2006-04-26 | Kaneka Corporation | Curable compositions |
JP4028672B2 (ja) * | 1999-07-15 | 2007-12-26 | 荒川化学工業株式会社 | 反応生成物の製造方法 |
EP1123944B1 (en) * | 1999-07-15 | 2009-02-25 | Arakawa Chemical Industries, Ltd. | Partial condensate of glycidyl ether group-containing alkoxysilane, silane-modified resin, compositions thereof, and preparation methods thereof |
US6703433B1 (en) * | 2000-05-12 | 2004-03-09 | Dow Corning Corporation | Radiation curable compositions containing alkenyl ether functional polyisobutylenes |
US6831133B2 (en) * | 2000-06-27 | 2004-12-14 | The University Of Akron | Addition of unsaturated hydrocarbons to poly(vinyl chloride) and functionalization thereof |
US7176269B2 (en) * | 2000-07-25 | 2007-02-13 | Mitsui Chemicals, Inc. | Curable composition and its use |
JP4426318B2 (ja) * | 2002-04-08 | 2010-03-03 | 株式会社カネカ | 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体およびその製造方法 |
US6875795B2 (en) * | 2002-06-14 | 2005-04-05 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Ultraviolet-curable silicone composition |
US6733893B2 (en) * | 2002-08-02 | 2004-05-11 | Dow Corning Corporation | Coated silicone rubber article and method of preparing same |
US7034089B2 (en) * | 2002-12-20 | 2006-04-25 | National Starch And Chemical Investment Holding Corporation | Epoxy-functional hybrid copolymers |
-
2004
- 2004-09-13 JP JP2005514074A patent/JP4758230B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2004-09-13 EP EP04773326A patent/EP1679328A1/en not_active Withdrawn
- 2004-09-13 WO PCT/JP2004/013707 patent/WO2005028537A1/ja active Application Filing
-
2006
- 2006-03-13 US US11/373,306 patent/US7534820B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05214021A (ja) * | 1992-02-03 | 1993-08-24 | Nippon Shokubai Co Ltd | 含珪素反応性ポリマーの製造方法 |
JPH06135973A (ja) * | 1992-07-08 | 1994-05-17 | General Electric Co <Ge> | ポリエポキシシラン及び放射線硬化性ポリエポキシシリコーン組成物 |
JP2001040066A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-02-13 | Dow Corning Toray Silicone Co Ltd | 紫外線硬化性組成物 |
JP2004068000A (ja) * | 2002-06-14 | 2004-03-04 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 紫外線硬化型シリコーン組成物 |
JP2004143200A (ja) * | 2002-10-22 | 2004-05-20 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 末端にエポキシ基含有ケイ素基を有する有機重合体およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2005028537A1 (ja) | 2005-03-31 |
US20070066699A1 (en) | 2007-03-22 |
US7534820B2 (en) | 2009-05-19 |
EP1679328A1 (en) | 2006-07-12 |
JP4758230B2 (ja) | 2011-08-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4758230B2 (ja) | 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体を含む光硬化性組成物、それから得られる硬化物、及び製造方法 | |
CN103827158B (zh) | (甲基)丙烯酰末端聚异丁烯类聚合物、其制造方法、及活性能量线固化性组合物 | |
JP3688897B2 (ja) | 接着性硬化性組成物 | |
TWI429704B (zh) | Hardened composition | |
JPS636003A (ja) | 硬化性組成物 | |
JPH06172631A (ja) | 硬化性組成物 | |
JPH04103606A (ja) | 反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物 | |
JPS6335671B2 (ja) | ||
JPS6031556A (ja) | 硬化性組成物 | |
CN107532061B (zh) | 压敏黏接剂 | |
JP4098890B2 (ja) | 重合体及び用途 | |
JP2013241578A (ja) | 硬化性組成物 | |
JP4426318B2 (ja) | 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体およびその製造方法 | |
JPH02214759A (ja) | 硬化性組成物 | |
JP4251058B2 (ja) | カチオン硬化性樹脂組成物 | |
JP4497095B2 (ja) | オキセタニル基を2個以上有するポリマーを含むカチオン硬化性樹脂組成物 | |
JP4116326B2 (ja) | 重合体組成物 | |
US20060111536A1 (en) | Organic polymer having epoxy-group-containing silicon group at end and process for producing the same | |
JP2016027088A (ja) | チクソトロピック性に優れた硬化性組成物 | |
JP6667124B2 (ja) | 貯蔵安定性に優れた硬化性組成物 | |
JP2012082261A (ja) | 光硬化性組成物およびその硬化物 | |
JP3457064B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JPH0434576B2 (ja) | ||
JPH0711222A (ja) | プライマー組成物 | |
JP2017218526A (ja) | 感圧接着剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20070710 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070803 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070809 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101215 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110204 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20110204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110317 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110407 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110506 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110602 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |