JPWO2005020450A1 - パケット通信端末装置および通信システム - Google Patents
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Abstract
パケット通信を行う通信端末の利用者に、パケット損失が生じた場合に利用者がより良好な通信環境下に移動する等の対策を採ることを可能とするパケット通信端末装置を開示する。この装置の表示画面119上には、受信電力およびバッテリ残量を示すマークM1およびM2の他に、パケット損失を示すマークM3が表示される。パケット損失の度合いに応じてM3が顔の表情を変化させることにより、利用者にパケット損失を通知する。すなわち、M3が笑顔の場合は、パケット損失が発生していない状態を示しており、M3が普通の顔をしている場合には、パケット損失が発生しているがパケットを補償することにより実用上ほとんど問題のない状態にあることを示しており、M3が泣き顔になっている場合は、パケット損失が発生しており、データの劣化が著しく発生している状態を示している。
Description
本発明は、移動体通信ネットワークや無線LANを介しパケット通信を行う携帯電話機、モバイルPC等のパケット通信端末装置および通信システムに関する。
近年、データ通信技術の発達により、パソコンを使用してオーディオ・ストリーミング(オーディオ・データのストリーミング再生等)を実施することが可能となってきている。近い将来には、携帯電話機、モバイルPC等の通信端末においても、オーディオ・ストリーミングを実施することが可能となるであろう。
しかし、データ通信において現在使用されている規則(プロトコル)では、通信環境の悪化によって生じるパケット損失(パケットロス)を完全になくすことは不可能である。ここで、パケット損失とは、受信側においてパケットデータが破損して受信され判別不能なデータとなっている場合や、パケット自体がネットワーク内において迷走して行方不明となっている場合等である。受信側でパケットを誤りなく受信できなかった場合にパケットデータの再送制御を行う通信システムもあるが、このシステムにおいても、再送を繰り返してもなお所定の時間内にパケットが受信側に到着しなかった場合には、このパケットデータが送信側において廃棄されるのが一般的である。
従って、パケット損失により通信端末の利用者が被る被害を最小限に抑える対策が必要となる。この対策として、従来のパケット通信端末装置は、受信したパケットデータを一時記憶しておき、パケット損失が発生した場合には、損失したパケットの前後のパケットからデータを補間し、パケットデータを再現することを行っている(例えば、特開2000−59391号公報(要約、第1図)参照)。
しかしながら、従来装置は、パケット損失が生じた場合には、通信端末の利用者の意思に関わらず自動的にパケットデータの補間を行ってしまう。また、その効果は、損失したパケット内に含まれていたデータを再現するものの、その再現度は完全なものではないため、必ずしも通信端末の利用者が満足する結果を得られることを保証するものではない。
しかし、データ通信において現在使用されている規則(プロトコル)では、通信環境の悪化によって生じるパケット損失(パケットロス)を完全になくすことは不可能である。ここで、パケット損失とは、受信側においてパケットデータが破損して受信され判別不能なデータとなっている場合や、パケット自体がネットワーク内において迷走して行方不明となっている場合等である。受信側でパケットを誤りなく受信できなかった場合にパケットデータの再送制御を行う通信システムもあるが、このシステムにおいても、再送を繰り返してもなお所定の時間内にパケットが受信側に到着しなかった場合には、このパケットデータが送信側において廃棄されるのが一般的である。
従って、パケット損失により通信端末の利用者が被る被害を最小限に抑える対策が必要となる。この対策として、従来のパケット通信端末装置は、受信したパケットデータを一時記憶しておき、パケット損失が発生した場合には、損失したパケットの前後のパケットからデータを補間し、パケットデータを再現することを行っている(例えば、特開2000−59391号公報(要約、第1図)参照)。
しかしながら、従来装置は、パケット損失が生じた場合には、通信端末の利用者の意思に関わらず自動的にパケットデータの補間を行ってしまう。また、その効果は、損失したパケット内に含まれていたデータを再現するものの、その再現度は完全なものではないため、必ずしも通信端末の利用者が満足する結果を得られることを保証するものではない。
本発明の目的は、パケット通信を行う通信端末の利用者に、パケット損失が生じた場合に利用者がより良好な通信環境下に移動する等の対策を採ることを可能とし、また、損失したパケットに対する対策(補償方法)を利用者の意思に基づいて決定することを可能とし、利用者にとって使い勝手のよいパケット通信端末装置等を提供することである。
この目的は、パケットデータを受信する受信手段と、受信されたパケットデータにパケット損失がある場合、当該事実を利用者に通知する通知手段と、を具備するパケット通信端末装置等により解決される。
この目的は、パケットデータを受信する受信手段と、受信されたパケットデータにパケット損失がある場合、当該事実を利用者に通知する通知手段と、を具備するパケット通信端末装置等により解決される。
図1は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図、
図2は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置のより具体的な構成を示す図、
図3は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置のバリエーションの構成を示すブロック図、
図4は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置のバリエーションの構成を示すブロック図、
図5は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置のバリエーションの構成を示すブロック図、
図6は、実施の形態1に係る信号受信部内部の主要な構成を示したブロック図、および
図7は、実施の形態2に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置のより具体的な構成を示す図、
図3は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置のバリエーションの構成を示すブロック図、
図4は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置のバリエーションの構成を示すブロック図、
図5は、実施の形態1に係るパケット通信端末装置のバリエーションの構成を示すブロック図、
図6は、実施の形態1に係る信号受信部内部の主要な構成を示したブロック図、および
図7は、実施の形態2に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。ここでは、パケットデータが音声データ(オーディオ信号を含む)である場合を例にとって説明する。
この通信システムは、パケット通信端末装置120、130、および通信網N1を有する。
パケット通信端末装置120の動作は、以下の通りである。
音声入力部101に入力されたアナログ音声信号は、ディジタル信号符号化部102でディジタル音声データに符号化変換される。そして、そのディジタル音声データは、符号化データ分割部103で一定時間t毎に分割され、パケット組立部104で順次音声パケットとして組立てられ、送信音声パケット番号sが付与された後に、信号送信部105から非同期ディジタル通信網である通信網N1上に高速で送信される。
パケット通信端末装置130の動作は、以下の通りである。
信号受信部106は、通信網N1上から送信される音声パケットを順次受信する。符号化データ抽出部107は、音声パケットが受信される度に、その音声パケットに付加されている送信音声パケット番号sに基づき、音声データ値を抽出する。符号化データ組立部108は、符号化データ抽出部107で抽出された音声データ値を、既に一時記憶されている他の音声データ値と共にFIFO的に一時記憶する。
一方、信号受信状態監視部109は、以上のパケットデータの受信処理に並行して、通信網N1上から送信された音声パケットの受信状態を所定時間毎にその所定時間内に受信された音声パケット数として常時監視する。そして、監視結果をディジタル音声データ対策部110および表示部113に信号S1を介し通知する。
ディジタル音声データ対策部110は、信号受信状態監視部109から通知されるパケット受信状態の監視結果において、受信音声パケット数が所定の閾値に達していないことが判明し、かつ受信した音声パケットのパケット番号の順番から欠落している番号が発見され、特定の音声パケットが損失していることが判明した場合には、この特定の損失パケットに対し補償処理を施す。具体的には、ディジタル音声データ対策部110は、その損失パケット内に含まれていた音声データ値を無音の音声で置換したり、あるいは符号化データ組立部108に既に一時記憶されている損失パケットの前後のパケットから損失した音声データ値を補間処理し、損失したデータを再現する。そして、再現されたデータは、時間的な連続性を維持するべく、符号化データ組立部108に一時記憶され出力された損失パケット前後の音声データ値の間に挿入され、ディジタル音声データ復号化部111に順次周期的に出力される。
ディジタル音声データ復号化部111は、補償後のデータを復号し、音声出力部112に出力する。音声出力部112は、この復号後の音声データを再生出力する。
表示部113は、信号受信状態監視部109から通知されたパケット受信状態の監視結果に基づいて、パケット損失の発生を示すメッセージ、記号、マーク、もしくは画像をリアルタイムに表示画面上に表示し、パケット通信端末装置130の利用者にパケット損失が生じたことを迅速に視覚を通じて知らしめる。パケット損失の発生を示すメッセージ、記号、もしくは画像は、表示部113に予め設定されているものである。
図2は、パケット通信端末装置130のより具体的な構成を示す図である。ここでは、パケット通信端末装置130が携帯電話機である場合、および表示部113が記号を用いてパケット損失に関する情報を表示する場合を例にとって示している。
この図において、表示部113が制御する表示画面119上には、受信信号の強度(受信電力)を示すマークM1、バッテリ残量を示すマークM2の他に、パケット損失を示すマークM3が表示されている。
ここでは、パケット損失の度合い(例えば、パケット損失率)に応じてマークM3が顔の表情を変化させることにより、利用者にパケット損失の有無だけでなく、より詳細なパケット損失に関する情報を通知する例を示している。すなわち、マークM3が笑顔の場合は、パケット損失が発生していない状態を示しており、マークM3が普通の顔(すました顔)をしている場合には、パケット損失が発生しているがパケットを補償することにより実用上ほとんど問題のない状態にあることを示しており、また図2のように、マークM3が泣き顔になっている場合は、パケット損失が発生しており、データの劣化が著しく発生している状態を示している。
このように、利用者が既に見慣れているマーク(上記の例では、マークM1、M2)と同様のマークを用いてパケット損失情報を通知することにより、利用者に抵抗感無くわかりやすいユーザインタフェースを与えている。また、複数のバリエーションを有するマークを使い分けてパケット損失の度合いを表示することにより、老若男女を問わず利用者に直感的にわかりやすいユーザインタフェースを与えている。
また、パケット通信端末装置がパケットデータを受信する際にパケット損失が発生する通信環境下にあることを認識するためには、上記のように、パケット通信端末装置が実際にパケットデータを受信することが必要である。よって、このパケット通信端末装置が属する通信システムでは、このパケット通信端末装置に対し、実データであるパケットデータを送信するに先立ち、パケット損失の有無を判断するためのテスト用のパケットデータ(ダミーパケット)を送信する。このテスト用のパケットデータは課金の対象としない。このテスト用のパケットデータを受信したパケット通信端末装置は、このパケットの受信結果によってパケット損失を判断し、利用者に通知する。よって、利用者は、テスト用のパケットデータを事前に受信することによって、現在の通信環境がパケット損失のおそれがある環境なのか否かを事前に認識することができる。
次いで、携帯電話機等のパケット通信端末装置が、パケット損失の事実を利用者に通知することの意義について説明する。
最近急速に普及しているIP(Internet Protocol)電話においては、インターネットを介したパケット通信が前提となっている。また、移動体無線通信システムに関する規格団体の一つである3GPP(3rd Generation Partnership Project)が定めた規格では、下り回線で高速大容量の通信を行うため、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と呼ばれるパケット通信方式が提唱されている。よって、今後はパケット通信が通信技術の骨格をなすものと考えられる。
ところが、従来の通信端末装置には、自機の置かれている通信環境の状態を示す指標として、受信電力の状態を示す機能はあっても、パケット通信におけるパケット損失情報、具体的には、パケット損失の有無並びにパケット損失の度合いを表示する機能はついていなかった。これらのパケット損失情報は、利用者が利用するサービスのサービス品質に、受信電力よりもより直接的に対応している指標であり、たとえ受信電力が強かったとしても、必ずしもパケット損失が発生していないという保証はなく、通信端末装置の利用者にとっては、受信電力情報に加え、サービス品質により近い指標であるパケット損失情報も確認したいという欲求が今後顕著になるものと考えられる。
例えば、音楽の音質にこだわる利用者がインターネット上の特定のサイトから音楽データをダウンロードしたり、ストリーミングによってリアルタイムに音楽を受聴する場合を考えると、この利用者にとっては、通信の途中においてデータが損失し、音質が劣化することには我慢がならないであろう。また、例えば、データのダウンロードやストリーミングによる音楽の受聴に多大な課金が課せられている場合にも、通信の途中においてデータが損失するおそれがあるのなら、利用者はダウンロードやストリーミングを延期することを検討するかもしれない。
よって、本発明のように、利用者にパケット損失情報をリアルタイムに与えることにより、この利用者は、より通信環境の良い場所に移動したり、または他の時間帯を選んで通信をしたりということが可能となる。すなわち、本発明は、通信環境を判断する際の指標として、受信電力以外の、しかも受信電力よりも利用者が受けるサービス品質を示すのにより対応した新たな指標を利用者に提供するものである。
このように、本実施の形態によれば、パケット損失情報を利用者にとって認識容易な方法によってリアルタイムに通知するので、利用者はより良好な通信環境下に移動する等の対策を講じることができ、パケット通信端末装置の使い勝手を向上させることができる。
なお、以上の説明において、本実施の形態に係る通信システムは、実データの送信に先立ってテスト用のダミーパケットを送信することとしたが、これを送信せず、実データの受信においてパケット損失を判断するようにしても良い。かかる場合、利用者は、一旦ストリーミングデータ等の受信を開始することとなるが、受信途中においてパケット損失を通信端末から通知され、この時点でストリーミングデータ等の受信を継続するか否か判断することとなる。
また、以上の説明において、パケット損失が発生したことを表示画面というユーザインタフェース上に表示することにより、利用者に視覚を通じてこの事実を通知する場合を例にとって説明したが、通知方法には以下に示すようなバリエーションがある。
図3は、ユーザインタフェースとして表示画面の代わりに着信ランプを使用して視覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。このパケット通信端末装置は、図1に示したパケット通信端末装置と同様の基本的構成を有しているが、着信ランプ115が設置されている点が異なっている。
着信ランプ115は、信号受信部106においてパケットデータが受信された場合、このパケットデータの着信を信号S2を介し通知される。このとき、着信ランプ115は、所定周期でランプを点滅させることによりパケットデータの着信を利用者に通知するのが通常の機能である。本実施の形態では、着信ランプ115はさらに、信号受信状態監視部109においてパケット損失が検出された場合、この事実を信号S1を介し通知される。このとき、着信ランプ115は、ランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期よりも早くすることにより、パケット損失の事実を利用者に通知する。
このように、パケット損失の事実を着信ランプが点滅して通知することにより、利用者は比較的低度の注意力によりこのシグナルを認識することができる。また、パケット損失通知時のランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期と変えることにより、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。さらに、パケット損失通知時のランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期よりも早くすることにより、利用者はこのシグナルが警告の意味合いが強いものであることを直感的に理解することができる。
また、着信ランプ115が、特定の色(例えば、黄色、青色、無色等)で発光することによりパケットデータの着信を利用者に通知する機能を有する場合には、着信ランプ115にさらに別の色(例えば、警告色として赤色)で発光する機能を持たせ、この色で発光することにより、パケット損失の事実を利用者に通知しても良い。これにより、利用者は比較的低度の注意力によりパケット損失の事実を認識することができ、また、別々の色で発光することにより、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。
また、着信ランプ115が、着信メロディーが奏でられるのに合わせてランプを点滅させる機能を有する場合には、着信ランプ115を着信メロディーと関係なしにランダムに点滅させることにより、パケット損失の事実を利用者に通知しても良い。これにより、利用者は比較的低度の注意力によりパケット損失の事実を認識することができ、また、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。
図4は、ユーザインタフェースとしてスピーカを使用して聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。また、図5は、イヤホンを使用して聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。これらのパケット通信端末装置は、図1に示したパケット通信端末装置と同様の基本的構成を有しているが、音声出力部116、スピーカ117、およびイヤホン118が設置されている点が異なっている。
音声出力部116は、信号S1を介しパケット損失の事実を通知され、この事実をスピーカ117(図4)またはイヤホン118(図5)から、予め定められた音(音声メッセージ、信号音、音楽信号等)を出力することにより、聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する。
これにより、利用者は特に注意することなく、パケット損失の事実を容易に知ることができる。
なお、パケット損失の事実をパケット通信端末装置が有するバイブレータ機能により触覚を通じて利用者に通知するようにしても良い(図示せず)。
また、上記の説明において、利用者が受けるサービスが、音楽受聴等の特定の一つのサービスである場合を例にとって説明したが、同時に異なる複数のサービスを利用者が受けるような場合にも本願は適用できる。例えば、インターネット上で情報を検索するサービスと、ストリーミングによる音楽受聴のサービスとを同時に受ける等の場合にも、以下に示すように、本願は適用できる。
図6は、パケット通信端末装置130内の信号受信部106内部の主要な構成を示したブロック図である。
この図において、パケットデータ受信部131は、通信網N1を経由して送信側からのパケット単位のデータ(パケットデータ)を受信し、復調等の所定の受信処理を施す。
対象パケットデータ抽出部132は、パケットデータ受信部131から出力されたパケットデータのヘッダ部の情報を参照し、このパケットが複数サービスのうちのいずれのサービスに属するパケットかを判断し、さらに、そのサービスがパケット損失情報の表示対象のサービスであるか否かを判定する。そして、対象パケットデータ抽出部132は、音声サービスと判断され、かつ、パケット損失情報の表示対象のサービスと判定されたパケットのみを、符号化データ抽出部107および信号受信状態監視部109に出力し、上記の条件に該当しないパケットを後続のこれらのパケットに対応した復号部(図示せず)に出力する。
この構成を採ることにより、例えば、インターネット上の情報検索とストリーミング再生との2つのサービスの同時利用時に、パケット損失情報の表示対象がストリーミングサービスと設定されていれば、対象パケットデータ抽出部132は、受信パケットからストリーミングサービスのパケットのみを抽出し、信号受信状態監視部109は、ストリーミングサービスのパケットのみの損失を監視し、パケット損失情報を表示部113等に出力する。よって、利用者は、インターネット上の情報検索等のバケット損失があまり気にならないサービスについてではなく、音質等の問題でパケット損失が気になるストリーミングサービスについてのパケット損失情報を得ることができる。
また、上記の例では、パケット損失情報の表示対象のサービスが1つである場合を例にとって説明したが、本願は、複数のサービスそれぞれについて、個々にパケット損失を監視し、それぞれ別の記号等を用いることにより、パケット損失情報をサービスごとに表示等するようにしても良い。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。ここでも、パケットデータが音声データである場合を例にとって説明する。なお、この通信システムは、図1に示した通信システムと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の特徴は、パケット通信端末装置230が、選択肢入力部201を有することである。以下、パケット通信端末装置230の実施の形態1と異なる特徴的な動作について説明する。
表示部113にパケット損失情報が表示された場合、パケット通信端末装置230の利用者は、パケットロスに対処する方法(損失パケットの補償方法)を予め設定されている選択肢の中から1つ指定し、選択肢入力部201を用いてこれを入力する。選択肢入力部201は、指定された補償方法を、信号S3、信号受信状態監視部109、および信号S4を介し、ディジタル音声データ対策部110aに送信する。ディジタル音声データ対策部110aは、指定された補償方法を用いて損失パケットの補償を行う。
ディジタル音声データ対策部110aに予め設定されている補償方法は、以下のものである。ここでは、2つの方法が設定されている場合を例にとって説明する。
一つ目の方法は、ディジタル音声データ対策部110aは、ストリーミング再生中のオーディオ信号をミュートする。すなわち、ディジタル音声データ対策部110aは、損失パケット内に含まれていた音声データ値を無音の音声で置換し、出力する。
二つ目の方法は、ディジタル音声データ対策部110aは、ストリーミング再生中のオーディオ信号を前後のパケットに基づいて補間する。すなわち、ディジタル音声データ対策部110aは、損失パケット内に含まれていた音声データ値を、符号化データ組立部108に既に一時記憶されている、損失パケットの前後の音声データ値を用いて補間し、出力する。
このように、本実施の形態によれば、利用者が自分で損失パケットの補償方法を選択できるので、パケット通信端末装置の使い勝手を向上させることができる。
以上、本発明の各実施の形態について詳細に説明した。
なお、上記各実施の形態において、送信側が、パケット通信端末装置120に示されるように、入力される信号をリアルタイムに符号化し、パケットデータとして、通信網N1を介して、受信側のパケット通信端末装置130に送信されるような構成で説明したが、送信側のパケット通信端末装置120では、予め符号化を行いパケットデータとしてメモリやメディア等に蓄積しておき、受信側のパケット通信端末装置130からの要求が発生した際に、蓄積されたパケットデータを送信するような構成でも良い。
また、上記各実施の形態において、通信されるパケットデータが音声データである場合を例にとって説明したが、電子メール等の文字データもしくは映像等の動画像データのような他のデータであっても良い。
また、上記各実施の形態において、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、ソフトウェアで実現することも可能である。
以上説明したように、本発明によれば、パケット通信端末の利用者に、パケット損失が生じた場合にはこの事実を容易な方法によって知らしめ、利用者がより良好な通信環境下に移動する等の対策を採ることを可能とし、また、損失したパケットに対する対策(補償方法)を利用者の意思に基づいて決定することを可能とし、利用者の使い勝手を向上させることができる。
本明細書は、2003年8月20日出願の特願2003−295963に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。ここでは、パケットデータが音声データ(オーディオ信号を含む)である場合を例にとって説明する。
この通信システムは、パケット通信端末装置120、130、および通信網N1を有する。
パケット通信端末装置120の動作は、以下の通りである。
音声入力部101に入力されたアナログ音声信号は、ディジタル信号符号化部102でディジタル音声データに符号化変換される。そして、そのディジタル音声データは、符号化データ分割部103で一定時間t毎に分割され、パケット組立部104で順次音声パケットとして組立てられ、送信音声パケット番号sが付与された後に、信号送信部105から非同期ディジタル通信網である通信網N1上に高速で送信される。
パケット通信端末装置130の動作は、以下の通りである。
信号受信部106は、通信網N1上から送信される音声パケットを順次受信する。符号化データ抽出部107は、音声パケットが受信される度に、その音声パケットに付加されている送信音声パケット番号sに基づき、音声データ値を抽出する。符号化データ組立部108は、符号化データ抽出部107で抽出された音声データ値を、既に一時記憶されている他の音声データ値と共にFIFO的に一時記憶する。
一方、信号受信状態監視部109は、以上のパケットデータの受信処理に並行して、通信網N1上から送信された音声パケットの受信状態を所定時間毎にその所定時間内に受信された音声パケット数として常時監視する。そして、監視結果をディジタル音声データ対策部110および表示部113に信号S1を介し通知する。
ディジタル音声データ対策部110は、信号受信状態監視部109から通知されるパケット受信状態の監視結果において、受信音声パケット数が所定の閾値に達していないことが判明し、かつ受信した音声パケットのパケット番号の順番から欠落している番号が発見され、特定の音声パケットが損失していることが判明した場合には、この特定の損失パケットに対し補償処理を施す。具体的には、ディジタル音声データ対策部110は、その損失パケット内に含まれていた音声データ値を無音の音声で置換したり、あるいは符号化データ組立部108に既に一時記憶されている損失パケットの前後のパケットから損失した音声データ値を補間処理し、損失したデータを再現する。そして、再現されたデータは、時間的な連続性を維持するべく、符号化データ組立部108に一時記憶され出力された損失パケット前後の音声データ値の間に挿入され、ディジタル音声データ復号化部111に順次周期的に出力される。
ディジタル音声データ復号化部111は、補償後のデータを復号し、音声出力部112に出力する。音声出力部112は、この復号後の音声データを再生出力する。
表示部113は、信号受信状態監視部109から通知されたパケット受信状態の監視結果に基づいて、パケット損失の発生を示すメッセージ、記号、マーク、もしくは画像をリアルタイムに表示画面上に表示し、パケット通信端末装置130の利用者にパケット損失が生じたことを迅速に視覚を通じて知らしめる。パケット損失の発生を示すメッセージ、記号、もしくは画像は、表示部113に予め設定されているものである。
図2は、パケット通信端末装置130のより具体的な構成を示す図である。ここでは、パケット通信端末装置130が携帯電話機である場合、および表示部113が記号を用いてパケット損失に関する情報を表示する場合を例にとって示している。
この図において、表示部113が制御する表示画面119上には、受信信号の強度(受信電力)を示すマークM1、バッテリ残量を示すマークM2の他に、パケット損失を示すマークM3が表示されている。
ここでは、パケット損失の度合い(例えば、パケット損失率)に応じてマークM3が顔の表情を変化させることにより、利用者にパケット損失の有無だけでなく、より詳細なパケット損失に関する情報を通知する例を示している。すなわち、マークM3が笑顔の場合は、パケット損失が発生していない状態を示しており、マークM3が普通の顔(すました顔)をしている場合には、パケット損失が発生しているがパケットを補償することにより実用上ほとんど問題のない状態にあることを示しており、また図2のように、マークM3が泣き顔になっている場合は、パケット損失が発生しており、データの劣化が著しく発生している状態を示している。
このように、利用者が既に見慣れているマーク(上記の例では、マークM1、M2)と同様のマークを用いてパケット損失情報を通知することにより、利用者に抵抗感無くわかりやすいユーザインタフェースを与えている。また、複数のバリエーションを有するマークを使い分けてパケット損失の度合いを表示することにより、老若男女を問わず利用者に直感的にわかりやすいユーザインタフェースを与えている。
また、パケット通信端末装置がパケットデータを受信する際にパケット損失が発生する通信環境下にあることを認識するためには、上記のように、パケット通信端末装置が実際にパケットデータを受信することが必要である。よって、このパケット通信端末装置が属する通信システムでは、このパケット通信端末装置に対し、実データであるパケットデータを送信するに先立ち、パケット損失の有無を判断するためのテスト用のパケットデータ(ダミーパケット)を送信する。このテスト用のパケットデータは課金の対象としない。このテスト用のパケットデータを受信したパケット通信端末装置は、このパケットの受信結果によってパケット損失を判断し、利用者に通知する。よって、利用者は、テスト用のパケットデータを事前に受信することによって、現在の通信環境がパケット損失のおそれがある環境なのか否かを事前に認識することができる。
次いで、携帯電話機等のパケット通信端末装置が、パケット損失の事実を利用者に通知することの意義について説明する。
最近急速に普及しているIP(Internet Protocol)電話においては、インターネットを介したパケット通信が前提となっている。また、移動体無線通信システムに関する規格団体の一つである3GPP(3rd Generation Partnership Project)が定めた規格では、下り回線で高速大容量の通信を行うため、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と呼ばれるパケット通信方式が提唱されている。よって、今後はパケット通信が通信技術の骨格をなすものと考えられる。
ところが、従来の通信端末装置には、自機の置かれている通信環境の状態を示す指標として、受信電力の状態を示す機能はあっても、パケット通信におけるパケット損失情報、具体的には、パケット損失の有無並びにパケット損失の度合いを表示する機能はついていなかった。これらのパケット損失情報は、利用者が利用するサービスのサービス品質に、受信電力よりもより直接的に対応している指標であり、たとえ受信電力が強かったとしても、必ずしもパケット損失が発生していないという保証はなく、通信端末装置の利用者にとっては、受信電力情報に加え、サービス品質により近い指標であるパケット損失情報も確認したいという欲求が今後顕著になるものと考えられる。
例えば、音楽の音質にこだわる利用者がインターネット上の特定のサイトから音楽データをダウンロードしたり、ストリーミングによってリアルタイムに音楽を受聴する場合を考えると、この利用者にとっては、通信の途中においてデータが損失し、音質が劣化することには我慢がならないであろう。また、例えば、データのダウンロードやストリーミングによる音楽の受聴に多大な課金が課せられている場合にも、通信の途中においてデータが損失するおそれがあるのなら、利用者はダウンロードやストリーミングを延期することを検討するかもしれない。
よって、本発明のように、利用者にパケット損失情報をリアルタイムに与えることにより、この利用者は、より通信環境の良い場所に移動したり、または他の時間帯を選んで通信をしたりということが可能となる。すなわち、本発明は、通信環境を判断する際の指標として、受信電力以外の、しかも受信電力よりも利用者が受けるサービス品質を示すのにより対応した新たな指標を利用者に提供するものである。
このように、本実施の形態によれば、パケット損失情報を利用者にとって認識容易な方法によってリアルタイムに通知するので、利用者はより良好な通信環境下に移動する等の対策を講じることができ、パケット通信端末装置の使い勝手を向上させることができる。
なお、以上の説明において、本実施の形態に係る通信システムは、実データの送信に先立ってテスト用のダミーパケットを送信することとしたが、これを送信せず、実データの受信においてパケット損失を判断するようにしても良い。かかる場合、利用者は、一旦ストリーミングデータ等の受信を開始することとなるが、受信途中においてパケット損失を通信端末から通知され、この時点でストリーミングデータ等の受信を継続するか否か判断することとなる。
また、以上の説明において、パケット損失が発生したことを表示画面というユーザインタフェース上に表示することにより、利用者に視覚を通じてこの事実を通知する場合を例にとって説明したが、通知方法には以下に示すようなバリエーションがある。
図3は、ユーザインタフェースとして表示画面の代わりに着信ランプを使用して視覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。このパケット通信端末装置は、図1に示したパケット通信端末装置と同様の基本的構成を有しているが、着信ランプ115が設置されている点が異なっている。
着信ランプ115は、信号受信部106においてパケットデータが受信された場合、このパケットデータの着信を信号S2を介し通知される。このとき、着信ランプ115は、所定周期でランプを点滅させることによりパケットデータの着信を利用者に通知するのが通常の機能である。本実施の形態では、着信ランプ115はさらに、信号受信状態監視部109においてパケット損失が検出された場合、この事実を信号S1を介し通知される。このとき、着信ランプ115は、ランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期よりも早くすることにより、パケット損失の事実を利用者に通知する。
このように、パケット損失の事実を着信ランプが点滅して通知することにより、利用者は比較的低度の注意力によりこのシグナルを認識することができる。また、パケット損失通知時のランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期と変えることにより、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。さらに、パケット損失通知時のランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期よりも早くすることにより、利用者はこのシグナルが警告の意味合いが強いものであることを直感的に理解することができる。
また、着信ランプ115が、特定の色(例えば、黄色、青色、無色等)で発光することによりパケットデータの着信を利用者に通知する機能を有する場合には、着信ランプ115にさらに別の色(例えば、警告色として赤色)で発光する機能を持たせ、この色で発光することにより、パケット損失の事実を利用者に通知しても良い。これにより、利用者は比較的低度の注意力によりパケット損失の事実を認識することができ、また、別々の色で発光することにより、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。
また、着信ランプ115が、着信メロディーが奏でられるのに合わせてランプを点滅させる機能を有する場合には、着信ランプ115を着信メロディーと関係なしにランダムに点滅させることにより、パケット損失の事実を利用者に通知しても良い。これにより、利用者は比較的低度の注意力によりパケット損失の事実を認識することができ、また、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。
図4は、ユーザインタフェースとしてスピーカを使用して聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。また、図5は、イヤホンを使用して聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。これらのパケット通信端末装置は、図1に示したパケット通信端末装置と同様の基本的構成を有しているが、音声出力部116、スピーカ117、およびイヤホン118が設置されている点が異なっている。
音声出力部116は、信号S1を介しパケット損失の事実を通知され、この事実をスピーカ117(図4)またはイヤホン118(図5)から、予め定められた音(音声メッセージ、信号音、音楽信号等)を出力することにより、聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する。
これにより、利用者は特に注意することなく、パケット損失の事実を容易に知ることができる。
なお、パケット損失の事実をパケット通信端末装置が有するバイブレータ機能により触覚を通じて利用者に通知するようにしても良い(図示せず)。
また、上記の説明において、利用者が受けるサービスが、音楽受聴等の特定の一つのサービスである場合を例にとって説明したが、同時に異なる複数のサービスを利用者が受けるような場合にも本願は適用できる。例えば、インターネット上で情報を検索するサービスと、ストリーミングによる音楽受聴のサービスとを同時に受ける等の場合にも、以下に示すように、本願は適用できる。
図6は、パケット通信端末装置130内の信号受信部106内部の主要な構成を示したブロック図である。
この図において、パケットデータ受信部131は、通信網N1を経由して送信側からのパケット単位のデータ(パケットデータ)を受信し、復調等の所定の受信処理を施す。
対象パケットデータ抽出部132は、パケットデータ受信部131から出力されたパケットデータのヘッダ部の情報を参照し、このパケットが複数サービスのうちのいずれのサービスに属するパケットかを判断し、さらに、そのサービスがパケット損失情報の表示対象のサービスであるか否かを判定する。そして、対象パケットデータ抽出部132は、音声サービスと判断され、かつ、パケット損失情報の表示対象のサービスと判定されたパケットのみを、符号化データ抽出部107および信号受信状態監視部109に出力し、上記の条件に該当しないパケットを後続のこれらのパケットに対応した復号部(図示せず)に出力する。
この構成を採ることにより、例えば、インターネット上の情報検索とストリーミング再生との2つのサービスの同時利用時に、パケット損失情報の表示対象がストリーミングサービスと設定されていれば、対象パケットデータ抽出部132は、受信パケットからストリーミングサービスのパケットのみを抽出し、信号受信状態監視部109は、ストリーミングサービスのパケットのみの損失を監視し、パケット損失情報を表示部113等に出力する。よって、利用者は、インターネット上の情報検索等のバケット損失があまり気にならないサービスについてではなく、音質等の問題でパケット損失が気になるストリーミングサービスについてのパケット損失情報を得ることができる。
また、上記の例では、パケット損失情報の表示対象のサービスが1つである場合を例にとって説明したが、本願は、複数のサービスそれぞれについて、個々にパケット損失を監視し、それぞれ別の記号等を用いることにより、パケット損失情報をサービスごとに表示等するようにしても良い。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。ここでも、パケットデータが音声データである場合を例にとって説明する。なお、この通信システムは、図1に示した通信システムと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の特徴は、パケット通信端末装置230が、選択肢入力部201を有することである。以下、パケット通信端末装置230の実施の形態1と異なる特徴的な動作について説明する。
表示部113にパケット損失情報が表示された場合、パケット通信端末装置230の利用者は、パケットロスに対処する方法(損失パケットの補償方法)を予め設定されている選択肢の中から1つ指定し、選択肢入力部201を用いてこれを入力する。選択肢入力部201は、指定された補償方法を、信号S3、信号受信状態監視部109、および信号S4を介し、ディジタル音声データ対策部110aに送信する。ディジタル音声データ対策部110aは、指定された補償方法を用いて損失パケットの補償を行う。
ディジタル音声データ対策部110aに予め設定されている補償方法は、以下のものである。ここでは、2つの方法が設定されている場合を例にとって説明する。
一つ目の方法は、ディジタル音声データ対策部110aは、ストリーミング再生中のオーディオ信号をミュートする。すなわち、ディジタル音声データ対策部110aは、損失パケット内に含まれていた音声データ値を無音の音声で置換し、出力する。
二つ目の方法は、ディジタル音声データ対策部110aは、ストリーミング再生中のオーディオ信号を前後のパケットに基づいて補間する。すなわち、ディジタル音声データ対策部110aは、損失パケット内に含まれていた音声データ値を、符号化データ組立部108に既に一時記憶されている、損失パケットの前後の音声データ値を用いて補間し、出力する。
このように、本実施の形態によれば、利用者が自分で損失パケットの補償方法を選択できるので、パケット通信端末装置の使い勝手を向上させることができる。
以上、本発明の各実施の形態について詳細に説明した。
なお、上記各実施の形態において、送信側が、パケット通信端末装置120に示されるように、入力される信号をリアルタイムに符号化し、パケットデータとして、通信網N1を介して、受信側のパケット通信端末装置130に送信されるような構成で説明したが、送信側のパケット通信端末装置120では、予め符号化を行いパケットデータとしてメモリやメディア等に蓄積しておき、受信側のパケット通信端末装置130からの要求が発生した際に、蓄積されたパケットデータを送信するような構成でも良い。
また、上記各実施の形態において、通信されるパケットデータが音声データである場合を例にとって説明したが、電子メール等の文字データもしくは映像等の動画像データのような他のデータであっても良い。
また、上記各実施の形態において、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、ソフトウェアで実現することも可能である。
以上説明したように、本発明によれば、パケット通信端末の利用者に、パケット損失が生じた場合にはこの事実を容易な方法によって知らしめ、利用者がより良好な通信環境下に移動する等の対策を採ることを可能とし、また、損失したパケットに対する対策(補償方法)を利用者の意思に基づいて決定することを可能とし、利用者の使い勝手を向上させることができる。
本明細書は、2003年8月20日出願の特願2003−295963に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明に係るパケット通信端末装置は、通信環境に関する新たな指標を利用者に提供する効果を有し、移動体通信ネットワークや無線LANを介しパケット通信を行う携帯電話機、モバイルPC等に適用できる。
本発明は、移動体通信ネットワークや無線LANを介しパケット通信を行う携帯電話機、モバイルPC等のパケット通信端末装置および通信システムに関する。
近年、データ通信技術の発達により、パソコンを使用してオーディオ・ストリーミング(オーディオ・データのストリーミング再生等)を実施することが可能となってきている。近い将来には、携帯電話機、モバイルPC等の通信端末においても、オーディオ・ストリーミングを実施することが可能となるであろう。
しかし、データ通信において現在使用されている規則(プロトコル)では、通信環境の悪化によって生じるパケット損失(パケットロス)を完全になくすことは不可能である。ここで、パケット損失とは、受信側においてパケットデータが破損して受信され判別不能なデータとなっている場合や、パケット自体がネットワーク内において迷走して行方不明となっている場合等である。受信側でパケットを誤りなく受信できなかった場合にパケットデータの再送制御を行う通信システムもあるが、このシステムにおいても、再送を繰り返してもなお所定の時間内にパケットが受信側に到着しなかった場合には、このパケットデータが送信側において廃棄されるのが一般的である。
従って、パケット損失により通信端末の利用者が被る被害を最小限に抑える対策が必要となる。この対策として、従来のパケット通信端末装置は、受信したパケットデータを一時記憶しておき、パケット損失が発生した場合には、損失したパケットの前後のパケットからデータを補間し、パケットデータを再現することを行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−59391号公報(要約、第1図)
しかしながら、従来装置は、パケット損失が生じた場合には、通信端末の利用者の意思に関わらず自動的にパケットデータの補間を行ってしまう。また、その効果は、損失したパケット内に含まれていたデータを再現するものの、その再現度は完全なものではないため、必ずしも通信端末の利用者が満足する結果を得られることを保証するものではない。
よって、本発明の目的は、パケット通信を行う通信端末の利用者に、パケット損失が生じた場合に利用者がより良好な通信環境下に移動する等の対策を採ることを可能とし、また、損失したパケットに対する対策(補償方法)を利用者の意思に基づいて決定することを可能とし、利用者にとって使い勝手のよいパケット通信端末装置等を提供することである。
本発明のパケット通信端末装置は、パケットデータを受信する受信手段と、受信されたパケットデータにパケット損失がある場合、当該事実を利用者に通知する通知手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、パケット通信端末の利用者に、パケット損失が生じた場合にはこの事実を容易な方法によって知らしめ、利用者がより良好な通信環境下に移動する等の対策を採ることを可能とし、また、損失したパケットに対する対策(補償方法)を利用者の意思に基づいて決定することを可能とし、利用者の使い勝手を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。ここでは、パケットデータが音声データ(オーディオ信号を含む)である場合を例にとって説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。ここでは、パケットデータが音声データ(オーディオ信号を含む)である場合を例にとって説明する。
この通信システムは、パケット通信端末装置120、130、および通信網N1を有する。
パケット通信端末装置120の動作は、以下の通りである。
音声入力部101に入力されたアナログ音声信号は、ディジタル信号符号化部102でディジタル音声データに符号化変換される。そして、そのディジタル音声データは、符号化データ分割部103で一定時間t毎に分割され、パケット組立部104で順次音声パケットとして組立てられ、送信音声パケット番号sが付与された後に、信号送信部105から非同期ディジタル通信網である通信網N1上に高速で送信される。
パケット通信端末装置130の動作は、以下の通りである。
信号受信部106は、通信網N1上から送信される音声パケットを順次受信する。符号化データ抽出部107は、音声パケットが受信される度に、その音声パケットに付加されている送信音声パケット番号sに基づき、音声データ値を抽出する。符号化データ組立部108は、符号化データ抽出部107で抽出された音声データ値を、既に一時記憶されている他の音声データ値と共にFIFO的に一時記憶する。
一方、信号受信状態監視部109は、以上のパケットデータの受信処理に並行して、通信網N1上から送信された音声パケットの受信状態を所定時間毎にその所定時間内に受信された音声パケット数として常時監視する。そして、監視結果をディジタル音声データ対策部110および表示部113に信号S1を介し通知する。
ディジタル音声データ対策部110は、信号受信状態監視部109から通知されるパケット受信状態の監視結果において、受信音声パケット数が所定の閾値に達していないことが判明し、かつ受信した音声パケットのパケット番号の順番から欠落している番号が発見され、特定の音声パケットが損失していることが判明した場合には、この特定の損失パケットに対し補償処理を施す。具体的には、ディジタル音声データ対策部110は、その損失パケット内に含まれていた音声データ値を無音の音声で置換したり、あるいは符号化データ組立部108に既に一時記憶されている損失パケットの前後のパケットから損失した音声データ値を補間処理し、損失したデータを再現する。そして、再現されたデータは、時間的な連続性を維持するべく、符号化データ組立部108に一時記憶され出力された損失パケット前後の音声データ値の間に挿入され、ディジタル音声データ復号化部111に順次周期的に出力される。
ディジタル音声データ復号化部111は、補償後のデータを復号し、音声出力部112に出力する。音声出力部112は、この復号後の音声データを再生出力する。
表示部113は、信号受信状態監視部109から通知されたパケット受信状態の監視結果に基づいて、パケット損失の発生を示すメッセージ、記号、マーク、もしくは画像をリアルタイムに表示画面上に表示し、パケット通信端末装置130の利用者にパケット損失が生じたことを迅速に視覚を通じて知らしめる。パケット損失の発生を示すメッセージ、記号、もしくは画像は、表示部113に予め設定されているものである。
図2は、パケット通信端末装置130のより具体的な構成を示す図である。ここでは、パケット通信端末装置130が携帯電話機である場合、および表示部113が記号を用いてパケット損失に関する情報を表示する場合を例にとって示している。
この図において、表示部113が制御する表示画面119上には、受信信号の強度(受信電力)を示すマークM1、バッテリ残量を示すマークM2の他に、パケット損失を示すマークM3が表示されている。
ここでは、パケット損失の度合い(例えば、パケット損失率)に応じてマークM3が顔の表情を変化させることにより、利用者にパケット損失の有無だけでなく、より詳細なパケット損失に関する情報を通知する例を示している。すなわち、マークM3が笑顔の場合は、パケット損失が発生していない状態を示しており、マークM3が普通の顔(すました顔)をしている場合には、パケット損失が発生しているがパケットを補償することにより実用上ほとんど問題のない状態にあることを示しており、また図2のように、マークM3が泣き顔になっている場合は、パケット損失が発生しており、データの劣化が著しく発生している状態を示している。
このように、利用者が既に見慣れているマーク(上記の例では、マークM1、M2)と同様のマークを用いてパケット損失情報を通知することにより、利用者に抵抗感無くわかりやすいユーザインタフェースを与えている。また、複数のバリエーションを有するマークを使い分けてパケット損失の度合いを表示することにより、老若男女を問わず利用者に直感的にわかりやすいユーザインタフェースを与えている。
また、パケット通信端末装置がパケットデータを受信する際にパケット損失が発生する通信環境下にあることを認識するためには、上記のように、パケット通信端末装置が実際にパケットデータを受信することが必要である。よって、このパケット通信端末装置が属する通信システムでは、このパケット通信端末装置に対し、実データであるパケットデータを送信するに先立ち、パケット損失の有無を判断するためのテスト用のパケットデータ(ダミーパケット)を送信する。このテスト用のパケットデータは課金の対象としない。このテスト用のパケットデータを受信したパケット通信端末装置は、このパケットの受信結果によってパケット損失を判断し、利用者に通知する。よって、利用者は、テスト用のパケットデータを事前に受信することによって、現在の通信環境がパケット損失のおそれがある環境なのか否かを事前に認識することができる。
次いで、携帯電話機等のパケット通信端末装置が、パケット損失の事実を利用者に通知することの意義について説明する。
最近急速に普及しているIP(Internet Protocol)電話においては、インターネットを介したパケット通信が前提となっている。また、移動体無線通信システムに関する規格団体の一つである3GPP(3rd Generation Partnership Project)が定めた規格では、下り回線で高速大容量の通信を行うため、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と呼ばれるパケット通信方式が提唱されている。よって、今後はパケット通信が通信技術の骨格をなすものと考えられる。
ところが、従来の通信端末装置には、自機の置かれている通信環境の状態を示す指標として、受信電力の状態を示す機能はあっても、パケット通信におけるパケット損失情報、具体的には、パケット損失の有無並びにパケット損失の度合いを表示する機能はついていなかった。これらのパケット損失情報は、利用者が利用するサービスのサービス品質に、受信電力よりもより直接的に対応している指標であり、たとえ受信電力が強かったとしても、必ずしもパケット損失が発生していないという保証はなく、通信端末装置の利用者にとっては、受信電力情報に加え、サービス品質により近い指標であるパケット損失情報も確認したいという欲求が今後顕著になるものと考えられる。
例えば、音楽の音質にこだわる利用者がインターネット上の特定のサイトから音楽データをダウンロードしたり、ストリーミングによってリアルタイムに音楽を受聴する場合を考えると、この利用者にとっては、通信の途中においてデータが損失し、音質が劣化することには我慢がならないであろう。また、例えば、データのダウンロードやストリーミングによる音楽の受聴に多大な課金が課せられている場合にも、通信の途中においてデータが損失するおそれがあるのなら、利用者はダウンロードやストリーミングを延期することを検討するかもしれない。
よって、本発明のように、利用者にパケット損失情報をリアルタイムに与えることにより、この利用者は、より通信環境の良い場所に移動したり、または他の時間帯を選んで通信をしたりということが可能となる。すなわち、本発明は、通信環境を判断する際の指標として、受信電力以外の、しかも受信電力よりも利用者が受けるサービス品質を示すのにより対応した新たな指標を利用者に提供するものである。
このように、本実施の形態によれば、パケット損失情報を利用者にとって認識容易な方法によってリアルタイムに通知するので、利用者はより良好な通信環境下に移動する等の対策を講じることができ、パケット通信端末装置の使い勝手を向上させることができる。
なお、以上の説明において、本実施の形態に係る通信システムは、実データの送信に先立ってテスト用のダミーパケットを送信することとしたが、これを送信せず、実データの受信においてパケット損失を判断するようにしても良い。かかる場合、利用者は、一旦ストリーミングデータ等の受信を開始することとなるが、受信途中においてパケット損失を通信端末から通知され、この時点でストリーミングデータ等の受信を継続するか否か判断することとなる。
また、以上の説明において、パケット損失が発生したことを表示画面というユーザインタフェース上に表示することにより、利用者に視覚を通じてこの事実を通知する場合を例にとって説明したが、通知方法には以下に示すようなバリエーションがある。
図3は、ユーザインタフェースとして表示画面の代わりに着信ランプを使用して視覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。このパケット通信端末装置は、図1に示したパケット通信端末装置と同様の基本的構成を有しているが、着信ランプ115が設置されている点が異なっている。
着信ランプ115は、信号受信部106においてパケットデータが受信された場合、このパケットデータの着信を信号S2を介し通知される。このとき、着信ランプ115は、所定周期でランプを点滅させることによりパケットデータの着信を利用者に通知するのが通常の機能である。本実施の形態では、着信ランプ115はさらに、信号受信状態監視部109においてパケット損失が検出された場合、この事実を信号S1を介し通知される。このとき、着信ランプ115は、ランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期よりも早くすることにより、パケット損失の事実を利用者に通知する。
このように、パケット損失の事実を着信ランプが点滅して通知することにより、利用者は比較的低度の注意力によりこのシグナルを認識することができる。また、パケット損失通知時のランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期と変えることにより、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。さらに、パケット損失通知時のランプの点滅周期をパケットデータ着信時の点滅周期よりも早くすることにより、利用者はこのシグナルが警告の意味合いが強いものであることを直感的に理解することができる。
また、着信ランプ115が、特定の色(例えば、黄色、青色、無色等)で発光することによりパケットデータの着信を利用者に通知する機能を有する場合には、着信ランプ115にさらに別の色(例えば、警告色として赤色)で発光する機能を持たせ、この色で発光することにより、パケット損失の事実を利用者に通知しても良い。これにより、利用者は比較的低度の注意力によりパケット損失の事実を認識することができ、また、別々の色で発光することにより、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。
また、着信ランプ115が、着信メロディーが奏でられるのに合わせてランプを点滅させる機能を有する場合には、着信ランプ115を着信メロディーと関係なしにランダムに点滅させることにより、パケット損失の事実を利用者に通知しても良い。これにより、利用者は比較的低度の注意力によりパケット損失の事実を認識することができ、また、利用者は「パケットデータ着信」と「パケット損失」を区別して認識することができる。
図4は、ユーザインタフェースとしてスピーカを使用して聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。また、図5は、イヤホンを使用して聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する場合のパケット通信端末装置の主要な構成を示したブロック図である。これらのパケット通信端末装置は、図1に示したパケット通信端末装置と同様の基本的構成を有しているが、音声出力部116、スピーカ117、およびイヤホン118が設置されている点が異なっている。
音声出力部116は、信号S1を介しパケット損失の事実を通知され、この事実をスピーカ117(図4)またはイヤホン118(図5)から、予め定められた音(音声メッセージ、信号音、音楽信号等)を出力することにより、聴覚を通じてパケット損失の事実を利用者に通知する。
これにより、利用者は特に注意することなく、パケット損失の事実を容易に知ることができる。
なお、パケット損失の事実をパケット通信端末装置が有するバイブレータ機能により触覚を通じて利用者に通知するようにしても良い(図示せず)。
また、上記の説明において、利用者が受けるサービスが、音楽受聴等の特定の一つのサービスである場合を例にとって説明したが、同時に異なる複数のサービスを利用者が受けるような場合にも本願は適用できる。例えば、インターネット上で情報を検索するサービスと、ストリーミングによる音楽受聴のサービスとを同時に受ける等の場合にも、以下に示すように、本願は適用できる。
図6は、パケット通信端末装置130内の信号受信部106内部の主要な構成を示したブロック図である。
この図において、パケットデータ受信部131は、通信網N1を経由して送信側からのパケット単位のデータ(パケットデータ)を受信し、復調等の所定の受信処理を施す。
対象パケットデータ抽出部132は、パケットデータ受信部131から出力されたパケットデータのヘッダ部の情報を参照し、このパケットが複数サービスのうちのいずれのサービスに属するパケットかを判断し、さらに、そのサービスがパケット損失情報の表示対象のサービスであるか否かを判定する。そして、対象パケットデータ抽出部132は、音声サービスと判断され、かつ、パケット損失情報の表示対象のサービスと判定されたパケットのみを、符号化データ抽出部107および信号受信状態監視部109に出力し、上記の条件に該当しないパケットを後続のこれらのパケットに対応した復号部(図示せず)に出力する。
この構成を採ることにより、例えば、インターネット上の情報検索とストリーミング再生との2つのサービスの同時利用時に、パケット損失情報の表示対象がストリーミングサービスと設定されていれば、対象パケットデータ抽出部132は、受信パケットからストリーミングサービスのパケットのみを抽出し、信号受信状態監視部109は、ストリーミングサービスのパケットのみの損失を監視し、パケット損失情報を表示部113等に出力する。よって、利用者は、インターネット上の情報検索等のバケット損失があまり気にならないサービスについてではなく、音質等の問題でパケット損失が気になるストリーミングサービスについてのパケット損失情報を得ることができる。
また、上記の例では、パケット損失情報の表示対象のサービスが1つである場合を例にとって説明したが、本願は、複数のサービスそれぞれについて、個々にパケット損失を監視し、それぞれ別の記号等を用いることにより、パケット損失情報をサービスごとに表示等するようにしても良い。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。ここでも、パケットデータが音声データである場合を例にとって説明する。なお、この通信システムは、図1に示した通信システムと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本発明の実施の形態2に係るパケット通信端末装置が含まれる通信システムの主要な構成を示すブロック図である。ここでも、パケットデータが音声データである場合を例にとって説明する。なお、この通信システムは、図1に示した通信システムと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の特徴は、パケット通信端末装置230が、選択肢入力部201を有することである。以下、パケット通信端末装置230の実施の形態1と異なる特徴的な動作について説明する。
表示部113にパケット損失情報が表示された場合、パケット通信端末装置230の利用者は、パケットロスに対処する方法(損失パケットの補償方法)を予め設定されている選択肢の中から1つ指定し、選択肢入力部201を用いてこれを入力する。選択肢入力部201は、指定された補償方法を、信号S3、信号受信状態監視部109、および信号S4を介し、ディジタル音声データ対策部110aに送信する。ディジタル音声データ対策部110aは、指定された補償方法を用いて損失パケットの補償を行う。
ディジタル音声データ対策部110aに予め設定されている補償方法は、以下のものである。ここでは、2つの方法が設定されている場合を例にとって説明する。
一つ目の方法は、ディジタル音声データ対策部110aは、ストリーミング再生中のオーディオ信号をミュートする。すなわち、ディジタル音声データ対策部110aは、損失パケット内に含まれていた音声データ値を無音の音声で置換し、出力する。
二つ目の方法は、ディジタル音声データ対策部110aは、ストリーミング再生中のオーディオ信号を前後のパケットに基づいて補間する。すなわち、ディジタル音声データ対策部110aは、損失パケット内に含まれていた音声データ値を、符号化データ組立部108に既に一時記憶されている、損失パケットの前後の音声データ値を用いて補間し、出力する。
このように、本実施の形態によれば、利用者が自分で損失パケットの補償方法を選択できるので、パケット通信端末装置の使い勝手を向上させることができる。
以上、本発明の各実施の形態について詳細に説明した。
なお、上記各実施の形態において、送信側が、パケット通信端末装置120に示されるように、入力される信号をリアルタイムに符号化し、パケットデータとして、通信網N1を介して、受信側のパケット通信端末装置130に送信されるような構成で説明したが、送信側のパケット通信端末装置120では、予め符号化を行いパケットデータとしてメモリやメディア等に蓄積しておき、受信側のパケット通信端末装置130からの要求が発生した際に、蓄積されたパケットデータを送信するような構成でも良い。
また、上記各実施の形態において、通信されるパケットデータが音声データである場合を例にとって説明したが、電子メール等の文字データもしくは映像等の動画像データのような他のデータであっても良い。
また、上記各実施の形態において、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、ソフトウェアで実現することも可能である。
以上説明したように、本発明によれば、パケット通信端末の利用者に、パケット損失が生じた場合にはこの事実を容易な方法によって知らしめ、利用者がより良好な通信環境下に移動する等の対策を採ることを可能とし、また、損失したパケットに対する対策(補償方法)を利用者の意思に基づいて決定することを可能とし、利用者の使い勝手を向上させることができる。
本明細書は、2003年8月20日出願の特願2003−295963に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明に係るパケット通信端末装置は、通信環境に関する新たな指標を利用者に提供する効果を有し、移動体通信ネットワークや無線LANを介しパケット通信を行う携帯電話機、モバイルPC等に適用できる。
Claims (12)
- パケットデータを受信する受信手段と、
受信されたパケットデータにパケット損失がある場合、このパケット損失に関する情報をユーザインタフェースを介してリアルタイムに通知する通知手段と、
を具備するパケット通信端末装置。 - 前記通知手段は、
受信電力のリアルタイム表示と併せて、前記パケット損失に関する情報をリアルタイムに通知する、
請求項1記載のパケット通信端末装置。 - 受信されたパケットデータから特定のサービスに属するパケットデータを抽出する抽出手段をさらに具備し、
前記通知手段は、
前記受信手段で受信され、かつ、前記抽出手段で抽出されたパケットデータにパケット損失がある場合、このパケット損失に関する情報を通知する、
請求項2記載のパケット通信端末装置。 - 前記通知手段は、
受信電力を表示する画面と同一画面上に、メッセージ、記号、マーク、または画像で前記パケット損失に関する情報を表示する、
請求項2記載のパケット通信端末装置。 - 前記マークは複数のバリエーションを有し、
前記通知手段は、
前記マークの複数のバリエーションによって前記パケット損失の度合いを通知する、
請求項4記載のパケット通信端末装置。 - 損失したパケットデータを、予め定められた複数の補償方法のうちの一の補償方法で補償する補償手段と、
前記パケット損失に関する情報の前記通知手段による通知に対する応答として、前記複数の補償方法のうちの一の補償方法が選択される選択手段と、
を具備する請求項2記載のパケット通信端末装置。 - 前記複数の補償方法のうちの一の補償方法は、
ストリーミング再生中のオーディオ信号を無音信号で置換する補償方法である、
請求項6記載のパケット通信端末装置。 - 前記パケットデータの着信を所定周期のランプの点滅によって知らせる着信ランプを具備し、
前記通知手段は、
前記着信ランプの点滅周期を前記所定周期よりも早くすることによって前記パケット損失を通知する、
請求項2記載のパケット通信端末装置。 - 複数色に発光するランプを具備し、
前記通知手段は、
前記ランプを前記複数色のうちの特定の色で発光させて前記パケットデータの着信を通知し、また前記ランプを前記複数色のうちの前記特定の色以外の色で発光させて前記パケット損失を通知する、
請求項2記載のパケット通信端末装置。 - 前記通知手段は、
スピーカまたはイヤホンから予め定められた音を出力して前記パケット損失を通知する、
請求項2記載のパケット通信端末装置。 - 請求項2記載のパケット通信端末装置と、
このパケット通信端末装置に対し、課金されないテスト用のパケットデータを送信する基地局装置と、
を具備する通信システム。 - パケットデータを受信する受信ステップと、
受信されたパケットデータにパケット損失がある場合、このパケット損失に関する情報をユーザインタフェースを介してリアルタイムに通知する通知ステップと、
を具備するパケット通信方法。
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