JPWO2005012653A1 - 作業機械 - Google Patents
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Abstract
Description
Zバーリンクは、図35に示すように、ブーム10の略中央に回動可能に枢軸されたベルクランク11と、ベルクランク11の一端側および図示しない車体間を連結するチルトシリンダ(一点鎖線参照)と、ベルクランク11の他端側およびバケット20の背部を連結する連結リンク13とで構成されている。
さらに、掘削作業の他、ホイルローダを用いて泥土や家畜のし尿等を汲み上げる場合もある。この場合には、図36に示すように、バケット20を地上位置でチルトさせておき、流動性のある泥土などをこぼれにくくして効率的に汲み上げるようにしている。
この構成での動きを図9中に簡略化して図示した。
具体的には、図37、図38に示すように、このホイルローダのベルクランク11は、ブーム10との枢軸位置Yおよび連結リンク13との枢軸位置Xを結ぶ線L1に対し、チルトシリンダ12との枢軸位置Wおよび前記枢軸位置Yを結ぶ線L2がバケット20側に傾斜した形状になっている。
このホイルローダは、図39に示すように、バケット20からフォーク30に交換可能であり、交換する際に、図示しないチルトシリンダを幾分伸ばした状態にし、この状態でフォーク30を取り付けるようにしている。すなわち、チルトシリンダの伸ばし量は、二点鎖線で示すように、バケット20でのオフセット角度α分に相当し、この位置でフォーク30を連結リンク13に取り付ける。
こうすることでZバーリンクを用いたホイルローダであっても、地上位置からトップ位置までアタッチメント角度が略一定に維持されて角度特性を改善でき、フォーク30での作業を可能にしている。
この平行リンクを用いたホイルローダでは、ブーム10を上方に回動させても、チルトシリンダ12の進退量を変更することなくフォーク30の姿勢を一定に維持できるため、特にフォーク30による荷の運搬や、上げ下ろし作業を安定した状態で行える。
具体的に説明すると、図41には、従来のZバーリンクを用いたホイルローダ、および平行リンクを用いたホイルローダのチルトシリンダ12によるチルト力特性がそれぞれ示されている。縦軸はバケット20、フォーク30の高さを表すリフト高であり、横軸はそれらのチルト力である。
このため、フォーク30をZバーリンクに取り付けただけの特許文献3の技術では、チルト力特性に関して何ら改善されておらず、バケット20からフォーク30に変えて荷の上げ下ろし作業等を行おうとしても、チルト力が不足して実際には困難である。
この図からも明らかなように、平行リンクを用いた方がアタッチメント角度の変動が少なく、荷くずれが厳禁とされるフォーク30での作業に向いていることがわかる。
しかも、特許文献3によれば、フォーク30と連結リンク13との取付位置をバケット20の場合よりもオフセットさせることで、フォーク30を取り付けた際の角度特性のみを改善しているため、バケット20使用時の角度特性が犠牲になっている。すなわち、図39に示すように、バケット20を取り付けてブーム10をトップ位置まで回動させると、上方に向かうに従ってバケット20が大きくダンプしてしまい、角度特性が極めて悪いという問題がある。
一端が作業機を支持する構造体に取り付けられたブームと、
ブームの他端にアタッチメントとして取り付けられたバケット類と、
ブームの長手方向の途中に取り付けられたベルクランクと、
前記バケット類を地上水平位置とし、前記バケットの掘削面を地上面と対向させたときに、
ベルクランクの上端側を駆動するチルトシリンダと、
ベルクランクの下端側および前記バケット類を連結する連結リンクとを備え、
前記チルトシリンダは前記ベルクランクおよび前記構造体を連結し、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記連結リンクとの枢軸位置を結ぶ第1線分と、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記チルトシリンダとの枢軸位置を結ぶ第2線分とのなす角の角度が、
前記バケット類側で0度乃至180度に設定されていることを特徴とする。
一端が作業機を支持する構造体に取り付けられたブームと、
ブームの他端にアタッチメントとして取り付けられたフォーク類と、
ブームの長手方向の途中に取り付けられたベルクランクと、
前記フォーク類を地上水平位置としたときに、
ベルクランクの上端側を駆動するチルトシリンダと、
ベルクランクの下端側および前記フォーク類を連結する連結リンクとを備え、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記連結リンクとの枢軸位置を結ぶ第1線分と、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記チルトシリンダとの枢軸位置を結ぶ第2線分とのなす角の角度が、
前記フォーク類側で0度乃至180度に設定されていることを特徴とする。
一端が作業機を支持する構造体に取り付けられたブームと、
ブームの他端にアタッチメントとして取り付けられたフォーク類と、
ブームの長手方向の途中に取り付けられたベルクランクと、
前記フォーク類を地上水平位置としたときに、
ベルクランクの上端側を駆動するチルトシリンダと、
ベルクランクの下端側および前記フォーク類を連結する連結リンクとを備え、
前記チルトシリンダは前記ベルクランクおよび前記構造体を連結し、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記連結リンクとの枢軸位置を結ぶ第1線分と、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記チルトシリンダとの枢軸位置を結ぶ第2線分とのなす角の角度が、
前記フォーク類側で0度乃至180度に設定されていることを特徴とする。
一端が作業機を支持する構造体に取り付けられたブームと、
ブームの他端に取り付けられたアタッチメントと、
ブームの長手方向の途中に取り付けられたベルクランクと、
前記アタッチメントを地上水平位置としたときに、
ベルクランクの上端側を駆動するチルトシリンダと、
ベルクランクの下端側および前記アタッチメントを連結する連結リンクとを備え、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記連結リンクとの枢軸位置を結ぶ第1線分と、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記チルトシリンダとの枢軸位置を結ぶ第2線分とがなす角の角度が、
前記アタッチメント側で0度乃至180度に設定され、
このアタッチメントは、複数種類の中から選択的に用いることが可能であり、
互いに種類の異なるアタッチメントは、前記ブームとの枢軸位置を基準とすると、前記連結リンクとの枢軸位置が互いに異なることを特徴とする。
一端が作業機を支持する構造体に取り付けられたブームと、
ブームの他端に取り付けられたアタッチメントと、
ブームの長手方向の途中に取り付けられたベルクランクと、
前記アタッチメントを地上水平位置としたときに、
ベルクランクの上端側を駆動するチルトシリンダと、
ベルクランクの下端側および前記アタッチメントを連結する連結リンクとを備え、
前記チルトシリンダは前記ベルクランクおよび前記構造体を連結し、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記連結リンクとの枢軸位置を結ぶ第1線分と、
前記ベルクランクにおける、前記ブームとの枢軸位置および前記チルトシリンダとの枢軸位置を結ぶ第2線分とのなす角の角度が、
前記アタッチメント側で0度乃至180度に設定され、
このアタッチメントは、複数種類の中から選択的に用いることが可能であり、
互いに種類の異なるアタッチメントは、前記ブームとの枢軸位置を基準とすると、前記連結リンクとの枢軸位置が互いに異なることを特徴とする。
請求項1、請求項3、及び請求項5に記載の作業機械において、
前記チルトシリンダの前記構造体への枢軸位置は、前記ブームの前記構造体への枢軸位置よりも下方にあることを特徴とする。
本発明の請求項7の作業機械は、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の作業機械において、
前記第1線分及び前記第2線分のなす角の角度は、前記アタッチメントの地上位置からトップ位置までの間の任意の2位置で、このアタッチメントのアタッチメント角度の絶対値が略等しくなる角度以上に設定されていることを特徴とする。
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の作業機械において、
前記第1線分及び前記第2線分のなす角の角度は、0度乃至170度であることを特徴とする。
本発明の請求項9の作業機械は、
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の作業機械において、
前記第1線分及び前記第2線分のなす角の角度は、170度乃至180度であることを特徴とする。
従って、バケット類を地上位置で水平になるようにチルトシリンダを操作した場合、およびチルトさせた場合の両方において、角度特性を良好にでき、本発明の第1の目的を達成できる。
従って、チルト力特性を向上させてフォークの使用を可能にでき、本発明の第2の目的を達成できる。
さらには、請求項2で説明したように、ベルクランクの第1線分及び第2線分のなす角の角度をアタッチメント側で0度乃至180度とすることでも、チルト力の向上が期待される。このため、例えばバケット類に換えてフォーク類をオフセットさせた位置に取り付ける場合でも、特許文献3の技術に比して、トップ位置側でのより大きなチルト力特性が得られるうえ、Zバーリンクを採用しつつ、従来の平行リンクの場合と比べても何ら遜色のないチルト力特性が得られ、荷の上げ下ろし作業等が確実に実施されるようになる。
従って、前記第2の目的を達成できる。
一方、バケット類取付時は、オフセットせずに取り付ければよく、従前通り地上位置側でのチルト力特性も良好に維持され、掘削作業等にも確実に対応可能である。
つまり、オフセットせずにバケット類を使用した場合と、オフセットさせた位置にフォーク類を取り付けた場合は、角度特性が平行リンク並みに向上し、改善される。従って、特にバケット類を取り付けた場合では、特許文献3の技術とは異なって、トップ位置で大きくダンプする事態が生じない。
そして、そのようなベルクランクの第1線分と第2線分とのなす角の角度以下であれば、例えば中間位置からトップ位置の2位置間内でのずれ量が徐々に小さくなるうえ、トップ位置での構造体へのずれが小さくなるので、ずれ量が等しくなる位置に対して、泥土等が少なくともオペレータ側には一層こぼれにくくなり、汲み上げ作業等に十分に対応可能である。ただし、任意の2位置としては、中間位置およびトップ位置に限定されない。
請求項9の作業機械によれば、ベルクランクの第1線分及び第2線分のなす角の角度をアタッチメント側で170度乃至180度とする構成付加することにより、フォーク類の連結リンクとの枢軸位置に対して、バケット類の連結リンクとの枢軸位置がブームとの枢軸位置を基準として37度以上のオフセット角度となっている場合であっても、双方を取り付けることのできる作業機械とすることができる。
[図2]図2は第1実施形態に係る作業機械を示す要部斜視図。
[図3]図3は第1実施形態の動きを説明するための図。
[図4]図4は第1実施形態の動きを説明するための別の図。
[図5]図5は従来の作業機械および本発明の作業機械の角度特性を示す図。
[図6]図6は第1実施形態の別の作用を説明するための図。
[図7]図7は第1実施形態でのベルクランクの最大の傾斜角度を説明するための図。
[図8]図8は第1実施形態でのベルクランクの最大の傾斜角度を説明するための別の図。
[図9]図9は第1実施形態の効果を説明するための図。
[図10]図10は本発明の第2実施形態に係る作業機械を示す側面図。
[図11]図11は第2実施形態の作用を説明するための図。
[図12]図12は第2実施形態の作用を説明するための図。
[図13]図13は本発明の第3実施形態に係る作業機械を示す側面図。
[図14]図14は本発明の第3実施形態に係る作業機械の動きを説明するための図。
[図15]図15は第3実施形態の動きを仕様を変えて説明するための図。
[図16]図16は第3実施形態の要部を拡大して示す図。
[図17]図17は第3実施形態の作用を説明するための図。
[図18]図18は第3実施形態の作用を説明するための図。
[図19]図19は第3実施形態のチルト力特性の効果を説明するための図。
[図20]図20は第3実施形態の角度特性図。
[図21]図21は第3実施形態の角度特性図。
[図22]図22は第3実施形態のダンプスピード図。
[図23]図23は本発明の第4実施形態に係る作業機械の動きを説明するための図。
[図24]図24は第4実施形態の作業機械の動きを説明するための図。
[図25]図25は第4実施形態の角度特性図。
[図26]図26は第4実施形態のチルト力特性図。
[図27]図27は本発明の第5実施形態に係る作業機械の動きを説明するための図。
[図28]図28は第5実施形態の作業機械の動きを説明するための図。
[図29]図29は第5実施形態の角度特性図。
[図30]図30は第5実施形態のチルト力特性図。
[図31]図31は本発明の第1変形例を示す図。
[図32]図32は本発明の第2変形例を示す図。
[図33]図33は本発明の第3変形例を示す図。
[図34]図34は本発明の第4変形例を示す図。
[図35]図35は従来の一般的なZバーリンクの動きを説明するための図。
[図36]図36は従来の一般的なZバーリンクの動きを説明するための別の図。
[図37]図37は従来の他の作業機械の動きを説明するための図。
[図38]図38は前記他の作業機械の動きを説明するための別の図。
[図39]図39は従来の別の作業機械の動きを説明するための図。
[図40]図40は従来の一般的な平行リンクの動きを説明するための図。
[図41]図41は作業機械のチルト力特性を示す図。
[図42]図42は作業機械の角度特性を示す図。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るホイルローダ(作業機械)1の全体を示す側面図、図2は、ホイルローダ1の作業機の部分を示す外観斜視図であり、図3、図4は、ホイルローダの主要部の動きを示す図である。なお、各図において、背景技術で説明した構成部材については同一符号を付してある。
次いで、チルトシリンダ12の長さを変えずにバケット20をトップ位置まで上昇させた際には、ベルクランク上回転角度は点T3まで小さくなり、同時にベルクランク下回転角度も点T4まで小さくなる。そして、この際のバケット20の対G.L.アタッチメント角度はやはり、点T5で表されるように、地上位置と変わらず0度であり、アタッチメント角度のずれがなく、角度特性が良好であるといえる。
そして、同様に地上位置にあるとき、ベルクランク下回転角度と線分PQの回転角度との関係は、点N0の上方の点N1で表され、さらに、地上にあるときの対G.L.アタッチメント角度は、点N1を左側に移行させた点N2で表され、+25度である。これは、地上位置でバケット20を上向きに25度チルトさせたことを意味する。
次いで、チルトシリンダ12の長さを変えずにバケット20をトップ位置まで上昇させた際には、ベルクランク上回転角度は点N3まで小さくなり、同時にベルクランク下回転角度も点N4まで小さくなる。そして、この際のバケット20の対G.L.アタッチメント角度はやはり、点N5で表されるように、地上位置と変わらず+25度となり、チルトさせた角度がそのまま維持されることで角度特性が良好であるといえる。
図6において、横軸はベルクランク11のバケット20側への傾斜角度を表し、縦軸はバケット20のアタッチメント角度を表している。ベルクランク11の傾斜角度は、マイナスが車体16側への傾斜を表し、プラスがバケット20側への傾斜を表している。アタッチメント角度としては、例えば中間位置およびトップ位置での値がそれぞれ示されている。このアタッチメント角度は、グランドレベルに対する角度であって、マイナスがダンプする方向へのずれを表し、プラスがチルトする方向へのずれを表している。この図からは、バケット20をチルトさせた場合での実用上適用可能な傾斜角度を知ることができる。なお、例えば図9の第1実施形態のチルト姿勢は、図6の傾斜角度が10度(線分L1及び線分L2がなす角度としては170度)の場合である。
そして、このような不都合を解消するためには、作業の内容にもよるが、ベルクランク11上の第2線分L2のバケット20側への傾斜角度を10度以上に設定することが望ましい。これは、第1線分L1と第2線分L2とがなす角の角度が170度以下にするということである。
そして、10度以上であれば、中間位置からトップ位置に至るまでのずれ量が徐々に小さくなるうえ、トップ位置でのチルトする方向へのずれが小さくなるので、ずれ量が等しくなる位置に対して、泥土等が少なくとも車体16側即ちオペレータ側には一層こぼれにくくなり、汲み上げ作業等に十分に対応可能である。
さらに、35度を超えると、中間位置およびトップ位置の双方でダンプする方向にずれるが、中間位置からトップ位置に移る間でのずれ量は少なくなるため、ずれ量を少なくして汲み上げ作業等を行いたい場合には、35度以上であってもかまわない。
バケット20を水平に維持できる範囲での最大の傾斜角度は、例えば、図7に示す場合で約99(99.3)度である。バケット20のチルト状態を復帰できる範囲での最大の傾斜角度は、例えば、図8に示す場合で約87(87.2)度であり、この時の地上に対するチルト角は42度である。
また、傾斜角度は、角度特性およびチルト力特性を十分な余裕をもって確保できる範囲内で設定されることが望ましく、本実施形態では約80(79.5)度である。
(1)すなわち、ホイルローダ1においては、チルトシリンダ12の基端がブーム10に取り付けられるのではなく、構造体16Aに枢軸されており、また、ベルクランク11では、線分L2が線分L1に対してバケット20側に傾斜し、線分L1及び線分L2のなす角の角度がバケット側で0度〜180度となっているため、地上位置でバケット20をそのまま取り付けた場合でも、また、地上位置でバケット20をチルトさせた場合でも、地上位置からトップ位置に向かうまでのバケット20のアタッチメント角度のずれを抑えることができ、従来のZバーリンクを採用した構造(図35、図36)や、特許文献1、特許文献2(図37、図38)に開示された構造に比して、角度特性を大幅に向上させることができ、通常の掘削作業の他、泥土等の汲み上げ作業も良好に行える。
つまり、従来の一般的な構造では、バケット20をチルトさせずに用いた場合の角度特性はさほど悪くないが、地上でチルトさせた場合においてトップ位置でアタッチメント角度が大きくチルトする方向にずれてしまい、問題である。
特許文献1では、地上でチルトさせない場合の角度特性は優れているが、やはりチルトさせた場合のアタッチメント角度が特にトップ位置で大きくずれてしまい、問題となる。特許文献2では、枢軸位置Zがブーム10に設けられているため、チルトさせるとさせないとに係わらず、角度特性が悪い。
これらに比して本実施形態、すなわち、チルトシリンダ12が車体16の構造体16Aに枢軸されること、その枢軸位置Zがブーム10の構造体16Aに対する枢軸位置Sよりも下に配置したこと、及び、ベルクランクの第2線分L2を、第1線分L1に対してアタッチメント20側に傾斜させたことにより、チルトさせない場合には、特許文献1と同様に優れた角度特性を示し、チルトさせた場合でも、中間位置とトップ位置で僅かにずれる程度であり、チルトさせた状態を略そのまま維持させてトップ位置まで持ち上げることができ、角度特性に優れている。
図10には、本発明の第2実施形態として、第1実施形態でのバケット20に代えてフォーク(フォーク類)30を取り付けたホイルローダ2が示されている。その他の構成は、第1実施形態と略同じである。
このようなホイルローダ2では、第1実施形態でのバケット20の取付位置と略同じ位置にフォーク30が取り付けられており、従って、地上位置で水平に取り付けられたフォーク30のアタッチメント角度は、第1実施形態でのバケット20と同様に、トップ位置に至るまでにずれることがなく、角度特性が良好に維持される。
さらに、ホイルローダ2によれば、ベルクランク11の線分L1に対して線分L2がフォーク30側に傾斜していることで、特許文献3で開示されたホイルローダに比べてトップ位置でのチルト力が大きくなり、チルト力特性も向上する。
図12には、ベルクランク11の線分L1と線分L2とのなす角の角度(横軸)と有効長さA,B(左縦軸)との関係、およびベルクランク11の線分L1と線分L2とのなす角の角度(横軸)と有効長さの比B/A(右縦軸)との関係が示されている。
ここで、有効長さの比B/Aは、(トップ位置でのベルクランク11の回転力/地上位置でのベルクランク11の回転力)を表し、値が大きいほどトップ位置でのチルト力が大きいことを表している。
(3)すなわち、ホイルローダ2では、ベルクランク11の線分L1に対して線分L2がフォーク30側に傾斜、つまり、線分L1及び線分L2のなす角の角度がフォーク側で0度〜180度になっているため、地上位置とトップ位置とでのベルクランク11上部(傾斜させる側)の有効長さの比B/Aを大きくできる。このため、車体16側に第2線分L2が傾斜したベルクランク11を用いてバケット20をフォーク30に変更するような特許文献3記載の技術では、フォーク30での荷の上げ下げ作業が困難であったが、本実施形態では、特にトップ位置でのチルト力を大きくしてチルト力特性が向上するので、フォークの使用に適したチルト力特性を得ることができ、荷の上げ下げ作業を確実かつ容易に行える。
図13には、本発明の第3実施形態に係るホイルローダ3が示されている。図14には、用意された二種類のアタッチメントのうちバケット(アタッチメント)20を用いた図が示されており、図15には、フォーク(アタッチメント)30を用いた図が示されている。これらバケット20およびフォーク30は、いずれかを装着して専用の作業を行ってもよいが、作業に応じて選択的に用いることも可能である。
(5)ホイルローダ3において、バケット20に代えてフォーク30を取り付ける場合では、ベルクランク11をチルト方向に回動させてオフセットし、この状態でフォーク30を取り付けるため、オフセットさせずにバケット20を取り付ける場合に比してトップ位置でのチルト力を大幅に向上させることができ、よりフォーク30に適したチルト力特性を得ることができる。しかも、第2実施形態で説明したように、ベルクランク11上の第2線分L2をフォーク30側に傾斜させることでも、チルト力の向上を期待できる。
このため、フォーク30をオフセットさせた位置に取り付けることにより、バケット20をフォーク30に換えて使用する特許文献3の技術よりも、トップ位置でさらに大きなチルト力を得ることができる。
しかも、そのチルト力特性は、図19に示すように、専らフォーク30に採用される従来の平行リンクの場合と何ら劣ることがなく、従来の平行リンクを備えたホイルローダと同様に、荷の上げ下ろし作業等を確実に実施できる。
一方、フォーク30を用いた場合においても、ベルクランク11上の第2線分L2がフォーク30側に傾斜しているので、このフォーク30を地上位置でオフセット位置に取り付けることはすなわち、第1実施形態で説明したように、バケット20をチルト状態で取り付けたのと同じであり、バケット20を取り付けた場合と比較しても、図20に示すように、それぞれの角度特性の差を小さくでき、従来の平行リンクの場合に比して、何ら遜色のない角度特性を得ることができる。
このため、角度特性についても、バケット20を使用した場合とフォーク30を使用した場合とで良好にでき、特にバケット20を取り付けた場合では、特許文献3の技術とは異なって、トップ位置で大きくダンプするのを有効に防止できる。
これに対して、バケット20を地上位置で取り付けた際には、角度α(図39)のオフセット分だけベルクランク上回転角度が小さくなるから、チルトシリンダ長さとの関係は点U0で表される。そして、同様に地上位置にあるとき、ベルクランク下回転角度と線分PQの回転角度との関係は、フォーク30を取り付けた場合では、点V0の上方の点V1で表され、バケット20を取り付けた場合では、点U0の上方の点U1で表される。さらに、地上にあるときの対G.L.(グランドレベル)アタッチメント角度は、点V1,U1を左側に移行させた点V2,U2で表され、それぞれ0度である。
図22に示すように、Zバーリンクではその機構の特性上、トップ位置でダンプする際に、大きな角度範囲においてダンプスピードが速く迅速な積込が行え、最大ダンプ付近においてベルクランク11上の第1線分L1と連結リンク13の相対角度が180度に近い角度まで開くためにダンプスピードが遅くなり、シリンダ操作をすること無くチルトシリンダ12のストロークエンドでのショックを低減する効果を有している。この効果はソフトダンプ特性と呼ばれている。
平行リンクでは、全体にダンプスピードが遅い。しかし、シリンダストロークエンド付近では、ダンプスピードが急激に速くなって大きなショックを生じてしまうため、作業者がシリンダ速度を操作してチルトシリンダ他に負荷がかかるのを防ぐことが必要であった。
この問題に対して本実施形態では、Zバーリンクを基本構造としているために、ソフトダンプ特性をそのまま有しており、作業者に負担をかけない。
これらにより本実施形態では、地上での掘削力、トップでの積込作業速度、ソフトダンプ特性のいずれにおいても、従来の平行リンクにバケットを取り付ける方法よりも優れた性能を有しているのである。
これに対してホイルローダ2では、Zバーリンクを採用した構造であり、チルトシリンダ12のボトム側(車体16側)に作動油等を流入させることで、シリンダロッド18を押す方向に付勢しながらシリンダ力およびチルト力を生じさせるため、従来の平行リンク(図40)に比較すると、十分なチルト力を確保するためには、シリンダロッド18の断面積を考慮せずに受圧面積を設定できる。従って、チルトシリンダ12としては、平行リンクの場合に比べて径寸法の小さいものでよい。
図23及び図24には、本発明の第4実施形態に係るホイルローダ4の作業機部分が示され、図23は、アタッチメントとしてバケット20が装着された状態を表しており、図24は、アタッチメントとしてフォーク30が装着された状態を表している。
本実施形態に係るホイルローダ4は、ベルクランク11におけるブーム10との枢軸位置Y及び連結リンク13との枢軸位置Xを結ぶ第1線分L1と、ブーム10との枢軸位置Y及びチルトシリンダ(図示略)との枢軸位置Wを結ぶ第2線分L2とのなす角の角度が180度、つまり傾斜角度が0度に設定されていることが特徴である。
図25から判るように、本実施形態に係るホイルローダ4によれば、前述と同様に、リフト高さによってもバケット20やフォーク30の姿勢が大きく変わることないことが判る。
このようなベルクランク11の形状は、フォーク30の枢軸位置Qがバケット20の枢軸位置Qと比較して37度以上の大きなオフセット角度に設定された場合に好適である。
図27及び図28には、本発明の第5実施形態に係るホイルローダ5の作業機部分が示されており、図27は、アタッチメントとしてバケット20が装着された状態を表しており、図28は、アタッチメントとしてフォーク30が装着された状態を表している。
本実施形態に係るホイルローダ5は、ベルクランク11におけるブーム10との枢軸位置Y及び連結リンクとの枢軸位置Xを結ぶ第1線分L1と、ブーム10との枢軸位置Y及びチルトシリンダ(図示略)との枢軸位置Wを結ぶ第2線分とのなす角の角度が175度、つまり傾斜角度が5度に設定されていることが特徴である。
図29から判るように、本実施形態に係るホイルローダ5によれば、リフト高さによってもバケット20やフォーク30の姿勢が大きく変わることがなく、さらに、第4実施形態に係るホイルローダ4の場合と比較しても、フォーク30使用時におけるC位置における姿勢が、ホイルローダ4の場合では10度であったのに対して、ホイルローダ5では9度となっており、より改善していることが判る。
このようなベルクランク11の形状は、フォーク30の枢軸位置Qがバケット20の枢軸位置Qと比較して37度以上の大きなオフセット角度に設定された場合に好適である。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば前記各実施形態でのベルクランク11は主に「く」の字形状であったが、例えば、第1実施形態での図7、図8、および図31(第1変形例)に示すT字形状でもよく、このような場合には、「く」の字形状よりも強度を大きくでき、傾斜角度をより大きく設定できる。要するに、ベルクランク11の形状は、傾斜角度や強度等を勘案して任意に決められてよい。
このようなログランバーグラップル40は、原木等の木材44を把持しながら運搬するのに好適である。勿論、本発明の請求項1で用いられるバケット類としても、第1実施形態で説明したバケット20に限定されず、請求項2、請求項3で用いられるフォーク類としても、第2実施形態で説明したフォーク30に限定されず、前記のスケルトンバケットやログランバーグラップル40などであってもよい。
すなわち、図33においては、ベルクランク11がフォーク30側に傾斜しているとともに、チルトシリンダ12がブーム10に枢軸されている。図34においてはさらに、バケット20に対してフォーク30の枢軸位置Qが、バケット20の水平状態で枢軸される時の枢軸位置Qからオフセットされた状態で、連結リンク13に取り付けられている。これらの構成では、角度特性はよくないが、フォーク30側に傾斜させたベルクランク11を用いたり、フォーク30をオフセットさせることにより、チルト力特性を十分に向上させることができる。
すなわち、作業機を支持する構造体に対して、箱状のブーム1本を枢軸し、その外側面中間位置にベルクランクを枢軸したホイルローダに本発明を採用してもよい。この際、ベルクランクの数も1つだけではなく、外側面両脇にそれぞれベルクランクを枢軸してもよく、さらに、このベルクランクを駆動するチルトシリンダがベルクランクの数に応じて設けられたものであってもよい。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (9)
- 一端が作業機を支持する構造体(16A)に取り付けられたブーム(10)と、
ブーム(10)の他端にアタッチメントとして取り付けられたバケット類(20)と、
ブーム(10)の長手方向の途中に取り付けられたベルクランク(11)と、
前記バケット類を地上水平位置とし、前記バケットの掘削面を地上面と対向させたときに、
ベルクランク(11)の上端側を駆動するチルトシリンダ(12)と、
ベルクランク(11)の下端側および前記バケット類(20)を連結する連結リンク(13)とを備え、
前記チルトシリンダ(12)は前記ベルクランク(11)および前記構造体(16A)を連結し、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記連結リンク(13)との枢軸位置(X)を結ぶ第1線分(L1)と、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記チルトシリンダ(12)との枢軸位置(W)を結ぶ第2線分(L2)とのなす角の角度が、
前記バケット類(20)側で0度乃至180度に設定されていることを特徴とする作業機械(1)。 - 一端が作業機を支持する構造体(16A)に取り付けられたブーム(10)と、
ブーム(10)の他端にアタッチメントとして取り付けられたフォーク類(30)と、
ブーム(10)の長手方向の途中に取り付けられたベルクランク(11)と、
前記フォーク類を地上水平位置としたときに、
ベルクランク(11)の上端側を駆動するチルトシリンダ(12)と、
ベルクランク(11)の下端側および前記フォーク類(30)を連結する連結リンク(13)とを備え、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記連結リンク(13)との枢軸位置(X)を結ぶ第1線分(L1)と、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記チルトシリンダ(12)との枢軸位置(W)を結ぶ第2線分(L2)とのなす角の角度が、
前記フォーク類(30)側で0度乃至180度に設定されていることを特徴とする作業機械(2)。 - 一端が作業機を支持する構造体(16A)に取り付けられたブーム(10)と、
ブーム(10)の他端にアタッチメントとして取り付けられたフォーク類(30)と、
ブーム(10)の長手方向の途中に取り付けられたベルクランク(11)と、
前記フォーク類を地上水平位置としたときに、
ベルクランク(11)の上端側を駆動するチルトシリンダ(12)と、
ベルクランク(11)の下端側および前記フォーク類(30)を連結する連結リンク(13)とを備え、
前記チルトシリンダ(12)は前記ベルクランク(11)および前記構造体(16A)を連結し、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記連結リンク(13)との枢軸位置(X)を結ぶ第1線分(L1)と、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記チルトシリンダ(12)との枢軸位置(W)を結ぶ第2線分(L2)とのなす角の角度が、
前記フォーク類(30)側で0度乃至180度に設定されていることを特徴とする作業機械(2)。 - 一端が作業機を支持する構造体(16A)に取り付けられたブーム(10)と、
ブーム(10)の他端に取り付けられたアタッチメント(20,30)と、
ブーム(10)の長手方向の途中に取り付けられたベルクランク(11)と、
前記アタッチメントを地上水平位置としたときに、
ベルクランク(11)の上端側を駆動するチルトシリンダ(12)と、
ベルクランク(11)の下端側および前記アタッチメント(20,30)を連結する連結リンク(13)とを備え、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記連結リンク(13)との枢軸位置(X)を結ぶ第1線分(L1)と、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記チルトシリンダ(12)との枢軸位置(W)を結ぶ第2線分(L2)とがなす角の角度が、
前記アタッチメント(20,30)側で0度乃至180度に設定され、
このアタッチメント(20,30)は、複数種類の中から選択的に用いることが可能であり、
互いに種類の異なるアタッチメント(20,30)は、前記ブームとの枢軸位置(P)を基準とすると、前記連結リンク(13)との枢軸位置(Q)が互いに異なることを特徴とする作業機械(3)。 - 一端が作業機を支持する構造体(16A)に取り付けられたブーム(10)と、
ブーム(10)の他端に取り付けられたアタッチメント(20,30)と、
ブーム(10)の長手方向の途中に取り付けられたベルクランク(11)と、
前記アタッチメントを地上水平位置としたときに、
ベルクランク(11)の上端側を駆動するチルトシリンダ(12)と、
ベルクランク(11)の下端側および前記アタッチメント(20,30)を連結する連結リンク(13)とを備え、
前記チルトシリンダ(12)は前記ベルクランク(11)および前記構造体(16A)を連結し、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記連結リンク(13)との枢軸位置(X)を結ぶ第1線分(L1)と、
前記ベルクランク(11)における、前記ブーム(10)との枢軸位置(Y)および前記チルトシリンダ(12)との枢軸位置(W)を結ぶ第2線分(L2)とのなす角の角度が、
前記アタッチメント(20,30)側で0度乃至180度に設定され、
このアタッチメント(20,30)は、複数種類の中から選択的に用いることが可能であり、
互いに種類の異なるアタッチメント(20,30)は、前記ブームとの枢軸位置(P)を基準とすると、前記連結リンク(13)との枢軸位置(Q)が互いに異なることを特徴とする作業機械(3)。 - 請求項1、請求項3、及び請求項5に記載の作業機械(1,2,3)において、
前記チルトシリンダ(12)の前記構造体(16A)への枢軸位置(Z)は、前記ブーム(10)の前記構造体(16)への枢軸位置(S)よりも下方にあることを特徴とする作業機械(1,2,3)。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の作業機械(1,2,3)において、
前記第1線分及び前記第2線分のなす角の角度は、前記アタッチメント(20,30)の地上位置からトップ位置までの間の任意の2位置で、このアタッチメント(20,30)のアタッチメント角度の絶対値が略等しくなる角度以下に設定されていることを特徴とする作業機械(1,2,3)。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の作業機械(1,2,3)において、
前記第1線分及び前記第2線分のなす角の角度は、0度乃至170度であることを特徴とする作業機械。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の作業機械(1,2,3)において、
前記第1線分及び前記第2線分のなす角の角度は、170度乃至180度であることを特徴とする作業機械。
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