JP4081186B2 - 超小旋回作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋回台に取り付けたブームに作業用アタッチメントを装着し、該作業用アタッチメントを左右にオフセット可能とした超小旋回作業機の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、旋回台に取り付けたブームに作業用アタッチメントを装着し、該作業用アタッチメントを左右に偏心可能とした超小旋回作業機は知られており、例えば、特開平5−112959号公報に示す如くである。このような超小旋回作業機においては、例えば、図11に示すように、走行装置1の上部に旋回可能に旋回台4を取り付け、該旋回台4の上部には運転席等をキャビン89で覆った運転部を設けている。該運転部89横側方には第一ブーム90を上下回動自在に取り付け、該第一ブーム90の先端部に第二ブーム91を左右方向へ回動自在に取り付け、該第二ブーム91に第三ブーム92を左右方向へ回動可能に取り付け、該第三ブーム92にアーム93を上下方向に回動可能に取り付け、該アーム93の先端には作業用アタッチメントであるバケット94を上下回動可能に取り付け、該第二ブーム91の左右方向への回動によりアーム93及びバケット94を左右方向へオフセット可能に構成している。
【0003】
そして、アーム93は、該アーム93と第三ブーム92との間に介装されたアームシリンダ97の伸縮により上下回動され、第二ブーム91が下部回動軸95を中心にして左右方向に回動することで、アーム93及びバケット94が左右に移動して、第一ブーム90に対してオフセットするように構成している。また、第一ブーム90と第二ブーム91とを連結する下部回動軸95の軸心、及び、第二ブーム91と第三ブーム92とを連結する上部回動軸96の軸心はお互いに平行となるように配置されており、下部回動軸95は、第一ブーム91を最大限持ち上げた場合に、該下部回動軸95のアーム93方向側が反対方向側よりも低位置に位置するように構成している。
【0004】
このように構成した超小旋回作業機においては、第二ブーム91は斜め前方へ傾斜して配置され、アーム93は略垂直に配置されており、バケット94を巻き込んだ状態においてバケット94が収納される、第二ブーム91、第三ブーム92、アーム93、及び、第二ブーム91下端とアーム93下端とを結ぶ線、により囲まれる領域が略三角形状となって狭く構成されていた。また、図12、図13に示すように、バックホウ装置85を、第一ブーム90を前方に傾倒して最深掘削状態としたときには、第二ブーム91と第三ブーム92との連結部近傍から、該第三ブーム92に連結されたアーム93が下方に延出する形態となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の如く、バケット94を巻き込んだ状態において、該バケット94が位置することとなる領域が略三角形状となって狭いと、バケット94内に掘削したアスファルト等の大きな掘削物を入れたまま、該バケット94を巻き込んだ場合、第二ブーム91や第三ブーム92やアーム93が、バケット94からはみ出した掘削物に当たって損傷する恐れがあった。また、バックホウ装置85を最深掘削状態としたときに、第二ブーム91と第三ブーム92との連結部近傍から、該第三ブーム92に連結されたアームが下方に延出する形態となっていると、実質の掘削深さがアーム93の長さ寸法Eとバケット94の長さ寸法Fとを加えただけの寸法となって短かくなり、深く掘削することができなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
【0007】
旋回台(4)の運転部(9)横側方に上下回動自在に取り付けられた第一ブーム(10)、該第一ブーム(10)の先端部に左右方向へ回動自在に取り付けられた第二ブーム(11)、該第二ブーム(11)に左右方向へ回動可能に取り付けられた第三ブーム(12)、該第三ブーム(12)に上下方向に回動可能に取り付けられたアーム(13)、及び、該アーム(13)の先端に取り付けられたバケット(14)を有し、該第二ブーム(11)の左右方向への回動によりバケット(14)を左右方向へオフセット可能に構成した超小旋回作業機において、前記第一ブーム(10)を前方に傾倒したバケット(14)の最深掘削状態にて、第二ブーム(11)と第三ブーム(12)との連結部から第三ブーム(12)が下方に延出するように、該第三ブーム(12)を形成し、該第三ブーム(12)の左右幅をバケット(14)の左右幅よりも小さく形成し、更に、前記第一ブーム(10)を前方に傾倒して最深掘削状態とした状態で、前記第二ブーム(11)と第三ブーム(12)との連結部が地表近傍に位置し、バケット(14)による最大の掘削深さは、第三ブーム(12)の長さ寸法(A)と、アーム(13)の長さ寸法(B)と、バケット(14)の長さ寸法(C)とを加えたものにほぼ等しくなるように構成し、前記第一ブーム(10)を最大限持ち上げた状態で、該第一ブーム(10)は後方に傾斜した姿勢となり、第二ブーム(11)は第一ブーム(10)よりも垂直に近い状態で立設し、地面に対する第二ブーム(11)の立設角度が第一ブーム(10)の立設角度よりも大きくなるように構成し、該第一ブーム(10)を最大限持ち上げた状態で、第三ブーム(12)とアーム(13)とを連結するアーム支点(21)を、第二ブーム(11)と第三ブーム(12)とを連結する上部回動軸(16)の軸心延長線(P)よりも上方に配置し、該第一ブーム(10)を最大限持ち上げると共に、アーム(13)を左右にオフセットせずに最大限巻き込んだ状態で、前記第二ブーム(11)とアーム(13)とが、略平行に配置される ように構成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は本発明の超小旋回作業機を示す側面図、図2は同じく後面図、図3はバックホウ装置が最深掘削状態にある超小旋回作業機を示す側面図、図4は同じく正面図、図5はバックホウ装置85が最深掘削状態にある旋回作業機において、第三ブームが下方に延出するように構成したものを示す側面図、図6は同じく正面図、図7は掘削物をダンプトラックの荷台に積み込む状態にある本発明の超小旋回作業機を示す側面図、図8は掘削物をダンプトラックの荷台に積み込む状態にある従来の超小旋回作業機を示す側面図である。
【0009】
図9は、本発明において、アーム支点を上部回動軸の軸心延長線よりも上方に配置した場合の表面掘削時におけるバックホウ装置の上端部の対地高さを示す側面図、図10は、アーム支点を上部回動軸の軸心延長線よりも下方に配置した場合の表面掘削時におけるバックホウ装置の上端部の対地高さを示す側面図、図11は従来の超小旋回作業機を示す側面図、図12はバックホウ装置が最深掘削状態にある従来の超小旋回作業機を示す側面図、図13は同じく正面図である。
【0010】
本発明の超小旋回作業機の構成について説明する。図1、図2において、左右一対のクローラ走行装置2を装備した走行装置1の上部に、旋回可能に旋回台4を取り付け、該旋回台4上部の一側方には運転席6を配設し、該運転席6の上方をキャノピー7で覆って運転部9を構成し、該運転部9横側方にバックホウ装置5を配置している。運転部9の前方にはバッテリー61及び燃料タンク62が配設され、該バッテリー61及び燃料タンク62はカバー63により覆われている。また、前記走行装置1の、例えば、後端部には、排土板3を装着している。
【0011】
バックホウ装置5は、第一ブーム10を最大限持ち上げるとともに、アーム13及びバケット14を左右にオフセットせずに最大限巻き込んだ状態(図1に示す姿勢にある状態)においては、全体が旋回台4の旋回径内に格納できるように構成している。そして、バックホウ装置5全体が旋回台4の旋回径内に格納される小旋回格納状態において、バケット14と運転部9とが干渉しないように構成している。
【0012】
次にバックホウ装置5について説明する。前記バックホウ装置5は、旋回台4に上下回動自在に取り付けた第一ブーム10、該第一ブーム10の先端部に左右方向へ回動自在に取り付けた第二ブーム11、該第二ブーム11に左右方向へ回動可能に取り付けられた第三ブーム12、該第三ブーム12に上下方向に回動可能に取り付けられたアーム13、及び、該アーム13の先端に取り付けられた作業用アタッチメントであるバケット14を有し、第二ブーム11の左右方向への回動によりアーム13及びバケット14を左右方向へオフセット可能に構成している。
【0013】
そして、第一ブーム10と旋回台4との間にブームシリンダ29を介装して、該ブームシリンダ29の伸縮により第一ブーム10を上下回動可能とし、第三ブーム12とアーム13との間にアームシリンダ17を介装して、該アームシリンダ14の伸縮によりアーム13を上下回動可能とし、アーム13とバケット14との間にバケットシリンダ48を介装して、該バケットシリンダ48の伸縮によりバケット48を上下回動可能としている。図1における軌跡66は、ブームシリンダ29、アームシリンダ17、及び、バケットシリンダ48等の伸縮に伴ってバケット14の先端が通過する軌跡であり、軌跡66の全範囲において、バケット14と運転部9とが干渉しないように構成している。
【0014】
第二ブーム11は、その下端部で第一ブーム10の上端部と下部回動軸15により左右回動自在に連結され、該第二ブーム11の上端部は上部回動軸16により第三ブーム12を左右回動自在に連結しており、第二ブーム11と第一ブーム10との間にはオフセットシリンダ31が介装されている。さらに、第一ブーム10と第三ブーム12との間にはオフセットロッド30が架設され、該オフセットロッド30の両端部は、第一ブーム10及び第三ブーム12にそれぞれ枢着されて、該オフセットロッド30、第一ブーム10、第二ブーム11、及び、第三ブーム12により平行四連リンク機構を構成している。そして、オフセットシリンダ31を伸縮させることで、バケット14が第一ブーム10に対して偏心して左右方向にオフセットされるが、この場合、平行四連リンク機構により、正面視又は後面視における第一ブーム10と、第三ブーム12、アーム13、及び、バケット14との角度は変化せずに、平行状態を保ったままオフセットされる。
【0015】
前記第一ブーム10と第二ブーム11とを連結する下部回動軸15、及び、第二ブーム11と第三ブーム12とを連結する上部回動軸16は、それぞれの軸心延長線O・Pがお互いに平行となるように配置されており、該下部回動軸15は、第一ブーム10を最大限持ち上げた場合に、該下部回動軸15のアーム13方向側が反対方向側よりも(本実施例においては下部回動軸15の前部が後部よりも)高位置に位置するように構成している。また、運転席6の上方を覆うキャノピー7は、前部支柱7a及び後部支柱7bにより支持されており、後部支柱7bは略垂直に立設され、前部支柱7aは後方に傾斜して立設されている。そして、側面視において、該前部支柱7aと前記下部回動軸15とがなす角度が略直角となるように構成している。
【0016】
そして、バケット14は、バックホウ装置5の第一ブーム10を最大限持ち上げるとともに、アーム3及びバケット4をオフセットさせないで最大巻き込んだ状態の小旋回格納状態において、側面視において運転部9と干渉しないように構成している。また、下部回動軸15とキャノピー7の前部支柱7aとがなす角度が略直角となるように構成しているので、バケット14を左右にオフセットした場合においても、該バケット14が前部支柱7aと略平行に移動して、バケット14が運転部9と干渉することはない。
【0017】
また、前記第一ブーム10及び第二ブーム11は、第一ブーム10を最大限持ち上げた状態において、後方に傾斜した姿勢となるように構成されており、第二ブーム11よりも先端側部分に連結される第三ブーム12、アーム13、及び、バケット14の前方への突出量が小さくなるようにしている。さらに、第一ブームを最大限持ち上げた場合に、地面に対する第二ブーム11の立設角度が第一ブーム10の立設角度よりも大きくなるように構成され、第二ブーム11は第一ブーム10よりも垂直に近い状態で立設されている。
【0018】
そして、図1に示す姿勢において、即ち、第一ブームを最大限持ち上げた状態においては第二ブーム11の上端から第三ブーム12が略前方へ延出し、該第三ブーム12の前端からアーム13が略下方に延出して、該アーム13と第二ブーム11とが略平行に配置されており、第二ブーム11、第三ブーム12、アーム13、及び、第二ブーム11下端とアーム13下端とを結ぶ線、により囲まれる領域が略矩形状に形成されるとともに、この領域内にバケット14が配置されている。
【0019】
以上の如く構成したバックホウ装置5を、第一ブームを前方に傾倒して最深掘削状態とした場合は、図3、図4に示すように、第二ブーム11の先端部から第三ブーム12が下方に延出され、該第三ブーム12の下端部からアーム13が下方に延出され、該アーム13の下端部にバケット14が取り付けられた状態となるように構成している。この場合、第二ブーム11と第三ブーム12との連結部が地表近傍に位置しており、バックホウ装置5による最大の掘削深さは、第三ブーム12の長さ寸法Aと、アーム13の長さ寸法Bと、バケット14の長さ寸法Cとを加えたものにほぼ等しくなる。
【0020】
従って、図12に示す如く、従来のバックホウ装置85を最深掘削状態としたときに、第二ブーム91と第三ブーム92との連結部近傍から、該第三ブーム92に連結されたアーム93が直接下方に延出する形態となっていて、掘削深さがアーム93とバケット94の長さ分となっている場合に比べると、第三ブーム12の長さ寸法Aの分だけ掘削深さを深くすることができる。また、掘削深さを深くするためには、第三ブーム12の長さ寸法A、及び、アーム13の長さ寸法Bが重要であり、該長さ寸法A・Bを長く形成する程、掘削深さを深くすることができる。また、第三ブーム12の左右幅W1と、アーム13の左右幅W2とは、バケット14の左右幅W3 よりも小さく形成して、最深掘削時に第三ブーム12やアーム13が溝の側面等に当たって破損することを防止している。
【0021】
また、図11に示すバックホウ装置85においても、第三ブーム92を次のように構成することにより、掘削深さを深くすることができる。即ち、バックホウ装置85を最深掘削状態としたときに、図5、図6に示す第三ブーム92の如く、第二ブーム91の先端部から該第三ブーム92が下方に長く延出されるように構成すればよく、掘削深さを第三ブーム92の長さ寸法Dと、アーム93の長さ寸法Eと、バケット94の長さ寸法Fとを加えたものとすることができる。この場合も、第三ブーム92の長さ寸法D、及び、アーム93の長さ寸法Eを長く形成する程、掘削深さを深くすることができる。
【0022】
また、前述の如く、図1に示す姿勢においては、該アーム13と第二ブーム11とが略平行に配置され、第二ブーム11、第三ブーム12、アーム13、及び、第二ブーム11下端とアーム13下端とを結ぶ線、により囲まれる領域が略矩形状に形成されている。従って、前記領域、特に、該領域の上部を広く確保することができ、バケット14内に掘削したアスファルト等の大きな掘削物を入れたまま、該バケット14を巻き込んだ場合でも、バケット14からはみ出した掘削物に、第二ブーム11や第三ブーム12やアーム13が当たることがなく、第二ブーム11や第三ブーム12やアーム13が掘削物によって損傷することを防止することができる。
【0023】
さらに、第三ブーム12を長く形成して、アーム13と第二ブーム11とを略平行に配置することにより、バケット14により掘削した土砂等の掘削物をダンプトラック等へ積む場合に、該ダンプトラックの荷台の奥側まで積むことが可能となる。即ち、例えば、掘削した土砂等の掘削物をダンプトラック等の荷台へ後方から積み込む場合には、バックホウ装置5は図7に示すような姿勢となり、バケット14の先端は、ダンプトラック等の荷台51の後端から、ほぼ、第三ブーム11の長さ寸法Aとアーム12の長さ寸法Bとバケット13の長さ寸法Cとを加えた寸法L1だけ、該荷台51の奥側(前方側)へ到達することができて、荷台51の後端から寸法L1だけ奥側まで掘削物を積み込むことが可能となるのである。
【0024】
これに対し、従来の超小旋回作業機においては、図8に示すように、バケット94の先端は、ほぼ、アーム93の長さ寸法Eとバケット14の長さ寸法Fとを加えた、前記寸法L1より短い寸法L2だけしか、荷台51の奥側(前方側)へ到達することができず、荷台51の後端から寸法L2だけしか奥側まで掘削物を積み込むことができない。
【0025】
このように、アーム13と第二ブーム11とを略平行に配置することにより、バケット14内からはみ出した掘削物によって第二ブーム11や第三ブーム12やアーム13が損傷することを防止できるとともに、ダンプトラックの荷台51の奥側まで掘削物を積み込むことが可能となり、バックホウ装置5の耐久性向上と作業性の向上を図ることができるのである。
【0026】
また、図1に示す、第三ブーム12とアーム13とが連結されているアーム支点21は、第二ブーム11と第三ブーム12とを連結している上部回動軸16の軸心延長線Pよりも上方に配置して、図9に示すように、第一ブーム10を前方に傾倒して表面掘削を行う場合に、第三ブーム12の地面に対する傾斜角度が小さくなるように構成している。これにより、表面掘削時の第三ブーム12上端部、即ち、バックホウ装置5の上端部の対地高さH1を、図10に示す、アーム支点21が上部回動軸16の軸心延長線Pよりも下方に配置されていて、表面掘削時に第三ブーム12の地面に対する傾斜角度が大きくなるように構成した場合における、バックホウ装置5の上端部の対地高さH2よりも低く構成することができる。
【0027】
このように、表面掘削時にバックホウ装置5上端部の高さを低く抑えるように構成することで、作業時にバックホウ装置5の上方に位置する障害物等に、該バックホウ装置5が当って損傷することを防止することができ、低い作業スペースしかない場所においても、掘削作業を行うことが可能となる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1の如く、旋回台の運転部横側方に上下回動自在に取り付けられた第一ブーム、該第一ブームの先端部に左右方向へ回動自在に取り付けられた第二ブーム、該第二ブームに左右方向へ回動可能に取り付けられた第三ブーム、該第三ブームに上下方向に回動可能に取り付けられたアーム、及び、該アームの先端に取り付けられたバケットを有し、該第二ブームの左右方向への回動によりバケットを左右方向へオフセット可能に構成した超小旋回作業機において、第一ブームを前方に傾倒したバケットの最深掘削状態にて、第二ブームと第三ブームとの連結部から第三ブームが下方に延出するように、該第三ブームを形成し、該第三ブームの左右幅をバケットの左右幅よりも小さく形成し、前記第一ブームを最大限持ち上げた状態で、地面に対する第二ブームの立設角度が第一ブームの立設角度よりも大きくなるように構成され、該第二ブームは第一ブームよりも垂直に近い状態で立設し、更に、前記第一ブームを前方に傾倒して最深掘削状態とした状態で、前記第二ブームと第三ブームとの連結部が地表近傍に位置し、バケットによる最大の掘削深さは、第三ブームの長さ寸法(A)と、アームの長さ寸法(B)と、バケットの長さ寸法(C)とを加えたものにほぼ等しくなるように構成したので、バックホウ装置を最深掘削状態としたときに、第三ブームの長さ寸法とアームの長さ寸法ととバケットの長さ寸法とを加えただけの長さ寸法を掘削深さとして確保することができ、バックホウ装置の掘削深さを深く構成することができる。
また、第三ブームの左右幅をバケットの左右幅よりも小さく形成することにより、最深掘削時に第三ブームが溝の側面等に当たって破損することを防止することができる。
【0029】
また、該第一ブーム(10)を最大限持ち上げた状態で、第三ブーム(12)とアーム(13)とを連結するアーム支点(21)を、第二ブーム(11)と第三ブーム(12)とを連結する上部回動軸(16)の軸心延長線(P)よりも上方に配置したので、図9に示す如く、表面掘削時の第三ブーム12上端部、即ち、バックホウ装置5の上端部の対地高さH1を、図10に示す、アーム支点21が上部回動軸16の軸心延長線Pよりも下方に配置されていて、表面掘削時に第三ブーム12の地面に対する傾斜角度が大きくなるように構成した場合における、バックホウ装置5の上端部の対地高さH2よりも低く構成することができる。
このように、表面掘削時にバックホウ装置上端部の高さH1を低く抑えることが可能となり、作業時にバックホウ装置の上方に障害物等があったとしても、該バックホウ装置が障害物等に当って損傷することを防止することができ、低い作業スペースしかない場所においても、掘削作業を行うことが可能となる。
【0030】
また、該第一ブーム(10)を最大限持ち上げると共に、アーム(13)を左右にオフセットせずに最大限巻き込んだ状態で、前記第二ブーム(11)とアーム(13)とが、略平行に配置されるように構成したので、第二ブーム、第三ブーム、アーム13、及び、第二ブーム下端とアーム下端とを結ぶ線、により囲まれる領域を広く確保することができ、バケット内に掘削したアスファルト等の大きな掘削物を入れたまま、該バケットを巻き込んだ場合でも、バケットからはみ出した掘削物に、第二ブームや第三ブームやアームが当たることがなく、第二ブームや第三ブームやアームが掘削物によって損傷することを防止することができる。
また、バケットの先端が、ダンプトラック等の荷台の後端から、ほぼ、第三ブームの長さ寸法とアームの長さ寸法とバケットの長さ寸法とを加えた寸法だけ、該荷台の奥側(前方側)へ到達することができることとなるので、例えば、従来の図8の状態に比べて、図7に示す状態のように、荷台の奥側まで掘削物を積み込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超小旋回作業機を示す側面図である。
【図2】 同じく後面図である。
【図3】 バックホウ装置が最深掘削状態にある超小旋回作業機を示す側面図である。
【図4】 同じく正面図である。
【図5】 バックホウ装置85が最深掘削状態にある旋回作業機において第三ブームが下方に延出するように構成したものを示す側面図である。
【図6】 同じく正面図である。
【図7】 掘削物をダンプトラックの荷台に積み込む状態にある本発明の超小旋回作業機を示す側面図である。
【図8】 掘削物をダンプトラックの荷台に積み込む状態にある従来の超小旋回作業機を示す側面図である。
【図9】 本発明において、アーム支点を上部回動軸の軸心延長線よりも上方に配置した場合の表面掘削時におけるバックホウ装置の上端部の対地高さを示す側面図である。
【図10】 アーム支点を上部回動軸の軸心延長線よりも下方に配置した場合の表面掘削時におけるバックホウ装置の上端部の対地高さを示す側面図である。
【図11】 従来の超小旋回作業機を示す側面図である。
【図12】 バックホウ装置が最深掘削状態にある従来の超小旋回作業機を示す側面図である。
【図13】 同じく正面図である。
【符号の説明】
1 走行装置
4 旋回台
5 バックホウ装置
7 キャノピー
7a 前部支柱
8 旋回径
9 運転部
10 第一ブーム
11 第二ブーム
12 第三ブーム
13 アーム
14 バケット(作業用アタッチメント)
15 下部回動軸
16 上部回動軸
21 アーム支点
30 オフセットロッド
31 オフセットシリンダ
Claims (1)
- 旋回台(4)の運転部(9)横側方に上下回動自在に取り付けられた第一ブーム(10)、該第一ブーム(10)の先端部に左右方向へ回動自在に取り付けられた第二ブーム(11)、該第二ブーム(11)に左右方向へ回動可能に取り付けられた第三ブーム(12)、該第三ブーム(12)に上下方向に回動可能に取り付けられたアーム(13)、及び、該アーム(13)の先端に取り付けられたバケット(14)を有し、該第二ブーム(11)の左右方向への回動によりバケット(14)を左右方向へオフセット可能に構成した超小旋回作業機において、前記第一ブーム(10)を前方に傾倒した、バケット(14)の最深掘削状態にて、第二ブーム(11)と第三ブーム(12)との連結部から第三ブーム(12)が下方に延出するように、該第三ブーム(12)を形成し、該第三ブーム(12)の左右幅をバケット(14)の左右幅よりも小さく形成し、
更に、前記第一ブーム(10)を前方に傾倒して、最深掘削状態とした状態で、前記第二ブーム(11)と第三ブーム(12)との連結部が地表近傍に位置し、バケット(14)による最大の掘削深さは、第三ブーム(12)の長さ寸法(A)と、アーム(13)の長さ寸法(B)と、バケット(14)の長さ寸法(C)とを加えたものにほぼ等しくなるように構成し、前記第一ブーム(10)を最大限持ち上げた状態で、該第一ブーム(10)は後方に傾斜した姿勢となり、第二ブーム(11)は第一ブーム(10)よりも垂直に近い状態で立設し、地面に対する第二ブーム(11)の立設角度が第一ブーム(10)の立設角度よりも大きくなるように構成し、該第一ブーム(10)を最大限持ち上げた状態で、第三ブーム(12)とアーム(13)とを連結するアーム支点(21)を、第二ブーム(11)と第三ブーム(12)とを連結する上部回動軸(16)の軸心延長線(P)よりも上方に配置し、該第一ブーム(10)を最大限持ち上げると共に、アーム(13)を左右にオフセットせずに最大限巻き込んだ状態で、前記第二ブーム(11)とアーム(13)とが、略平行に配置されるように構成したことを特徴とする超小旋回作業機。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24600898A JP4081186B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 超小旋回作業機 |
EP99924029A EP1146174B1 (en) | 1998-08-31 | 1999-06-14 | Extremely-small-swing working machine |
PCT/JP1999/003175 WO2000012826A1 (fr) | 1998-08-31 | 1999-06-14 | Machine de terrassement a tres petit pivotement |
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