JP3948654B2 - 建設用基礎機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎杭の施工や地盤改良等の作業に用いられるリーダを備えた建設用基礎機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
基礎杭の施工や地盤の改良にはリーダを備えた基礎機械が用いられる。この基礎機械は、履帯式の走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、旋回体の前方側部に設けられる運転室と、運転室の側方で旋回体の前方中央部に設けられるリーダとを備える。このリーダは、杭打ち用のアタッチメントとしてオーガ駆動装置やハンマ装置等が、地盤改良用のアタッチメントとして攪拌装置がそれぞれ昇降可能に取り付けられる。また、リーダは、旋回体に対して起立した状態とその状態から前方もしくは後方(旋回体側)に俯仰動可能に構成され、輸送時や移動時に旋回体上にリーダを倒して背負い込む姿勢に変更できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この基礎機械は、都市土木等に用いられる関係から小型化され、住宅地等でも使用されるようになってきている。この小型化された基礎機械は、履帯式走行体、旋回体を備えた油圧ショベルの本体をベースマシンとして構成される傾向にあり、最近は居住性、操作性の観点から運転室が大型化している。そのため、このベースマシンにリーダを搭載する場合、前述のように輸送や移動時にリーダを背負い込む姿勢を可能にするには、運転室をかわして設ける必要があり、結果として、リーダが旋回体の前部中央部よりもさらに運転室から遠ざかる側方に設けざるを得なくなってしまう。しかし、リーダは、施工する杭の杭芯や地盤改良の攪拌位置の状態を確認する必要から旋回体の前方中央部付近に設けて運転室からそれらを確認できることが望まく、上述のようなベースマシンを利用することによりそれらが確認しずらく作業性が低下することが懸念される。また、基礎機械は、リーダが高く作業時にはオーガ等重い作業装置が高い位置に来るため安定性が悪く、前後方向に比べて幅寸法の小さい走行体の側方位置での安定性が低下しやすい。そのため、前述したようにリーダ等の作業装置が中心から遠くなるほど側方の安定性が悪くなってしまう。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑み、油圧ショベル等の小型のベースマシンを利用し、輸送性、移動性を確保しつつ、作業性と安定性を向上させることができる建設用基礎機械を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の建設用基礎機械は、走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体の前端側方位置に設けられる運転室と、前記旋回体の前端で前記運転室の側方の中央寄りに設けられ、起立した作業姿勢と、倒伏した輸送姿勢の間で俯仰動可能に設けられるリーダとを備えた建設用基礎機械において、前記旋回体の前部に向きを一定にして油圧シリンダにより横移動可能に取付けられたフロントフレームと、前記フロントフレームに油圧シリンダにより左右に揺動可能に取付けられたスイングフレームと、前記スイングフレームに俯仰動可能に設けられたリーダと、前記リーダと前記スイングフレームとを連結し、前記フロントフレームと一緒に横移動するリーダ俯仰動用の油圧シリンダとを備え、前記フロントフレームの横移動範囲を、前記リーダが前記運転室の前方になる位置から、前記リーダ俯仰の際に前記リーダが前記運転室に干渉しない位置にわたって設定したことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の建設用基礎機械において、前記フロントフレームは、スライド機構により前記旋回体に横移動可能に取付けられていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の建設用基礎機械において、前記フロントフレームは、スライド機構により前記旋回体に横移動可能に取付けられていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の建設用基礎機械において、前記フロントフレームには、前記リーダの起立時に前記リーダを安定させるためのジャッキが設けられることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の建設用基礎機械の第1の実施の形態を図1〜図3により説明する。図1は、本発明の建設用基礎機械の全体構成を示す側面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は図2の平面図である。
【0010】
図1において、1は、履帯式の走行体、2は、走行体1上に旋回可能に設けられる旋回体、3は、旋回体2の前方側部に設けられた運転室、4は、旋回体2の前側中央部に設けられ、後述する横移動機構10を介して前傾、後傾可能に設けられるリーダ、5は、リーダ4に昇降可能に設けられた作業アタッチメントとしてのオーガ装置、6は、一端がリーダ4に取り付けられ、他端が横移動機構10側に連結された油圧シリンダで、この油圧シリンダ6の伸縮によりリーダ4が回動する。7は、旋回体2の後部に設けられ、リーダ4を起立させて作業アタッチメントによる作業の際に車体の安定度を確保するための油圧ジャッキ、8は、リーダ4の背面部に設けられた補助吊作業用のウインチ、9は、リーダ4の頂部に設けられ、ウインチ8から繰り出されるワイヤロープをリーダ4の前方に吊下するジブである。そして、10は、リーダ4を車体の前後方向に回動可能に支持すると共に、左右方向に移動させる横移動機構である。
【0011】
次に前述した横移動機構10を図2、図3により説明する。図2、図3において、11、12は、旋回体2のフレーム2aにピン13、14によりそれぞれ水平方向に回動可能に設けられるリンクであり、図中、旋回体2の中心線aより運転室3側に設けられるリンク11は、回動により運転室3の下方部分に入り込むため、高さ方向の幅がhに設定され、中心線aを挟んで対峙するリンク12は、強度を考慮して高さ方向の幅がHに設定され、両者の関係は(h<H)となっている。このリンク11、12により平行リンクAを構成している。15は、リンク11、12にそれぞれピン16、17により回動可能に設けられたフロントフレームであり、フロントフレーム15は、リンク11、12からなる平行リンクAにより旋回体2に対して水平方向に揺動可能になっている。18は、フロントフレーム15にピン19により回動可能に設けられるスイングフレームであり、スイングフレーム18は、ピン19を回動中心として左右方向に揺動可能になっている。そして、前述のリーダ4は、基端部がこのスイングフレーム18にピン20により軸支され、中間部が油圧シリンダ6によりスイングフレーム18に連結されて前方、後方に俯仰動可能になっている。
【0012】
22は、フロントフレーム15の左右両側に設けられる油圧ジャッキであり、前述した油圧油圧ジャッキ7同様車体の安定を図るものである。23は、平行リンクAを左右に揺動させる油圧シリンダであり、フレーム2aに一端を軸支し、他端をリンク12に設けたブラケット12aに軸支して設けられる。24、25は、それぞれスイングフレーム18を左右に揺動させる油圧シリンダであり、それぞれスイングフレーム18を挟むように配置され、一端がフロントフレーム15に他端がスイングフレーム18に軸支され、それぞれの伸長、収縮によりスイングフレーム18を左右に揺動させる作用をなす。
【0013】
次にこのように構成される建設用基礎機械の動作について説明する。まず、作業姿勢とする場合は、リーダ4が起立した状態において、図3に示すように油圧シリンダ23を伸長させて、リーダ4の中心が運転室3の略前方位置になるようにフロントフレーム15を移動させる。このフロントフレーム15の移動は、平行リンクAの移動により行われ、フロントフレーム15と共に移動するリーダ4の中心位置が、運転室3内のオペレータがリーダ4の前方に装着される作業アタッチメントの動作状況を確認し易いように運転室3の右側面の延長上になることを目安とする。そしてこの状態でジャッキ22を伸長させてリーダ4とともにフロントフレーム15を固定し安定性を確保する。リーダ4の前後、左右の傾斜はそれぞれ油圧シリンダ6、油圧シリンダ24、25を伸縮させて調整する。平行リンクAの移動によりリンク11は運転室3の下方部分に入り込むが、リンク11は、それを考慮した幅薄のhに形成され、リンク12が、リンク11よりも幅厚のHに形成されているため、例えばオーガ装置5により地盤を掘削する際の反力を支持しうる強度を確保している。
【0014】
リーダ4を後傾させ旋回体2上に背負い込んだ輸送姿勢にする際には、ジャッキ22を収縮させて、フロントフレーム15と地面との接触を解き、油圧シリンダ23を収縮させて、フロントフレーム15を運転室3から離れる方向に横移動させて、平面視においてリーダ4が俯仰する際にリーダ4が運転室3に干渉しない位置とする。そしてこの状態から油圧シリンダ6を収縮させる。これにより運転室3と干渉せずリーダ4を旋回体2に略平行な状態に背負い込む姿勢とすることができる。
【0015】
本実施の形態によれば、作業時には、平行リンクAによりリーダ4を、フロントフレーム15ともに、運転室3の前方に位置させて作業性、安定性を向上させることができ、輸送時には、フロントフレーム15とともにリーダ4を運転室3と干渉しない位置まで移動させることができるので本体に比べて運転室3が比較的大きい小型の油圧ショベルをベースマシンとして基礎機械を構成することができる。
【0016】
次に、第2の実施の形態を図4、図5により説明する。図4は第1の実施の形態における図2に、図5は、図3に対応する図面である。本実施の形態の特徴は、フロントフレーム15の移動機構を、第1の実施の形態における平行リンクAに代えて直線移動形のスライド機構とした点である。以下説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同一の構造をなすものには、同一の符号を付し、相違点のみを主に説明する。図4において、30は、旋回体2の前端部に設けられる平板状のガイドプレートであり、後述するフロントフレーム40を旋回体2の前端部に沿って横移動させるために案内するものである。40は、前述のフロントフレーム15とほぼ同様の構造をもつフロントフレームで、旋回体2と連結する部分に、ガイドプレート30を上下両側から挟み込み、摺動可能に嵌合する凹状の連結部41を有する。このフロントフレーム40は、ガイドプレート30に設けられたブラケット31と、フロントフレーム40に設けられたブラケット42との間に設けられた油圧シリンダ43により旋回体2に対して横移動する構成を有する。本実施の形態において、作業時には、油圧シリンダ43を収縮させて、第1の実施の形態と同様にリーダ4が運転室3の前方位置となるようにフロントフレーム40を移動させる。輸送時には、油圧シリンダ43を伸長させてフロントフレーム40をリーダ4が運転室3から遠ざかる方向に移動させる。これにより前述と同様の効果が得られるとともに、平行リンクAを用いた場合に比べて部品点数が少なくてすみ構造が簡素化できる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の建設用基礎機械によれば、オペレータの居住性を考慮して運転室を大きくしても、作業性、安定性、輸送性を満足しつつ、小型の基礎機械を構成することができるため、例えばベースマシンとして小型のショベルの本体を利用することができ、製作コストを低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建設用基礎機械の第1の実施形態の全体構成を示す側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2における平面図である。
【図4】本発明の建設用基礎機械の第2の実施形態を示す要部拡大図である。
【図5】図4における平面図である。
【符号の説明】
2;旋回体
2a;フレーム
3;運転室
4;リーダ
5;オーガ装置
6、23、24、25、43;油圧シリンダ
7、22;ジャッキ
10;横移動機構
11、12;リンク
13、14、16、17;ピン
15、40;フロントフレーム
18;スイングフレーム
30;ガイドフレーム
31、42;ブラケット
41;連結部
A;平行リンク
Claims (4)
- 走行体と、
前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、
前記旋回体の前端側方位置に設けられる運転室と、
前記旋回体の前端で前記運転室の側方の中央寄りに設けられ、起立した作業姿勢と、倒伏した輸送姿勢の間で俯仰動可能に設けられるリーダとを備えた建設用基礎機械において、
前記旋回体の前部に向きを一定にして油圧シリンダにより横移動可能に取付けられたフロントフレームと、
前記フロントフレームに油圧シリンダにより左右に揺動可能に取付けられたスイングフレームと、
前記スイングフレームに俯仰動可能に設けられたリーダと、
前記リーダと前記スイングフレームとを連結し、前記フロントフレームと一緒に横移動するリーダ俯仰動用の油圧シリンダとを備え、
前記フロントフレームの横移動範囲を、前記リーダが前記運転室の前方になる位置から、前記リーダ俯仰の際に前記リーダが前記運転室に干渉しない位置にわたって設定したことを特徴とする建設用基礎機械。 - 請求項1に記載の建設用基礎機械において、前記フロントフレームは、平行リンク機構により前記旋回体に横移動可能に取付けられていることを特徴とする建設用基礎機械。
- 請求項1に記載の建設用基礎機械において、前記フロントフレームは、スライド機構により前記旋回体に横移動可能に取付けられていることを特徴とする建設用基礎機械。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の建設用基礎機械において、前記フロントフレームには、前記リーダの起立時に前記リーダを安定させるためのジャッキが設けられることを特徴とする建設用基礎機械。
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