JPWO2005003062A1 - 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、製造上の困難性を解決し、効率的且つ安価に、様々な分子構造を有する含フッ素スルホニルフルオリド化合物を得る方法の提供を目的とする。 すなわち本発明は(FSO2−)nRA(−E−RB)m(1F)を液相中でフッ素と反応させて、(FSO2−)nRAF(−EF−RBF)m(2)とし、さらに、該化合物を分解して(FSO2−)nRAF(−EF1)m(3)を得る方法を提供する。 ただし、RAは炭素数2以上の(n+m)価の有機基、RAFはRAがフッ素化された基等、RB、RBFはフッ素化された1価の有機基等、Eは−COOCH2−等、EFは−COOCF2−等、EF1は−COF等、nは2以上の整数、mは1以上の整数を示す。

Description

本発明は、イオン交換樹脂原料等として有用な含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法、および該製造方法における中間体として有用な新規な化学物質に関する。
含フッ素スルホニルフルオリド化合物は、イオン交換樹脂の原料として有用な化合物である。該化合物の製造方法としては、つぎの方法が知られている。
(1)テトラフルオロエチレンと三酸化イオウ(SO)との反応により得た環状化合物に、ヘキサフルオロプロピレンオキシド等のペルフルオロアルキレンオキシドを反応させる方法(たとえば、下式で表される方法および国際公開第02/44138号パンフレット参照)。
Figure 2005003062
(2)水酸基を有する炭化水素系スルホン酸誘導体を出発原料として、含フッ素カルボン酸とのエステルとし、これを直接フッ素化して、つぎに熱分解する方法(国際公開第02/44138号パンフレット参照)。
(3)下式で表される方法により、2個のフルオロスルホニル基と1個のフルオロホルミル基を併有する化合物を製造する方法(エフ・フォロハル(F.Forohar),デー・デー・デスマルト(D.D.DesMarteau)ら著,ジャーナル・オブ・フルオリン・ケミストリー「J. Fluorine Chem.,1994,66,101.参照」。
Figure 2005003062
しかし、(1)の方法は、SOの取扱いに注意を要するために工業的な実施には不利な方法であった。また合成の困難性も高いため、経済性の点で不利であった。また生成物は側鎖(たとえば−CF基等。)を有する化合物に限定されるため、イオン交換膜となったときの性能や膜特性の問題があった。
(2)の方法は、(1)の方法の欠点を解決する方法であるが、出発物質としてフルオロスルホニル基を有する化合物の入手が限定されるため、製造できる化合物が限定される場合があった。また生成物はフルオロスルホニル基を1個のみ有する化合物であった。
(3)の方法は、2つの工程でSOを用いるため、工業的な製造方法としては不利である。また化合物の骨格も限定される問題があった。
本発明は従来方法の問題点を解決する目的でなされたものであり、容易に入手可能な原料から、種々の分子構造を有し、かつ、任意の数のフルオロスルホニル基を有する含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、以下の各発明を提供する。
<1>下式(1F)で表される化合物を液相中でフッ素と反応させて下式(2)で表される化合物とし、つぎに、式(2)で表される化合物を分解して下式(3)で表される化合物を得ることを特徴とする下式(3)で表される含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法。
(FSO−)(−E−R (1F)
(FSO−)AF(−E−RBF (2)
(FSO−)AF(−EF1 (3)
(ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
は、炭素数2以上の(n+m)価の有機基。
は、1価の有機基。
Eは、2価の連結基。
AFは、Rと同一の基またはRがフッ素化された(n+m)価の有機基。
BFは、Rと同一の基またはRがフッ素化された1価の有機基。
は、Eと同一の基またはEがフッ素化された2価連結基。
F1は、Eの分解により形成される1価基。
nは、2以上の整数。
mは、1以上の整数。
ただし、R、R、およびEの少なくとも1つはフッ素化されうる基であり、RAF、RBF、およびEの少なくとも1つは、それぞれ、R、R、およびEがフッ素化されて形成した基である。)
<2>下式(7)で表される化合物をハロゲン原子を必須とする酸化剤を用いて酸化して下式(1)で表される化合物とし、該式(1)で表される化合物においてXがフッ素原子である場合には該化合物を式(1F)で表される化合物として用い、該式(1)で表される化合物においてXがフッ素原子以外のハロゲン原子である場合には、つぎに該Xをフッ素原子に変換して得た化合物を式(1F)で表される化合物として用いる<1>の製造方法。ただし、下式中のR、E、R、n、およびmは、前記と同じ意味を示す。Yは水素原子、1価の有機基、または−SO 基(ただし、Mはアルカリ金属原子を示す。)を示し、Xはハロゲン原子を示す。
(Y−S−)(−E−R (7)
(XSO−)(−E−R (1)
<3>Xが塩素原子である<2>の製造方法。
<4>Xが塩素原子である場合において、酸化を、水を必須とする溶媒中で塩素と反応させることにより行う<2>または<3>の製造方法。
<5>下式(11)で表される化合物をハロゲン原子を必須とする酸化剤を用いて酸化して下式(1−A)で表される化合物を得て、該式(1−A)で表される化合物においてXがフッ素原子である場合には、nが2である式(1F)で表される化合物として用い、Xがフッ素原子以外である場合には、該Xをフッ素原子に変換してnが2である式(1F)で表される化合物として用いる<1>の製造方法。ただし、下式中のRA1は炭素数2以上の(2+m)価の有機基であり、E、R、n、X、およびmは、前記と同じ意味を示す。
Figure 2005003062
<6>Eが−CHOCO−基(ただし、該基の向きは限定されず、ケト基を形成する炭素原子はR、RA1またはRと結合する。)であり、Eが−CFOCO−基(ただし、該基の向きはEの向きに対応する同じ向きであり、ケト基を形成する炭素原子はRAFたはRBFと結合する。)であり、EF1が−COF基である<1>〜<5>のいずれかの製造方法。
<7>式(1F)で表される化合物が、フッ素含量が30質量%以上であり、かつ、分子量が200〜1300である化合物である<1>〜<6>のいずれかの製造方法。
<8>Rが、(n+m)価飽和炭化水素基またはヘテロ原子含有(n+m)価飽和炭化水素基であり、Rが、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ1価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)]基であり、式(2)で表される化合物がペルフルオロ化された化合物であり、RAFが、ペルフルオロ(n+m)価飽和炭化水素基またはペルフルオロ[ヘテロ原子含有(n+m)価飽和炭化水素]基であり、RBFがRと同一の基である<1>〜<7>のいずれかの製造方法。
<9>下式(7−a)で表される化合物を、水を必須とする溶媒中で塩素と反応させることにより酸化して下式(1−a)で表される化合物とし、該式(1−a)で表される化合物をフッ化して下式(1F−a)で表される化合物とし、該式(1F−a)で表される化合物を液相中でフッ素と反応させることにより下式(2−a)で表される化合物とし、該式(2−a)で表される化合物においてエステル結合の分解反応を行うことを特徴とする下式(3a−1)で表される化合物の製造方法。
(Y−S)(−CHOCO−RBF (7−a)
(ClSO−)(−CHOCO−RBF (1−a)
(FSO−)(−CHOCO−RBF (1F−a)
(FSO−)CF(−CFOCO−RBF (2−a)
(FSO−)CF(−COF) (3a−1)
ただし、式中のYは水素原子、1価の有機基、または−SO 基(ただし、Mはアルカリ金属原子を示す。)を示し、Rは炭素数2以上のフッ素原子を含まない(p+q)価の有機基を示し、RCFはRがペルフルオロ化された基であり炭素数2以上のペルフルオロ化された(p+q)価の有機基を示し、RBFはペルフルオロ化された1価有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
<10>下式(3a−1)で表される化合物。
(FSO−)CF(−COF) (3a−1)。
ただし、式中のRCFは、ペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価の有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
<11>下式(3a−11)で表される化合物。
Figure 2005003062
ただし、aは1〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、Qは単結合またはエーテル性酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を示す。
<12>下式(3a)で表される化合物にヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加させることを特徴とする下式(12a)で表される化合物の製造方法。
(FSO−)AF(−COF) (3a)
(FSO−)AF(−CFOCF(CF)COF) (12a)
ただし、RAFはRと同一の基またはRがフッ素化された(n+m)価の有機基を示し、nは2以上の整数を示し、mは1以上の整数示す。
<13>下式(12a−1)で表される化合物。
(FSO−)CF(−CFOCF(CF)COF) (12a−1)
ただし、RCFはペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価の有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
<14>下式(12a−11)で表される化合物。
Figure 2005003062
ただし、aは1〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、Qは単結合またはエーテル性酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を示す。
<15>下式(12a)で表される化合物を熱分解反応させることを特徴とする下式(13b)で表される含フッ素スルホニルビニルエーテル化合物の製造方法。
(FSO−)AF(−CFOCF(CF)COF) (12a)
(FSO−)AF(−CFOCF=CF (13b)
ただし、RAFはペルフルオロ化された(n+m)価の有機基を示し、nは2以上の整数を示し、mは1以上の整数示す。
<16>下式(13a−1)で表される化合物。
(FSO−)CF(−CFOCF=CF (13a−1)
ただし、RCFはペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価の有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
<17>下式(13b−11)で表される化合物。
Figure 2005003062
ただし、aは1〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、Qは単結合またはエーテル性酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を示す。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を、「化合物1」と略記する。他の式で表される化合物においても同様に記す。
本明細書において、「有機基」とは炭素原子を1以上含む基をいう。「飽和」基とは炭素−炭素結合が単結合のみからなる基をいう。
「ハロゲノ」基とは、炭素原子に結合した水素原子の1個以上がハロゲン原子で置換された基をいう。「ペルハロゲノ」基とは、炭素原子に結合した水素原子の実質的に全てがハロゲン原子で置換された基をいい、「部分ハロゲノ」基とは、炭素原子に結合した水素原子の一部がハロゲン原子で置換された基をいう。これらの基において、ハロゲン原子がフッ素原子に特定される場合は、「ペルフルオロ」、「部分フルオロ」等のように記す。他のハロゲン原子においても同様に記す。
「ペルハロゲノ」基および「部分ハロゲノ」基中のハロゲン原子は、1種であっても2種以上であってもよい。「ペルハロゲノ」基としては、炭素原子に結合した水素原子の全部がハロゲン原子に置換された基が好ましいが、非置換の水素原子が残っている場合であっても、基としての性質が「ペルハロゲノ」基と実質的に同等である場合には、本発明においては、「ペルハロゲノ」基の概念に含める。
本発明において、「ヘテロ原子含有」基とは、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子等のヘテロ原子、または、−C−C(O)−C−、または、−C−SO−C−等のヘテロ原子団を含む基をいう。ヘテロ原子含有基としては、エーテル性酸素原子(−O−)を含有する基が好ましい。
本発明において、「フッ素化」とは、化合物中にフッ素原子を導入することをいう。通常のフッ素化は、炭素原子に結合した水素原子をフッ素原子に置換する反応である。また有機基中に、不飽和結合が含まれる場合は、該不飽和結合にフッ素原子が付加する反応もフッ素化という。
本発明の製造方法は、複数の反応工程からなる製造プロセスである。以下の説明において、特定の反応工程で生成した反応生成物を次の工程に用いる場合には、そのままつぎの反応等に用いてもよく、次の工程における反応を円滑に進行させるための精製を行ってもよい。該粗生成物の精製方法としては、粗生成物をそのまま蒸留する方法、粗生成物を希アルカリ水などで処理して分液する方法、粗生成物を適当な有機溶媒で抽出した後に蒸留する方法、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等が挙げられる。
本発明の製造方法における出発物質は化合物1Fである。化合物1Fは、Rで表される基に、n個のフルオロスルホニル基(FSO−)と、m個の式−E−Rで表される基が結合した化合物である。Rは、(n+m)価の有機基であり、かつ、炭素数2以上の基である。Rの炭素数は2以上であり、2〜10が好ましい。
としては、C−H結合を必須とする(n+m)価の有機基であるのが好ましい。該有機基としては、炭化水素基、フルオロ炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、およびフルオロ(ヘテロ原子含有炭化水素)基から選ばれる基であり、かつ、炭素数2以上の(n+m)価の基が特に好ましい。炭化水素基部分としては、脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基が好ましく、脂肪族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基の構造は、直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環になった構造等が挙げられ、分岐構造であるのが好ましい。
このうちRとしては、フッ素原子を含まない飽和の基が好ましい。さらにRとしては、ヘテロ原子含有飽和炭化水素基であり、かつ、炭素数2以上の(n+m)価の基が特に好ましく、エーテル性酸素原子を含有する飽和炭化水素基であり、かつ、炭素数2以上の(n+m)価の基がとりわけ好ましい。
化合物1Fにおけるnは2以上の整数であり、mは1以上の整数である。nは2または3が好ましく、mは1または2が好ましい。(n+m)は3以上の整数であり、3〜5が好ましく、化合物1Fの入手の容易さの点から、(n+m)は3であるのが特に好ましい。すなわち、Rは炭素数2以上の3価の有機基であるのが特に好ましく、有機基部分が前記の好ましい基である炭素数2以上の3価の有機基がとりわけ好ましい。Rが炭素数2以上の3価の(エーテル性酸素原子を含有する)飽和炭化水素基である場合の好ましい例としては、下式(RA−1)で表される基が挙げられる(ただし、aは1〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)。該基の具体例としては、以下の化合物1Fの具体例中に記載する基が挙げられる。
Figure 2005003062
は1価の有機基を示す。Rの炭素数は1〜20が好ましく、特に10が好ましく、2〜8がとりわけ好ましい。
としては、1価炭化水素基、ハロゲノ1価炭化水素基、ヘテロ原子含有1価炭化水素基、またはハロゲノ(ヘテロ原子含有1価炭化水素)基等が挙げられる。これらの基における1価炭化水素基部分としては、1価脂肪族炭化水素基、1価芳香族炭化水素基、および1価脂環式炭化水素基が挙げられ、1価脂肪族炭化水素基が好ましい。1価脂肪族炭化水素基部分は、1個または2個以上の不飽和結合を有していてもよいが、該部分は飽和の基であるのが好ましい。該1価脂肪族炭化水素基の構造としては、直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環になった構造が挙げられる。
部分には、フッ素原子が存在するのが好ましく、Rは1価の含フッ素有機基が好ましい。さらに1価の含フッ素有機基としては、飽和の基が好ましく、1価飽和炭化水素基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された基、またはヘテロ原子含有1価飽和炭化水素基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された基が好ましい。さらにRとしては、ペルフルオロ(1価飽和炭化水素)基またはペルフルオロ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基が好ましい。
がヘテロ原子を含有する基である場合には、入手しやすさ、製造しやすさ、および生成物の有用性の点から、エーテル性酸素原子を含有する基であるのが好ましい。該Rの具体例としては、ペルフルオロ(アルコキシアルキル)基、または、ペルフルオロ(アルコキシ)基等が挙げられる。
の具体例としては、後述の化合物1Fの具体例中に記載したRB1の例が挙げられる。
化合物1FにおけるEとしては、2価の連結基を示す。またEは、後述するフッ素化反応後に行う分解反応によってEF1を形成しうる基でもある。Eとしては−CHOCO−が好ましい。Eが−CHOCO−である場合の該基の向きは限定されず、ケト基を形成する炭素原子は、Rに結合していても、Rに結合していてもよい。このうち、本発明においては原料化合物の入手容易性の理由からE中のケト基を形成する炭素原子は、Rに結合しているのが好ましい。
化合物1Fは、液相中でフッ素と反応する化合物であることから、フッ素化されうる構造が存在する化合物である。すなわち、R、R、およびEの少なくとも1つはフッ素化されうる基である。このうち、Rおよび/またはEがフッ素化される基であり、かつ、Rがペルフルオロ化された1価の有機基であるのが好ましく、RおよびEがフッ素化される基であり、かつ、Rがペルフルオロ化された1価の有機基であるのが特に好ましい。Rがペルフルオロ化された1価の有機基である場合には、後述するRBFとRとは同一の基になる。
化合物1Fの具体例としては下記化合物が挙げられる。ただし、下式中のRB1は−(CFF(ただし、sは1〜20の整数を示し、2〜5が好ましい。)、−CF(CF、−CF(CF)O(CFF、または−CF(CF)OCFCF(CF)O(CFFを示す。
(FSOCHCH−CHOCO−RB1
(FSOCHCHOCHCH−CHOCO−RB1
(FSOCHC(−CHOCO−RB1
(FSOCHCH−COOCH−RB1
本発明における化合物1Fの入手方法については、後述する。
本発明においては、化合物1Fをフッ素化して化合物2を得る。
フッ素化反応は、液相中でフッ素(F)と反応させる液相フッ素化法により実施する。液相フッ素化法によるフッ素化法は、コバルトフッ素化法、電気化学的フッ素化法に比較して、反応の操作性および収率の点から格段に有利である。
液相フッ素化法の手法は、公知の方法が適用できる。液相フッ素化を有利に進行させるために、化合物1Fのフッ素含有量は30質量%以上であることが好ましく、30〜86質量%が特に好ましく、30〜76質量%がとりわけ好ましい。また、化合物1Fの分子量は200〜1300が好ましい。フッ素は、フッ素ガスをそのまま用いても、不活性ガスで希釈されたフッ素ガスを用いてもよい。不活性ガスとしては、窒素ガスが好ましい。
不活性ガスで希釈されたフッ素ガスを用いる場合には、不活性ガスとフッ素の総量に対するフッ素ガス量が10vol%以上であることが効率の点で好ましく、20vol%以上であることが特に好ましい。
液相フッ素化は溶媒の存在下で実施するのが好ましい。該溶媒としては、液相フッ素化に用いうる公知の溶媒が採用できる。溶媒としては、化合物1Fを1質量%以上溶解しうる溶媒が好ましく、特に5質量%以上溶解しうる溶媒が好ましい。溶媒の例としては、国際公開第02/44138号パンフレットに記載のフッ素化工程に記載される溶媒の例が挙げられる。溶媒の量は、化合物1Fに対して、5倍質量以上が好ましく、特に10〜100倍質量が好ましい。
フッ素化反応は、バッチ方式または連続方式等の方式で実施するのが好ましい。これらの方式で実施する場合には、国際公開第02/44138号パンフレットに記載される反応形式が適用できる。
フッ素化反応に用いるフッ素量は、フッ素化されうる水素原子に対して過剰量であるのが好ましい。フッ素化反応においては、該過剰量の状態を反応の開始時点から終了時点まで保つのが好ましい。たとえば、フッ素量はフッ素化されうる水素原子に対して、1.5倍モル以上とするのが選択率の点から好ましい。
フッ素化反応の反応温度は、通常は−60℃以上が好ましく、反応収率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から−50℃〜+100℃が特に好ましく、−20℃〜+50℃が特に好ましい。フッ素化反応の反応圧力は、反応収率、選択率、工業的な実施のしやすさの観点から、常圧〜2MPa(ゲージ圧。以下同様。)とするのが好ましい。
フッ素化反応においては、反応の後期にC−H結合含有化合物を反応系中に添加する、および/または、紫外線照射を行ってもよい。具体的な方法については、国際公開第02/44138号パンフレットに記載の方法が採用できる。
本発明におけるフッ素化反応では化合物2が生成する。化合物2において、RAFはRに対応する基であり、Rと同一の基またはRがフッ素化された(n+m)価の有機基を示す。Rがフッ素化されない基である場合、またはフッ素化されうる基であったとしてもフッ素化されなかった場合は、RAFとRとは同一の基である。本発明においては、Rがフッ素化されうる炭素数2以上の(n+m)価の非フッ素の有機基であるのが好ましく、RAFはRがペルフルロ化された炭素数2以上の(n+m)価のペルフルオロ有機基であるのが好ましい。
は、Eに対応する基であり。Eと同一の基またはEがフッ素化された2価連結基を示す。Eは、Eがフッ素化されない基である場合、またはフッ素化されうる基であったとしてもフッ素化されなかった場合は、Eと同一の基である。Eはフッ素原子を含まない基であって、フッ素化されうる2価連結基であるのが好ましく、EはEがペルフルオロ化された2価連結基であるのが好ましい。
BFは、Rに対応する基であり、Rと同一の基またはRがフッ素化された1価の有機基を示す。RBFはRがフッ素化されない基である場合、またはフッ素化されうる基であったとしてもフッ素化されなかった場合は、Rと同一の基である。RとRBFは同一のペルフルオロ化された1価有機基であるのが好ましい。
化合物2におけるnおよびmの数は、それぞれ化合物1Fのnおよびmに対応する同一の数であり、好ましい態様も同じである。
化合物2は部分フッ素化された化合物であってもよいが、目的化合物の有用性の観点から、ペルフルオロ化された化合物であることが好ましい。すなわち、化合物1Fのフッ素化は、化合物1Fをペルフルオロ化する反応であるのが好ましい。
化合物2がペルフルオロ化された化合物である場合、RAFとしては、C−H結合を必須とする(n+m)価の有機基である場合のRにおいて該C−H部分の全てがフッ原子に置換された基であるのが好ましく、ペルフルオロ(n+m)価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ[ヘテロ原子含有(n+m)価飽和炭化水素]基であるのが特に好ましい。RAFの具体例としては、化合物2の具体例中に示す基が挙げられる。
また、Eが−CHOCO−である場合のEは−CFOCO−であるのが好ましい。該基のケト基を形成する炭素原子は、RAFに結合していてもRBFに結合していてもよく、Eの向きに対応する。
がペルフルオロ化された1価基である場合には、RBFとRは同一の基である。RBFとしては、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ1価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)]基であるのが好ましい。
化合物2としては、下記化合物(2−a)が好ましい。ただし、下式中、RCFはペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価(すなわち3〜5価)の有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
(FSO−)CF(−CFOCO−RBF (2−a)
化合物2の具体例としては、下記化合物が挙げられる。ただし下式中のRBF1は−(CFF(ただし、sは1〜20の整数を示し、2〜5が好ましい。)、−CF(CF、−CF(CF)OCFCFCF、または−CF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCFを示す。
(FSO−CFCF−CFOCO−RBF1
(FSO−CFCFOCFCF−CFOCO−RBF1
(FSO−CFC(−CFOCO−RBF1
(FSO−CFCF−COOCF−RBF1
つぎに、本発明においては、化合物2を分解して化合物3を得る。該分解反応の手法は、Eの種類により適宜変更される。たとえばEが−CFOCO−である場合には、公知のエステル結合の分解反応の手法を用いうる。
エステル結合の分解反応は、気相反応または液相反応で実施するのが好ましい。化合物2の沸点が低い場合には、気相反応で実施するのが好ましい。気相反応で反応を行う場合の反応温度は50〜350℃が好ましく、50〜300℃が特に好ましく、150〜250℃が特に好ましい。該反応は、反応に直接関与しない不活性ガスの存在下に実施してもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素ガス等が挙げられる。不活性ガスを用いる場合には、化合物2に対して0.01〜50vol%程度を用いることが好ましい。不活性ガスの添加量が多すぎると、生成物回収量が低減することがある。
化合物2が気化しにくい場合には、エステル結合の分解反応を液相反応で実施するのが好ましい。液相反応は、反応器内で液のまま加熱する方法によるのが好ましい。液相反応で行う場合の反応温度は50〜300℃が好ましく、特に100〜250℃が好ましい。
液相反応における反応圧力は限定されない。さらに、化合物2の分解反応を蒸留塔を有する反応器を用いて行い、分解反応の生成物を反応系中から連続的に抜き出しながら行う方法により実施してもよい。
エステル結合の分解反応を液相反応で実施する場合には、溶媒の存在下に実施しても、溶媒の不存在下に実施してもよい。溶媒を用いる場合には、ペルフルオロトリアルキルアミン、ペルフルオロナフタレンなどの不活性溶媒、またはクロロトリフルオロエチレンオリゴマー等の高沸点のクロロフルオロカーボン類が好ましい。溶媒の量は化合物2に対して10〜1000質量%が好ましい。
エステル結合の分解反応を液相反応で実施する場合には、求核剤または求電子剤と反応させることによって実施してもよい。求核剤としてはFが好ましく、特にアルカリ金属のフッ化物(たとえば、NaF、NaHF、KF、CsF等が挙げられ、経済性および反応性の点からNaFおよびKFが好ましい。)由来のFが好ましい。求核剤の量は、触媒量であっても過剰量であってもよく、化合物2に対して1〜500モル%が好ましく、1〜100モル%が特に好ましく、とりわけ5〜50モル%が好ましい。求核剤または求電子剤を用いる場合の反応温度は、−30℃〜250℃が好ましく、−20℃〜250℃が特に好ましい。
化合物2の分解反応では、化合物3が生成する。化合物3中のRAF、mおよびnは、反応に用いた化合物2と同一であり、EF1は、Eの分解反応により形成される1価基を示す。EF1の構造は、Eの構造と、分解反応の種類によって異なる。たとえば、Eが−CFOCO−であって、分解反応がエステル結合の分解反応である場合のEF1は、Eの基の向きに限定されず−COF基である。
化合物3としては、下記化合物(3a−1)が好ましい(ただし、p、q、およびRCFは前記と同じ意味を示す。)。
(FSO−)CF(−COF) (3a−1)
化合物3の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
(FSO−CFCF−COF、
(FSO−CFC(−COF)
(FSO−CFCFOCFCF−COF。
化合物3はイオン交換樹脂用のモノマー原料等として有用な化合物である。該化合物3を有用な化合物に誘導する具体例については、後述する。
本発明の製造方法の出発物質である化合物1Fの入手方法については、特に限定されず、たとえば、市販品を用いる方法、公知の化合物を原料として化合物1Fを製造する方法等が挙げられる。
後者の方法によって化合物1Fを入手する場合には、下記製法1、2、または3によって製造するのが、入手できる化合物1Fの種類の範囲が拡がるため、特に好ましい。ただし、以下の説明中のX、R、E、R、n、およびmは、前記と同じ意味を示す。Eは一価反応性基、Eは前記Eと反応して前記Eを形成しうる一価反応性基を示す。Zはハロゲン原子、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基を示す。Yは水素原子、1価の有機基、または−SO 基(ただし、Mはアルカリ金属原子を示す。)を示す。RA1は炭素数2以上の(2+m)価の有機基を示す。
[化合物1の製法1]
下記化合物7をハロゲン原子を必須とする酸化剤を用いて酸化して下記化合物1とし、Xがフッ素原子である化合物1Fを得る。一方、Xがフッ素原子以外のハロゲン原子である化合物1を得た場合には、つぎに該Xをフッ素原子に変換して化合物1Fとする方法。化合物1のXは、用いた酸化剤中のハロゲン原子の種類に対応する。
(Y−S−)(−E−R (7)
(XSO−)(−E−R (1)
製法1において、化合物7のY−S−基はX−SO−基に変換される。該酸化反応の方法は該基中のXの種類によって、適宜変更されうる。
たとえば、Xがフッ素原子である化合物1Fを生成させる場合は、フッ酸と二酸化窒素を、化合物7と反応させる方法によるのが好ましい。
Xがフッ素原子以外のハロゲン原子(以下、該ハロゲン原子を他のハロゲン原子と記し、かつXで表す。)である化合物1を生成させる場合には、水を必須とする溶媒中で、他のハロゲン((X)と反応させる方法が挙げられる。
製法1としては、該他のハロゲンを経由する方法が好ましい。Xが他のハロゲン原子である化合物1とは、Xが塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である化合物1をいう。該方法は、化合物7におけるYが、後述する好ましい基であるROC(=S)−基(Rはアルキル基を示す。)、シアノ基、またはベンジル基である場合に特に好ましい方法である。このうちXは塩素原子が好ましい。すなわち、Xが塩素原子である化合物1を得て、該化合物1の塩素原子をフッ素原子に変換するのが好ましい。
Xが塩素原子である化合物1を生成させる方法としては、水を必須とする溶媒中で化合物7と塩素(Cl)とを反応させる方法によるのが好ましい。該方法としては、下記化合物(7−a)を、水を必須とする溶媒中で塩素と反応させて下記化合物(1−a)とする方法が好ましい。ただし、p、q、Y、およびRBFは前記と同じ意味を示す。Rは前記と同じ意味を示し、炭素数2〜16のフッ素原子を含まない(p+q)価の有機基が好ましい。
(Y−S)(−CHOCO−RBF (7−a)
(ClSO−)(−CHOCO−RBF (1−a)
また、Xが臭素原子である化合物1を生成させる場合は、水を必須とする溶媒中で化合物7と臭素(Br)とを反応させる方法によるのが好ましい。該方法は公知の手法にしたがって実施できる(新実験化学講座,日本化学会編,丸善,東京,1978,Vol.14(有機化合物の合成と反応III),p.1785−1786.等。)。
塩素との反応を行う場合には、塩素ガスを用いる方法、または、不活性ガスで希釈された塩素ガスを用いる方法が挙げられる。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガスが好ましく、窒素ガスが特に好ましい。不活性ガスを用いる場合には、不活性ガスと塩素ガスの総量に対する塩素ガス量を10vol%以上とすることが効率の点で好ましく、20vol%以上とすることが特に好ましい。
水を必須とする溶媒としては、水、水と酢酸との混合溶媒、または水とアセトニトリルとの混合溶媒が好ましい。溶媒の量は、化合物7に対して、2倍質量以上が好ましく、特に5〜50倍質量が好ましい。水の量は化合物7に対して4〜2000倍モルが好ましく、特に20〜1000倍モルが好ましい。
化合物7と他のハロゲンとの反応における反応温度は、通常は−20℃以上が好ましく、反応収率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から0℃〜+60℃が好ましい。塩素化反応の反応圧力は、反応収率、選択率、工業的な実施のしやすさの観点から、常圧〜2MPaが好ましい。
化合物1のXが他のハロゲン原子である場合には、Xをフッ素原子に置換して化合物1Fとする。これは、Xが他のハロゲン原子である化合物1を用いて、液相フッ素化を行うと、顕著に収率が低下するためである。Xをフッ素原子に置換した後にフッ素化することで、収率を格段に向上させうる。
化合物1の他のハロゲン原子(X)をフッ素原子に置換する方法としては、公知の手法が採用できる。たとえば、溶媒中でフッ化カリウムまたはフッ化水素カリウムと反応させる方法が挙げられる(Scott R. B.,Gordon M.J.,J.Org.Chem.,1956,21,p.385。Gramstad T.,Hazeldine R.N.,J.Chem.Soc.,1955,p.173.)。
該方法における溶媒としては、水とジオキサンとの混合溶媒、または水とアセトニトリルとの混合溶媒が好ましい。溶媒の量は、化合物1に対して、2倍質量以上が好ましく、特に5〜50倍質量が好ましい。該反応の反応温度は、通常は−20℃以上かつ溶媒の沸点以下が好ましく、反応収率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から0℃〜+60℃が特に好ましい。該反応の反応圧力は、反応収率、選択率、工業的な実施のしやすさの観点から常圧〜2MPaが特に好ましい。
該方法としては、化合物(1−a)を下記化合物(1F−a)とする方法が好ましい(ただし、p、q、R、RBFは前記と同じ意味を示す。)。
(FSO−)(−CHOCO−RBF (1F−a)
[化合物1の製法2]
該方法は、nが2である場合の化合物1(すなわち、下記化合物1F−A)を得る方法である。すなわち化合物10と、m分子の式R−Eで表される化合物5とを反応させて化合物11を得て、該化合物11をハロゲン原子を必須とする酸化剤を用いることによって酸化して化合物1−Aを得る。
該化合物1−AのXがフッ素原子である化合物は、化合物1F−Aである。化合物1−AのXが他のハロゲン原子である場合にはXをフッ素原子に置換して化合物1F−Aを得る。
Figure 2005003062
製法2における化合物10は、ジスルフィド結合を必須とする1価の環構造を必須とする化合物である。RA1は、炭素数2以上の(2+m)価の有機基を示し、炭素数3の3価の有機基であるのが好ましく、特に炭素数3の3価飽和脂肪族炭化水素基であるのが好ましい。すなわち、ジスルフィド結合を必須とする1価の環構造は、5員環の環構造であるのが好ましい。
化合物10および化合物5におけるEおよびEは、後述する化合物7の製法1−1におけるこれらの基と同様の基が挙げられ、好ましい態様も同じである。また、EおよびEは、一方が−COW(ただし、Wは後述する化合物7の製法1−1におけるWと同じ意味を示す)であり、他方が−CHOHである。Eが−CHOCO−である場合には、化合物10と化合物5との反応はエステル化反応であり、該反応は後述する化合物7の製法1−1における化合物4と化合物5とのエステル化反応と同様に実施できる。
また化合物11の酸化反応は、製法1における化合物7の酸化反応と同様の方法で実施できる。化合物11の酸化反応においては、ジスルフィド結合が開裂し、2つのXSO−基が形成する。
[化合物1の製法3]
下記化合物9と下記化合物5を反応させて化合物1Fを得る方法。
(FSO−)(−E (9)
−E (5)
化合物9と化合物5におけるEおよびEは、後述する化合物7の製法1−1におけるこれらの基と同様の基が挙げられ、好ましい態様も同じである。また、EおよびEの一方が−COW(ただし、Wは後述する化合物7の製法1−1におけるWと同じ意味を示す)であり、他方が−CHOHであり、Eが−CHOCO−である場合には、化合物9と化合物5との反応はエステル化反応であり、該反応は、後述する化合物4と化合物5とのエステル化反応と同様に実施できる。
上記の製法1における化合物7は、下記製法1−1または製法1−2に記載する方法で得た化合物7であるのが好ましい。
[化合物7の製法1−1]
下記化合物4と下記化合物5を反応させて化合物6を得て、該化合物6とイオウ求核種とを反応させて下記化合物7を得る方法。
(Z−)(−E (4)
−E (5)
(Z−)(−E−R (6)
(Y−S−)(−E−R (7)
化合物4のZはハロゲン原子、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基であり、Zがハロゲン原子である場合、塩素原子または臭素原子が好ましい。Zがアルキルスルホニル基である場合、炭素数1〜6の該基が好ましい。Zがアリールスルホニル基である場合は、炭素数6〜10の該基が好ましい。また、Zがアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基である場合の、C−H部分の水素原子は置換基で置換されていてもよい。
化合物4のZとしては、塩素原子、臭素原子、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、またはトルエンスルホニル基が好ましく、特に臭素原子が好ましい。
また、EおよびEは、一方が−COW(ただし、Wはハロゲン原子または水酸基を示す)であり他方が−CHOHであり、Eは−CHOCO−(ただし、Eのケト基を形成する炭素原子は、RまたはRと結合する。)であることが好ましい。EおよびEの一方が−COWであり、他方が−CHOHである場合の化合物4と化合物5の反応は、公知のエステル化反応の条件により実施できる。エステル化反応は溶媒の存在下であっても不存在下であっても実施でき、不存在下に実施するのが好ましい。また、該エステル化反応において、Wがハロゲン原子である場合には、HWで表される酸が発生するため、酸の捕捉剤を反応系中に存在させる、または、窒素気流に同伴させて酸を反応系外に排出する、等の操作を行うことが好ましい。たとえば、Wがフッ素原子である場合には、HFの捕捉剤として、NaF、またはKF等のアルカリ金属フッ化物が挙げられる。該エステル化反応において、Wが水酸基である場合に、反応系中に脱水剤を存在させると、反応の進行が促進するため好ましい。脱水剤としては、無水トリフルオロ酢酸、塩化チオニル等が好ましい。該脱水剤の量は、生成する水の理論量に対して1〜10倍モルとすることが好ましい。
化合物4と化合物5のエステル化反応の反応温度は、−50℃以上であることが好ましく、−50℃〜+100℃が好ましい。反応時間は原料の供給速度と反応に用いる化合物量に応じて適宜変更されうる。反応圧力は常圧〜2MPaが好ましい。
エステル化反応で生成した化合物6はイオウ求核種と反応させて、化合物7を得る。化合物7は化合物6のZ部分が、Y−S−部分に変換された化合物である。Yは水素原子、1価の有機基、または−SO 基(ただし、Mはアルカリ金属原子を示す。)を示し、該Y−S−部分の構造は反応に用いるイオウ求核種の種類に対応する。
ここで、Yが1価の有機基である場合には、ROC(=S)−基(ただし、Rはアルキル基を示す)、(RNC(=S)−基(ただし、Rはアルキル基を示す)、シアノ基、ベンジル基、−C(NH基(Zは後述する式(6)におけるZに対応し、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基を示す。)が好ましい。
Yが水素原子である化合物7を得る場合のイオウ求核種としては、金属硫化物(たとえば、式MSHで表される化合物であり、Mはアルカリ金属原子を示す。)が好ましい。
Yが1価の有機基である化合物7を得る場合は、1価の有機基(Y)の種類により下記イオウ求核種を用いるのが好ましい。
たとえば、YがROC(=S)−基(ただし、Rはアルキル基を示す)である化合物7を得る場合の例として、O−アルキルジチオ炭酸塩(たとえば、式ROC(=S)SMで表される化合物であり、Rは前記と同じ意味を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。)が好ましい。Yが(RNC(=S)−基(ただし、Rはアルキル基を示す)である化合物7を得る場合の例としては、N,N−ジアルキルジチオカルバミン酸塩(たとえば、(RNC(=S)SMで表される化合物であり、Rは前記と同じ意味を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。)が好ましい。Yがシアノ基である化合物7を得る場合の例としては、チオシアン酸塩(たとえば、MSCNで表される化合物であり、Mはアルカル金属原子を示す。)が好ましい。Yがベンジル基である化合物7を得る場合の例としては、ベンジルメルカプタン(CCHSH)が好ましい。Yが−C(NH基である化合物7を得る場合の例としては、(Zは式(6)におけるZに対応し、Zは前記と同じ意味を示す。)、チオ尿素(たとえば、HNC(=S)NHで表される化合物が好ましい。
Yが−SO (ただし、Mはアルカリ金属原子を示す。)である化合物7を得る場合のイオウ求核種としては、チオ硫酸塩(たとえば、式MO−SO(=S)−OMで表される化合物であり、Mは前記と同じ意味を示す。)が好ましい。
このうち、イオウ求核剤としては、O−アルキルジチオ炭酸塩、チオシアン酸塩、ベンジルメルカプタンが特に好ましく、該イオウ求核剤に対応するYとしては、ROC(=S)−基(Rは前記と同じ意味を示す。)、シアノ基、またはベンジル基が好ましい。
イオウ求核剤との反応は公知の方法にしたがって実施できる(新実験化学講座(日本化学会編),丸善,東京,1978,Vol.14,p.1701−1706.)。さらにZがハロゲン原子である化合物6において、チオシアン酸塩と反応させることによってYがCNである化合物7を得るのが好ましい。
イオウ求核種との反応は、溶媒の存在下に実施することが好ましい。溶媒としては、水、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。溶媒量は、化合物6とイオウ求核種の総量に対して50〜500質量%が好ましい。
イオウ求核種との反応温度は、0℃〜+100℃が好ましい。反応時間は原料の供給速度と反応に用いる化合物量に応じて適宜変更されうる。反応圧力は常圧〜2MPaが好ましい。
[化合物7の製法1−2]
下記化合物8と下記化合物5を反応させて化合物7を得る方法。
(Y−S−)(−E (8)
−E (5)
(Y−S−)(−E−R (7)
化合物8と化合物5における、Y、EおよびEは、化合物7の製法1−1におけるこれらの基と同様の基が挙げられ、好ましい態様も同じである。また、EおよびEは、一方が−COW(ただし、Wは前記と同じ意味を示す)であり、他方が−CHOHであり、Eが−CHOCO−である場合には、化合物8と化合物5との反応はエステル化反応であり、該反応は、化合物4と化合物5とのエステル化反応と同様に実施できる。
化合物1の製法1〜3、および化合物7の製法1−1〜製法1−2において、各化合物の具体例は、つぎの例が挙げられる。
ただし、化合物1のXが塩素原子、ヨウ素原子、または臭素原子である例としては、化合物1Fの具体例中のFSO−基のフッ素原子を、それぞれ塩素原子、ヨウ素原子、または臭素原子に変更した例が挙げられる。
化合物4の具体例;
(BrCHCH−CHOH、
(BrCHC(−CHOH)
(ClCHCHOCHCH−CHOH、
(BrCHCH−COOH、
(BrCHCH−COCl。
化合物5の具体例(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。);
COF、
CHOH、
化合物6の具体例(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。);
(BrCHCHCHOCOR
(BrCHC(CHOCOR
(ClCHCHOCHCHCHOCOR
(BrCHCHCOOCH
化合物7の具体例(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。);
(NCSCHCHCHOCOR
(CHCHOCSSCHCHCHOCOR
(NCSCHC(−CHOCOR
(CHCHOCSSCHC(−CHOCOR
(CCHSCHCHOCHCHCHOCOR
(NCSCHCHCOOCH
(CHCHOCSSCHCHCOOCH
(CCHSCHCHCHOCOR
(CCHSCHC(−CHOCOR
(CCHSCHCHCOOCH
化合物8の具体例;
(NCSCHCHCHOH、
(NCSCHC(CHOH)
(CHCHOCSSCHCHCHOH、
(CHCHOCSSCHC(−CHOH)
(CCHSCHCHOCHCHCHOH、
(NCSCHCHCOOH、
(CHCHCSSCHCHCOOH、
(CCHSCHCHCHOH、
(CCHSCHC(CHOH)
(NCSCHCHCOOH。
化合物9の具体例;
(FSOCHCHCHOH、
(FSOCHC(CHOH)
(FSOCHCHOCHCHCHOH。
化合物10の具体例;
Figure 2005003062
化合物11の具体例(ただし、RB1は前記と同じ意味を示す。);
Figure 2005003062
本発明の製造方法は、Eが−CHOCO−であり、Eが−CFOCO−である場合の製造方法が好ましい。
すなわち、下記化合物1aにおいてXがフッ素原子である場合はそのまま液相中でフッ素と反応させて下記化合物2aとし、Xがフッ素原子以外のハロゲン原子である場合はXをフッ素原子に変換した後に液相中でフッ素と反応させて下記化合物2aとし、さらに、該化合物2aを分解することを特徴とする下記化合物3aの製造方法、であるのが好ましい。
また、下記化合物1bにおいてXがフッ素原子である場合はそのまま液相中でフッ素と反応させて下記化合物2bとし、Xがフッ素原子以外のハロゲン原子である場合はXをフッ素原子に変換した後に液相中でフッ素と反応させて下記化合物2bとし、さらに、該化合物2bを分解することを特徴とする下記化合物3aの製造方法、であるのが好ましい。
ただし、下式中の記号は前記と同じ意味を示し、好ましい態様も同じである。
(XSO−)(−CHOCO−R (1a)
(FSO−)AF(−CFOCO−RBF (2a)
(FSO−)AF(COF) (3a)
(XSO−)(−COOCH−R (1b)
(FSO−)AF(−COOCF−RBF (2b)
化合物(3a)のうちnが2または3であり、かつ、mが1または2である下記化合物3a−1が好ましい。ただし、下式中、RCFはペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価(すなわち3〜5価)の有機基を示す。RCFはペルフルオロ化された炭素数2〜16の(p+q)価の有機基が好ましい。pは2または3を示し、qは1または2を示す。
(FSO−)CF(−COF) (3a−1)
ここで、RCFは炭素数2以上のペルフルオロ(3価の有機基)が好ましい。該ペルフルオロ(3価の有機基)としては、ペルフルオロ(3価飽和炭化水素基)またはペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有3価飽和炭化水素基)が好ましい。
化合物(3a−1)としては、下記化合物(3a−11)が好ましい(ただし、a、b、Qは、前記と同じ意味を示す。)。
Figure 2005003062
aおよびbは、同一であるのが好ましい。aおよびbは、1〜3の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。Qは、単結合またはエーテル性酸素原子を含む炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基が好ましく、CFに結合する末端にエーテル性酸素原子が存在する炭素数1〜6のペルフルオロ(オキシアルキレン)基が特に好ましい。
化合物3a−1の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
(FSO−CFCF−COF、
(FSO−CFC(−COF)
(FSO−CFCFOCFCF−COF。
上記製法における化合物4、化合物8、化合物9、および化合物10はそれぞれ公知の化合物として入手でき、また公知の方法により容易に合成できる。
さらに上記製法における化合物5として、Eが−COW(ただし、Wは前記と同じ意味を示す)である下記化合物5a、およびEが−CHOHである下記化合物5bは、化合物2aを分解する反応の生成物から容易に入手できる。ただし、式中のRBFは、前記と同じ意味を示す。
BF−COF (5a)
BF−CHOH (5b)
すなわち、化合物2aを分解する反応の生成物中には、化合物3aとともに、化合物5aが含まれることから、該化合物5aを再利用できる。また化合物5bは、化合物5aの還元反応により得られる。化合物5aの還元反応は、化合物5aをアルキルエステルに変換した後、液相中で金属水素化物と反応させる方法等により実施できる。
化合物5aのエステル化反応は、化合物7の製法1−1で説明したエステル化反応と同様の方法で実施できる。金属水素化物としては、水素化ホウ素ナトリウム、または水素化リチウムアルミニウム等が好ましい。該反応は溶媒の存在下に実施するのが好ましく、溶媒としては、テトラヒドロフランまたはジオキサン等が好ましい。また、金属水素化物として水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合は、溶媒としてメタノール、エタノール、2−プロパノールを用いてもよい。溶媒の量は、化合物5aのエステル化体に対して、2倍質量以上が好ましく、特に5〜50倍質量が好ましい。反応温度は、通常は−50℃〜溶媒の沸点が好ましく、0℃〜溶媒の沸点が特に好ましい。反応圧力は特に限定されず、常圧〜2MPaが好ましい。
化合物5aを直接還元して化合物5bを得る場合の還元反応は、触媒の存在下に水素ガスと接触させる方法によっても好ましく実施できる。該方法における触媒としては、パラジウム系、ロジウム系、またはイリジウム系の触媒が好ましい。反応は溶媒の存在下であっても不存在下であっても実施でき、不存在下に実施することが容積効率の点から好ましい。反応温度は、通常は0℃〜200℃が好ましい。反応圧力は特に限定されず、常圧〜10MPaが好ましい。
化合物1の製法2に用いる化合物5を、化合物2aを分解する反応の生成物から入手する方法は、環境上および経済性の点で有利な方法である。
本発明により得られる化合物3は、末端に−SOF基を有することから、イオン交換樹脂用のモノマー原料等として有用な化合物である。化合物3のうち化合物3aは、分子末端に−SOF基と−COF基を併有する化合物であり、−COF基の反応性を利用した方法により種々の有用な化合物に導くことができる化合物である。
たとえば、化合物3aの一態様である下記化合物3a−2を熱分解した場合には、下記化合物13a−10を製造できる。ただし、下式中のRAF1は、(n+1)価のペルフルオロ飽和炭化水素基、または、(n+1)価のペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素)基を示す。
(FSO−)AF1−CF(CF)COF (3a−2)
(FSO−)AF1−CF=CF (13a−10)
また前記方法で得た化合物3aの末端−COF基にヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加させることにより、該基を−CFOCF(CF)COF基に変換できる。該基は、化合物3a−2と同様の反応により重合性の不飽和基である−CF=CF基に変換できる。すなわち本発明は、化合物3aにヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加させることによる下記化合物12aの製造方法を提供する(ただし、m、n、およびRAFは前記と同じ意味を示す。)。
(FSO−)AF(−CFOCF(CF)COF) (12a)
ヘキサフルオロプロピレンオキシドの付加は、公知の方法にしたがって実施できる。
化合物12aとしては、下記化合物(12a−1)が好ましく、下記化合物(12a−11)が特に好ましい(ただし、式中のRCF、p、m、a、b、およびQは、前記と同じ意味を示す。)。
(FSO−)CF(−CFOCF(CF)COF) (12a−1)
Figure 2005003062
化合物12aの−CF(CF)COF基部分は、熱分解反応により−CF=CF基に変換できる。すなわち本発明は、化合物12aを熱分解することによる下記化合物13bの製造方法を提供する。ただし、mおよびnは前記と同じ意味を示す。RAFは前記と同じ意味を示し、ペルフルオロ化された(m+n)価の有機基であるのが好ましい。
(FSO−)AF(−CFOCF=CF (13b)
mが1である化合物13bの製造方法としては、下記化合物3a−3をヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)と反応させて化合物3a−4を導いた後に、熱分解して下記化合物(13a−20)を製造する方法が挙げられる。ただし、下式中のRAF2は、(n+1)価のペルフルオロ飽和炭化水素基、または、(n+1)価のペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素)基を示す。
(FSO−)AF2−COF (3a−3)
(FSO−)AF2−CFOCF(CF)COF (3a−4)
(FSO−)AF2−CFOCF=CF (13a−20)
化合物13aおよび化合物13b等の分子末端に−CF=CF基を有する化合物は、イオン交換膜合成用モノマーとして有用な化合物である。
化合物13bは、nが2または3であり、かつ、mが1または2である下記化合物13b−1が好ましい。ただし、下式中、RCFはペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価(すなわち3〜5価)の有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
(FSO−)CF(−CFOCF=CF(13b−1)
化合物13b−1としては、下記化合物(13b−11)が好ましい(ただし、a、b、およびQは、前記と同じ意味を示す。)。
Figure 2005003062
化合物3a−2および化合物12aの熱分解反応は、公知の手法にしたがって実施できる(たとえば、Methods of Organic Chemistry(Houben−Weyl),4th ed.,Baasner,B.、Hagemann H.,Tatlow,J.C.,Eds.,Georg Thieme,Stuttgart,1999,Vol.E 10b(Organo−Fluorine Compounds),Pt.1,p.703.、および国際公開第02/44138号パンフレットに記載の方法等。)。
このうち熱分解反応は、気相熱分解反応、または水酸化アルカリと反応させることによって、−CF(CF)COF部分をカルボン酸アルカリ塩基とした後に液相で熱分解反応する方法、を採用するのが好ましい。
気相熱分解反応における反応温度は、250〜400℃が好ましく、250〜350℃が特に好ましい。また、カルボン酸アルカリ塩の熱分解反応における反応温度は、150〜350℃が好ましく、200〜280℃が特に好ましい。熱分解反応の温度を高くすると、変換率が高くなる利点があり、低くすると副生物の発生を抑制できる利点がある。
本発明の製造方法の態様としては、以下の例が挙げられる。ただし、下式中のRBF2はペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有)アルキル基を示し、RBF1が好ましい。
<製造例1>(FSOCFCFCOFの製造例
下記化合物4−1と下記化合物5a−1をエステル化反応させて下記化合物6−1とし、該化合物6−1をチオシアン酸塩と反応させて下記化合物7−1とし、該化合物7−1を塩素と酸化反応させて下記化合物1−1を得て、つぎに該化合物1−1のSOに結合した塩素原子をフッ素置換反応させて下記化合物1F−1とする。該化合物1F−1を液相中でフッ素と反応させて下記化合物2−1とし、さらに、化合物2−1を分解することによる下記化合物3−1の製造方法。さらに分解反応生成物から下記化合物5a−1を得て、つぎに該化合物5a−1を該製造方法における化合物4−1との反応に用いて同様の反応を行う方法。
(BrCHCHCHOH (4−1)

BF2COF(5a−1)

(BrCHCHCHOCORBF2 (6−1)

(NCSCHCHCHOCORBF2 (7−1)

(ClSOCHCHCHOCORBF2 (1−1)

(FSOCHCHCHOCORBF2 (1F−1)

(FSOCFCFCFOCORBF2 (2−1)

(FSOCFCFCOF (3−1)+(5a−1)
<製造例2>
下記化合物4−2と化合物5a−1をエステル化反応させて下記化合物6−2とし、次に、化合物6−2をチオシアン酸塩と反応させて下記化合物7−2とし、次に、化合物7−2を塩素で酸化して下記化合物1−2を得て、該化合物1−2のSOに結合した塩素原子をフッ素置換して下記化合物1F−2とする。次に、化合物1F−2を液相中でフッ素と反応させて下記化合物2−2とし、さらに、化合物2−2を分解して下記化合物3−2を得るとともに化合物5a−1を得る。この化合物5a−1を該製造方法における化合物4−2との反応に用いて同様の反応を行う方法。
(BrCHCHCHOCH(CH)CHOH (4−2)

BF2COF(5a−1)

(BrCHCHCHOCH(CH)CHOCORBF2 (6−2)

(NCSCHCHCHOCH(CH)CHOCORBF2 (7−2)

(ClSOCHCHCHOCH(CH)CHOCORBF2 (1−2)

(FSOCHCHCHOCH(CH)CHOCORBF2 (1F−2)

(FSOCFCFCFOCF(CF)CFOCORBF2 (2−2)

(FSOCFCFCFOCF(CF)COF (3−2)+(5a−1)
<製造例3>
下記化合物4−3と下記化合物5b−1をエステル化反応させて下記化合物6−3とし、該化合物6−3をチオシアン酸塩と反応させて下記化合物7−3とし、次に、該化合物7−3を塩素で酸化して下記化合物1−3とし、該化合物1−3のSOに結合した塩素原子をフッ素置換して下記化合物1F−3とする。該化合物1F−3を液相中でフッ素と反応させて下記化合物2−3とし、さらに、化合物2−3を分解して下記化合物3−1を得るとともに化合物5a−1を得る。この化合物5a−1を還元して化合物5b−1とし、該製造方法における化合物4−3との反応に用いて同様の反応を行う方法。
(BrCHCHCOOH (4−3)

BF2CHOH(5b−1)

(BrCHCHCOOCHBF2 (6−3)

(NCSCHCHCOOCHBF2 (7−3)

(ClSOCHCHCOOCHBF2 (1−3)

(FSOCHCHCOOCHBF2 (1F−3)

(FSOCFCFCOOCFBF2 (2−3)

(FSOCFCFCOF (3−1)+(5a−1)
<製造例4>
下記化合物4−4と下記化合物5b−1をエステル化反応させて下記化合物6−4とし、該化合物6−4をチオシアン酸塩と反応させて下記化合物7−4とし、該化合物7−4を塩素で酸化して下記化合物1−4を得て、該化合物1−4のSOに結合した塩素原子をフッ素置換して下記化合物1F−4とする。該化合物1F−4を液相中でフッ素と反応させて下記化合物2−4とし、該化合物2−4を分解して下記化合物3−2を得るとともに化合物5a−1を得る。この化合物5a−1を還元して化合物5b−1とし、該製造方法における化合物4−4との反応に用いて同様の反応を行う方法。
(BrCHCHCHOCH(CH)COOH (4−4)

BF2CHOH(5b−1)

(BrCHCHCHOCH(CH)COOCHBF2 (6−4)

(NCSCHCHCHOCH(CH)COOCHBF2 (7−4)

(ClSOCHCHCHOCH(CH)COOCHBF2 (1−4)

(FSOCHCHCHOCH(CH)COOCHBF2(1F−4)

(FSOCFCFCFOCF(CF)COOCFBF2 (2−4)

(FSOCFCFCFOCF(CF)COF (3−2)+(5a−1)
<製造例5>
下記化合物10−1と下記化合物5b−1をエステル化反応させて下記化合物11−1とし、該化合物11−1を塩素で酸化して下記化合物1−5を得て、該化合物1−5のSOに結合した塩素原子をフッ素原子で置換して下記化合物1F−5とする。該化合物1F−5を液相中でフッ素と反応させて下記化合物2−5とし、該化合物2−5を分解して下記化合物3−4を得るとともに化合物5a−1を得る。この化合物5a−1を還元して化合物5b−1とし、該製造方法における化合物10−1との反応に用いて同様の反応を行う方法。
Figure 2005003062
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、これらによって本発明は限定されない。なお、以下においてガスクロマトグラフィをGCと、GC質量分析をGC−MSと記す。収率とは特に記載しない限り単離収率を意味する。NMRスペクトルのピーク面積比より求まる収率をNMR収率と記す。CClFCClFはR−113と、テトラヒドロフランをTHFと記す。13C−NMRにおける基準物質CDClの基準値は、76.9ppmとした。19F−NMRによる定量ではCを内部標準に用いた。圧力は特に記載しない限り、ゲージ圧である。
[例1](FSOCFCFCOFの製造例
[例1−1]還元反応による(BrCHCHCHOHの製造例
(BrCHCHCOOH(70.5g)とTHF(40mL)を窒素気流下にフラスコに入れて、氷浴下で撹拌した。ボランの1M−THF溶液(300mL)を内温を10℃以下に保ちながら60分かけて滴下した。滴下終了後、室温にして2時間撹拌し、水(20mL)を加えた。
さらに炭酸カリウム飽和水溶液(50mL)を加え、分液し、t−ブチルメチルエーテル(80mL)で4回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液を蒸留して標記化合物(49.4g。沸点83−84℃/(0.7×1.33322×10)Pa。収率74%。)を得た。
H−NMR(300.4MHz,CDCl,TMS)δ;2.26(sep,J=5.8Hz,1H),2.31(s,1H),3.55(dd,J=6.0,10.5Hz,2H),3.59(dd,J=5.6,10.5Hz,2H),3.76(d,J=6.0Hz,2H);
IR(neat)3354.1,2959.7,1430.1,1265.4,1051.0cm−1
[例1−2]エステル化反応による(BrCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
例1Aで得た(BrCHCHCHOH(49.4g)、塩化メチレン(400mL)とトリエチルアミン(24.0g)をフラスコに入れ、氷浴下で撹拌した。FCOCF(CF)OCFCFCF(74.3g)を内温を10℃以下に保ちながら60分かけて滴下した。滴下終了後、室温にして3時間撹拌し、水(400mL)に加えた。
得られた粗液を分液し、下層を炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)で3回、塩化アンモニウム水溶液(150mL)で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液を蒸留して標記化合物(98.4g、沸点85〜87℃/(0.7×1.33322×10)Pa(絶対圧)、収率85%。)を得た。
H−NMR(300.4MHz,CDCl,TMS)δ2.50(sep,J=5.8Hz,1H),3.50(ddd,J=1.8,5.8,10.7Hz,2H),3.54(ddd,J=2.4,5.8,10.7Hz,2H),4.49(dd,J=5.8,11.3Hz,2H),4.57(dd,J=6.4,11.3Hz,1H);
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ−79.8(1F),−81.1(3F),−81.9(3F),−81.2(1F),−129.1(2F),−131.2(1F);
IR(neat)1790.6,1236.4,1152.0,1037.7,992.6,747.1cm−1
[例1−3](NCSCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
チオシアン酸カリウム(69.2g)とジメチルホルムアミド(700mL)をフラスコに入れ、室温で撹拌しながら例1−2で得た(BrCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(95.7g)を導入した。さらに、80℃で1時間撹拌した。内容物を水(1000mL)に加え、t−ブチルメチルエーテル(300mL)で3回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒はヘキサン(10)/酢酸エチル(1)からなる混合溶媒を用いた。)で精製して標記化合物(59.1g、固体。融点136〜7℃、収率63%。)を得た。
H−NMR(300.4MHz,CDCl,TMS)δ2.75(m,1H),3.13(dd,J=6.8,14.1Hz,2H),3.22(dd,J=6.2,14.1Hz,2H),4.65(dd,J=4.7,12.0Hz,1H),4.73(dd,J=4.7,12.1Hz,1H);
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ−79.8(1F),−81.0(3F),−81.7(3F),−86.0(1F),−129.1(2F),−131.2(1F);
IR(neat)2157.1,1768.4,1232.8,1151.4,1036.9,992.2,747.6cm−1
[例1−4]酸化反応による(ClSOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
例1−3で得た(NCSCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(4.8g)、水(2mL)、および酢酸(38mL)を、ドライアイスコンデンサーを備えたフラスコに入れ、室温で撹拌しながら塩素ガスをバブリングした。塩素ガスが還流を開始したところでバブリングを止め、そのまま16時間室温で撹拌した。系内を窒素でパージしたあと、内容物を水(80mL)に加え、t−ブチルメチルエーテル(30mL)で4回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮して標記化合物(4.4g、収率78%)を得た。生成物は精製せずそのまま、次の反応に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl,TMS)δ3.47(m,1H),3.93(dd,J=6.4,14.8Hz,2H),4.07(ddd,J=1.3,6.0,14.8Hz,2H),4.74(dd,J=4.5,12.0Hz,1H),4.82(dd,J=4.7,12.0Hz,1H);
19F−NMR(282.7MHz,CDCl,CFCl)δ−79.7(1F),−81.0(3F),−81.7(3F),−85.9(1F),−129.0(2F),−131.2(1F);
IR(neat)1790.5,1422.6,1236.4,1152.1,1037.2,992.5,809.1,747.0cm−1
[例1−5]フッ素置換反応による(FSOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
例1−4で得た(ClSOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(4.0g)、フッ化水素カリウム(2.4g)、水(30mL)、およびアセトニトリル(30mL)をフラスコに入れ、24時間室温で撹拌した。内容物を水(50mL)に加え、t−ブチルメチルエーテル(30mL)で3回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒はヘキサン(10)/酢酸エチル(1)の混合溶媒を用いた。)で精製して標記化合物(1.5g、収率53%)を得た。
H−NMR(300.4MHz;CDCl,TMS)δ3.24(sep,J=5.8Hz,1H),3.66(ddd,J=3.4,6.4,15.4Hz,2H),3.77(ddd,J=1.1,4.7,15.4Hz,2H),4.66(dd,J=4.7,12.0Hz,1H),4.82(dd,J=4.7,12.0Hz,1H);
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ59.1(2F),−79.7(1F),−81.0(3F),−81.7(3F),−86.1(1F),−129.1(2F),−131.3(1F);IR(neat)1791.8,1429.1,1237.5,1037.2,993.6cm−1
[例1−6]液相フッ素化による(FSOCFCFCFOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
500mLのニッケル製オートクレーブに、R−113(312g)を加えた後に撹拌して25℃に保った。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。
オートクレーブに窒素ガスを室温で1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、20%希釈フッ素ガスと記す。)を室温で流速9.19L/hで0.5時間吹き込んだ。20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながらオートクレーブ内圧力を0.20MPaまで昇圧して、更に0.5時間20%希釈フッ素ガスを吹き込んだ。
つぎに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−5で得た化合物(3g)をR−113(30g)に溶解した溶液を1.0時間かけて注入した。
つぎに、反応器内圧力を0.20MPaに保ちながら、ベンゼン濃度が0.01g/mLであるR−113溶液を25℃から40℃にまで昇温しながら9mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。
つぎに反応器内圧力を0.20MPaに、反応器内温度を40℃に保ちながら、前記ベンゼン溶液を6mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。さらに同様の操作を3回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.34g、R−113の注入総量は33mLであった。
さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら1時間撹拌を続けた。つぎに、反応器内圧力を常圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。生成物を19F−NMRで分析した結果、標記化合物が収率30%で含まれていることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ45.9(2F),−71.6〜−80.8(3F),−81.9(6F),−86.5(1F),−92.8〜−105.0(4F),−130.0(2F),−132.2(1F),−178.6(1F).
[例1−7]分解反応による(FSOCFCFCOFの製造例
例1−6で得た(FSOCFCFCFOCOCF(CF)OCFCFCF(3.6g)をNaF粉末(0.02g)と共にフラスコに仕込み、激しく撹拌を行いながらオイルバス中で140℃で10時間加熱した。フラスコ上部には20℃に温度調節した還流器を設置した。冷却後液状サンプル(3.4g)を回収した。GC−MSにより分析した結果、CFCFCFOCF(CF)COF(NMR収率は72.0%。)および(FSOCFCFCOF(NMR収率は70.9%。)が主生成物として確認された。
[例1−8]CFCFCFOCF(CF)COFの再利用
例1−7で得たCFCFCFOCF(CF)COFを、上記エステル化工程同様の条件で(BrCHCHCHOHと反応させて、(BrCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFを得る。得られた(BrCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFを用いて、例1−3〜例1−7と同様の条件で反応を行い(FSOCFCFCOFおよびCFCFCFOCF(CF)COFを得る。
[例2](FSOCFCFOCFCFCOFの製造例
[例2−1](CCHSCHCHOHの製造例
窒素気流下、水酸化ナトリウム(4.0g)をエタノール(80mL)に溶解した溶液をフラスコに入れ、氷浴下で撹拌した。ベンジルメルカプタン(12.5g)を内温を15℃以下に保ちながら10分かけて滴下した。さらに、エピクロロヒドリン(4.7g)を内温を20℃以下に保ちながら10分かけて滴下した。滴下終了後、室温にして4時間撹拌し、水(200mL)を加えた。
t−ブチルメチルエーテル(50mL)で4回抽出し、有機層を塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液を粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒はヘキサン(5)/酢酸エチル(1)の混合溶媒を用いた。)で精製して標記化合物(15.8g。収率は98%以上。)を得た。
H−NMR(300.4MHz;CDCl,TMS)δ2.47(dd,J=7.5,13.9Hz,2H),2.58(dd,J=4.7,13.9Hz,2H),2.75(d,J=3.2Hz,1H),3.63−3.73(m,1H),3.68(s,4H),7.18−7.33(m,10H);
IR(neat)3445.8,3060.2,3026.9,2913.4,1493.6,1452.8,1239.7,1071.2,1028.2,767.6,700.5cm−1
[例2−2](CCHSCHCHOCHCH=CHの製造例
無水THF(150mL)を窒素気流下にフラスコに入れ、60%水素化ナトリウム(4.2g)を加えて、氷浴下で撹拌した。(CCHSCHCHOH(29.1g)を内温を5℃以下に保ちながら15分かけて滴下した。そのまま30分撹拌し、アリルブロミド(12.0g)を内温を5℃以下に保ちながら10分かけて滴下した。滴下終了後、室温にして20時間撹拌し、水(400mL)を加えた。
t−ブチルメチルエーテル(70mL)で4回抽出し、有機層を塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液を粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒はヘキサン(5)/酢酸エチル(1)の混合溶媒を用いた。)で精製して標記化合物(32.3g。収率98%。)を得た。
H−NMR(300.4MHz,CDCl,TMS)δ2.59(dd,J=5.8,13.7Hz,2H),2.64(dd,J=5.8,13.7Hz,2H),3.47(qui,J=5.8Hz,1H),3.70(s,4H),3.95(dm,J=5.8Hz,2H),5.14(dm,J=10.3Hz,1H),5.23(dm,J=17.1Hz,1H),5.87(ddt,J=10.3,17.1,5.8Hz,1H),7.18−7.34(m,10H);
13C−NMR(75.45MHz,CDCl,CDCl)δ34.4,37.0,70.8,78.4,117.0,126.9,128.4,128.9,134.8,138.3;
IR(neat)3061.0,3027.3,2918.3,1493.7,1452.9,1071.6,923.1,767.4,700.5cm−1
[例2−3](CCHSCHCHOCHCHCHOHの製造例
窒素気流下、ボランの1M−THF溶液(88mL)をフラスコに入れ、シクロヘキセン(14.5g)を加えて、氷浴下で撹拌した。そのまま3時間撹拌した。(CCHSCHCHOCHCH=CH(25.4g)を内温を5℃以下に保ちながら10分かけて滴下した。滴下終了後、10℃以下で19時間撹拌した。3M−水酸化ナトリウム水溶液(30mL)を内温を10℃以下に保ちながら15分かけて滴下した。そのまま15分撹拌し、30%過酸化水素水(30mL)を内温を20℃以下に保ちながら30分かけて滴下した。
炭酸カリウム(150g)を水(150mL)に溶かした水溶液を加えて、有機層を分液した。水層をt−ブチルメチルエーテル(50mL)で3回抽出し、有機層を集めて塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒はヘキサン(2)/酢酸エチル(1)の混合溶媒を用いた。)で精製して(CCHSCHCHOCHCHCHOH(20.4g、収率76%。)を得た。
H−NMR(300.4MHz,CDCl,TMS)δ1.75(qui,J=5.7Hz,2H),2.46(t,J=5.7Hz,1H),2.56(dd,J=6.2,13.7Hz,2H),2.62(dd,J=5.8,13.7Hz,2H),3.34(qui,J=5.8Hz,1H),3.55(t,J=5.8Hz,2H),3.69(s,4H),3.74(q,J=5.4Hz,2H),7.20−7.35(m,10H);
13C−NMR(75.45MHz;CDCl,CDCl)δ32.1,34.6,36.8,61.0,68.3,78.6,127.0,128.4,128.5,128.9,138.1;
IR(neat)3439.8,3026.9,2917.3,2870.8,1493.7,1452.9,1239.7,1088.5,1072.0,768.9,701.2cm−1
[例2−4]エステル化反応による(CCHSCHCHOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
(CCHSCHCHOCHCHCHOH(25.2g)、塩化メチレン(200mL)とトリエチルアミン(10.1g)をフラスコに入れ、氷浴下で撹拌した。FCOCF(CF)OCFCFCF(31.5g)を内温を5℃以下に保ちながら40分かけて滴下した。滴下終了後、室温にして3時間撹拌し、水(200mL)に加えた。
得られた粗液を分液し、下層を炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)で2回、塩化アンモニウム水溶液(80mL)で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒はヘキサン(10)と酢酸エチル(1)との混合溶媒)で精製して(CCHSCHCHOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(49.2g。収率は98%以上。)を得た。
H−NMR(300.4MHz;CDCl,TMS)δ1.92(qui,J=6.0Hz,2H),2.55(dd,J=6.0,13.5Hz,2H),2.61(dd,J=5.6,13.5Hz,2H),3.32(qui,J=5.8Hz,1H),3.44(t,J=5.8Hz,2H),3.68(s,4H),4.48(dt,J=2.8,6.4Hz,2H),7.20−7.34(m,10H);
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ−79.7(1F),−81.1(3F),−81.9(3F),−86.2(1F),−129.2(2F),−131.1(1F);
IR(neat)3029.5,2917.3,1782.5,1494.6,1454.1,1335.1,1285.3,1235.9,1200.6,1151.9,1112.7,1037.4,992.1,747.2,701.1cm−1
[例2−5]酸化反応による(ClSOCHCHOCHCHCHOCO
CF(CF)OCFCFCFの製造例
(CCHSCHCHOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(42.4g)、水(30mL)、および酢酸(270mL)をフラスコに入れ、室温で撹拌しながら塩素ガスをバブリングした。塩素が還流を開始したらバブリングを止め、そのまま16時間室温で撹拌した。系内を窒素でパージしたあと、内容物を水(600mL)に加え、t−ブチルメチルエーテル(100mL)で4回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮して粗生成物として標記化合物を得た。
生成物は精製せずそのまま、次の反応に用いた。
H−NMR(300.4MHz;CDCl,TMS)δ2.06(qui,J=6.0Hz,2H),3.79(t,J=5.8Hz,2H),4.04−4.16(m,4H),4.50(dt,J=3.0,6.0Hz,2H),4.64(qui,J=5.6Hz,1H);
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)a−79.7(1F),−81.1(3F),−81.9(3F),−86.2(1F),−129.1(2F),−131.2(1F);
IR(neat)3002.5,2953.1,1780.8,1419.9,1338.8,1287.8,1234.6,1199.5,1153.0,1108.3,1038.0,991.9,802.8,747.1cm−1
[例2−6]フッ素置換反応による(FSOCHCHOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
例2−5で得た(ClSOCHCHOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(51.3g)、フッ化水素カリウム(20.3g)、水(250mL)とアセトニトリル(250mL)をフラスコに入れ、24時間室温で撹拌した。
内容物を水(500mL)に加え、t−ブチルメチルエーテル(100mL)で3回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、粗液を得た。粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒はヘキサン(5)/酢酸エチル(1)の混合溶媒を用いた。)で精製して標記化合物(19.3g)を得た。(CCHSCHCHOCHCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFからの収率は53%であった。
H−NMR(300.4MHz;CDCl,TMS)δ2.06(qui,J=6.0Hz,2H),3.73−3.82(m,6H),4.42−4.57(m,3H);
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ61.6(2F),−80.3(1F),−81.7(3F),−82.6(3F),−87.0(1F),−130.2(2F),−132.2(1F);
IR(neat)3003.8,2953.4,1781.1,1420.5,1339.4,1288.6,1236.3,1200.5,1154.1,1109.1,1038.7,992.5,804.5,747.4cm−1
[例2−7]液相フッ素化反応による(FSOCFCFOCFCFCFOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
例1−6における例1−5で得た化合物(3g)をR−113(30g)に溶解した溶液を1.0時間かけて注入する操作を、例2−6で得た生成物(3g)をR−113(90g)に溶解した溶液を2.8時間かけて注入する操作に変更すること以外は、例1−6と同様の反応を実施した。ただし、例2−7においては、ベンゼンの注入総量は0.22g、R−113の注入総量は21mLになった。生成物を19F−NMRで分析した結果、標記化合物が収率50%で含まれていることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ46.6(2F),−79.3〜−80.0(1F),−82.0(8F),−87.1(3F),−104.5(4F),−128.4〜−129.3(2F),−130.2(2F),−132.3(1F),−133.8(1F).
[例2−8]分解反応による(FSOCFCFOCFCFCOFの製造例
例2−7で得た(FSOCFCFOCFCFCFOCOCF(CF)OCFCFCF(2.9g)をNaF粉末(0.02g)と共にフラスコに仕込み、激しく撹拌を行いながらオイルバス中で140℃で10時間加熱した。フラスコ上部には20℃に温度調節した還流器を設置した。冷却後液状サンプル(2.6g)を回収した。GC−MSにより分析した結果、CFCFCFOCF(CF)COF(NMR収率は68.0%。)および(FSOCFCFOCFCFCOF(NMR収率は72.4%。)が主生成物として確認された。
[例3](FSOCFCFOCFCFCFOCF(CF)COFの製造例
例2と同様の方法で得た(FSOCFCFOCFCFCOF(82.7g)を、CsF粉末(2.33g)、ジグライム(33.0g)と共に200mLのオートクレーブに仕込み、氷冷下、撹拌を行いながらヘキサフルオロプロピレンオキシド(33.0g)を導入した。そのまま1時間、撹拌してから内容物を減圧蒸留して留分(38.9g、沸点79℃〜80℃/667Pa)を得た。留分をNMRとGCで分析した結果、標記化合物(GC純度86%、転化率57%、NMR収率60%)の生成を確認した。また(FSOCFCFOCFCFCOF(35.9g)を回収した。
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ46.7(2F),26.7(1F),−79.0(1F),−79.3(2F),−82.1(3F),−86.4(1F),−104.5(4F),−128.2(2F),−130.9(1F),−133.7(1F).
[例4](FSOCFCFOCFCFCFOCF=CFの製造例
炭酸水素カリウム(6.03g)、モノグライム(59mL)と共にフラスコに仕込み、氷冷下、撹拌を行いながら例3で得た(FSOCFCFOCFCFCFOCF(CF)COF(35.6g)を滴下した。そのまま30分間、真空乾燥してから、さらに120℃で48時間、真空乾燥して(FSOCFCFOCFCFCFOCF(CF)COOK(21.1g)を得た。この(FSOCFCFOCFCFCFOCF(CF)COOKを400Pa(絶対圧)にて、200℃に加熱し、発生するガスを液体窒素で冷やしたトラップに捕集して液体(8.35g)を得た。液体をNMRとGCで分析した結果、標記化合物(NMR収率25%、GC純度87%)の生成を確認した。また、その他の成分として(FSOCFCFOCFCFCFOCFHCFの生成が確認された。
19F−NMR(282.7MHz;CDCl,CFCl)δ46.7(2F),−79.4(2F),−85.6(2F),−103.1〜−105.4(4F),−113.3(1F),−121.7(1F),−128.3(2F),−133.7(1F),−135.7(1F).
本発明の製造方法によれば、入手容易な原料から、効率的かつ安価に、様々な構造を有するスルホニルフルオリド化合物が比較的安価に製造される。さらに、本発明の方法においては、反応生成物を再利用することができる。よって原料使用量や廃棄物量を低減することができる経済的な製造方法である。

Claims (17)

  1. 下式(1F)で表される化合物を液相中でフッ素と反応させて下式(2)で表される化合物とし、つぎに、式(2)で表される化合物を分解して下式(3)で表される化合物を得ることを特徴とする下式(3)で表される含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法。
    (FSO−)(−E−R (1F)
    (FSO−)AF(−E−RBF (2)
    (FSO−)AF(−EF1 (3)
    (ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
    は、炭素数2以上の(n+m)価の有機基。
    は、1価の有機基。
    Eは、2価の連結基。
    AFは、Rと同一の基またはRがフッ素化された(n+m)価の有機基。
    BFは、Rと同一の基またはRがフッ素化された1価の有機基。
    は、Eと同一の基またはEがフッ素化された2価連結基。
    F1は、Eの分解により形成される1価基。
    nは、2以上の整数。
    mは、1以上の整数。
    ただし、R、R、およびEの少なくとも1つはフッ素化されうる基であり、RAF、RBF、およびEの少なくとも1つは、それぞれ、R、R、およびEがフッ素化されて形成した基である。)
  2. 下式(7)で表される化合物をハロゲン原子を必須とする酸化剤を用いて酸化して下式(1)で表される化合物とし、該式(1)で表される化合物においてXがフッ素原子である場合には該化合物を式(1F)で表される化合物として用い、該式(1)で表される化合物においてXがフッ素原子以外のハロゲン原子である場合には、つぎに該Xをフッ素原子に変換して得た化合物を式(1F)で表される化合物として用いる請求項1に記載の製造方法。ただし、下式中のR、E、R、n、およびmは、前記と同じ意味を示す。Yは水素原子、1価の有機基、または−SO 基(ただし、Mはアルカリ金属原子を示す。)を示し、Xはハロゲン原子を示す。
    (Y−S−)(−E−R (7)
    (XSO−)(−E−R (1)
  3. Xが塩素原子である請求項2に記載の製造方法。
  4. Xが塩素原子である場合において、酸化を、水を必須とする溶媒中で塩素と反応させることにより行う請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 下式(11)で表される化合物をハロゲン原子を必須とする酸化剤を用いて酸化して下式(1−A)で表される化合物を得て、該式(1−A)で表される化合物においてXがフッ素原子である場合には、該化合物をnが2である式(1F)で表される化合物として用い、Xがフッ素原子以外である場合には、該Xをフッ素原子に変換して得た化合物をnが2である式(1F)で表される化合物として用いる請求項1に記載の製造方法。ただし、下式中のRA1は炭素数2以上の(2+m)価の有機基であり、E、R、n、X、およびmは、前記と同じ意味を示す。
    Figure 2005003062
  6. Eが−CHOCO−基(ただし、該基の向きは限定されず、ケト基を形成する炭素原子はR、RA1またはRと結合する。)であり、Eが−CFOCO−基(ただし、該基の向きはEの向きに対応する同じ向きであり、ケト基を形成する炭素原子はRAFまたはRBFと結合する。)であり、EF1が−COF基である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 式(1F)で表される化合物が、フッ素含量が30質量%以上であり、かつ、分子量が200〜1300である化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. が、(n+m)価飽和炭化水素基またはヘテロ原子含有(n+m)価飽和炭化水素基であり、Rが、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ1価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)]基であり、式(2)で表される化合物がペルフルオロ化された化合物であり、RAFが、ペルフルオロ(n+m)価飽和炭化水素基またはペルフルオロ[ヘテロ原子含有(n+m)価飽和炭化水素]基であり、RBFがRと同一の基である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 下式(7−a)で表される化合物を、水を必須とする溶媒中で塩素と反応させることにより酸化して下式(1−a)で表される化合物とし、該式(1−a)で表される化合物をフッ化して下式(1F−a)で表される化合物とし、該式(1F−a)で表される化合物を液相中でフッ素と反応させることにより下式(2−a)で表される化合物とし、該式(2−a)で表される化合物においてエステル結合の分解反応を行なうことを特徴とする下式(3a−1)で表される化合物の製造方法。
    (Y−S)(−CHOCO−RBF (7−a)
    (ClSO−)(−CHOCO−RBF (1−a)
    (FSO−)(−CHOCO−RBF (1F−a)
    (FSO−)CF(−CFOCO−RBF (2−a)
    (FSO−)CF(−COF) (3a−1)
    ただし、式中のYは水素原子、1価の有機基、または−SO 基(ただし、Mはアルカリ金属原子を示す。)を示し、Rは炭素数2以上のフッ素原子を含まない(p+q)価の有機基を示し、RCFはRがペルフルオロ化された基であり炭素数2以上のペルフルオロ化された(p+q)価の有機基を示し、RBFはペルフルオロ化された1価有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
  10. 下式(3a−1)で表される化合物。
    (FSO−)CF(−COF) (3a−1)
    ただし、式中のRCFは、ペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価の有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
  11. 下式(3a−11)で表される化合物。
    Figure 2005003062
    ただし、aは1〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、Qは単結合またはエーテル性酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を示す。
  12. 下式(3a)で表される化合物にヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加させることを特徴とする下式(12a)で表される化合物の製造方法。
    (FSO−)AF(−COF) (3a)
    (FSO−)AF(−CFOCF(CF)COF) (12a)
    ただし、RAFはRと同一の基またはRがフッ素化された(n+m)価の有機基を示し、nは2以上の整数を示し、mは1以上の整数示す。
  13. 下式(12a−1)で表される化合物。
    (FSO−)CF(−CFOCF(CF)COF) (12a−1)
    ただし、RCFはペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価の有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
  14. 下式(12a−11)で表される化合物。
    Figure 2005003062
    ただし、aは1〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、Qは単結合またはエーテル性酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を示す。
  15. 下式(12a)で表される化合物を熱分解反応させることを特徴とする下式(13b)で表される含フッ素スルホニルビニルエーテル化合物の製造方法。
    (FSO−)AF(−CFOCF(CF)COF) (12a)
    (FSO−)AF(−CFOCF=CF (13b)
    ただし、RAFはペルフルオロ化された(n+m)価の有機基を示し、nは2以上の整数を示し、mは1以上の整数示す。
  16. 下式(13a−1)で表される化合物。
    (FSO−)CF(−CFOCF=CF (13a−1)
    ただし、RCFはペルフルオロ化された炭素数2以上の(p+q)価の有機基を示し、pは2または3を示し、qは1または2を示す。
  17. 下式(13b−11)で表される化合物。
    Figure 2005003062
    ただし、aは1〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、Qは単結合またはエーテル性酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を示す。
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