JPWO2004112856A1 - 医療用骨補填材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

1)組織為害性を示さない、2)骨伝導性を示す、3)骨と置換する、4)骨補填術式に必要な機械的強さを有するという全ての所要性質を満足する医療用骨補填材を提供する。 実質的に粉末を含まないカルシウム化合物のブロックと、リン酸塩を含有する溶液の少なくとも一方が炭酸基を含有しており、カルシウム化合物ブロックとリン酸塩溶液を接触させて炭酸アパタイトを生成させるが、焼結を行わないことによって炭酸アパタイトを主成分とする医療用骨補填材を製造する。カルシウム化合物のブロックは、好ましくは、人工的に合成したカルシウム化合物を用いて製造したものであり、特に好ましくはフォーム状カルシウム化合物である。

Description

本発明は、医療用骨補填材およびその製造方法に係り、特に生体硬組織の再生あるいは再建に用いられる骨補填材に関するものである。
医科および歯科においては病的原因あるいは外傷により骨欠損を再建あるいは再生する症例に遭遇する場合が多い。骨欠損再建の第一選択は自家骨移植であるが、自家骨採取に伴う健全部位への侵襲、採取できる骨量や骨形態の制限などの問題がある。そのため、人工的に製造された骨補填材が臨床応用されている。
医療用骨補填材は、1)組織為害性を示さない、2)骨伝導性を示す、3)骨と置換する、4)骨補填術式に必要な機械的強さを有するという諸特性を兼備することが望まれる。組織為害性を示さないことは生体材料の必須要件であり、組織為害性は実験動物に骨補填材のインプラントを行い肉眼的にあるいは病理組織的に炎症所見が得られるかどうかで判断される。また、骨補填材の機械的強さが小さくて骨再建術式において骨補填材の一部が崩れ粉末として骨欠損内部に残留する場合にも結晶性炎症が惹起され、骨補填材の機械的強さは組織為害性にも影響を及ぼす。骨伝導性とは、骨欠損部に補填した場合に母床骨から骨組織が新生し、骨補填材を覆う性質である。骨補填材にとって骨伝導性は極めて重要な要因であり、骨伝導性の有無は実験動物に骨補填材のインプラントを行い、病理組織学的に判断される。また一般的に骨芽細胞を骨補填材表面で培養すると骨芽細胞の分化が促進される材料は骨伝導性材料であることが知られている。
骨補填材にとって骨との置換は極めて有用な性質である。骨補填材が骨と置換するにはリモデリングのように破骨細胞による吸収過程と骨芽細胞による骨形成過程が進行することが理想である。骨補填材の骨との置換は、実験動物に骨補填材のインプラントを行い、病理組織学的に判断する。しかし、実験動物を用いた骨置換の有無の判断に関しては相当の実験期間が必要となる。また骨伝導性材料の場合、破骨細胞により吸収が進行すれば当該材料は原理的に骨と置換されるため、破骨細胞を材料表面に播種、培養し、破骨細胞が材料表面に吸収窩を形成するか否かで骨置換の有無が確認されている。骨補填材にとって、骨再建術式に必要な機械的強さを有することも重要である。骨再建術式に必要な機械的強さは必ずしも限定されないが、当然、インプラント術式に耐えうる機械的強さを有することは必須条件である。
現在、骨補填材として最も検討されている材料は、ハイドロキシアパタイトである。ヒトを含めた脊椎動物の骨や歯などの硬組織の無機主成分はハイドロキシアパタイト{Ca10(PO(OH)}を基本組成とするアパタイトであるためハイドロキシアパタイト粉末を化学的に合成し、ハイドロキシアパタイト粉末を焼結したハイドロキシアパタイト焼結体が骨補填材としては臨床応用されている。ハイドロキシアパタイト焼結体は骨伝導性を示すために極めて有用な骨補填材であるが、骨欠損部で経時的にも吸収されることはなく非吸収性材料である。骨には造血作用などの生物学的機能があり、理想的には骨と置換する骨補填材が望まれている。
そのために生体内吸収性材料であるβ型リン酸三カルシウムや硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等が骨補填材として臨床応用されているが、これらの材料は生体内吸収性を示すものの骨伝導性がない、あるいは、骨伝導速度がハイドロキシアパタイト焼結体と比較して小さい。また、β型リン酸三カルシウムや硫酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの生体内吸収性材料の吸収機序は物理化学的溶解や異物巨細胞による吸収であるため骨芽細胞による骨形成とリンクしていない。そのため骨欠損部が大きい場合や老齢等の原因により骨形成能力に劣る骨欠損部の場合は十分な骨形成の前に骨吸収が進行し、その結果、骨補填材が骨に置換する前に消失して骨欠損部が繊維性結合組織で再建されてしまう。
自家骨移植の場合に移植骨が骨と置換するのは生体骨のリモデリングと同様の機序である。すなわち、破骨細胞により骨が吸収され、骨芽細胞により骨が形成される。ハイドロキシアパタイト焼結体は骨伝導性を示し、骨芽細胞により骨が形成されるプロセスは進行しているものの、破骨細胞により吸収されないため骨と置換しない。破骨細胞による吸収は破骨細胞がハウシップ窩を形成しハウシップ窩内部を低pHに誘導することにより骨のアパタイトを溶解して行われる。骨のアパタイトは炭酸基を含有する炭酸アパタイトであるため破骨細胞が形成する低pH環境で溶解されるが、ハイドロキシアパタイト焼結体は炭酸基を含有しないため破骨細胞が形成する低pH環境で溶解されない。すなわち骨補填材として現在臨床応用されているハイドロキシアパタイト焼結体が骨と置換しない一つの理由は炭酸アパタイトでないことに起因していると考えられる。
したがって、炭酸アパタイトを用いることによって理想的な骨補填材が得られるものと期待される。しかし、医療用骨補填材として実用に供することのできる炭酸アパタイトを製造する技術は未だ見出されていない。すなわち、炭酸アパタイトについては、従来より、生体関連物質等の吸着材ないしは担体としての用途は知られており、この他に、歯や骨の修復材としての用途も提示されているが〔例えば、特開平7−61861号公報(特許文献1)、特開平10−36106号公報(特許文献2)、特開平11−180705号公報(特許文献3)など〕、後者の用途は、歯や骨の欠損部位に単に充填する目的で使用されるに過ぎず、組織為害性を示さず炎症を起こさないことや骨と置換する等の医療用骨補填材としての必須の条件を満たすような炭酸アパタイトを主成分とする材料は未だ開発されていない。
特開平7−61861号公報 特開平10−36106号公報 特開平11−180705号公報
本発明の目的は、1)組織為害性を示さない、2)骨伝導性を示す、3)骨と置換する、4)骨補填術式に必要な機械的強さを有するという全ての所要性質を満足する医療用骨補填材を提供することにある。
本発明者は、種々検討を重ねた結果、特定の条件の下に、炭酸基を存在させてカルシウム化合物とリン酸塩溶液(水溶液)とから炭酸アパタイトを生成させることにより、上述したような所要性質の全てを満たす医療用骨補填材が得られることを見出し、本発明を完成したものである。
かくして、本発明に従えば、実質的に粉末を含まないカルシウム化合物のブロックと、リン酸塩を含有する溶液の、少なくとも一方が炭酸基を含有しており、前記カルシウム化合物ブロックと前記リン酸塩溶液を接触させて炭酸アパタイトを生成させるが、焼結を行わないことを特徴とする、炭酸アパタイトを主成分とする医療用骨補填材の製造方法が提供される。
本発明の好ましい態様においては、カルシウム化合物のブロックは、人工的に合成したカルシウム化合物を用いて製造したものであり、特に好ましい態様においては、フォーム状カルシウム化合物である。
本発明は、さらに、上記のような方法によって製造され、0.5重量%以上の炭酸基を含有する炭酸アパタイトを主成分とする医療用骨補填材も提供する。
本発明は、1)組織為害性を示さない、2)骨伝導性を示す、3)骨と置換する、4)骨補填術式に必要な機械的強さを有するという医療用骨補填材の所要性質の全てを満足する医療用骨補填材を提供するものである。
[図1]実施例1で製造された医療用骨補填材の粉末X線回折パターン。
[図2]実施例1で製造された医療用骨補填材のフーリエ変換赤外分光スペクトル。
[図3]実施例3で製造された医療用骨補填材の粉末X線回折パターン。
[図4]実施例3で製造された医療用骨補填材のフーリエ変換赤外分光スペクトル。
[図5]比較例2で製造された医療用骨補填材の粉末X線回折パターン。
[図6]比較例2で製造された医療用骨補填材のフーリエ変換赤外分光スペクトル。
[図7]実施例4で製造された医療用骨補填材の形態を示す顕微鏡写真。
[図8]実施例4で製造された医療用骨補填材の粉末X線回折パターン。
[図9]実施例4で製造された医療用骨補填材のフーリエ変換赤外分光スペクトル。
本発明は、炭酸基を含有させながらカルシウム化合物とリン酸塩溶液とを接触させて炭酸アパタイトを生成させるに当たって、次の(I)〜(III)の事項を特徴とするものであり、これによって、既述の1)組織為害性を示さない、2)骨伝導性を示す、3)骨と置換する、4)骨補填術式に必要な機械的強さを有するという所要特性の全てを充足する医療用骨補填材を初めて具現化したものである。
(I)本発明の医療用骨補填材の製造方法における第一の特徴は、出発原料となるカルシウム化合物として、実質的に粉末を含まないカルシウム化合物のブロックを用いることにある。ここで、本発明でいう「ブロック」とは、固体形状のうち粉末形態でないものを指称し、顆粒や緻密体、多孔体などが例示される。ブロックの大きさとしては数平均粒径が0.2mm以上のものが好ましく、数平均粒径が0.5mm以上のものがより好ましく、特に、ブロックの大きさが数平均粒径として1mm以上であれば全く問題ない。本発明において用いられるのに、特に好ましいカルシウム化合物ブロックの例は、フォーム状カルシウム化合物である。また、本発明において「実質的に粉末を含まない」とは、上記のごときブロック体に含有される粒径20ミクロン以下の粒子が1重量%以下であることを意図している。
本発明者が見出したことによれば、驚くべきことに、このような「実質的に粉末を含まないカルシウム化合物のブロック」を用いると、炎症反応が起こらず組織為害性を示さない骨補填材が得られる。これは骨補填材をインプラントした場合に異物巨細胞などの貧食細胞が粒径の小さい炭酸アパタイト粉末を貧食した結果炎症反応が惹起されることがなくなるためと理解される。組織親和性の観点からはブロック体に含有される粒径20ミクロン以下の粒子が0.8重量%以下であることがより好ましく、0.5重量%以下であればさらに好ましい。これに対して、吸着剤などに使用されている従来の炭酸アパタイトでは、原料となるカルシウム化合物を粉末状にしている〔例えば、特開平10−36106号(特許文献2)では原料の炭酸カルシウムの平均粒子径を1〜50μmとすべきとしている〕が、このような粉末原料から得られる炭酸アパタイトは、本発明が対象としているような医療用骨補填材としては実用に全く供することができない。
(II)本発明に従う医療用骨補填材の製造方法における第2の特徴は、上記(I)で述べたようなカルシウム化合物ブロックとリン酸塩溶液の少なくとも一方が炭酸基を含有するようにして両者を接触させることにより炭酸アパタイトを生成させるだけで、その後に焼結を行わないことにある。
本発明が対象とするような反応系においては、炭酸カルシウムよりも炭酸アパタイトの方が熱力学的に安定であるため、焼結の起こらない低温においても充分に硬い炭酸アパタイトが生成される。反対に、炭酸アパタイトを焼結すると焼結操作において炭酸基が脱離することは不可逆的であるため所望の炭酸アパタイトが製造できない。また、焼結操作により結晶性が向上し、比表面積が低減化するため破骨細胞により吸収されにくくなり、骨との置換速度が著しく遅くなったり骨と置換しなくなる。したがって、従来より提案されているような炭酸アパタイト焼結体〔例えば、特開平7−61861号公報(特許文献1)には、炭酸アパタイト粉末を600〜850℃の温度で焼結させている〕は、本発明が対象とする骨との置換性が優れている医療用骨補填材としては効を奏し得ない。
(III)本発明に従い既述したような所要特性の全てを満足する医療用骨補填材を得るには、上記(I)および(II)の要件に加えて、出発原料となるカルシウム化合物ブロックの純度を考慮することが必要である。
骨補填材において組織為害性を示し炎症を起こす最大の原因は原料カルシウム化合物に含有される不純物や抗原性物質である。この点から本発明において使用するのに好ましいのは、本質的に不純物が少ない人工的に合成したカルシウム化合物ブロックである。これに対して、従来より、炭酸アパタイトの製造には天然のカルシウム化合物を破砕して利用することが提唱されている〔例えば、特開平11−180705号公報(特許文献3)においては、生体関連物質の吸着材や担体などに用いられる炭酸アパタイトの原料として石灰石等の粉砕物を用いている〕が、このような天然材料を用いたのでは、上記(I)で述べたように好ましくない粉末(粒径20ミクロン以下の粒子)が多く含有されていることに加えて、天然材料に固有の不純物が含まれているため、本発明が対象とするような組織為害性に由来する炎症を起こさない骨補填材を得ることは到底できない。
以下、本発明に従う医療用骨補填材とその製造方法の構成要素に沿って本発明の実施の形態を詳述する。
本発明でいう「人工的に合成したカルシウム化合物」とは化学的方法等で合成した試薬などのカルシウム化合物をいう。天然材料および生体由来のカルシウム化合物は「人工的に合成」された材料ではない。例えば天然の石膏粉末や骨粉はカルシウム化合物であるが人工的に合成したカルシウム化合物ではない。しかし、天然の石膏や骨などを原料に溶解精製工程などを経て製造されたカルシウム化合物は人工的に合成したカルシウム化合物である。
本発明でいうカルシウム化合物とはカルシウムを含有する化合物であり、金属カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フッ化カルシウム、ギ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水素化カルシウム、ヨウ化カルシウム、乳酸カルシウム、アパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸水素カルシウム、ケイ酸カルシウム、などが例示される。カルシウム化合物は純品でも複数のカルシウム化合物の混合物でもよい。
本発明でいうリン酸塩とはリン酸基を含有する化合物であり、リン酸、リン酸三アンモニウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウムアンモニウム、リン酸ナトリウム二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三マグネシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素マグネシウムリン酸三ジアセチル、リン酸ジフェニル、リン酸ジメチル、リン酸セルロース、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸テトラブチルアンモニウム、リン酸銅、リン酸トリエチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリストリメチルシリル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリメチル、リン酸グアニジン、リン酸コバルト、などが例示される。リン酸化合物は純品でも複数のリン酸化合物の混合物でもよい。
本発明においては、炭酸基を含有する化合物を用いることにより、カルシウム化合物ブロックとリン酸塩溶液の少なくとも一方に炭酸基が含有されるようにする。ここで、本発明でいう炭酸基を含有する化合物とは、二酸化炭素(CO)および炭酸基(CO 2−)と陽イオンの化合物であり、炭酸ガス、ドライアイス、炭酸水素ナトリウム、炭酸二ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸二カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸二アンモニウム、炭酸カルシウム、などが例示される。炭酸基を含有する化合物は純品でも複数の炭酸基含有化合物の混合物でもよい。
本発明でいうアパタイトとはA10(BOを基本構造として有する化合物であり、ここで、AはCa2+、Cd2+、Sr2+、Ba2+、Pb2+、Zn2+、Mg2+、Mn2+、Fe2+、Ra2+、H、H、Na、K、Al3+、Y3+、Ce3+、Nd3+、La3+、C4+、BOはPO 3−、CO 2−、CrO 3−、AsO 3−、VO 3−、UO 3−、SO 2−、SiO 4−、GeO 4−、CはOH、OD、F、Br、BO2−、CO 2−、O2−、などである。本発明でいう、ハイドロキシアパタイトはCa10(PO(OH)である。本発明でいう炭酸アパタイトとはハイドロキシアパタイトのリン酸基あるいは水酸基の一部あるいは全部が炭酸基に置換しているアパタイトであり、リン酸基が炭酸基に置換しているアパタイトをBタイプ炭酸アパタイト、水酸基が炭酸基に置換しているアパタイトをAタイプ炭酸アパタイトという。
本発明でいうフォーム状とはポリウレタンフォーム(いわゆるスポンジ)のような連続気孔を有する三次元形態をいう。
本発明において用いられるカルシウム化合物ブロックは、人工的に合成したカルシウム化合物の焼成や気硬性セメントの硬化反応あるいは水硬性セメントの硬化反応などで製造できる。カルシウム化合物ブロックをカルシウム化合物の焼成で製造する場合、例えば、リン酸三カルシウムブロックはリン酸三カルシウム粉末を一軸圧縮成形し、圧粉体を1500℃で6時間焼成することによって製造できる。本発明においてカルシウム化合物ブロック製造の目的は炭酸アパタイトを主成分とする医療用骨補填材のカルシウム成分の供給を目的としているため炭酸基の脱離防止のためのHIPやCIP等の特殊装置を用いる必要はないが、HIPやCIPの使用を制限するものではない。しかし、基本的にはHIPやCIPを用いる必要がないため製造コストが安価になり、また大量生産が可能になる。さらに任意の形態の骨補填材が形成できるという特徴を有する。
カルシウム化合物ブロックを気硬性セメントの硬化反応で製造する場合、例えば、水酸化カルシウムと二酸化炭素の反応が例示される。水酸化カルシウムを一軸圧縮成形し、得られた圧粉体に水蒸気存在下で二酸化炭素と反応させると、炭酸カルシウムが析出し、水酸化カルシウム圧粉体の一部あるいは全部が炭酸カルシウムである炭酸カルシウムブロックが製造される。
カルシウム化合物ブロックを水硬性セメントの硬化反応で製造する場合、例えば、石膏が例示される。石膏を水で練和し所望の型枠に流し込むと石膏が硬化し硫酸カルシウムブロックが製造される。石膏等の水硬性セメントでカルシウム化合物ブロックを製造する場合は任意形状のカルシウム化合物ブロックが容易に製造できるという大きな特徴がある。
カルシウム化合物ブロックはサンゴや大理石、天然石膏などとして天然にも豊富に産出するが、既述のように、これらの天然カルシウム化合物ブロックは不純物を含有するので生体材料としては不適切であり、カルシウム化合物ブロックの製造においては化学合成など人工的に合成した高純度の原料を使用する必要がある。同様に骨などの生体由来材料の場合は抗原性の問題があるため生体材料としての使用は不適切である。
カルシウム化合物ブロックの形状に関しては特に制限はないが、多孔体形状であることが骨との置換速度の増進に極めて有効であるため好ましい。多孔体の場合、気孔率は10%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。50%以上であればさらに好ましい。特にカルシウム化合物ブロックがフォーム状形態を示している場合は極めて医療用骨補填材としての骨置換速度が速いために特に好ましい。フォーム状カルシウム化合物ブロックは例えば「多孔性セラミックスの開発」(株式会社シーエムシー発行、服部信、山中商司監修、1991年)277頁〜294頁に記載の公知の方法で製造される。すなわち、気泡膜を除去した軟質ポリウレタンフォームをカルシウム化合物懸濁液に浸漬し、ポリウレタンフォームの骨梁表面にカルシウム化合物を付着させる。乾燥したカルシウム化合物付着ポリウレタンフォームを所望の温度で焼成しポリウレタンフォームを焼却するとともにカルシウム化合物を焼結させカルシウム化合物フォームを製造する。
連続気孔を有するフォーム状形態であれば骨細胞が内部まで侵入し三次元的に骨置換を進めるためフォーム状カルシウム化合物ブロックを用いた本発明による医療用骨補填材の製造法は極めて有用であるが、骨細胞の侵入の観点からは平均気孔径が50ミクロンから1000ミクロンのフォーム状化合物ブロックが好ましく、平均気孔径が100ミクロンから500ミクロンのフォーム状化合物ブロックがより好ましく、平均気孔径が200ミクロンから300ミクロンのフォーム状化合物ブロックがさらに好ましい。
以上のようにして製造されたカルシウム化合物ブロックは、リン酸塩を含有する溶液と接触させられる。リン酸塩含有溶液は、一般に、pHが4.5以上のものである。接触方法としてはカルシウム化合物を当該溶液に浸漬したり、カルシウム化合物に当該溶液スプレー等が可能であるが、一般的に浸漬する方法がもっとも簡便かつ経済的である。なお、カルシウム化合物ブロックとリン酸塩を含有する溶液とを接触させる場合において、カルシウム化合物ブロックの組成に炭酸基を含有しない場合はリン酸塩を含有する溶液に炭酸基を含有する成分を添加することが必須である。炭酸カルシウムブロックなど炭酸基を含有するカルシウム化合物ブロックの場合、リン酸塩を含有する溶液に炭酸基を含有させる必要がないが、さらに製造する骨補填材の炭酸基含有量の調整を目的としてリン酸塩を含有する溶液にさらに炭酸基を含有させることも問題ない。炭酸基を含有する成分はリン酸塩を含有する溶液に溶解してもよいし、飽和量以上に添加してもよいが、製造する骨補填材に必要な炭酸基量を供給することが必要である。
カルシウム化合物ブロックとリン酸塩を含有する溶液とを接触させる温度に関して特に制限はないが、温度が高い方が炭酸アパタイトを主成分とする医療用骨補填材を迅速に製造できる。そのため反応温度としては50℃以上が好ましく、80℃以上がさらに好ましい。水熱反応を用いて100℃以上で製造すると製造速度が早くなるだけでなく炭酸アパタイトが内部まで形成されやすいため特に好ましい。但し、本発明に従う骨補填材の製造においては焼結操作を要しないことは既述のとおりである。
カルシウム化合物ブロックとリン酸塩を含有する溶液とを接触させる時間に関しても特に制限はなく、製造された医療用骨補填材の組成とのかねあいから適宜接触時間を決定する。
本製造法により炭酸アパタイトを主成分とする医療用骨補填材が製造できる機序は必ずしも十分に明らかになっていないが、既述のように、炭酸基が存在する場合には炭酸アパタイトが熱力学的な最安定相となるためカルシウム化合物が炭酸アパタイトに相変換すると考えられる。
形成される骨補填材中の炭酸アパタイトの含有量は特に規定されない。しかし、骨置換速度の関係などから炭酸アパタイトが組成中の50重量%以上であることが好ましく、炭酸アパタイトが70重量%以上であることがより好ましい。炭酸アパタイトが組成中の90重量%以上であればさらに好ましい。
形成される骨補填材に含有される炭酸基の量は骨置換速度に大きく影響を及ぼし、炭酸基の含有量の増大にともない骨置換速度が増大する。本発明に従えば、従来から知られたハイドロキシアパタイト焼結体に比べて骨置換速度が著しく増大した0.5重量%以上の炭酸基を含有する炭酸アパタイトを製造することができる。骨補填材に含有される炭酸基の量としては2重量%以上が好ましく、4重量%以上がより好ましい。6重量%以上であればさらに好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例を用いて更に詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
なお、下記の実施例および比較例において製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率の測定は下記の方法で行った。すなわち、概ね10gの炭酸アパタイトブロックの重量を測定後、200mLの蒸留水中に浸漬し炭酸アパタイトブロックが容器あるいは撹拌棒と衝突しないように注意して撹拌棒で蒸留水を撹拌した。その後、炭酸アパタイトブロックが浸漬されている蒸留水の全量を140メッシュのふるいを通し、さらに140メッシュのふるいの上に静置されている炭酸アパタイトブロック上から100mLの蒸留水を流す操作を3回繰り返した。140メッシュのふるいを通過した蒸留水および粒子をJIS P3801で規格する6種の濾紙で濾過した後、乾燥し、粒子の重量を測定した。乾燥した粒子を再度蒸留水に懸濁し、沈降型粒度測定装置を用いて粒径分布を求めた。20ミクロン以下の粒子の割合および140メッシュのふるいを通過した粒子の重量から製造されたアパタイトブロックの含有されている20ミクロン以下の粒子の含有量を求めた。
硫酸カルシウム半水和物(ナカライテスク製)と蒸留水を混水比0.4(mL/g)で練和し、硫酸カルシウムブロックを製造した。炭酸アンモニウムを懸濁させたリン酸水素二アンモニウムの1モル濃度溶液に製造した硫酸カルシウムブロックを80℃で2日間浸漬した。
製造されたブロック体の粉末X線回折パターン(図1)およびフーリエ変換赤外分光スペクトル(図2)からブロック体の組成が炭酸アパタイトであることがわかった。また、CHN分析装置で炭酸基含有量を測定すると炭酸基含有量は7重量%であることがわかった。製造された骨補填材の間接引張強さは1.2MPaであった。製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率は約0.002重量%であった。
製造された炭酸アパタイトブロック体の上に骨芽細胞を播種し、培養した。骨伝導性のマーカーとしたオステオカルシン値は15日目で11ng/mLであり細胞培養様シャーレの3ng/mLより著明に大きい値を示したことから骨伝導性を有することが示唆された。また、製造された炭酸アパタイトブロック上で破骨細胞を培養すると、炭酸アパタイト表面に吸収窩が認められたことから製造された骨補填材は骨と置換すると判断された。ラット頸骨にインプラントしても炎症所見は認められなかった。また病理組織像からは製造された炭酸アパタイトブロック体に骨が伝導している所見が認められた。
硫酸カルシウム半水和物(ナカライテスク製)と炭酸カルシウム(ナカライテスク製)の等重量混合物を蒸留水とを混水比0.4(mL/g)で練和し、カルシウムブロックを製造した。炭酸アンモニウムを懸濁させたリン酸水素二アンモニウムの1モル濃度溶液に製造した硫酸カルシウムブロックを80℃で2日間浸漬した。
製造されたブロック体の粉末X線回折パターンおよびフーリエ変換赤外分光スペクトルからブロック体の組成が炭酸アパタイトであることがわかった。また、CHN分析装置で炭酸基含有量を測定すると炭酸基含有量は8重量%であることがわかった。製造された骨補填材の間接引張強さは4.8MPaであった。製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率は約0.005重量%であった。
製造された炭酸アパタイトブロック体の上に骨芽細胞を播種し、培養した。骨伝導性マーカーとしたオステオカルシン値は15日目で12ng/mLであり細胞培養様シャーレの3ng/mLより著明に大きい値を示したことから骨伝導性を有することが示唆された。また、製造された炭酸アパタイトブロック上で破骨細胞を培養すると、炭酸アパタイト表面に吸収窩が認められたことから製造された骨補填材は骨と置換すると判断された。ラット頸骨にインプラントしても炎症所見は認められなかった。また病理組織像からは製造された炭酸アパタイトブロック体に骨が伝導している所見が認められた。
(比較例1)
本発明の効果を明らかにする目的で、炭酸基を含まないアパタイトブロックを製造した。すなわち、硫酸カルシウム(ナカライテスク製)と蒸留水を混水比0.4(mL/g)で練和し、カルシウムブロックを製造した。窒素置換したリン酸水素二アンモニウムの1モル濃度溶液に製造した硫酸カルシウムブロックを80℃で2日間浸漬した。
製造されたブロック体の粉末X線回折パターンおよびフーリエ変換赤外分光スペクトルからブロック体の組成が、炭酸基を含有しないアパタイトであることがわかった。製造された骨補填材の間接引張強さは1.8MPaであった。製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率は約0.005重量%であった。
製造された炭酸アパタイトブロック体の骨伝導性の上に骨芽細胞を播種し、培養した。骨伝導性マーカーとしたオステオカルシン値は15日目で8ng/mLであり細胞培養様シャーレの3ng/mLより著明に大きい値を示したことから骨伝導性を有することが示唆された。しかし実施例1および2で製造した骨補填材よりは小さい値であった。また、破骨細胞による吸収窩は認められず、本発明の範囲を外れる比較例1の骨補填材が骨置換しないことがわかった。なお、ラット頸骨にインプラントしても炎症所見は認められなかった。また病理組織像からは製造されたアパタイトブロック体に骨が伝導している所見が認められた。
0.2gの水酸化カルシウム(ナカライテスク製)を20kg/cmの軸圧で直径10mmの円形金型をもちいて圧縮成型し、得られた圧粉体に相対湿度100%の二酸化炭素気流下で炭酸化を行い、炭酸カルシウムブロックを得た。得られたブロック体の粉末X線回折パターンおよびフーリエ変換赤外分光スペクトルから得られたブロック体の組成が炭酸カルシウムであることがわかった。この炭酸カルシウムブロックを60℃の1モル濃度のリン酸水素二ナトリウムに7日間浸漬した。炭酸カルシウムブロックと同形態のブロック体が得られた。
製造されたブロック体の粉末X線回折パターン(図3)およびフーリエ変換赤外分光スペクトル(図4)からブロック体の組成が炭酸アパタイトであることがわかった。また、CHN分析装置で炭酸基含有量を測定すると炭酸基含有量は11重量%であることがわかった。製造された骨補填材の間接引張強さは8MPaであった。製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率は約0.005重量%であった。
製造された炭酸アパタイトブロック体の上に骨芽細胞を播種し、培養した。骨伝導性マーカーとしたオステオカルシン値は15日目で13ng/mLであり細胞培養様シャーレの3ng/mLより著明に大きい値を示したことから骨伝導性を有することが示唆された。また、破骨細胞による吸収窩が認められたことから製造された骨補填材は骨と置換すると判断された。ラット頸骨にインプラントしても炎症所見は認められなかった。また病理組織像からは製造された炭酸アパタイトブロック体に骨が伝導している所見が認められた。
(比較例2)
本発明の効果を明らかにする目的で炭酸基を含有していないハイドロキシアパタイト焼結体を製造した。ハイドロキシアパタイト粉末(太平化学製)を20kg/cmの軸圧で圧縮成型し、得られた圧粉体を毎分4℃の条件で1250℃まで昇温し、1250℃で6時間係留した後、炉冷し、ハイドロキシアパタイト焼結体を製造した。
製造されたハイドロキシアパタイト焼結体の粉末X線回折パターン(図5)およびフーリエ変換赤外分光スペクトル(図6)からブロック体の組成が、炭酸基を含有しないアパタイトであることがわかった。製造された骨補填材の間接引張強さは90MPaであった。製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率は約0.001重量%以下であった。
製造された炭酸アパタイトブロック体の上に骨芽細胞を播種し、培養した。骨伝導性マーカーとしたオステオカルシン値は15日目で8ng/mLであり細胞培養様シャーレの3ng/mLより著明に大きい値を示したことから骨伝導性を有することが示唆された。しかし実施例1、2および3で製造した骨補填材よりは小さい値であった。また、破骨細胞による吸収窩は認められず、本発明の範囲を外れる比較例2の骨補填材が骨置換しないことがわかった。なお、ラット頸骨にインプラントしても炎症所見は認められなかった。また病理組織像からは製造されたアパタイトブロック体に骨が伝導している所見が認められた。
(比較例3)
本発明の効果を明らかにする目的で天然材料由来のアパタイトブロックを製造した。粒径約1mmの天然石灰石粉砕物を60℃の1モル濃度のリン酸水素二ナトリウムに7日間浸漬した。石灰石粉砕物と同形態のブロック体が得られた。
製造されたブロック体の粉末X線回折パターンおよびフーリエ変換赤外分光スペクトルからブロック体の組成が炭酸アパタイトであることがわかった。また、CHN分析装置で炭酸基含有量を測定すると炭酸基含有量は10重量%であることがわかった。製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率は約1.2重量%であった。ラット頸骨にインプラントすると天然材料に固有の不純物が原因と考えられる著明な炎症所見が認められた。そのため、病理組織像からは製造された炭酸アパタイトブロック体に骨が伝導している所見は認められなかった。
(比較例3の2)
粉末形態の影響を示し、本発明の効果を明らかにする目的で本発明の範囲を外れる炭酸アパタイトブロックを製造した。比較例3で製造した炭酸アパタイトブロックに含有される20ミクロン以下の粒子を除去する目的で、製造された炭酸アパタイトブロックを140メッシュのふるい上に置き、蒸留水をかけて細かい粒子のみをメッシュ通過させた。メッシュ上に残った炭酸アパタイトブロックを乾燥した。この操作により製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率は約0.05重量%となった。
ラット頸骨にインプラントすると天然材料に固有の不純物が原因と考えられる著明な炎症所見が認められた。その炎症の程度は比較例3より緩やかなものであった。しかし、病理組織像からは製造された炭酸アパタイトブロック体に骨が伝導している所見はやはり認められなかった。
α型リン酸三カルシウム粉末(太平化学製)を蒸留水に1:1の重量比で混合し懸濁液を調整した。ポリウレタンフォーム(ブリジストン株式会社製)をβ型リン酸三カルシウム粉末懸濁液に浸漬、乾燥した。α型リン酸三カルシウム粉末が骨梁に付着しているポリウレタンフォームを400℃までは毎分1℃、400℃からは毎分5℃で加熱し、1500℃で5時間焼成後、炉冷した。その結果、ポリウレタンフォームが焼却されα型リン酸三カルシウムが焼結したα型リン酸三カルシウムフォームが製造された。
製造されたα型リン酸三カルシウムフォームを炭酸ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムを懸濁させた水溶液に浸漬し、200℃で12時間水熱処理した。
得られたフォーム状化合物の形態を図7に示す。得られたフォーム状化合物を粉末X線回折パターン(図8)およびフーリエ変換赤外分光スペクトル(図9)からフォーム状化合物の組成が炭酸アパタイトであることがわかった。また、CHN分析装置で炭酸基含有量を測定すると炭酸基含有量は6重量%であることがわかった。なお、圧縮強さは0.3MPaであった。製造された炭酸アパタイトブロックに含有されている20ミクロン以下の粒子の含有百分率は約0.001重量%以下であった。
製造された炭酸アパタイトブロック体の上に骨芽細胞を播種し、培養した。骨伝導性マーカーとしたオステオカルシン値は15日目で13ng/mLであり細胞培養様シャーレの3ng/mLより著明に大きい値を示したことから骨伝導性を有することが示唆された。また、破骨細胞による吸収窩が認められたことから製造された骨補填材は骨と置換すると判断された。ラット頸骨にインプラントしても炎症所見は認められなかった。また病理組織像からは製造された炭酸アパタイトブロック体に骨が伝導している所見が認められた。
(比較例4)
本発明の効果を明らかにする目的で本発明の範囲でない焼結法による炭酸アパタイトフォームの製造を試みた。炭酸アパタイト粉末は湿式法により合成した。即ち、0.6モルリン酸水素ナトリウム水溶液に、炭酸水素ナトリウムを溶解させて調整した溶液5L(リットル)と、1モル酢酸カルシウム水溶液の5Lとを、同時に、80℃の温度に保持されたイオン交換水3L中に毎時500mLの滴下速度で滴下せしめた。その間、かかるイオン交換水のpHをNaOHで9.0〜9.5の範囲内に制御した。そして、かかる滴下の終了の後、80℃の温度で12時間熟成し、次いで濾過した後、Naイオンが検出されなくなるまで洗浄を施した。そして、これによって得られた粉末を110℃の温度で24時間乾燥した。得られた粉末の組成は粉末X線回折パターンおよびフーリエ変換赤外分光スペクトルから炭酸アパタイトであること、CHN分析装置で炭酸基含有量が9重量%であることを確認した。
製造された炭酸アパタイト粉末を蒸留水に1:1の重量比で混合し懸濁液を調整した。ポリウレタンフォーム(ブリジストン株式会社製)を炭酸アパタイト粉末粉末懸濁液に浸漬、乾燥した。炭酸アパタイト粉末が骨梁に付着しているポリウレタンフォームを400℃までは毎分1℃、400℃からは毎分5℃で加熱し、900℃で5時間焼成後、炉冷した。炉内ではフォーム状の構造物が確認されたが、取り出そうとすると崩れてしまい炭酸アパタイトフォームは製造できないことがわかった。なお、焼成温度を1000℃、1100℃、1200℃、1300℃にしても同様な結果が得られた。
(比較例5)
本発明の効果を明らかにする目的で本発明の範囲でない焼結法による炭酸アパタイトフォームの製造をこころみた。
比較例3で製造した炭酸アパタイト粉末を蒸留水に1:1の重量比で混合し懸濁液を調整した。ポリウレタンフォーム(ブリジストン株式会社製)を炭酸アパタイト粉末粉末懸濁液に浸漬、乾燥した。炭酸アパタイト粉末が骨梁に付着しているポリウレタンフォームを400℃までは毎分1℃、400℃からは毎分5℃で加熱し、1400℃で5時間焼成後、炉冷した。もろいが電気炉から取り出すことは可能であった。得られた粉末の組成は粉末X線回折パターンおよびフーリエ変換赤外分光スペクトルからハイドロキシアパタイトであること、CHN分析装置で炭酸が含有されていないことを確認した。破骨細胞による吸収窩は確認できず、製造した骨補填材は骨と置換されないことがわかった。
(比較例6)
本発明の効果を明らかにする目的で本発明の範囲を外れる比較例4で製造した炭酸アパタイト粉末(平均粒径は1ミクロン以下)をラット頸骨に形成した骨欠損部にインプラントした。インプラント2日目頃よりインプラント部皮膚がふくれてきて、著明な炎症所見が認められた。皮膚を切開すると生液性帯黄色透明の浸出液が認められた。インプラントした炭酸アパタイト粉末は骨欠損部に認められず、骨伝導所見も全く認められなかった。

Claims (4)

  1. 実質的に粉末を含まないカルシウム化合物のブロックと、リン酸塩を含有する溶液の、少なくとも一方が炭酸基を含有しており、前記カルシウム化合物ブロックと前記リン酸塩溶液を接触させて炭酸アパタイトを生成させるが、焼結を行わないことを特徴とする、炭酸アパタイトを主成分とする医療用骨補填材の製造方法。
  2. カルシウム化合物のブロックが、人工的に合成したカルシウム化合物を用いて製造したものであることを特徴とする、請求項1に記載の医療用骨補填材の製造方法。
  3. 人工的に合成したカルシウム化合物を用いて製造したカルシウム化合物ブロックが、フォーム状カルシウム化合物であることを特徴とする請求項2に記載の医療用骨補填材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの方法によって製造され、0.5重量%以上の炭酸基を含有する炭酸アパタイトを主成分とする医療用骨補填材。
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