JPWO2004103947A1 - ブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物の製造方法 - Google Patents

ブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)で表される化合物をラジカル開始剤と酸化剤の存在下、臭素と反応させることを特徴とする、式(II)で表されるブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物の製造方法に関する。
Figure 2004103947

(式中、Rは低級アルキル基、アラルキル基を示し、Xは結合手または芳香族環を示し、Yは結合手または、臭素と反応し得ない2価の基を示す。)
本発明の製造方法によれば、医薬品、例えばアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物の合成中間体として有用な、式(II)で表されるブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物を、従来の方法より工業的に有利に製造することができる。

Description

本発明は、医薬品の合成中間体として有用な4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルなどのブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物の製造方法に関する。
4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルに代表される、式(II):
Figure 2004103947
(式中、Rは低級アルキル基、アラルキル基を示し、Xは結合手または芳香族環を示し、Yは結合手または臭素と反応し得ない2価の基を示す。)で表されるブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物は、医薬品、例えばアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物の合成中間体として有用である(特開昭63−23868号公報)。ブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物の製造方法は、これまで種々報告されている。
例えば、特開昭63−23868号公報、欧州特許第253310号明細書および特表2002−542227号公報には、アゾビス化合物の存在下、N−ブロモスクシンイミド(NBS)またはN,N’−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DDH)等の臭素化剤を用い、4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸エステル化合物を臭素化する方法が報告されている。しかし、この方法では、臭素化剤として高価なN−ブロモスクシンイミド等を用いており、工業的には不利な方法であった。
また、特開平10−279533号公報には、ラジカル開始剤存在下、臭素化剤として安価な臭素で反応させて4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸エステル化合物を製造する方法が報告されており、さらに特開平11−130708号公報には、同様な方法でブロモメチル置換安息香酸エステルを製造する方法が報告されている。しかしながら、これらの方法では、臭化水素を副生するため、カルボン酸エステル、特にtert−ブチルエステルの場合は加水分解される。また、副生した臭化水素は反応を阻害し、反応系中に臭素が残存するため、生成物が着色し、工業用に供するには更に精製が必要となるという欠点があった。
また、特表2001−518904号公報には、過酸化水素の存在下、臭化水素酸水溶液または臭素によって臭素化を行う方法が報告されている。しかし、この方法によると、臭化水素酸水溶液を用いた場合は、カルボン酸エステル、特にtert−ブチルエステルは、加水分解される。また、取扱い上注意を要する30%過酸化水素水溶液を用いなければならず、さらに系中の水の量が多くなり容積効率が悪くなるという問題もあり、工業的に有利な方法とは言えなかった。
本発明の目的は、工業的に有利に4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルなどのブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物を製造することができる方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を行った。即ち、ラジカル開始剤の存在下、メチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物と臭素との反応において、酸化剤を共存させることにより、副生する臭化水素が直ちに臭素に変換されるため、臭化水素によるカルボン酸エステルの加水分解が進行せず、また反応が阻害されることなく進行することを見出した。また、臭素も0.5当量で反応が完結し、経済的にブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物を製造できることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
(1)式(I):
Figure 2004103947
(式中、Rは低級アルキル基、アラルキル基を示し、Xは結合手または芳香族環を示し、Yは結合手または臭素と反応し得ない2価の基を示す。)で表される化合物〔以下、化合物(I)ともいう〕をラジカル開始剤と酸化剤の存在下、臭素と反応させることを特徴とする、式(II):
Figure 2004103947
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物〔以下、化合物(II)ともいう〕の製造方法。
(2)酸化剤が、臭素酸塩または塩素酸塩である上記(1)記載の製造方法。
(3)酸化剤が、臭素酸ナトリウムである上記(1)記載の製造方法。
(4)水の存在下、反応をさせることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)Xが芳香族環であり、かつYが結合手である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)芳香族環が、ベンゼン、ピリジンおよびナフタレンからなる群から選ばれる、上記(5)記載の製造方法。
(7)化合物(I)が、4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本明細書で使用している各記号の定義を行う。
で示される「低級アルキル基」としては、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、tert−ブチル等が挙げられる。
で示される「アラルキル基」としては、炭素数1〜8のアラルキル基、例えば、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル等が挙げられ、好ましくはベンジル等が挙げられる。
Xで示される「芳香族環」としては、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、ナフタレン、フェナントレン等)または芳香族複素環(例えばピリジン等)等が挙げられる。
Xの好適な例としては、結合手、ベンゼン、ナフタレン等が挙げられる。
Xが芳香族環の場合は、化合物(I)および化合物(II)における−COOR(式中、Rは前記と同義を示す)で表される基およびYは、芳香族環上の互いに異なる任意の位置に結合するが、Xがベンゼンの場合は互いにオルソ位に結合するのが好ましい。
Yで示される「臭素と反応し得ない基」としては、臭素により臭素化されないものであれば特に限定はなく、例えば、−O−、−C(=O)−、−CONH−、−SO−、または上記Xで例示された芳香族環上の任意の2個の水素原子を除いて形成される基(例えば、p、m又はo−フェニレン、ピリジレン等)等が挙げられる。
Yの好適な例としては、結合手等が挙げられる。
本発明の製造方法の合成スキームを示すと次のようになる。
Figure 2004103947
本発明は、例えば溶媒中、化合物(I)を、ラジカル開始剤と酸化剤の存在下、臭素と反応させることにより達成される。試薬の添加順序は特に限定はないが、操作性の観点から、溶媒中にあらかじめ仕込んだ化合物(I)、ラジカル開始剤および酸化剤の混合物に、臭素またはその溶液を(好ましくはラジカル開始剤またはその溶液と同時に)滴下する順序で行うことが好ましい。また、反応を円滑に進行させるために、反応混合物を攪拌下に行うことが好ましい。
本発明で使用される化合物(I)としては、上記記号で定義され得るものであれば限定されず、例えば安息香酸にメチル基が置換したトルイル酸エステルや、ビフェニルカルボン酸などフェニル基を介して安息香酸と結合している4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸エステルなどが挙げられるが、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物の合成中間体となり得ることから、4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルが好ましい。
本発明における原料である化合物(I)、例えば、4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸エステルは、公知の方法、例えば、特開2000−26372号公報に記載の方法等により製造することができる。
本発明において、臭素の使用量は、原料である化合物(I)1モルに対して、0.4〜0.7モル、好ましくは0.45〜0.60モル、さらに好ましくは、0.48〜0.53モルである。臭素の使用量が、化合物(I)1モルに対して0.4モル未満である場合は、未反応原料が残存しやすくなる傾向があり、0.7モルを越える場合は、ジブロム体の副生が増加する傾向がある。
ラジカル開始剤としては、アゾビス系化合物、過酸化物等のラジカル開始剤が用いられる。具体的にはアゾビス系化合物として、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル);過酸化物として過酸化ジベンゾイル、過酸化ジtert−ブチル等が挙げられ、好ましくは、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。
ラジカル開始剤の使用量は、化合物(I)に対して、0.1〜10モル%、好ましくは1〜4モル%である。ラジカル開始剤の使用量が、化合物(I)に対して0.1モル%未満である場合は、反応が遅くなる傾向があり、10モル%を越える場合は、それに見合う効果が小さくなり、工業的に不利になる傾向がある。
酸化剤としては、取扱いが比較的安全である酸化剤、例えば臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム等の臭素酸塩;塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸塩が挙げられ、好ましくは、臭素酸ナトリウムが挙げられる。
酸化剤の使用量は、副生する臭化水素を臭素に再生するために必要な理論量またはその僅かに過剰量であればよく、化合物(I)に対して、9〜30モル%、好ましくは20〜30モル%である。酸化剤の使用量が、化合物(I)に対して9モル%未満である場合は、臭素が充分に再生されず、収率が低下する傾向があり、30モル%を越える場合は、それに見合う効果が小さくなり、工業的に不利になる傾向がある。
本発明で用いられる溶媒としては、脂肪族エステル、炭素数5〜7のアルカンまたはハロゲン化炭化水素等が挙げられ、具体的には酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、エチレンジクロライド、四塩化炭素、モノクロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ブロモベンゼン等が挙げられる。これらのうち、好ましくは脂肪族エステル、特に酢酸エチルが好ましい。
当該溶媒の使用量は、化合物(I)に対して通常0.5〜20倍重量、好ましくは1〜20倍重量、より好ましくは1〜15倍重量である。この範囲より少ないと攪拌効率が悪くなる傾向があり、この範囲より多いと反応が遅くなるなど工業的に不利になる傾向がある。
本発明における反応の系中に、水を加えることが好ましい。水を加えることにより、攪拌効率が飛躍的に向上し、反応を円滑に進行させることができる。水の量は、使用する酸化剤に対して1〜4倍重量であり、好ましくは2〜3.5倍重量である。水の量が使用する酸化剤に対して1倍重量未満であると、酸化剤が充分溶解しないため、反応選択率が低下する傾向があり、4倍重量を越えた場合、容積効率が悪くなり生産性が低下する傾向がある。
反応温度は、ラジカル開始剤等によって異なるが、通常は30〜70℃、好ましくは、40〜60℃である。この範囲より低いと、反応が遅くなる傾向があり、この範囲より高いと、ラジカル開始剤が不安定になる傾向があるなど、工業的に無意味になりやすい。また、反応時間も上記の各種反応条件に応じて適宜定められる(例えば、3〜10時間程度)。
以上のような反応で得られる4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルなどの化合物(II)は、反応混合物から単離精製されるが、その方法としては特に限定はなく、例えば定法通り、無機塩を濾過等により除去した後、必要に応じて、溶媒を留去し、適当な別の溶媒で再結晶させる等により行うことができるが、以下の方法により単離精製するのが好ましい。
化合物(I)の残量(HPLC面積百分率)が10%以下になったところで、アルカリ性水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液等)を加えることにより反応液をpH2〜6の範囲にすることや反応終了後の水層を分液洗浄することにより、臭素化反応を終了させる。
有機層を分液し、溶媒を化合物(II)が析出しない程度(化合物(II)に対して0.5〜1倍重量)に減圧濃縮し、必要に応じ析出する無機塩を濾過等により除去する。その後、化合物(II)に対する貧溶媒(例えば、ヘプタンまたはヘキサン等の炭化水素系溶媒)を加え、冷却することにより、化合物(II)を析出させる。また、結晶化を円滑に行うために種結晶を添加してもよい。析出した結晶は、濾過後、濾過物を洗浄して減圧乾燥することによって化合物(II)を単離精製することができる。
本発明で得られる化合物(II)、例えば4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルは、Drug of the Future 1997,22(10),1112−1116に記載の方法により、特開昭63−23868号公報に記載の医薬品として有用なビフェニルメチルイミダゾール化合物に誘導することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
反応容器に酢酸エチル(169.1g)と4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(100g,0.373mol)を加え、約50℃で溶解させた。ついで臭素酸ナトリウム(14.05g,0.093mol)を水33.16gに溶解させた溶液を加えた。2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(2.75g,0.0143mol)を酢酸エチル(20.52g)に溶解し、その溶液の内の4.31gを反応容器中に加えた。約50℃で、臭素(31.33g,0.196mol)と2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の酢酸エチル溶液の残り分とを5時間を要して夫々滴下した。1時間同温度で保温した。ついで、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5〜7に調整し静置、分液した。40〜60KPaの減圧下、50〜70℃で濃縮脱水した。濃縮液の水分量が0.2%になった時点で内容物の重量は250gであった。セライト(2.38g)をプレコート濾過器で濾過し、酢酸エチル(39.02g)で洗浄した。濾液の内容量を201gまで濃縮し、ヘプタン(122.78g)を60〜70℃で滴下した。43℃まで2時間掛けて冷却し、4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの種結晶(0.095g)を加え、約43℃で2時間攪拌した。25〜35℃まで約5時間、さらに0〜5℃まで3時間かけて冷却し、0〜−5℃で5時間熟成した。析出した結晶を−5℃で濾過し、冷却した酢酸エチル(3.03g)とヘプタン(7.06g)との混合液で、ついでヘプタン(92.48g)で結晶を洗浄した。減圧下乾燥することにより4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(99.49g)を得た。収率は76.9%であった。
FT−IR(KBr)ν:3416,1699,1296cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:7.80(d,J=7.8Hz,1H),7.48(m,1H),7.43−7.38(m,3H),7.31−7.25(m,3H),4.55(s,2H),1.26(s,9H)
融点:106.2−108.0℃
以上の結果に見るように、本発明の実施例では、酸化剤として臭素酸ナトリウムを共存させることにより、原料である化合物(I)に対しての0.5当量から僅かに過剰の臭素の使用量で、臭素化を行うことができることが分かった。
本発明の製造方法では、副生してくる臭化水素は酸化剤により直ちに臭素に変換されるので、エステルが加水分解されることがない。また、副生してくる臭化水素により反応が阻害されることがないので反応が促進され、反応系中に残存する臭素は極微量となり、生成物の着色に至らないという利点もある。
また、強酸性ガスである臭化水素を反応系中から除去・処理しなくてもよいため、そのための特別の設備を設ける必要もない。さらに、臭素に含まれる2個の臭素原子を全て有効に利用できるため、経済的にも有利である。さらには、反応系中に含まれる水も比較的少量であるため、容積効率を高くすることができる。
このように本発明の製造方法は、ブロモメチル置換芳香族カルボン酸エステル化合物〔化合物(II)〕を、従来の方法より工業的に有利に製造することができる方法である。

Claims (7)

  1. 式(I):
    Figure 2004103947
    (式中、Rは低級アルキル基、アラルキル基を示し、Xは結合手または芳香族環を示し、Yは結合手または臭素と反応し得ない2価の基を示す。)で表される化合物をラジカル開始剤と酸化剤の存在下、臭素と反応させることを特徴とする、式(II):
    Figure 2004103947
    (式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物の製造方法。
  2. 酸化剤が、臭素酸塩または塩素酸塩である請求項1記載の製造方法。
  3. 酸化剤が、臭素酸ナトリウムである請求項1記載の製造方法。
  4. 水の存在下、反応をさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. Xが芳香族環であり、かつYが結合手である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 芳香族環が、ベンゼン、ピリジンおよびナフタレンからなる群から選ばれる、請求項5記載の製造方法。
  7. 式(I)で表される化合物が、4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸tert−ブチルエステルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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