JPH10298152A - ジアゾ化合物の製造方法 - Google Patents

ジアゾ化合物の製造方法

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JPH10298152A
JPH10298152A JP12310497A JP12310497A JPH10298152A JP H10298152 A JPH10298152 A JP H10298152A JP 12310497 A JP12310497 A JP 12310497A JP 12310497 A JP12310497 A JP 12310497A JP H10298152 A JPH10298152 A JP H10298152A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 式〔IV〕 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ置換されていてもよいア
ルキル基またはフェニル基または保護されていてもよい
水酸基を表す)で表される化合物の工業的に有利な製造
方法の提供。 【解決手段】 式〔I〕 【化2】 (式中、R1 、R2 は前記と同じ意味を表す)で表され
る化合物をアジ化ナトリウムまたはアジ化カリウム、塩
基及び四級アンモニウム塩の存在もしくは非存在下に式
〔II〕 【化3】 (式中、R3 はアルキル基、またはアルキル基、アルコ
キシル基、カルボキシル基もしくはハロゲン原子で置換
されていてもよいアリール基を、Xはハロゲン原子を表
す)で表される化合物を加えることにより生成する式
〔III 〕 【化4】 (式中、R3 は前記と同じ意味を表す)で表されるスル
ホニルアジド化合物とを反応させる事を特徴とする式
〔IV〕で表される化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農医薬の中間原料として
有用な化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】優れた抗菌剤であるカルパペネム系抗生
物質を製造するための中間体としてジアゾ化合物〔V〕
【化5】 が示されている。この化合物はドデシルベンゼンスルホ
ニルアジドまたはp−トルエンスルホニルアジドと化合
物〔VI〕
【化6】 との反応により合成している。(国際特許 WO 90
/08149、Eur.Pat.Appl.EP 40
9,931、Tetrahedoron Letter
s,29,2293(1982)、特開昭59−170
096号公報等参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にスルホニルアジ
ド化合物は不安定で爆発の危険性があり、工業的規模で
の大量製造のためには、その中でも比較的安定なドデシ
ルベンゼンスルホニルアジドを用いられている。しかし
ながらドデシルベンゼンスルホニルアジドが爆発の危険
性が少ないといえ、さらに安全性を考慮した製造方法が
望まれる。またドデシルベンゼンスルホニルアジドは高
価で入手容易でないため他の安価で入手容易な原料を用
いた安全性を考慮した製造方法も望まれる。一方、安価
なメタンスルホニルクロリドとアジ化ナトリウムをポリ
マーに固定した四級アンモニウム塩存在下に塩基に水酸
化ナトリウムを用いメタンスルホニルアジドを合成し、
単離すること無く引き続き活性メチレン化合物(例えば
アセト酢酸エステル)を加えてジアゾ化する方法が報告
されている(Synthetic Communica
tions,21(21),2121−2127(19
91))。この方法を応用して反応させれば、危険なジ
アゾ化合物を単離して取り扱う必要がないため、より安
全性も増し、更に安価で入手の容易な原料を使用でき
る。しかしながら、この方法においても、ジアゾ化合物
を単離しないものの大量のジアゾ化合物を生成、蓄積さ
せその中に活性メチレン化合物を加えて反応させている
ため、依然として反応の暴走、爆発の危険性は残ってい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況下、安全にかつ高収率、安価に製造する方法を鋭
意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明はアジ化ナトリウムまたはア
ジ化カリウム、塩基及び四級アンモニウム塩存在下或い
は非存在下に式〔II〕
【化7】 (式中、R3 はアルキル基;アルキル基、アルコキシル
基、カルボキシル基、ハロゲン原子で置換されていても
よいアリール基を、Xはハロゲン原子を表す)で表され
る化合物を加えることにより生成するスルホニルアジド
化合物、式〔III 〕
【化8】 (式中、R3 は前記と同じ意味を示す)で表される化合
物を生成させながら式〔I〕
【化9】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ置換されてもよいアルキ
ル基またはフェニル基、または保護されてもよい水酸基
を表す)で表される化合物を反応させる事を特徴とする
式〔IV〕
【化10】 (式中、R1 〜R3 は前記と同じ意味を示す)で表され
る化合物の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】R1 、R2 は、それぞれメチル、
エチル、プロピル、ブチル、オクチル、シクロヘキシル
等の炭素数1−12の直鎖、枝分かれ或いは環状のアル
キル基、炭素数1−12の直鎖または枝分かれのアルキ
ル基、炭素数1−12の直鎖または枝分かれのアルコキ
シル基、ニトロ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、ジア
ルキルアミノ基、カルボキシル基等の置換基を有しても
よいベンゼン、ナフタレン等のアリール基、またはメチ
ル、エチル、プロピル、t−ブチル、2−クロロエチ
ル、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、ピバロイ
ルオキシメチル等の置換または未置換の低級アルキル
基、2−クロロアリル、クロチル、シンナミル等の置換
または未置換のアリル基、4−ニトロベンジル、2−ニ
トロベンジル、4−ブロモベンジル、4−クロロベンジ
ル、4−メトキシベンジルまたはジフェニルメチル、ト
リフェニルメチル等の置換または未置換のベンジル基等
に保護されてもよい水酸基が挙げられる。また、1,3
−シクロヘキサンジオン、メルドラム酸のように、
1 、R2 を伴い、前述の置換基を有し、環状構造を形
成してもよい。
【0007】R3 はメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、オクチル、シクロヘキシル等の炭素数1−12の直
鎖、枝分かれ或いは環状のアルキル基、置換または未置
換のベンゼン、ナフタレン等のアリール基でその置換基
としては炭素数1−18の直鎖または枝分かれのアルキ
ル基、炭素数1−12の直鎖または枝分かれのアルコキ
シル基、ニトロ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、ジア
ルキルアミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0008】溶媒は反応に関与しなければ特に限定され
ないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレンあるいは
クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、イソブチルメチ
ルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエ
ステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロ
エタン等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の炭
化水素系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニ
トリル系溶媒、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系
溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミドまたは水等が挙げられ、これ
らを混合してもよい。
【0009】反応は化合物〔I〕を溶媒に溶解または懸
濁し、アジ化ナトリウムまたはアジ化カリウム、塩基及
び四級アンモニウム塩を必要に応じて加え、次いで化合
物〔II〕を滴下する事により化合物〔III 〕を系内で生
成させながら化合物〔I〕と反応させることで行われ
る。反応温度は−20〜80℃、好ましくは0〜50℃
であり、反応時間は10分〜数日、通常は1〜20時間
程度である。
【0010】化合物〔II〕の使用量は化合物〔I〕に対
し1−10倍モルであり、アジ化ナトリウム或いはアジ
化カリウムは化合物〔II〕に対し1−5倍モルである。
【0011】塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸カル
シウム等の無機塩基、ジエチルアミン、シクロヘキシル
イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジベンジ
ルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミン等の二級または三級アミン、N
−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェ
ニルエチルアミン等の二級または三級アニリン、ピロー
ル、イミダゾール、ピリジン、ピコリン、ルチジン、モ
ルホリン、ピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペリ
ジン、4−メチルモルホリン、キノリン、キノキサリ
ン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウン
デセン等の複素環状の塩基等が挙げられる。使用する塩
基の量は化合物〔I〕に対し0.01−1倍モルが使用
され、単独或いは混合して用いてもよい。また塩基は化
合物〔II〕を滴下する前後に分割して仕込むことも出来
る。
【0012】四級アンモニウム塩としてはテトラメチル
アンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド等のテ
トラアルキルアンモニウムハライド類、ベンジルトリエ
チルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロ
リド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド等のベ
ンジルトリアルキルアンモニウムハライド類、水酸化ベ
ンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチル
アンモニウム、セチルピリジニウムブロミド、N−ラウ
リル−4−ピコリニウムクロリド、N−ベンジルピコリ
ニウムクロリド等が挙げられる。四級アンモニウム塩の
使用量は化合物〔I〕に対し、0.001〜0.5倍モ
ルである。四級アンモニウム塩を使用しない場合でも反
応は進行するが、その反応速度は添加した場合に比べ遅
く、特に希薄溶液でその傾向が顕著である。反応時間が
長時間になれば、生産性の低下、好ましくない副反応の
進行の恐れがある。この様な場合四級アンモニウム塩を
添加することで反応をスムーズに進行させ、高収率で目
的物を得ることが出来る。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げ本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例1 p−ニトロベンジル 2−ジアゾ−3−オキソブチレー
トの製造方法
【化11】 p−ニトロベンジル 3−オキソブチレート47.4
g、アジ化ナトリウム18.20g、炭酸水素ナトリウ
ム6.72g、アセトニトリル80ml、水40mlを
混合し、26〜36℃にてメタンスルホニルクロリド3
2.1gを104分で滴下した。同温度で、2時間撹拌
を続け、更に57℃まで5分間で昇温させた。冷却し、
水160ml添加し、析出した結晶を濾過した。結晶乾
燥後重量51.1g、HPLCにて分析したところ、目
的物を49.2g含有していた(収率93.6%)。目
的物は公知であり、NMRにより構造の確認を行なっ
た。
【0014】実施例2 p−ニトロベンジル 2−ジアゾ−3−オキソブチレー
トの製造方法
【化12】 p−ニトロベンジル 3−オキソブチレート47.4
g、アジ化ナトリウム15.60g、炭酸水素ナトリウ
ム5.04g、テトラブチルアンモニウムブロマイド
1.3g、トルエン114ml、水40mlを混合し3
7〜42℃にて、メタンスルホニルクロリド27.5g
を45分で滴下した。32〜39℃で、1時間撹拌を続
けた。冷却し、析出した結晶を濾過し、水洗した。結晶
乾燥後重量51.6g、HPLCにて分析したところ、
目的物を48.7g含有していた(収率92.6%)。
【0015】
【発明の効果】本発明は農医薬中間原料として有用なジ
アゾ化合物を工業的多量生産するためのより安全でかつ
安価な製造方法である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式〔I〕 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ置換されてもよいアルキ
    ル基またはフェニル基、または保護されてもよい水酸基
    を表す)で表される化合物をアジ化ナトリウムまたはア
    ジ化カリウム、塩基及び四級アンモニウム塩存在化もし
    くは非存在下に式〔II〕 【化2】 (式中、R3 はアルキル基;アルキル基、アルコキシル
    基、カルボキシル基、ハロゲン原子で置換されていても
    よいアリール基を、Xはハロゲン原子を表す)で表され
    る化合物を加えることにより生成する式〔III 〕 【化3】 (式中、R3 は前記と同じ意味を示す)で表されるスル
    ホニルアジド化合物とを反応させる事を特徴とする式
    〔IV〕 【化4】 (式中、R1 、R2 は前記と同じ意味を示す)で表され
    る化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 R1 がメチル基、R2 が保護されている
    水酸基である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 R1 がメチル基、R2 がp−ニトロベン
    ジル基にて保護されている水酸基である請求項1または
    請求項2に記載の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101983958A (zh) * 2010-10-29 2011-03-09 景德镇市富祥药业有限公司 一种2-重氮乙酰乙酸对硝基苄酯的制备方法
CN105906529A (zh) * 2016-06-07 2016-08-31 江西富祥药业股份有限公司 4-卤代-2-重氮-3-氧代-戊酸(4-硝基苯)甲酯及其制备方法
CN106565535A (zh) * 2016-11-15 2017-04-19 山西师范大学 2‑重氮‑1‑芳基酮类化合物的制备方法

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