JP2002275167A - 5−置換オキサゾール化合物の製造方法 - Google Patents

5−置換オキサゾール化合物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルデヒドとp−トリルスルホニルメチルイソ
シアニド(TosMIC)を塩基存在下反応させる5−
置換オキサゾールの製造方法において、原料であるアル
デヒド、TosMICはいずれも塩基性条件下では不安
定であり、反応の進行と共にこれら原料の分解も避けら
れず、工業的に満足のいくより高い反応収率を得る方法
の開発が望まれていた。本発明は、より安全に収率よく
5−置換オキサゾールを製造する方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】アルデヒドとp−トリルスルホニルメチル
イソシアニドの溶液を、塩基または塩基を含む溶液に添
加して反応させ、さらに詳しくはN−(p−トリルスル
ホニルメチル)ホルムアミドを、ホスゲンおよび3級ア
ミンと反応させて得られたp−トリルスルホニルメチル
イソシアニドを単離精製することなくアルデヒドを添加
した溶液を、塩基または塩基を含む溶液に添加して反応
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた農薬、医薬、
機能材料或いはその中間体として有用な化合物の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に5−置換オキサゾールの合成法の
中で特に有用な方法の一つとして、アルデヒドとp−ト
リルスルホニルメチルイソシアニド(TosMIC)を
用いる製造方法が知られている。その具体的方法として
は、アルデヒドとTosMICをメタノール中、炭酸カ
リウム存在下に反応させる方法が一般的であり, その他
にジメトキエタン−メタノール中、イオン交換樹脂(A
mbersep900OH -)存在下に反応させる方法
が知られている。(Tetrahedron Lett., 1972, 2369, L
ect Heterocycl. Chem. 1980, (5), S111-122, J.Org.C
hem.,64(3), 1011-1014(1999)、Tetrahedron Letters 4
0, 5637-5638(1999)等)これらの方法ではいずれも反応
試剤を全て加えた後、必要に応じて加熱しながら数時間
反応させている。
【0003】また、TosMICの一般的な製法は、N
−(p−トリルスルホニルメチル)ホルムアミド(To
sMFA)をジメトキシエタン(DME)中、オキシ塩
化燐を用いる方法(TL, 2367(1972))、TosMFA
を塩化メチレン中、ホスゲンを用いる方法が知られてい
る(特開平61−186351号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原料で
あるアルデヒド、TosMICはいずれも塩基性条件下
では不安定であり、反応の進行と共にこれら原料の分解
も避けられず、工業的に満足のいくより高い反応収率を
得る方法の開発が望まれていた。また、上記した方法は
いずれもTosMICを結晶として扱っており、工業的
に製造する場合、必要に応じて、濃縮、晶析、振り切
り、乾燥といった煩雑な単離操作が必要となり、また、
濾液へのロスによりTosMIC製造収率の低下は避け
られない。更に、TosMICは刺激性があり、しかも
不安定で分解点が低く爆発性があり、単離することは安
全上好ましくない。
【0005】安全性を重視した場合、TosMICを単
離しないことが好ましく、TosMICを単離しないで
扱うためには、TosMICの反応・後処理後、反応溶
媒そのもの或いは他の抽出溶媒の溶液で使用することが
不可欠である。従って、より安全に5−置換オキサゾー
ル化合物を得る方法として、TosMICを単離しない
で溶液状態で使用できる方法の開発が不可欠であり、そ
のための最適な反応条件は今まで知られていない。本発
明は、より安全で収率のよい5−置換オキサゾールの製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、アルデヒドとp−トリ
ルスルホニルメチルイソシアニドの溶液を、塩基または
塩基を含む溶液に添加して反応させることで上記課題を
解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)5−置換オキ
サゾールの製造方法において、アルデヒドとp−トリル
スルホニルメチルイソシアニドの溶液を、塩基または塩
基を含む溶液に添加して反応させることを特徴とする製
造方法、(2)5−置換オキサゾールの製造方法におい
て、N−(p−トリルスルホニルメチル)ホルムアミド
を、ホスゲンおよび3級アミンと反応させて得られたp
−トリルスルホニルメチルイソシアニドを単離精製する
ことなくアルデヒドを添加した溶液を、塩基または塩基
を含む溶液に添加して反応させることを特徴とする製造
方法、(3)5−置換オキサゾールの製造方法におい
て、N−(p−トリルスルホニルメチル)ホルムアミド
にホスゲン存在下3級アミンを添加して得られたp−ト
リルスルホニルメチルイソシアニドを単離精製すること
なくアルデヒドを添加した溶液を、塩基または塩基を含
む溶液に添加して反応させることを特徴とする製造方
法、(4)アルデヒドが芳香族アルデヒドであることを
特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方
法、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施態様について詳
細に説明する。本発明に使用されるアルデヒドの構造
は、特に制限されないが、具体的には、フェニル基、ナ
フチル基、またはアントラセニル基等の芳香族炭化水素
基を有するアルデヒド、フリル基、チエニル基、オキサ
ゾリル基、チアゾリル基、ピリジル基、N−メチルピロ
ロイル基等の芳香族複素環基を有するアルデヒド等を好
ましく例示することができ、これらの基には種々の官能
基を置換基として有していてもよい。そのような置換基
として、具体的には、ハロゲン原子、置換されていても
良いアルキル基、置換されていても良いアルコキシ基、
ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換されていても良いア
ミノ基、置換されていても良いアルコキシカルボニル基
等を例示することができ、アルキル基としてはメチル、
エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s
−ブチル、i−ブチル、t−ブチル等炭素数1〜12ま
での直鎖または分枝鎖を有しているアルキル基が、アル
コキシ基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ基等
の炭素数1−4の直鎖又は分枝鎖を有している低級アル
コキシ基が、更にこれらの置換基としてはハロゲン原
子、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基等を例示するこ
とができる。
【0009】本発明に用いられる塩基としては有機塩
基、無機塩基いずれもを使用することができ、有機塩基
として具体的には、ジシクロヘキシルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアル
キルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアルキルア
ニリン、ピペリジン、ピロリジン、2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、モルホリン、ピペラジン、イミダ
ゾール、1−エチルピペリジン、4−メチルモルホリ
ン、1−メチルピロリジン、1、4−ジアザビシクロ
〔2.2.2〕オクタン、1、8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕−7−ウンデセン等の複素環状アミン、
ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリ
オクチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩
もしくはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジ
アミン等のジアミン類等を例示することができ、また無
機塩基として具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。塩基の使用
量は、用いるアルデヒド1モルに対して、0.5〜10
モル、好ましくは1.0〜3モルである。
【0010】本発明では、特に塩基として無機塩基を用
いる場合等に相間移動触媒を用いるのが好ましく、用い
る相間移動触媒として、4級アンモニウム塩類、4級ホ
スホニウム塩類等のオニウム塩類、クラウン化合物、有
機塩基等が用いられる。具体的には4級アンモニウム塩
としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テ
トラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニ
ウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化テ
トラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化トリエチルベ
ンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニ
ウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチ
ルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化
トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルフェ
ニルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウ
ム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメ
チルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニ
ウム、塩化N−ベンジルピコリニウム、塩化トリカプリ
ルメチルアンモニウム、沃化テトラメチルアンモニウ
ム、沃化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアン
モニウムサルフェート、等が挙げられ、4級ホスホニウ
ム塩としては、塩化テトラエチルホスホニウム、臭化テ
トラエチルホスホニウム、沃化テトラエチルホスホニウ
ム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化テトラフェニ
ルホスホリウム、臭化取りフェニルベンジルホスホニウ
ム等が挙げられ、クラウン化合物としてはエーテルとし
ては、15−クラウン−5,18−クラウン−6等のク
ラウンエーテル類、クリプタンド類等が挙げられ、有機
塩基としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデク−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]ノン−5−エン、6−ジブチルアミノ−1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、トリエ
チレンジアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン等が
挙げられる。相間移動触媒の使用量は用いるアルデヒド
1モルに対して、特に制限されないが、0.0001〜
5モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。
【0011】アルデヒドとTosMICを混合する溶媒
として具体的には、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール系溶媒、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル
等のグリコール類、塩化メチレン、クロロホルム、ジク
ロロエタン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、
キシレン、ベンゾニトリル、ベンゾトリフルオライドあ
るいはクロルベンゼン等の芳香族系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒、ア
セトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテ
ル、テロラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶
媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の極性溶
媒が挙げられ、これらを2種以上混合して用いることが
できる。とりわけTosMICの合成または後処理後の
抽出に使用できる溶媒、例えば塩化メチレン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳
香族系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶媒、THF、アセトニト
リル等が好ましく、またこれらを2種以上混合して用い
てもよい。溶媒の使用量は、特に制限されないが、用い
るアルデヒドに対し、1〜1000重量倍量、好ましく
は5〜100重量倍量の範囲である。また、完全に溶解
しない場合は、スラリーとして反応に供試てもよい。ま
た、無機塩基を用いて相間移動触媒存在下または非存在
下反応を行う場合に、水、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル等のグリコール類、ジメチルホルムアミド等の極
性溶媒等を混合溶媒の一つとして用いるのが好ましい。
【0012】反応は、例えばアルデヒドとTosMIC
を混合溶液とし、塩基を含有する溶液に、0℃から溶媒
の沸点、好ましくは20〜60℃で滴下しながら反応さ
せる。用いるTosMICの量は特に制限されないが、
用いるアルデヒド1モルに対して、好ましくは0.8〜
1.5モル、さらに好ましくは0.9〜1.2モルであ
る。この際、必要に応じてアルデヒドとTosMICを
混合溶液及び/または塩基を含有する溶液に相間移動触
媒を添加して反応を行うことができる。反応は、窒素気
流下もしくは窒素雰囲気下で行うのが好ましい。反応時
間は反応させる化合物、条件によって異なるが、通常数
分から48時間である。反応終了後は、必要に応じて反
応液を冷却し、通常の後処理操作により目的物を得るこ
とができる。
【0013】また、本発明の方法は、単離した結晶のT
osMICを用いる場合に適用することができるが、T
osMFAを、ホスゲンおよび3級アミンと反応させて
得られたTosMICを単離精製しないで用いる場合に
も適用することができる。TosMICの製造方法とし
ては、TosMFAを不活性溶媒中に懸濁または溶解さ
せて、(1)3級アミンを添加後ホスゲンを添加する方
法、(2)ホスゲンを添加後、3級アミンを添加する方
法、(3)ホスゲンが常に過剰となるようにホスゲンと
3級アミンを添加する方法、(4)3級アミンと、ホス
ゲンのモル比(ホスゲン/3級アミン)が2を超えない
ように添加する方法、(5)添加したホスゲンに対して
3級アミンの量が2倍以上にならにようにホスゲン−3
級アミン−ホスゲン−3級アミン………の順に分割添加
する等の方法等を例示することができ、いずれの方法を
も採用することができるが、(2)〜(5)の方法が好
ましい。反応終了後は、この反応液をアルカリ性水溶液
に注加するか、または反応液中にアルカリ性水溶液を注
加し、過剰のホスゲンを分解・中和し、分液後、有機溶
媒層をそのまま次工程に用いる。
【0014】TosMICの製造に使用される不活性溶
媒として、具体的には塩化メチレン、クロロホルム、ジ
クロロエタン、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロ
ゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベ
ンゼン、ベンゾニトリル等の芳香族炭化水素系溶媒、酢
酸メチル、酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチ
ルエーテル、テロラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、
アセトニトリル等の極性溶媒等を例示することができ
る。またこれらを混合して用いてもよい。ホスゲンの使
用量は対応するホルムアミド1モルに対して、1〜2モ
ル、好ましくは1〜1.3モルである。2モル以上の使
用は副反応の誘発をまねくだけで何ら有利性はない。
【0015】三級アミンとしてはトリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジ
メチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルアニリ
ン、ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアミノピリ
ジンなどが挙げられる。三級アミンの理論量は対応する
ホルムアミド1モルに対して2モルであるが、実際の使
用量は2〜2.5モル、好ましくは2〜2.2モルであ
る。特に、TosMFAに対して2.5モル比以上、特
にホスゲンに対して2モル比以上使用するとホスゲン生
成したTosMICとの副反応をまねきタール状重合物
等の生成を誘発するので好ましくない。ホスゲン導入時
および三級アミン添加時の反応温度は使用する不活性溶
媒の種類などにより一定でないが、通常−50〜30
℃、好ましくは−5〜20℃である。ホスゲン導入時お
よび三級アミン添加時の反応時間は不活性溶媒の種類や
冷却の方法などにより一定でないが、一般に30分〜1
0時間、好ましくは1〜6時間である。
【0016】反応終了後、反応液を注加する、または反
応液に注加するアルカリ性水溶液としては、アルカリ金
属水酸化物たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などやアルカリ金属の炭酸塩たとえば炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどが一般的に使用される。アルカリ性水
溶液の濃度はホスゲン使用量、未反応化合物ホルムアミ
ド、三級アミン使用量などにより一定でないが1〜15
%の濃度範囲で使用すのが好ましい。使用するアルカリ
性水溶液の量は、過剰のホスゲン分解できる量以上であ
れば、特に制限されないが、pHが6〜8の範囲、さら
に好ましくは、7付近で処理できる量が好ましい。以上
の諸条件を適当に組合せることにより容易に、しかも高
収率、高品位でTosMICを得ることができ、溶液の
まま、精製・単離することなく次の反応に用いることが
できる。なお、原料化合物となるTosMFAは、p−
トルエンスルフィン酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、
及びホルムアミドより、Organic Synthe
sis Vol.57、p102、特開昭61−186
359号公報等に記載されている方法に従い容易に製造
することができる。
【0017】次に実施例を挙げ本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】実施例1 N−(p−トリルスルホニルメチル)−ホルムアミド14
0.2g(0.65mol)および塩化メチレン1.3
lを仕込み、氷浴下で5℃以下に保持した。次にホスゲ
ン82.2g(0.85mol、1.3モル比)30分
要して吹込んだ。引き続き同温度で、塩化メチレン19
5mlに希釈したトリエチルアミン138.6g(1.
4mol、2.1モル比)を30分要して液中滴下し
た。得られたオレンジ色の反応液に28%水酸化ナトリ
ウム水溶液28g(0.3mol比)を水1.5lで希釈
した水溶液を注加し、5℃付近で30分間攪拌した。こ
の液を分液ロートで分液し有機層2096.0gを得
た。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によ
り定量したところ111.3g(収率88%)のTos
MICが含まれていた。水酸化カリウム0.24gをエ
チレングリコール2mL、塩化メチレン2mLに加え、加
熱溶解した。この溶液に上記調製したTosMIC塩化
メチレン溶液8.66g(TosMIC:0.46g)
に2−メトキシ−4−ニトロベンズアルデヒド0.36
gを溶解した塩化メチレン溶液を滴下した。混合物を4
2℃に加熱し、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)で原料が消失するまで反応を続けた。反応終了後、
エチレングリコール層と塩化メチレン層を分液し、塩化
メチレン層を濃縮して目的物0.41g(収率93%)
を得た。
【0019】比較例1 水酸化カリウム0.24gを含むエチレングリコール2
mLに2−メトキシ−4−ニトロベンズアルデヒド0.
36gを室温にて加えた。この溶液に実施例1と同様に
調製したTosMIC塩化メチレン溶液8.66g(T
osMIC:0.46g)を滴下した。混合物を室温で
攪拌し、HPLCで原料が消失するまで反応を続けた。
反応終了後、濃縮して目的物0.38g(収率86%)
を得た。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法を用い
ることにより、農薬、医薬、機能材料等またはその中間
体として有用な5−オキサゾール化合物を安全にかつ効
率よく製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5−置換オキサゾールの製造方法におい
    て、アルデヒドとp−トリルスルホニルメチルイソシア
    ニドの溶液を、塩基または塩基を含む溶液に添加して反
    応させることを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】5−置換オキサゾールの製造方法におい
    て、N−(p−トリルスルホニルメチル)ホルムアミド
    を、ホスゲンおよび3級アミンと反応させて得られたp
    −トリルスルホニルメチルイソシアニドを単離精製する
    ことなくアルデヒドを添加した溶液を、塩基または塩基
    を含む溶液に添加して反応させることを特徴とする製造
    方法。
  3. 【請求項3】5−置換オキサゾールの製造方法におい
    て、N−(p−トリルスルホニルメチル)ホルムアミド
    にホスゲン存在下3級アミンを添加して得られたp−ト
    リルスルホニルメチルイソシアニドを単離精製すること
    なくアルデヒドを添加した溶液を、塩基または塩基を含
    む溶液に添加して反応させることを特徴とする製造方
    法。
  4. 【請求項4】アルデヒドが芳香族アルデヒドであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法。
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