JP2717997B2 - 新規ヒドラゾン化合物、及びトリアゾールの製法 - Google Patents
新規ヒドラゾン化合物、及びトリアゾールの製法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規化合物であるグリ
オキザールモノオキシムヒドラゾン、及びそれから得ら
れる抗生物質原料として有用な1,2,3−トリアゾー
ルの製法に関する。
オキザールモノオキシムヒドラゾン、及びそれから得ら
れる抗生物質原料として有用な1,2,3−トリアゾー
ルの製法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】従来、無置換の1,2,
3−トリアゾールの製法としては、アジ化水素酸にアセ
チレンを反応させる方法、アジド誘導体にアセチレンを
反応させ、1−置換−1,2,3−トリアゾールをいっ
たん合成したのち、還元することにより、その置換基を
除去する方法(特開平1−143861号公報)、5−
メルカプト−1,2,3−トリアゾールを還元脱硫する
方法(特開昭63−230675号公報)、1,2,3
−トリアゾール−4−カルボン酸を加熱する方法、1,
2,3−トリアゾール−4,6−ジカルボン酸を脱炭酸
する方法(ケミカルアブストラクト、83(11)97
148)及び2−アミノ−1,2,3−トリアゾールに
亜硝酸を作用させる方法等が開示されている。
3−トリアゾールの製法としては、アジ化水素酸にアセ
チレンを反応させる方法、アジド誘導体にアセチレンを
反応させ、1−置換−1,2,3−トリアゾールをいっ
たん合成したのち、還元することにより、その置換基を
除去する方法(特開平1−143861号公報)、5−
メルカプト−1,2,3−トリアゾールを還元脱硫する
方法(特開昭63−230675号公報)、1,2,3
−トリアゾール−4−カルボン酸を加熱する方法、1,
2,3−トリアゾール−4,6−ジカルボン酸を脱炭酸
する方法(ケミカルアブストラクト、83(11)97
148)及び2−アミノ−1,2,3−トリアゾールに
亜硝酸を作用させる方法等が開示されている。
【0003】これらの製法には工業的にみてそれぞれ問
題があり、満足するに至らない。例えば、アジド化合物
を用いる場合にはその安定性が問題となり、合成、分
離、精製が複雑でその管理は容易でなく、工業的製法と
は言いがたい。また5−メルカプト−1,2,3−トリ
アゾールを還元脱硫する方法では、5−メルカプト体で
ある分子量159の1,2,3−トリアゾール−5−チ
オールモノナトリウム塩・2水和物から分子量69の
1,2,3−トリアゾールになるための作業効率は著し
く悪い。また脱炭酸法にしても同様のことがいえる。さ
らに脱炭酸法は高温での反応になり、1,2,3−トリ
アゾールの熱安定性を考慮すると、危険性が高く工業的
には問題がある。
題があり、満足するに至らない。例えば、アジド化合物
を用いる場合にはその安定性が問題となり、合成、分
離、精製が複雑でその管理は容易でなく、工業的製法と
は言いがたい。また5−メルカプト−1,2,3−トリ
アゾールを還元脱硫する方法では、5−メルカプト体で
ある分子量159の1,2,3−トリアゾール−5−チ
オールモノナトリウム塩・2水和物から分子量69の
1,2,3−トリアゾールになるための作業効率は著し
く悪い。また脱炭酸法にしても同様のことがいえる。さ
らに脱炭酸法は高温での反応になり、1,2,3−トリ
アゾールの熱安定性を考慮すると、危険性が高く工業的
には問題がある。
【0004】一方、置換基を有するグリオキザールモノ
オキシムヒドラゾンを無水酢酸で分子内脱水閉環によ
り、置換基を有する1,2,3−トリアゾールの合成方
法については、M.Ruccia,Annali di
Chimica 50,1363−1367(196
0);ドイツ特許1,168,437号;南アフリカ連
邦特許6,808,154号に開示されている。しかる
に、無置換のグリオキザールモノオキシムヒドラゾン自
体の記載はなく、該化合物を分子内脱水閉環することに
より、無置換の1,2,3−トリアゾールを合成する方
法については全く記載がない。
オキシムヒドラゾンを無水酢酸で分子内脱水閉環によ
り、置換基を有する1,2,3−トリアゾールの合成方
法については、M.Ruccia,Annali di
Chimica 50,1363−1367(196
0);ドイツ特許1,168,437号;南アフリカ連
邦特許6,808,154号に開示されている。しかる
に、無置換のグリオキザールモノオキシムヒドラゾン自
体の記載はなく、該化合物を分子内脱水閉環することに
より、無置換の1,2,3−トリアゾールを合成する方
法については全く記載がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
化合物である無置換のグリオキザールモノオキシムヒド
ラゾン、及びそれから得られる抗生物質原料として有用
な1,2,3−トリアゾールの安全かつ、簡便な工業的
製法を提供することである。
化合物である無置換のグリオキザールモノオキシムヒド
ラゾン、及びそれから得られる抗生物質原料として有用
な1,2,3−トリアゾールの安全かつ、簡便な工業的
製法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、新規化合物であ
る無置換のグリオキザールモノオキシムヒドラゾンから
無置換の1,2,3−トリアゾールを安全かつ簡便に製
造しうる方法を見いだし本発明をなすに至った。
題を解決するために鋭意研究した結果、新規化合物であ
る無置換のグリオキザールモノオキシムヒドラゾンから
無置換の1,2,3−トリアゾールを安全かつ簡便に製
造しうる方法を見いだし本発明をなすに至った。
【0007】即ち、本願の第一の発明は、式(I)で示
すグリオキザールモノオキシムヒドラゾンに関するもの
である。
すグリオキザールモノオキシムヒドラゾンに関するもの
である。
【化3】 そして、本願の第二の発明は、グリオキザールモノオキ
シムヒドラゾン(I)に脱水剤を作用させて環化させ
て、式(II)で示す1,2,3−トリアゾールを生成
することを特徴とするトリアゾールの製法に関するもの
である。
シムヒドラゾン(I)に脱水剤を作用させて環化させ
て、式(II)で示す1,2,3−トリアゾールを生成
することを特徴とするトリアゾールの製法に関するもの
である。
【化4】
【0008】置換されたグリオキザールモノオキシムヒ
ドラゾン類はこれまで多数の報告があるが、式(I)の
グリオキザールモノオキシムヒドラゾンは、文献未記載
の新規化合物である。無置換の1,2,3−トリアゾー
ルを合成する上では、前記の既存の合成法と比較した場
合、最小の分子量から目的物を得ることができる。即
ち、工業的合成法として、原単位の最もよい化合物であ
るといえる。無置換のグリオキザールモノオキシムヒド
ラゾンの合成法を検討した結果、一例として、入手容易
な2,2−ジクロルアセトアルデヒド(III)から
2,2−ジクロルアセトアルドキシム(IV)を経る下
記の反応経路で比較的容易に高収率で無置換のグリオキ
ザールモノオキシムヒドラゾン(I)を合成することが
できる。
ドラゾン類はこれまで多数の報告があるが、式(I)の
グリオキザールモノオキシムヒドラゾンは、文献未記載
の新規化合物である。無置換の1,2,3−トリアゾー
ルを合成する上では、前記の既存の合成法と比較した場
合、最小の分子量から目的物を得ることができる。即
ち、工業的合成法として、原単位の最もよい化合物であ
るといえる。無置換のグリオキザールモノオキシムヒド
ラゾンの合成法を検討した結果、一例として、入手容易
な2,2−ジクロルアセトアルデヒド(III)から
2,2−ジクロルアセトアルドキシム(IV)を経る下
記の反応経路で比較的容易に高収率で無置換のグリオキ
ザールモノオキシムヒドラゾン(I)を合成することが
できる。
【化5】
【0009】原料となる2,2−ジクロルアセトアルド
キシム(IV)は既知化合物であり、Ber.Dtsc
h.Chem.Ges.40,212(1907)記載
の方法に準じて合成できる。即ち、2,2−ジクロルア
セトアルデヒド(III)を常温下、水に溶解させて2
0〜40%水溶液を調製する。その水溶液中に常温、攪
拌下、アルデヒドに対して1〜5倍モル、好ましくは1
〜3倍モルの塩酸ヒドロキシルアミンの20〜40%水
溶液を添加し、1〜3時間常温にて攪拌を続行する。反
応終了後、反応液をエーテルにて抽出し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥処理を行い、エーテルを除去、減圧乾燥にて
目的とする2,2−ジクロルアセトアルドキシム(I
V)を80%以上(2,2−ジクロルアセトアルデヒド
基準)の反応収率で得ることができる。
キシム(IV)は既知化合物であり、Ber.Dtsc
h.Chem.Ges.40,212(1907)記載
の方法に準じて合成できる。即ち、2,2−ジクロルア
セトアルデヒド(III)を常温下、水に溶解させて2
0〜40%水溶液を調製する。その水溶液中に常温、攪
拌下、アルデヒドに対して1〜5倍モル、好ましくは1
〜3倍モルの塩酸ヒドロキシルアミンの20〜40%水
溶液を添加し、1〜3時間常温にて攪拌を続行する。反
応終了後、反応液をエーテルにて抽出し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥処理を行い、エーテルを除去、減圧乾燥にて
目的とする2,2−ジクロルアセトアルドキシム(I
V)を80%以上(2,2−ジクロルアセトアルデヒド
基準)の反応収率で得ることができる。
【0010】β位に電子吸引基であるハロゲンを有する
上記2,2−ジクロルアセトアルドキシム化合物は、反
応性の高い化合物で、種々の合成原料として検討がなさ
れているが、ヒドラジンを作用させてグリオキザールモ
ノオキシムヒドラゾン(I)を得る方法は文献未記載の
合成法である。次に、グリオキザールモノオキシムヒド
ラゾンの合成の具体例について説明するが、本方法に限
定されるものではない。即ち、2,2−ジクロルアセト
アルドキシムに対して1〜5倍モル、好ましくは1〜3
倍モルのヒドラジン一水和物の10〜40容量%のメタ
ノール溶液を0℃以下まで攪拌下冷却する。その中へ、
2,2−ジクロルアセトアルドキシムの10〜40容量
%メタノール溶液を、反応温度が10℃を越えないよう
に緩やかに滴下し、滴下後10℃以下でさらに1〜3時
間攪拌を継続する。反応終了後、副生するヒドラジンの
塩を除去し、反応液を濃縮しただけで、次の1,2,3
−トリアゾールの合成に供してもよく、さらに一般に行
われるカラムクロマトグラフィ又は再結晶等によって精
製することができる。カラムクロマトグラフィによる単
離後結晶化したグリオキザールモノオキシムヒドラゾン
の結晶形は淡黄色粉末状結晶で、その融点は96〜97
℃である。反応収率は70%以上(2,2−ジクロルア
セトアルドキシム基準)と高収率であり、その化学構造
は、NMR、MS、IRスペクトラム及び元素分析値か
ら目的とするグリオキザールモノオキシムヒドラゾン
(I)であることが確認される。
上記2,2−ジクロルアセトアルドキシム化合物は、反
応性の高い化合物で、種々の合成原料として検討がなさ
れているが、ヒドラジンを作用させてグリオキザールモ
ノオキシムヒドラゾン(I)を得る方法は文献未記載の
合成法である。次に、グリオキザールモノオキシムヒド
ラゾンの合成の具体例について説明するが、本方法に限
定されるものではない。即ち、2,2−ジクロルアセト
アルドキシムに対して1〜5倍モル、好ましくは1〜3
倍モルのヒドラジン一水和物の10〜40容量%のメタ
ノール溶液を0℃以下まで攪拌下冷却する。その中へ、
2,2−ジクロルアセトアルドキシムの10〜40容量
%メタノール溶液を、反応温度が10℃を越えないよう
に緩やかに滴下し、滴下後10℃以下でさらに1〜3時
間攪拌を継続する。反応終了後、副生するヒドラジンの
塩を除去し、反応液を濃縮しただけで、次の1,2,3
−トリアゾールの合成に供してもよく、さらに一般に行
われるカラムクロマトグラフィ又は再結晶等によって精
製することができる。カラムクロマトグラフィによる単
離後結晶化したグリオキザールモノオキシムヒドラゾン
の結晶形は淡黄色粉末状結晶で、その融点は96〜97
℃である。反応収率は70%以上(2,2−ジクロルア
セトアルドキシム基準)と高収率であり、その化学構造
は、NMR、MS、IRスペクトラム及び元素分析値か
ら目的とするグリオキザールモノオキシムヒドラゾン
(I)であることが確認される。
【0011】次に、上記で得たグリオキザールモノオキ
シムヒドラゾンより目的とする1,2,3−トリアゾー
ルの合成法について詳細に説明する。目的とする無置換
の1,2,3−トリアゾールは、水に対する溶解性が高
く、しかも熱安定性は良いとは言えない等その物理化学
的性質のため、工業的にはその操作法は慎重に行う必要
があるが、グリオキザールモノオキシムヒドラゾンに脱
水剤及び必要に応じて塩基を作用させることにより、低
温条件で高収率で1,2,3−トリアゾールを容易に得
ることができる。脱水剤としては特別な制限はなく、通
常される脱水剤であればよい。例えば、塩化チオニル、
五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化スルフリル及びクロ
ルスルホン酸のような無機ハロゲン化合物、五酸化二リ
ン、リン酸ホウ素化合物、硫酸、リン酸のような無機
酸、無水酢酸、無水フタル酸のような有機酸無水物を挙
げることができる。脱水剤の使用量は、グリオキザール
モノオキシムヒドラゾンに対して0.2倍モル以上であ
ればよく、過剰にあっても反応自体には影響はないが、
経済性を考慮すれば、1〜3倍モルが好ましい。
シムヒドラゾンより目的とする1,2,3−トリアゾー
ルの合成法について詳細に説明する。目的とする無置換
の1,2,3−トリアゾールは、水に対する溶解性が高
く、しかも熱安定性は良いとは言えない等その物理化学
的性質のため、工業的にはその操作法は慎重に行う必要
があるが、グリオキザールモノオキシムヒドラゾンに脱
水剤及び必要に応じて塩基を作用させることにより、低
温条件で高収率で1,2,3−トリアゾールを容易に得
ることができる。脱水剤としては特別な制限はなく、通
常される脱水剤であればよい。例えば、塩化チオニル、
五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化スルフリル及びクロ
ルスルホン酸のような無機ハロゲン化合物、五酸化二リ
ン、リン酸ホウ素化合物、硫酸、リン酸のような無機
酸、無水酢酸、無水フタル酸のような有機酸無水物を挙
げることができる。脱水剤の使用量は、グリオキザール
モノオキシムヒドラゾンに対して0.2倍モル以上であ
ればよく、過剰にあっても反応自体には影響はないが、
経済性を考慮すれば、1〜3倍モルが好ましい。
【0012】反応を円滑に進行させるために、必要に応
じて塩基を共存させてもよい。塩基としては、例えば、
トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリ
ン、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセ
ン−7(DBU)等の有機系アミン化合物が挙げられ
る。塩基の使用量は、特に制限はないが、反応で副生す
る酸類のトラップ剤として作用する量であるが、通常グ
リオキザールモノオキシムヒドラゾンに対して過剰に使
用してもよく、少なくとも2〜3倍モル使用することが
好ましい。溶媒は、使用しても使用しなくてもよいが、
使用する場合は反応に関与しないものであれば、特に制
限はない。例えば、クロロホルム、塩化メチレン等のハ
ロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭
化水素類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル等
のエーテル類及びそれらの混合物が挙げられる。反応温
度は、−20〜100℃で、−10〜65℃が好まし
い。反応温度が過度に高いと、生成物の分解等により収
率が低下する。反応時間は、1〜5時間が好ましい。反
応時間を過度に長くしても収率の向上はなく、過度に短
いと反応が十分でない。
じて塩基を共存させてもよい。塩基としては、例えば、
トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリ
ン、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセ
ン−7(DBU)等の有機系アミン化合物が挙げられ
る。塩基の使用量は、特に制限はないが、反応で副生す
る酸類のトラップ剤として作用する量であるが、通常グ
リオキザールモノオキシムヒドラゾンに対して過剰に使
用してもよく、少なくとも2〜3倍モル使用することが
好ましい。溶媒は、使用しても使用しなくてもよいが、
使用する場合は反応に関与しないものであれば、特に制
限はない。例えば、クロロホルム、塩化メチレン等のハ
ロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭
化水素類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル等
のエーテル類及びそれらの混合物が挙げられる。反応温
度は、−20〜100℃で、−10〜65℃が好まし
い。反応温度が過度に高いと、生成物の分解等により収
率が低下する。反応時間は、1〜5時間が好ましい。反
応時間を過度に長くしても収率の向上はなく、過度に短
いと反応が十分でない。
【0013】
【実施例】以下、本発明を参考例及び実施例によって具
体的に説明する。なお、これらの参考例及び実施例は、
本発明の範囲を限定するものではない。 参考例1 2,2−ジクロルアセトアルドキシムの合成 温度計及び攪拌機付の300ml容量の三つ口フラスコ
に、2,2−ジクロルアセトアルデヒド25.0gと水
60mlを仕込み、室温で攪拌下溶解させた。その中
に、塩酸ヒドロキシルアミン38.4gを水90mlに
溶かしたものを添加して2時間攪拌を継続させた。反応
終了後、反応液をエーテルで抽出し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、エバポレーターでエーテルを除去、さらに真
空ポンプによる溶媒、水分及び低沸点物を除去し目的の
2,2−ジクロルアセトアルドキシム22.8gを得
た。反応収率80.5%(2,2−ジクロルアセトアル
デヒド基準) 尚、ここで得たものを、NMR及びMS
スペクトルで構造解析を行った結果、2,2−ジクロル
アセトアルドキシムの構造を支持した。
体的に説明する。なお、これらの参考例及び実施例は、
本発明の範囲を限定するものではない。 参考例1 2,2−ジクロルアセトアルドキシムの合成 温度計及び攪拌機付の300ml容量の三つ口フラスコ
に、2,2−ジクロルアセトアルデヒド25.0gと水
60mlを仕込み、室温で攪拌下溶解させた。その中
に、塩酸ヒドロキシルアミン38.4gを水90mlに
溶かしたものを添加して2時間攪拌を継続させた。反応
終了後、反応液をエーテルで抽出し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、エバポレーターでエーテルを除去、さらに真
空ポンプによる溶媒、水分及び低沸点物を除去し目的の
2,2−ジクロルアセトアルドキシム22.8gを得
た。反応収率80.5%(2,2−ジクロルアセトアル
デヒド基準) 尚、ここで得たものを、NMR及びMS
スペクトルで構造解析を行った結果、2,2−ジクロル
アセトアルドキシムの構造を支持した。
【0014】実施例1 グリオキザールモノオキシムヒドラゾンの合成 温度計及び攪拌機付の300ml容量の三つ口フラスコ
に、ヒドラジン一水和物15gとメタノール40mlを
仕込み、氷冷下攪拌した。液の温度が0℃以下になった
時点で、参考例1で合成した2,2−ジクロルアセトア
ルドキシム12.8gをメタノール40mlに溶かした
溶液を滴下ロートから緩やかに加えた後、反応温度が1
0℃を越えないようにしながら1時間攪拌を継続させ
た。反応終了後、副生するヒドラジンの塩をガラスフィ
ルターで除去し、濾液をエバポレーターで濃縮した。得
られた濃縮液を、酢酸エチル:ヘキサン=4:1の混合
展開溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー
処理を行って、目的とするグリオキザールモノオキシム
ヒドラゾン6.1gの淡黄色粉末状結晶を得た。反応収
率70.1%(2,2−ジクロルアセトアルドキシム基
準)であった。融点は96〜97℃であった。このもの
の1H−NMRスペクトラム(溶媒;DMSO−D6、
標準物質;TMS)を図1に示す。さらに、MS及びI
Rスペクトルを測定し構造解析を行った結果、グリオキ
ザールモノオキシムヒドラゾンの構造を支持した。
に、ヒドラジン一水和物15gとメタノール40mlを
仕込み、氷冷下攪拌した。液の温度が0℃以下になった
時点で、参考例1で合成した2,2−ジクロルアセトア
ルドキシム12.8gをメタノール40mlに溶かした
溶液を滴下ロートから緩やかに加えた後、反応温度が1
0℃を越えないようにしながら1時間攪拌を継続させ
た。反応終了後、副生するヒドラジンの塩をガラスフィ
ルターで除去し、濾液をエバポレーターで濃縮した。得
られた濃縮液を、酢酸エチル:ヘキサン=4:1の混合
展開溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー
処理を行って、目的とするグリオキザールモノオキシム
ヒドラゾン6.1gの淡黄色粉末状結晶を得た。反応収
率70.1%(2,2−ジクロルアセトアルドキシム基
準)であった。融点は96〜97℃であった。このもの
の1H−NMRスペクトラム(溶媒;DMSO−D6、
標準物質;TMS)を図1に示す。さらに、MS及びI
Rスペクトルを測定し構造解析を行った結果、グリオキ
ザールモノオキシムヒドラゾンの構造を支持した。
【0015】元素分析の結果を次に示す。 元素分析値(C2H5ON3として) 元素名 C H N O 計算値(%) 27.59 5.79 48.25 18.37 実測値(%) 27.37 5.72 48.29 18.11
【0016】実施例2 1,2,3−トリアゾールの合成(1) 温度計及び攪拌機付の100ml容量の三つ口フラスコ
に、実施例1で合成したグリオキザールモノオキシムヒ
ドラゾン1.7gとクロロホルム15mlを仕込み、攪
拌下トリエチルアミン5.9gを加えた。氷冷し温度が
0℃以下になった時点で、塩化チオニル3.5gをクロ
ロホルム5mlで希釈した溶液を滴下ロートより緩やか
に加え、室温まで温度を上げながら2時間攪拌を継続さ
せた。次いで、反応液にメタノールを添加してエバポレ
ータで濃縮した反応濃縮液を、酢酸エチル:ヘキサン=
7:3の混合展開溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー処理を行い、目的の1,2,3−トリア
ゾール0.83g(グリオキザールモノオキシムヒドラ
ゾン基準で収率61.6%)を得た。このものをNMR
及びMSスペクトルで構造解析を行った結果、標準品と
一致することを確認した。
に、実施例1で合成したグリオキザールモノオキシムヒ
ドラゾン1.7gとクロロホルム15mlを仕込み、攪
拌下トリエチルアミン5.9gを加えた。氷冷し温度が
0℃以下になった時点で、塩化チオニル3.5gをクロ
ロホルム5mlで希釈した溶液を滴下ロートより緩やか
に加え、室温まで温度を上げながら2時間攪拌を継続さ
せた。次いで、反応液にメタノールを添加してエバポレ
ータで濃縮した反応濃縮液を、酢酸エチル:ヘキサン=
7:3の混合展開溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー処理を行い、目的の1,2,3−トリア
ゾール0.83g(グリオキザールモノオキシムヒドラ
ゾン基準で収率61.6%)を得た。このものをNMR
及びMSスペクトルで構造解析を行った結果、標準品と
一致することを確認した。
【0017】実施例3 1,2,3−トリアゾールの合成(2) 塩化チオニルの代わりに塩化スルフリル4.0gを使用
したほかは、実施例2と同様に反応及び反応後の操作を
行って、1,2,3−トリアゾールを0.81g得た。
このものをNMR及びMSスペクトルで構造解析を行っ
た結果、標準品と一致することを確認した。
したほかは、実施例2と同様に反応及び反応後の操作を
行って、1,2,3−トリアゾールを0.81g得た。
このものをNMR及びMSスペクトルで構造解析を行っ
た結果、標準品と一致することを確認した。
【0018】実施例4 1,2,3−トリアゾールの合成(3) 塩化チオニルの代わりに五塩化リン4.1g、トリエチ
ルアミン9.9gを使用したほかは、実施例2と同様に
反応及び反応後の操作を行って、1,2,3−トリアゾ
ールを0.70g得た。このものをNMR及びMSスペ
クトルで構造解析を行った結果、標準品と一致すること
を確認した。
ルアミン9.9gを使用したほかは、実施例2と同様に
反応及び反応後の操作を行って、1,2,3−トリアゾ
ールを0.70g得た。このものをNMR及びMSスペ
クトルで構造解析を行った結果、標準品と一致すること
を確認した。
【0019】実施例5 1,2,3−トリアゾールの合成(4) トリエチルアミンを添加せず、塩化チオニルを2.3
g、反応温度を61℃、反応時間を1時間に変更した以
外は、実施例2と同様に反応及び反応後の操作を行っ
て、1,2,3−トリアゾールを0.34g得た。この
ものをNMR及びMSスペクトルで構造解析を行った結
果、標準品と一致することを確認した。
g、反応温度を61℃、反応時間を1時間に変更した以
外は、実施例2と同様に反応及び反応後の操作を行っ
て、1,2,3−トリアゾールを0.34g得た。この
ものをNMR及びMSスペクトルで構造解析を行った結
果、標準品と一致することを確認した。
【0020】実施例6 1,2,3−トリアゾールの合成(5) トリエチルアミンを添加せず、塩化チオニルを2.3
g、反応温度を31℃、反応時間を2時間に変更した以
外は、実施例2と同様に反応及び反応後の操作を行っ
て、1,2,3−トリアゾールを0.24g得た。この
ものをNMR及びMSスペクトルで構造解析を行った結
果、標準品と一致することを確認した。
g、反応温度を31℃、反応時間を2時間に変更した以
外は、実施例2と同様に反応及び反応後の操作を行っ
て、1,2,3−トリアゾールを0.24g得た。この
ものをNMR及びMSスペクトルで構造解析を行った結
果、標準品と一致することを確認した。
【図1】 この発明のグリオキザールモノオキシムヒド
ラゾンのNMRスペクトル図(溶媒;DMSO−D6,
標準物質;TMS)
ラゾンのNMRスペクトル図(溶媒;DMSO−D6,
標準物質;TMS)
Claims (2)
- 【請求項1】式(I)であるグリオキザールモノオキシ
ムヒドラゾン。 【化1】 - 【請求項2】グリオキザールモノオキシムヒドラゾン
(I)に脱水剤を作用させて環化させて式(II)で示
す1,2,3−トリアゾールを生成することを特徴とす
るトリアゾールの製法。 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23877992A JP2717997B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 新規ヒドラゾン化合物、及びトリアゾールの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23877992A JP2717997B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 新規ヒドラゾン化合物、及びトリアゾールの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641092A JPH0641092A (ja) | 1994-02-15 |
JP2717997B2 true JP2717997B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=17035158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23877992A Expired - Fee Related JP2717997B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 新規ヒドラゾン化合物、及びトリアゾールの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2717997B2 (ja) |
-
1992
- 1992-07-24 JP JP23877992A patent/JP2717997B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0641092A (ja) | 1994-02-15 |
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