JPWO2004078364A1 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、曲面を有する基材の表面に、厚さが均一でかつ厚みのある被覆層を広い領域にわたり効率よく形成できる方法を提供することを目的としている。この目的を達成するため、本発明では、基材の曲面上に重合性単量体を含有するコーティング剤を塗布して所定の厚さの塗膜を形成した後に、当該塗膜の厚さの均一性を実質的に保持したまま酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させることを特徴としている。また、塗膜の光重合時に、20〜1500rpmの回転速度で基材を回転させながら塗膜の光重合を行うことが好ましい。

Description

本発明は、フォトクロミック性のコート層を有するプラスチックレンズのような、“基材表面に被覆層が形成された積層体”を製造する方法に関する。
フォトクロミック眼鏡とは、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外ではレンズが速やかに着色してサングラスとして機能し、そのような光の照射がない屋内においては退色して透明な通常の眼鏡として機能する眼鏡であり、近年その需要は増大している。
フォトクロミック性を有するプラスチックレンズの製造方法としては、フォトクロミック性を有しないレンズの表面にフォトクロミック化合物を含浸させる方法(以下、含浸法という)、モノマーにフォトクロミック化合物を溶解させそれを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法(以下、練り混み法という)及びフォトクロミック化合物を含有するコーティング剤(以下、フォトクロミックコーティング剤ともいう)を用いてプラスチックレンズの表面にフォトクロミック性を有する層(以下、フォトクロミックコート層ともいう)を設ける方法(以下、コーティング法という)が知られている。これらの方法の中でもコーティング法は、他の2つの方法と比べて、原理的にはどのようなレンズ基材に対しても簡単にフォトクロミック性を付与できるという利点を有している。たとえば、含浸法においては基材レンズとしてフォトクロミック化合物が拡散し易い柔らかい基材を用いる必要があり、また練りこみ法においても良好なフォトクロミック性を発現させるためには特殊なモノマー組成物を使用する必要があるのに対し、コーティング法においては、このような基材に対する制約はない。
上記コーティング法で使用されるフォトクロミックコーティング剤には、光重合性のものがあり(国際公開第01/02449号パンフレット)、本発明者等も基材に対する密着性に優れるフォトクロミックコート層を与える光硬化性のフォトクロミックコーティング剤を開発している(国際公開第03/011967号パンフレット、特願2002−354291及び特願2002−372835号)。
このような光重合性のフォトクロミックコーティング剤を用いてフォトクロミックコート層を形成するには、レンズ基材の表面にコーティング剤を塗布した後に紫外線等の光を照射してコーティング剤からなる塗膜を硬化させればよい。しかしながら、このようなコーティング法に関する技術は未だ確立されたとは言えず、上記のような硬化を行なう場合も、所謂ハードコート用の光硬化装置が使用されていた。
このような装置としては、コーティング剤の塗布から光重合までの処理を自動的に行なうことができる装置が知られており、該装置ではコーティング剤が塗布されたレンズ基材が、紫外線光源がカバー内に設置された硬化ステーションに自動的に移送され、そのカバー内部に窒素ガスを導入しながら紫外線照射ができる構造となっている(特開2000−334369号公報参照)。
上記のような装置を用いたコーティング法は、フォトクロミックプラスチックレンズの製法として利用可能な方法であると考えられるが、実際にフォトクロミックコーティング剤を使用してコーティングを行なったところ、高品質なフォトクロミックコート層を得ることが難しいという問題があることが判明した。この原因のひとつとして、コーティング剤中に含まれるフォトクロミック化合物の光吸収により重合速度が低下し、重合雰囲気中の残存酸素による重合阻害を受け易くなっていることが考えられる。また、コーティング法により十分なフォトクロミック特性のレンズを得ようとする場合にはフォトクロミックコーティング剤中のフォトクロミック化合物の濃度には限界があるためコート層の厚さを例えば5μm以上、好ましくは30μm以上と、ハードコート膜厚さ(通常1μm程度)と比べ非常に厚くする必要があるが、このように層の厚さを厚くした場合には、表層部は酸素による重合阻害の影響を受け易いのに対して深部ではその影響が少ないため重合状態が厚さ方向に不均一になることが他の要因として考えられる。したがって、上記の問題は重合速度を速くするか、或いは実質的に酸素が存在しない雰囲気下で重合を行なうことにより解決できると考えられる。
しかしながら、重合速度が低下するのを防止するために光重合開始剤の添加量を増やすことは、フォトクロミック化合物の耐久性が低下するといった問題が生じるため好ましくない。また、酸素による重合阻害の問題を窒素ガスのような不活性ガスで雰囲気を十分に置換することにより回避しようとする場合、コーティング剤が塗布された基材を重合装置内に設置した後に不活性ガス置換を行って酸素濃度を問題のないレベルまで低下させるのに長時間を要する。このため、眼鏡レンズのように凸状或いは凹状の曲面を有する基材を用いた場合には、基材を水平に静置してもコーティング剤が流動するために均一で所期の厚さを有する被覆層が得られず、発色時の色むらの発生やレンズの光学特性の低下が避けられないという別の問題が発生することが判明した。
そこで本発明は、眼鏡レンズのように凸状或いは凹状の曲面を有する基材の表面にコーティング剤の硬化体からなるコート層を形成するための方法であって、未硬化状態のコーティング剤層の厚さが厚くてもそれを均一且つ均質に硬化させ得る方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討を行なった。その結果、光重合装置として、光重合を実施する光重合室に加えて、その光重合室の前室として重合予備室を設置し、予め両室内の雰囲気を調整しておいた場合には光硬化性コーティング剤が塗布された基材を重合予備室に一旦保持した後に、特定の移送手段で光重合室に移動させることにより、塗布終了から極めて短時間で所望の雰囲気下で重合を行なうことに成功した。そして、該装置を用いて、良好なコート層が得られる条件について種々検討を行なった結果、酸素による重合阻害の影響が無視し得るようになる酸素濃度および、塗膜形成直後から重合硬化を行なうまでの時間について、その間に起こる変形が無視し得るような時間を特定することに成功し、本発明を完成するに至った。
ところで、レンズ基材の表面にコーティング剤を塗布する方法としてはスピンコート装置を用いる方法(スピンコート法)が知られている。該スピンコート法は、回転可能に保持されたレンズ基材上にコート液(コーティング剤)を供給した後に基材を回転させることにより基材表面全体にコート液を延展させ、さらに基材を高速回転にさせることにより余分なコート液を振り落とし所望の膜厚に調整するものであり、操作の簡便性からレンズ表面にハードコート層を形成する際のコーティング剤塗布方法として広く採用されている。
スピンコート法によりフォトクロミックコーティング剤を施用する場合には、従来のスピンコート法と比べて次のような特殊性がある。
第一に、コーティング法ではフォトクロミックコート層のみで基材レンズに十分なフォトクロミック特性を付与する必要があるため、その層厚を5〜100μmとかなり厚くする必要があるが、そのような厚さの塗膜を容易に形成することができるようにフォトクロミックコーティング剤は例えば25℃における粘度が20〜1000センチポアズと高粘度に調整され、且つ例えば1000rpm以下といった(従来のハードコート用コーティング剤を用いた場合と比べて)低回転数で延展せしめている。
第二に、レンズ基材には紫外線吸収剤が含まれていることが多く、このようなレンズを透過した光(紫外線が減じられた光)がフォトクロミックコート層に照射された場合にはフォトクロミック化合物は発色し難くなるので、上記“コーティング法”によりフォトクロミックレンズを製造する場合にはフォトクロミックコート層はレンズの表側の面(眼鏡をかけた時に目とは反対側を向く面)となる面(通常、凸状の曲面である)の上に形成する必要がある。
しかしながら、高粘度のフォトクロミックコート液をレンズ表面にスピンコートした場合には、高速回転時に振り落としきれなかった余剰のコート液が基材の周縁部に溜まり、周縁部のフォトクロミックコート層の厚さが他の部分より厚くなってしまい(周縁厚膜化)、コート層に厚さムラが生じてレンズの光学特性が低下してしまうという問題が発生する。この液溜まりは、スピンコート時にヘラ等の治具を用いて基材周縁部に生じる液溜まりを除去することによりかなり少なくすることができるが、上記周縁部厚膜化を完全に解消することはできない。
眼鏡レンズの場合には、コーティングされたレンズはフレーム形状に合わせて加工されてから使用されるため、膜厚の厚い周縁部(周縁厚膜部)は加工時に切削されてしまうため上記の問題は実用上問題とならない場合が多い。しかしながら、切削加工しないでそのまま使用する用途においては依然問題は残ったままである。また、眼鏡レンズ用途においても、小さい口径のレンズにコーティングする場合には周縁厚膜部の面積は相対的に大きくなりその影響は無視できない。さらに、曲率が小さく平板に近い形状を有するレンズをコーティングする場合には周縁膜厚部領域は広がる(場合によっては周縁から半径方向に10mm程度内側の領域が周縁厚膜部となることもある)ことが判明し、様々な形状のレンズ基材に対して“コーティング法”を適用するためには、周縁厚膜部の領域を更に狭くすることが必要である。
そこで、本発明は、フォトクロミックコーティング剤のような高粘度のコーティング剤を基材表面に塗布した後に硬化させて、例えば5〜100μmという厚さの厚い被覆層を有する物品を製造するに際し、スピンコート法を採用しても周縁厚膜化を起さない方法を提供することを目的とする。
また、前述したように、塗膜形成後にコーティング剤が流動するために均一な厚さを有する被覆層が得られないことがある。この問題は、塗膜形成後、速やかに塗膜の硬化を行うことで解消できる可能性があるが、硬化工程を不活性ガス雰囲気で行う場合には、ガス置換のために、ある程度の時間を要するため、塗膜厚みの均一性が損なわれる場合がある。したがって、工業的な実施を考慮した場合には、塗膜厚みの均一性が維持される時間は、より長い方が好ましい。
したがって、本発明は、塗膜形成後に、より長時間にわたり塗膜厚みの均一性を維持できる技術を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、スピンコート法によりコーティング剤塗膜を形成してから光照射して該塗膜を硬化させるまでの間、基材を低温で保持した場合には塗膜厚みの均一性が維持される時間も長くできることを見出すと共に、この間に基材を特定の回転数で回転させた場合には周縁厚膜部が縮小し、かつ塗膜厚みの均一性が維持される時間もより長くできることを見出し、本発明を完成するに至った。
このような目的を達成する本発明は、以下の要旨を含む。
(1)凸状或いは凹状の曲面を有する基材の当該曲面上に5〜100μmの厚さを有する被覆層を有する積層体を製造する方法であって、前記基材の曲面上に重合性単量体を含有するコーティング剤を塗布して所定の厚さの塗膜を形成した後に、当該塗膜の厚さの均一性を実質的に保持したまま酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。
(2)前記コーティング剤がフォトクロミック化合物を含有することを特徴とする(1)に記載の製造方法。
(3)基材として、その正射影の形状が円若しくは略円形であり、その半径{r(mm)}に対するコーティング剤が塗布される凸状或いは凹状の曲面の高低差{Δh(mm)}の比(Δh/r)が0.01〜0.50である基材を用いると共に、コーティング剤としてその25℃における粘度が20〜1000センチポアズのものを用い、更にコーティング剤の塗布終了直後から以下に定義される流動化時間(t)が経過するまでの間に酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させることを特徴とする(1)又は(2)に記載の製造方法。
〔流動化時間(t)〕:コーティング剤の塗布終了直後から塗膜の硬化を開始するまでの間、基材が保持される環境下の温度と同じ温度において、水平に保持された表面が平滑なガラス板上の所定の位置に前記コーティング剤50μlを滴下して延展が終了するまで自然に延展せしめた後に当該ガラス板を水平面に対する仰角が30度となるように傾けて保持したときに、ガラス板を傾けた直後から前記コーティング剤の周縁の最下端が10mm移動するのに要した時間(秒)
(4)コーティング剤の塗布を酸素濃度が1%以上の雰囲気中で行なうことを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の製造方法。
(5)コーティング剤として、25℃における粘度が20〜1000センチポアズのものを用い、基材上に所定の厚さの塗膜を形成した後、基材曲面の中心若しくはその近傍における任意の一点を通り且つ該基材を厚さ方向に貫通する直線を回転軸として20〜1500rpmの回転速度で回転させながら塗膜を光重合により硬化させることを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の製造方法。
(6)前記基材の曲面上での塗膜の形成をスピンコート法により行い、且つスピンコート中に基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを除去することを特徴とする(5)に記載の製造方法。
(7)形成される硬化被膜の厚さが5〜100μmである(5)又は(6)に記載の製造方法。
図1に、本発明で使用することが可能な光重合装置1の斜視図を示す。
図2に、上記装置の平面図(光源部は除く)を示す。
図3に、図1におけるX−Y軸に沿った断面図を示す。
図4に、床上を摺動する可動板(トレー)の好適な態様を示す。
図5に、光重合装置の使用の態様を示す。
図6に、本発明で使用することが可能な他の光重合装置10の例を示す。
本発明の積層体の製造方法においては、凸状或いは凹状の曲面を有する基材の当該曲面上に塗膜を形成した後に、当該塗膜の厚さの均一性を実質的に保持したまま酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させる。
本発明で使用する基材は、凸状或いは凹状の曲面を有する基材であれば特に限定されないが、スピンコートし易いという観点から該基材を上方又は下方から見たときの形状(正射影の形状)は円若しくは略円形であるのが好適である。更に、表面に形成される被覆層の厚さを均一にし易いという観点から、基材の半径{r(mm)、但し、正射影の形状が略円形であるときは最短径の1/2を意味する}に対する凸状又は凹状の曲面の高低差{Δh(mm)}{凸状の場合には基材の周縁が形成する平面からの凸状面の最高点の高さに相当する。また凹状面の場合には基材を凹状面が下向きとなるように水平な平面上に置いたときに該平面と基材との間にできる空間の最高点の高さに相当する。}の比(Δh/r)が0.01〜0.50であるのが好適である。さらに、本発明の方法を採用することによる有用性が高いという理由から、口径50〜150mmで上記主表面の曲率半径が50mm以上である基材を使用するのが特に好ましい。
また、基材の材質は特に限定されず、ガラス、プラスチック、金属、セラミックスの何れであってもよい。具体的には、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アリル系樹脂、チオウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、チオエポキシ系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ四フッ化エチレン、シリコーン樹脂等のプラスチック樹脂;ステンレススチール(SUS)、アルミニウム、銅、鉄等の金属類;スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム等のゴム類;半導体、木材、無機ガラス、石英ガラス、紙類、セラミック等、公知の材料からなる基板が何ら制限なく使用できる。しかしながら、本発明の製造方法により製造される物品が光学物品である場合には、透明性を有する基材を用いるのが好適である。
例えば、フォトクロミックレンズ等の光学物品を製造する場合{このとき本発明の方法で形成される被覆層(以下、単に被覆層ともいう)がフォトクロミック性を有することになる}、上記基材としては、通常レンズとして使用されているガラス又は樹脂製の円盤状基材が好適に使用できる。一般に、プラスチック眼鏡レンズは曲面を有しており、近年の光学設計の進歩によりその凸面は複雑な曲面形状をしているものが多いが、本発明においてはこのような眼鏡レンズを何ら問題なく、基材として使用することができる。
なお、基材は、プライマー処理やプラズマ処理或いはコロナ放電処理等の表面処理が施されたものであってもよい。このような表面処理としては、例えば、塩基性水溶液又は酸性水溶液による化学的処理、研磨剤を用いた研磨処理、大気圧プラズマおよび低圧プラズマ等を用いたプラズマ処理等を挙げることができる。
本発明の製造方法においては、先ず、上記した基材の凸状又は凹状の曲面の表面上に重合性単量体を主成分とするコーティング剤をスピンコート法等の方法により塗布し、硬化させたときの厚が所期の厚さとなるような厚さの塗膜を形成する。このとき使用するコーティング剤は成分として重合性単量体を含有するものであれば特に限定されないが、プロセスの簡便性、基材として樹脂製のものを用いたときに硬化時に加える或いは発生する熱等により基材が変形することが少ないといった理由により光重合硬化性を有するコーティング剤である必要がある。
また、最終的に得られる樹脂コート層の厚さを5〜100μmの範囲に調整し易いという観点から、該コーティング剤の25℃における粘度は、20〜1000センチポアズ(cP)である。一方、25℃における粘度が20センチポアズ未満のものは、スピンコートの際に前記したような周縁厚膜化問題は起こらない。また25℃における粘度が1000センチポアズを超える場合にはスピンコーティング法の適用が困難である。本発明の効果の有効性および操作性の観点から25℃における粘度が50〜500センチポアズ、特に80〜200センチポアズのものを使用するのが好適である。
該コーティング剤を構成する成分としては、この種の用途に用いられている公知の化合物を何ら制限なく用いることができ、表面硬度の向上、フォトクロミック性の付与、耐衝撃性の向上、ハードコート層または反射防止層など目的に応じて、組成を決定することができる。例えば、表面硬度の向上を目的とする場合、3個以上のラジカル重合性基を有するモノマーおよび/または有機−無機ハイブリッドモノマーなどを含む組成とすることが好ましく、また、フォトクロミック性の付与を目的とする場合には、硬化物の耐溶剤性、硬度、耐熱性等の化学的・機械的特性、或いは発色濃度や退色速度等のフォトクロミック特性を良好とするため、ラジカル重合性単量体を含むことが好ましい。ラジカル重合性単量体は特に限定されず、例えば(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、スチリル基のごときラジカル重合性基を有する公知の化合物が何ら制限なく使用できる。これらのなかでも、入手のしやすさ、硬化性の良さから(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイルオキシ基をラジカル重合性基として有する化合物が好ましい。
また、本発明で使用されるコーティング剤は、被覆層を設ける目的に応じて、或いはコーティング剤の取り扱いや保存安定性、さらには被覆層の安定性を向上させる目的で、フォトクロミック化合物、光重合開始剤、アミン化合物、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤、有機溶媒等の各種添加剤を含有してもよい。コーティング法によりフォトクロミックレンズを製造する場合には、クロメン化合物、フルギミド化合物等の各種フォトクロミック化合物を合計で0.01〜20重量%、特に0.05〜5重量%含有するものを使用するのが好適である。
本発明で好適に使用できるコーティング剤としては、ラジカル重合性単量体100重量部に対して光重合開始剤0.001〜5重量部、フォトクロミック化合物0.01〜20重量部、特に0.05〜15重量部を含有する粘度20〜1000cP、特に50〜500cPの光重合硬化性のコーティング剤を挙げることができる。このようなコーティング剤は、コーティング法によりフォトクロミックレンズを製造する場合に好適なコーティング剤として、本発明者等が提案したもの(国際公開第03/011967号パンフレット、特願2002−354291及び特願2002−372835号)を含んでおり、このようなコーティング剤を具体的に示せば以下(1)〜(4)のようなものを挙げることができる。
(1)γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン5重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン35重量部、ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(ダイセル・ユーシービー社:EB1830)10重量部、平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート20部、グリシジルメタクリレート10部からなる重合性単量体100重量部に、下記フォトクロミック化合物(I)を3重量部、N−メチルジエタノールアミンを5重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを5重量部、光重合開始剤としてIRUGACURE1800を0.4重量部含んでなる、25℃における粘度が100〜140センチポアズのコーティング剤。
(2)4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド1.5重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート18.5重量部、平均分子量776の2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン30重量部、平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート20重量部、ウレタンオリゴマーヘキサアクリレート20重量部、グリシジルメタクリレート10重量部からなる重合性単量体100重量部に、フォトクロミック化合物を3重量部、N−メチルジエタノールアミンを3重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを5重量部、光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを0.5重量部含んでなる、25℃における粘度が110〜150センチポアズのコーティング剤。
(3)γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン10重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部、平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート20重量部、ウレタンオリゴマーヘキサアクリレート30重量部、グリシジルメタクリレート10重量部、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート10重量部からなる重合性単量体100重量部に、フォトクロミック化合物を3重量部、N−メチルジエタノールアミンを5重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを5重量部、重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを0.4重量部含んでなる、25℃における粘度が90〜130センチポアズのコーティング剤。
(4)2−イソシアナトエトキシメタアクリレート10重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート15重量部、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン40重量部、ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(ダイセル・ユーシービー社:EB1830)10重量部、平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート15部、グリシジルメタクリレート10部からなる重合性単量体100重量部に、フォトクロミック化合物を3重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを5重量部、光重合開始剤としてIRUGACURE1800を0.5重量部含んでなる、25℃における粘度が110〜150センチポアズのコーティング剤。
本発明の方法では、先ず、前記基材の主表面上に前記コーティング剤を塗布し、塗膜を形成する。このとき、コーティング剤を塗布する方法としては、ディッピッグ法やスプレイ法等公知の塗布方法が適用可能であるが、操作が簡単で均一な厚さの塗膜が得られるという観点からスピンコート法を採用するのが好適である。
スピンコート法とは、基材表面に所定量のコーティング剤(コート液)を供給し、基材の主表面の中心若しくはその近傍における任意の一点を通り且つ当該基材を厚さ方向に貫通する直線を回転軸として基材を回転させることにより基材表面上にコーティング剤を延展させると共に均一な厚さの塗膜を形成する方法であり、眼鏡レンズの分野において凹面状であるレンズの裏側の面(眼鏡をかけた時に目の方を向く面)に塗膜を形成する場合に一般的に採用されている方法であり、そのための装置も市販されている。このような装置は、通常、例えばサーボモーターと該サーボモーターの回転軸と連結する「基材を保持するための取り付けアダプタ」とからなる基材を保持・回転する手段と、例えばディスペンサー等からなるコーティング剤供給手段を有しており、基材の主表面が露出するように上記手段に固定された基材の該主表面上にコーティング剤を供給する構造となっている。なお、上記取り付けアダプタは、通常、その上部にレンズを載置したときにレンズ底面とアダプタ上面とで密閉された空間ができるような構造となっているとともに該空間は外部の排気装置と通路を通じて連通する構造となっており、該空間内を減圧とすることにより載置されたレンズを保持できるようになっている。
本発明の発明においても、同様の装置を用い同様の手順でコーティング剤の塗布を行なうことができる。ただし使用するコーティング剤の粘度が高いのでコーティング剤は基材表面に濡れ難くなっている。このため、少ないコーティング剤使用量でこれを基材表面全面に渡ってきれいに延展させるために、スピンコートに際しては、基材を低速で回転させながらコーティング剤供給ノズルを回転する基板の半径方向に移動させながらコーティング剤を供給して基板のほぼ全面にほぼ均一に塗布する方法、或いは基材の中心近傍に供給されたコーティング剤を、可撓性フィルムを撓んだ状態でコート液に接触させ、基材を回転させながら該可撓性フィルムを前記基材の中心部近傍から周縁に向かって移動させる事によりコーティング剤を基材表面全体へ延展させる等の何らかの延展補助手段を用いた方法を採用するのが好適である。また、スピンコート時には、ヘラ等の治具を基材の端部に当接する等して、基材の周縁部に生じる液溜まりを除去するのが、周縁厚膜部の領域をより少なくし、均一な塗膜を形成することができるという観点から好適である。
スピンコートにより形成される塗膜層の膜厚は、最終的に得られる被覆層の膜厚に対応する膜厚とする必要があるが、硬化時の収縮率等を考慮し、用いるコーティング剤の種類に応じてスピンコートの際の気温や基材の回転数或いは回転時間を制御することによりそのような膜厚に制御すればよい。制御に際しては、用いるコーティング剤ごとにスピンコートの諸条件を変えた予備実験を行なっておき、各条件と最終的に得られる被覆層の膜厚との関係を調べておくのが好適である。なお、本発明の方法を採用することのメリットが大きいという観点から最終的に形成される被覆層の周縁厚膜部を除く領域(例えば、周縁部を除く中心領域であって全主表面の80%を占める領域)の平均厚さは20〜80μm、特に25〜60μmであるのが好適である。
本発明の製造方法では、上記のようにして塗膜を形成した後に、当該塗膜の厚さの均一性を実質的に保持したまま酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させる必要がある。塗膜が形成される基材の表面は凸状或いは凹状の曲面であるため、塗膜形成後そのまま放置しておくと、コーティング剤の垂れ(重力による流動)により塗膜の厚さが変わってしまう。そのため、このような現象により膜厚が実質的に変化しないうちに塗膜を硬化させる必要がある。また、酸素濃度が500ppmを越えるような雰囲気中で光重合を行なった場合には、酸素による重合阻害の影響を受けて、良好な樹脂コート層を得ることができない。特に、コーティング剤中にフォトクロミック化合物が含まれる場合には、その光吸収作用により重合速度が低下する傾向があるので、酸素による重合阻害の影響はより大きくなり、重合が完結しないということも起こり得る。また、重合が完結する場合にも上記塗膜の厚さが厚いためその表層部と深層部とで重合速度が異なってしまい均一な性状の樹脂コート層が得られない。得られる樹脂コート層の膜厚および性状の均一性の観点から、光重合を行なう際の雰囲気中の酸素濃度は、300ppm、特に100ppm以下であるのが好適である。
なお、本発明において塗膜の厚さの均一性を実質的に保持するとは、塗膜を硬化させて得られる樹脂コート層の基材周縁部を除いた領域において、基材中心を通る線に沿って中心から周縁までほぼ等間隔に配した5点における樹脂コート層の膜厚の変動係数CVが3%以下、好ましくは2.5%以下であることを意味する。ここで、樹脂コート層の基材周縁部を除いた領域とは、高分子膜の周縁から所定の距離内側の領域であって、その領域の面積が積層面全体の面積の少なくとも70%となる領域を意味する。塗膜形成後から塗膜の厚さが実質的に変化し始めるまでの時間は、用いる基材の形状、コーティング剤の種類(特に粘度)によって異なるため一概に規定することはできない。しかしながら、基材として、その正射影の形状が円若しくは略円形であり、その半径{r(mm)}に対するコーティング剤が塗布される凸状或いは凹状の曲面の高低差{Δh(mm)}の比(Δh/r)が0.01〜0.50であるの基材を用いると共にコーティング剤としてその25℃における粘度が20〜1000センチポアズのものを用いた場合には流動化時間(t)が経過するまでの間であれば塗膜の厚さは実質的に変化しないので、このような基材及びコーティング剤を用いるときには、更にスピンコート終了直後から流動化時間(t)が経過するまでの間に酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させるのが好適である。
ここで、流動化時間(t)とは、コーティング剤の塗布終了直後から塗膜の硬化を開始するまでの間、基材が保持される環境下の温度と同じ温度において、水平に保持された表面が平滑なガラス板上の所定の位置に前記コーティング剤50μlを滴下して延展が終了するまで自然に延展せしめた後に当該ガラス板を水平面に対する仰角が30度となるように傾けて保持したときに、ガラス板を傾けた直後から前記コーティング剤の周縁の最下端が10mm移動するのに要した時間(秒)を意味する。該流動化時間は測定雰囲気温度が低いほど長くなる傾向がある。
したがって、コーティング剤の塗布終了直後から塗膜の硬化を開始するまでの間、室温以下、さらに好ましくは5〜20℃、特に好ましくは10〜18℃の環境下で塗膜が形成された基材を保持することが望ましい。
塗膜の厚さを実質的に保持したまま酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させる方法は特に限定されず、例えば塗膜形成及び光重合を一つの密閉空間で行なえるような装置を用い、その密閉空間中の酸素濃度を500ppm以下に保っておき、塗膜形成後直ちに光重合を行なえばよい。本発明においては、光重合単独で塗膜の硬化を完結させても良いが、光重合後に熱重合を併用することによって、塗膜の硬化を完結させる方法を採用しても構わない。熱重合としては、重合炉中で熱を施して熱重合させる方法、または重合炉中で赤外線を照射して重合硬化させる方法等を挙げることができる。
また、スピンコート等による塗膜形成を大気中で行なった場合でも、「表面に光重合硬化性のコーティング剤からなる層が形成された基材の当該コーティング剤からなる層を硬化させるための光重合装置であって、光源(A)と、室内の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構(b1)、光透過窓(b2−1)を有する天井(b2)、光重合性コーティング剤の層が上面となるように水平に基材を保持することができる基材保持台(S)に保持された基材を入出可能な開口部(b3)並びに基材を水平に保ったまま基材保持台を収容できる基材保持台収容部(b4)を有し、前記光源から当該光透過性窓を通して入射する光によって該収容部に収容された基材保持台に保持された基材表面の光重合硬化性コーティング剤からなる層を硬化させるための光重合室(B)と、内部の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構(c1)、前記基材又は基材を保持した前記基材保持台を装置外部との間で入出するための、開閉自在の扉(c2−1)を有する開口部(c2)、光重合室の前記開口部(b3)と直接又は通路を介して連接し、基材が保持された前記基材保持台が入出可能な開口部(c3)並びに基材を水平に保ったまま基材保持台を収容できる基材保持台収容部(c4)を有する、前記基材を一時的に保持するための重合予備室(C)と、基材を保持した前記基材保持台を基材の水平状態を保ちながら前記基材保持台収容部(b4)と前記基材保持台収容部(c4)との間を移送することができる基材移送機構(D)とを具備することを特徴とする光重合装置」等の短時間で所望の雰囲気下に基材を置くことができるような工夫をした装置を用いて重合することにより、塗膜の厚さが実質的に変化しないうちに重合雰囲気を酸素濃度500ppm以下とすることができる。上記装置を用いた場合には、コーティング剤のスピンコート法による塗布を大気中のような酸素濃度が1%以上の雰囲気下で行なうことができ、市販されているスピンコート装置をそのまま使用できるという利点がある。そのため、本発明の製造方法においては上記のような装置を用いるのが好適である。
以下に、代表的な上記光重合装置について図面を用いて説明すると共に、該装置を用いて本発明の方法に従いコート層を形成する方法について説明する。代表的な光重合装置1の斜視図を図1に、平面図(光源部は除く)を図2に、X−Y軸に沿った断面図を図3に示す。
図1に示されるように、光重合装置1は、基本的に光源A、光重合室B、重合予備室Cとからなり、光重合室と重合予備室の内部には、基材2を保持した基材保持台Sを基材の水平状態を保ちながら移送することができる基材移送機構Dを有している。
上記光源Aは図示しない保持手段により光重合室Bの上部に光源Aからの光が窓b2−1を通って光重合室Bの内部に入射するような位置に保持されている。光源Aを光重合室Bの外部に配置することにより光源の保守を容易にすると共に光重合室内の容積を小さくすることができ、窒素ガス置換等の方法により内部の雰囲気制御をより短時間で行なうことが可能となる。
光源Aは、例えば無電極ランプ等の紫外線などの光(活性エネルギー線)の発生源であり、図示しない電源および制御装置に接続している。また、光源Aの近傍には光源を冷却する目的でブロアーが配置されていてもよい。
光源Aを保持する保持手段は光源Aを固定できる手段であれば特に限定されず、例えば支持ブロックに固定された支柱に固定されたアームで支持するものであってもよい。また、例えばモーター等によって回転駆動され得る実質鉛直に上方に延びる回転自在なねじ軸と該ねじ軸と螺合する孔を有するアームとで構成した場合には、該ねじ軸を回転駆動することによりアームに固定された光源Aを上昇または下降せしめて光源Aの位置を調節することが可能である。
光照射に使用する光源Aは、公知の光源を何ら制限なく用いることができ、用いる重合開始剤の活性波長等を勘案し適宜選択すればよい。一般に光源の放電方式は、発光の仕方により有電極放電光源、無電極放電光源に大別される。前者は電極に電圧を加えることによりランプが発光するもので、後者は電極を必要とせずマイクロ波のエネルギー制御でランプを発光させるものであり、いずれの放電光源も採用することができる。有電極放電光源を具体的に例示すれば、オゾンレス高圧水銀ランプ、オゾンあり高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲン化鉄またはハロゲン化ガリウム等のハロゲン化メタルを入れた高圧水銀ランプ、殺菌ランプ、クリプトンアークランプ、カーボンアークランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、メタルハライドランプ、インジウムランプ、タリウムランプ等が挙げられる。また無電極放電光源を具体的に例示すれば、Hバブル,Hプラスバブル,Dバブル,Vバブル、Mバルブ、Qバルブ等が挙げられる。これら光源は有電極放電光源、無電極放電光源の区別なく、単独又は複数種を組み合わせて用いることが出来る。また、光源として電子線を用いてもよく、この場合には光重合開始剤を添加せずに塗膜を硬化させることもできる。
また、必要に応じて、光源Aより放射される光の光量を減少させたり、特定の波長域の光をカットしたりする等の目的で、光源と基材との間にフィルターを介することもできる。例えば、紫外線カットフィルター、硬質ソーダガラス、熱線カットフィルターを用いることができる。
光重合室Bは、擦り加工が施してあっても構わない石英、硼珪酸ガラス、ソーダガラス等の光透過性の材質からなる窓b2−1で少なくともその一部が構成される天井b−2を有する部屋である。該光重合室Bは、内部に後で詳述する基材保持台Sを収納するための空間、即ち基材保持台収容部b4が確保されている。該収容部は、光源Aから光照射を行なった場合に、窓b2−1を透過した光が、該収容部に収容された基材保持台に保持された「表面に光重合性のコーティング剤からなる塗膜が形成された基材」を照射できる位置に配置されている。また、光重合室Bには、基材保持台Sを出し入れするための開口部b3が設けられており、該開口部を塞ぐことにより密封可能となっている。
開口部b3から光重合室B内に移送された基材を保持した基材保持台は上記収容部b4に収容され、その後光照射による基材のコーティング剤層の硬化が行なわれる。硬化後の基材は、基材保持台に保持されたまま再びb3から室外に移送される。このようにして硬化後の基材を室外に移送することにより一旦制御された室内の雰囲気を乱すことなく(別言すれば酸素を含む外気を室内に導入することなく)基材を室外に出すことが可能となる。なお、光重合室Bにはb3の他に、基材又は基材を保持した基材保持台を装置外部に取り出すための開口部が(該開口部には該開口部を密封し得る、開閉自在の扉又は取り外し自在の蓋等の密封手段を有している必要がある。)が設けられていてもよいが、この場合には、基材取出し時に室内に外気が入り込まないようにするための手段を講ずるのが好ましい。
更に、光重合室Bは室内の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構b1を有しており、その内部の雰囲気、具体的には雰囲気ガスの組成を制御することが可能となっている。該雰囲気制御機構b1は、例えば室内に不活性ガスを導入するためのガス導入手段及び室内のガスを排出するための排気手段であり、具体的には、導管を介して流量調節装置(図示しない)及び不活性ガスシリンダーまたは不活性ガスボンベ(図示しない)に接続するガス導入孔b1−1および室外にガスを排出するためのガス排出孔b1−2である。ガス導入孔及びガス排出孔には開閉バルブ又は逆止弁が連接されていてもよい。また、ガス排出孔は、必要に応じて導管を介して開放されていてもよいし、真空ポンプなどの強制排気手段と接続していてもよい。また、光重合室Bには室内の酸素ガス濃度を検出するための検出器F1が設置されているのが好適である。
図1では光重合室として箱状のものを示したが、光重合室の形状は上記条件を満足するものであれば特に限定されず例えば円筒状であってもよい。また、その材質は、窓が透光性材料である以外は限定されず、ステンレススチール等の金属或いは樹脂性であってもよい。但し、室内の雰囲気制御を短時間で確実に行なうという観点から室内を減圧若しくは加圧状態に保つことが可能な強度を与える材料を使用するのが好適である。また、光重合室Bの床に関しては、後で詳述する基材移送機構Dとの関係上、特定の基材移送機構を採用する場合には、基材保持台Sが摺動し易いように、床の表層部を構成する材料としては表面摩擦抵抗の少ないフッ素樹脂を用いるのが好適である。
重合予備室Cは、基材を水平に保ったまま基材保持台を収容できる基材保持台収容部c4、2つの開口部および天井を有する部屋であり、これら2つの開口部を塞ぐことにより密封可能となっている。上記2つの開口部の内の一つは、基材又は基材を保持した前記基材保持台Sを装置外部との間で入出するための開口部c2であり、該開口部には開閉自在で該開口部を密封できる扉c2−1が付属している。また、もう一方の開口部は、光重合室の前記開口部b3と直接又は通路を介して連接する開口部c3であり、基材が保持された前記基材保持台を入出可能な大きさを有している。なお、前記開口部b3及び前記開口部c3で互いに連接する光重合室Bと重合予備室Cとは、重合予備室に外部から基材を導入するときの室内の雰囲気の乱れによる影響を光重合室内の雰囲気に及ぼさないようにするという観点から、移動可能若しくは開閉可能な1又2以上の仕切りEで仕切られているのが好適である。該仕切りは、どちらの側にも可倒なように枢着された垂直板の如きものであってよく、また、スライド式のシャッターの如きものであってもよい。さらに後述するように基材保持台Sと一体となったものであってもよい。また、重合予備室の形状、材質については任意であるが、基本的には光重合室と同様である。
基材又は基材を保持した前記基材保持台Sは開口部c2を通って外部から重合予備室C内に導入され、一時的に該室内に保持された後に基材を保持した前記基材保持台Sは開口部c3及びb3を通って装置外部に出ることなく(外気に触れることなく)光重合室Bに導入され、光照射を受けてコーティング剤層が硬化される。そして、硬化処理された基材は再び逆のルートをたどって装置から取出される。なお、基材の導入は、基材のみを導入し、予め重合予備室内に配置されている基材保持台に保持してもよく、また装置外で基材保持台に保持して基材保持台と共に導入してもよい。
重合予備室Cは、基材上に光重合性のコーティング剤からなる塗膜を形成後、速やかに該塗膜を酸素が実質的に存在しない雰囲気化で重合硬化させるために設けられたものであり、その目的を達成するために重合予備室Cは内部の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構c1を有している必要がある。該雰囲気制御機構c1としては、前記した雰囲気制御機構b1と同じものが採用できる。図2ではその例としてガス導入孔c1−1及びガス排出孔c1−2を示した。
光重合室と重合予備室が仕切られた状態で雰囲気制御機構b1及びc1を用いて予め両室内を窒素等の不活性ガスで置換しておき、重合予備室に素早く基材を導入した後に直ちに或いは必要に応じて雰囲気制御機構c1により導入時に不可避的に室内に混入した酸素を問題のないレベルまで排除してから該基材を光重合室に移送すれことにより基材を非常に短時間で酸素濃度が非常に低い雰囲気下に置くことができる。
重合予備室Cには、室内の酸素ガス濃度を検出するための検出器F2が設置されているのが好適である。この検出器により、重合予備室内の酸素濃度が前記仕切りを開放しても、光重合室内の酸素濃度を問題となるレベルにまで変動させないようなレベルに達していることを確認する事ができ、操作の確実性延いては製品の品質バラツキを小さくすることが可能となる。
光重合装置1は、基材2を保持した基材保持台Sを基材の水平状態を保ちながら前記基材保持台収容部b4と前記基材保持台収容部c4との間を移送することができる基材移送機構Dを有する。移送中に基材の水平が保てない場合には、未硬化のコーティング剤の垂れが起こり良好なコート膜を得ることができない。該移送手段Dとしては、上記のような条件を満足し得る公知の移送手段が採用できるが、好適なものを例示すると、外部から起動、停止、搬送方向、搬送速度等の制御が可能なベルトコンベア或いは台車、又は床上を摺動する可動板(トレー)等を挙げることができる。さらに、重合予備室、光重合室及び必要により設けられる通路の配置によっては、これらの床自体をターンテーブルの一部で構成し、該ターンテーブルが回転することにより基材を移送することもできる。
図4に示すのは、床上を摺動する可動板(トレー)の好適な態様であり、該トレーは、基材保持台Sとしての機能及び前記仕切りEとしての機能を有している。即ち、図4に示す基材保持台S(上記トレー)は、底面が水平で重合予備室、光重合室及び必要により設けられる通路の床面上摺動することができるようになっていると共に、その上部に基材2を保持できるようになっている(図示していないが上部には基材に嵌合する凹部が設けられていてもよい)。また、その前部(光重合室側)及び後部(重合予備室側)に前記仕切りEとして機能する壁部材E1及びE2を有している。壁部材E2には基材保持台Sを手動で移動させるための取っ手あるいは重合予備室の壁をシールされた状態で貫通し前後に自在に動くことのできるロッドであって、該ロッドを押す又は引くことにより基材保持台を前後に所定の距離移動させることができるロッドd1が取り付けられていてもよい。なお、図4にはその底面が平面となっているものを示したが、底面には摺動性を改良するための車輪やベヤリングが付設されていてもよく、また確実に収容部に収容されるようにするための重合予備室、光重合室及び必要により設けられる通路に設けられた案内溝等のガイドに沿って動くようになっていてもよい。
図5を用いて、図4に示す基材保持台Sを用いた基材移送手段について更に詳しく説明する。図5における上の図は、光重合室B内及び重合予備室C内を窒素ガス等の不活性ガスで十分に(例えば酸素濃度が300ppm以下となるまで)置換したあとで、開口部c2から表面にコーティング剤が塗布された基材2を導入し基材保持台Sに保持したときの図である。基材導入前においても基材保持台Sは図に示す位置に置かれており、その壁部材E1によって光重合室と重合予備室は仕切られている。基材導入直後、扉c2−1を開けることにより外部から酸素が侵入するが、光重合室と重合予備室は仕切られているのでその影響は光重合室内には及ばない。また、予め重合予備室内は不活性ガスで置換されているので、基材導入後直ちに扉c2−1を閉じればこのとき侵入する酸素量(検出器F2で確認できる。)がそのまま重合を行なうには問題となるレベルであったとしてもその絶対量は少ないので、重合予備室に入れられた基材を直ちに光重合室に移送しても光重合室内の酸素濃度に与える影響を非常に小さくすることができる。光重合室への基材の移送はロッドd1を押込むことにより基材保持台Sを光重合室Bに移送することにより行なうことができる。移送後は、基材保持台の壁部材E2によって両室は仕切られることになる。移送後は、念のために酸素濃度を確認し(必要に応じて短時間の不活性ガスの置換を更に行なって)直ちに光源Aからの光を照射することにより基材表面上のコーティング剤層を重合硬化させればよい。光重合室B内は酸素濃度が低く保たれているので、酸素による重合阻害はなく、しかも塗膜形成から重合までに要する時間が短時間であるので、均一な厚さで均質なコート膜を形成することができる。
上記のように、塗膜形成後、速やかに塗膜の硬化を行うことで、樹脂コート層の厚みの不均一性や基材周縁における厚膜部の形成を低減できる。しかしながら、硬化工程を不活性ガス雰囲気で行う場合には、ガス置換のためにある程度の時間を要するため、工業的な実施を考慮した場合には、塗膜厚みの均一性が維持される時間は、より長い方が好ましい。
このような要求がある場合には、コーティング剤の塗布終了直後から塗膜の硬化を開始するまでの間、基材が保持される環境下の温度を低く保つことにより、塗膜の流動性を低下せしめて塗膜厚みの均一性が維持される時間を長くすることができる。また、この方法より効果は少ないが塗膜の硬化時に、塗膜付基材を回転させながら塗膜の硬化を行うことによって塗膜厚みの均一性が維持される時間を長くすることできる。
すなわち、本発明の製造方法では、上記のような方法でコーティング剤の塗膜を形成した後、酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で、基材の主表面の中心若しくはその近傍における任意の一点を通り且つ当該基材を厚さ方向に貫通する直線を回転軸として基材を20〜1500rpmで回転させながら光を照射することにより基材上の光硬化性組成物を硬化させることが好ましい。硬化時に基材を回転させることにより、スピンコート中に基材の周縁部の極狭い領域に押込められていた余剰のコーティング剤(光硬化性液状組成物)をその領域に留めたまま硬化させることができ、周縁厚膜部の幅を狭くすることが可能となり、塗膜の厚みの均一性も維持される。なお、コーティング剤の塗布方法としてスピンコート法を採用した場合には、上記回転軸はスピンコート時の回転軸と同じであるのが好適である。
本発明において、光照射時に基材を回転させる時の回転数は20〜1500rpmの範囲とする必要がある。回転数が20rpmより小さい場合、回転により生じる遠心力が弱い為、前記ドーナツ状の液溜り領域を十分に基材の周縁方向へと押し流すことができない。また、回転数が1500rpmを超える場合、遠心力によって塗布されたコーティング剤の周縁方向への流動が無視できなくなり、スピンコート時に所定の膜厚調整された膜厚が大きく変化してしまったり、飛散するコーティング剤により装置が汚れたりするといった問題が発生する。光照射時の基材の回転数は、上記回転数の範囲内で、使用するコーティング剤の粘度及び必要とする塗膜の膜厚を勘案して決定すれば良いが、効果の観点から50〜1000rpm、特に100〜600rpmとするのが好適である。また、スピンコート時に調整された膜厚を保つという観点から、上記回転数はスピンコート時に塗膜を延展させた時の回転数以下であることが好ましい。
本発明においては、基材を回転させながら該基材の主表面上に形成されたコーティング剤からなる層に光照射を行って該層を硬化させるが、基材の回転開始時期は、光照射によりコーティング剤が流動性を失う前であれば特に限定されない。しかしながら、効果の観点から、遅くとも光照射開始と同時もしくはその直前には回転を開始しておくのが好適である。スピンコート法によりコーティング剤の塗布を行なう場合には、装置の構造が許せばスピンコート終了後も回転を停止することなく光照射を行なってもよい。
以下、図面を用いて、基材を回転させながら塗膜の硬化が可能な光重合装置10について説明する。代表的な光重合装置10の斜視図を図6に示す。光重合装置10は、光源11、基材保持回転部20、カバー30を有している。基材保持回転部20は、被処理体である眼鏡レンズ等の基材を保持し回転させる機能を有し、上部に基材を載置したときに基材底面と該基材保持回転部上面とで密閉された空間ができるようになっている。また、該基材保持回転部上面には通気孔21が設けられており、図示しないエアーポンプと連結しており、該エアーポンプを用い前記密閉された空間を減圧することにより基材保持回転部20上に載置された基材を保持できるようになっている。基材保持回転部は、図示しないサーボモーターを連結しており、図示しない回転軸を中心として、基材保持回転部20上に載置された基材を回転することができる。
カバー30は、支持台40上に設置された支柱50に、アーム34によって固定されており、該支柱にそって上下に移動可能となっている。カバーの移動は支柱50に設けられたエアーシリンダー51を作動させることにより行なわれる。また、支持台40上には、カバー支持台60が設けられており、該カバー支持台上面に設置されたOリング61により、カバー30が降下した際、該カバーの底部を密着し、カバー内部を密閉することができる。カバー30には、ガス導入口31及び排気口32が設けられており、ガス導入口31よりガスを導入し排気口32より排出されることによりカバー内部の雰囲気を導入したガスで置換することができる。また、カバー30の上部には、ガラスでできた窓板33がはめ込まれており、該窓板を通して、上部光源11よりUV光がカバー30内へと照射され、基材上に塗膜されたコーティング剤を硬化することができる。
以上、図面に基づき本発明において好適に使用できる光重合装置ついて説明したが、好適に使用できる光重合装置図に示したものに限定されない。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
チオウレタン樹脂製のレンズ基材(プラノーレンズ:度数0.00、Δh/r=0.18)の表面に下記組成のフォトクロミックコーティング剤をスピンコート法により厚さ約40μmの塗膜を形成した後、図1に示す装置を用いて、下記(1)〜(5)に示す手順で上記塗膜の硬化を行ない、表面にフォトクロミックコート層を有するプラスチックレンズ(製品レンズ)を製造した。なお、手順(3)、(4)は室温25℃にて行なった(室温25℃におけるコーティング剤の流動化時間はt=10秒であった)。
なお、使用した光重合装置の具体的仕様は次のとおりである。
A光源:Fusion UV Systems社製無電極UVランプ(F300SQ)
B光重合室:
容積;約4000cm
窓材;硬質ガラス(硼珪酸ガラス)
雰囲気制御手段;高純度窒素ガス(酸素濃度5ppm以下)を250〜350cm/秒の範囲で流速を制御して導入可能なガス導入孔及び排気孔
酸素濃度センサー;大阪酸素工業株式会社製『MKI−50SU』
C重合予備室
容積;約14000cm
雰囲気制御手段;高純度窒素ガスを250〜350cm/秒の範囲で流速を制御して導入可能なガス導入孔及び排気孔
酸素濃度センサー;大阪酸素工業株式会社製『MKI−50SU』
〔フォトクロミックコーティング剤組成〕
・γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 10重量部
・トリメチロールプロパントリメタクリレート 15重量部
・ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート 15重量部
・グリシジルメタクリレート 10重量部
・平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート 10重量部
・平均分子量776の2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン 40重量部
・N−メチルジエタノールアミン5重量部
・ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート 5重量部
・IRUGACURE1800:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドの3対1の比の混合物 0.4重量部
・下記式で示されるフォトクロミック化合物 2.5重量部
Figure 2004078364
なお、フォトクロミックコーティング剤の25℃における粘度は113cPであった。
〔硬化手順〕
(1) 先ず、基材の前処理として、チオウレタン樹脂製のレンズ基材(プラノーレンズ:度数0.00、直径約70mm)の前処理をアルカリ水溶液にて行なった。
(2) 重合予備室及び光重合室の窒素置換(300cm/秒の流速で窒素ガスを導入することにより行なった)を実施し、酸素濃度が500ppm以下になったことを確認した後、上記前処理済みのレンズ基材にMIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、十分に混合した上記フォトクロミックコーティング剤を膜厚が約40μmになるようにコーティングした。
(3) フォトクロミックコート層を形成したレンズ基材を素早く重合予備室内に移動し、あらかじめ重合予備室内に設置してあった基材保持台内にレンズ基材をセッティングした。なお、この際に、重合予備室内の酸素濃度は、1〜3%程度まで上昇した。
(4) レンズ基材を基材保持台にセッティング後、直ちに基材保持台を重合予備室から光重合室に移動させ、その後5秒間程度重合室内の窒素置換を実施した後、光源のスイッチをオンにした。なお、この時の光重合室内の酸素濃度は、500ppm以下、より具体的には100ppm以下であり基材保持台を移動前の値とほぼ同じであった。また、スピンコーティング終了時から光重合室内までのレンズ基材の移動時間は、合計で約5秒間であった。
(5) 光照射を3分間実施後、120℃で1時間アニールを行い、製品レンズを完成させた。
得られた製品レンズについて、基材の中心部および周縁部のコーティング層の膜厚及びフォトクロミック特性を下記(I)〜(IV)に示す方法で評価した。その結果を表1に示した。
(I) フォトクロミック層の膜厚:レンズ中心部分の膜厚は、レンズの最中心の膜厚と比較して、110%以上の膜厚を有する部分を除いた部分のコーティング層についてフィルメトリクス社製薄膜測定装置を用いて測定を行った。また、膜厚の均一性を評価する為、基材中心を通る線に沿って中心から周縁より5mm内側までほぼ等間隔に配した5点における膜厚を測定し、膜厚の変動係数CVを求めた(このとき周縁より5mm内側までの領域を除いた部分のコーティング層表面の面積は、コーティング層表面全体の面積の約72%である)。レンズ周縁部分の膜厚は、(株)ハイロックス製パワースコープKH−2700を用いて直接観察することにより膜厚測定を行った。
(II) 最大吸収波長(λmax):得られたフォトクロミック層を有するレンズに、浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm,245nm=24μW/cmで120秒間照射して発色させ、このときの最大吸収波長を(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000)により求めた。なお、最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
(III) 発色濃度:120秒間光照射した後の、最大吸収波長における吸光度{ε(120)}と、光照射していない状態の硬化体の該波長における吸光度{ε(0)}との差{ε(120)−ε(0)}を求めこれを発色濃度とした。この値が高いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
(IV) 発色むら:得られた製品レンズを屋外で日光を暴露し発色させた。発色の濃度が安定したときの、レンズ周縁部を除く領域での発色濃度の均一性を目視で評価した。
A:発色むらは全く見られない
B:若干の発色むらが確認できた
C:明らかに発色濃度にむらが生じた
(比較例1)
硬化手順を以下のように実施したこと以外は、実施例1と同様にして試料を作成し、実施例1と同様にその評価を行った。評価結果を表1に示した。
〔硬化手順〕
(1) 実施例1の(1)と同様
(2)’ 記前処理済みのレンズ基材にMIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、十分に混合した前記フォトクロミックコーティング剤を膜厚が40μmになるようにコーティングした。この間、重合予備室及び光重合室の窒素置換は行なわず、両室内は大気と同じ雰囲気にしておいた。
(3)’ フォトクロミックコート層を形成したレンズ基材を素早く重合予備室内に移動し、あらかじめ重合予備室内に設置してあった基材保持台内にレンズ基材をセッティングした。
(4)’ レンズ基材を基材保持台にセッティング後、直ちに基材保持台を重合予備室から光重合室に移動させ、その後240秒間重合室内の窒素置換を実施した後、光源のスイッチをオンにした。この時の光重合室内の酸素濃度は、400ppmであった。また窒素ガスの流量は、300cm/秒であった。
(5) 実施例1の(5)と同様
(実施例2および3)
酸素濃度が100ppm(実施例2)もしくは500ppm(実施例3)である窒素ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして試料を作成し、その評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例2)
酸素濃度が1000ppmである窒素ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして試料を作成したが、酸素濃度が1000ppmと高かったためにフォトクロミック層の表層がアセトン等の溶媒で溶けるほどに重合が十分でないレンズができた。このレンズは、未重合であったため、評価しなかった。
(比較例3および4)
実施例1の〔硬化手順〕における(4)工程において、光重合室にレンズ基材を移動後の窒素置換時間を30秒(比較例3)及び60秒(比較例4)としたこと以外は、実施例1と同様にして試料を作成し、その評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1〜3の結果から、光重合開始前に酸素濃度が500ppm以下になるように窒素置換しておけば、フォトクロミックコーティング層の膜厚が比較的均一で、フォトクロミック特性が同等なレンズが成型できることが分かる。これに対し、比較例1、3及び4のようにフォトクロミックコーティング剤をレンズ基材に塗布後に窒素置換を開始すると、光重合を開始可能なレベルにまで酸素濃度を減少させるのに長時間を有するため、フォトクロミック層の膜厚にムラが生じ、十分なフォトクロミック特性を得ることができなくなる。また、比較例2のように、酸素濃度が1000ppmという環境下で光重合を実施すると、フォトクロミック層が十分に硬化せず未重合となってしまう。
実施例1において、図6に示す装置を用いて下記に示す手順で硬化を行なった以外、実施例1と同様にして試料を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。なお、手順(2)’’−(4)’’は室温を15℃に制御して行なった(室温15℃におけるコーティング剤の流動化時間はt=20秒であった)。評価結果を表1に示した。
〔硬化手順〕
(1) 実施例1の(1)と同様
(2)’’前処理済みのレンズ基材にMIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、十分に混合した前記フォトクロミックコーティング剤を膜厚が40μmになるようにコーティングした。この際、図6に示した光重合装置1のガス導入口31より窒素を20L/minの流速で導入を開始した。
(3)’’フォトクロミックコート層を形成したレンズ基材を素早く光重合装置1の基材保持回転部20に置き、カバー30を降下させカバー内を密閉しカバー内の雰囲気の置換を開始した。
(4)’’図示しないエアーポンプを用い、レンズ基材を基材保持回転部に吸着させ、窒素置換開始から10秒後、基材を回転数150rpmで回転させ、次いで窒素置換開始から15秒後、光源10(Fusion UV Systems社製無電極UVランプ(F300SQ))のスイッチをオンにした。なお、この時のカバー30内の酸素濃度は300ppmであった。また、スピンコート終了時から光照射を開始するまでの時間は18秒であった。
(5) 実施例1の(5)と同様
実施例4において、レンズ基材としてΔh/r=0.06のものを用いた以外は実施例5と同様にして試料を作製し、実施例4と同様にして評価を行なった。評価結果を表1に示した。
実施例5において、レンズ基材を回転させずに窒素置換及び光硬化をおこなった以外は、実施例5と同様にして試料を作製し、実施例5と同様にして評価を行なった。評価結果を表1に示した。
Figure 2004078364
本発明の製造方法によれば、曲面を有する基材の表面に厚さの厚い被覆層を効率よく形成することができる。しかも、そのときに得られる被覆層は、均一な厚さを有する領域が広いという特徴を有する。したがって、本発明の製造方法は、眼鏡レンズの製造に特に好ましく用いられる。

Claims (7)

  1. 凸状或いは凹状の曲面を有する基材の当該曲面上に5〜100μmの厚さを有する被覆層を有する積層体を製造する方法であって、前記基材の曲面上に重合性単量体を含有するコーティング剤を塗布して所定の厚さの塗膜を形成した後に、当該塗膜の厚さの均一性を実質的に保持したまま酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記コーティング剤がフォトクロミック化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 基材として、その正射影の形状が円若しくは略円形であり、その半径{r(mm)}に対するコーティング剤が塗布される凸状或いは凹状の曲面の高低差{Δh(mm)}の比(Δh/r)が0.01〜0.50である基材を用いると共に、コーティング剤としてその25℃における粘度が20〜1000センチポアズのものを用い、更にコーティング剤の塗布終了直後から以下に定義される流動化時間(t)が経過するまでの間に酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で当該塗膜を光重合により硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
    〔流動化時間(t)〕:コーティング剤の塗布終了直後から塗膜の硬化を開始するまでの間、基材が保持される環境下の温度と同じ温度において、水平に保持された表面が平滑なガラス板上の所定の位置に前記コーティング剤50μlを滴下して延展が終了するまで自然に延展せしめた後に当該ガラス板を水平面に対する仰角が30度となるように傾けて保持したときに、ガラス板を傾けた直後から前記コーティング剤の周縁の最下端が10mm移動するのに要した時間(秒)
  4. コーティング剤の塗布を酸素濃度が1%以上の雰囲気中で行なうことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の製造方法。
  5. コーティング剤として、25℃における粘度が20〜1000センチポアズのものを用い、基材上に所定の厚さの塗膜を形成した後、基材曲面の中心若しくはその近傍における任意の一点を通り且つ該基材を厚さ方向に貫通する直線を回転軸として20〜1500rpmの回転速度で回転させながら塗膜を光重合により硬化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の製造方法。
  6. 前記基材の曲面上での塗膜の形成をスピンコート法により行い、且つスピンコート中に基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを除去することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 形成される硬化被膜の厚さが5〜100μmである請求項5又は6に記載の方法。
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