JPWO2004068686A1 - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

本電源装置は、過熱保護レベル及び過電圧保護レベルの正確な設定を可能にすることを課題とし、温度検出素子として被温度測定部位に配置され、逆方向電圧が印加され、逆方向漏れ電流が流れるショットキバリアダイオード(D52)と、逆方向漏れ電流に応じた電圧が基準電圧以上になった時に出力端子の電位を低レベルにするコンパレータ(Z51)と、出力端子(8a)とコンパレータ(Z51)の出力端子との間に接続され、コンパレータ(Z51)の出力電位が低レベルになることにより所定値以上の電流が流れて発光する発光ダイオード(PC2)とを有し、発光ダイオード(PC2)の発光に応答してフォトトランジスタ(PC1)に流れる電流に基づいてターンオンしたサイリスタ(TH1)により制御回路(12)の動作を停止する。

Description

本発明は、例えばDC−DCコンバータといった電源装置に関し、特に電源装置を過熱及び過電圧から保護する技術に関する。
従来、過熱に起因する障害を除去するために、過熱保護回路を備えた電源装置が知られている。この過熱保護回路における温度検出は、サーモスタット、サーミスタ、ポジスタといった高価な温度検出専用の感温素子を用いて行われている。例えば、DC−DCコンバータの過熱保護回路は、サーミスタ等の感温素子と、感温素子に応答して動作するサイリスタ等の制御素子とを備えており、感温素子によって温度上昇が検出されると、制御素子によって制御電源用コンデンサを放電させることにより制御回路への電源供給を停止し、DC−DCコンバータの動作を停止させる。
また、過電圧保護回路を備えた電源装置として、フォトカプラを形成する発光ダイオードに抵抗体を並列に接続したものが知られている。この抵抗体には、ツェナーダイオードの高温時における漏れ電流を当該発光ダイオードをバイパスさせて流し且つ電圧検出回路からの電流が設定電流値以上となったときに当該発光ダイオードの起動電圧を確立できる抵抗値をもつものが選択され、高温時における誤動作を防止するようになっている(特開平6−233528号公報参照)。
ところで、従来の過熱保護回路において、感温素子として使用されているサーモスタット、サーミスタ、ポジスタ等は製造量が少ないこと、また、温度管理がきめ細くなされていること等により高価であり、これらの感温素子を用いた電源装置は必然的に高価になっている。
本発明の課題は、コストを低減できる電源装置を提供することにある。
本発明は、ショットキバリアダイオードの逆方向電流が例えば120°Cのような高い温度で急激に増大することに着目し、この特性を利用して過熱保護及び過電圧保護機能を有する電源装置を構成したものである。
即ち、第1の発明は、入力された交流又は直流を別の直流に変換する主回路と、前記主回路を制御する制御回路とを有する電源装置において、温度検出素子として被温度測定部位に配置され、逆方向電圧が印加され、逆方向漏れ電流が流れるショットキバリアダイオードと、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流を検出する検出手段と、前記検出手段の出力が所定値以上になった時に前記制御回路の動作を停止させる制御素子とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ショットキバリアダイオードを使用して温度変化を検出するので、従来の高価なサーモスタット、サーミスタ、ポジスタを使用した電源装置に比べて大幅にコストの低減を図ることができる。
第2の発明において、前記検出手段は、前記主回路の直流出力端子に接続された発光素子と、この発光素子の発光に応答して電流を流す受光素子と、前記ショットキバリアダイオードと前記発光素子との間に接続され、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流に応じた電圧が基準電圧以上になった時に前記発光素子に電流を流す電流制御手段とを有し、前記制御素子は、前記受光素子に流れる電流に基づいて前記制御回路の動作を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、電流制御手段は、ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流に応じた電圧が基準電圧以上になった時に発光素子に電流を流すので、過熱保護機能は発光素子及び受光素子の電流伝達比によって影響されず、過熱保護レベル(ラッチ温度)を正確に設定できる。また、ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流に応じた電圧が基準電圧以下の時は、逆方向漏れ電流は、発光素子に流れ込まないので、過電圧保護回路への逆方向漏れ電流の影響はない。過電圧保護レベル(ラッチ電圧)を正確に設定できる。
第3の発明において、前記電流制御手段は、前記ショットキバリアダイオードに直列に接続された抵抗と、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流により前記抵抗に発生する電圧が前記基準電圧以上になった時に出力端子の電位を低レベルにするコンパレータとを有し、前記発光素子は、前記直流出力端子の正極端と前記コンパレータの出力端子との間に接続され、前記コンパレータの出力電位が低レベルになった時に所定値以上の電流が流れて発光することを特徴とする。
第4の発明において、前記コンパレータの出力端子と前記直流出力端子の負極端との間に接続されたツェナーダイオードを有し、前記ツェナーダイオードは、前記直流出力端子間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に前記発光素子に電流を流すことを特徴とする。
第5の発明において、前記電流制御手段は、前記ショットキバリアダイオードに直列に接続された抵抗と、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流により前記抵抗に発生する電圧が基準電圧以上になった時にオンするトランジスタとを有し、前記発光素子は、前記直流出力端子の正極端と前記トランジスタとの間に接続され、前記トランジスタがオンした時に所定値以上の電流が流れて発光することを特徴とする。
第6の発明において、前記発光素子と前記直流出力端子の負極端との間に接続されたツェナーダイオードを備え、前記ツェナーダイオードは、前記直流出力端子間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に前記発光素子に電流を流すことを特徴とする。
第7の発明において、前記電流制御手段は、前記ショットキバリアダイオードに直列に接続された抵抗を有し、前記発光素子は、前記抵抗の両端に接続され、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流により前記抵抗に発生する電圧が順方向閾値電圧以上になった時に所定値以上の電流が流れて発光することを特徴とする。
第8の発明において、前記電流制御手段は、前記ショットキバリアダイオードに直列に接続された抵抗と、前記ショットキバリアダイオードと前記抵抗の一端との接続点にアノードが接続されたダイオードとを有し、前記発光素子は、前記ダイオードのカソードと前記抵抗の他端との間に接続され、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流により前記抵抗に発生する電圧が前記ダイオードの順方向閾値電圧及び前記発光素子の順方向閾値電圧の和以上になった時に所定値以上の電流が流れて発光することを特徴とする。
第9の発明において、前記直流出力端子の正極端と前記発光素子との間に接続されたツェナーダイオードを有し、前記ツェナーダイオードは、前記直流出力端子間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に前記発光素子に電流を流すことを特徴とする。
第10の発明において、前記主回路の主電流の通路に接続された整流ダイオードを有し、前記ショットキバリアダイオードと前記整流ダイオードとは、熱結合され且つ機械的に一体化されていることを特徴とする。
第11の発明において、前記主回路の主電流の通路に接続された電流検出抵抗を有し、前記ショットキバリアダイオードと前記電流検出抵抗とは、熱結合され且つ機械的に一体化されていることを特徴とする。
図1は、第1実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
図2は、第1実施形態の電源装置で使用されるショットキバリアダイオードの温度と逆方向電流との関係を示す特性図である。
図3は、第1実施形態の電源装置で使用されるショットキバリアダイオードと整流ダイオードとの複合部品を概略的に示す正面図である。
図4は、第2実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
図5は、第3実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
図6は、第4実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
図7は、第5実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
図8は、第6実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
図9は、第6実施形態の電源装置で使用されるショットキバリアダイオードと抵抗との複合部品を概略的に示す正面図である。
図10は、第7実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
図11は、第8実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
図12は、第9実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
以下、本発明実施形態の電源装置を図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は第1実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。
この電源装置は、交流入力端子1a及び1bを介して商用の交流電源1に接続された入力段の整流平滑回路2を有する。整流平滑回路2は、ダイオードブリッジ整流回路3と入力段の平滑コンデンサC1とからなる。ダイオードブリッジ整流回路3の入力端子は交流入力端子1a及び1bに接続され、出力端子は一対の直流ライン4a及び4bに接続されている。平滑コンデンサC1は、直流ライン4a及び4b間に接続されている。整流平滑回路2は、交流電源1から交流入力端子1a及び1bを介して印加される交流電圧を直流電圧に変換する。
直流ライン4a及び4b間には、整流平滑回路2の出力電圧の安定化又はレベル変換を行うために、トランス5の1次巻線N1を介して電界効果トランジスタから成るスイッチQ1が接続されている。
トランス5は、1次巻線N1にコア6を介して電磁結合された2次巻線N2及び補助巻線N3を有する。2次巻線N2は、出力段の整流平滑回路7を介して負荷8に接続される。整流平滑回路7は、整流ダイオードD51と平滑コンデンサC51とからなる。平滑コンデンサC51は整流ダイオードD51を介して2次巻線N2に並列に接続されている。2次巻線N2及び整流ダイオードD51の極性は、スイッチQ1がオフになっている期間に整流ダイオードD51が導通するように決定されている。負荷8を接続するための一対の直流出力端子8a及び8bは平滑コンデンサC51の両端に接続されている。整流平滑回路7は、2次巻線N2に誘起された電圧を直流電圧に変換して一対の直流出力端子8a及び8bに出力する。なお、スイッチQ1がオンになっている期間に整流ダイオードD51が導通するように構成することもできる。入力段の整流平滑回路2、トランス5、スイッチQ1及び出力段の整流平滑回路7は、本発明の主回路に対応する。
また、整流平滑回路7の出力側には、過熱及び過電圧保護装置の一部を構成する第1回路16aが設けられている。第1回路16aは、一対の直流出力端子8a及び8b間に、ツェナーダイオードD53と抵抗R54と発光ダイオードPC2との第1直列回路と、ツェナーダイオードD53及び抵抗R54に対して並列に接続された、小信号用のショットキバリアダイオードD52と抵抗R52との第2直列回路とから構成されている。発光ダイオードPC2は、本発明の発光素子に対応し、フォトカプラの一部である。
ショットキバリアダイオードD52は、周知のようにシリコン又は3−5族化合物半導体とショットキーバリア電極とから成り、ショットキーバリアによる整流特性を有する。このショットキバリアダイオードD52のカソードは、逆バイアスになるように、整流平滑回路7の正電圧の出力端子(つまり直流出力端子8a)に接続されており、アノードは、抵抗R52及び発光ダイオードPC2を介して整流平滑回路7の負電圧の出力端子(つまり直流出力端子8b)に接続されている。
本発明は、ショットキバリアダイオードD52の逆方向漏れ電流、即ち逆方向電流Irが、特定温度範囲、例えば110〜130°Cで図2に示すように急激に増大することに着目してなされた。ショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irが急激に増大する特定温度範囲110〜130°Cは、過熱保護開始の温度に相当する。電源装置の発煙及び発火を防ぐためには、発煙及び発火が生じる恐れのある温度よりも少し低い温度を検出し、その動作を停止することが望ましい。ショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irが急激に変化する特定温度範囲110〜130°Cは発煙及び発火を防止する温度として望ましい値である。
ショットキバリアダイオードD52は、電源装置のケース内の任意の場所又は過熱する恐れのある場所又はこの近くに配置される。第1の実施の形態では、ショットキバリアダイオードD52は、電源装置の主電流が流れる整流ダイオードD51に熱的に結合されている。具体的には、ショットキバリアダイオードD52と整流ダイオードD51は、図3に示すように、熱伝導性の高い支持体29を通じて機械的に一体化され、複合部品28を構成している。なお、絶縁性包囲体によってショットキバリアダイオードD52と整流ダイオードD51とを一体化してもよい。また、周知のTO−220又はTO−3Pのパッケージを使用して複合部品28を構成してもよい。
トランス5の補助巻線N3には、制御電源用の整流平滑回路9が接続されている。この整流平滑回路9は、整流ダイオードD4と平滑コンデンサC3とからなる。平滑コンデンサC3は整流ダイオードD4を介して補助巻線N3に並列に接続されている。なお、整流ダイオードD4及び補助巻線N3の極性は、スイッチQ1がオフになっている期間に整流ダイオードD4が導通するように決定されている。
スイッチQ1をオン及びオフ制御するために、スイッチQ1の制御端子(ゲート)に制御回路12が接続されている。制御回路12は、制御電源電圧が供給される第1電源端子13及び第2電源端子14と、PWM(pulse with modulation)制御信号を出力する出力端子15とを有し、出力端子15からのPWM制御信号はスイッチQ1の制御端子に供給される。
制御回路12に直流電圧を供給するために制御電源用コンデンサC2が設けられており、この制御電源用コンデンサC2の一端及び他端は制御回路12の第1電源端子13及び第2電源端子14にそれぞれ接続されている。制御電源用コンデンサC2は、起動時充電回路として機能する起動抵抗R1を介して一対の直流ライン4a及び4b間に接続されている。制御電源用コンデンサC2の起動後の充電回路として機能する整流平滑回路9は、過熱及び過電圧保護装置の他の一部を構成する第2回路16bに含まれているトランジスタQ2とダイオードD1とを介して制御電源用コンデンサC2に並列に接続されている。
第2回路16bは、フォトトランジスタPC1、サイリスタTH1、トランジスタQ2、ダイオードD1、ダイオードD2、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4及び抵抗R5からなる。フォトトランジスタPC1は、本発明の受光素子に対応し、フォトカプラの他の一部である。第1回路16aの発光ダイオードPC2と第2回路16bのフォトトランジスタPC1とは光結合される。また、サイリスタTH1は、本発明の制御素子に対応し、導通保持機能を有する。
サイリスタTH1の一方の主端子(アノード)は抵抗R3を介して制御電源用コンデンサC2の一端及び制御回路12の第1電源端子13に接続され、サイリスタTH1の他方の主端子(カソード)は制御電源用コンデンサC2の他端及び制御回路12の第2電源端子14に接続されている。過熱保護用補助スイッチ及び定電圧制御素子として機能するnpn型トランジスタQ2のコレクタは直流ライン9aに接続され、エミッタはダイオードD1を介して制御電源用コンデンサC2の一端に接続され、ベースは抵抗R4を介して直流ライン9aに接続されている。整流平滑回路9の一対の直流ライン9a及び9b間の電圧が制御電源用コンデンサC2の電圧よりも高い時に、トランジスタQ2及びダイオードD1が導通して制御電源用コンデンサC2に充電電流が流れる。サイリスタTH1とトランジスタQ2とを関係付けるためにダイオードD2がトランジスタQ2のベースとサイリスタTH1のアノードとの間に接続されている。トランジスタQ2はサイリスタTH1がオンになっている時にオフになる。
次に、このように構成される第1実施形態の電源装置の動作を説明する。
まず、電源装置の一般的な動作を説明する。交流入力端子1a及び1bに交流電源1を接続するか、又は交流電源1が接続された状態で図示が省略されている電源スイッチをオンにすると、起動抵抗R1を介して制御電源用コンデンサC2が充電される。制御電源用コンデンサC2の電圧が所定値まで上昇すると、制御回路12からスイッチQ1に対してPWM制御信号の供給が開始される。スイッチQ1のオン期間には整流ダイオードD51及び整流ダイオードD4が非導通であり、トランス5にエネルギが蓄積される。スイッチQ1のオフ期間にトランス5の蓄積エネルギが放出され、整流ダイオードD51を介して平滑コンデンサC51が充電され、且つ整流ダイオードD4を介して平滑コンデンサC3が充電される。
図示は省略されているが、直流出力端子8a及び8b間の直流出力電圧を検出する周知の出力電圧検出回路が設けられており、制御回路12は、出力電圧検出回路の出力に応答して出力電圧を一定にするようなPWMパルスを形成し、スイッチQ1に供給する。このため、直流出力端子8a及び8b間の電圧、即ち平滑コンデンサC51の両端の電圧が一定になり、且つ整流平滑回路9の平滑コンデンサC3の電圧も一定になる。平滑コンデンサC3の両端の電圧が制御電源用コンデンサC2の両端電圧よりも高くなると、補助スイッチとしてのトランジスタQ2及びダイオードD1が導通し、制御電源用コンデンサC2が整流平滑回路9の出力電圧によって充電される。
次に、過熱保護の動作について説明する。ショットキバリアダイオードD52は、一対の直流出力端子8a及び8b間に、逆バイアスになるように、抵抗R52及び発光ダイオードPC2を介して接続されている。整流ダイオードD51及びこれに熱結合されたショットキバリアダイオードD52の温度が所定温度(例えば120°C)以下の時にはショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irは小さいので、発光ダイオードPC2の光出力も弱く、フォトトランジスタPC1を介してサイリスタTH1を導通状態に転換できない。従って、スイッチQ1は正常にオン・オフ動作を繰り返す。
これに対して、ショットキバリアダイオードD52の温度が所定温度を越えると、逆方向電流Irが大きくなり、発光ダイオードPC2の光出力が強くなる。
これにより、フォトトランジスタPC1の電流も増大し、サイリスタTH1にトリガ電流が流れる。サイリスタTH1のトリガ電流は、フォトトランジスタPC1を介してサイリスタTH1のゲートからカソードに向って注入され、サイリスタTH1がターンオンする。サイリスタTH1は、周知のように、一旦ターンオンすると、保持電流以下になるまでオン状態を保持する。
ショットキバリアダイオードD52の過熱検出に基づいてサイリスタTH1がオンになると、ダイオードD2が順バイアスされてオン状態になり、トランジスタQ2がオフ状態になる。これにより、整流平滑回路9から制御電源用コンデンサC2に供給されていた充電電流が遮断される。同時に、抵抗R3を介してサイリスタTH1が制御電源用コンデンサC2の両端を短絡するため、制御電源用コンデンサC2の電荷が抵抗R3及びサイリスタTH1を通して放出される。その結果、制御電源用コンデンサC2の両端の電圧が低下し、制御回路12の第1電源端子13及び第2電源端子14間の電圧も低下する。これにより、制御回路12によってスイッチQ1をオン・オフすることが不可能になり、整流平滑回路2からの直流電圧のスイッチングが停止状態になる。以上の動作により、整流ダイオードD51の過熱保護が達成される。
サイリスタTH1には、起動抵抗R1を介して保持電流が流れ続けるので、交流入力端子1a及び1bを交流電源1から切り離すか、又は図示が省略されている電源スイッチをオフにするまで過熱保護状態が維持される。交流電源1の切り離し又は電源スイッチのオフ操作によって、サイリスタTH1もオフになる。過熱状態が解消されていれば、交流電源1からの電力供給を再開してもサイリスタTH1のオフ状態が維持されるので、再びショットキバリアダイオードD52による過熱保護が可能になる。
次に、過電圧保護の動作について説明する。電源装置が正常に動作し、直流出力端子8a及び8b間の電圧が所定範囲にある時はツェナーダイオードD53が非導通である。従って、フォトトランジスタPC1も非導通であり、サイリスタTH1にトリガ電流が流れない。
一方、直流出力端子8a及び8b間の電圧が何らかの原因で所定範囲を越えるとツェナーダイオードD53が導通し、発光ダイオードPC2に電流が流れる。
これにより、発光ダイオードPC2は発光するので、フォトトランジスタPC1も導通し、サイリスタTH1にトリガ電流が流れる。この結果、サイリスタTH1がターンオンしてスイッチQ1のオン・オフ動作が停止し、負荷8が過電圧から保護される。
このように、第1実施形態の電源装置によれば、比較的安価な小信号用のショットキバリアダイオードD52を温度検出素子として使用して過熱保護を達成できるので、電源装置の低コスト化及び小型化を図ることができる。
また、サイリスタTH1によって制御電源用コンデンサC2の放電回路を形成すると共にトランジスタQ2をオフにして充電電流を遮断するので、迅速な過熱保護を達成できる。
更に、発光ダイオードPC2を共用して過熱及び過電圧保護回路を実現しているので、コストの大幅な低減を図ることができる。また、整流ダイオードD51とショットキバリアダイオードD52とは一体化された複合部品として構成されているので、両者の熱結合を密にすることができると共に、正確に熱結合させることができる。
(第2の実施の形態)
第2実施形態の電源装置は、上述した第1実施形態の電源装置を改良したものである。
第1実施形態の電源装置では、ショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irの検出は、フォトカプラ(発光ダイオードPC2及びフォトトランジスタPC1)を介して一次側で行っていると考えることができる。
このため、ショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irの検出結果は、フォトカプラの電流伝達比(CTR)に大きく影響されてしまう。一般に、フォトカプラのCTRはバラツキが大きい。このため、上述したように構成される第1実施形態の電源装置では、過熱保護レベル(ラッチ温度)がばらついてしまう。また、CTRは温度、順方向電流によっても異なるので、ラッチ温度の設定は非常に困難になる。
また、第1実施形態の電源装置では、発光ダイオードPC2を流れる電流は、ショットキバリアダイオードD52の逆方向電流IrとツェナーダイオードD53を流れる電流の和になるので、温度によるショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irの変化により、過電圧保護レベル(ラッチ電圧)が変化してしまう。
第2実施形態の電源装置は、このような第1実施形態の電源装置が有する問題を解消するために、過熱保護回路をフォトカプラのCTRによって影響されない構成にし、また、過熱を検出するショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irが、過電圧保護回路の過電圧を検出するツェナーダイオードD53に流れる電流に影響を及ぼさない構成にしている。
図4は第2実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。なお、第1実施形態の電源装置と同一又は相当部分にはそれと同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
第2実施形態の電源装置では、第1回路16a1の構成及び動作が、第1実施形態の第1回路16aとは異なる。即ち、第1回路16a1は、直流出力端子8a及び8b間に直列に接続されたショットキバリアダイオードD52と抵抗R52と抵抗R51とからなる直列回路と、直流出力端子8a及び8b間に直列に接続された発光ダイオードPC2と抵抗R54とツェナーダイオードD53とからなる直列回路と、発光ダイオードPC2に並列に接続された抵抗R53と、コンパレータZ51とから構成されている。
コンパレータZ51の反転入力端子(−)は、抵抗R52と抵抗R51との接続点に接続され、非反転入力端子(+)は、基準電圧Vrefを供給する電源に接続されている。また、コンパレータZ51の出力端子は、抵抗R54とツェナーダイオードD53との接続点に接続されている。ショットキバリアダイオードD52は、逆バイアスになるように、そのカソードが直流出力端子8aに接続されている。発光ダイオードPC2は、フォトカプラの一部であり、本発明の発光素子に対応する。
次に、第2実施形態の電源装置の動作を説明する。ショットキバリアダイオードD52の温度が上昇して逆方向電流Irが増加すると、抵抗R51に発生する電圧が増大し、コンパレータZ51の反転入力端子に印加される電圧が上昇する。反転入力端子に印加される電圧が、基準電圧Vref以上になると、コンパレータZ51の出力端子の電位がLレベル(低レベル)になり、電流を引き込む状態になる。これにより、発光ダイオードPC2に電流が流れて発光し、第1実施形態の電源装置と同様の動作で、サイリスタTH1がターンオンし、制御回路12の動作が停止される。
この第1回路16a1において、発光ダイオードPC2には、抵抗R51に発生する電圧が基準電圧Vrefより小さいときには電流は流れず、基準電圧Vref以上のときには抵抗R54によって決定される一定の電流が流れる。従って、サイリスタTH1をターンオンさせるのに十分な電流がフォトトランジスタPC1に流れるように、抵抗R54の抵抗値を設計しておけば、CTRのばらつきによるラッチ温度のばらつきはなくなる。
第1回路16a1においては、抵抗R51に発生する電圧が基準電圧Vrefより小さい時は、ショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irは、発光ダイオードPC2に流れ込まない。従って、第1回路16a1が過電圧保護回路として機能する場合は、逆方向電流Irの影響を受けない。
また、ツェナーダイオードD53は、直流出力端子8aと8bの間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に発光ダイオードPC2に電流を流す。
このように、第2実施形態の電源装置によれば、上述した第1実施形態の電源装置による効果に加え、過熱及び過電圧保護回路は、フォトカプラのCTRによって影響されず、また、過熱を検出するショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irが、過電圧を検出するツェナーダイオードD53に流れる電流に影響を及ぼさないので、過熱保護レベル(ラッチ温度)及び過電圧保護レベル(ラッチ電圧)を正確に設定することができる。
(第3の実施の形態)
第3実施形態の電源装置は、第2実施形態の電源装置の第1回路16a1に含まれるコンパレータZ51をトランジスタで置き換えたものである。
図5は第3実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。なお、第2実施形態の電源装置と同一又は相当部分にはそれと同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
第3実施形態の電源装置の第1回路16a2は、直流出力端子8a及び8b間に直列に接続されたショットキバリアダイオードD52と抵抗R52と抵抗R51とからなる直列回路と、直流出力端子8a及び8b間に直列に接続された発光ダイオードPC2とツェナーダイオードD53とからなる直列回路と、発光ダイオードPC2に並列に接続された抵抗R53と、ツェナーダイオードD53に並列に接続された抵抗R54とnpn型トランジスタQ51とからなる直列回路とから構成されている。トランジスタQ51のベースは、抵抗R52と抵抗R51との接続点に接続されている。ショットキバリアダイオードD52は、逆バイアスになるように、そのカソードが直流出力端子8aに接続されている。発光ダイオードPC2は、フォトカプラの一部であり、本発明の発光素子に対応する。
次に、第3実施形態の電源装置の動作を説明する。ショットキバリアダイオードD52の温度が上昇して逆方向電流Irが増加すると、抵抗R51に発生する電圧が増加する。この電圧がトランジスタQ51のベース−エミッタ間閾値電圧以上になると、トランジスタQ51がオンになる。これにより、発光ダイオードPC2に電流が流れて発光し、第1実施形態の電源装置と同様の動作によってサイリスタTH1がターンオンし、制御回路12の動作が停止される。
第1回路16a2においては、抵抗R51に発生する電圧がトランジスタQ51のベース−エミッタ間閾値電圧より小さいときはトランジスタQ51はオフになっており、ショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irは、発光ダイオードPC2に流れ込まない。従って、第1回路16a1が過電圧保護回路として機能する場合は、逆方向電流Irの影響は受けない。
また、ツェナーダイオードD53は、直流出力端子8aと8bの間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に発光ダイオードPC2に電流を流す。
このように、第3実施形態の電源装置によれば、上述した第2実施形態の電源装置と同様の効果に加え、コンパレータZ51の代わりにトランジスタQ51を用いたので、基準電圧Vrefを生成する必要がなく、回路構成が簡単になる。
なお、トランジスタQ51の代わりに、FET、シャントレギュレータなどを用いることができる。この場合も、上述したトランジスタQ51を用いた場合と同様の作用及び効果を奏する。
(第4の実施の形態)
第4実施形態の電源装置は、第3実施形態の電源装置の第1回路16a2に含まれるトランジスタQ51を取り除き、発光ダイオードPC2を負電圧側(直流出力端子8b側)に接続したものである。
図6は第4実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。なお、第3実施形態の電源装置と同一又は相当部分にはそれと同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
第4実施形態の電源装置の第1回路16a3は、直流出力端子8a及び8b間に直列に接続されたショットキバリアダイオードD52と抵抗R52と抵抗R51とからなる直列回路と、直流出力端子8a及び8b間に直列に接続されたツェナーダイオードD53と抵抗R54と発光ダイオードPC2とからなる直列回路とから構成されている。抵抗R52と抵抗R51との接続点は、抵抗R54と発光ダイオードPC2との接続点に接続されている。ショットキバリアダイオードD52は、逆バイアスになるように、そのカソードが直流出力端子8aに接続されている。発光ダイオードPC2は、フォトカプラの一部であり、本発明の発光素子に対応する。
次に、第4実施形態の電源装置の動作を説明する。ショットキバリアダイオードD52の温度が上昇して逆方向電流Irが増加し、抵抗R51に発生する電圧が発光ダイオードPC2の順方向閾値電圧以上になると、発光ダイオードPC2に電流が流れて発光する。これにより、第1実施形態の電源装置と同様の動作によってサイリスタTH1がターンオンし、制御回路12の動作が停止される。
また、ツェナーダイオードD53は、直流出力端子8aと8bの間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に発光ダイオードPC2に電流を流す。
第4実施形態の電源装置によれば、コンパレータやトランジスタといった能動素子は不要であるので、電源装置の更なる低コスト化及び小型化を図ることができる。
(第5の実施の形態)
第5実施形態の電源装置は、第4実施形態の電源装置の第1回路16a3の抵抗R52と抵抗R51との接続点と、抵抗R54と発光ダイオードPC2との接続点との間にダイオードD54を挿入したものである。
上述した第4実施形態の電源装置の第1回路16a3であっても、ツェナーダイオードD53及び抵抗R54が直流出力端子8a側から発光ダイオードPC2に接続されていることにより過電圧保護回路と兼用できるが、抵抗R51に常にショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irが流れているので、ショットキバリアダイオードD52の温度に起因して過電圧保護レベル(ラッチ電圧)が変化するという問題がある。
具体的には、一対の直流出力端子8a及び8bから出力される直流電圧が過電圧状態になって、ツェナーダイオードD53がオンすると、ツェナーダイオードD53を流れる電流は、抵抗R51に発生する電圧が発光ダイオードPC2の順方向閾値電圧以下のときは、全て抵抗R51に流れる。従って、抵抗R51に発生する電圧はショットキバリアダイオードD52の逆方向電流IrとツェナーダイオードD53を流れる電流の和により決まるので、ショットキバリアダイオードD52の温度に起因して過電圧保護レベル(ラッチ電圧)が変化する。第5実施形態の電源装置は、この問題を解消するものである。
図7は第5実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。なお、第4実施形態の電源装置と同一又は相当部分にはそれと同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
第5実施形態の電源装置の第1回路16a4は、直流出力端子8a及び8b間に直列に接続されたショットキバリアダイオードD52と抵抗R52と抵抗R51とからなる直列回路と、直流出力端子8a及び8b間に直列に接続されたツェナーダイオードD53と抵抗R54と発光ダイオードPC2とからなる直列回路と、抵抗R52と抵抗R51との接続点にアノードが接続され、抵抗R4と発光ダイオードPC2との接続点にカソードが接続されたダイオードD54と、発光ダイオードPC2に並列に接続された抵抗R53とから構成されている。ショットキバリアダイオードD52は、逆バイアスになるように、そのカソードが直流出力端子8aに接続されている。発光ダイオードPC2は、フォトカプラの一部であり、本発明の発光素子に対応する。
次に、第5実施形態の電源装置の動作を説明する。ショットキバリアダイオードD52の温度が上昇して逆方向電流Irが増加し、抵抗R51に発生する電圧がダイオードD54と発光ダイオードPC2の順方向閾値電圧の和以上になると、発光ダイオードPC2に電流が流れて発光する。これにより、第1実施形態の電源装置と同様の動作によって、サイリスタTH1がターンオンされ、制御回路12の動作が停止される。
また、一対の直流出力端子8a及び8bから出力される直流電圧が過電圧状態になってツェナーダイオードD53がオンになると、ツェナーダイオードD53を通って抵抗R53に電流が流れる。この抵抗R53に発生する電圧が発光ダイオードPC2の順方向閾値電圧以上になると、発光ダイオードPC2に電流が流れて発光する。これにより、第1実施形態の電源装置と同様の動作によって、サイリスタTH1がターンオンされ、制御回路12の動作が停止される。
また、ツェナーダイオードD53は、直流出力端子8aと8bの間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に発光ダイオードPC2に電流を流す。
このように、第5実施形態の電源装置によれば、抵抗R51に発生する電圧がダイオードD54と発光ダイオードPC2の順方向閾値電圧の和以下のときは、ショットキバリアダイオードD52の逆方向電流Irは、発光ダイオードPC2に流れないので、第1回路16a4が過電圧保護回路として機能する場合は、逆方向電流Irの影響は受けない。
(第6の実施の形態)
第6実施形態の電源装置は、第2実施形態の電源装置の第1回路16a1に含まれるショットキーバリアダイオードD52を、整流ダイオードD51に熱結合させる代わりに、整流平滑回路7の出力ラインに挿入された抵抗R55に熱結合させたものである。
図8は第6実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。なお、第2実施形態の電源装置と同一又は相当部分にはそれと同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
抵抗R55は、平滑コンデンサC51の一端と正電圧の直流出力端子8aとの間に直列に接続されている。従って、抵抗R55には電源装置の主電流、即ち負荷電流が流れる。図8において図示は省略されているが、一対の電流検出ラインが抵抗R55の両端子に接続され、一対の電流検出ラインが制御回路12に接続されている。制御回路12は抵抗R55を流れる電流が所定値よりも大きくなった時に一対の直流出力端子8a及び8bから出力される電流を所定値以下に低減するようにスイッチQ1を制御する。
ショットキバリアダイオードD52は抵抗R55に熱結合されているので、第2実施形態の電源装置(図4参照)における整流ダイオードD51が過熱状態になった場合と同様に、抵抗R55が過熱状態になると、サイリスタTH1が導通してスイッチQ1がオフ状態となり、過熱保護が達成される。
ショットキバリアダイオードD52と抵抗R55とは、熱結合を正確且つ密にするために、図9に示すような、機械的に一体化された複合部品31に構成されている。
なお、絶縁性包囲体によってショットキバリアダイオードD52と抵抗R55とを一体化してもよい。また、周知のTO−220又はTO−3Pのパッケージを使用して複合部品31を構成してもよい。
この第6実施形態の電源装置によれば、第2実施形態の電源装置と同様の作用及び効果を奏する。
(第7の実施の形態)
第7実施形態の電源装置は、第3実施形態の電源装置の第1回路16a2に含まれるショットキーバリアダイオードD52を、整流ダイオードD51に熱結合させる代わりに、整流平滑回路7の出力ラインに挿入された抵抗R55に熱結合させたものである。
図10は第7実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。なお、第3実施形態の電源装置と同一又は相当部分にはそれと同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
抵抗R55は、平滑コンデンサC51の一端と正電圧の直流出力端子8aとの間に直列に接続されている。従って、抵抗R55には電源装置の主電流、即ち負荷電流が流れる。図10において図示は省略されているが、一対の電流検出ラインが抵抗R55の両端子に接続され、この一対の電流検出ラインが制御回路12に接続されている。制御回路12は抵抗R55を流れる電流が所定値よりも大きくなった時に一対の直流出力端子8a及び8bから出力される電流を所定値以下に低減するようにスイッチQ1を制御する。
ショットキバリアダイオードD52は抵抗R55に熱結合されているので、第3実施形態の電源装置(図5参照)における整流ダイオードD51が過熱状態になった場合と同様に、抵抗R55が過熱状態になると、サイリスタTH1が導通してスイッチQ1がオフ状態となり、過熱保護が達成される。
第7実施形態の電源装置においても、ショットキバリアダイオードD52と抵抗R55とは、第6の実施の形態と同様に、図9に示すような機械的に一体化された複合部品31に構成することができる。この第7実施形態の電源装置によれば、第3実施形態の電源装置と同様の作用及び効果を奏する。
(第8の実施の形態)
第8実施形態の電源装置は、第4実施形態の電源装置の第1回路16a3に含まれるショットキーバリアダイオードD52を、整流ダイオードD51に熱結合させる代わりに、整流平滑回路7の出力ラインに挿入された抵抗R55に熱結合させたものである。
図11は第8実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。なお、第4実施形態の電源装置と同一又は相当部分にはそれと同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
抵抗R55は、平滑コンデンサC51の一端と正電圧の直流出力端子8aとの間に直列に接続されている。従って、抵抗R55には電源装置の主電流、即ち負荷電流が流れる。図11において図示は省略されているが、一対の電流検出ラインが抵抗R55の両端子に接続され、この一対の電流検出ラインが制御回路12に接続されている。制御回路12は抵抗R55を流れる電流が所定値よりも大きくなった時に一対の直流出力端子8a及び8bから出力される電流を所定値以下に低減するようにスイッチQ1を制御する。
ショットキバリアダイオードD52は抵抗R55に熱結合されているので、第4実施形態の電源装置(図6参照)における整流ダイオードD51が過熱状態になった場合と同様に、抵抗R55が過熱状態になると、サイリスタTH1が導通してスイッチQ1がオフ状態となり、過熱保護が達成される。
第8実施形態の電源装置においても、ショットキバリアダイオードD52と抵抗R55とは、第6の実施の形態と同様に、図9に示すような機械的に一体化された複合部品31に構成することができる。この第8実施形態の電源装置によれば、第4実施形態の電源装置と同様の作用及び効果を奏する。
(第9の実施の形態)
第9実施形態の電源装置は、第5実施形態の電源装置の第1回路16a4に含まれるショットキーバリアダイオードD52を、整流ダイオードD51に熱結合させる代わりに、整流平滑回路7の出力ラインに挿入された抵抗R55に熱結合させたものである。
図12は第9実施形態の電源装置の構成を示す回路図である。なお、第5実施形態の電源装置と同一又は相当部分にはそれと同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
抵抗R55は、平滑コンデンサC51の一端と正電圧の直流出力端子8aとの間に直列に接続されている。従って、抵抗R55には電源装置の主電流、即ち負荷電流が流れる。図12において図示は省略されているが、一対の電流検出ラインが抵抗R55の両端子に接続され、この一対の電流検出ラインが制御回路12に接続されている。制御回路12は抵抗R55を流れる電流が所定値よりも大きくなった時に一対の直流出力端子8a及び8bから出力される電流を所定値以下に低減するようにスイッチQ1を制御する。
ショットキバリアダイオードD52は抵抗R55に熱結合されているので、第5実施形態の電源装置(図7参照)における整流ダイオードD51が過熱状態になった場合と同様に、抵抗R55が過熱状態になると、サイリスタTH1が導通してスイッチQ1がオフ状態となり、過熱保護が達成される。
この第9実施形態の電源装置においても、ショットキバリアダイオードD52と抵抗R55とは、第6の実施の形態と同様に、図9に示すような機械的に一体化された複合部品31に構成することができる。この第9実施形態の電源装置によれば、第5実施形態の電源装置と同様の作用及び効果を奏する。
本発明は上述した第1〜第9の実施の形態に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能である。
(1)ショットキバリアダイオードD52は、1次巻線N1に直列に接続された図示されていない電流検出抵抗、ダイオードブリッジ整流回路3に含まれるダイオード、平滑コンデンサC1、制御電源用コンデンサC2等に熱結合させることができる。この場合、ショットキバリアダイオードD52をダイオードに熱結合させる時には、図3に示した複合部品28を使用することができる。また、ショットキバリアダイオードD52を抵抗に熱結合させる時には図9に示した複合部品31を使用することができる。
(2)1つのショットキバリアダイオードD52の代りに複数のショットキバリアダイオードを並列に接続し、複数のショットキバリアダイオードの各々を電源装置に含まれる抵抗、ダイオード、コンデンサ等に熱結合させることができる。
(3)トランス5に複数の2次巻線N2を設け、複数の負荷に電力を供給するように構成し、各負荷回路に対して第1回路16aに相当するものを設け、複数の第1回路16aの光出力を1つのフォトトランジスタPC1に与えるように構成することができる。
(4)トランジスタQ2、ダイオードD1、ダイオードD2、抵抗R4の回路を省略し、直流ライン9aを制御電源用コンデンサC2に直接に接続することができる。
(5)制御素子としてのサイリスタTH1の代りに保持機能を有する別の制御スイッチ素子又は制御スイッチ回路を使用することができる。
(6)第1〜第9実施形態の電源装置に限らず、全ての電気回路装置に本発明を適用することができる。
(7)サイリスタTH1のカソード側又はアノード側に発光素子又はブザーを接続し、過熱によってサイリスタTH1が導通した時に発光素子を発光又はブザーを作動させ、過熱状態を使用者に報知することができる。
(8)過熱及び過電圧保護回路を構成する第1回路16a及び第2回路16bの全部又は一部をまとめて1つの部品として一体的に構成することができる。
(9)ファーストリカバリダイオード(FRD)など温度により逆方向漏れ電流が変化する素子であれば、ショットキバリアダイオードD52に代替して適用することができる。
以上、説明したように、本発明によれば、大幅にコストの低減を図ることができ、また、過熱保護レベル(ラッチ温度)及び過電圧保護レベル(ラッチ電圧)を正確に設定できる電源装置を提供することができる。

Claims (11)

  1. 入力された交流又は直流を別の直流に変換する主回路と、前記主回路を制御する制御回路とを有する電源装置において、
    温度検出素子として被温度測定部位に配置され、逆方向電圧が印加され、逆方向漏れ電流が流れるショットキバリアダイオードと、
    前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段の出力が所定値以上になった時に前記制御回路の動作を停止させる制御素子と、
    を備えることを特徴とする電源装置。
  2. 前記検出手段は、
    前記主回路の直流出力端子に接続された発光素子と、
    この発光素子の発光に応答して電流を流す受光素子と、
    前記ショットキバリアダイオードと前記発光素子との間に接続され、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流に応じた電圧が基準電圧以上になった時に前記発光素子に電流を流す電流制御手段とを有し、
    前記制御素子は、前記受光素子に流れる電流に基づいて前記制御回路の動作を停止させることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  3. 前記電流制御手段は、
    前記ショットキバリアダイオードに直列に接続された抵抗と、
    前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流により前記抵抗に発生する電圧が前記基準電圧以上になった時に出力端子の電位を低レベルにするコンパレータとを有し、
    前記発光素子は、前記直流出力端子の正極端と前記コンパレータの出力端子との間に接続され、前記コンパレータの出力電位が低レベルになった時に所定値以上の電流が流れて発光することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
  4. 前記コンパレータの出力端子と前記直流出力端子の負極端との間に接続されたツェナーダイオードを有し、
    前記ツェナーダイオードは、前記直流出力端子間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に前記発光素子に電流を流すことを特徴とする請求項3記載の電源装置。
  5. 前記電流制御手段は、
    前記ショットキバリアダイオードに直列に接続された抵抗と、
    前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流により前記抵抗に発生する電圧が基準電圧以上になった時にオンするトランジスタとを有し、
    前記発光素子は、前記直流出力端子の正極端と前記トランジスタとの間に接続され、前記トランジスタがオンした時に所定値以上の電流が流れて発光することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
  6. 前記発光素子と前記直流出力端子の負極端との間に接続されたツェナーダイオードを備え、
    前記ツェナーダイオードは、前記直流出力端子間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に前記発光素子に電流を流すことを特徴とする請求項5記載の電源装置。
  7. 前記電流制御手段は、
    前記ショットキバリアダイオードに直列に接続された抵抗を有し、
    前記発光素子は、前記抵抗の両端に接続され、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流により前記抵抗に発生する電圧が順方向閾値電圧以上になった時に所定値以上の電流が流れて発光することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
  8. 前記電流制御手段は、
    前記ショットキバリアダイオードに直列に接続された抵抗と、
    前記ショットキバリアダイオードと前記抵抗の一端との接続点にアノードが接続されたダイオードとを有し、
    前記発光素子は、前記ダイオードのカソードと前記抵抗の他端との間に接続され、前記ショットキバリアダイオードに流れる逆方向漏れ電流により前記抵抗に発生する電圧が前記ダイオードの順方向閾値電圧及び前記発光素子の順方向閾値電圧の和以上になった時に所定値以上の電流が流れて発光することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
  9. 前記直流出力端子の正極端と前記発光素子との間に接続されたツェナーダイオードを有し、
    前記ツェナーダイオードは、前記直流出力端子間の電圧が所定の降伏電圧より大きくなった時に前記発光素子に電流を流すことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の電源装置。
  10. 前記主回路の主電流の通路に接続された整流ダイオードを有し、
    前記ショットキバリアダイオードと前記整流ダイオードとは、熱結合され且つ機械的に一体化されていることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  11. 前記主回路の主電流の通路に接続された電流検出抵抗を有し、
    前記ショットキバリアダイオードと前記電流検出抵抗とは、熱結合され且つ機械的に一体化されていることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
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