JP3097403U - スイッチング電源装置 - Google Patents

Abstract

【課題】何らかの原因によりスイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング電源装置のスイッチング回路のスイッチング動作を確実に停止させ、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を保持して、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を表示することができるようにする。
【解決手段】平滑回路により平滑された直流電力の電圧を所定の電圧に調整してスイッチング電源装置の出力端子に出力するための抵抗にダイオードを並列接続し、スイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、ダイオードを導通させ、整流回路により整流された直流電力の電圧を低下させて、ラッチ回路を動作させ、スイッチング回路のスイッチング動作を停止させて、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態が保持し、発光ダイオードを発光してスイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を表示するようにする。
【選択図】　　　　図１

Description

【０００１】
【考案の属する技術分野】本考案は、電子装置に直流電力を供給するスイッチング電源装置に係り、特に出力端子が短絡されたときにスイッチング動作を停止して出力短絡を保護する機能を有するスイッチング電源装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、テレビ装置、ビデオ装置、ディスク装置等の電子装置に電力を供給する電源装置としてスイッチング電源装置が多く用いられている。何らかの原因によりスイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング電源装置の出力電圧の低下を検出して、スイッチング電源装置のスイッチング回路のスイッチング動作を停止させるようにしたものがある。しかし、複数の電圧の直流電力を出力するための出力回路素子を有しているスイッチング電源装置の場合、スイッチング電源装置の出力端子が短絡されても、出力電圧が十分低下しないことがあり、出力電圧の低下が検出されない場合、スイッチング回路のスイッチング動作が停止されず、スイッチング電源装置の出力回路素子が発熱して焼損するという問題点があった。
【０００３】従来の技術としては、二次側の出力電圧が設定電圧を超えたことを検出し、二次側の出力電圧が設定電圧を超えた場合にトランスの一次巻線に直列接続されたスイッチング手段の動作を強制的に停止するようにして、何らかの故障により出力電圧に過電圧が発生した場合にスイッチング手段の動作を強制的に停止するようにしたものがあった（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】また、スイッチング電源のトランスの二次巻線に流れる二次電流を平滑するコンデンサの内部抵抗が所定値よりも大きいときに、スイッチング手段及びスイッチング電源のトランスの一次巻線に流れる一次電流を検出して、その検出に応じてスイッチング手段の入力端を制御してスイッチングを停止させ、スイッチング手段のスイッチング停止状態を維持するようにしたものがあった（例えば、特許文献２参照）。
【０００５】また、スイッチングトランジスタのゲートに２個のラッチ回路を接続し、２次巻線出力に対応して発生する制御巻線の電圧を整流して平滑して、一方のラッチ回路が電源の最大出力制限回路が継続した場合に動作するようにし、他方のラッチ回路が制御巻線の電圧が設定値以上に増加したときに動作するようにしたものがあった（例えば、特許文献３参照）。
【０００６】
【特許文献１】特開平１１−２８９７５７号公報
【特許文献２】特開２０００−３２７４７号公報
【特許文献３】特開２００２−１１２５４０号公報
【０００７】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の技術で述べたもののうち最初のものにおいては、二次側の出力電圧が設定電圧を超えたことを検出し、二次側の出力電圧が設定電圧を超えた場合にトランスの一次巻線に直列接続されたスイッチング手段の動作を強制的に停止するようにして、出力電圧に過電圧が発生した場合にスイッチング手段の動作を強制的に停止することができたが、何らかの原因によりスイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング回路のスイッチング動作を停止して、スイッチング電源装置の出力回路素子の発熱、焼損を防止するようにしたものではなかった。
【０００８】また、その次のものにおいては、スイッチング電源のトランスの二次巻線に流れる二次電流を平滑するコンデンサの内部抵抗が所定値よりも大きいときに、スイッチング手段及びスイッチング電源のトランスの一次巻線に流れる一次電流を検出して、その検出に応じてスイッチング手段の入力端を制御してスイッチングを停止させ、スイッチング手段のスイッチング停止状態を維持することができたが、上記同様、何らかの原因によりスイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング回路のスイッチング動作を停止して、スイッチング電源装置の出力回路素子の発熱、焼損を防止するようにしたものではなかった。
【０００９】また、更にその次のものにおいては、スイッチングトランジスタのゲートに２個のラッチ回路を接続し、２次巻線出力に対応して発生する制御巻線の電圧を整流して平滑して、一方のラッチ回路が電源の最大出力制限回路が継続した場合に動作するようにし、他方のラッチ回路が制御巻線の電圧が設定値以上に増加したときに動作するようにすることができたが、上記同様、何らかの原因によりスイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング回路のスイッチング動作を停止して、スイッチング電源装置の出力回路素子の発熱、焼損を防止するようにしたものではなかった。
【００１０】本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、何らかの原因によりスイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング電源装置のスイッチング回路のスイッチング動作を確実に停止させ、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を保持して、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を表示することができるスイッチング電源装置を提供しようとするものである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本考案におけるスイッチング電源装置は、スイッチングトランスの一次巻線に流れる電流をスイッチングして、該スイッチングトランスの二次巻線に交流電力を発生するスイッチング手段と、前記スイッチングトランスの二次巻線に発生した交流電力を整流して直流電力に変換する整流手段と、前記整流手段により整流された直流電力のリップル分を平滑する平滑手段と、前記整流手段により整流された直流電力の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧に基づいて前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御する制御手段とを備え、前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御して、定電圧の直流電力を出力するスイッチング電源装置であって、前記制御手段に信号を出力して前記スイッチング手段のスイッチング動作を停止させ、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を保持するラッチ手段と、前記平滑手段により平滑された直流電力の電圧を所定の電圧に調整してスイッチング電源装置の出力端子に出力するための抵抗に並列接続され、該出力端子が短絡されたとき導通して、前記整流手段により整流された直流電力の電圧を低下させて前記ラッチ手段を動作させるスイッチング素子とを備える。
【００１２】前記スイッチング素子は、導通したとき前記整流手段により整流された直流電力の電圧を低下させるダイオードであるとよい。
【００１３】また、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態が保持されたとき、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を表示する表示手段を備える。
【００１４】前記表示手段は、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を発光して表示する発光ダイオードであるとよい。
【００１５】上記のように構成することにより、何らかの原因によりスイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング電源装置のスイッチング回路のスイッチング動作を確実に停止させ、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を保持して、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を表示することができる。
【００１６】
【考案の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本考案の実施の形態を詳述する。図１は本考案の実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を示すブロック図であり、図２は本考案の実施の形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。
【００１７】まず、図１の本考案の実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を示すブロック図を基に説明する。
【００１８】スイッチング電源装置１０は、入力端子ＣＮ１に供給された直流電力をトランス回路１２の一次巻線Ｎ１に供給して、トランス回路１２の一次巻線Ｎ１に流れる電流をスイッチングし、制御巻線Ｎ２に発生した電圧に応じてスイッチング動作をＯＮ／ＯＦＦして、トランス回路１２の二次巻線Ｎ３、Ｎ４に交流電力を発生する自励発振式のスイッチング回路１１と、トランス回路１２の二次巻線Ｎ３に発生した交流電力を整流して直流電力に変換する整流回路１３と、整流回路１３により整流された直流電力のリップル分を平滑する平滑回路１４と、トランス回路１２の二次巻線Ｎ４に発生した交流電力を整流して直流電力に変換する整流回路１５と、整流回路１５により整流された直流電力の電圧を基準電圧として、整流回路１３により整流された直流電力の電圧を検出する電圧検出回路１６と、トランス回路１２の一次巻線Ｎ１、制御巻線Ｎ２と二次巻線Ｎ３、Ｎ４とを電気的に絶縁し、制御回路１８とラッチ回路１９とに電圧検出回路１６からの信号を光学的に伝送するホトカプラ回路１７と、トランス回路１２の１次巻線Ｎ１に流れる電流の過電流を検出して、スイッチング回路１１のスイッチング動作を停止させるとともに、ホトカプラ回路１７からの信号及びラッチ回路１９からの信号に基づいて、スイッチング回路１１のスイッチング動作を制御する制御回路１８と、ホトカプラ回路１７からの信号に基づいて制御回路１８に信号を出力して、スイッチング回路１１のスイッチング動作を停止させ、スイッチング回路１１のスイッチング動作の停止状態を保持するラッチ回路１９と、スイッチング回路１１のスイッチング動作の停止状態を表示する表示回路２０とで構成されている。
【００１９】スイッチング電源装置１０の出力端子ＣＮ２には、抵抗Ｒ１０、ダイオードＤ６、コンデンサＣ６から成る出力回路が設けられていて、平滑回路１４によりリップル分が平滑された直流電力の電圧が抵抗Ｒ１０を流れる電流による電圧降下により所定の電圧に調整され、コンデンサＣ６により直流電力のリップル分が更に平滑されて出力されるようになっている。抵抗Ｒ１０に並列接続されているダイオードＤ６は、抵抗Ｒ１０に流れる電流が所定の電流以上になったとき、導通して抵抗Ｒ１０に流れる電流をバイパスするスイッチング素子であり、抵抗Ｒ１０に流れる電流が所定の電流以下であるとき、ダイオードＤ６は非導通状態になっている。また、出力端子ＣＮ３には、平滑回路１４によりリップル分が平滑された直流電力が出力されるようになっている。また、ＧＮＤ１はトランス回路１２の一次側接地であり、ＧＮＤ２はトランス回路１２の二次側接地であり、トランス回路１２の一次巻線Ｎ１、制御巻線Ｎ２と二次巻線Ｎ３、Ｎ４とは電気的に絶縁されている。
【００２０】次に、図２の本考案の実施の形態に係るスイッチング電源装置の回路図を基に説明する。
【００２１】スイッチング電源装置１０のスイッチング回路１１は、電界効果トランジスタＱ１、抵抗Ｒ１、コンデンサＣ１、ダイオードＤ１で構成されていて、電界効果トランジスタＱ１のドレインは、トランス回路１２のスイッチングトランスＴ１の一次巻線Ｎ１の一端に接続され、スイッチングトランスＴ１の他端は、入力端子ＣＮ１の一端に接続され、入力端子ＣＮ１の他端は、一次側接地ＧＮＤ１に接地されている。そして、電界効果トランジスタＱ１のソースは、制御回路１８の抵抗Ｒ２を介して一次側接地ＧＮＤ１に接地されている。また、電界効果トランジスタＱ１のゲートは、抵抗Ｒ１を介して入力端子ＣＮ１の一端に接続されるとともに、コンデンサＣ１を介してトランス回路１２の制御巻線Ｎ２の一端に接続され、スイッチングトランスＴ１の制御巻線Ｎ２の他端は、一次側接地ＧＮＤ１に接地されている。スイッチングトランスＴ１の一次巻線Ｎ１に並列接続されているダイオードＤ１は、電界効果トランジスタＱ１がＯＦＦになったとき、一次巻線Ｎ１に流れていた電流により発生する逆起電力を吸収して、サージ電圧による電界効果トランジスタＱ１の破損を防止するためのものである。
【００２２】整流回路１３はダイオードＤ５で構成されていて、ダイオードＤ５のアノードは、トランス回路１２のスイッチングトランスＴ１の二次巻線Ｎ３の一端に接続され、スイッチングトランス回路Ｔ１の二次巻線Ｎ３の他端は、二次側接地ＧＮＤ２に接地されている。
【００２３】平滑回路１４は、コンデンサＣ４と、コイルＬ１、コンデンサＣ５から成るフィルタ回路とで構成されていて、コンデンサＣ４の一端とコイルＬ１の一端とは、整流回路１３のダイオードＤ５のカソードに接続され、コイルＬ１の他端は、コンデンサＣ５の一端に接続され、コンデンサＣ４、Ｃ５の他端は、二次側接地ＧＮＤ２に接地されている。そして、コイルＬ１の他端は、抵抗Ｒ１０の一端とダイオードＤ６のアノードとに接続され、抵抗Ｒ１０の他端とダイオードＤ６のカソードとは、コンデンサＣ６の一端に接続され、コンデンサＣ６の他端は、二次側接地に接地されている。また、抵抗Ｒ１０の他端とダイオードＤ６のカソードとは、出力端子ＣＮ２の一端に接続され、出力端子ＣＮ２の他端は、二次側接地ＧＮＤ２に接地されている。また、コイルＬ１の他端は、出力端子ＣＮ３の一端に接続され、出力端子ＣＮ３の他端は、二次側接地ＧＮＤ２に接地されている。
【００２４】整流回路１５は、ダイオードＤ７で構成されていて、ダイオードＤ７のアノードは、トランス回路１２のスイッチングトランスＴ１の二次巻線Ｎ４の一端に接続され、二次巻線Ｎ４の他端は、二次側接地ＧＮＤ２に接地されている。なお、整流回路１５の次段には、平滑回路１４と同様に構成された平滑回路が接続されているが図示省略している。
【００２５】電圧検出回路１６は、電圧検出素子ＩＣ１、抵抗Ｒ１１、Ｒ１２で構成されていて、電圧検出素子ＩＣ１の電源端子は、整流回路１３のダイオードＤ５のカソードに接続され、電源検出素子ＩＣ１の接地端子は、二次側接地ＧＮＤ２に接地されている。そして、電圧検出素子ＩＣ１のリファレンス電圧入力端子は、整流回路１５のダイオードＤ７のカソードに一端が接続された抵抗Ｒ１１と二次側接地ＧＮＤ２に一端が接地された抵抗Ｒ１２とに接続され、整流回路１５により整流された直流電力の電圧が抵抗Ｒ１１、Ｒ１２により分圧されて、電圧検出素子ＩＣ１の基準電圧として印加されている。
【００２６】ホトカプラ回路１７は、ホトカプラＰＣ１、抵抗Ｒ１３、Ｒ１４で構成されていて、ホトカプラＰＣ１の発光ダイオードのアノードは、抵抗Ｒ１３を介して整流回路１３のダイオードＤ５のカソードに接続され、ホトカプラＰＣ１の発光ダイオードのカソードは、電圧検出回路１６の電圧検出素子ＩＣ１の出力端子に接続されている。そして、ホトカプラＰＣ１のホトトランジスタのコレクタは、抵抗Ｒ１４を介してトランス回路１２のスイッチングトランスＴ１の制御巻線Ｎ２の一端に接続され、ホトカプラＰＣ１のホトトランジスタのエミッタは、制御回路１８のダイオードＤ３のアノードとラッチ回路１９の抵抗Ｒ７、Ｒ８とに接続されている。
【００２７】制御回路１８は、トランジスタＱ２、ダイオードＤ２、Ｄ３、抵抗Ｒ２、Ｒ３とで構成されていて、トランジスタＱ２のコレクタは、スイッチング回路１１の電界効果トランジスタＱ１のゲートに接続され、トランジスタＱ２のエミッタは、一次側接地ＧＮＤ１に接地されている。そして、トランジスタＱ２のベースは、ダイオードＤ２を介してスイッチング回路１１の電界効果トランジスタＱ１のソースに接続された抵抗Ｒ２の一端に接続され、抵抗Ｒ２の他端は一次側接地ＧＮＤ１に接地されている。また、トランジスタＱ２のベースは、抵抗Ｒ３、ダイオードＤ３を介してホトカプラＰＣ１のホトトランジスタのエミッタとラッチ回路１９のダイオードＤ４のカソードとに接続されている。
【００２８】ラッチ回路１９は、トランジスタＱ３、ダイオードＤ４、抵抗Ｒ４〜Ｒ８、コンデンサＣ２、Ｃ３で構成されていて、トランジスタＱ３のコレクタは、抵抗Ｒ４、Ｒ５を介して入力端子ＣＮ１の一端に接続されるとともに、ダイオードＤ４のアノードとコンデンサＣ２の一端とに接続され、コンデンサＣ２の他端は、一次側接地ＧＮＤ１に接地されている。そして、トランジスタＱ３のエミッタは、一次側接地ＧＮＤ１に接地され、トランジスタＱ３のベースは、抵抗Ｒ７を介してホトカプラＰＣ１のホトトランジスタのエミッタに接続されるとともに、抵抗Ｒ８の一端に接続され、抵抗Ｒ８の他端は、一次側接地ＧＮＤ１に接地されている。また、トランジスタＱ３のベースは、抵抗Ｒ４、Ｒ６、Ｒ７、コンデンサＣ３を介して入力端子ＣＮ１の一端に接続されていて、入力端子ＣＮ１に直流電力が供給されたとき、抵抗Ｒ４、Ｒ６、Ｒ７、コンデンサＣ３を介してトランジスタＱ３にベース電流を流してトランジスタＱ３をＯＮにして、ラッチ回路１９が動作しないようにするためのものである。
【００２９】表示回路２０は、発光ダイオードＬＥＤ１、抵抗Ｒ９で構成されていて、発光ダイオードＬＥＤ１のアノードは、抵抗Ｒ９を介してラッチ回路１９の抵抗Ｒ４、Ｒ５に接続され、発光ダイオードＬＥＤ１のカソードは、一次側接地ＧＮＤ１に接地されている。
【００３０】以上のように構成されたスイッチング電源装置について、以下その動作について説明する。
【００３１】スイッチング電源装置１０の入力端子ＣＮ１に直流電力が供給され、スイッチング回路１１の抵抗Ｒ１を介して電界効果トランジスタＱ１のゲートに電圧が印加されると、電界効果トランジスタＱ１がＯＮになって、トランス回路１２のスイッチングトランスＴ１の一次巻線Ｎ１に電流が流れ、スイッチングトランスＴ１の制御巻線Ｎ２に負極性の電圧が発生して、コンデンサＣ１を介して電界効果トランジスタＱ１のゲートに負極性の電圧が印加され、電界効果トランジスタＱ１がＯＦＦになる。電界効果トランジスタＱ１がＯＦＦになると、抵抗Ｒ１を介して電界効果トランジスタＱ１のゲートに電圧が印加されているので、電界効果トランジスタＱ１が再びＯＮになり、電界効果トランジスタＱ１がＯＮ／ＯＦＦを繰り返してスイッチング動作が継続され、スイッチングトランスＴ１の二次巻線Ｎ３、Ｎ４に交流電力が発生する。スイッチング回路１１の電界効果トランジスタＱ１のスイッチング動作によりスイッチングトランスＴ１の二次巻線Ｎ３、Ｎ４に交流電力が発生すると、整流回路１３のダイオードＤ５によりスイッチングトランスＴ１の二次巻線Ｎ３に発生した交流電力が整流されて直流電力に変換され、直流電力のリップル分が平滑回路１４のコンデンサＣ４により平滑され、コイルＬ１とコンデンサＣ５から成るフィルタ回路により更に平滑されて、出力端子ＣＮ３と抵抗Ｒ１０を介して出力端子ＣＮ２とに出力される。
【００３２】平滑回路１４のコンデンサＣ４の電圧が所定の電圧より上昇すると、電圧検出回路１６の電圧検出素子ＩＣ１は、抵抗Ｒ１１、Ｒ１２により分圧されて電圧検出素子ＩＣ１のリファレンス端子に印加された基準電圧に基づいて、平滑回路１４のコンデンサＣ４の電圧が所定の電圧より上昇したことを検出し、ホトカプラ回路１７のホトカプラＰＣ１の発光ダイオードに流れる電流を増加させて、ホトカプラＰＣ１の発光ダイオードの発光強度を強くし、ホトカプラＰＣ１のコレクタ電流を増加させて、制御回路１８のダイオードＤ３、抵抗Ｒ３を介してトランジスタＱ２のベースに流れ込むベース電流を増加させ、トランジスタＱ２をＯＮにして、スイッチング回路１１の電界効果トランジスタＱ１のゲート電圧を一次側接地ＧＮＤ１側に引き込み、電界効果トランジスタＱ１のスイッチング動作を停止させる。そして、平滑回路１４のコンデンサＣ４の充電電圧が所定の電圧まで低下すると、電圧検出回路１６の電圧検出素子ＩＣ１は、リファレンス端子に印加された基準電圧に基づいて、平滑回路１４のコンデンサＣ４の充電電圧が所定の電圧まで低下したことを検出し、ホトカプラ回路１７のホトカプラＰＣ１の発光ダイオードに流れる電流を減少させて、ホトカプラＰＣ１の発光ダイオードの発光強度を弱くし、ホトカプラＰＣ１のコレクタ電流を減少させて、制御回路１８のダイオードＤ３、抵抗Ｒ２を介してトランジスタＱ２ベースに流れ込むベース電流を減少させ、トランジスタＱ２をＯＦＦにして、スイッチング回路１１の電界効果トランジスタＱ１のスイッチング動作を再開させ、スイッチング電源装置１０の出力を定電圧制御する。
【００３３】また、スイッチング回路１１の電界効果トランジスタＱ１のドレイン電流が所定のドレイン電流より増加して過電流になると、電界効果トランジスタＱ１のソースに接続された制御回路１８の抵抗Ｒ２の電圧が上昇し、制御回路１８のダイオードＤ２を介して抵抗Ｒ２に接続されたトランジスタＱ２のベースにベース電流が流れ込み、トランジスタＱ２がＯＮになって、電界効果トランジスタＱ１のゲート電圧を一次側接地ＧＮＤ１に引き込み、電界効果トランジスタＱ１のスイッチング動作を停止させて、過電流による電界効果トランジスタＱ１の破損、焼損を防止する。
【００３４】そして、何らかの原因により出力端子ＣＮ２が短絡された場合、平滑回路１４のコイルＬ１と出力端子ＣＮ２との間に接続された抵抗Ｒ１０に流れる電流が所定の電流以上になり、抵抗Ｒ１０の端子電圧が上昇して、抵抗Ｒ１０に並列接続されたダイオードＤ６が導通し、ダイオードＤ６に接続された平滑回路１４のコンデンサＣ５の電圧がダイオードＤ６の順方向電圧まで低下して、コイルＬ１を介してダイオードＤ６に接続されたコンデンサＣ４の電圧が低下し、整流回路１３のダイオードＤ５により整流された直流電力の電圧が低下する。ダイオードＤ５により整流された直流電力の電圧が低下すると、ホトカプラ回路１７のホトカプラＰＣ１の発光ダイオードに流れる電流が減少して、発光ダイオードの発光強度が弱くなり、ホトカプラＰＣ１のホトトランジスタのコレクタ電流が減少して、ラッチ回路１９の抵抗Ｒ７を介してトランジスタＱ３のベースに流れ込むベース電流が減少し、トランジスタＱ３がＯＦＦになる。ラッチ回路１９のトランジスタＱ３がＯＦＦになると、抵抗Ｒ４、Ｒ５を介してコンデンサＣ２が充電され、コンデンサＣ２の電圧が上昇して、抵抗Ｒ４、Ｒ５、ダイオードＤ４を介して制御回路１８のトランジスタＱ２のベースにベース電流が流れ込み、トランジスタＱ２がＯＮになって、スイッチング回路１１の電界効果トランジスタＱ１のゲート電圧が一次側接地ＧＮＤ１に引き込まれ、電界効果トランジスタＱ１がＯＦＦになって、電界効果トランジスタＱ１のスイッチング動作が停止する。電界効果トランジスタＱ１のスイッチング動作が停止すると、トランス回路１２のスイッチングトランスＴ１の制御巻線Ｎ２、二次巻線Ｎ３、Ｎ４に交流電力が発生しなくなり、ラッチ回路１９のトランジスタＱ３のＯＦＦ状態が継続されて、電界効果トランジスタＱ１のスイッチング動作の停止状態が保持される。
【００３５】ラッチ回路のトランジスタＱ３がＯＦＦになって、コンデンサＣ２が充電され、コンデンサＣ２の電圧が上昇すると、抵抗Ｒ４、Ｒ９を介して表示回路２０の発光ダイオードＬＥＤ１に電流が流れ、発光ダイオードＬＥＤ１が発光して、スイッチング回路１１の電界効果トランジスタＱ１のスイッチング動作の停止状態が表示される。
【００３６】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案によるスイッチング電源装置によれば、スイッチングトランスの一次巻線に流れる電流をスイッチングして、スイッチングトランスの二次巻線に交流電力を発生するスイッチング回路と、スイッチングトランスの二次巻線に発生した交流電力を整流して直流電力に変換する整流回路と、整流回路により整流された直流電力のリップル分を平滑する平滑回路と、整流回路により整流された直流電力の電圧を検出する電圧検出回路と、電圧検出回路により検出された電圧に基づいてスイッチング回路のスイッチング動作を制御する制御回路と、制御回路に信号を出力してスイッチング回路のスイッチング動作を停止させ、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を保持するラッチ回路とで構成され、スイッチング回路のスイッチング動作を制御して、定電圧の直流電力を出力するスイッチング電源装置の平滑回路により平滑された直流電力の電圧を所定の電圧に調整して出力端子に出力するための抵抗にダイオードを並列接続し、スイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、ダイオードを導通させて、整流回路により整流された直流電力の電圧を確実に低下させ、ラッチ回路を動作させて、スイッチング回路のスイッチング動作を停止させ、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を保持することができる。また、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態が保持されたとき、発光ダイオードを発光してスイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を表示することができる。このことにより、何らかの原因によりスイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング電源装置のスイッチング回路のスイッチング動作を確実に停止させ、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を保持して、スイッチング回路のスイッチング動作の停止状態を表示することができる。
【００３７】請求項１記載の考案に係るスイッチング電源装置は、スイッチング電源装置の平滑手段により平滑された直流電力の電圧を所定の電圧に調整してスイッチング電源装置の出力端子に出力するための抵抗にダイオードを並列接続し、スイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、ダイオードを導通させて、整流手段により整流された直流電力の電圧を低下させ、ラッチ手段を動作させて、スイッチング手段のスイッチング動作を停止させ、スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を保持して、スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態が保持されたとき、発光ダイオードを発光して、スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を表示するようにしている。
【００３８】請求項２記載の考案に係るスイッチング電源装置は、スイッチング電源装置の平滑手段により平滑された直流電力の電圧を所定の電圧に調整してスイッチング電源装置の出力端子に出力するための抵抗にスイッチング素子を並列接続し、スイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、スイッチング素子を導通させて、整流手段により整流された直流電力の電圧を低下させ、ラッチ手段を動作させて、スイッチング手段のスイッチング動作を停止させ、スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を保持するようにしている。
【００３９】請求項３記載の考案に係るスイッチング電源装置は、スイッチング電源装置の出力端子が短絡されたとき、ダイオードを導通させて、整流手段により整流された直流電力の電圧を低下させて、ラッチ手段を動作させるようにしている。
【００４０】請求項４記載の考案に係るスイッチング電源装置は、スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態が保持されたとき、スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を表示するようにしている。
【００４１】請求項５記載の考案に係るスイッチング電源装置は、発光ダイオードを発光して、スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を表示するようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案の実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を示すブロック図である。
【図２】本考案の実施の形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。
【符号の説明】
１０　スイッチング電源装置
１１　スイッチング回路
１２　トランス回路
１３　整流回路
１４　平滑回路
１５　整流回路
１６　電圧検出回路
１７　ホトカプラ回路
１８　制御回路
１９　ラッチ回路
２０　表示回路
Ｑ１　電界効果トランジスタ
Ｑ２、Ｑ３　トランジスタ
ＩＣ１　電圧検出素子
ＰＣ１　ホトカプラ
ＬＥＤ１　発光ダイオード
Ｄ１〜Ｄ６　ダイオード
Ｒ１〜Ｒ１４　抵抗
Ｃ１〜Ｃ６　コンデンサ
Ｌ１　コイル
Ｔ１　スイッチングトランス
Ｎ１　一次巻線
Ｎ２　制御巻線
Ｎ３、Ｎ４　二次巻線
ＣＮ１　入力端子
ＣＮ２、ＣＮ３　出力端子
ＧＮＤ１　一次側接地
ＧＮＤ２　二次側接地

Claims (5)

1. スイッチングトランスの一次巻線に流れる電流をスイッチングして、該スイッチングトランスの二次巻線に交流電力を発生するスイッチング手段と、前記スイッチングトランスの二次巻線に発生した交流電力を整流して直流電力に変換する整流手段と、前記整流手段により整流された直流電力のリップル分を平滑する平滑手段と、前記整流手段により整流された直流電力の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧に基づいて前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御する制御手段とを備え、前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御して、定電圧の直流電力を出力するスイッチング電源装置であって、
   前記制御手段に信号を出力して前記スイッチング手段のスイッチング動作を停止させ、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を保持するラッチ手段と、前記平滑手段により平滑された直流電力の電圧を所定の電圧に調整してスイッチング電源装置の出力端子に出力するための抵抗に並列接続され、該出力端子が短絡されたとき導通して、前記整流手段により整流された直流電力の電圧を低下させて前記ラッチ手段を動作させるダイオードと、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態が保持されたとき、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を表示する発光ダイオードとを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
2. スイッチングトランスの一次巻線に流れる電流をスイッチングして、該スイッチングトランスの二次巻線に交流電力を発生するスイッチング手段と、前記スイッチングトランスの二次巻線に発生した交流電力を整流して直流電力に変換する整流手段と、前記整流手段により整流された直流電力のリップル分を平滑する平滑手段と、前記整流手段により整流された直流電力の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧に基づいて前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御する制御手段とを備え、前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御して、定電圧の直流電力を出力するスイッチング電源装置であって、
   前記制御手段に信号を出力して前記スイッチング手段のスイッチング動作を停止させ、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を保持するラッチ手段と、前記平滑手段により平滑された直流電力の電圧を所定の電圧に調整してスイッチング電源装置の出力端子に出力するための抵抗に並列接続され、該出力端子が短絡されたとき導通して、前記整流手段により整流された直流電力の電圧を低下させて前記ラッチ手段を動作させるスイッチング素子とを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
3. 前記スイッチング素子は、ダイオードであることを特徴とする請求項２記載のスイッチング電源装置。
4. 前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態が保持されたとき、前記スイッチング手段のスイッチング動作の停止状態を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項２記載のスイッチング電源装置。
5. 前記表示手段は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項４記載のスイッチング電源装置。

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