JPWO2004061141A1 - 金属材料およびその製造方法 - Google Patents

金属材料およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2004061141A1
JPWO2004061141A1 JP2004564539A JP2004564539A JPWO2004061141A1 JP WO2004061141 A1 JPWO2004061141 A1 JP WO2004061141A1 JP 2004564539 A JP2004564539 A JP 2004564539A JP 2004564539 A JP2004564539 A JP 2004564539A JP WO2004061141 A1 JPWO2004061141 A1 JP WO2004061141A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal material
material according
alloy
metal
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004564539A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4509801B2 (ja
Inventor
哲也 安藤
哲也 安藤
敏晴 望月
敏晴 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Light Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Publication of JPWO2004061141A1 publication Critical patent/JPWO2004061141A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4509801B2 publication Critical patent/JP4509801B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/08Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of copper or alloys based thereon
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • B22F1/09Mixtures of metallic powders
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/04Alloys based on copper with zinc as the next major constituent
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/34Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements
    • H01L23/36Selection of materials, or shaping, to facilitate cooling or heating, e.g. heatsinks
    • H01L23/373Cooling facilitated by selection of materials for the device or materials for thermal expansion adaptation, e.g. carbon
    • H01L23/3733Cooling facilitated by selection of materials for the device or materials for thermal expansion adaptation, e.g. carbon having a heterogeneous or anisotropic structure, e.g. powder or fibres in a matrix, wire mesh, porous structures
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/34Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements
    • H01L23/36Selection of materials, or shaping, to facilitate cooling or heating, e.g. heatsinks
    • H01L23/373Cooling facilitated by selection of materials for the device or materials for thermal expansion adaptation, e.g. carbon
    • H01L23/3736Metallic materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Contacts (AREA)

Abstract

とくに銅合金を金属マトリックスとした場合、切削加工において加工条件に関係なく切削性に優れ、Pbの溶出量規制(0.01mg/l以下)を満足させることが可能であり、且つコスト的にも有利な金属材料およびその製造方法を提供するもので、金属マトリックス中に、Bi、Pbのうちの少なくとも1種とSnとによって形成される低融点合金相が分散していることを特徴とする。低融点合金の粒子数は104個/mm3以上、低融点合金相は体積率で0.35〜10%の範囲で分散させるのが好ましい。

Description

本発明は、鉄、ステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金などの金属材料、とくに切削用に供される金属材料およびその製造方法、さらには、切削用の銅合金に適用して最も好適な金属材料およびその製造方法に関する。
従来、快削性をそなえた鉄、ステンレス鋼などの鉄鋼材料、銅合金材料、アルミニウム合金材料などには0.35〜10%程度のPbが含有されている場合が多く、例えば、機械加工による切削性に優れたCu−Zn合金などの快削性銅合金は、JIS C3600、C3700などとして日本工業規格(JIS)に登録され、水栓金具、バルブ部品、軸受け、歯車、その他の用途に広く使用されている。
近年、Pbは人体や環境に悪影響を及ぼす有害物質とされ、世界的にその使用が制限される傾向にある。上記のJISに規定されているPb入り快削銅合金を水栓金具などの給水、給湯用部品として使用した場合には、切削加工が施されるが、その際の加工熱などの影響によりPbが溶融して材料表面に付着し、加工面と接触する飲料水中へ溶出する。溶出量についての規制は国内においても次第に厳しくなっており、現在、厚生省令における飲料水へのPbの溶出量規制は0.01mg/l以下に強化されている。
Biは、周期律表でPbの隣に位置し、Pbの特性を多くそなえているため、Pbに代えて同じく低融点金属のBiを添加する手法が提案されている(特開平7−310133号公報)。しかしながら、例えば、切削用銅合金の場合、機械加工条件によらず良好な被削性を得るためには、低融点金属粒子の分散径を小さくすることが有効であるが、BiはPbと比べ銅合金に対する濡れ角が小さく、マトリックスの粒成長に伴ってBi粒子も粗大化するため、単純にBiをPbに置き換えるだけでは、Bi粒子が微細に分散せず、製造工程を改善しない限り十分な被削性が得られないという問題がある。
先に発明者の1人は本発明の発明者以外の他の発明者とともに、快削性銅合金において、BiをPbに代替した場合における切削性の向上を目的として、Bi添加の影響について検討を行った結果として、切削加工における加工条件に関係なく優れた切削性を得ることができるものとして、Bi0.5〜4.0%、Pb0.1〜1.0%を含有し、BiとPbが化合物としてマトリックス中に存在する快削性銅合金を提案した(特開2002−146455号公報)。
しかしながら、上記提案の快削性銅合金において、従来のPb入り銅合金と同等の切削性を達成するためには、Biの添加量をPbと同程度以上としなければならず、BiはPbと比べて資源上希少であり、また供給体制も十分に整っていないため、きわめてコスト高となるという難点がある。
発明者らは、上記の難点を解消するために、Biを添加した銅合金において、切削性を確保しながらBi添加量を低減するための手法について、試験、検討を重ねた結果、Biおよび/またはPbをSnと共存させることにより、SnがBi、Pbと低融点化合物を形成して、それぞれの単独添加量を低減することができることを見出した。
発明者らは、上記の知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、上記の知見は他の金属材料にも適用し得ることを見出した本発明に到ったものであり、本発明は、Bi、Pbのうちの少なくとも1種とSnとにより形成される低融点合金相が分散した金属マトリックスの形成を特徴とし、とくに切削用金属材料、最も好適には切削用銅合金に適用した場合に、加工条件に関係なく優れた切削性が得られ、また、Pbの溶出量規制(0.01mg/l以下)を満足させることが可能であり、コスト的にも有利な金属材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の請求項1による金属材料は、金属マトリックス中に、Bi、Pbのうちの少なくとも1種とSnとによって形成される低融点合金相が分散していることを特徴とする。
請求項2による金属材料は、請求項1において、前記低融点合金相は、前記金属マトリックス中に固溶したSnと、添加されたBiおよび/またはPbとの反応により形成されることを特徴とする。
請求項3による金属材料は、請求項1または2において、前記低融点合金相が前記金属マトリックス中に10個/mm以上分散していることを特徴とする。
請求項4による金属材料は、請求項1〜3のいずれかにおいて、切削用に供されることを特徴とする。
請求項5による金属材料は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記金属マトリックスが銅合金からなることを特徴とする。
請求項6による金属材料は、請求項5において、前記銅合金がCu−Zn系合金からなることを特徴とする。
請求項7による金属材料は、請求項5または6において、前記銅合金またはCu−Zn系合金のFe含有量が0.5%以下に規制されることを特徴とする。
請求項8による金属材料は、請求項5〜7のいずれかにおいて、前記銅合金またはCu−Zn系合金が0.6%以下のPbを含有することを特徴とする。
請求項9による金属材料は、請求項4〜8のいずれかにおいて、前記低融点合金相が金属マトリックス中に体積率で0.35〜10%形成されていることを特徴とする。
請求項10による金属材料は、請求項5〜7のいずれかにおいて、Sn1.0〜3.5%を含有し、BiとPbを総量で0.4〜0.6%含有することを特徴とする。
請求項11による金属材料は、請求項9において、Sn2.0〜4.5%を含有し、BiとPbを総量で0.4〜0.6%含有することを特徴とする。
請求項12による金属材料は、請求項10または11において、Pを含有することを特徴とする。
請求項13による金属材料は、請求項12において、P0.02〜0.04%を含有することを特徴とする。
請求項14による金属材料は、請求項13において、鋳造材として切削用に供されることを特徴とする。
請求項15による金属材料は、請求項5〜7のいずれかにおいて、前記銅合金またはCu−Zn系合金がSnおよびBiを含有し、Bi0.3〜2.9%を含有することを特徴とする。
請求項16による金属材料は、請求項5〜7のいずれかにおいて、前記銅合金またはCu−Zn系合金がSnおよびPbを含有し、Pb0.2〜0.6%を含有することを特徴とする。
請求項17による金属材料は、請求項5〜7のいずれかにおいて、前記銅合金またはCu−Zn系合金がSn、Biおよび0.6%以下のPbを含有し、Pbの含有量が0.2%未満の場合にはBiを(0.3%−Pb含有量%×1.5)〜(2.9%−Pb含有量%×1.5)%含有し、Pbの含有量が0.2〜0.6%の場合には(2.9%−Pb含有量%×1.5)%以下であることを特徴とする。
請求項18による金属材料は、切削用に供される請求項5〜17のいずれかに記載の金属材料であって、金属マトリックス中に分散する低融点合金相が、硬質で脆い合金相と隣接して析出、分散していることを特徴とする。
請求項19による金属材料は、請求項18において、低融点合金相と隣接する前記硬質で脆い合金相が、金属マトリックス中に体積率で10%以下存在することを特徴とする。
請求項20による金属材料の製造方法は、切削用に供される請求項4に記載の金属材料を製造する方法であって、SnとBi、Pbの少なくとも1種を含有する金属マトリックスを、該金属マトリックス中にSnが均一に固溶する温度まで加熱し、SnおよびSnと金属マトリックスとの合金相の析出が生じないような十分に速い冷却速度で冷却した後、再加熱することによって固溶したSnと、Biおよび/またはPbを反応させ、形成される低融点合金相を均一に分散させることを特徴とする。
請求項21による金属材料の製造方法は、切削用に供される請求項4に記載の金属材料を製造する方法であって、SnとBi、Pbの少なくとも1種を含有する金属マトリックスを、該金属マトリックス中にSnが均一に固溶する温度まで加熱し、固溶したSnとBiおよび/またはPbが反応するような十分に遅い冷却速度で冷却し、均一に分散した低融点合金相を形成することを特徴とする。
請求項22による金属材料の製造方法は、切削用に供される請求項4に記載の金属材料を製造する方法であって、SnとBi、Pbの少なくとも1種を含有する金属マトリックスを400℃以上の温度域に1分以上保持することによって、金属マトリックス中に低融点合金相を析出させることをと特徴とする。
請求項23による金属材料の製造方法は、請求項20〜22にいずれかにおいて、前記金属マトリックスが銅合金からなることを特徴とする。
請求項24による金属材料の製造方法は、請求項23において、前記銅合金がCu−Zn系合金からなることを特徴とする。
請求項25による金属材料の製造方法は、金属マトリックスが銅合金からなる請求項5に記載の金属材料の製造方法であって、熱間加工工程を有し、熱間加工後冷却し、熱間加工のまままたは冷間加工を加えた後、400℃以上の温度に再加熱して400℃以上の温度域に1分以上保持することを特徴とする。
請求項26による金属材料の製造方法は、請求項25において、熱間加工後冷却し、冷間抽伸加工を加えた後、400℃以上の温度に再加熱して400℃以上の温度域に1分以上保持することを特徴とする。
請求項27による金属材料の製造方法は、金属マトリックスが銅合金からなる請求項5に記載の金属材料の製造方法であって、熱間加工工程を有し、熱間加工後、400℃以上の温度域に1分以上保持されるよう冷却することを特徴とする。
請求項28による金属材料の製造方法は、請求項20〜27のいずれかにおいて、断面減少率5〜30%の最終冷間加工を施すことを特徴とする。
請求項29による金属材料の製造方法は、請求項28において、最終冷間加工を断面減少率10〜20%で行うことを特徴とする。
本発明の特徴について説明すれば以下のとおりである。
(1)Snは、BiおよびPbと共晶により低融点合金を生成する。共晶合金であるため、この低融点合金は、BiおよびPb単独の場合より融点が低い。また、共晶組成がBiの場合で57%、Pbの場合で38%であるため、BiおよびPbの添加量に対して約2倍の効果が得られる。
(2)とくに銅合金にBi、Pb、Snを添加した場合、BiおよびPbはマトリックス中に固溶せず単独で存在する。Snはマトリックス中に固溶するが、熱処理により固溶したSnはBi、Pbと反応して低融点合金相を生成する。
(3)金属マトリックス中に微細分散した低融点合金相は、BiおよびPb単独の場合より融点が低いため、BiおよびPbの場合よりも少量のマトリックス1mm当たり10個以上の分散粒子数分布により良好な切削性が得られる。
(4)とくに銅合金の場合には、Snの固溶量は温度の上昇とともに増大するため、高温から高速で冷却することによりSnの析出を抑制してマトリックス中にSnを固溶させることができる。Cu−Zn系合金においては、高温になると、Sn固溶限の高いβ相の比率が増加するため、高温から高速で冷却することによって、さらにSnの濃度を均一にすることができる。
(5)高温から高速で冷却すれば、濃度が一定の場合には分散粒子数が増加するので、一定量の分散粒子数を得るための添加濃度は低くて足りる。
(6)固溶したSnと、分散したBi、Pbは、再加熱により合金化する。合金化は、Snを高濃度で均一に固溶させ、且つBi、Pbの分散粒子数を増加させることにより、拡散距離が短くなり反応を容易とすることにより促進される。また、合金化はBi、Pbの存在位置において生じるため、Bi、Pbを微細分散させることにより、合金相の微細分散を達成することができる。銅合金の場合、400℃以上の温度(材料温度)に再加熱して400℃以上の温度域に1分以上保持することによって、熱間押出加工温度に関係なく低融点化合物の生成が促進される。
(7)上記の再加熱は、銅合金などの金属材料を熱間加工後、徐冷することによっても代用することができる。熱間加工直後においては、Snの均一固溶およびBi、Pbの均一分散が達成され、徐冷することにより再加熱と同等の温度状態が得られるため合金化反応が進行する。徐冷は、400℃(材料温度)以上の温度から400℃までの温度域を1分以上かけて通過するよう冷却すればよい。
(8)BiおよびPbと合金化させるためのSn量は、化学量論量より多い方が効率良く反応させることができるが、Sn量が過剰な場合には金属マトリックスと反応し硬質相が分散する。言い換えれば、金属マトリックスとの反応により析出した硬質相が、低融点合金相と複合分散している場合には、SnとBi、Pbの合金化が十分に行われているということができる。
(9)とくに金属マトリックスが銅合金の場合には、上記の硬質相が多量に存在すると冷間加工性が阻害されるから、マトリックス中に体積率で10%以下とすることが望ましい。金属マトリックスが銅合金、とくにCu−Zn系合金の場合には、過剰なSnとの反応によりCuZnSnを主成分とする硬くて脆いγ相が低融点合金相に隣接して形成される。
(10)とくに金属マトリックスが銅合金の場合には、金属マトリックス中に分散する低融点合金相が、硬質で脆い合金相と隣接して析出、分散することにより、良好な切削性を得ることができる。Cu−Zn系合金においては、切削性を向上させるβ相が存在するため、β相と硬質γ相および低融点合金相との共存により優れた切削性を得ることができる。
(11)金属マトリックスを銅合金とする金属材料においては、低融点合金相をマトリックス中に体積率で0.35〜10%存在させることにより、従来のPb含有切削用銅合金において同量のPbを存在させた場合と同等以上の切削性を得ることができる。
(12)本発明においては、Pb、Biの単独添加量を低減するための複合添加元素としてSnを選択したものであり、Snと共に、Pbおよび/またはBiを添加することができるが、Pbが添加される場合には、Pbの溶出量規制、0.01mg/l以下を達成するために、Pbの含有量を0.6%以下にすることが必要である。
また、金属マトリックスがCu−Zn合金などの銅合金からなる切削用金属材料の特徴について以下に説明すると、SnがBiと共存する場合、共晶により低融点化合物を生成する。SnとBiの共晶組成はSn−57%Biであることを考慮すると、Biの好ましい含有量は0.3〜2.9%の範囲とするのが好ましい。
SnがPbと共存する場合、共晶により低融点化合物を生成する。SnとPbの共晶組成はSn−38%Pbであることを考慮すると、Pbの好ましい含有量は0.2〜1.9%の範囲とするのが好ましいが、Pbの溶出量規制、0.01mg/l以下を達成するために、前記のように、Pbの含有量を0.6%以下にすることが必要であるから、Pbの好ましい含有範囲は0.2〜0.6%である。
SnがBi、Pbと共存する場合にも、共晶により低融点化合物が生成する。この場合におけるBi、Pbの含有量については、Pbの含有量は0.6%以下にすることが必要であるから、Pbの含有量に対応するBiの好ましい含有量は、Pbが0.2%未満の場合には、(0.3%−Pb含有量%×1.5)〜(2.9%−Pb含有量%×1.5)、Pbが0.2〜0.6%の場合には、(2.9%−Pb含有量%×1.5)以下である。
Snの含有量については、Sn−Bi、Sn−Pb、Sn−Bi−Pbの低融点化合物の生成に必要な共晶組成に基づく含有量が最低限必要であるから、好ましくは0.3%以上である。
金属マトリックスがCu−Zn合金などの銅合金からなる切削用金属材料において、上記の組成のものでは、前記のように、熱間押出後の再加熱処理や徐冷処理により良好な切削性を得ることができ、このための適切な熱処理条件を選択することが必要となるが、銅合金の組成を以下の(A)、(B)とするすることにより、熱処理条件に影響されることなく切削性の良好な状態を得ることが可能となる。
(A)Sn1.0〜3.5%を含有し、BiとPbを総量で0.4〜0.6%含有する銅合金。
(B)Sn2.0〜4.5%を含有し、BiとPbを総量で0.4〜0.6%含有する銅合金。
SnとBiおよび/またはPbとの反応により形成される低融点合金相が十分な量、すなわちマトリックス中に10個/mm以上分散させるためには、BiとPbを総量で0.4%以上含有させることが必要であり、熱処理後、SnおよびSnと金属マトリックスとの合金相の析出が生じないような十分に速い冷却速度で冷却した場合においても上記の量の低融点合金相を分散させるためには、Sn濃度を1.0%以上とすることが必要である。しかしながら、多量の低融点合金相が生成されると、熱処理条件によっては低融点合金相が粗大化し、切削加工時に割れが生じ易くなるため、切削加工時の割れ抑制のために、BiおよびPbの総量を0.6%以下とするとともに、Sn濃度を3.5%以下にするのが好ましい。
熱処理後、SnおよびSnと金属マトリックスとの合金相が析出する場合において、SnとBiおよび/またはPbとの反応により形成される低融点合金相がマトリックス中に10個/mm以上、体積率で0.35〜10%分散する状態を得るためには、BiとPbを総量で0.4%以上含有させ、且つSnを2.0%以上含有させることが必要である。この場合も、多量の低融点合金相が生成されると、熱処理条件によっては低融点合金相が粗大化し、切削加工時に割れが生じ易くなるため、切削加工時の割れ抑制のために、BiおよびPbの総量を0.6%以下とするとともに、Sn濃度を4.5%以下にするのが好ましい。
上記(A)、(B)の組成を有する銅合金は鋳造材(鋳物)として切削用に供されることができるが、Cu−Zn合金においては、SnおよびBiが含有されると溶湯の流動性が阻害される。これは、溶湯の粘度が上昇することによる直接的な流動性低下と、デンドライトの成長が促進されることにより生じる凝固時の見掛け上の流動性の低下に起因する。溶湯の流動性が低下すると、肉厚の鋳物を製造する場合には凝固割れが生じ易く、薄肉の鋳物を製造する場合には欠肉が生じ易くなる。溶湯の流動性を向上させるためには、溶湯の粘度を低下させること、およびデンドライトの成長を抑制することが有効であり、Pの添加が効果的であり、Pの好ましい添加量は0.02〜0.04%である。Pの添加量が0.04%を越えても、それ以上の流動性の改善効果が得られない。ビレットに造塊して熱間押出を行う場合には、剪断割れがを生じるなどの弊害があり、健全な押出材を得るための押出条件が制約される。
本発明に係るCu−Zn合金の製造において、同じCu−Zn系スクラップを使用することは作業面、コスト面などで有利となる。JIS3000系(Cu−Zn系)合金に含まれるPbは、Biと比較して表面エネルギーが低いため粒状化して微細化する傾向にある。しかしながら、BiとPbとの共晶が生じた場合には、Pbの表面エネルギーが増大し、一定量以上のBiを含有すると、Pb単独のときのようには微細分散せず粗大化する。低融点金属粒子は、母材とは非整合であるため、母材の変形時には欠陥として作用することを考慮すると、低融点金属粒子が粗大化すると、微細分散する場合に比較して延性を低下させる要因となるから、Pbを含むCu−Zn系合金の製造に多くのBiを含むCu−Zn系スクラップを使用することには問題がある。Bi含有量を0.6%程度以下に規制すれば延性低下を抑制することができるから、上記(A)、(B)の組成を有するCu−Zn合金のスクラップは、鉛含有黄銅の原料として適用されることが可能となる。
Cu−Zn系(黄銅系)銅合金マトリックスにSnを含有させ、Bi、Pbの1種または2種を含有させた場合には、SnはCu−Zn−Sn三元合金相を形成し、Bi−Pbは独立相として存在するので、マトリックス中に、これら低融点金属を低融点化合物として存在させるために、400℃以上、好ましくは500℃以上の温度(材料温度)で熱間押出加工を行う。
銅合金を金属マトリックスとする本発明の金属材料について機械加工、とくに高速切削を行う場合には、材料を高速回転させるため、材料に曲がりがあると加工機に振動を与え、結果として加工精度が低下する。熱間押出材は伸直度が良くないから、加工精度を向上させるために、熱間押出加工後、冷間引き抜き加工を行って伸直度を上げておくことが好ましい。
最終的には冷間加工を行って製品とするが、冷間加工は、材料硬度を増加させ、切削くず処理性を向上させるともできるが、過剰な冷間加工は切削抵抗を増加させ、工具の損傷や被削面粗度を低下させる原因となるから、製品になる直前の最終冷間加工の断面減少率は5〜30%、さらに好ましくは10〜20%とするのが望ましい。
なお、銅合金を金属マトリックスとする本発明の金属材料の製造において、スクラップを使用した場合には、不純物としてのFeの混入は避けられないが、多量のFeの含有は、大小の結晶粒を混在させるため、機械的性質を不安定化する要因となるから、Feの含有は0.5%以下に規制することが望ましい。
以下、本発明の実施例として、金属マトリックスが銅合金からなる金属材料を比較例と対比して説明するとともに、それに基づいてその効果を実証する。なお、これらの実施例は、本発明の好ましい一実施態様を説明するためのものであって、本発明はこれに限定されるものではない。
Cu、Zn、Sn、Bi、Pbの新地金を主原料として成分元素の濃度を調整した表1に示す組成の合金(合金No.1〜10)を溶解、鋳造し、直径294mmのビレットに造塊した。つぎに、得られたビレットを、表2に示す条件で直径16.4〜19.1mmの棒材に熱間押出加工し、熱間押出後、合金No.2〜4、7、9については、表2に示す条件で冷却した。
熱間押出後の冷却は、熱間押出材を巻き取るコイルパンを断熱材で覆うことによって表2に示すように押出後の冷却速度を調整した。冷却後、断面減少率5〜30%で冷間抽伸加工し、さらに矯正仕上げ加工を行い、直径16mmの棒材とした。
合金No.1、5〜6、8については、熱間押出後、断面減少率10%で冷間抽伸を行った後、表2に示す条件で熱処理を行い、さらに断面減少率5〜30%で冷間抽伸加工し、矯正仕上げ加工を行って直径16mmの棒材とした。熱処理は、電気炉を用いて所定温度に所定時間保持した後冷却する条件で行った。
矯正仕上げ加工後の棒材(試験材)について、下記の方法により、低融点化合物の含有量(比率)および粒子数を求め、切削性の評価を行い、Pb溶出試験を行ってPb溶出量を測定した。評価結果、測定結果を表4に示す。
低融点化合物の含有量(比率):試験材の横断面をEPMAにより面分析し、Bi単独相、Pb単独相およびBi、PbがSnと重なる相の面積率ならびに粒子数を画像解析により求め、これを体積率ならびに単位体積当たりの粒子数に換算することにより求める。
切削試験:表3に示す条件で切削加工を行い、いずれの切削条件においても切粉が微細に分断して被削性が優れていたものは◎、いずれか1つの条件でも切屑がカールしたものは○として、◎および○のものを合格とし、いずれか1つの条件でも切屑が連続したもの(パーマネント状になったもの)は不合格(×)とした。
Pb溶出試験:試験材から切削加工により表面積3000mmの素材を10本作製し、これを試験片として、密閉容器中に1000mlの試験液に浸漬するように封入し、厚生労働省令に準拠した方法により試験を行い、JIS 15Aバルブの接触表面積および内容積で規格化して、0.01mg/l以下を満足するものを合格(○)、0.01mg/l以下を満足しないものを不合格(×)とした。
Figure 2004061141
Figure 2004061141
Figure 2004061141
Figure 2004061141
表4にみられるように、本発明に従う試験材No.1〜10はいずれも切削加工条件によらず優れた快削性を示した。また、Pb溶出量はいずれも、0.01mg/l以下で、規制値をクリアし得るものであった。
比較例1
Cu、Zn、Sn、Bi、Pbの新地金を主原料として成分元素の濃度を調整した表5に示す組成の合金(合金No.11〜19)を溶解、鋳造し、直径294mmのビレットに造塊した。つぎに、得られたビレットを、表6に示す条件で直径16.4〜19.1mmの棒材に熱間押出加工し、熱間押出後、合金No.13〜15、17については、表6に示す条件で冷却した。
熱間押出後の冷却は、熱間押出材を巻き取るコイルパンを断熱材で覆うことによって表6に示すように押出後の冷却速度を調整した。冷却後、断面減少率5〜30%で冷間抽伸加工し、さらに矯正仕上げ加工を行い、直径16mmの棒材とした。
合金No.11〜12、16、18〜19については、熱間押出後、断面減少率10%で冷間抽伸を行った後、表6に示す条件で熱処理を行、さらに断面減少率5〜30%で冷間抽伸加工し、矯正仕上げ加工を行って直径16mmの棒材とした。熱処理は、電気炉を用いて所定温度に所定時間保持した後冷却する条件で行った。
矯正仕上げ加工後の棒材(試験材)について、実施例1と同じ方法により、低融点化合物の含有量(比率)を求め、切削性の評価を行い、Pb溶出試験を行ってPb溶出量を測定した。評価結果、測定結果を表7に示す。
Figure 2004061141
Figure 2004061141
Figure 2004061141
表7に示すように、試験材No.11、12は低融点合金の含有量が少ないため低融点合金粒子数も少なくなり、切削条件によっては被削屑が分断されずパーマネント状となり、十分な切削性が得られない。試験材No.13、16はPbの含有量が多いため、Pb溶出量が多くなった。試験材No.14は低融点合金の含有量が多いため、抽伸加工時に破断が生じ、切削試験に供することができなかった。試験材No.15、17は熱間押出後の冷却速度が大きいため、試験材No.18は熱処理温度が低いため、また試験材No.19は熱処理時間が短いため、いずれも低融点合金粒子数が少なくなり、切削条件によっては被削屑が分断されずパーマネント状となり、十分な切削性が得られない。
Cu、Zn、Sn、Bi、Pbの新地金を主原料として成分元素の濃度を調整した表8に示す組成の合金(合金No.20〜28)を溶解、鋳造し、直径294mmのビレットに造塊した。つぎに、得られたビレットを、600℃で直径24mmの棒材に熱間押出加工し、熱間押出後、断面減少率10%の冷間抽伸加工を行った。ついで、600℃の温度に加熱し、合金No.20〜25については水冷し、合金No.26〜28については空冷する熱処理を行った後、断面減少率10%の冷間抽伸加工を施し、矯正仕上げ加工を行って直径20mmの棒材とした。なお、熱処理は電気炉を用いて所定温度に加熱したのち冷却する条件で行った。
矯正仕上げ加工した棒材(試験材)について、実施例1と同じ方法により低融点化合物の含有率(比率)および粒子数を求め、切削性の評価を行った。また、下記の方法により、JISC3000系合金製造時のスクラップとしての使用可否を評価した。結果を表9に示す。
スクラップ使用可否評価方法:試験材を主原料として成分元素をJISC3604に規定する濃度に調整した合金を溶解、鋳造し、直径294mmのビレットに造塊し、得られたビレットを、650℃で直径22mmの棒材に熱間押出加工し、熱間押出後、断面減少率10%の冷間抽伸加工を行い、さらに矯正仕上げ加工を行って直径20mmの棒材とした。この棒材と、JISC3604のスクラップのみを用いて同様の方法で製造した棒材との機械的性質を比較した。機械的性質の比較は、引張試験を行って測定した強度および延びを比較することにより行い、強度、延び共にJISC3604のスクラップ使用材と同等(誤差10%以内)のものを合格(◎)、強度、延びの低下率が10%を越えるのものを不合格(×)とした。
Figure 2004061141
Figure 2004061141
表9にみられるように、本発明に従う試験材No.20〜28はいずれも、切削加工条件によらず優れた被削性を示し、そのスクラップをJISC3000系合金製造における原料として使用しても脆化を生じることがなかった。
比較例2
Cu、Zn、Sn、Bi、Pbの新地金を主原料として成分元素の濃度を調整した表10に示す組成の合金(合金No.29〜36)を溶解、鋳造し、直径294mmのビレットに造塊した。つぎに、得られたビレットを、600℃で直径24mmの棒材に熱間押出加工し、熱間押出後、断面減少率10%の冷間抽伸加工を行った。ついで、600℃の温度に加熱し、合金No.29〜32、37、38については水冷し、合金No.33〜36については空冷する熱処理を行った後、断面減少率10%の冷間抽伸加工を施し、矯正仕上げ加工を行って直径20mmの棒材とした。なお、熱処理は電気炉を用いて所定温度に加熱したのち冷却する条件で行った。
矯正仕上げ加工後の棒材(試験材)について、実施例2と同一の方法により、低融点化合物の含有量(比率)および粒子数を求め、切削性の評価、JISC3000系合金製造のスクラップとしての使用可否の評価を行った、結果を表11に示す。
Figure 2004061141
Figure 2004061141
表11に示すように、試験材No.29、30、33、35は低融点合金が粗大化し、切削条件によって割れが生じる。さらに試験材No.29、33はBi含有量が多いため、JISC3000系合金製造のスクラップとして使用した場合に脆化が生じる。試験材No.31、32、34、36は低融点化合合金粒子数が少ないため、切削条件によっては切屑が分断されずパーマネント状となり、十分な切削性が得られない。試験材No.37はP含有量が少ないため、鋳造時に割れが生じ加工することができなかった。試験材No.38はP含有量が多いため、熱間押出時に割れが生じ切削試験ができなかった。
本発明によれば、切削用金属材料、とくに切削用銅合金に適用した場合に、加工条件に関係なく優れた切削性が得られ、また、Pbの溶出量規制(0.01mg/l以下)を満足させることが可能であり、コスト的にも有利な金属材料およびその製造方法が提供される。本発明よる金属材料は、配線器具、スイッチ、リレー、コネクタ、電気機器用バネ、カメラ部品、計器盤部品、時計部品、軸受け、ブッシュ、ボルト、ナット、ワッシャ、スピンドル、シャフト、軸、送りバネ、バルブ、金物、ファスナ、鋲、かぎ針、ピン、眼鏡部品、ライター部品、ボールペン部品、ベッド、カーテンレール、薬きょう、熱交換器用部品、浴室部品、トイレ部品、台所部品など、切削加工に供される用途に好適に使用される。

Claims (29)

  1. 金属マトリックス中に、Bi、Pbのうちの少なくとも1種とSnとによって形成される低融点合金相が分散していることを特徴とする金属材料。
  2. 前記低融点合金相は、前記金属マトリックス中に固溶したSnと、添加されたBiおよび/またはPbとの反応により形成されることを特徴とする請求項1記載の金属材料。
  3. 前記低融点合金相が前記金属マトリックス中に10個/mm以上分散していることを特徴とする請求項1または2記載の金属材料。
  4. 切削用に供されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属材料。
  5. 前記金属マトリックスが銅合金からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属材料。
  6. 前記銅合金がCu−Zn系合金からなることを特徴とする請求項5記載の金属材料。
  7. 前記銅合金またはCu−Zn系合金のFe含有量が0.5%以下に規制されることを特徴とする請求項5または6記載の金属材料。
  8. 前記銅合金が0.6%(質量%、以下同じ)以下のPbを含有することを特徴とする請求項5または6記載の金属材料。
  9. 前記低融点合金相が金属マトリックス中に体積率で0.35〜10%形成されていることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の金属材料。
  10. Sn1.0〜3.5%を含有し、BiとPbを総量で0.4〜0.6%含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の金属材料。
  11. Sn2.0〜4.5%を含有し、BiとPbを総量で0.4〜0.6%含有することを特徴とする請求項9記載の金属材料。
  12. Pを含有することを特徴とする請求項10または11記載の金属材料。
  13. P0.02〜0.04%を含有することを特徴とする請求項12記載の金属材料。
  14. 鋳造材として切削用に供されることを特徴とする請求項13記載の金属材料。
  15. 前記銅合金またはCu−Zn系合金がSnおよびBiを含有し、Bi0.3〜2.9%を含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の金属材料。
  16. 前記銅合金またはCu−Zn系合金がSnおよびPbを含有し、Pb0.2〜0.6%を含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の金属材料。
  17. 前記銅合金またはCu−Zn系合金がSn、Biおよび0.6%以下のPbを含有し、Pbの含有量が0.2%未満の場合にはBiを(0.3%−Pb含有量%×1.5)〜(2.9%−Pb含有量%×1.5)%含有し、Pbの含有量が0.2〜0.6%の場合には(2.9%−Pb含有量%×1.5)%以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の金属材料。
  18. 切削用に供される請求項5〜17のいずれかに記載の金属材料であって、金属マトリックス中に分散する低融点合金相が、硬質で脆い合金相と隣接して析出、分散していることを特徴とする金属材料。
  19. 低融点合金相と隣接する前記硬質で脆い合金相が、金属マトリックス中に体積率で10%以下存在することを特徴とする請求項18記載の金属材料。
  20. 切削用に供される請求項4に記載の金属材料を製造する方法であって、SnとBi、Pbの少なくとも1種を含有する金属マトリックスを、該金属マトリックス中にSnが均一に固溶する温度まで加熱し、SnおよびSnと金属マトリックスとの合金相の析出が生じないような十分に速い冷却速度で冷却した後、再加熱することによって固溶したSnと、Biおよび/またはPbを反応させ、形成される低融点合金相を均一に分散させることを特徴とする金属材料の製造方法。
  21. 切削用に供される請求項4に記載の金属材料を製造する方法であって、SnとBi、Pbの少なくとも1種を含有する金属マトリックスを、該金属マトリックス中にSnが均一に固溶する温度まで加熱し、固溶したSnとBiおよび/またはPbが反応するような十分に遅い冷却速度で冷却し、均一に分散した低融点合金相を形成することを特徴とする金属材料の製造方法。
  22. 切削用に供される請求項4に記載の金属材料を製造する方法であって、SnとBi、Pbの少なくとも1種を含有する金属マトリックスを400℃以上の温度域に1分以上保持することによって、金属マトリックス中に低融点合金相を析出させることをと特徴とする金属材料の製造方法。
  23. 前記金属マトリックスが銅合金からなることを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載の金属材料の製造方法。
  24. 前記銅合金がCu−Zn系合金からなることを特徴とする請求項23記載の金属材料の製造方法。
  25. 金属マトリックスが銅合金からなる請求項5に記載の金属材料の製造方法であって、熱間加工工程を有し、熱間加工後冷却し、熱間加工のまままたは冷間加工を加えた後、400℃以上の温度に再加熱して400℃以上の温度域に1分以上保持することを特徴とする金属材料の製造方法。
  26. 金属マトリックスが銅合金からなる請求項5に記載の金属材料の製造方法であって、熱間加工工程を有し、熱間加工後、400℃以上の温度域に1分以上保持されるよう冷却することを特徴とする金属材料の製造方法。
  27. 熱間加工後冷却し、冷間抽伸加工を加えた後、400℃以上の温度に再加熱して400℃以上の温度域に1分以上保持することを特徴とする請求項26記載の金属材料の製造方法。
  28. 断面減少率5〜30%の最終冷間加工を施すことを特徴とする請求項20〜27のいずれかに記載の金属材料の製造方法。
  29. 最終冷間加工を断面減少率10〜20%で行うことを特徴とする請求項28記載の金属材料の製造方法。
JP2004564539A 2002-12-27 2003-12-26 銅合金材料 Expired - Fee Related JP4509801B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002379137 2002-12-27
JP2002379137 2002-12-27
PCT/JP2003/016870 WO2004061141A1 (ja) 2002-12-27 2003-12-26 金属材料およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2004061141A1 true JPWO2004061141A1 (ja) 2006-05-11
JP4509801B2 JP4509801B2 (ja) 2010-07-21

Family

ID=32708377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004564539A Expired - Fee Related JP4509801B2 (ja) 2002-12-27 2003-12-26 銅合金材料

Country Status (4)

Country Link
EP (2) EP1950316A1 (ja)
JP (1) JP4509801B2 (ja)
AU (1) AU2003292666A1 (ja)
WO (1) WO2004061141A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6576079B2 (ja) * 2015-04-01 2019-09-18 Dowaメタルテック株式会社 低Pb黄銅棒材およびその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998010105A1 (fr) * 1996-09-05 1998-03-12 The Furukawa Electric Co., Ltd. Alliage de cuivre pour dispositifs electroniques
EP1029935A1 (en) * 1997-11-11 2000-08-23 Toto Ltd. Metallic material, brass, and process for producing the same
JP2001064742A (ja) * 1999-06-24 2001-03-13 Chuetsu Metal Works Co Ltd 耐食性、被削性、熱間加工性に優れた黄銅合金
JP2002003967A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 耐脱亜鉛腐食性に優れた無鉛快削黄銅およびその製造方法
JP2003277855A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 San-Etsu Metals Co Ltd 無鉛快削黄銅合金材及びその製造方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8724311D0 (en) * 1987-10-16 1987-11-18 Imi Yorkshire Fittings Fittings
SE8800931D0 (sv) * 1988-03-16 1988-03-16 Tour & Andersson Ab Messingslegering och sett att framstella densamma
US5167726A (en) * 1990-05-15 1992-12-01 At&T Bell Laboratories Machinable lead-free wrought copper-containing alloys
US5637160A (en) * 1991-03-01 1997-06-10 Olin Corporation Corrosion-resistant bismuth brass
JP3335002B2 (ja) 1994-05-12 2002-10-15 中越合金鋳工株式会社 熱間加工性に優れた無鉛快削黄銅合金
EP0947592B1 (en) * 1996-09-09 2003-03-26 Toto Ltd. Copper alloy and method of manufacturing same
KR100225751B1 (ko) * 1997-04-22 1999-10-15 조시영 무연쾌삭 황동합금
JP2000038629A (ja) * 1998-07-17 2000-02-08 Toto Ltd 耐塩水腐食性に優れた黄銅材及び黄銅管材、黄銅製品
JP3761741B2 (ja) * 1999-05-07 2006-03-29 株式会社キッツ 黄銅とこの黄銅製品
JP3485502B2 (ja) * 1999-08-24 2004-01-13 日立アロイ株式会社 無鉛快削性銅合金材
JP2002146455A (ja) 2000-11-06 2002-05-22 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 快削銅合金

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998010105A1 (fr) * 1996-09-05 1998-03-12 The Furukawa Electric Co., Ltd. Alliage de cuivre pour dispositifs electroniques
EP1029935A1 (en) * 1997-11-11 2000-08-23 Toto Ltd. Metallic material, brass, and process for producing the same
JP2001064742A (ja) * 1999-06-24 2001-03-13 Chuetsu Metal Works Co Ltd 耐食性、被削性、熱間加工性に優れた黄銅合金
JP2002003967A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 耐脱亜鉛腐食性に優れた無鉛快削黄銅およびその製造方法
JP2003277855A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 San-Etsu Metals Co Ltd 無鉛快削黄銅合金材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU2003292666A1 (en) 2004-07-29
EP1950316A1 (en) 2008-07-30
EP1598436A4 (en) 2007-08-22
AU2003292666A8 (en) 2004-07-29
EP1598436A1 (en) 2005-11-23
WO2004061141A1 (ja) 2004-07-22
JP4509801B2 (ja) 2010-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3042971B1 (en) Lead-free high-sulphur easy-cutting alloy containing manganese and copper and preparation method therefor
KR101340487B1 (ko) 쾌삭성 무연 구리합금 및 이의 제조방법
JP2007517981A (ja) アンチモンを含む無鉛快削性黄銅合金
JP2004244672A (ja) 耐脱亜鉛性に優れた銅基合金
WO2006016631A1 (ja) Sn含有銅合金及びその製造方法
JP6795872B1 (ja) 快削性銅合金、及び、快削性銅合金の製造方法
CN101701304B (zh) 无铅耐蚀易切削低成本黄铜的制造方法
JP2004225093A (ja) 銅基合金およびその製造方法
JP4620963B2 (ja) 黄銅およびその製造方法ならびにこれを用いた部品
JP6796356B1 (ja) 快削性銅合金、及び、快削性銅合金の製造方法
JP2008214760A (ja) 無鉛快削性黄銅合金及びその製造方法
JP2000239765A (ja) 金型鋳造用若しくは砂型鋳造用無鉛耐食性黄銅合金又は金型鋳物若しくは砂型鋳物並びに連続鋳造用無鉛耐食性黄銅合金又は連続鋳造鋳物
CN110747369A (zh) 一种无铅易切削硅镁钙黄铜合金及其制备方法
JP2003277855A (ja) 無鉛快削黄銅合金材及びその製造方法
JP4509801B2 (ja) 銅合金材料
JP4184357B2 (ja) 無鉛快削性黄銅合金及びその製造方法
JP6796355B1 (ja) 快削性銅合金、及び、快削性銅合金の製造方法
JP5062829B2 (ja) 黄銅材料及び黄銅材料の製造方法
KR20050087082A (ko) 무연 쾌삭 청동합금 및 그 제조방법
JP7126198B2 (ja) 無鉛快削りん青銅棒線材
KR20070101916A (ko) 탈아연 부식저항성이 우수한 무연쾌삭 황동합금
US10174405B2 (en) Brass alloy comprising ceramic alumina nanoparticles and having improved machinability
KR102666985B1 (ko) 절삭성이 향상된 저실리콘 동합금
JP7126197B2 (ja) 無鉛快削りん青銅棒線材
KR20120042483A (ko) 납 함량이 적은 내식 황동 합금

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061225

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071122

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071221

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100428

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4509801

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160514

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees