明細書 金属材料およびその製造方法 技術分野
本発明は、 鉄、 ステンレス鋼、 銅合金、 アルミニウム合金などの金属材料、 と く に切削用に供される金属材料およびその製造方法、 さ らには、 切削用の銅合金 に適用して最も好適な金属材料およびその製造方法に関する。 背景技術
従来、 快削性をそなえた鉄、 ステンレス鋼などの鉄鋼材料、 銅合金材料、 アル ミニゥム合金材料などには 0 . 3 5〜 1 0 %程度の P bが含有されている場合が 多く、 例えば、 機械加工による切削性に優れた C u— Z n合金などの快削性銅合 金は、 J I S C 3 6 0 0、 C 3 7 0 0などとして日本工業規格 ( J I S ) に登 録され、 水栓金具、 バルブ部品、 軸受け、 歯車、 その他の用途に広く使用されて いる。
近年、 P bは人体や環境に悪影響を及ぼす有害物質とされ、 世界的にその使用 が制限される傾向にある。 上記の J I Sに規定されている P b入り快削銅合金を 水栓金具などの給水、 給湯用部品として使用した場合には、 切削加工が施される が、 その際の加工熱などの影響により P bが溶融して材料表面に付着し、 加工面 と接触する飲料水中へ溶出する。 溶出量についての規制は国内においても次第に 厳しくなつており、 現在、 厚生省令における飲料水への P bの溶出量規制は 0 . 0 1 m g / 1以下に強化されている。
B i は、 周期律表で P bの隣に位置し、 P bの特性を多くそなえているため、 P bに代えて同じく低融点金属の B i を添加する手法が提案されている (特開平 7 - 3 1 0 1 3 3号公報) 。 しかしながら、 例えば、 切削用銅合金の場合、 機械 加工条件によらず良好な被削性を得るためには、 低融点金属粒子の分散径を小さ くすることが有効であるが、 B i は P b と比べ銅合金に対する濡れ角が小さ く、 マト リ ツ クスの粒成長に伴って B i粒子も粗大化するため、 単純に B i を P bに
置き換えるだけでは、 B i粒子が微細に分散せず、 製造工程を改善しない限り十 分な被削性が得られないという問題がある。
先に発明者の 1人は本発明の発明者以外の他の発明者とともに、 快削性銅合金 において、 B i を F bに代替した場合における切削性の向上を目的として、 B i 添加の影響について検討を行つた結果として、 切削加工における加工条件に関係 なく優れた切削性を得ることができるものとして、 B i 0. 5〜 4. 0 %、 P b 0. 1〜 1. 0 %を含有し、 B i と P bが化合物としてマト リ ッ クス中に存在す る快削性銅合金を提案した (特開 2 0 0 2— 1 4 6 4 5 5号公報) 。
しかしながら、 上記提案の快削性銅合金において、 従来の P b入り銅合金と同 等の切削性を達成するためには、 B iの添加量を P bと同程度以上としなければ ならず、 B iは P bと比べて資源上希少であり、 また供給体制も十分に整ってい ないため、 きわめてコス ト高となるという難点がある。 発明の開示
発明者らは、 上記の難点を解消するために、 B i を添加した銅合金において、 切削性を確保しながら B i添加量を低減するための手法について、 試験、 検討を 重ねた結果、 B iおよび/または P bを S nと共存させることにより、 S nが B i、 P bと低融点化合物を形成して、 それぞれの単独添加量を低減することがで きることを見出した。
発明者らは、 上記の知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、 上記の知見は他 の金属材料にも適用し得ることを見出した本発明に到ったものであり、 本発明は、 B i、 Pbのうちの少なく とも 1種と S nとにより形成される低融点合金相が分 散した金属マ 卜 リ ックスの形成を特徴とし、 とく に切削用金属材料、 最も好適に は切削用銅合金に適用した場合に、 加工条件に関係なく優れた切削性が得られ、 また、 P bの溶出量規制 ( 0. 0 l mg/ 1以下) を満足させることが可能であ り、 コス ト的にも有利な金属材料およびその製造方法を提供することを目的とす る。 '
上記の目的を達成するための本発明の請求項 1による金属材料は、 金属マ ト リ ッ クス中に、 B i、 P bのうちの少なく とも 1種と S nとによつて形成される低
融点合金相が分散していることを特徴とする。
請求項 2による金属材料は、 請求項 1 において、 前記低融点合金相は、 前記金 属マト リ ッ クス中に固溶した S nと、 添加された B i および/または P bとの反 応により形成されることを特徴とする。
請求項 3による金属材料は、 請求項 1 または 2において、 前記低融点合金相が 前記金属マ ト リ ッ クス中に 1 0 4 個/ m m 3 以上分散していることを特徴とする。 請求項 4による金属材料は、 請求項 1 〜 3のいずれかにおいて、 切削用に供さ れることを特徴とする。
請求項 5による金属材料は、 請求項 1 〜 4のいずれかにおいて、 前記金属マト リ ッ クスが銅合金からなることを特徴とする。
請求項 6による金属材料は、 請求項 5において、 前記銅合金が C u— Z n系合 金からなることを特徴とする。
請求項 7による金属材料は、 請求項 5または 6において、 前記銅合金または C u - Z n系合金の F e含有量が 0 . 5 %以下に規制されることを特徴とする。 請求項 8による金属材料は、 請求項 5 〜 7のいずれかにおいて、 前記銅合金ま たは C u— Z n系合金が 0 . 6 %以下の P bを含有することを特徴とする。
請求項 9による金属材料は、 請求項 4〜 8のいずれかにおいて、 前記低融点合 金相が金属マ 卜 リ ッ クス中に体積率で 0 . 3 5 〜 1 0 %形成されていることを特 徴とする。
請求項 1 0による金属材料は、 請求項 5 〜 7のいずれかにおいて、 S n l . 0 〜 3 . 5 %を含有し、 B i と P bを総量で 0 . 4 〜 0 . 6 %含有することを特徴 とする。
請求項 1 1 による金属材料は、 請求項 9において、 S n 2 . 0 〜 4 . 5 %を含 有し、 B i と P bを総量で 0 . 4〜 0 . 6 %含有することを特徴とする。
請求項 1 2による金属材料は、 請求項 1 0または 1 1 において、 Fを含有する ことを特徴とする。
請求項 1 3による金属材料は、 請求項 1 2において、 P 0 . 0 2 〜 0 . 0 4 o/o を含有することを特徴とする。
請求項 1 4による金属材料は、 請求項 1 3において、 鐃造材として切削用に供
されることを特徴とする。
請求項 1 5による金属材料は、 請求項 5〜 7のいずれかにおいて、 前記銅合金 または C u— Z n系合金が S nおよび B i を含有し、 B i 0. 3〜 2. 9 %を含 有することを特徴とする。
請求項 1 6による金属材料は、 請求項 5〜 7のいずれかにおいて、 前記銅合金 または C u— Z n系合金が S nおよび P bを含有し、 P b 0. 2〜 0. 6 %を含 有することを特徴とする。
請求項 1 7による金属材料は、 請求項 5 ~ 7のいずれかにおいて、 前記銅合金 または C u— Z n系合金が S n、 8 1ぉょぴ0. 6 %以下の P bを含有し、 P b の含有量が 0. 2 %未満の場合には B i を ( 0. 3 %— P b含有量%x l . 5 ) 〜 (.2. 9 o/o— P b含有量0 /ox 1 . 5 ) %含有し、 P bの含有量が 0. 2〜 0. 6 %の場合には ( 2. 9 %— P b含有量0 /0x 1. 5 ) %以下であることを特徴と する。
請求項 1 8による金属材料は、 切削用に供される請求項 5〜 1 7のいずれかに 記載の金属材料であって、 金属マ ト リ ッ クス中に分散する低融点合金相が、 硬質 で脆い合金相と隣接して析出、 分散していることを特徴とする。
請求項 1 9による金属材料は、 請求項 1 8において、 低融点合金相と隣接する 前記硬質で脆い合金相が、 金属マト リ ッ クス中に体積率で 1 0 %以下存在するこ とを特徴とする。
請求項 2 0による金属材料の製造方法は、 切削用に供される請求項 4に記載の 金属材料を製造する方法であつて、 S nと B i、 P bの少なく とも 1種を含有す る金属マ ト リ ックスを、 該金属マ ト リ ッ クス中に S nが均一に固溶する温度まで 加熱し、 S nおよび S nと金属マ ト リ ッ クスとの合金相の析出が生じないような 十分に速い冷却速度で冷却した後、 再加熱することによって固溶した S nと、 B iおよび/または P bを反応させ、 形成される低融点合金相を均一に分散させる ことを特徴とする。
請求項 2 1による金属材料の製造方法は、 切削用に供される請求項 4に記載の 金属材料を製造する方法であって、 S nと B i、 P bの少なく とも 1種を含有す る金属マ ト リ ックスを、 該金属マ ト リ ッ クス中に S nが均一に固溶する温度まで
加熱し、 固溶した S nと B i および/または P bが反応するような十分に遅い冷 却速度で冷却し、 均一に分散した低融点合金相を形成することを特徴とする。 請求項 2 2による金属材料の製造方法は、 切削用に供される請求項 4に記載の 金属材料を製造する方法であって、 S nと B i 、 P bの少なく とも 1種を含有す る金属マ ト リ ックスを 4 0 0 °C以上の温度域に 1分以上保持することによって、 金属マト リ ッ クス中に低融点合金相を析出させることをと特徴とする。
請求項 2 3による金属材料の製造方法は、 請求項 2 0〜 2 2にいずれかにおい て、 前記金属マト リ ッ クスが銅合金からなることを特徴とする。
請求項 2 4による金属材料の製造方法は、 請求項 2 3において、 前記銅合金が C u - Z n系合金からなることを特徴とする。
請求項 2 5による金属材料の製造方法は、 金属マト リ ッ クスが銅合金からなる 請求項 5に記載の金属材料の製造方法であって、 熱間加工工程を有し、 熱間加工 後冷却し、 熱間加工のまままたは冷間加工を加えた後、 4 0 0 °C以上の温度に再 加熱して 4 0 0 °C以上の温度域に 1分以上保持することを特徴とする。
請求項 2 6による金属材料の製造方法は、 請求項 2 5において、 熱間加工後冷 却し、 冷間抽伸加工を加えた後、 4 0 0 °C以上の温度に再加熱して 4 0 0 °C以上 の温度域に 1分以上保持することを特徴とする。
請求項 2 7による金属材料の製造方法は、 金属マ ト リ ッ クスが銅合金からなる 請求項 5に記載の金属材料の製造方法であって、 熱間加工工程を有し、 熱間加工 後、 4 0 0 °C以上の温度域に 1分以上保持されるよう冷却することを特徴とする。 請求項 2 8による金属材料の製造方法は、 請求項 2 0〜 2 7のいずれかにおい て、 断面減少率 5〜 3 0 %の最終冷間加工を施すことを特徴とする。
請求項 2 9による金属材料の製造方法は、 請求項 2 8において、 最終冷間加工 を断面減少率 1 0〜 2 0 %で行う ことを特徴とする。 発明を実施するための最良の形態
本発明の特徴について説明すれば以下のとおりである。
( 1 ) S nは、 B i および P b と共晶により低融点合金を生成する。 共晶合金で あるため、 この低融点合金は、 B i および P b単独の場合より融点が低い。 また、
共晶組成が B i の場合で 5 7 %、 P bの場合で 3 8。/Qであるため、 B i および P bの添加量に対して約 1倍の効果が得られる。
( 2 ) とく に銅合金に B i、 P b、 S nを添加した場合、 B i および P bはマ ト リ ックス中に固溶せず単独で存在する。 S nはマ ト リ ッ クス中に固溶するが、 熱 処理により固溶した S nは B i、 P b と反応して低融点合金相を生成する。
( 3 ) 金属マト リ ックス中に微細分散した低融点合金相は、 8 1 ぉょび?ヒ単独 の場合より融点が低いため、 B i および P bの場合より も少量のマト リ ッ クス 1 m m 3 当たり 1 0 4 個以上の分散粒子数分布により良好な切削性が得られる。
( 4 ) とく に銅合金の場合には、 S nの固溶量は温度の上昇とともに増大するた め、 高温から高速で冷却することにより S nの析出を抑制してマ ト リ ッ クス中に S nを固溶させることができる。 C u— Z n系合金においては、 高温になると、 S n固溶限の高い 相の比率が増加するため、 高温から高速で冷却することによ つて、 さらに S nの濃度を均一にすることができる。
( 5 ) 高温から高速で冷却すれば、 濃度が一定の場合には分散粒子数が増加する ので、 一定量の分散粒子数を得るための添加濃度は低くて足りる。
( 6 ) 固溶した S nと、 分散した B i、 P bは、 再加熱により合金化する。 合金 化は、 S nを高濃度で均一に固溶させ、 且つ B i、 P bの分散粒子数を増加させ ることによ り、 拡散距離が短くなり反応を容易とすることにより促進される。 ま た、 合金化は B i、 P bの存在位置において生じるため、 B i、 P bを微細分散 させることにより、 合金相の微細分散を達成することができる。 銅合金の場合、 4 0 0で以上の温度 (材料温度) に再加熱して 4 0 0 °C'以上の温度域に 1分以上 保持することによって、 熱間押出加工温度に関係なく低融点化合物の生成が促進 される。
( 7 ) 上記の再加熱は、 銅合金などの金属材料を熱間加工後、 徐冷することによ つても代用することができる。 熱間加工直後においては、 S nの均一固溶および B i、 F bの均一分散が達成され、 徐冷することにより再加熱と同等の温度状態 が得られるため合金化反応が進行する。 徐冷は、 4 0 0で (材料温度) 以上の温 度から 4 0 0 °Cまでの温度域を 1分以上かけて通過するよう冷却すればよい。
( 8 ) B i および P b と合金化させるための S n量は、 化学量論量より多い方が
効率良く反応させることができるが、 S n量が過剰な場合には金属マト リ ッ クス と反応し硬質相が分散する。 言い換えれば、 金属マト リ ッ クスとの反応により析 出した硬質相が、 低融点合金相と複合分散している場合には、 S nと B i、 P b の合金化が十分に行われているという ことができる。
( 9 ) とく に金属マ ト リ ックスが銅合金の場合には、 上記の硬質相が多量に存在 すると冷間加工性が阻害されるから、 マ ト リ ックス中に体積率で 1 0 %以下とす ることが望ましい。 金属マ ト リ ッ クスが銅合金、 とく に C u— Z n系合金の場合 には、 過剰な S nとの反応により C u Z n S nを主成分とする硬くて脆い Ί相が 低融点合金相に隣接して形成される。
( 1 0 ) とく に金属マ ト リ ッ クスが銅合金の場合には、 金属マ ト リ ックス中に分 散する低融点合金相が、 硬質で脆い合金相と隣接して析出、 分散することにより、 良好な切削性を得ることができる。 C u— Ζ η系合金においては、 切削性を向上 させる iS相が存在するため、 相と硬質ァ相および低融点合金相との共存により 優れた切削性を得ることができる。
( 1 1 ) 金属マ ト リ ツ クスを銅合金とする金属材料においては、 低融点合金相を マ ト リ ツクス中に体積率で 0. 3 5〜 1 0 %存在させることにより、 従来の P b 含有切削用銅合金において同量の P bを存在させた場合と同等以上の切削性を得 ることができる。
( 1 2 ) 本発明においては、 P b、 B i の単独添加量を低減するための複合添加 元素として S nを選択したものであり、 S nと共に、 P bおよび/または B i を 添加することができるが、 F bが添加される場合には、 P bの溶出量規制、 0.
0 1 m g / 1以下を達成するために、 ? 1)の含有量を 0. 6 %以下にすることが 必要である。
また、 金属マ 卜 リ ッ クスが C u— Z n合金などの銅合金からなる切削用金属材 料の特徴について以下に説明すると、 S nが B i と共存する場合、 共晶により低 融点化合物を生成する。 S nと B i の共晶組成は S n— 5 7 % B i であることを 考慮すると、 B i の好ましい含有量は 0. 3〜 2 . 9 %の範囲とするのが好まし い。
S nが P b と共存する場合、 共晶により低融点化合物を生成する。 S nと P b
の共晶組成は S n— 3 8 %P bであることを考慮すると、 P bの好ましい含有量 は 0. 2〜 1. 9 %の範囲とするのが好ましいが、 F bの溶出量規制、 0. 0 1 m g / 1以下を達成するために、 前記のように、 P bの含有量を 0. 6 %以下に することが必要であるから、 F bの好ましい含有範囲は 0. 2〜 0. 6 %である。
S nが B i、 P bと共存する場合にも、 共晶により低融点化合物が生成する。 この場合における B i、 P bの含有量については、 13の含有量は 0. 6 %以下 にすることが必要であるから、 P bの含有量に対応する B iの好ましい含有量は、 Pbが 0. 2 %未満の場合には、 ( 0. 3 %— P b含有量0 /0x l . 5 ) 〜 ( 2. 9 %— P b含有量%x 1. 5 ) 、 ? 13が0. 2〜 0. 6 %の場合には、 ( 2. 9 %— P b含有量0 /0x 1 . 5 ) 以下である。
S nの含有量については、 S n— B i、 S n— P b、 S n— B i — P bの低融 点化合物の生成に必要な共晶組成に基づく含有量が最低限必要であるから、 好ま しく は 0. 3 %以上である。
金属マト リ ッ クスが C u— Z n合金などの銅合金からなる切削用金属材料にお いて、 上記の組成のものでは、 前記のように、 熱間押出後の再加熱処理や徐冷処 理により良好な切削性を得ることができ、 このための適切な熱処理条件を選択す ることが必要となるが、 銅合金の組成を以下の (A) 、 (B) とするすることに より、 熱処理条件に影響されることなく切削性の良好な状態を得ることが可能と なる。
( A) S n 1. 0〜 3. 5 %を含有し、 B i と P bを総量で 0. 4〜 0. 6 %含 有する銅合金。
(B) S n 2. 0〜4. 5 %を含有し、 B i と P bを総量で 0. 4〜 0. 6 %含 有する銅合金。
S nと B iおよび/または P bとの反応により形成される低融点合金相が十分 な量、 すなわちマト リ ッ クス中に 1 04 個/ mm 3 以上分散させるためには、 B i と P bを総量で 0. 4 %以上含有させることが必要であり、 熱処理後、 S nお よび S nと金属マ ト リ ッ クスとの合金相の析出が生じないような十分に速い冷却 速度で冷却した場合においても上記の量の低融点合金相を分散させるためには、 S n濃度を し 0 %以上とすることが必要である。 しかしながら、 多量の低融点
合金相が生成されると、 熱処理条件によっては低融点合金相が粗大化し、 切削加 ェ時に割れが生じ易く なるため、 切削加工時の割れ抑制のために、 B iおよび P bの総量を 0. 6 %以下とするとともに、 S n濃度を 3. 5 %以下にするのが好 ましい。
熱処理後、 S nおよび S nと金属マト リ ッ クスとの合金相が析出する場合にお いて、 S nと B iおよび/または Fbとの反応により形成される低融点合金相が マ ト リ ッ クス中に 1 04 個/ mm 3 以上、 体積率で 0. 3 5〜 1 0 %分散する状 態を得るためには、 B i と P bを総量で 0. 4 %以上含有させ、 且つ S nを 2. 0 %以上含有させることが必要である。 この場合も、 多量の低融点合金相が生成 されると、 熱処理条件によっては低融点合金相が粗大化し、 切削加工時に割れが 生じ易くなるため、 切削加工時の割れ抑制のために、 B iおよび P bの総量を 0 . 6 %以下とするとともに、 S n濃度を 4. 5 %以下にするのが好ましい。
上記 (A) 、 (B) の組成を有する銅合金は铸造材 (铸物) として切削用に供 されることができるが、 C u— Z n合金においては、 S nおよび B iが含有され ると溶湯の流動性が阻害される。 これは、 溶湯の粘度が上昇することによる直接 的な流動性低下と、 デンドライ 卜の成長が促進されることにより生じる凝固時の 見掛け上の流動性の低下に起因する。 溶湯の流動性が低下すると、 肉厚の鎊物を 製造する場合には凝固割れが生じ易く、 薄肉の鎊物を製造する場合には欠肉が生 じ易くなる。 溶場の流動性を向上させるためには、 溶湯の粘度を低下させること、 およびデン ドライ トの成長を抑制することが有効であり、 Pの添加が効果的であ り、 Pの好ましい添加量は 0. 0 2〜 0. 0 4 %である。 Pの添加量が 0. 0 4 %を越えても、 それ以上の流動性の改善効果が得られない。 ビレッ トに造塊して 熱間押出を行う場合には、 剪断割れがを生じるなどの弊害があり、 健全な押出材 を得るための押出条件が制約される。
本発明に係る C u— Z n合金の製造において、 同じ C u— Z n系スクラップを 使用することは作業面、 コス ト面などで有利となる。 J I S 3 0 0 0 ¾ (C u— Z n系) 合金に含まれる P bは、 B i と比較して表面エネルギーが低いため粒状 化して微細化する傾向にある。 しかしながら、 B i と P bとの共晶が生じた場合 には、 P bの表面エネルギーが増大し、 一定量以上の B i を含有すると、 P b単
独のときのようには微細分散せず粗大化する。 低融点金属粒子は、 母材とは非整 合であるため、 母材の変形時には欠陥として作用することを考慮すると、 低融点 金属粒子が粗大化すると、 微細分散する場合に比較して延性を低下させる要因と なるから、 F bを含む C u - Z n系合金の製造に多く の B i を含む C u— Z n系 スクラップを使用することには問題がある。 8 含有量を 0 . 6 %程度以下に規 制すれば延性低下を抑制することができるから、 上記 (A ) 、 ( B ) の組成を有 する C u— Z n合金のスクラップは、 鉛含有黄銅の原料として適用されることが 可能となる。
C u— Z n系 (黄銅系) 銅合金マト リ ッ クスに S nを含有させ、 B i、 P bの 1種または 2種を含有させた場合には、 S nは C u— Z n— S n三元合金相を形 成し、 B i— P bは独立相として存在するので、 マ ト リ ッ クス中に、 これら低融 点金属を低融点化合物として存在させるために、 4 0 0 °C以上、 好ましくは 5 0 0 °C以上の温度 (材料温度) で熱間押出加工を行う。
銅合金を金属マト リ ッ クスとする本発明の金属材料について機械加工、 とく に 高速切削を行う場合には、 材料を高速回転させるため、 材料に曲がりがあると加 ェ機に振動を与え、 結果として加工精度が低下する。 熱間押出材は伸直度が良く ないから、 加工精度を向上させるために、 熱間押出加工後、 冷間引き抜き加工を 行って伸直度を上げておく ことが好ましい。
最終的には冷間加工を行って製品とするが、 冷間加工は、 材料硬度を増加させ、 切削くず処理性を向上させるともできるが、 過剰な冷間加工は切削抵抗を増加さ せ、 工具の損傷や被削面粗度を低下させる原因となるから、 製品になる直前の最 終冷間加工の断面減少率は 5〜 3 0 %、 さ らに好ましく は 1 0〜 2 0 %とするの が望ましい。
なお、 銅合金を金属マ ト リ ッ クスとする本発明の金属材料の製造において、 ス クラップを使用した場合には、 不純物としての F eの混入は避けられないが、 多 量の F eの含有は、 大小の結晶粒を混在させるため、 機械的性質を不安定化する 要因となるから、 6の含有は 0 . 5 %以下に規制することが望ましい。 以下、 本発明の実施例として、 金属マ ト リ ッ クスが銅合金からなる金属材料を
比較例と対比して説明するとともに、 それに基づいてその効果を実証する。 なお、 これらの実施例は、 本発明の好ましい一実施態様を説明するためのものであって、 本発明はこれに限定されるものではない。
実施例 1
C u、 Z n、 S n、 B i、 P bの新地金を主原料として成分元素の濃度を調整 した表 1に示す組成の合金 (合金 N 0. 1 - 1 0 ) を溶解、 铸造し、 直径 2 9 4 mmのビレツ 卜に造塊した。 つぎに、 得られたビレツ トを、 表 2に示す条件で直 径 1 6. 4〜 1 9. 1 mmの棒材に熱間押出加工し、 熱間押出後、 合金 N o . 2 〜 4、 7、 9については、 表 2に示す条件で冷却した。
熱間押出後の冷却は、 熱間押出材を巻き取るコイルパンを断熱材で覆うことに よって表 2に示すように押出後の冷却速度を調整した。 冷却後、 断面減少率 5〜 3 0%で冷間抽伸加工し、 さらに矯正仕上げ加工を行い、 直径 1 6 mmの棒材と した。
合金 N o . 1、 5〜 6、 8については、 熱間押出後、 断面減少率 1 0 %で冷間 抽伸を行った後、 表 2に示す条件で熱処理を行い、 さ らに断面減少率 5〜 3 0 % で冷間抽伸加工し、 矯正仕上げ加工を行って直径 1 6 mmの棒材とした。 熱処理 は、 電気炉を用いて所定温度に所定時間保持した後冷却する条件で行つた。
矯正仕上げ加工後の棒材 (試験材) について、 下記の方法によ り、 低融点化合 物の含有量 (比率) および粒子数を求め、 切削性の評価を行い、 Pb溶出試験を 行って P b溶出量を測定した。 評価結果、 測定結果を表 4に示す。
低融点化合物の含有量 (比率) : 試験材の横断面を E PMAにより面分析し、 B i単独相、 1)単独相ぉょび8 1、 P bが S nと重なる相の面積率ならびに粒 子数を画像解析により求め、 これを体積率ならびに単位体積当たりの粒子数に換 算することにより求める。
切削試験 :表 3に示す条件で切削加工を行い、 いずれの切削条件においても切 粉が微細に分断して被削性が優れていたものは◎、 いずれか 1つの条件でも切屑 がカールしたものは〇として、 ◎および〇のものを合格とし、 いずれか 1つの条 件でも切屑が連続したもの (パーマネント状になったもの) は不合格 (X ) とし た。
P b溶出試験:試験材から切削加工により表面積 3 0 0 O mm2 の素材を 1 0 本作製し、 これを試験片として、 密閉容器中に 1 0 0 Om Iの試験液に浸漬する ように封入し、 厚生労働省令に準拠した方法により試験を行い、 J I S 1 5 A バルブの接触表面積および内容積で規格化して、 0. O l mg/ 1以下を満足す るものを合格 (〇) 、 0. O l mg / 1以下を満足しないものを不合格 ( X ) と した。
表 1 ム ' 組成(mass %)
、 '
No Cu Bi Pb Sn Fe Zn
1 59.0 1.5 ― 0.5 R
2 62.0 1.3 -- 0.6 ― R
3 58.5 0.3 ― 1.3 一 R
4 61.5 0.3 0.2 0.9 ― R
5 59.8 2.9 ― 0.7 ― R
6 61.8 0.7 0.3 0.4 ― R
7 61.1 1.8 ― 1.1 ― R
8 59.1 ― 0.6 0.8 一一 R
9 58.9 0.8 0.2 1.2 ― R
10 60.7 2.0 一 1.0 —一 R
表 1
表 3 切削モ一ド 外周切削
工具形状 TPGN160304
ホルダ形状 0TGPR2525H3 緒刃先名称 (0 5 1 1 6 30 0 0. 4) 工具材質 10
切削速度 100mm/分
送り量 0. 05, 0. 10, 0. 20mra/rev 切り込み量 0. 5, 1. 0, 1. 5ram 潤滑
表 4
表 4にみられるように、 本発明に従う試験材 N o . 1 〜 1 0はいずれも切削加 ェ条件によらず優れた快削性を示した。 また、 P b溶出量はいずれも、 0 . 0 1 m g / 1以下で、 規制値をク リアし得るものであった。 比較例 1
C u、 Z n、 S n、 B i 、 P bの新地金を主原料として成分元素の濃度を調整 した表 5に示す組成の合金 (合金 N 0. 1 1 〜 1 9 ) を溶解、 铸造し、 直径 2 9 4 mmのビレツ トに造塊した。 つぎに、 得られたビレツ トを、 表 6に示す条件で 直径 1 6 . 4〜 1 9 . 1 mmの棒材に熱間押出加工し、 熱間押出後、 合金 N o . 1 3〜 1 5 、 1 7については、 表 6に示す条件で冷却した。
熱間押出後の冷却は、 熱間押出材を卷き取るコイルパンを断熱材で覆う ことに
よって表 6に示すよう'に押出後の冷却速度を調整した。 冷却後、 断面減少率 5 3 0 %で冷間抽伸加工し、 さ らに矯正仕上げ加工を行い、 直径 1 6mmの棒材と した。
合金 N 0. 1 1 1 2 1 6 1 8 1 9については、 熱間押出後、 断面減少 率 1 0 %で冷間抽伸を行った後、 表 6に示す条件で熱処理を行い、 さらに断面減 少率 5 3 0 %で冷間抽伸加工し、 矯正仕上げ加工を行って直径 1 6 mmの棒材 とした。 熱処理は、 電気炉を用いて所定温度に所定時間保持した後冷却する条件 で行った。
矯正仕上げ加工後の棒材 (試験材) について、 実施例 1 と同じ方法により、 低 融点化合物の含有量 (比率) を求め、 切削性の評価を行い、 P b溶出試験を行つ て P b溶出量を測定した。 評価結果、 測定結果を表 7に示す。
表 5 組成(mass %)
金
No Cu Bi Pb Sn Fe Zn
11 60.3 0.2 ― 0.7 一 R
12 61.1 一一 0.1 0.5 ― R
13 59.5 1.4 0.7 1.2 R
14 60.7 7.2 0.2 3.1 —- R
15 59.3 0.2 0.1 0.7 一 R
16 60.7 0.7 0.8 0.4 一一 R
17 58.4 1.1 0.6 0.8 一 R
18 59.7 0.7 0.2 0.6 R
19 60.4 1.6 0.03 0.7 R
表 6 条 押出温度 押出後冷却速度 熱処理条件 件
No °C °C /秒 °C X時間—冷却
11 620 ― 560 X 10分→空冷
12 570 —一 580 X 60分→水冷
13 610 3 一
14 520 1 --
15 540 2. 5 一
16 580 -- 590 X 10分→空冷
17 490 15 —―
18 580 一 390 X 60分—空冷
19 520 ― 400 X 50秒—空冷
表 7
表 7に示すように、 試験材 N o . 1 1、 1 2は低融点合金の含有量が少ないた め低融点合金粒子数も少なくなり、 切削条件によっては被削屑が分断されずパー マネント状となり、 十分な切削性が得られない。 試験材 N 0. 1 3、 1 6は P b の含有量が多いため、 P b溶出量が多くなつた。 試験材 N o . 1 4は低融点合金 の含有量が多いため、 抽伸加工時に破断が生じ、 切削試験に供することができな かった。 試験材 N o . 1 5、 1 7は熱間押出後の冷却速度が大きいため、 試験材 N o . 1 8は熱処理温度が低いため、 また試験材 N o . 1 9は熱処理時間が短い ため、 いずれも低融点合金粒子数が少なくなり、 切削条件によつては被削屑が分 断されずパーマネン ト状となり、 十分な切削性が得られない。 実施例 2
C u、 Z n、 S n、 B i 、 P bの新地金を主原料として成分元素の濃度を調整
した表 8に示す組成の合金 (合金 N o . 2 0〜 2 8 ) を溶解、 鏡造し、 直径 2 9 4 mmのビレッ トに造塊した。 つぎに、 得られたビレッ トを、 6 0 0 °Cで直径 2 4 mmの棒材に熱間押出加工し、 熱間押出後、 断面減少率 1 0 %の冷間抽伸加工 を行った。 ついで、 6 0 0 °Cの温度に加熱し、 合金 N 0. 2 0〜 2 5については 水冷し、 合金 N o . 2 6〜 2 8については空冷する熱処理を行った後、 断面減少 率 1 0 %の冷間抽伸加工を施し、 矯正仕上げ加工を行って直径 2 O mmの棒材と した。 なお、 熱処理は電気炉を用いて所定温度に加熱したのち冷却する条件で行 つた。
矯正仕上げ加工した棒材 (試験材) について、 実施例 1 と同じ方法により低融 点化合物の含有率 (比率) および粒子数を求め、 切削性の評価を行った。 また、 下記の方法により、 J I S C 3 0 0 0系合.金製造時のスクラップとしての使用可 否を評価した。 結果を表 9に示す。
スクラップ使用可否評価方法 : 試験材を主原料として成分元素を J I S C 3 6 0 4に規定する濃度に調整した合金を溶解、 铸造し、 直径 2 9 4 mmのビレツ ト に造塊し、 得られたビレツ トを、 6 5 0 °Cで直径 2 2 mmの棒材に熱間押出加工 し、 熱間押出後、 断面減少率 1 0 %の冷間抽伸加工を行い、 さらに矯正仕上げ加 ェを行って直径 2 ◦ mmの棒材とした。 この棒材と、 J I S C 3 6 0 4のスクラ ップのみを用いて同様の方法で製造した棒材との機械的性質を比較した。 機械的 性質の比較は、 引張試験を行って測定した強度および延びを比較することにより 行い、 強度、 延び共に J I S C 3 6 0 4のスクラップ使用材と同等 (誤差 1 0 % 以内) のものを合格 (◎) 、 強度、 延びの低下率が 1 0 Q/oを越えるのものを不合 格 ( X ) とした。
表 8 組成(mass %)
Cu Bi Pb Sn P Zn
59.6 0.5 ― 1.6 0.02 R
60.2 0.5 0.1 3.2 0.03 R
61.1 0.3 0.2 3.5 0.02 R
60.8 一 0.5 1.0 0.02 R
58.9 0.2 0.2 2.7 0.04 R
59.3 0.6 -— 3.1 0.03 R
60.4 0.1 0.3 4.2 0.02 R
61.5 0.3 0.2 4.5 0.04 R
59.1 0.2 0.3 2.0 0.03 R
表 9
表 9にみられるように、 本発明に従う試験材 N o . 2 0 2 8はいずれも、 切 削加工条件によらず優れた被削性を示し、 そのスクラップを J I S C 3 0 0 0系 合金製造における原料として使用しても脆化を生じることがなかった。 比較例 2
C u Z n S n B i P bの新地金を主原料として成分元素の濃度を調整 した表 1 0に示す組成の合金 (合金 N 0. 2 9 3 6 ) を溶解、 鐃造し、 直径 2 9 4 mmのビレッ トに造塊した。 つぎに、 得られたビレッ トを、 6 0 0 °Cで直径
2 4 mmの棒材に熱間押出加工し、 熱間押出後、 断面減少率 1 0 %の冷間抽伸加 ェを行った。 ついで、 6 0 0 °Cの温度に加熱し、 合金 N o . 2 9 3 2 3 7
3 8については水冷し、 合金 N o . 3 3 3 6については空冷する熱処理を行つ た後、 断面減少率 1 0 %の冷間抽伸加工を施し、 矯正仕上げ加工を行って直径 2
O mmの棒材とした。 なお、 熱処理は電気炉を用いて所定温度に加熱したのち冷 却する条件で行った。
矯正仕上げ加工後の棒材 (試験材) について、 実施例 2 と同一の方法により、 低融点化合物の含有量 (比率) および粒子数を求め、 切削性の評価、 J I S C 3
0 0 0系合金製造のスクラップとしての使用可否の評価を行った、 結果を表 1 1 に示す。
表 1 0 組成(mass %)
金
No Cu Bi Pb Sn P Zn
29 59.8 0.7 -- 3.4 0.03 R
30 60.3 0.3 0.2 3.6 0.02 R
31 68.8 0.1 0.4 0.9 0.02 R
32 62.1 0.2 0.1 2.7 0.04 R
33 58.9 0.7 ― 4.1 0.03 R
34 61.2 ― 0.3 2.2 0.04 R
35 60.4 0.3 0.2 4.6 0.02 R
36 59.7 0.2 0.3 1.9 0.03 R
37 60.1 0.6 ― 3.4 0.01 R
38 58.9 0.3 0.2 1.8 0.05 R
表 1 1
表 1 1に示すように、 試験材 N 0. 2 9、 3 0 3 3 3 5は低融点合金が粗 大化し、 切削条件によって割れが生じる。 さ らに試験材 N o . 2 9 3 3は8 1 含有量が多いため、 J I S C 3 0 0 0系合金製造のスクラップとして使用した場 合に脆化が生じる。 試験材 N o . 3 1、 3 2、 3 4 3 6は低融点化合合金粒子 数が少ないため、 切削条件によっては切屑が分断されずパーマネン ト状となり、 十分な切削性が得られない。 試験材 N o . 3 7は P含有量が少ないため、 錶造時 に割れが生じ加工することができなかった。 試験材 N o . 3 8は P含有量が多い ため、 熱間押出時に割れが生じ切削試験ができなかった。 産業上の利用可能性
本発明によれば、 切削用金属材料、 とく に切削用銅合金に適用した場合に、 加
ェ条件に関係なく優れた切削性が得られ、 また、 P bの溶出量規制 ( 0 . 0 1 m g / 1以下) を満足させることが可能であり、 コス ト的にも有利な金属材料およ びその製造方法が提供される。 本発明よる金属材料は、 配線器具、 スィッチ、 リ レー、 コネクタ、 電気機器用パネ、 カメラ部品、 計器盤部品、 時計部品、 軸受け、 ブッシュ、 ボルト、 ナッ ト、 ヮッシャ、 スピン ドル、 シャフ ト、 軸、 送りバネ、 バルブ、 金物、 ファスナ、 鋇、 かぎ針、 ピン、 眼鏡部品、 ライター部品、 ボール ペン部品、 べッ ド、 カーテンレール、 薬きよ う、 熱交換器用部品、 浴室部品、 ト ィ レ部品、 台所部品など、 切削加工に供される用途に好適に使用される。