JPWO2004040305A1 - 化合物の固相担体への固定化方法 - Google Patents

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知弘 寺田
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鶴紀 田村
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秀典 中島
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Abstract

本発明は、解析対象の分子を当該分子側の結合位置を特定することなく固相担体に結合することによって得られる分子固定化固相担体の混合物を用いて、当該固相上で該分子と特異的に相互作用する分子との間での特異相互作用を解析する方法、特に、当該固定化が、当該分子に、当該分子側の結合位置を特定することなく導入されたスペーサーを介して行われるものである、方法を提供し、当該方法によれば従来必須とされてきた構造活性相関を検討することなく、解析対象の分子に特異的な相互作用を有する分子のみを同定、選別することが可能となり、これらの分子間の相互作用を解析することが可能となる。

Description

本発明は、化合物(対象分子、特に低分子化合物)の固定化技術についての基盤技術に関する。より具体的には、対象となる分子を固相担体に固定し、低分子−高分子、低分子−低分子あるいは高分子−高分子相互作用を測定、あるいは特異的な相互作用をベースとしターゲット分子を精製する際により効率的な対象分子の固相担体への固定化を可能にする技術に関する。
対象分子(特に低分子化合物)を固相担体に固定し、あるいは他の分子と結合し、低分子−高分子、低分子−低分子あるいは高分子−高分子相互作用を測定、あるいは特異的な相互作用をベースとしターゲット分子を精製する方法は様々な領域で活用されている。例えば、新規創薬ターゲット探索を目的としたアフィニティー樹脂を用いたターゲット蛋白研究が著名である。この研究の代表例としては、1989年のシュライバー教授によるアフィニティー樹脂を用いた免疫抑制剤FK506の結合蛋白質FKBP(FK506 binding proteins)の発見(FK506の細胞内結合蛋白質としてのFKBP12の発見;例えば「ネイチャー(Nature)」,(英国),1989年10月26日,第341巻,p.758−760参照)、および引き続き行われたFK506−FKBP複合体によるFK506薬効メカニズムにおけるカルシニューリン阻害作用の発見(例えば「セル(Cell)」,(米国),1991年8月23日,第66巻,第4号,p.807−815参照)や、抗がん剤Trapoxinのターゲット蛋白質としてのHDAC(例えば「サイエンス(Science)」,(米国),1996年4月19日,第272巻,p.408−411参照)発見等が有名である。
しかし、これまでは、低分子を固相担体に固定するためには、低分子構造の中で、活性に悪影響を起こさない位置に選択的にスペーサーを導入することが必要とされていた。そのため、ターゲット分子を探索し精製する、あるいは対象分子とそのターゲットとの相互作用を解析するという研究を遂行するには、事前に対象低分子化合物に関する広範な構造活性相関研究を行い、求める活性の消失を引き起こさない構造上の部位を同定することが必須とされてきた。しかし、この検討には膨大な数の化合物をそれぞれ個別に1から合成し、その薬理活性を測定する必要があるため、多大な投資と時間を必要としていた。また、限られた研究期間の範囲において、求める化合物を得ることが出来ない場合も多くみられターゲット探索研究そのものを断念せざるを得ない場合も存在している。すなわち、必須とされる構造活性相関研究が上記研究を遂行するにあたり大きな障害となってきた。
近年、有効な創薬ターゲット探索を目的とし、ゲノム創薬に多大な投資がなされているが、アフィニティー樹脂を用いたターゲット探索研究はゲノム研究に比べ効率的な投資が可能なことから上述の障害を克服する新たな手法が待たれていた。
本発明は、構造活性相関研究を必須とすることなく、固相担体上での分子間相互作用解析ならびに当該解析をもとに対象化合物(リガンド)のターゲット分子を探索し得る方法の提供を目的とする。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく、リガンドに関する構造活性相関に関する検討を行うことなく、1)リガンドにもともと存在する官能基(以下、リガンド固有の官能基と称する)を利用し、あるいは2)リガンドに新たに導入した官能基を利用し、この官能基を直接的に固定化反応に利用あるいは適当なスペーサーを介し間接的に固定化反応に利用する方法を考案し、低分子化合物を固定化するための一般的な方法を開発した。
すなわち、1)リガンド自身に活用可能な官能基がもともとある場合:リガンド固有の官能基を利用し、この官能基を直接的に固定化反応に利用あるいは適当なスペーサーを介して間接的に固定化反応に利用することによって、リガンドのターゲット分子を探索する方法、2)リガンドに活用可能な官能基が無い場合:リガンドに化学的あるいは酵素的な官能基付加反応を行った後、直接的に固定化反応に利用あるいは適当なスペーサーを介して間接的に固定化反応に利用することによって、リガンドのターゲット分子を探索する方法を開発した。
即ち本発明は下記の通りである。
〔1〕少なくとも以下の工程を含む、分子Aと該分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bとの相互作用を解析する方法:
(1)分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合することによって分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程、
(2)分子Bを含むかまたは含まない試料を上記(1)で得られた固相担体の混合物に接触させる工程、および
(3)分子Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、分子Aと分子Bとの相互作用を解析する工程。
〔2〕分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、分子Aと固相担体との間に分子A側の導入位置を特定することなくスペーサーを導入することを特徴とする上記〔1〕記載の方法。
〔3〕分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、(1)分子Aに官能基が導入されること、および(2)該官能基の導入が分子A側の導入位置を特定することなく行われることを特徴とする上記〔1〕記載の方法。
〔4〕スペーサーの分子Aへの導入が、分子A側の導入位置を特定することなく導入された官能基を介して行われるものである上記〔2〕記載の方法。
〔5〕分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである上記〔3〕又は〔4〕記載の方法。
〔6〕分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、酵素反応によるものである上記〔5〕記載の方法。
〔7〕酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、上記〔6〕記載の方法。
〔8〕少なくとも以下の工程を含む、分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bを選別する方法:
(1)分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合することによって分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程、
(2)分子Bを含むかまたは含まない試料を上記(1)で得られた固相担体の混合物に接触させる工程、および
(3)分子Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、分子Bを選別する工程。
〔9〕分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、分子Aと固相担体との間に分子A側の導入位置を特定することなくスペーサーを導入することを特徴とする上記〔8〕記載の方法。
〔10〕分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、(1)分子Aに官能基が導入されること、および(2)該官能基の導入が分子A側の導入位置を特定することなく行われることを特徴とする上記〔8〕記載の方法。
〔11〕スペーサーの分子Aへの導入が、分子A側の導入位置を特定することなく導入された官能基を介して行われるものである上記〔9〕記載の方法。
〔12〕分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである上記〔10〕又は〔11〕記載の方法。
〔13〕分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、酵素反応によるものである上記〔12〕記載の方法。
〔14〕酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、上記〔13〕記載の方法。
〔15〕分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合することによって得られる2種以上の分子A固定化固相担体からなる分子A固定化固相担体混合物であって、該2種以上の分子A固定化固相担体において、分子Aは分子A上のそれぞれ異なる位置で固相担体に固定化されている、分子A固定化固相担体混合物。
〔16〕分子Aの固相担体への結合が、分子Aと固相担体との間に分子A側の導入位置を特定することなく導入されたスペーサーを介して行われるものである、上記〔15〕記載の分子A固定化固相担体混合物。
〔17〕分子Aの固相担体への結合が、(1)分子Aに導入された官能基を介して行われること、および(2)該官能基の導入が分子A側の導入位置を特定することなく行われることを特徴とする上記〔15〕記載の分子A固定化固相担体混合物。
〔18〕スペーサーの分子Aへの導入が、分子A側の導入位置を特定することなく導入された官能基を介して行われるものである上記〔16〕記載の分子A固定化固相担体混合物。
〔19〕分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである上記〔17〕又は〔18〕記載の分子A固定化固相担体混合物。
〔20〕分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、酵素反応によるものである上記〔19〕記載の分子A固定化固相担体混合物。
〔21〕酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、上記〔20〕記載の分子A固定化固相担体混合物。
〔22〕アフィニティークロマトグラフィー用固相担体である、上記〔15〕〜〔21〕のいずれか1項に記載の分子A固定化固相担体混合物。
〔23〕分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合し、2種以上の分子A固定化固相担体からなる分子A固定化固相担体混合物を得ることを含むアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法であって、該2種以上の分子A固定化固相担体において、分子Aは分子A上のそれぞれ異なる位置で固相担体に固定化されている、アフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
〔24〕分子Aの固相担体への結合が、分子Aと固相担体との間に分子A側の導入位置を特定することなく導入されたスペーサーを介して行われるものである、上記〔23〕記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
〔25〕分子Aの固相担体への結合が、(1)分子Aに導入された官能基を介して行われること、および(2)該官能基の導入が分子A側の導入位置を特定することなく行われることを特徴とする上記〔23〕記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
〔26〕スペーサーの分子Aへの導入が、分子A側の導入位置を特定することなく導入された官能基を介して行われるものである上記〔24〕記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
〔27〕分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである上記〔25〕又は〔26〕記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
〔28〕分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、酵素反応によるものである上記〔27〕記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
〔29〕酵素反応が、代謝酵素によって行われるものである、上記〔28〕記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
〔30〕少なくとも(1)分子Bを含むかまたは含まない試料を上記〔15〕〜〔22〕のいずれか1項に記載の分子A固定化固相担体混合物に接触させる工程、および(2)分子Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、分子Bを選別する工程を含む、分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bのスクリーニング方法。
図1は、本発明の概念図を模式的に図示したものである。従来法と比較してある。
図2は、本発明のFK506結合アフィニティー樹脂(実施例2)を用いてlysate中のFK506に結合する蛋白質(FKBP12)を検出した結果を示す、電気泳動写真である。
レーン1:マーカー
レーン2:結合位置が確定していて既にその有効性がわかっている標準のFK506付アフィニティー樹脂(参考製造例3)
レーン3:位置を特定することなくFK506を付したアフィニティー樹脂(実施例2)
レーン4:レーン2の実験の前に行った最終洗浄の混合液A
レーン5:レーン3の実験の前に行った最終洗浄の混合液A
レーン6:実施例1(1)で述べたlysate
レーン7:レーン2の実験で樹脂との結合を終えた後のlysate
レーン8:レーン3の実験で樹脂との結合を終えた後のlysate
レーン9:マーカー(レーン1と同じ)
図3は、本発明のFK506結合アフィニティー樹脂(実施例3)を用いてlysate中のFK506に結合する蛋白質(FKBP12)を検出した結果を示す、電気泳動写真である。
レーン1:マーカー
レーン2:結合位置が確定していて既にその有効性がわかっている標準のFK506付アフィニティー樹脂(参考製造例3)
レーン3:位置を特定することなくスペーサーを介さずにFK506を直接樹脂に結合させて作成したFK506付アフィニティー樹脂(実施例3)
発明の詳細な説明
本発明の概念図を図1に示す。図1はリガンド(分子A:詳細は後述)を適当なスペーサーを介して固相担体に結合することによって分子A固定化固相担体を得る方法を模式的に示したものである。従来法ならびに本発明法を示す。従来法であれば、分子A側の生物活性に関与する結合部位が無傷で保有されている固相担体のみをあらかじめ構造活性相関を検討することによって製造するか、あるいは選別する必要があったが、本発明では、分子A側の固相担体との結合部位を確認することなく、分子A側の生物活性に関与する結合部位が損なわれている固相担体と、当該結合部位が無傷で保有されている固相担体とが混じった状態での使用が可能である。
本発明は、固相担体に固定化される分子(本明細書中、分子Aとも定義し、便宜上「リガンド」とも称する)と当該分子に対して特異的な相互作用を有する分子(本明細書中、分子Bとも定義し、便宜上「ターゲット分子」とも称する)との相互作用を解析する技術、かかる解析をもとに分子Bを同定、選別するという技術を提供する。本明細書中、リガンドならびにターゲット分子という用語は、互いに特異的な分子間相互作用を有する組み合わせを意図するものであって、当該組み合わせのうち、片方をリガンドとして固相に固定化すれば他方がターゲット分子となり、すなわちどちらを固相に固定化するかによって、それらの呼称は変更され得る。分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bは1種類とは限らず、また同様に分子Bに特異的な相互作用を有する分子Aも1種類とは限らない。本明細書では分子Aならびに分子Bという用語は、互いに異なる物質であることを明確にすべく、便宜上、AあるいはBとの符号を付したものである。ある特定の分子を指すものではなく特異的な相互作用を有する分子同士の各々を意味するものである。
「特異的な相互作用」とは、特定のリガンド(特定のターゲット分子)のみを特異的に認識して結合するような特性を発揮する作用であり、アゴニストあるいはアンタゴニストに対する特異的受容体、基質に対する酵素、そして例えばFK506(リガンド)に対するFK506結合蛋白質(ターゲット分子)や、ステロイドホルモンに対するステロイドホルモン受容体(例=dexamethasonとglucocorticoid receptor)、抗がん剤trapoxinに対するHDAC等の関係が「特異的な相互作用」に該当する。
本発明において「特異相互作用を解析する」とは、分子Aと分子Bとの間の特異相互作用の程度を、相互作用情報として得ることであって、例えばKd、Ka等の数値として得ることができる。本発明において「選別」とは、上記相互作用情報に基づき、分子Aと特異的な相互作用を有するか否かを判定し、分子Bを同定することを意味する。
本発明において用いられる固相担体は、その上で分子Aと分子Bの特異的な相互作用が生じるものであれば特に限定されず、当分野で通常使用されるものが利用でき、その後に実施する分子Bの同定、選別の工程の為に行われる方法に応じて適宜決定される。材質としては、例えば、樹脂(ポリスチレン、メタクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド等)、ガラス、金属(金、銀、鉄、シリコン等)等が用いられる。これらの固相は、いかなる形状のものであってもよく、また上記した材質の種類や、その後に実施する分子Bとの相互作用の解析、分子Bの同定、選別の工程の為に行われる方法に応じて適宜決定される。例えば板状、ビーズ状、薄膜状、糸状、コイル状等が挙げられるが、樹脂からなるビーズであればカラムに充填することによりその後の操作を簡便にし、また金属の薄膜であれば表面プラズモン共鳴によるBIACORE等の担体として好適に使用できる。またガラスプレートを用いることも好適である。
本発明において使用する固相は、上述の如く、その材質や形状に特に制限はないが、当然のことながら、分子Aが固定化されないような、あるいは分子Aが固定化されるものの分子Bとの特異的な相互作用を発揮することができないような構造上の障害を有するものは、余分な工程を経る必要があって操作が煩雑になったり、あるいは使用に耐えなかったりする場合があるので、本発明を実施する上で好ましくない。
本発明の「分子Aと該分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bとの相互作用を解析する方法」ならびに「分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bを選別する方法」では、分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合することによって得られる2種以上の分子A固定化固相担体を含む分子A固定化固相担体の混合物を用いることを通常は前提とする(1種のみの場合もありうる)。該2種以上の分子A固定化固相担体において分子Aは分子A上のそれぞれ異なる位置で固相担体に固定化されているが、それらの位置はあらかじめ特定されているものではない。分子Aの固相担体への結合は、直接的、あるいはスペーサーを介して間接的に行われる。直接的に結合させる場合には、分子A固有の官能基を利用する場合と、分子Aに新たに導入された官能基を利用する場合がある。当該新たな官能基の導入もまた、分子A側の導入位置を特定することなく行われる。また、分子Aへのスペーサーの導入も、分子A側の導入位置を特定することなく行われる。各結合あるいは導入位置の分布は、分子Aの、固相担体への結合あるいは分子Aへのスペーサーや官能基の導入に使用する各試薬に対する反応性によって、決定される。当該結合あるいは導入位置は、1箇所であっても2箇所以上であっても構わないが、上述のように、各位置の分布が、各試薬に対する反応性および反応条件によって決定されるものであるため、分子Aと用いる試薬の組み合わせおよび/または反応条件によっては分子A側の生物活性に関与する結合部位を無傷で保有させることが不可能な場合もある。
例えば、分子Bを検出する手段としての固相担体、すなわち分子A側の生物活性に関与する結合部位を無傷で保有している固相担体が混合物中に含まれない場合、例えば上述したように分子A側の生物活性に関与する結合部位が損なわれているような固相担体のみで構成されている混合物の場合が考えられるので、そのような場合には、利用する試薬や反応を変更する等により新たに別の固相担体混合物を調製して用いる。本発明の分子Aと分子Bとの相互作用を解析する方法や分子Bを選別する方法、分子Bのスクリーニング方法やアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法においては、分子Bを検出する手段として用いる固相担体が混合物中に存在するか否かを予め確認する工程を含むことが好ましい。
固相担体との結合、スペーサーの導入、官能基の導入は、分子A側の結合位置あるいは導入位置を特定することなく行われ、どの位置で各工程が行われているかを確認する必要はなく、結果として、分子Aが、分子A側の、分子Bとの結合を阻害しない位置(必要な場合には官能基および/またはスペーサーが導入されて)で固相担体に固定化された分子A固定化固相担体のみが分子Bを捕捉し、単離・選別あるいはその分子Aとの相互作用を解析することができればよい。図1に示すように、本発明においては、分子Aの固相担体との(分子A側の)結合位置、あるいは分子Aへの官能基あるいはスペーサーの(分子A側の)導入位置を特定しなくても、得られるいずれかの分子A固定化固相担体が、分子A側の生物活性に関与する結合部位を無傷で保有していることになるので、その部位と分子Bとの結合が保証され得る。すなわち、本発明では、種々の分子A固定化固相担体の混合物(さらには原料や分解物を含んでいてもよい)中で、分子Aの構造活性相関を問題とすることなく、分子B(ターゲット分子)との結合を阻害しない位置で固相担体に固定化された分子A固定化固相担体と分子Bとの相互作用のみを検出できる。
尚、本明細書中、用語「分子A側の結合位置」および「分子A側の導入位置」は、分子Aに結合、あるいは導入する他の要素に応じて区別して用いたが、分子A側の反応に関与する位置を特定することなく双方(分子Aと固相担体、分子Aとスペーサー、分子Aと官能基)を繋げるという点では同義である。
さらに、「分子Aと該分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bとの相互作用を解析する方法」ならびに「分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bを選別する方法」に使用される上記分子A固定化固相担体の混合物は、アフィニティークロマトグラフィー用の固相担体として有用である。したがって、本発明は、分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合することによって固定化し、2種以上の分子A固定化固相担体からなる分子A固定化固相担体混合物を得ることを含むアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法であって、該2種以上の分子A固定化固相担体において、分子Aは分子A上のそれぞれ異なる位置で固相担体に固定化されている、アフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法を提供する。かかる方法によって得られるアフィニティークロマトグラフィー用固相担体は、2種以上の分子A固定化固相担体からなる分子A固定化固相担体混合物でありながら、さらなる精製や分別を必要とすることなく、十分に分子Bとの親和性を発揮することができ、分子Bの選別や分子Bとの相互作用の解析に使用することができる。
得られる分子A固定化固相担体の混合物には具体的には以下の態様が例示される。
1)分子A固有の官能基を利用する場合
分子A(リガンド)が固有に有する官能基を直接的に固相担体との結合に使用する場合であって、リガンド固有の官能基を利用し、この官能基を直接的に固定化反応に利用あるいは適当なスペーサーを介して固定化反応に利用することによって、リガンドのターゲット分子を探索する。
リガンドの官能基を直接的に固定化反応に付す場合には、リガンドと固相担体を固定化に好適な条件下で反応させる。
具体的にはリガンドを水性または有機性の溶媒あるいはそれらの混合溶媒に溶解し、得られたリガンド溶液と固相(固相についても予め水性または有機性の溶媒あるいはそれらの混合溶媒に懸濁しておくことが好ましい)とを混合することによって、あるいはリガンドと固相担体とのアミド結合や、シッフ塩基形成による結合、C−C結合、エステル結合、水素結合、疎水相互作用等の共有結合あるいは非共有結合に付すことによってリガンドを固相に固定化する。リガンドおよび固相を溶解または懸濁しておく水性または有機性の溶媒としては、同じものであっても異なるものであってもよく、例えば水、緩衝液等の水性溶媒、アルコール(メタノール、エタノール等)、ジメチルホルムアミド、ジクロルメタン、アセトニトリル等の有機性溶媒が挙げられる。これらの混合溶媒もまた好適に使用できる。固定化するリガンド上の官能基の種類等に応じてリガンドの固相への固定化に利用する反応が設定され、適宜公知の手法によりリガンドを固相に固定化する。
一連の反応や処理を行う際の温度は、設定した固定化反応に好適で且つリガンドが安定な温度であれば特に限定されないが、通常0℃〜100℃、好ましくは室温〜70℃で実施される。また、固相とリガンドとを混合する時間も、固相にリガンドが固定化されれば特に限定されず、設定した固定化反応や固定化を意図するリガンド、使用する固相の種類等に応じて適宜設定される。通常1時間から数日間、好ましくは2時間から一晩程度である。結合反応には、利用する固定化反応に応じて適宜設定される、一般に固相に対して過剰量のリガンドを用いるが、固相上、あるいはリガンドの全ての結合可能部位が反応に供せられる必要はなく、固相にリガンドが部分的に固定化されるものであっても、本願発明の目的を達成することができるので、必ずしも過剰量である必要はない。
アミド結合や、シッフ塩基、C−C結合、エステル結合、水素結合、疎水相互作用等のリガンドの固相担体への固定化に利用する反応は当分野では公知の技術であり、反応試薬や反応条件等は従来実施されている方法に準じて行うことができ、また必要に応じて適宜変更してもよい。
一方、リガンド固有の官能基を適当なスペーサーを介して固定化反応に利用する場合には、まずリガンド固有の官能基にスペーサーを導入する。当該スペーサーの導入も、分子A側の導入位置を特定することなく行われ、通常、化合物にスペーサーを導入するのに実施される公知の方法が利用できる。本発明においてはその導入位置を特定する必要がなく混合物としての使用が可能なので、構造活性相関を考慮することなく、リガンドとスペーサーを、スペーサー導入に好適な条件下で反応させる。
具体的には、リガンドを水性または有機性の溶媒あるいはそれらの混合溶媒に溶解し、得られたリガンド溶液とスペーサー(スペーサーも予め水性または有機性の溶媒あるいはそれらの混合溶媒に溶解しておくことが好ましい)を混合し、固定化するリガンドの官能基に応じて当分野で公知の方法を用いてスペーサーとリガンドを結合させる。当該スペーサーは必要に応じて反応性を付与する為に誘導体化してもよい。例えば、官能基として水酸基を有するリガンドであれば、スペーサーとしてカルボン酸またはその誘導体を用い脱水剤の存在下で脱水反応を行うことによって、好適にスペーサーがリガンドに導入される。ここで用いる水性または有機性の溶媒としては、上記したものと同様なものが用いられる。
一連の反応や処理を行う際の温度は、反応が進行し、且つリガンドやスペーサーが安定な温度であれば特に限定されないが、通常0℃〜100℃、好ましくは室温〜70℃で実施される。また、反応時間も特に限定されず、実施する化学反応や使用するリガンド、スペーサーの種類等に応じて適宜設定される。通常1時間〜数日間、好ましくは2時間〜一晩である。結合反応には、一般にリガンドに対して過剰量のスペーサーを用いるが、リガンド上あるいはスペーサー上の全ての結合可能部位が反応に供せられる必要はなく、リガンドにスペーサーが部分的に導入されたものであっても、本願発明の目的を達成することができるので、必ずしも過剰量である必要はない。
「スペーサー」とは、リガンドの固相担体への固定化の際に導入されて固相担体とリガンドとの間に介在する基となる物質であって、ここで「スペーサーが介在する」とは、該スペーサーが固相内の官能基からリガンド内の官能基までの間に存在することを意味する。該スペーサーは、その一端を固相内の官能基と結合し、他端をリガンド内の官能基と結合する。当分野で通常、リガンドの固相への固定化の際に使用されているものが利用でき(スペーサーあるいはリンカーとも称される)、結果的に固相担体とリガンドとの間に介在する基として機能し得るものであれば新規に合成されるものであってもよい。該スペーサーとリガンドとの結合はアミド結合や、シッフ塩基、C−C結合、エステル結合、水素結合、疎水相互作用等の共有結合あるいは非共有結合である。
スペーサーを導入後、該スペーサーが導入されたリガンドを用いて、上記の「リガンドの官能基を直接的に固定化反応に付す場合」で実施した方法と同様にしてリガンドを分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に結合する。
2)リガンドに活用可能な官能基が無い場合
リガンドに化学反応的あるいは酵素反応的な官能基付加反応を行った後、固定化反応に利用あるいは適当なスペーサーを介して固定化反応(上記1)参照)に利用することによって、リガンドのターゲット分子を探索する。
当該官能基の付加もまた、分子A側の導入位置を特定することなく実施されるものである。
化学的に官能基を付加する方法としては、ニトロ化、ハロゲン化およびそれに続く各種反応等が挙げられる。例えばニトロ化を行った後、還元反応を行うことによりアミノ基を付加することができ、さらに各種置換基(アミド、N−アルキル、スルフォンアミド等)へと変換できる。またハロゲン化を行った後、酸化的付加反応を行うことによりカルボキシル基、エステル基、アリール基等を付加することができる。
酵素反応的に官能基を付加する方法としては、例えば、酸化酵素、還元酵素、加水分解酵素等の代謝酵素、特に薬物代謝酵素(S−9Mix等)を利用する方法が挙げられる。用いる酵素の由来は特に限定されず、細菌(Pseudomo nonas属等)、放線菌(Streptomyces属等)、カビ由来(As pergillus属等)等の微生物由来、哺乳動物の細胞や組織由来であってもよいし、そのような代謝酵素を発現するように遺伝子組換え技術により調製された形質転換体由来のものであってもよい。大量に入手できるという利点から微生物由来あるいは形質転換体由来の酵素が好ましい。
例えば肝組織の細胞破砕液(cell homogenate)を9,000×gで遠心して得られる上清(S−9画分:S−9Mixとして商業的に入手可能)が用いられる。この酵素とリガンドを反応させることによってリガンドに各種官能基が導入されることが知られている。例えば芳香環あるいはアルキル鎖の水酸化による水酸基の導入、2重結合のエポキシ化によるエポキシ基の導入、N−アルキルアミノ基の脱アルキル化に伴うアミノ基の生成、酸化的脱アミノ化によるカルボニル基の生成、エステルあるいはアミド結合の加水分解によるカルボキシル基、アミノ基あるいは水酸基の生成等が知られている(新版薬物代謝、G.G.ギブソン等著、村田敏郎監訳、講談社ISBN 4−06−139775−3)。
さらに官能基は固相担体との結合、あるいはスペーサーとの結合に先立って活性化されていてもよい。具体的には各種官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基等)を例えばフォスゲン等の反応性の高い試薬で活性化することができる。
分子Aが固相担体に固定化されたか否かは、分子A、あるいは分子Aに予め結合・導入されたスペーサー、あるいは官能基に含まれるある特定の構造乃至置換基等に基づく呈色反応等を利用して確認することができる。例えばアミノ基を認識するニンヒドリン反応等が利用できる。
本発明において固相担体に固定化する分子A(リガンド)は特に限定されず、公知の化合物であっても今後開発される新規な化合物であってもよい。また、低分子化合物であっても高分子化合物であってもかまわない。ここで低分子化合物とは分子量1000未満程度の化合物であって、例えば医薬品として通常使用し得る有機化合物およびその誘導体や無機化合物が挙げられ、有機合成法等を駆使して製造される化合物やその誘導体、天然由来の化合物やその誘導体、プロモーター等の小さな核酸分子や各種の金属等であり、望ましくは医薬品として使用し得る有機化合物およびその誘導体、核酸分子をいう。また、高分子化合物としては分子量1000以上程度の化合物であって、蛋白質、ポリ核酸類、多糖類、およびこれらを組み合わせたものなどが挙げられる。これらの低分子化合物あるいは高分子化合物は、公知のものであれば商業的に入手可能であるか、各報告文献に従って採取、製造、精製等の工程を経て得ることができる。これらは、天然由来であっても、また遺伝子工学的に調製されるものであってもよく、また半合成等によっても得ることができる。
本発明では、上記分子Aを固定化した固相上で該分子Aとの特異的相互作用に基づいて分子Bを選別する過程を要する。従って分子Bは、分子Aと特異的に相互作用するものであれば特に限定されるものではなく、公知化合物である場合もあれば新規物質である場合も予想される。分子Bとしては低分子化合物であっても高分子化合物であってもかまわない。分子Bが低分子化合物の場合には低分子化合物である分子Aとの低分子化合物と低分子化合物との特異的相互作用に基づき、あるいは高分子化合物である分子Aとの高分子化合物と低分子化合物との特異的相互作用に基づき、分子Bが選別され得る。また分子Bが高分子化合物の場合には低分子化合物である分子Aとの低分子化合物と高分子化合物との特異的相互作用に基づき、あるいは高分子化合物である分子Aとの高分子化合物と高分子化合物との特異的相互作用に基づき、分子Bが選別され得る。好ましい分子Aと分子Bの組み合わせは低分子化合物と高分子化合物、あるいは高分子化合物と高分子化合物という組み合わせである。
分子Bとの相互作用の解析、ならびに分子Bの選別は簡便には固相上で行う。分子Bとして予め候補物質が予測される場合には、候補物質を単独で上記固相に固定化された分子Aと接触させ両者の相互作用を測定し、候補物質が分子Bであるか否か、すなわち分子Aのターゲット分子であるか否かを判断すればよいが、通常、複数の物質(高分子化合物および/または低分子化合物)を含む試料を分子Aと接触させ、複数の物質(高分子化合物および/または低分子化合物)の各々と分子Aとの相互作用の有無ならびにその相互作用の程度を測定することにより分子Bであるか否かを判断し、選別する。ここで複数の物質を含む試料としては、全て公知化合物から構成されるものであっても、一部新規な化合物を含むものであっても、さらには全て新規な化合物から構成されるものであってもよい。しかしながら、リガンドのターゲット分子の探索、あるいは昨今のプロテオーム解析の進歩によれば、全てその構造が公知な化合物の混合物であることが望ましい。全て公知な化合物から構成される試料としては、大腸菌等によって遺伝子工学的に調製された精製蛋白質の混合物等であり、一部新規な化合物を含むものとしては、細胞や組織の抽出物(lysate)であり、また全て新規な化合物から構成されるものとしては、まだその機能や構造が知られていない新規な蛋白質や新しく合成された化合物等の混合物が挙げられる。試料が混合物の場合、特に公知化合物を含む場合には、任意にこれらの化合物の試料中の含有量を所望の値に設定しておくこともできる。リガンドのターゲット分子の探索という見地にたてば、選別すべき分子Bは、低分子化合物ならびに高分子化合物であるのが好ましく、ヒト等の動物体内でのターゲット分子の探索についていえば高分子化合物であることが好ましい。
また、あらかじめリガンドに対して生理活性を有する試料であることが特に好ましく、固定化を所望するリガンドに応じて、用いる試料は適宜変更され、最適なものが選択される。これら試料の選択は、本発明の分子Aと分子Bとの相互作用を解析する方法や分子Bを選別する方法、分子Bのスクリーニング方法やアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法を実施する前に行うことが好ましい。
本発明は、上記固相に固定化された分子Aを用いて、当該分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bをスクリーニングする方法を提供する。該スクリーニング方法は以下の工程を少なくとも含む。
(1)分子Bを含むかまたは含まない試料を上述の分子A固定化固相担体混合物に接触させる工程。
本工程において用いる試料は、上記同様、複数の物質を含むものである。その態様は特に限定されず、使用する固相担体や後の工程にどのような原理や手段、方法を用いるかによって適宜変更し得る。例えば分子Aが固定化されたビーズ樹脂を充填したカラムを用いる場合には液状とするのが好ましい。分子Bを含まない試料であれば、工程(2)で分子Aに特異的な相互作用を示さなかった分子(複数種存在する場合あり)の同定ならびに解析を行う。分子Bを含む試料であれば、工程(2)で分子Aに特異的な相互作用を示した分子B(複数種存在する場合あり)を同定、解析する。試料と固相担体とを接触させる方法は、試料内の分子Bが固相担体に固定化された分子Aと結合することができれば特に限定されず、使用する固相担体や後の工程の同定方法あるいは解析方法にどのような原理や手段、方法を用いるかによって適宜変更し得る。例えば分子Aが固定化されたビーズ樹脂を充填したカラムを用いる場合には、液状にした試料をカラムに添加しカラム内を通すことにより簡便に実施される。
(2)分子Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、分子Bを選別する工程を含む、分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bのスクリーニング方法。
かかる工程は、使用する固相担体や固定化した分子Aの種類等によって適宜変更し得るが、通常当分野で実施されている低分子化合物あるいは高分子化合物を同定する為の各種方法により行う。また、今後開発されるであろう方法によっても実施可能であろう。例えば分子A固定化固相担体として分子A固定化ビーズ樹脂を充填してなるカラムを用いた場合、続く試料の添加により、分子Aに分子Bを結合させる。結合した分子Bを緩衝液の極性を変える、あるいは過剰の分子Aをさらに加える等の処理によって分子Aから解離させ、その後同定したり、あるいは固相上の分子Aと結合した状態でそのまま界面活性剤等によって抽出して同定したりすることもできる。同定方法としては具体的には電気泳動法、免疫学的反応を用いたイムノブロッティングや免疫沈降法、クロマトグラフィー、マススペクトラム、アミノ酸シーケンス、NMR(低分子のときに特に)等の公知の手法により、またこれらの方法を組み合わせて実施する。分子Aに結合しない分子を同定する工程も上記分子Aに結合する分子を同定する方法に準じて行うことができるが、カラムの素通り画分に含まれる分子を同定の対象とするので、同定工程に入る前に予め濃縮や粗精製等の処理を行うことが好ましい。得られたデータならびに既存の報告をもとに各分子を同定し、分子Aのターゲット分子であるか否かを判断する。
また、本工程は自動化されていてもよい。例えば2次元電気泳動で得られた種々の分子のデータを直接読み取り、既存のデータベースに基づいて分子の同定を行うことも可能である。
かかる結合が、特異的なものであるか否かは拮抗試験を行うことによって確認できる。具体的には以下の方法が挙げられる。まずターゲット分子であると判断された分子を含む試料をフリーの分子Aと混合し、十分に反応させる。ついで得られた混合液を分子A固定化固相担体混合物に接触させる。固相担体にトラップされた分子の種類を、フリーの分子Aと混合しなかった場合(対照)と比較する。さきにターゲット分子であると判断された分子が事実ターゲット分子であるなら、対照で認められた分子Bのバンドが消失、あるいは減弱しているはずである。
以下、製造例ならびに実施例、実験例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例、実験例によりなんら限定されるものではない。尚、各構造式中の略語は以下の通りである。
Me:メチル基
TBDPS:t−ブチルジフェニルシリル基
TBS:t−ブチルジメチルシリル基
実施例1:FK−506へのスペーサー導入(位置を特定しないで導入する)
17−アリル−1,14−ジ−ヒドロキシ−12−{2−[4−(7−カルボキシ−ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(混合物A)の合成
Figure 2004040305
17−アリル−1,14−ジ−ヒドロキシ−12−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−シクロヘキシル)−1−メチル−ビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(FK−506、、3.3mg、4.10μmol)をベンゼンで2回共沸した後、ジクロロメタン(39μl)に溶解し、O−モノ(tert−ブチル−ジフェニル−シラニル)オクタン二酸/ジクロロメタン溶液(100mg/ml)を16.2μl(4.09μmol)加えた。これに1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC/HCl,0.94mg,4.90μmol)及び4−ジメチルアミノピリジン/ジクロロメタン溶液(10mg/ml)を23μl(1.88μmol)、室温で加えて溶解した後、1.5時間静置した。これにジクロロメタン(150μl)及び飽和炭酸ナトリウム水(150μl)を加えて抽出した。集めた有機相に窒素気流を吹きかけ濃縮した。得られたシラップにアセトニトリル(28μl)を加えて溶解した後、46−48%フッ化水素水(6.5μl)を室温で加え、1.5時間静置した。これに酢酸エチル(100μl)及び飽和炭酸ナトリウム水(100μl)を加えて抽出し、有機相に窒素気流を吹きかけて濃縮し、混合物Aのシラップを得た。混合物Aは精製等を行うことなくこのまま次のステップに使用した。混合物A中に、FKBP12との結合を阻害しない位置のみにスペーサーが導入された化合物、例えば参考製造例2で示す17−アリル−1,14−ジ−ヒドロキシ−12−{2−[4−(7−カルボキシ−ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオンが含まれているか、またはFKBP12との結合に寄与する位置にスペーサーが導入されたFK506、あるいは複数のスペーサーが導入されたFK506が含まれるか等の構造情報は不明のまま使用した。
実施例2:スペーサー付FK−506の混合物のトヨパール樹脂への固定化
実施例1で得られたシラップをベンゼンで遠心減圧濃縮した後、塩化メチレン/N−メチル−2−ピロリドン(4/1)の混合溶媒(0.3ml)に溶解し、WSC(1.44mg、7.5μmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.01mg、7.5μmol)を加えた。この溶液をトヨパール樹脂(TSKgel AF−amino;100μl中に0.01mmolのアミンが存在)10μlに加えて終夜室温で振とうした。反応終了後、樹脂を塩化メチレン/N−メチル−2−ピロリドン(4/1)の混合溶媒、及びDMFで十分に洗浄した後、ニンヒドリンテストにより縮合収率を測定した(約29%)。得られた樹脂に無水酢酸/DMF(1/4)の混合溶液(0.3ml)を加えて室温で30分間振とうした。反応終了後、樹脂を塩化メチレン、ジメチルホルムアミド(DMF)及び20%エタノール水で十分に洗浄し、後の実験で使用するアフィニティー樹脂とした。
参考製造例1:17−アリル−14−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−12−{2−[4−(7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ−カルボニル)ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオンの合成
Figure 2004040305
17−アリル−14−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−12−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−シクロヘキシル)−1−メチル−ビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(138mg,0.15mmol)、O−モノ(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)オクタン二酸(86.7mg,0.218mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP;16.5mg,0.098mmol)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC/HCl;69.1mg,0.261mmol)および塩化メチレン(CHCl;1ml)の混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応物を酢酸エチル−水混合液に注ぎ、抽出した。得られた有機相を水、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥した。MgSOを濾別後、減圧下濃縮した。こうして得られた残渣をシリカゲルカラムで精製し(20%AcOEt(n−ヘキサン中)で溶出)、目的とする17−アリル−14−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−12−{2−[4−(7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ−カルボニル)ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(44mg,24.6%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:−0.1−0.1(12H,m),0.7−2.6(47H,m),0.85 and 0.86(18H,s),1.50(3H,s),1.63(3H,s),2.75(1H,m),3.31(3H,s),3.35(3H,s),3.39(3H,s),4.05(1H,m),3.0−4.4(6H),4.5−5.8(9H,m).
参考製造例2:17−アリル−1,14−ジ−ヒドロキシ−12−{2−[4−(7−カルボキシ−ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオンの合成
Figure 2004040305
参考製造例1で調製した17−アリル−14−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−12−{2−[4−(7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ−カルボニル)ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(44mg,0.037mmol)とアセトニトリル(0.88ml)の混合物に46−48%のフッ化水素(HF)水(0.12ml)を静かに加え室温にて終夜撹拌した。反応物を酢酸エチル−水混合液に注ぎ、抽出した。得られた有機相を水、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥した。MgSOを濾別後、減圧下濃縮した。こうして得られた残渣をシリカゲルカラムで精製し(5%メタノール(クロロホルム中))、目的とする17−アリル−1,14−ジ−ヒドロキシ−12−{2−[4−(7−カルボキシ−ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(14.2mg,40%)。
H−NMR(CDCl)δ:0.7−2.6(47H,m),1.50(3H,s),1.63(3H,s),2.75(1H,m),3.31(3H,s),3.35(3H,s),3.39(3H,s),4.05(1H,m),3.0−4.4(6H),4.5−5.8(11H,m).
MS(m/z):960(M+)
参考製造例3:FK506付TOYOパール樹脂(TSKgel AF−amino)の合成
Figure 2004040305
参考製造例2で調製した17−アリル−1,14−ジ−ヒドロキシ−12−{2−[4−(7−カルボキシ−ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(38.4mg,0.04mmol)、TOYOパール樹脂(TSKgel AF−amino,100μl,遊離アミノ基(available amino group)は0.01mmol)、EDC/HCl(9.2mg,0.048mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt;6.5mg,0.048mmol)およびDMF(1ml)の混合物を室温で6時間撹拌した。反応の終点はニンヒドリン反応で残存アミノ基が肉眼で観測できなくなることで確認した。この時の反応率を換算すると約82%であった。反応終了確認後、DMFで樹脂を5回洗浄した。ここに無水酢酸(100μl)およびDMF(400μl)を加え1時間室温で撹拌した。その後DMFで十分洗浄し、得られたFK506付TOYOパール樹脂は後述する結合実験において対照用アフィニティー樹脂として用いた。
実施例3:FK506のトヨパール樹脂への直接的な固定化
FK−506(3.3mg、4.1μmol)をベンゼンで遠心減圧濃縮した後、DMF(0.6ml)に溶解し、WSC(1.00mg、5.2μmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.7mg、5.2μmol)を加えた。この溶液をトヨパール樹脂(TSKgel AF−amino;100μl中に0.01mmolのアミンが存在)10μlに加えて終夜室温で振とうした。反応終了後、樹脂をDMFで十分に洗浄した。得られた樹脂に無水酢酸/DMF(1/4)の混合溶液(0.3ml)を加えて室温で30分間振とうした。反応終了後、樹脂をDMF及び20%エタノール水で十分に洗浄し、FK506を結合したアフィニティー樹脂を得た。
実施例4:結合実験1
(1)lysateの調製
ラットの脳(2.2g)を混合液1(0.25Mシュクロース,25mM Trisバッファー(pH7.4),22ml)に混ぜ、ホモジネートを作成後、9500rpmで10分間遠心分離した。遠心分離上清を取り、50000rpmでさらに30分間遠心分離した。こうして得られた上清をlysateとして使用した。なお、実験はすべて4℃あるいは氷上で行った。
(2)結合実験
実施例2で作成したFK506結合アフィニティー樹脂、ならびに参考製造例3で作成した既にその有効性が分っている従来のFK506結合アフィニティー樹脂を用いて以下の手順でlysateとの結合実験を行った。なお、lysateは混合液1で1/2に希釈して使用した。FK506を結合した各種アフィニティー樹脂をそれぞれ10μlずつ使用した。
FK506結合アフィニティー樹脂とlysate(1ml)を4℃で終夜、静かに振とうした。その後、上清を除き、残ったFK506結合アフィニティー樹脂を混合液1で4回十分に洗浄してFK506結合アフィニティー樹脂表面を十分に洗浄した。
こうして得られたFK506結合アフィニティー樹脂に20μlのSDS用泳動バッファー(nakalai cat.NO=30566−22、電気泳動用sample buffer solution with 2−ME(2−mercaptoethanol)(2x)SDS PAGE用)を加え、25℃で10分間加熱した。こうして得られたサンプル液を市販のSDSゲル(Bio Rad readyGel J,15%SDS,cat.NO=161−J341)で分離し、そのSDSゲルを解析した。比較として、参考製造例3で示したFKBP12との結合を妨げないことが知られている位置にスペーサーを選択的に結合させたFK506を保持するアフィニティー樹脂を使用した(図2)。参考製造例3で示したアフィニティー樹脂はFKBP12と効率的に結合することを確認している(特願2002−222226)。
FKBP12との結合について着目した結果を図2に示す。
図2からもわかるように、実施例2でFK506上の結合位置を特定することなく作成した本発明のFK506結合アフィニティー樹脂(レーン3)は、参考製造例3で作成した標準的なアフィニティー樹脂(あらかじめFKBP12との結合を妨げないことが知られている位置にスペーサーを結合させてある)同様FKBP12との結合が確認された。FK506と結合する他の蛋白質との結合についても、実施例2で作成した本発明のFK506結合アフィニティー樹脂と、参考製造例3で作成した標準的なアフィニティー樹脂とでは酷似した結果が得られた。
これらの結果より、本発明の方法が効果的で、有用であることが示された。
実施例5:結合実験2
実施例3で作成したFK506結合アフィニティー樹脂、ならびに参考製造例3で作成した既にその有効性が分っている従来のFK506結合アフィニティー樹脂を用いて実施例4で行ったのと同様にして結合実験を行った。結果を図3に示す。
図3からもわかるように、実施例3で結合位置を特定することなくFK506を固相に結合させて作成した本発明のFK506結合アフィニティー樹脂は、参考製造例3で作成した標準的なアフィニティー樹脂と同様のFKBP12との結合が確認された。FK506と結合する他の蛋白質との結合についても、実施例3で作成した本発明のFK506結合アフィニティー樹脂と、参考製造例3で作成した標準的なアフィニティー樹脂とでは酷似した結果が得られた。
これらの結果より、本発明の方法が効果的で、有用であることが示された。
実施例6:FK506固定化固相担体(官能基の活性化処理)
17−アリル−1,14−ジ−ヒドロキシ−12−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−シクロヘキシル)−1−メチル−ビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(FK506;8.04mg,0.01mmol)をアセトニトリル(CHCN;100μl)に溶解し、室温にてフォスゲン(COCl)−トルエン(Toluene)溶液(1.24mmol/ml;8μl、0.01mmol)を加え、1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、TOYOパール樹脂(TSKgel AF−amino,100μl,遊離アミノ基(available amino group)は0.01mmol;東ソー株式会社製)およびアセトニトリル(CHCN;500μl)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応終了後、樹脂をDMFで2回、水で2回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1ml)を加えて、1分間撹拌した。樹脂を水で2回、DMFで2回洗浄した後、無水酢酸(100μl)およびDMF(400μl)を加え5分間室温で撹拌した。その後DMFで3回、20%エタノール水で2回洗浄し、得られたFK506付TOYOパール樹脂は後述する結合実験に用いた。
実施例7:結合実験3
(1)lysateの調製
ラット脳(2.0g)をバッファーA(0.5%Tween20と300μM Sodium N,N−diethyldithiocarbamate trihydrateを含有するTris−HCl,pH8.0,20ml)に混ぜ、ホモジネートを作成後、超音波破砕法により、10分間処理した。9000rpmにて10分遠心分離した。遠心分離上清を取り、50000rpmでさらに30分間遠心分離した。こうして得られた上清をlysateとして使用した。なお、実験はすべて4℃あるいは氷上にて行った。
(2)実施例6で調製したFK506を結合したアフィニティー樹脂(10μl)をバッファーAにて充分洗浄した後、上記(1)で調製したラット脳lysate(1ml)と混合し、4℃で約0.5時間、静かに振とうした。遠心分離操作を行い、上澄み液を除去した。得られたFK506結合樹脂をバッファーAにて充分洗浄し、25μlのSDS用loading buffer(nakalai cat.NO=30566−22、電気泳動用sample buffer solution with 2−ME(2−mercaptoethanol)(2x)SDS PAGE用)を加え、25℃で10分間撹拌した。こうして得られたサンプル液を市販のSDSゲル(BioRad ReadyGel J,15%SDS,cat.NO=161−J341)で分離した結果、樹脂上に特異的に結合すると考えられているFKBP12のバンドが観察された。
実施例8:官能基の導入(S−9Mixの利用)
S−9Mix;エームス試験用凍結S−9Mix(キッコーマン株式会社)を使用した。
[S−9Mixを用いた代謝1]
Figure 2004040305
実験操作;S−9Mix20mlを50mlファルコンチューブに加え、化合物A(1.5mg、5μM)をメタノール75μlに溶かしS−9Mix中に加えた。恒温槽にて37℃、21時間攪拌した。反応液に酢酸エチル3mlを加え、激しく攪拌後、6,000Gにて15分遠心し、有機相を分離した。酢酸エチルの抽出操作を3回行った。得られた酢酸エチル相を飽和食塩水にて洗浄し、有機相を別のファルコンチューブ(15ml容器)に移し、窒素ガスを噴きかけ乾燥した。
[樹脂上への固定化]
S−9mixを用いて得られた代謝物(A代謝混合物(B))をCHCl300μlおよびDMF30μlの混合溶媒に溶かし、0.5mlエッペンチューブに加えた。無水こはく酸(0.98mg,9.8×10−3mmol)、トリエチルアミン(EtN;0.98mg,9.8×10−3mmol)、触媒量のDMAPを加え室温にて3.5時間攪拌した。1N−HCl(500μl)を加え、酢酸エチル1ml×3にて抽出した。得られた酢酸エチル相を500μl飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。酢酸エチル相を15mlコニカルチューブに移し、窒素ガスを噴きかけ乾燥した。TOYOパール(AF−Amino−650M)(80μl,8μmol)に先ほど得られた化合物をCHCl(1ml)に溶かし加えた。ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム(PyBOP;5mg、9.6μmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.5μl,19.2μmol)を加え、17時間室温にて攪拌した。
DMFで5回、CHClで5回それぞれ洗浄後、20%無水酢酸CHCl溶液1mlを加え30分間攪拌し、樹脂上に残っているアミノ基をアセチルキャッピングした。再びDMFで5回、CHClで5回洗浄後、20%アルコール溶液で5回さらに洗浄して、目的物の樹脂(C)を得た。
[S−9Mixを用いた代謝2]
Figure 2004040305
実験操作;S−9Mix10mlを50mlファルコンチューブに加え、化合物D(3.0mg)をメタノール75μlおよび水75μlに溶かしS−9Mix中に加えた。恒温槽にて37℃、終夜攪拌した。反応液に酢酸エチル3mlを加え、有機相を分離し、さらに抽出操作を行った。酢酸エチルによる抽出操作は3回行った。得られた酢酸エチル相を飽和食塩水にて洗浄し、有機相を別のファルコンチューブ(15ml容器)に移し、窒素ガスを噴きかけ乾燥した。これに、アセトニトリル(500μl)を加え、さらに別に調製したフォスゲンのトルエン溶液(1.24mmol)を53μl加えた。この混合物を室温にて約3時間攪拌し、数分間減圧濃縮し、未反応フォスゲンを除いた後、ここにTOYOパール(AF−Amino−650M)(65μl,6.5μmol)を加えた。この混合物を数時間攪拌し、アセトニトリル、飽和NaHCO水溶液、水で十分に洗浄して、目的物の樹脂(E)を得た。
Figure 2004040305
[結合実験]
(1)lysateの調製
大腸菌株DH5αを用い前培養を行い、SB培地で本培養を開始し、37℃、130rpmで一晩培養した。培養終了後、集菌し、バッファーAを10ml加え、超音波でホモジネート処理をし、E.coli lysate(1.5mg/ml)を得た。
E.coli lysate(1.5mg/ml)1mlにCOX1(cyclooxygenase 1;ovine,cayman cat no.60100)10μgを加え調製した。
(2)結合実験
上記で得られたS−9Mix代謝物を固定化したアフィニティー樹脂を用いて、以下の手順でlysateとの結合実験を行った。lysateは上記調製したlysate 1ml(COX1含有)を使用した。S−9Mix代謝物固定化樹脂(C)は10μl(1μmol相当分)を用いた。
S−9Mix代謝物固定化樹脂(C)とlysate 1mlを4℃で終夜、静かに振とうした。樹脂を12,000Gにて遠心分離により沈殿させ、上清を取り除いた。樹脂をバッファーAにて5回洗浄した。こうして得られたS−9Mix代謝物固定化樹脂(C)に20μlのSDS用loading buffer(nakalai cat.NO;30566−22,電気泳動用sample buffer solution with 2−ME(2−mercaptoethanol)(2x)SDS PAGE用)を加え、25℃で10分間攪拌した。こうして得られたサンプル液および標品としてのCOX1(cayman cat no.60100)を市販のSDSゲル(PAG Mini“DAIICHI”10(13W),cat.No.30161)で分離し、そのSDSゲルを解析した。結果、サンプル液中にCOX1に相当するバンドが検出され、S−9Mix代謝物固定化樹脂にCOX1が結合していることが確認された。かくして目的のCOX1を混合lysateから抽出することができた。
本発明の方法によれば、従来必須とされてきた構造活性相関に関する事前の検討を必要とすることなく、リガンドを固相担体に固定化することが可能となり、多大な労力や経費を低減化することができる。従って、従来に比し短時間で多数のリガンドのターゲット分子を得ることが可能となる。
本出願は、日本で出願された特願2002−319099を基礎としておりそれらの内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (30)

  1. 少なくとも以下の工程を含む、分子Aと該分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bとの相互作用を解析する方法:
    (1)分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合することによって分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程、
    (2)分子Bを含むかまたは含まない試料を上記(1)で得られた固相担体の混合物に接触させる工程、および
    (3)分子Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、分子Aと分子Bとの相互作用を解析する工程。
  2. 分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、分子Aと固相担体との間に分子A側の導入位置を特定することなくスペーサーを導入することを特徴とする請求の範囲1記載の方法。
  3. 分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、(1)分子Aに官能基が導入されること、および(2)該官能基の導入が分子A側の導入位置を特定することなく行われることを特徴とする請求の範囲1記載の方法。
  4. スペーサーの分子Aへの導入が、分子A側の導入位置を特定することなく導入された官能基を介して行われるものである請求の範囲2記載の方法。
  5. 分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである請求の範囲3又は4記載の方法。
  6. 分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、酵素反応によるものである請求の範囲5記載の方法。
  7. 酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、請求の範囲6記載の方法。
  8. 少なくとも以下の工程を含む、分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bを選別する方法:
    (1)分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合することによって分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程、
    (2)分子Bを含むかまたは含まない試料を上記(1)で得られた固相担体の混合物に接触させる工程、および
    (3)分子Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、分子Bを選別する工程。
  9. 分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、分子Aと固相担体との間に分子A側の導入位置を特定することなくスペーサーを導入することを特徴とする請求の範囲8記載の方法。
  10. 分子Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、(1)分子Aに官能基が導入されること、および(2)該官能基の導入が分子A側の導入位置を特定することなく行われることを特徴とする請求の範囲8記載の方法。
  11. スペーサーの分子Aへの導入が、分子A側の導入位置を特定することなく導入された官能基を介して行われるものである請求の範囲9記載の方法。
  12. 分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである請求の範囲10又は11記載の方法。
  13. 分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、酵素反応によるものである請求の範囲12記載の方法。
  14. 酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、請求の範囲13記載の方法。
  15. 分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合することによって得られる2種以上の分子A固定化固相担体からなる分子A固定化固相担体混合物であって、該2種以上の分子A固定化固相担体において、分子Aは分子A上のそれぞれ異なる位置で固相担体に固定化されている、分子A固定化固相担体混合物。
  16. 分子Aの固相担体への結合が、分子Aと固相担体との間に分子A側の導入位置を特定することなく導入されたスペーサーを介して行われるものである、請求の範囲15記載の分子A固定化固相担体混合物。
  17. 分子Aの固相担体への結合が、(1)分子Aに導入された官能基を介して行われること、および(2)該官能基の導入が分子A側の導入位置を特定することなく行われることを特徴とする請求の範囲15記載の分子A固定化固相担体混合物。
  18. スペーサーの分子Aへの導入が、分子A側の導入位置を特定することなく導入された官能基を介して行われるものである請求の範囲16記載の分子A固定化固相担体混合物。
  19. 分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである請求の範囲17又は18記載の分子A固定化固相担体混合物。
  20. 分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、酵素反応によるものである請求の範囲19記載の分子A固定化固相担体混合物。
  21. 酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、請求の範囲20記載の分子A固定化固相担体混合物。
  22. アフィニティークロマトグラフィー用固相担体である、請求の範囲15〜21のいずれか1項に記載の分子A固定化固相担体混合物。
  23. 分子A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子Aを結合し、2種以上の分子A固定化固相担体からなる分子A固定化固相担体混合物を得ることを含むアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法であって、該2種以上の分子A固定化固相担体において、分子Aは分子A上のそれぞれ異なる位置で固相担体に固定化されている、アフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
  24. 分子Aの固相担体への結合が、分子Aと固相担体との間に分子A側の導入位置を特定することなく導入されたスペーサーを介して行われるものである、請求の範囲23記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
  25. 分子Aの固相担体への結合が、(1)分子Aに導入された官能基を介して行われること、および(2)該官能基の導入が分子A側の導入位置を特定することなく行われることを特徴とする請求の範囲23記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
  26. スペーサーの分子Aへの導入が、分子A側の導入位置を特定することなく導入された官能基を介して行われるものである請求の範囲24記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
  27. 分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである請求の範囲25又は26記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
  28. 分子A側の導入位置を特定することなく行われる分子Aへの官能基の導入が、酵素反応によるものである請求の範囲27記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
  29. 酵素反応が、代謝酵素によって行われるものである、請求の範囲28記載のアフィニティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。
  30. 少なくとも(1)分子Bを含むかまたは含まない試料を請求の範囲15〜22のいずれか1項に記載の分子A固定化固相担体混合物に接触させる工程、および(2)分子Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、分子Bを選別する工程を含む、分子Aに特異的な相互作用を有する分子Bのスクリーニング方法。
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