JPWO2004030134A1 - 液体燃料直接供給形燃料電池システムと、その運転制御方法及び運転制御装置 - Google Patents

液体燃料直接供給形燃料電池システムと、その運転制御方法及び運転制御装置 Download PDF

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Abstract

液体燃料直接供給形燃料電池システムを最適な条件下で運転できるようにする。負極と正極とが電解質膜を介して対設され、負極に液体燃料が、正極に酸化剤ガスが供給されるようにしたセルを複数個直列に接続して発電部11とし、これに温度検出用素子によって検出された温度に対応させて、液体燃料の濃度を検出するセンサー部12を設けてセルスタック1とし、前記センサー部12からの出力信号に基づいて、高濃度燃料タンク5から燃料タンク2への高濃度燃料の供給量の制御などを行う制御装置7を設けてなる。

Description

本発明は液体燃料直接供給形燃料電池システムとその運転制御方法および運転制御装置に関するもので、さらに詳しく言えば、前記システムを最適な条件下で運転するために、燃料電池に供給する液体燃料の濃度をコントロールした液体燃料直接俳給形燃料電池システムとその運転を制御する運転制御方法および運転制御装置に関するものである。
近年、環境問題や資源、エネルギー問題への対策が重要になってきており、その対策の一つとして燃料電池の開発が活発に行われるようになってきている。このような燃料電池のなかで、有機溶媒と水を主成分とする液体燃料を改質、ガス化することなく直接発電に利用する液体燃料直接供給形燃料電池、特に、液体燃料にメタノールを用いた直接メタノール形燃料電池は、構造がシンプルで小型化、軽量化が容易であるということから、携帯用電源やコンピュータ用電源等の小型電源をはじめ、種々の可搬形電源や分散形電源としても有望である。
このような直接メタノール形燃料電池は、プロトン導電性を有する高分子電解質からなる電解質膜を介して正極と負極を接合し、この接合体を、負極側に配置した、液体燃料としてのメタノール水溶液を供給するための負極側セパレータと、正極側に配置した、酸化剤ガスとしての空気を供給するための正極側セパレータとで挟持してセルとし、さらに、このセルを複数個積層して発電部とすることによって構成されている。
また、上記した発電部からなる直接メタノール形燃料電池では、それを安定して運転するために、液体燃料としてのメタノール水溶液が適正に供給でき、酸化剤ガスとしての空気が適正に供給できるようにした、直接メタノール形燃料電池システムが構成される。すなわち、メタノール水溶液と空気が適正に供給されると、直接メタノール形燃料電池においては、負極ではメタノールと水が反応して二酸化炭素が生成するとともに水素イオンと電子を放出し、正極では酸素が前記水素イオンと電子を取り込んで水を生成し、外部回路に起電力を得ることができ、負極側からは反応に寄与しなかったメタノール水溶液と反応生成物としての二酸化炭素が排出され、正極側からは酸素が消費された空気と反応生成物としての水が排出される。
ところが、プロトン導電性を有する高分子電解質からなる電解質膜は、プロトンが移動しやすいだけでなく、メタノールも透過しやすいという性質を有しているため、負極に供給されたメタノールの一部が電解質膜を通って正極に到達し、結果として、正極の電位を低下させるだけでなく、電池全体のエネルギー効率を低下させる原因になる。すなわち、メタノール濃度を高くすると、透過するメタノールの量が増大して正極電位が著しく低下して出力電圧が低下し、電池全体のエネルギー効率が低下する。また、メタノール濃度を低くすると、透過するメタノールの量が低減できるが、反応に必要なメタノールが負極に十分供給されないために出力電流が取り出せなくなり、電池全体のエネルギー効率が低下する。従って、直接メタノール形燃料電池システムを最適な条件下で運転させるためには、メタノール濃度と負極へのメタノールの供給量の適正な管理が不可欠であった。
これまでの直接メタノール形燃料電池システムにおけるメタノール水溶液中のメタノール濃度は、電気化学的な限界電流を利用した方法、赤外吸収を利用した方法、比重の変化を利用した方法、屈折率の変化を利用した方法によって管理されていた。電気化学的な限界電流を利用した方法は、プロトン導電性を有する高分子電解質からなる電解質膜を介して負極と正極とを対設した限界電流測定用セルを準備し、このセルを被検出体のメタノール水溶液に浸漬し、前記正、負極間に定電圧を印加し、限界電流測定用セルに流れる電流値から濃度を検出する方法である。次に、赤外吸収を利用した方法は、メタノール水溶液中のメタノール濃度が高くなると、特定の周波数の赤外吸収が増大することに基づいて濃度を検出するものである。次に、比重を利用した方法は、メタノール水溶液中のメタノール濃度が高くなると、比重が低下することに基づいて濃度を検出するものである。次に、屈折率を利用した方法は、メタノール水溶液中のメタノール濃度が高くなると、屈折率が大きくなることに基づいて濃度を検出するものである。
特許文献1(特表2002−520778号公報)によれば、直接メタノール形燃料電池を含む電気化学的燃料電池に、その活性度を測定するためのセンサー電池を設けることが開示されている。
上記した、電気化学的な限界電流を利用した方法は、限界電流測定用セルに定電圧を常時印加しておく必要性から、エネルギーの損失が大きいという問題があるだけでなく、燃料電池を長期間運転するためには、限界電流測定用セルが消耗すれば、それを交換しなければならず、メンテナンスが煩雑になるという問題があった。また、赤外吸収を利用した方法は、赤外線発生装置を必要とするため、燃料電池のコストが高くなるという問題があるだけでなく、小型化が求められている直接メタノール形燃料電池システムへの適用が困難であるという問題があった。また、比重の変化を利用した方法は、直接メタノール形燃料電池システムが運転中であれば、メタノール水溶液は常に流動していて、気泡の混入もあることから、正確な比重を測定することが困難であるという問題があった。また、屈折率の変化を利用した方法は、屈折率を検出するためのCCDが必要となるため、作動温度が80℃以上になる可能性のある直接メタノール燃料電池システムへの適用が困難であるという問題に加え、比重を利用した方法と同様に、気泡の混入によって正確な濃度を検出できないという問題があった。従って、直接メタノール形燃料電池システムにおけるメタノール水溶液中のメタノール濃度を適正に管理することは難しかった。
本発明は、上記した課題に鑑み、温度検出素子によって検出された温度に対応させて液体燃料の濃度を検出するためのセンサー部を設けて、メタノール水溶液中のメタノール濃度が適正に管理できるようにするとともに、供給される液体燃料の供給量が適正に制御できるようにした、直接メタノール形燃料電池システムのような液体燃料直接供給形燃料電池システムとその運転を制御する運転制御方法および運転制御装置を提供する。
すなわち、プロトン導電性を有する高分子電解質からなる電解質膜を介して負極と正極とを対設し、前記負極に液体燃料を、前記正極に酸化剤ガスを供給する構成を設けたセルが複数個直列または並列に接続された発電部と、前記負極に供給する液体燃料を貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンク内の液体燃料の濃度調整に用いる高濃度燃料を貯蔵する高濃度燃料タンクと、前記発電部の電池反応によって生成する生成水を貯蔵する水タンクとを備えた液体燃料直接供給形燃料電池システムに、
少なくとも温度検出素子を有し、液体燃料の濃度を検出するためのセンサー部を設け、前記センサー部からの出力信号に基づいて、高濃度燃料タンクから燃料タンクへの高濃度燃料の供給量の制御、水タンクからから燃料タンクへの水の供給量の制御、または燃料タンクから発電部への液体燃料の供給量の制御、の少なくとも一つを行う制御部を設ける。
好ましくは、センサー部を発電部と一体に設ける。
好ましくは、センサー部は、温度検出素子、膜体、および前記膜体の表面に設けられた少なくとも一つの電極からなる。
好ましくは、プロトン導電性を有する高分子電解質膜を膜体とし、前記膜体の両面に設けられた、液体燃料が供給される第1電極と酸化剤ガスが供給される第2電極とを前記電極とし、前記第1、第2電極間の電圧と温度検出素子によって得られたセンサー部の温度対応値とをセンサー部からの出力信号とし、前記電圧を前記温度対応値に基づいて液体燃料の濃度に変換する。
また好ましくは、液体燃料を透過させる液体透過性膜を膜体とし、前記膜体を透過した液体燃料を酸化させる触媒を具備した酸化電極を前記電極とし、前記酸化電極側に酸化剤ガスを供給して膜体を透過した液体燃料が前記酸化電極によって酸化されるようにし、それによる温度を温度検出素子によって検出し、該温度をセンサー部からの出力信号とし、前記温度を液体燃料の濃度に変換する。
特に好ましくは、膜体を透過した液体燃料の酸化によるセンサー部の温度変化を温度検出素子によって検出し、該温度変化を液体燃料の濃度変化に変換する。
温度変化を求めるために、好ましくは、発電部の液体燃料供給口の近傍または発電部の液体燃料排出口の近傍の少なくとも一方に、該近傍の温度を検出する第2の温度検出素子が設けられ、センサー部の温度と第2の温度検出素子の温度との差を求める。
またこの発明の運転制御方法では、上記のようにして、高濃度燃料タンクから燃料タンクへの液体燃料の供給量の制御、水タンクから燃料タンクへの水の供給量の制御、または燃料タンクから発電部への液体燃料の供給量の制御、の少なくとも一つを行う。
またこの発明の運転制御装置は、センサー部と制御部を設け、上記のようにして、高濃度燃料タンクから燃料タンクへの液体燃料の供給量の制御、水タンクから燃料タンクへの水の供給量の制御、または燃料タンクから発電部への液体燃料の供給量の制御、の少なくとも一つを行う。
この発明では、センサー部からの出力信号によって液体燃料の濃度を検出できる。
センサー部を発電部と一体にすると、コンパクトなシステムが得られる。
センサー部を温度検出素子、膜体、および前記膜体の表面に設けられた少なくとも一つの電極とすると、センサー部を簡便化できる。
例えば、プロトン導電性を有する高分子電解質膜を膜体とし、前記膜体の両面に設けられた、液体燃料が供給される第1電極と酸化剤ガスが供給される第2電極とを前記電極とし、前記第1、第2電極間の電圧と温度検出素子によって得られた温度対応値とをセンサー部からの出力信号とする。あるいは、液体燃料透過性膜を膜体とし、前記膜体を透過した液体燃料を酸化させる触媒を具備した酸化電極を前記電極とし、前記酸化電極側に酸化剤ガスを供給して膜体を透過した液体燃料が前記酸化電極によって酸化されるようにし、それによる温度または温度変化を温度検出素子によって検出し、該温度をセンサー部からの出力信号とする。このようにすると、セルスタックと同様の、簡便な構造のセンサー部を用いて液体燃料の濃度の適正な制御ができる。
発電部の液体燃料供給口の近傍または発電部の液体燃料排出口の近傍、の少なくとも一方に該近傍の温度を検出する第2の温度検出素子を設け、膜体を透過した液体燃料の酸化によるセンサー部の温度を温度検出素子によって検出し、該温度をセンサー部からの出力信号とし、第2の温度検出素子によって検出された前記近傍の温度と前記センサー部からの出力信号との差を液体燃料の濃度に変換すると、液体燃料の濃度の制御がさらに高精度になる。
この発明の運転制御方法によれば、従来の電気化学的な限界電流を利用した方法のように定電圧を印加しなくても運転制御ができ、比重の変化を利用した方法や屈折率の変化を利用した方法のように、液体燃料の流動や気泡の混入による影響を受けない。
この発明の運転制御装置では、検出のためのエネルギーの損失が低減できるとともに、従来の装置において必要であった、定電圧を印加する装置、赤外発生装置、比重計、屈折率計も不要にでき、制御装置をコンパクトにできる。
好ましくは、センサー部は、負極側と正極側との1対のセパレータ及び該セパレータ間に設けられたプロトン導電性高分子電解質膜と負極と正極とを備え、前記セパレータは各々空気の供給/排出用の貫通孔と、燃料の供給/排出用の貫通孔とを備える。発電部の各セルは、空気の供給/排出用の貫通孔と、燃料の供給/排出用の貫通孔とを設けたセパレータを備える。そしてセンサー部を発電部の燃料供給側に配置して、センサー部の空気供給/排出用の貫通孔を発電部の空気供給/排出用の貫通孔と連通させ、センサー部の燃料供給/排出用の貫通孔を発電部の燃料供給/排出用の貫通孔と連通させる。
センサー部を負極側に配置すると、発電部での昇温などの影響を受けずに燃料温度を測定でき、空気供給/排出用の貫通孔や燃料供給/排出用の貫通孔を、センサー部と発電部とで連通させることにより、燃料や空気の供給が容易になる。
特に好ましくは、発電部は、複数のセルの一端に負極側のエンドプレートと負極側の端子板を、他端に正極側のエンドプレートと正極側の端子板を備え、負極側のエンドプレートと端子板との間にセンサー部を設ける。このようにすると、センサー部を燃料の供給側に、発電部の各セルと分離して実装できる。
好ましくは、センサー部の負極側セパレータの、プロトン導電性高分子電解質膜の反対面に、温度検出素子を取り付ける。この位置では燃料温度を確実に検出でき、かつセパレータのこの位置には空気流路などが不要なので、温度検出素子の設置が容易になる。なお温度検出素子には、サーミスタや測温抵抗体、温度依存性の半導体などを用いる。センサー部のMEA(プロトン導電性高分子電解質膜と電極の複合体)は、発電部のMEAと同サイズでも良いが、より小さなサイズとすると、センサー部のコストを低下できる。また温度検出素子は負極側のセパレータの厚さ以下の薄型サーミスタなどが好ましく、特に、セパレータに設けた溝に接着剤等で固定して、燃料から遮断してリードの腐食やサーミスタ材料の変質などを防止することが好ましい。
好ましくは、第1及び第2電極間の起電力の増加から燃料濃度の低下を検出し、起電力の減少から燃料濃度の増加を検出する。発明者は、燃料濃度の低下により起電力が増加する機構を、次のように推定する。ブロトン導電性高分子電解質膜の負極側から正極側へ、燃料がクロスオーバーすると起電力は低下するので、起電力は正極側の燃料濃度の影響を強く受ける。正極側の燃料濃度は空気等の酸化剤の供給で低下し、クロスオーバーで増加する。ここで空気等の供給速度はほぼ一定なので、負極側の燃料濃度により正極側の燃料濃度が定まる。このため起電力は負極側の燃料濃度が増加すると減少する。また負極からのクロスオーバーに依存している正極側の燃料濃度には、負極側の燃料濃度の変動がいわば増幅して現れ、高感度で燃料濃度の変化を検出できる。
特に好ましくは、運転開始時に起電力の変化のスロープを求めるための手段を設ける。運転の開始後に、仮に燃料や発電部の温度が安定しているときでも、センサー部の起電力が安定するには、例えば5〜20分程度の時間がかかる。そこで起電力のスロープを求めると、例えば起電力の安定値を予測し、予測した安定値に基づいて燃料濃度をフィードバック制御できる。あるいはスロープから起電力が定常値に達しているかを判断し、達していればフィードバック制御を開始できる。運転開始時には一律にラグタイムを定めて、その間フィードバック制御を行わないようにしても良いが、起電力のスロープから安定値を予測し、あるいは定常値に達したかを判断すると、フィードバック制御が可能になるまでの時間を短縮できる。求めるスロープは温度補正後の起電力のスロープが好ましく、このようにすると温度変動によるスロープの変化を補正できる。
好ましくは、発電部の温度を求めるための手段を設けて、運転開始時に発電部が所定温度に達するまでは、起電力とは別に燃料濃度をオープンループ制御する。発電部の温度は、燃料温度から推定しても良く、あるいはセンサー部とは別に温度検出素子を設けて、発電部の温度を求めても良い。この場合、例えば長期放置などの後に、低い温度から運転を開始した場合、例えば所定温度に達するまでは高濃度の燃料を発電部に供給して、発電部を先ず昇温させる。一方短時間の運転休止後などで、最初から所定温度に達している場合などは、短時間で燃料濃度のフィードバック制御を開始できる。
本発明の液体燃料直接供給形燃料電池システムは、液体燃料の濃度を、センサー部の電圧と温度対応値を検出することにより、またはセンサー部の温度を検出し、供給される液体燃料を、適正な濃度に制御しているから、最適な条件下での運転を可能にできる。また、本発明の液体燃料直接供給形燃料電池システムの運転を制御する運転制御方法および運転制御装置は、液体燃料直接供給形燃料電池システムを最適な条件下で運転するのに寄与できるから、直接メタノール形燃料電池システムのような液体燃料直接供給形燃料電池システムの普及に寄与するところが大である。
図1は本発明の前提となるセルスタックを評価試験1に供した際の構成図である。
図2は評価試験1の結果を示した図である。
図3は本発明の実施形態1に係る直接メタノール形燃料電池システムの構成図である。
図4は実施形態1に係るシステムの運転制御方法のアルゴリズムの一例である。
図5は実施形態1に係るシステムを運転した際のメタノール水溶液中のメタノール濃度とセンサー部の電圧の挙動を示した図(評価試験2の結果を示した図)である。
図6は実施形態2に係るシステムに使用されるセルスタックを運転した際のメタノール水溶液中のメタノール濃度に対して温度がどのように変化するかを試験した結果を示した図(評価試験3の結果を示した図)である。
図7は本発明の実施形態2に係る直接メタノール形燃料電池システムの構成図である。
図8は実施形態2に係るシステムを運転した際のメタノール水溶液中のメタノール濃度とセンサー部の電圧の挙動を示した図(評価試験4の結果を示した図)である。
図9は本発明の実施形態3に係る直接メタノール形燃料電池システムの構成図である。
図10はセンサー部12に設けた温度検出用素子によって検出される温度と第2の温度検出手段Aによって検出される温度との間の温度差と、メタノール水溶液中のメタノール濃度との関係を測定した図(評価試験5の結果を示した図)である。
図11は実施形態3の変形例に係る直接メタノール形燃料電池システムの構成図である。
図12は最適実施例でのセルスタックの側面図で、燃料入り口側へのモニターセルの取り付けと、モニターセルと他のセルとの共通の空気や燃料の供給/排出系をを示す。
図13は最適実施例でのモニターセルの燃料極側セパレータの表裏を示す図で、サーミスタの取付と、小型化したMEA(プロトン導電体膜と電極複合体)とを示す。
図14は図13のXIV−XIV方向断面図で、燃料極側セパレータの裏面へのサーミスタの取り付けと燃料流路溝とを示す。
図15は最適実施例でのモニターセルの空気極側セパレータの表裏を示す図である。
図16は、図12のセルスタックでの、エンドプレートと端子板間のモニターセルを示す部分側面図である。
図17は、最適実施例の動作波形を示す図である。
図18は、燃料電池システムの起動時の燃料濃度の制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る液体燃料直接供給形燃料電池システムとその運転を制御する運転制御方法および運転制御装置を検証するために、以下のようにして、発電部とセンサー部を作製し、これらを一体化してセルスタックとした。
発電部の作製
白金とルテニウムとを活性炭素に担持させてなる燃料極触媒に、テフロン(登録商標)分散液およびナフィオン(登録商標)溶液を混合して作製した燃料極ペーストを、カーボンペーパー上に塗布して負極を得、白金を活性炭素に担持させてなる空気極触媒に、PTFE(登録商標”テフロン”)分散液および、パーフルオロスルホン酸(登録商標”ナフィオン”)溶液を混合して作製した空気極ペーストを、カーボンペーパーに塗布して正極を得た。次に、これらをナフィオン(登録商標)117からなる電解質膜(膜体)の両面にホットプレスで接合し、得られた接合体を正極側セパレータと負極側セパレータとで狭持してセルを作製し、さらに、このセルを34セル積層することによって直列に接続して発電部とした。
センサー部の作製
前述したセルと同様の構成とし、前記電解質膜の両面に、前記負極と同様に作製した第1電極と、前記正極と同様に作製した第2電極とを設け、負極側セパレータにサーミスタ(温度検出素子)を設けたものとした。第1電極と第2電極との間には、制御装置側で、例えばMΩオーダーで、少なくとも300Ω以上、好ましくは1KΩ以上の負荷抵抗を配置し、第1電極と第2電極の間の起電力を測定する。
セルスタックの作製
センサー部と発電部との間に電気的に絶縁するためのシリコンゴムを介して積層し、センサー部と発電部とを一体化してセルスタックとした。このように一体化したのは、液体燃料としてのメタノール水溶液が、発電部の負極側セパレータのマニホールドからセンサー部の第1電極に流れ、酸化剤ガスとしての空気が、発電部の正極側セパレータのマニホールドからセンサー部の第2電極に流れて、前記第1、第2電極間に電位差(電圧)を発生させるとともに、前記サーミスタは温度対応値(センサー部の温度に対応する値)を発生させるので、前記電圧を検出し、該電圧を前記温度対応値に対応したメタノール水溶液中のメタノール濃度に変換し、該濃度の管理を行うことを目的としたことによる。
評価試験1
上記セルスタックにおいて、第1、第2電極間の電圧と温度検出素子からの温度対応値とをセンサー部からの出力信号として得ることにより、メタノール水溶液中のメタノール濃度が温度補正されて検出できるかどうかを確認するために以下の評価試験1を行った。すなわち、図1に示したように、セルスタック1(センサー部12と発電部11を一体化したもの)を恒温槽10内にセットし、負極側に燃料タンク2から液送ポンプ21を介して液体燃料としてのメタノール水溶液を供給し、正極側にブロワー3から酸化剤ガスとしての空気を供給し、負極側からは反応生成物としての二酸化炭素と反応に寄与しなかったメタノール水溶液を液体燃料排出容器4に回収し、正極側からは反応生成物としての水と反応に寄与しなかった空気を排出するようにし、前述した電圧と温度対応値を検出するようにした。そして、燃料タンク2内のメタノール水溶液中のメタノール濃度を、0.5M、1M、1.5M、2Mとし、恒温槽10内の温度を30℃、50℃、70℃とし、メタノール水溶液の流速を500ミリリットル/分、空気の流速を40リットル/分としてセルスタック1を運転し、メタノール水溶液中のメタノール濃度に対して、前記電圧と温度との関係を測定し、結果を図2に示す。
結果
図2の結果より、温度が同じであれば、メタノール水溶液中のメタノール濃度が低くなると、電圧が高くなり、その変化幅は温度が高いほど大きいことがわかる。このことから、センサー部からの出力信号として、電圧と温度対応値を測定するとメタノール水溶液中のメタノール濃度が検出できることがわかる。
(実施形態1)
直接メタノール形燃料電池システム
前記セルスタック1を恒温槽10から取り出して、図3に示すような直接メタノール形燃料電池システムとし、これを実施形態1とした。すなわち、図3に示したように、セルスタック1と、液体燃料としてのメタノール水溶液を貯蔵する燃料タンク2と、前記メタノール水溶液中のメタノール濃度の調整に用いる高濃度燃料(50体積%のメタノール水溶液)を貯蔵する高濃度燃料タンク5とを設け、燃料タンク2からセルスタック1に供給されるメタノール水溶液中のメタノール濃度を、図2に示した関係に基づいて制御するために、燃料タンク2と高濃度燃料タンク5との間に電磁弁6を設け、電磁弁6を、センサー部12からの出力信号である電圧と温度対応値とを制御装置7に入力し、たとえば後述するアルゴリズムに基づいて得られた制御信号で制御し、高濃度燃料タンク5から燃料タンク2に供給される50体積%のメタノール水溶液の供給量が制御されるようにした。なお、制御装置7による制御、たとえば電磁弁6の開閉時間の制御等は、燃料タンク2からセルスタック1に供給されるメタノール水溶液中のメタノール濃度や高濃度燃料タンク5に貯蔵される50体積%のメタノール水溶液中のメタノール濃度によって変更し得るものであることは言うまでもない。
直接メタノール形燃料電池システムの運転制御
上記した直接メタノール形燃料電池システムの運転を制御する方法は図4に示したアルゴリズムにより、その運転を制御する装置は前記アルゴリズムを実現する装置である。すなわち、図2に示した関係に基づいて制御するため、たとえば、メタノール水溶液中のメタノール濃度を1Mに制御するためには、センサー部12によって検出された電圧(mV単位)が、センサー部の温度検出素子によって得られた温度対応値(℃温度単位)に係数0.53を掛け、これに603を加えた値より大であれば、電磁弁6を開いて、一定時間、高濃度燃料タンク5から燃料タンク2に50体積%のメタノール水溶液が供給されるようにし、前記電圧が、前記値より小であれば、電磁弁6を閉じて高濃度燃料タンク5から燃料タンク2に50体積%のメタノール水溶液が供給されないようにした。なお、前述した係数等の値や電磁弁6の開閉時間は、燃料タンク2からセルスタック1に供給されるメタノール水溶液中のメタノール濃度や高濃度燃料タンク5に貯蔵される高濃度燃料(50体積%のメタノール水溶液)の濃度によって変更し得るものであることは言うまでもない。
評価試験2
上記した直接メタノール形燃料電池システムを、メタノール水溶液の流速を500ミリリットル/分、空気の流速を40リットル/分とし、セルスタック1から一定出力(100W)が得られるように連続運転し、ガスクロマトグラフィーによって燃料タンク2中のメタノール水溶液の濃度の推移を適宜測定するとともに、センサー部12の電圧の挙動を測定し、結果を図5に示す。
結果
図5から、メタノール水溶液中のメタノール濃度は、管理目標である1Mに対し、0.9Mから1.1Mの間で制御されていることがわかる。つまり、メタノール水溶液中のメタノール濃度が1M以下に低下した時点で、電磁弁6の開放によって50体積%のメタノール水溶液が滴下され、これによってメタノール水溶液中のメタノール濃度は1.1M程度まで上昇し、管理目標に維持される制御が行われていることが確認できた。このことにより、メタノール水溶液中のメタノール濃度を検出するために、センサー部12を設け、その電圧を温度補正した関係からメタノール水溶液中のメタノール濃度を制御する方法が有効であることがわかる。
セルスタックの作製
前述したセルを34セル積層することによって直列に接続した発電部と、液体(メタノール)透過性膜としてのナフィオン(登録商標)112を介して前記負極(第1電極)および正極(酸化電極)と同様の電極を対設し、該液体透過性膜(膜体)の近傍(たとえば負極側セパレータ)に温度検出素子(サーミスタ)を設けたセンサー部とを、前記発電部との絶縁のためのシリコンゴムを介して一体化してセルスタックとした。このように一体化したのは、メタノール水溶液が発電部の負極側セパレータのマニホールドからセンサー部の第1電極(負極側)を経て膜体を透過して酸化電極側に流れ、空気が発電部の正極側セパレータのマニホールドからセンサー部の酸化電極側に供給され、それによってセンサー部の酸化電極の触媒によってメタノール水溶液が酸化されてその温度を上昇させ、膜体を透過するメタノール水溶液の量はメタノール水溶液中のメタノール濃度に依存し、メタノール水溶液の酸化による温度の上昇は膜体を透過したメタノール水溶液中のメタノール濃度に依存するので、この温度をセンサー部からの出力信号として得、これをメタノール水溶液中のメタノール濃度に変換し、該濃度の管理を行うことを目的としたことによる。
評価試験3
上記したセルスタックに、流速を500ミリリットル/分で、メタノール濃度が0.5M、1.0M、1.5Mおよび2.0Mのメタノール水溶液を供給するとともに、流速を40リットル/分で空気を供給し、セルスタックから一定出力(100W)が得られるように運転し、温度検出素子によって検出されるセンサー部の温度を測定した結果を図6に示す。なお、測定は、メタノール濃度が0.5Mのメタノール水溶液を供給してセンサー部の温度が50℃になった時点から開始した。
結果
図6から、メタノール水溶液中のメタノール濃度が高くなると温度検出素子によって検出されるセンサー部の温度も高くなることがわかる。このことから、メタノール水溶液中のメタノール濃度は、センサー部の温度を検出すれば、検出できることがわかる。
(実施形態2)
直接メタノール形燃料電池システム
前記セルスタックを、図7に示すような直接メタノール形燃料電池システムとし、これを実施形態2とした。すなわち、図7に示したように、セルスタック1と、液体燃料としてのメタノール水溶液を貯蔵する燃料タンク2と、前記メタノール水溶液の濃度調整に用いる高濃度燃料(50体積%のメタノール水溶液)を貯蔵する高濃度燃料タンク5と、前記発電部11の電池反応によって生成した生成水を貯蔵する水タンク9とを設け、セルスタック1の負極側に、燃料タンク2から液送ポンプ21を介して液体燃料としてのメタノール水溶液を供給し、正極側に、ブロワー3から酸化剤ガスとしての空気を供給し、負極側からは反応生成物としての二酸化炭素と反応に寄与しなかったメタノール水溶液が排出されて燃料タンク2に戻されるようにし、正極側からは反応生成物としての水と反応に寄与しなかった空気が排出されて気液分離器8を経由して生成水が水タンク9に回収されるようにし、温度検出素子によって検出されるセンサー部の温度を制御装置7に入力することによって、前記水タンク9から液送ポンプ91を介して前記燃料タンク2に戻される生成水の量と、高濃度燃料タンク5から液送ポンプ51を介して前記燃料タンク2に供給される50体積%のメタノール水溶液の量と、燃料タンク2から液送ポンプ21を介してセルスタック1に供給されるメタノール水溶液の量の少なくとも一つを制御するようにした。
直接メタノール形燃料電池システムの運転制御
直接メタノール形燃料電池システムを、センサー部の温度を図6のデータに基づきメタノール濃度に換算して、他は実施形態1と同様のアルゴリズムによって運転制御した。
評価試験4
液送ポンプ51を作動させ、高濃度燃料タンク5から液送ポンプ51を介して燃料タンク2に50体積%のメタノール水溶液が供給されるようにし、メタノール水溶液の流速を500ミリリットル/分、空気の流速を40リットル/分として、セルスタック1を、一定出力(100W)が得られるようにしながら連続運転し、ガスクロマトグラフィーによって燃料タンク2内のメタノール水溶液中のメタノール濃度の推移を適宜測定するとともに、発電部11の電圧の挙動を測定した結果を図8に示す。
結果
図8から、メタノール水溶液中のメタノール濃度は、管理目標である1Mに対し、0.5Mから1.5Mの間で制御されていることがわかる。つまり、メタノール水溶液中のメタノール濃度が1M以下に低下した時点で、液送ポンプ51を作動させることによって50体積%のメタノール水溶液が流れ込んで、これによってメタノール水溶液中のメタノール濃度は1.5M程度まで上昇し、管理目標に維持される制御が行われていることが確認できた。このことにより、センサー部の温度を検出し、この検出値と当該温度に対応したメタノール水溶液中のメタノール濃度との関係から該濃度の制御方法が有効であることがわかる。
上記したシステムでは、図3の電磁弁6に代えて液送ポンプ51を用いたものであるが、液送ポンプ51に代えて電磁弁6を用いることもでき、このような制御装置7による制御は、燃料タンク2からセルスタック1に供給されるメタノール水溶液中のメタノール濃度や供給量、高濃度燃料タンク5に貯蔵される高濃度燃料の濃度、メタノール水溶液中のメタノール濃度の管理目標によって適宜変更し得るものである。
また、液送ポンプ51に加えて、水タンク9から燃料タンク2に生成水を戻すための液送ポンプ91も制御装置7によって制御されるようにすると、さらに高い精度で濃度の制御ができる。
また、燃料タンク2からセルスタック1にメタノール水溶液を供給するための液送ポンプ21も制御装置7によって制御されるようにすると、上記したシステムの安定した運転制御ができる。
(実施形態3)
直接メタノール形燃料電池システム
センサー部12の温度検出素子に加えて、液送ポンプ21からセルスタック1に至る経路に第2の温度検出手段Aを設け、センサー部12の温度検出素子によって検出される温度と、第2の温度検出手段Aによって検出される温度(セルスタック1に供給されるメタノール水溶液の温度)とを制御装置7に入力し、その温度差によって制御装置7が制御されるようにした図9のようなシステムを構成した。第2の温度検出手段Aはセンサー部12の直上流などに設けても良い。
直接メタノール形燃料電池システムの運転制御
直接メタノール形燃料電池システムを、前記温度差を図10のデータに基づき、メタノール濃度に変換し、他は実施形態1と同様のアルゴリズムによって運転制御した。
評価試験5
直接メタノール形燃料電池システムを、前述した各濃度のメタノール水溶液を、温度を40℃、50℃、60℃、70℃にして評価試験3と同様に供給し、センサー部12の温度検出素子によって得られる温度と第2の温度検出手段Aによって得られる温度との間の温度差と、メタノール水溶液中のメタノール濃度との関係を測定し、結果を図10に示す。
結果
図10から、メタノール水溶液中のメタノール濃度が高くなると前記温度差も大きくなることがわかる。このことにより、前記温度差を検出することによってメタノール水溶液中のメタノール濃度が適正に制御できることがわかる。
(実施形態3の変形例)
上記実施形態3に対し、図11に示したように、セルスタック1から気液分離器8に至る経路にも第3の温度検出手段Bを設けたシステムを構成し、センサー部12の温度検出素子によって検出される温度と第2の温度検出手段Aによって検出される温度、およびセンサー部12の温度検出素子によって検出される温度と第3の温度検出手段Bによって検出される温度を制御装置7に入力し、前者の各温度間の温度差aと後者の各温度間の温度差bによって制御装置7が制御されるようにしたものも同様にメタノール水溶液中のメタノール濃度の制御は可能であると考えられる。
前述した実施形態2で用いた液体燃料透過性の膜体としては、パーフルオロスルホン酸系の膜のうち、メタノール水溶液のクロスオーバーの大きいものが使用でき、少なくとも酸化電極に具備させる、液体燃料を酸化させる触媒としては、通常の空気極に用いられる白金触媒が使用できる。これにより、クロスオーバーした液体燃料が白金触媒によって酸化されて発熱するので、この発熱量からクロスオーバーによる発熱量を算出し、その発熱量からメタノール水溶液中のメタノール濃度を算出するものである。また、実際のシステムにおいては、発熱量からメタノール水溶液中のメタノール濃度を算出する際には、発電によるジュール熱も考慮する必要がある。なお、上記実施形態2、3においては、負極(第1電極)は必ずしも必要としない。また膜体はプロトン導電性の無いPTFEなどの膜でも良い。
上述した各実施形態は、それぞれ電圧検出、温度検出および温度差検出によってメタノール水溶液中のメタノール濃度を検出するものであるが、これらは適宜併用できることは言うまでもない。たとえば、図11に示したシステムでは、セルスタック1のセンサー部12で電圧を検出し、液送ポンプ21からセルスタック1に至る経路に設けた第2の温度検出手段Aとセルスタック1から気液分離器8に至る経路に設けた第3の温度検出手段Bとで温度差を検出するようにもできる。
また、実施形態2以下に係る直接メタノール形燃料電池システムの運転制御装置や運転制御方法についても実施形態1と同様に実現することもでき、電圧検出、温度検出および温度差検出を併用した形態でも実現できる。
また、上記した実施形態では、いずれも定出力での運転に基づいているが、実際の運転は、負荷変動、酸化剤ガスや液体燃料の流速、起動時であるか定常時であるか、等によって検出される温度が影響を受けることが考えられるが、このような条件をあらかじめパラメータとして制御装置に入力しておき、温度検出素子によって検出されたデータをこれらのパラメータに基づいて補正するようにしておけば、より高精度な運転制御が実現できる。
また、上記した実施形態では、直接メタノール形燃料電池システムについて説明したが、メタノール以外の液体燃料、たとえばエタノール、ジメチルエーテル、イソプロピルアルコールなどを用いた液体燃料直接供給形燃料電池システムにも適用できることは言うまでもない。
最適実施例
図12〜図18に、最適実施例を示す。これらの図において、図1〜図11の実施例や変形例と類似の部材は類似のものを表し、これまでの実施例や変形例の記載は、特に断らない限り最適実施例にも当てはまる。
図12はセルスタック100の側面を示し、101は負極(燃料極)側のエンドプレート、102は正極(空気極)側のエンドプレートで、103は負極側の端子板、104は正極側の端子板である。端子板103,104間には複数のセル106が配置され、これらは炭素質のセパレータの一面に燃料用の流路溝を刻み、他面に空気用の流路溝を設け、一対のセパレータの間にMEAを挟み込んだものである。セパレータの4隅には燃料供給孔と燃料排出孔並びに空気供給孔と空気排出孔とがあり、燃料供給孔は互いに連通して燃料供給路107を成し、空気供給孔も互いに連通して空気供給路108を成す。同様に燃料排出孔も互いに連通して燃料排出路を成し、空気排出孔も互いに連通して空気排出路を成す。なお連通した供給孔や排出孔を、以下ではマニホールドという。燃料供給用のマニホールド107と燃料排出用のマニホールドは、セパレータの対角位置にあり、空気供給用のマニホールド108と空気排出用のマニホールドも対角位置にある。
燃料と空気では供給方向を例えば逆にし、空気はセルスタック100の一方の上側から、燃料はセルスタック100の他方の下側から供給する。このようにすると、発電によって負極で生成した二酸化炭素を廃燃料と共に上側に設けた排出用のマニホールドから排出でき、また空気排出用のマニホールド内に水が溜まることを防止できる。
センサー部としてのモニターセル110は、負極側のエンドプレート101と端子板103との間にあり、炭素質の燃料極側セパレータ112と、同様に炭素質の空気極側セパレータ114とを備えている。セパレータ112,114の厚さやサイズは、セル106のセパレータと同様にすることが好ましい。燃料供給孔116をセル106側の燃料供給マニホールドと連通させ、同様に燃料排出孔117をセル106側の燃料排出マニホールドと連通させる。また空気供給孔118をセル106側の空気供給マニホールドと連通させ、空気排出孔119をセル106側の空気排出マニホールドと連通させる.このようにすると、複数のセル106とモニターセル110とに対して、燃料の供給/排出と空気の供給/排出とを、同じシステムで行える。またセルスタック100内にモニターセル110を組み込み、端子板103,104とモニターセル110とを分離できる。
120はモニターセル110に設けたMEAで、周知のようにプロトン導電性高分子電解質膜の表裏に負極と正極とを設けたもので、必要であれば負極や正極の外側に多孔質のカーボンシートなどを設ける。MEA120のサイズは、セル106でのMEAと同じサイズでも良いが、好ましくは図13,図15に示すように、セパレータ112,114に対して小さなMEAとし、燃料供給溝121や空気供給溝123の配置も、MEA120に合わて、セル106のセパレータから変更する。なお、図13のMEA120は表面に正極が現れており、図15のMEA120は表面に負極が現れている。
122はサーミスタ取付部で、124はサーミスタである。ここではサーミスタとして例えば厚さが0.5mm以下の薄型サーミスタを用い、セパレータ112の燃料極とは反対側の面に設けた溝(深さ例えば1mm)に接着剤126で取り付ける。なおセパレータ112は、セル106のセパレータと同様に例えば2mm厚とする。
燃料中のメタノールやメタノールの部分酸化により生じた蟻酸は、サーミスタ材料の金属酸化物半導体を変質させたり、リード125を腐食させる作用がある。またセパレータ112は導電性である。このため接着剤126はサーミスタ124やそのリード125を燃料から遮断すると共に、例えばセパレータ112から絶縁する。
セパレータ112,114の周辺部分(孔116〜119などの周囲の部分)は、図16に示すパッキング130により液密である。そしてパッキング130の外側では燃料が実質的に存在しないので、パッキング130の外側ではリード125を保護しなくても良い。また、前記パッキング130によりモニターセル110は、端子板103,エンドプレート101と電気的に絶縁される。128,129はモニターセル110のMEA120の起電力を取り出すための出力端子で、例えばセパレータ112,114に導電性接着剤などにより取り付ける。
なおサーミスタ124の異常を防止する必要がある場合、例えば燃料極側セパレータ112の裏面に複数のサーミスタを配置して、一方を検出用とし、他方を予備ないしは検出用サーミスタのチェック用とすればよい。またMEA120の変質などが問題になる場合、モニターセル110を複数設けて、それぞれに対応してサーミスタ124などを設ければよい。
このようにすると、モニターセル110をセルスタック100に簡単に組み込むことができ、燃料や空気の供給/排出が容易で、モニターセル110と端子板103,104からの出力の取り出しを分離できる。さらにモニターセル110は燃料の入口側にあるので、セルスタック100での昇温の影響を受けずに、燃料温度を測定できる。またMEA120を小型化すると、モニターセル110を安価に構成でき、サーミスタ124を薄型にすると、セパレータ112,114の肉厚を小さくできる。そして接着剤126でサーミスタ124やそのリード125を保護すると、燃料によるサーミスタの変質やリードの腐食を防止できる。
なおサーミスタ124に代えて、測温抵抗体や感温半導体などを用いても良い。接着剤126に代えて、両面に接着剤や粘着剤を塗布した絶縁シートを、セパレータ112の裏面(負極の反対側の面)に設けた溝に貼り付け、ここにサーミスタ124を取り付け、サーミスタ124の露出表面を接着剤を塗布した他のシートなどで保護しても良い。
図5に示したように、燃料濃度が低下すると、モニターセルの起電力は増加し、燃料濃度が増加すると起電力は低下する。正極側の燃料濃度を実質的に0と見なすと、このような現象は説明できないので、これにはプロトン導電性高分子電解質膜に対するメタノールのクロスオーバーが関与しているものと考えられる。起電力に関与する因子として、負極並びに正極側の各燃料濃度と温度、負極並びに正極でのそれぞれの酸素濃度がある。これらのうち酸素濃度は時間的にほぼ一定と見なすことができ、温度はサーミスタなどにより補正できる。そして負極側の燃料濃度が増すとクロスオーバーは著しく増加し、これに伴って負極側で燃料濃度が増加する割合よりも大きな割合で、正極側で燃料濃度が増加する。このため燃料濃度が増加すると、負極側と正極側との間の燃料濃度の比が小さくなり、起電力が減少する。発明者は燃料濃度の増加によって起電力が減少することを、以上のように推定した。
図5に示したように、センサー部の起電力が所定値を超えることに伴って、電磁弁を開放し燃料タンクに高濃度燃料を追加した後、起電力が低下するまでには例えば20秒程度のタイムラグがある。そこで燃料タンクへの高濃度燃料の追加では、温度補正済みの起電力が所定の値を上回ると、所定時間の間、高濃度燃料を添加し、それから所定時間の間は、起電力にかかわらず高濃度燃料を添加しないことが好ましい。
図17にセルスタック100の運転を一旦停止した後に再起動した際の、モニターセルの出力を示す。なおこの出力は温度補正済みの出力で、運転を停止している間、燃料の循環や空気の供給は共にストップしている。
短時間の間運転を停止して再起動すると、起電力は、数分程度の間異常な値を示した後に、定常値へと復帰する。そこでこの間、起電力による燃料濃度の制御を停止することが好ましいが、速やかに燃料濃度の制御を開始したい場合がある。図17には示さなかったが、セルスタック100の運転を長期間休止した後に運転を再開すると、燃料温度もセルスタックの温度も低く、これらの温度を昇温させて出力を安定させるため、通常よりも高い燃料濃度で運転することが好ましい。
低温からの起動に対する処理と、運転再開時に起電力が異常な値を示すことに対する処理とを織り込んだ制御アルゴリズムを、図18に示す。セルスタックの運転を開始すると、セル温度が所定温度以上か否かを判別し、所定温度に到達するまでは、起電力を用いずにオープンループ制御で、通常よりも高濃度の燃料をセルスタック100に供給する。所定温度に達すると、例えば5分〜20分などのラグタイムに対するタイマをスタートさせ、温度補正済みの起電力のスロープ(起電力の勾配)を監視する。
スロープから温度補正済み起電力の安定値を予測し、次に動作モードが予測動作モードかタイマモードか定常値モードかを判別する。予測制御モードの場合、スロープから求めた温度補正済み起電力の安定値を用いて、これを所定値と比較し、燃料濃度を制御する。タイマモードの場合、タイマの動作が完了してラグタイムが経過するまで、オープンループ制御を続行する。定常値モードの場合、スロープの勾配が所定値以下かどうかにより、温度補正済み起電力が定常値に達しているかどうかを判別し、定常値に達していればフィードバック制御を開始する。

Claims (15)

  1. プロトン導電性を有する高分子電解質からなる電解質膜を介して負極と正極とを対設し、前記負極に液体燃料を、前記正極に酸化剤ガスを供給する手段を設けたセルが、複数個直列または並列に接続された発電部と、前記負極に供給する液体燃料を貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンク内の液体燃料の濃度調整に用いる高濃度燃料を貯蔵する高濃度燃料タンクと、前記発電部の電池反応によって生成する生成水を貯蔵する水タンクと備えた液体燃料直接供給形燃料電池システムに、
    少なくとも温度検出素子を有する液体燃料の濃度を検出するための出力信号を得るセンサー部と、
    前記センサー部からの出力信号に基づいて、高濃度燃料タンクから燃料タンクへの高濃度燃料の供給量の制御、水タンクから燃料タンクへの水の供給量の制御、または燃料タンクから発電部への液体燃料の供給量の制御、の少なくとも一つを行う制御部、とを設けたことを特徴とする液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  2. 請求の範囲第1項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、センサー部を発電部と一体に設けたことを特徴とする液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  3. 請求の範囲第2項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、センサー部は、温度検出素子、膜体、および前記膜体の表面に設けられた少なくとも一つの電極からなることを特徴とする液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  4. 請求の範囲第3項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、プロトン導電性を有する高分子電解質膜を前記膜体とし、前記膜体の両面に設けられた、液体燃料が供給される第1電極と酸化剤ガスが供給される第2電極とを前記電極とし、
    前記第1、第2電極間の電圧と温度検出素子によって得られた温度対応値とをセンサー部からの出力信号とし、
    前記制御部では、該出力信号を液体燃料の濃度に変換する、ことを特徴とする液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  5. 請求の範囲第3項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、
    液体燃料を透過させる液体透過性膜を膜体とし、前記膜体を透過した液体燃料を酸化させる触媒を具備した酸化電極を前記電極とし、前記酸化電極側に酸化剤ガスを供給して膜体を透過した液体燃料が前記酸化電極によって酸化されるようにし、前記温度検出素子により得られる温度対応値をセンサー部からの出力信号とし、
    前記制御部では、前記温度対応値を液体燃料の濃度に変換する、ことを特徴とする液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  6. 請求の範囲第5項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、前記温度対応値を、膜体を透過した液体燃料の酸化による温度変化に変換して、液体燃料の濃度に変換することを特徴とする液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  7. 請求の範囲第6項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、発電部の液体燃料供給口の近傍または発電部の液体燃料排出口の近傍の少なくとも一方に、該近傍の温度を検出する第2の温度検出素子が設けられ、センサー部の温度検出素子の信号と第2の温度検出素子の信号との差により前記温度変化を求めることを特徴とする液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  8. 請求の範囲第1項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、
    前記センサー部は、空気の供給/排出用の貫通孔と、燃料の供給/排出用の貫通孔とを設けたセパレータを備え、該セパレータ間に設けられたプロトン導電性高分子電解質膜と負極と正極とを備え、
    前記発電部の各セルは、空気の供給/排出用の貫通孔と、燃料の供給/排出用の貫通孔とを設けたセパレータを備え、
    前記センサー部を前記発電部への燃料供給側に配置して、センサー部の空気供給/排出用の貫通孔を発電部の空気供給/排出用の貫通孔と連通させ、センサー部の燃料供給/排出用の貫通孔を発電部の燃料供給/排出用の貫通孔と連通させたことを特徴とする、液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  9. 請求の範囲第8項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、
    前記発電部は、前記複数のセルの一端に負極側のエンドプレートと負極側の端子板を、他端に正極側のエンドプレートと正極側の端子板を備え、
    負極側のエンドプレートと端子板との間に前記センサー部を設けたことを特徴とする、液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  10. 請求の範囲第8項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、
    センサー部の負極側セパレータのプロトン導電性高分子電解質膜の反対面に、前記温度検出素子を取り付けたことを特徴とする、液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  11. 請求の範囲第4項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、
    前記第1及び第2電極間の起電力の増加から燃料濃度の低下を検出し、起電力の減少から燃料濃度の増加を検出することを特徴とする、液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  12. 請求の範囲第11項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、
    運転開始時に、前記起電力の変化のスロープを求めるための手段を設けたことを特徴とする、液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  13. 請求の範囲第12項記載の液体燃料直接供給形燃料電池システムにおいて、
    前記発電部の温度を求めるための手段を設けて、運転開始時に発電部が所定温度に達するまでは、前記起電力とは別に燃料濃度をオープンループ制御することを特徴とする、液体燃料直接供給形燃料電池システム。
  14. プロトン導電性を有する高分子電解質からなる電解質膜を介して負極と正極とを対設し、前記負極に液体燃料を、前記正極に酸化剤ガスを供給する手段を設けたセルが、複数個直列または並列に接続された発電部と、前記負極に供給する液体燃料を貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンク内の液体燃料の濃度調整に用いる高濃度燃料を貯蔵する高濃度燃料タンクと、前記発電部の電池反応によって生成する生成水を貯蔵する水タンクと備えた液体燃料直接供給形燃料電池システムに対して、
    少なくとも温度検出素子を有する液体燃料の濃度を検出するためのセンサー部と制御部とを設けて、
    該制御部により、前記センサー部からの出力信号に基づいて、高濃度燃料タンクから燃料タンクへの高濃度燃料の供給量の制御、水タンクから燃料タンクへの水の供給量の制御、または燃料タンクから発電部への液体燃料の供給量の制御、の少なくとも一つを行う、運転制御方法。
  15. プロトン導電性を有する高分子電解質からなる電解質膜を介して負極と正極とを対設し、前記負極に液体燃料を、前記正極に酸化剤ガスを供給する手段を設けたセルが、複数個直列または並列に接続された発電部と、前記負極に供給する液体燃料を貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンク内の液体燃料の濃度調整に用いる高濃度燃料を貯蔵する高濃度燃料タンクと、前記発電部の電池反応によって生成する生成水を貯蔵する水タンクと備えた液体燃料直接供給形燃料電池システムに対して、
    少なくとも温度検出素子を有する液体燃料の濃度を検出するためのセンサー部と、制御部とを備え、
    該制御部により、前記センサー部からの出力信号に基づいて、高濃度燃料タンクから燃料タンクへの高濃度燃料の供給量の制御、水タンクから燃料タンクへの水の供給量の制御、または燃料タンクから発電部への液体燃料の供給量の制御、の少なくとも一つを行う、運転制御装置。
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