JP2010010085A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 液体を燃料とする燃料電池において、長時間安定して高い発電効率にて運転可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池システムにおいては、燃料電池のセル積層構造に接続された負荷調整部を操作し、セル積層構造に負荷変動を与えている。この負荷変動時のセル積層構造内のセル最小電圧値と最小電圧値後の出力応値の差を評価値として求め、その評価値の分散分布が所定の範囲にあるセルからの電圧信号を用い、クロスオーバーを推定する。そして、評価値と制御部内に予め蓄積されたデータベースから、発電部に供給される燃料の燃料状態を推定する。そして、発電部に供給する燃料状態が所定の範囲内に収まるよう、セル積層構造に供給する燃料供給量を制御して発電効率を高められる。
【選択図】 図7

Description

この発明は、液体を燃料とする固体高分子型燃料電池を制御する燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池は、プロトン交換膜燃料電池とも称呼されることもあるプロトン伝導性を有する高分子膜を電解質として用いる燃料電池として知られている。固体高分子型燃料電池(PEFC)の中に、直接メタノール型燃料電池(DMFC)があり、この直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、気化器或いは加湿器のような補機が不要である点、メタノールが水素のような気体燃料と比べて取扱いやすい点、低温での運転が可能である点から携帯用機器の小型電源として開発が進められている。
直接メタノール型燃料電池(DMFC)は膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を有する。膜電極接合体はアノード極(燃料極とも称せられる。)、カソード極(空気極とも称せられる。)およびこれらの間に挟持されるプロトンを透過させる固体高分子膜から成る。アノード極にはメタノール水溶液が供給され、カソードには空気が供給される。アノード極では
Figure 2010010085
の反応が起こり、メタノールと水との電気化学反応によって二酸化炭素、プロトン、及び電子が発生される。また、膜電極接合体のカソード触媒層、即ち、MEAのカソード極において
Figure 2010010085
の反応が起こり、空気に含まれる酸素とプロトンが反応して水が生じる。生じた水は一部カソード側のカソード極からアノード極へ固体高分子膜を通して移動し、残りは供給された空気中へと放出もしくはカソード極内に蓄積される。
この時、同時にアノード極に供給したメタノール水溶液に含まれるメタノールの一部がアノード極からカソード極に移動するメタノールクロスオーバーが起こり、カソード極において式2に示される反応に加えて
Figure 2010010085
の反応が起こる。式3に示すメタノールクロスオーバーの反応によりアノード極のメタノールが消費されてしまうと、燃料利用効率(MEAアノード極に供給したメタノール量に対し、式(1)のアノード反応に使われたメタノール量の割合)が低下する。また、メタノールクロスオーバーはカソード極の出力低下を引き起こし、発電出力が低下する。
従って、DMFCにおいて、従来からメタノールクロスオーバーを所定の範囲に収めるための工夫が多くなされている。メタノールクロスオーバーは特許文献1にて報告されるように、アノード極に供給するメタノール濃度に比例して増加する傾向があることから、特許文献2ではメタノール濃度センサーを用いてアノード極に供給するメタノール濃度を検知し、メタノール濃度を所定の濃度範囲に収めるための工夫がなされている。また、特許文献3では発電部に隣接して設置された燃料タンクの温度を温度検知器によって検知し、温度を所定の範囲に収めるための工夫がなされている。このようにクロスオーバーを所定の範囲に収め、燃料利用効率と発電効率を向上させる工夫はいくつかの手法あるが、システムの小型化、高効率化のためには、クロスオーバーを検知するシステムの小型化、簡略化、と検知処理速度の高速化並びに安定性は重要な要素となる。
特開2007−165148号公報 特開2005−32610号公報 特開平5−258760号公報 特開2005−285628号公報
上記クロスオーバー検知システムの簡略化を実現するため、特許文献4では、発電部の負荷を閉回路から開回路に切り替え、切り替え後の一定時間後の発電部出力を評価値とし、その評価値から濃度を検知する工夫がなされている。この検知方法では、発電部の出力電圧値を評価値とする為、濃度センサーが不要となる利点がある。しかし、閉回路から開回路に切り替えて一定時間、濃度を検知するまでに時間を要するため、検知速度の高速化が課題となっている。また、発電部の出力電圧は、経年劣化等によって変化するため、安定性に課題が残っている。そこで、先願に係る特願2008−011863に、発電部に接続された負荷調整部が発電部から負荷を変化させ、変化させた後の発電部の最小電圧値及びこの最小電圧値の出力後に出力される出力応値を検知し、その検知した最小電圧値と出力応値の差を評価値とし、メタノールクロスオーバーを推定する手法が提案されている。この手法は特許文献4と同様に発電部の出力応答値を評価値とするため、濃度センサーが不要となる利点がある。また、負荷変動後の最小電圧値と出力応値の差分を評価値とするため、経年劣化によって出力値が変化した場合でも差分は変化しにくく、安定性が高い利点もある。しかし、発電部が複数のセルを有する場合、一部セルに電圧異常が生じると、その電圧異常によって評価値が変化してしまい、メタノールクロスオーバーの推定精度が低下してしまう問題がある。
すなわち、従来の燃料電池システムでは、メタノールクロスオーバーを所定の範囲に納めることができず、発電効率を向上させることができない問題がある。このような背景から、複数のセルから構成される発電部を有する液体型燃料電池において、小型化かつ長期的に安定してクロスオーバーを検知することができ、長期間に亘って高い発電効率にて運転を可能とする燃料電池システムが要望されている。
この発明は、上記問題点を解決するためになされてものであり、その目的は、液体を燃料とする燃料電池において、長時間に亘り安定して高い発電効率にて燃料電池を運転可能な燃料電池システムを提供することにある。
この発明によれば、
燃料を蓄える燃料タンクと、
前記燃料を希釈した燃料水溶液を蓄える混合タンクと、
前記燃料タンクから前記燃料を前記混合タンクへ供給する燃料供給部と、
電解質膜と、前記電解質膜を介して互いに対向するアノード極及びカソード極とを含む膜電極接合体と、前記アノード極に前記燃料を供給するアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給するカソード流路板とを有するセルを1単位とし、前記セルが複数積層された発電部と、
前記燃料水溶液を前記混合タンクから前記アノード極に供給する燃料循環部と、
前記発電部カソード流路板を通して前記カソード極に空気を供給するための空気供給部と、
前記発電部に第1の負荷及び第2の負荷を選択的に接続する負荷調整部と、
前記発電部内の前記セルの中の予め定められた単位セルから出力されるセル電圧信号を監視するためのセル電圧監視部と、
前記発電部の温度を検知して前記発電部の温度を制御する温度調整部と、
前記負荷調整部を制御して前記発電部に前記第1の負荷を接続し、ある第1時点において、前記第1の負荷から第2の負荷に切り換える負荷変動を与えて前記第2の負荷を前記発電部に接続する制御部であって、前記負荷変動の直後における前記セル電圧信号の夫々に含まれる最小電圧とこの最小電圧が表れた後における出力応値との電圧差を前記予め定められた単位セル毎に固有の評価値として収集され、この評価値の分散値が所定の範囲内にあるセルの評価値を用いて前記発電部に供給する燃料量を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする燃料電池システムが提供される。
また、この発明によれば、
燃料を蓄える燃料タンクと、
電解質膜と、前記電解質膜を介して互いに対向するアノード極及びカソード極とを含む膜電極接合体と、前記アノード極に前記燃料を供給するアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給するカソード流路板とから構成されるセルを1単位とし、前記セルが複数枚積層された発電部と、
前記燃料を前記燃料タンクから前記アノード極に供給する燃料供給部と、
前記カソード極に空気を供給する空気供給部と、
前記発電部の温度を検知して前記発電部を温度制御する温度調整部と、
前記発電部に第1の負荷及び第2の負荷を選択的に接続する負荷調整部と、
前記発電部内の前記セルの中の予め定められた単位セルから出力されるセル電圧信号を監視するためのセル電圧監視部と、
前記発電部の温度を検知して前記発電部の温度を制御する温度調整部と、
前記負荷調整部を制御して前記発電部に前記第1の負荷を接続し、ある第1時点において、前記第1の負荷から第2の負荷に切り換える負荷変動を与えて前記第2の負荷を前記発電部に接続する制御部であって、前記負荷変動の直後における前記セル電圧信号の夫々に含まれる最小電圧とこの最小電圧が表れた後における出力応値との電圧差を前記予め定められた単位セル毎に固有の評価値として収集され、この評価値の分散値が所定の範囲内にあるセルの評価値を用いて前記発電部に供給する燃料量を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする燃料電池システムが提供される。
更に、この発明によれば、
電解質膜と、前記電解質膜を介して互いに対向するアノード極及びカソード極とを含む膜電極接合体と、前記アノード極に燃料を供給するアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給するカソード流路板とから構成されるセルを1単位とし、前記セルが複数枚積層された発電部に供給する燃料量を制御する燃料電池の制御方法において、
前記発電部に第1の負荷を接続し、その後、ある時点において、前記第1の負荷から第2の負荷に切り換える負荷変動を与えて前記第2の負荷を前記発電部に接続させ、
前記負荷変動の直後における前記セルからの電圧信号の夫々に含まれる最小電圧とこの最小電圧が表れた後における最大電圧との電圧差を前記セル毎に固有の評価値として定め、
この評価値の分散値が所定の範囲内にあるセルの評価値を用いて前記発電部に供給する燃料量を制御することを特徴とする燃料電池の制御方法が提供される。
液体を燃料とする燃料電池においては、発電部に接続された負荷の負荷変動に伴い各セルから出力される電圧信号が変動され、この電圧信号から最小電圧とこの最小電圧が表れた後における出力応値とが導出される。この最小電圧と出力応値との電圧差が前記予め定められた単位セル毎に固有の評価値として収集され、所定の範囲内にある評価値を基にして発電部に供給する燃料量が制御されている。従って、燃料電池システムでは、メタノールクロスオーバーを所定の範囲に納めることができ、発電効率を向上させることが可能となる。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る燃料電池システムを説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システム1の構成を示している。燃料電池システム1は、図2を参照して説明するようなセル積層構造10を備え、電力を発生する発電部7、燃料としての高濃度メタノール若しくはメタノール燃料と少量の水の混合溶液(メタノール水溶液)を含む比較的高濃度の燃料を貯蔵する燃料タンク2、そして発電部7における発電をサポートする補器類3から構成されている。
補器類3は、発電部7の反応に最適な濃度のメタノールと水の混合溶液を蓄えた混合タンク5、燃料タンク2からのメタノール若しくはメタノールと水の混合溶液を混合タンク5に供給するための燃料供給部4、混合タンク5内のメタノールと水の混合溶液を発電部7のアノード極に供給し、発電部7で未使用な溶液を再び混合タンク5に戻すための燃料循環部6、空気を発電部カソード極に供給する空気供給部11、発電部7に負荷を与え、負荷に与えられる電流を検出し、負荷を調整して、発電部7の出力電力を制御する負荷調整部8、セル積層構造10の夫々のセルのセル電圧を検知するためのセル電圧監視部32、発電部3の温度を制御して温度を調整する温度制御部(温度調整部)13及び補器3内の各部を制御する為の制御部9から構成されている。
制御部9は、発電部7及び各補器3から必要な情報を検知し、検知した情報の処理または演算を行う。さらに制御部9はこの処理または演算の結果に応じて、燃料供給部4、発電部7及び負荷調整部8、空気供給部11に操作命令を与える。制御部9はこれら補器3を制御する処理部9a、各部で検出した検出信号を含む検出情報に基づいて各部に与えられる操作命令を設定する為の操作情報が予め格納されているデータベース9bから構成されている。後に説明するように、データベース9bは、セルから測定される電圧差に基づき当該セルが異常であるかを判定する為に参照される異常電圧差データベース9b−1、正常セルから測定される電圧差或いは正常セルから測定される電圧差の平均電圧差値に基づいてメタノールクロスオーバー量を推定する為に参照されるクロスオーバー換算データベース9b−2及び推定されたメタノールクロスオーバー量を基にして燃料量を決定する為に参照されるクロスオーバー供給量制御データベース9b−3を含んでいる。
ここで、燃料量とは、燃料中のメタノール濃度と燃料流量の積、すなわち燃料に含まれるメタノールの単位時間当たりの供給量(単位としてはmol/s)をいう。
また、温度制御部13は、図示しない温度センサーを備える。この温度センサーが発電部7の温度を検出して温度センサーからの温度検出信号を制御部9に与えている。制御部9は、この温度検出信号を基に温度制御指令を温度制御部13に与え、温度制御部13に設けられた温度調整素子を駆動して発電部7の温度を所定の温度範囲に維持している。温度制御部13は、セル積層構造10の夫々のセル16を個別に温度制御することができることが好ましい。ここで、一例として、個々のセル16に供給する冷却空気の流量を温度制御部13(ファンなど)で制御することで、各セル16の温度を調整することができる。また、後に説明するように、異常と判定されたセル(以下、異常セルという)16に対して当該セル16の温度が制御(セル温度を上昇、或いは低下させて)されて正常な状態に回復させることができる。従って、異常セル16に供給する冷却空気の流量を調整することで、異常セル16の温度を制御することができ、正常な状態に回復させることができる。
発電部7は、負荷調整部8および電力調整部30を介して電力負荷31に接続されている。ここで、電力負荷31は、この燃料電池システム1で発生される電力で駆動される電子機器が相当する。電力調整部30は、燃料電池システム1で発生される電力を電力負荷31に供給しているここで、電力の調整は、負荷の調整で実現され、負荷調整は、負荷調整部8が担っている。そして電力負荷31で必要な電力に対し、発電部7での発電する電力が不足する場合、電力調整部30は図には記載していないが、他の電源(例えばリチウムイオンバッテリーやコンデンサ)などから不足分の電力を補う。後に説明されるように、電力調整部30は、燃料電池システム1で発生される電力の電力調整部30への供給をオン或いはオフするスイッチング回路を含んでいる。オフ状態で電力調整部30は、電力負荷31から切断されてその出力側が開回路状態となるように構成されている。
発電部7と補器3との間は、流体配管系で接続されている。この流体配管系においては、燃料タンク2と燃料供給部4とは、燃料供給ラインL1で接続される。燃料供給部4と混合タンク5とは、燃料供給ラインL2で接続されている。ゆえに、燃料タンク2中の燃料は、燃料供給部4を操作することで任意に混合タンク5に供給される。また、流体配管系においては、混合タンク5と燃料循環部6とは、燃料供給ラインL3で接続される。燃料循環部6と発電部7とは供給ラインL4で接続される。発電部7と混合タンク5は、燃料供給ラインL5で接続されている。従って、混合タンク5に蓄えられた燃料は、燃料供給ラインL3を介して燃料循環部6に供給される。供給された燃料は、燃料循環部によって発電部7に供給ラインL4を介して供給される。発電部7で消費されなかった混合溶液及び発電により発生した二酸化炭素(反応生成物)は、分離されて混合溶液がラインL5に供給され、二酸化炭素(反応生成物)が発電部7外に放出される。また、ラインL5に供給された混合溶液は、混合タンク4内に戻される。空気供給部11と発電部7はラインL6で接続され、発電部7のカソード極に空気が送り込まれる。
また、発電部7と補器3の間は、信号及び電流配線系で接続されている。制御部9は、信号ラインE1を介して燃料供給部4に接続される。発電部7と制御部9とは、信号ラインE2で接続される。負荷調整部8と制御部9とは信号ラインE3で接続される。セル電圧監視部と制御部9とは、信号ラインE4で接続されている。燃料供給部4から混合タンク5に供給される燃料流量が計測される。この計測された流量信号を含む流量情報が信号ラインE1を介して制御部9に転送される。制御部9からは、供給流量を定める流量制御命令(流量設定信号)が信号ラインE1を介して燃料供給部4に転送される。従って、流量制御命令に従って燃料供給部4から燃料が混合タンク5に供給される。ここで、各セル16に供給される燃料は、各セル16に流入する燃料の流路に燃料流量調整バルブ(図示せず)が設けられ、セル16毎に調整されても良い。
また、発電部7内のセル積層構造(積層構造)10で発生され、出力されるスタック電圧(各セル全体の電圧)は、電圧情報(電圧信号)として信号ラインE2を介して制御部9に転送される。電力調整部30はラインE7を通して負荷調整部8に接続されている。負荷調整部8は、電流ラインE3を介して発電部7に負荷を与える。この負荷調整部8で検出された負荷電流の値は、負荷電流情報(負荷電流信号)として信号ラインE3を介して制御部9に転送される。また、制御部9で設定された負荷制御命令は、信号ラインE3を介して制御部9から負荷調整部8に与えられる。従って、負荷調整部8は、負荷制御命令に従って定められた設定負荷に相当する負荷を発電部7に接続し、この設定負荷に流れる負荷電流が検出されて負荷電流情報として制御部9に転送される。なお、負荷調整部8に電力調整部30の役割を持たせることで、電力調整部30を省略させることも可能である。この場合、負荷電力31は負荷調整部8に接続される。
セル電圧監視部32は、予め定められた単位セルで発生される電圧を検出する電圧検出回路(図示せず)を含み、電圧信号ラインE4を介して発電部7内のセル積層構造10の予め定められた単位セルに接続される。単位セルで発生される電圧がセル電圧検出回路で計測され、計測したセル電圧がセル電圧信号として制御部9に転送される。ここで、予め定められた単位セルとは、セル積層構造10に含まれる全ての単位セルとすることができる。このほか、複数の単位セルを選択し、それらの合算電圧とすることもできる。また、特定のセルだけを選択して予め定められた単位セルとすることもできる。例えば、単位セル16の枚数が多い場合、セル電圧監視部は全セルの電圧を検出するのではなく、隣接する2〜3枚の単位セルを選択し、これらの合算電圧を予め定められた単位セルにおける電圧とすることができる。
発電部7は、図2(a)及び(b)に示されるようなセル積層構造10を備えている。この図2(a)及び(b)を参照してこのセル積層構造10に関して説明する。セル積層構造10では、図2(a)に示すようにアノード集電板12及びカソード集電板14間に複数個の単位セル16が積層され、アノード集電板12及びカソード集電板14間に電気的に直列に接続されている。アノード集電板12及びカソード集電板14間に積層された単位セル16は、一対の締め付け板18A、18B間に配置され、この締め付け板18A、18B間に固定具19A、19Bによって締め付け固定されている。アノード集電板12及びカソード集電板14とは、夫々負荷調整部8に接続され、セル積層構造10で生成された電流がカソード集電板14で収集されて負荷調整部に供給される。
単位セル16は、図2(b)に示されるように膜電極接合体(MEAと称する。)20を備えている。この膜電極接合体20の一方の側にアノード流路板22が設けられ、他方の側にカソード流路板24が設けられている。膜電極接合体20がアノード流路板22及びカソード流路板24で挟まれている。膜電極接合体20がアノード流路板22及びカソード流路板24に接続されたガスケット26で密閉された構造に形成されている。アノード流路板22とカソード流路板24は、このガスケット26で絶縁され、しかも、このガスケット26によってMEA20から外部に燃料及び空気のリークが防止される。膜電極接合体20は、電解質膜の一方の側にアノード極が形成され、電解質膜の他方の側にカソード極が形成されている。
各セル16のアノード流路板22は、隣接するセル16のカソード流路板24に電気的且つ機械的に接続され、各セル16のカソード流路板24は、隣接するセル16のアノード流路板22に電気的且つ機械的に接続されて積層されたセル16は、互いに直列に接続されている。また、各セル16には、当該セル16が発生する電圧を外部から監視する為にアノード流路板22及びカソード流路板24に出力端子22A,24Aが設けられている。この出力端子22A,24Aがセル電圧信号ラインE4を介してセル電圧監視部32の電圧検出回路に接続されて各セル16の電圧がモニター(監視)されている。セル電圧監視部32からは、各セル16で発生される電圧に相当する電圧信号が信号供給ラインE4を介して制御部9の検知処理部9aに供給される。
アノード流路板22は、MEAアノード極側に面して燃料となるメタノール水溶液が流通される流路が形成されている。この流路を介してメタノール水溶液がMEAに供給され、また、MEAにおける反応で生成した気体がこのアノード流路板22の流路を介して排出される。カソード流路板24は、MEAカソード極側に面して空気が流通される流路が形成され、この流路を介してMEAに空気が供給され、また、MEA20において反応で生成され、MEA20を透過した水がカソード流路板24の流路を介して排出される。
膜電極接合体(MEA)20は、固体高分子膜の両面に触媒層を塗布して触媒層を形成し、その触媒層の外側に集電及び燃料供給と反応生成物の排出を円滑に行うためのガス拡散層を接合することで形成される。固体高分子膜としては、例えば、デュポン(DuPont)社のナフィオン(Nafion:登録商標)で作られたイオン交換膜を用いることができる。アノード触媒(アノード電極膜)及びカソード触媒(カソード電極膜)としては、市販のPt−Ru触媒、Pt触媒等を用いることができる。ガス拡散層としては市販のカーボンペーパー、カーボン繊維、カーボン不織布を用いることができる。これら拡散層には、主としてカーボンと撥水性から成る緻密層(Micro Porous Layer)を設けても良い。
アノード流路板22及びカソード流路板24は、夫々膜電極接合体20のアノード極への燃料及び生成物排出、カソード極への空気供給及び生成物排出と、反応によって生成した電気の集電を実現する為に設けられ、この目的を果たす限り、アノード流路板22及びカソード流路板24の形状は任意の形状をとることができる。例えば、アノード流路板22にサーペンタイン流路板を用いることができる。
以下、図1に示される燃料電池システムの運転について説明する。
発電を始めるにあたり、燃料循環部6が操作されて混合タンク5内に蓄積された所定の濃度のメタノール水溶液が流路L4を介してアノード流路板22に供給される。空気は、空気供給部11が操作されて流路L6を介してカソード流路板24に供給される。従って、アノード流路板22のアノード側では、燃料が流通される流路からアノード極に燃料が浸透される。また、カソード流路板24のカソード側は、空気が流通される流路からカソード極に空気が浸透される。
負荷調整部8が操作されて、セル積層構造10に接続される負荷が印加されるとアノード触媒層、即ち、MEA20のアノード側では、式(1)に示されるメタノール酸化反応が起こる。カソード触媒層、即ち、MEA20のカソード側では、式(2)で示される酸素還元反応が起こる。
アノード触媒で生成したプロトン(H+)は、アノード触媒層から固体高分子膜を通してカソード触媒層へと流れる。この時、プロトンと同時にメタノールも固体高分子膜を通してカソード触媒層へと流れ、カソード側で式(3)の反応が起こってメタノールが消費される(メタノールクロスオーバー)。電子(e−)は負荷調整部8を流れる。アノード触媒層で生成した二酸化炭素(CO2)は、アノード流路板22の流路を介して発電セル積層構造10外に放出される。ここで、二酸化炭素を燃料電池システム1から排出するため、混合タンク5内やラインL5、若しくは、発電セル積層構造10内に気液分離機構が設けられている。発電セル積層構造10にて未反応のメタノール水溶液は、燃料供給ラインL5を通して再び混合タンク5に戻される。
発電を継続すると、メタノールが式(1)の酸化反応及び式(3)のメタノールクロスオーバーによって消費されるため、混合タンク5内のメタノール濃度は低下する。メタノール濃度が低下するとメタノールクロスオーバーが低下し、燃料利用効率は高くなる。一方、所定の下限値よりも濃度が低下した場合、式(1)のメタノール酸化反応の反応速度が低下し、出力低下を引き起こす。このため、発電効率が低下する。そこで制御部9は、燃料供給部4を操作して燃料タンク2からメタノールを供給して濃度を増加させることにより燃料量を増加させる処理を行う。しかし、メタノール濃度が所定の上限値よりも増加した場合、メタノールクロスオーバーが増加して燃料利用効率が低下する。よって制御部9は、メタノールクロスオーバーが所定の範囲に収まるように混合タンク5内の燃料濃度を制御して燃料利用効率と発電効率の両方を高めるように燃料電池システムを制御する。ここで、燃料利用効率とは、式(1)の反応と式(3)のメタノールクロスオーバーの割合“式(1)の反応量/(式(1)の反応量+式(3)のメタノールクロスオーバー量)”で定義する。また、発電効率は“セル電圧/理論電圧×燃料利用効率”で定義する。
そこで、この発明の実施例では、メタノールクロスオーバーは、以下の手法により推定され、推定したクロスオーバーが所定の範囲に収まるよう、制御部9は、燃料供給部4を操作して混合タンク5内のメタノール濃度を制御している。
(メタノールクロスオーバー推定方法)
図3は、負荷調整部8で負荷が切り換えられ、セル積層構造10から取出される負荷電流Iがステップ状に負荷電流I1から負荷電流I2に変動した際の各セル16から出力されるセル電圧の応答特性CR、CR、CR、CRを示している。これらCR、CR、CR、CRは、4枚のセル16〜16が積層されたセル積層構造10における4つのセル16〜16において測定されたセル電圧の特性を示している。各々のセル16〜16は、セル電圧監視部32に接続され、各セル16〜16の電圧が個別に監視され、セル電圧信号が検知処理部9aに供給される。
図3において、上付のサフィックス(添え字)1〜4は、4枚のセル16のセル番号1〜4を示し、下付のサフィックス“1”は、最小電圧値V(極小点電圧値)及び最小電圧値Vを取る際の時点Tに対応する。下付のサフィックス“2”は、最小電圧後に出現する出力応値とする最大電圧値(極大電圧値)及び最大電圧値を取る際の時点Tに対応する。下付のサフィックス“3”は、別途最小電圧後に出現する出力応値とする定常電圧V及び定常電圧Vを取る際の時点Tに対応している。
図3に示すグラフにおける、時点T=T0以前の時間期間においては、負荷調整部8で第1の負荷が選択されてセル積層構造10から負荷電流I=I1が取出される。時点T=T0において、負荷調整部8における負荷が第1の負荷から第2の負荷に変更されて取り出される負荷電流IがI=I1からI=I2にステップ状に増加させられる。この負荷電流Iの変動に伴い、第2の負荷に切り替えた直後の時点T=T では、n番目(nは、1〜4)のセルのセル電圧Vは、V=V で最小電圧値(極小点電圧値)を取り、その後、スタック電圧Vは、最大電圧値(極大電圧値(V ))に達した後に、徐々に略一定の値(定常電圧V )に収束される。ここで、最小電圧値V と最大電圧値V の間には電圧差ΔV (ΔV =V ―ΔV )が生じ、最小電圧値V と一定時間(例えばT=T)経過後の定常電圧V との間には電圧差ΔV (ΔV =V ―V )が生じる。この電圧差ΔV 及び電圧差ΔV が各セル16の評価値として採用され、この評価値を基にして各セル16が後に説明するように評価される。
尚、第1及び第2の負荷の一方は、零の負荷値を有する負荷を含み、第1及び第2の負荷の他方は、所定の値を有する。
以下の説明において、時点T は負荷変動直後にn番目のセル16が第1の最小電圧値V を取る時間と定める。時点T は、負荷変動直後にn番目のセル16が第一の最大電圧値V をとる時間と定める。時点Tは、全てのセル161〜16が第1の最小電圧値V と最大電圧値V に達した後の定常電圧V に収束した時間と定める。この時点T3は、n個全てのセルが第1の最小電圧(極小電圧値V )、第1の最大電圧値(最大電圧値V )を経過した後であれば任意に設定することができる。ここで、時点T は、セル16毎のばらつきがあるものの、負荷変動の後の10秒以内に観測される傾向が実験により確認されている。従って、例えば、時点T3は負荷変動の後の10秒〜60秒後の間に定めることができる。
全セルが同じ燃料流量、空気流量さらには同じ温度といった同一条件、同一環境下におかれた場合、セル積層構造10から出力される最小電圧(極小電圧値)とその後の出力応値とする最大電圧値(最大電圧値)の電圧差に相当するスタック電圧差ΔV2 とメタノールクロスオーバーとの関係は、先願に係る特願2008−011863に記述されるように概ね一意の線形関係に近似することができる。また、各電圧差ΔV3 及びメタノールクロスオーバーとの関係も概ね一意の線形関係に近似することができる。
しかし、特定のセル16に空気配流或いは燃料配流の偏りが生じるなど特異的な不具合(異常)が起こった場合(以下、単にセルの異常と称する。)、電圧差ΔV 及び電圧差ΔV とメタノールクロスオーバーとは、一意の線形関係にならならず、メタノールクロスオーバーを推測できないこととなる。
以下、セル電圧監視部32でセル電圧がモニターされ、最小電圧値V1 と最小電圧後に出現する出力応値を最大電圧値V との電圧差ΔV が検知処理部9aで求められ、この電圧差ΔV に基づきメタノールクロスオーバーが推定される信号処理の基本的原理について説明する。
図4は、測定結果としてのメタノールクロスオーバー量に起因するメタノールクロスオーバー電流と電圧差ΔV の関係を示すグラフである。ここで、メタノールクロスオーバー電流は式(3)のメタノールクロスオーバー反応で生じるCO2量を測定することで求めた。
燃料並びに空気不足がない正常な状態でメタノールクロスオーバー電流と電圧差ΔV と間の特性では、直線A0で示されるように、電圧差ΔV とメタノールクロスオーバー電流とは、ある一定の線形関係を有している。しかし、空気配流が各セル16に均一分配されず、空気配流がばらついて各セル16に不均一に空気が供給され、供給空気量に不足が生じているセルが生じたり、カソード極がフラッディングしているセルがあったり、カソード流路の一部が閉塞したセルがある場合等では、酸素不足の影響を受ける。ここで、フラッディングとは、数2の反応で生じた生成水が膜電極接合体20から排出されず、水が内部に蓄積してしまうことで空気供給を阻害してしまう現象を言う。よって予めクロスオーバーが所定の範囲内に収まるような燃料量を供給し、所定の範囲にクロスオーバーが収まっている条件でも、電圧差ΔVの値が大きくなる(セルの異常1と称する。)。電圧差ΔVを検知し、メタノールクロスーバーを推定する際、セルの異常1の条件下では、直線A1で示されるように標準セルのメタノールクロスオーバーよりも電圧差ΔV1が高くなることから、実際は、異常1セルと標準セルが同じメタノールクロスオーバーであったとしても、異常1は、メタノールクロスオーバーが高いと誤った推定をしてしまう。よって推定したクロスオーバーから燃料循環部6を操作し、混合タンク内に供給するメタノール量を制御部9が決定する際、セル積層構造10に現在供給されているメタノール濃度は、実際よりも高いと判断され、混合タンク5内の燃料濃度を正確に制御することができなくなってしまう。一方、燃料配流のばらつきにより、供給燃料に不足が生じたセル16、アノード流路の一部が閉塞したセル16等では局所的な燃料不足が生じる。よって予めクロスオーバーが所定の範囲内に収まるような燃料量を供給し、所定の範囲にクロスオーバーが収まっている条件でも、電圧差は小さくなる(セルの異常2)。電圧差ΔV2が検知されてメタノールクロスーバーが推定される際、異常2の条件下では、直線A2で示されるように標準セルのメタノールクロスオーバーよりも電圧差ΔV2が低くなることから、実際は、異常2と初期設定が同じメタノールクロスオーバーであったとしても、異常2では、メタノールクロスオーバーが低いと推定してしまう。この場合、異常1の場合と同様に混合タンク5内の燃料濃度を正確に制御することができなくなってしまう。
よって複数のセルから構成されるスタック積層構造10において、異常1及び異常2となっているセル電圧の情報(電圧信号)を除去した値からクロスオーバーを推定することでクロスオーバーの推定精度を向上させることができる。即ち、検知処理部9aで異常1及び異常2となっているセル電圧の情報(セル電圧信号)が下記の原理に基づき排除されて正常なセル電圧の情報(セル電圧信号)からクロスオーバーが推定される。
図5には、セル積層枚数が16枚(N=16)のセル積層構造10における、各セル16の電圧差ΔV のヒストグラムの一例が示されている。セル電圧監視部32は16枚全ての電圧を予め定められた単位セルとして検出している。このセル積層構造10においては、各セル16には、同濃度のメタノール水溶液が燃料循環部6より供給されているものとする。下記式(4)で表される16セルの平均電圧差
Figure 2010010085
は、約0.040Vとなっている。
しかし、図5においては、異常セルとして矢印で示されるように1つのセルの電圧差が他のセルの電圧差に比較して大きな電圧差となっている。ここで、このような異常セルの個数をMと仮定する。この図5に示されたヒストグラムおいては、M=1である。異常セルには、他と同一の燃料濃度が供給されているにも関わらず、他と異なる電圧差を示している。検知処理部9aでは、この異常セルからの出力電圧信号が処理対象とされることは、クロスオーバーの推定誤差要因になると判断し、異常セルを除去し、下記式(5)で表される残りのセルで電圧差
Figure 2010010085
を求めている。このΔV ave’よりクロスオーバーを推定することで、クロスオーバーの推定精度を向上させることが可能となる。異常セルか異常セルではないかの判断は、各セルの電圧差ΔV の頻度分布S(ΔV )を求め、その頻度分布から所定の範囲以上離れたものを異常セルと判断する。より具体的には、頻度分布内である標準偏差内にあるセルの電圧差ΔV は、正常なセルからの出力信号で求められ、頻度分布内である標準偏差外にあるセルの電圧差ΔV は、異常なセルからの出力信号で求められたとしてクロスオーバーの推定に当たっては、排除される。なお、上記での頻度分布として、ガウス分布を用いることができる。
上記説明では、正常セルと判断されたセルの評価値の平均(平均評価値)を用いてクロスオーバーを推定しているが、この平均電圧差でクロスオーバーを推定するに代えて、正常セルのグループから選定された特定のセルのみから求められた電圧差が用いられてクロスオーバーが推定されても良いことは明らかである。
また、セル積層構造10を構成する単位セル16の枚数が多い場合、上記手法のように各セル全ての電圧差ΔV を検出すると検出システムのコストが高くなり、或いは、処理方法が煩雑になる可能性がある。そこで複数の単位セル合計の電圧差ΔV を評価値として用いる他、いくつか特定の単位セル16を抽出し、その抽出した特定の単位セルにおける電圧差ΔV を評価値として用いることも可能である。
図6には、負荷調整部8、セル電圧監視部32及び燃料供給部4から出力された信号に基づく制御部9における制御動作の詳細が示されている。この図6を参照して制御部9における制御動作を説明する。
ステップS01に示すように制御動作が開始されると、ステップS02に示すように制御部9内の処理部9aから負荷調整部8に負荷変動処理の命令が与えられる。命令を受けた負荷調整部8では、ステップS10に示すように負荷変動処理を実行して発電部7に接続される負荷を変更する。負荷調整部8で負荷が変更されると同時に、セル電圧監視部32は、ステップS11で示すようにセル電圧監視部32内の電圧検出回路でセル16のセル電圧を計測する。従って、制御部9内の検知処理部9aには、ステップS03で示すように各セル16から出力される時間の経過と共に変動されるセル電圧信号がセル電圧監視部32から入力されてその電圧信号に含まれる最小電圧値及び最大電圧値の差が電圧差ΔV として求められる。
次に、制御処理部9aは、ステップS04に示すように電圧差ΔV の頻度分布S(ΔV )を算出する。データベース9b内の異常電圧差検出データベース9b−1内の所定の頻度分布と算出された電圧差ΔV の頻度分布S(ΔV )とが比較されてステップS05に示すように異常セルが検知される。即ち、データベース9b−1内の所定の頻度分布内、例えば、標準偏差内にある電圧差ΔV を持つセル16が正常セル16と判断され、所定の範囲外、例えば、標準偏差外にある電圧差ΔV を持つセル16が異常セルと判断され、正常セルのグループと異常セルのグループとが分別される。そして、正常セル16のグループのみの電圧差ΔV の平均値が求められて評価用電圧差ΔV2に設定される。評価用電圧差ΔV2でクロスオーバー換算データベースが参照されて、ステップS06に示すようにメタノールクロスオーバー量が推定される。推定したクロスオーバー量でクロスオーバー供給量制御データベース9b―3が参照されてクロスオーバーと燃料供給量との関係に応じて、処理部9aは、ステップS07に示すように燃料供給部4に定められた燃料供給量での供給を指示する流量制御命令を燃料供給部4に転送する。命令を受けた燃料供給部4は、ステップS12に示すように燃料供給量が所定の流量になるように燃料供給部4を制御する。燃料供給部4を制御することで、混合タンク5内の燃料濃度を制御することができ、その結果、発電部7に供給されるクロスオーバーが推定され、そのクロスオーバーを所定の範囲内に収めるように燃料濃度が制御される。すなわち、燃料量が制御されることになる。
次に、図7を参照して発電効率を所定の範囲内に収めるための燃料タンク2からの燃料供給流量を制御してクロスオーバーを所定の範囲内に収める制御フローについて説明する。
図7は、システムに負荷変動を与えて生ずるセル電圧の応答に基づく制御のフローチャートを示している。
尚、このシステムフローチャートは、制御部9内のデータベース部9bに予め記録され、各条件に基づいて各補器が操作され、制御される。
ステップS21に示されるように、発電効率を所定の範囲内に収める制御が開始されると、始めに、タイマー(図示せず)がセットされ、ステップS22に示されるように負荷に流れる負荷電流がI1に設定される。次に、ステップS23に示すように、システム運転時に予め定められた時間間隔Tlimが経過しているかが確認される。タイマーでの計測時間が時間間隔Tlimを経過していない場合には、再び、ステップS22に戻され、時間間隔Tlimの経過を待つこととなる。時間間隔Tlimを経過した時点で、ステップS24に示すように負荷調整部8が操作されて負荷が第1の負荷から第2の負荷に切り換えられてセル積層構造10の各セル16の負荷変動が測定される。この負荷変動が燃料電池運転中に一定時間間隔Tlimで周期的に生じるように検知処理部9a内にプログラムが設定され、定期的に発電部7に供給される燃料濃度が推定され、燃料濃度が制御される。この周期的な燃料濃度の推定及び制御によって、長時間に亘り高い発電効率での運転が可能となる。負荷変動処理では、負荷に所定の電流値I1が流れるようにセットして電圧値が安定するまでその負荷のままに一定時間保持され、その後、電流値がI2に変化される。そして、電流I2へ変化した後におけるセル積層構造10の各セルからの応答値が監視(モニター)され、ステップS25に示すように評価用電圧差ΔV2が計測され、また、ステップS26に示すようにデータベース部9b―3が参照される。
ステップS27において評価用電圧差ΔV2がデータベース9bに格納されている所定の範囲と比較される。ステップS27において、評価用電圧差ΔV2が所定の範囲内にある場合、クロスオーバー過電圧が所定の範囲内に収まっているため、制御部9は、発電部7に供給される燃料の燃料濃度は所定の範囲内にあると判断する。従って、ステップS28に示すように、燃料タンク2からの燃料供給量Qが予め定められた一定流量(Q=Q0)になるように燃料供給部4が操作される。ここで、評価用電圧差ΔV2が所定の範囲内にあるかを判断するには、制御部9がデータベース部9b―3内に蓄積されている評価用電圧差ΔV2と濃度との換算表から判断する。燃料供給流量Q0の条件も同様にデータベース9b―3内に蓄積されている。
一方、ステップS27において、評価用電圧差ΔV2が所定の範囲内にない場合には、ステップS29に示すように、その評価用電圧差ΔV2が所定の範囲よりも大きいか(評価用電圧差ΔV2が上限か)が判別される。評価用電圧差ΔV2が所定の範囲よりも大きい場合、セル積層構造10の各セル16は、クロスオーバー過電圧が大きくなっているため、ステップS30に示すように燃料タンク2からの燃料供給量Qが抑制され、燃料供給量Q=Qlow<Q0となるように燃料供給部4が操作される。そして、再び、ステップS21に戻され、一定時間間隔Tlimの経過後、再び負荷変動が与えられ、ステップS25において、評価用電圧差ΔV2が計測される。ステップS27において、評価用電圧差ΔV2が所定の範囲内に収束されると、ステップS28に示すように燃料供給量をQ=QlowからQ0になるように燃料供給部4が操作されて運転が続けられる。一定時間間隔Tlimの経過後においても、評価用電圧差ΔV2が所定の範囲内よりも大きいままの場合、ステップS30に示されるように燃料供給量がQ=Qlowに抑制された状態のままに運転が継続される。
ステップS27において、電圧差ΔV2が所定の範囲内になく、ステップS29において、その評価用電圧差ΔV2が所定の範囲よりも小さい場合、セル積層構造10の各セル16は、クロスオーバー過電圧が小さくなり、そのままの状態で運転が続けられた場合、燃料供給不足を引き起こす可能性がある。従って、ステップS31に示すように燃料タンク2からの燃料供給量が増加され、Q=Qup>Q0となるよう、燃料供給部4が操作される。そして、再びステップS21に戻され、一定時間間隔Tlimの経過後に、ステップS24に示すように再び負荷変動が与えられ、ステップS25において、電圧差ΔV2が計測される。ステップS27において、評価用電圧差ΔV2が所定の範囲内に収まった場合、燃料供給量がQ=QupからQ0になるように燃料供給部4が操作され、フローチャートに沿って運転が続けられる。一定時間間隔Tlimの経過後もステップS27において、評価用電圧差ΔV2が所定の範囲内よりも小さいままの場合、ステップS31に示すように燃料供給量をQ=Qupに増加した状態のままで運転が継続される。
上述したようにこの発明の実施形態のシステムにおいては、発電部7のクロスオーバー過電圧に相関する評価用電圧差ΔV2を計測し、この計測された評価用電圧差ΔV2の情報に応じて燃料供給量を制御することができる。電圧差情報の計測に基づく燃料供給量制御は、濃度センサーを用いて混合タンク5内の燃料濃度を検知し、その検知した濃度状態からクロスオーバー過電圧を推定して燃料供給を制御する手法に比べてより正確な制御が可能となる。例えば、長期にわたりセル積層構造10が運転される場合、膜電極接合体の経年劣化等を原因として、セル積層構造10内への燃料の導入量が変動される問題がある。この燃料導入量が変動される場合、クロスオーバー過電圧を一定に保ち、発電効率を所定の範囲内に保って運転を続けるためには、発電部7に供給する燃料濃度を燃料の導入量の変化に応じて経時的に変化させていかねばならない。しかし、この発明の実施形態のシステムにおいては、混合タンク5の燃料濃度の情報からクロスオーバー過電圧を推定する必要がなく、クロスオーバー過電圧値を直接計測情報として利用している。従って、このような経時的な変化に対しての対応が容易となる。また、濃度センサーのような特殊な部品を必要としないため、システムの小型化並びに低コスト化を実現することができる。
また、この発明の実施形態のシステムにおいては、検知情報として使用する評価用電圧差ΔV2は、外乱を与えた非定常時における応答より求められるため、定常時における電圧値を使用する場合に比較して測定までの計測時間を短縮することができる。また、図1に示したシステムにおいて混合タンク5内に蓄積したメタノール水溶液濃度Dが予め定められた水溶液濃度よりも高い場合、クロスオーバー量が大きくなり、評価用電圧差ΔV2は大きくなる。一方、メタノール水溶液濃度Dが予め定められた水溶液濃度よりも低い場合、クロスオーバー過電圧小さくなり、評価用電圧差ΔV2は小さくなる。この評価用電圧差ΔV2は、異常セルの情報が頻度分布を基にして除外され、正常とみなされる正常セルからの電圧信号のみを基に限定して求めているため、より高精度なクロスオーバー算出が可能となり、発電効率をより精度よく制御することができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態の図6に示す制御方法では、異常セルを検知し、正常セルのみの電圧差を用いてクロスオーバーを推定している。この制御方法に加え、更に異常セルの電圧差の状態によって異常セルにどのような異常が起こっているのかを判断し、異常セルを正常な状態に回復させる制御を行っても良い。この異常セルの正常な状態への回復処理は、上述した評価用電圧差ΔV2に応じて燃料供給量を制御する処理が周期的に実施される間に実施されれば良い。燃料供給量を制御する処理において、図6に示されたステップS05において検出された異常セルが正常な状態に回復させる対象とされる。
図8は、システム内の異常セルを回復する処理を示すフローチャートの詳細を示している。この図8を参照して異常セルの回復について説明する。
尚、このフローチャートに基づく制御動作は、予め制御部9内のデータベース9bに予め記録され、各条件に基づいて各補器が制御部9によって操作され、制御される。
ステップS051に示されるように、異常セルと判断されたセルは、ステップS052に示されるようにそのセル16から測定された電圧差ΔV が所定の電圧上限値より高い値にあるかが判断される。そして、ステップS052において、電圧差ΔV が所定の値より高い(YES)場合には、ステップS053に示されるように発電部7の温度が所定の値よりも高いかが判断される。ここで、発電部7の温度は、発電部7に設けられた温度制御部13の温度センサ(図示せず)で発電部7の温度が検出されて温度センサーからの温度信号が信号供給ラインS5を介して制御部9に伝達される。ステップS053において、発電部7の温度が所定の上限温度よりも高い(YES)場合、電圧差ΔV の異常は、発電部の温度が所定の温度よりも高いことに起因するとみなし、ステップS054にて温度制御部に温度低下指示を与え、発電部7の温度を低下させる処理を実行する。
ステップS052にてその電圧差ΔV が所定の電圧上限よりも高く、ステップS053にて発電部7の温度が所定の上限温度よりも小さい場合、電圧差ΔV の異常は、空気不足に起因するとみなし、ステップS055にて制御部9は、空気供給部11に空気流量増加指示を与え、セルに供給する空気流量を増加させる処理を実施する。
ステップS052にて異常と判断されたセルの電圧差ΔV が所定の電圧上限以下であると判断された場合、ステップS056において発電部7の温度が所定の値よりも低いかを判断する。発電部7の温度が所定の下限温度よりも低い場合、電圧差ΔV の異常は、発電部7の温度が所定の温度よりも低いことに起因するとみなし、ステップS057にて制御部9は温度制御部13に温度増加指示を与え、発電部7の温度を増加させる処理を実施する。
ステップS054或いはステップS057において、発電部7内の各セル16の温度を個別に制御可能であれば、異常セルが制御対象とされてその異常セル16の温度が低下或いは増加される。発電部7が各セル16の温度を個別に制御できない構造である場合には、異常セル16を含むセル積層構造10の温度が低下或いは増加されても良い。
ステップS052にて異常と判断されたセルの電圧差ΔV が所定の電圧上限以下で、ステップS056にて発電部7の温度が所定の下限温度よりも高い場合、電圧差ΔV の異常は、燃料不足に起因するとみなし、ステップS058にて制御部9は燃料循環部6に燃料流量増加指示を与え、セルに供給する燃料流量を増加させる処理を実施する。
尚、異常セルと判断されるセルが2つ以上あり、一方の電圧差が所定の上限値よりも大きく、他方が所定の下限値よりも小さい場合、ステップS055とステップS058の操作、もしくはステップS054、S055,S057,S058の複数のステップを同時に実施しても良い。
ステップS054、ステップS055、ステップS057、ステップS058にて各種補器を操作は、異常検知から一定の時間継続させることができ、その継続時間は、任意に定めることができる。図8に示される処理を実施することで、異常セルを回復させることが可能となることから、発電効率を向上させることができる。また、異常セルの数の低減になることから、クロスオーバーの推定精度を向上させることができ、燃料利用効率を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、燃料タンク2内の燃料を混合タンク5内で希釈せずに直接セル積層構造10に供給する燃料電池システムを制御する制御方法に関する。
図9は、第3の実施の形態に係る燃料電池システムの構成を示している。図9においては、図1に示した符号と同様の符号を同一部分、同一箇所に付してその説明を省略する。
図9に示すシステム1は、電極を含むセル積層構造10、燃料若しくは燃料と水の混合溶液を含む燃料タンク2及び発電部7をサポートする補器類3から構成されている。
発電部7は、負荷調整部8、電力調整部30を介して電力負荷31に接続されている。ここで、電力負荷31は、この燃料電池システム1で発生される電力で駆動される電子機器が相当する。電力調整部30は、燃料電池システム1で発生し、電力調整部8で得た電力を電力負荷31に供給している。後に説明されるように、電力調整部30は、燃料電池システム1で発生される電力の電力調整部30への供給をオン或いはオフするスイッチング回路を含み、オフ状態で電力調整部30は、電力負荷31から切断されてその出力側が開回路状態となるように構成されている。
補器3は、燃料タンク2からのメタノール若しくはメタノールと水の混合溶液を発電セル積層構造10に供給するための燃料供給部4、発電部7の電力値を検知して発電部7から負荷を取出すための負荷調整部8、空気を発電部7のカソード極に供給する空気供給部11、セル積層構造10からのセル電圧を検知するためのセル電圧監視部32、発電部の温度を制御する温度制御部13、発電部7及び補器3から必要な情報を検知し、各々の補器に制御指令を与えるための制御部9から構成される。ここで、燃料供給部4として、例えば液体流量制御ポンプを用いることができる。また、空気供給部として、例えば空気流量制御ポンプもしくはファンを用いることができる。空気供給部11にファンを用いた場合、温度制御部13の冷却用のファンと発電用の空気供給用のファンを兼用させることも可能である。セル電圧監視部32は、セル積層構造10の全てのセル電圧を検知するのみならず、特定のセルのセル電圧及び複数のセルの合計セル電圧をスタック電圧として検知することもできる。
燃料タンク2と燃料供給部4とは、燃料供給ラインL1で接続され、燃料供給部4とセル積層構造10は、燃料供給ラインL7で接続されている。燃料供給部4が操作され、燃料タンク2内の燃料がセル積層構造10のアノード流路板22に送り込まれ、空気が同様にセル積層構造10のカソード流路板24に送り込まれ、負荷調整部8が操作されると、セル積層構造10は発電を開始する。発電部7は、セル積層構造10に加えて気液分離部(図示せず)が設けられ、反応で生成した気体が外部に排出される。
図9に示すシステムでは、燃料タンク2の燃料を直接セル積層構造10に供給している。従って、図9に示すシステムは、混合タンク5内の燃料とセル積層構造10からの未反応燃料水溶液を混合し、燃料タンク2の燃料が供給されて燃料を所定の濃度に調整する混合タンク5、混合タンク5から発電部7に燃料を供給し、未反応の燃料を再び混合タンク5に循環させる循環機構を備えず、システムが簡略化されている。
図9に示すシステムでは、燃料タンク2からセル積層構造10へ供給する燃料供給流量が局所的に多い場合、その局所的に燃料供給流量が多いセルでは、クロスオーバー過電圧が大きくなる。一方、供給する燃料供給流量が局所的に少ない場合、燃料供給流量が局所的に少ないセルでは、クロスオーバー過電圧が小さくなる。クロスオーバー過電圧が所定の値よりも小さくなった場合には、燃料不足により発電不能になる。よって、システム運転中に負荷変動が与えられ、その負荷変動時のセル積層構造10の各セルからの評価用電圧差ΔVの値からそれぞれのセルにおけるクロスオーバー過電圧が推定され、その評価用電圧差ΔVの値が所定の範囲内に収まるように燃料供給部4が操作されて均一な燃料供給が可能となり、システムの発電効率が高められる。
本システムにおいて、クロスオーバーの制御手法は、図6を参照する実施の形態1の手法と実質的に同様であるので、以下に概略を記載し、その詳細な説明は省略する。
始めに、負荷調整部8を操作して、負荷を第一の負荷から第二の負荷に切り替えた時の電圧差ΔV(nは測定するセル番号)がセル電圧監視部32にて検知される。電圧差ΔVは、各セル16の最小電圧値V1と最大電圧値V2の差ΔV 及び最小電圧値V1と一定時間経過後の電圧値V3との差ΔV のいずれかを用いることができる。
次に、制御部9が各セルの電圧差ΔVの頻度分布S(ΔV)を求め、その頻度分布から所定の範囲以上離れたものを異常セルと判断し、残りの正常セルと判断する。制御部9は、この正常セルと判断された電圧信号からのみ得られた電圧差からクロスオーバーを推定し、燃料供給部4を操作する。
一方、電圧差ΔVの頻度分布から、所定の範囲を外れた異常セルと判断されたセルは、発電効率の低下の原因になるため、正常状態に回復させるための処理を実行する。
図10は、システムにおいて異常セルを回復する処理を示すフローチャートの詳細を示している。
この図10に示されたシステムフローチャートは、制御部9内のデータベース9bに予め記録され、各条件に基づいて下記に記述されるように各補器が操作され、制御される。ここで、電圧差ΔVは、最小電圧値V1と最大電圧値V2の電圧差ΔV2を基準として説明する。
ステップS061に示されるように、異常セルと判断されたセルは、ステップS062において、その電圧差ΔV が所定の電圧上限値Vu_limより高い値にあるかが判断される。そして電圧差ΔV が所定の値Vu_limより高い場合、ステップS063において、発電部7の温度が所定の値Tu_limよりも高いかが判断される。発電部温度が所定の上限温度Tu_limよりも高い場合には、電圧差ΔV の異常は、発電部の温度が所定の温度よりも高いことに起因するとみなし、ステップS064において制御部9は、温度制御部13に温度低下させる指示を与え、温度制御部13が発電部7の温度を低下させる処理を実行する。
ステップS062において、その電圧差ΔV が所定の電圧上限Vu_limよりも高く、且つ、ステップS063において、発電部7の温度が所定の上限温度Tu_limよりも低い場合、電圧差ΔV の異常は、空気不足に起因するとみなし、ステップS065において、空気供給部11に空気流量を増加させる指示を与え、空気供給部11がセル16に供給する空気流量を増加させる処理を実施する。
ステップS062において、異常と判断されたセルの電圧差ΔV が所定の電圧上限Vu_limよりも高くない(=低い)異常にあっては、ステップS066にて発電部7の温度が所定の下限温度値Tl_limよりも低いかが判断される。発電部温度が所定の下限温度Tl_limよりも低い場合、電圧差ΔV の異常は、発電部の温度が所定の温度Tl_limよりも低いことに起因するとみなし、ステップS067において、温度制御部13に温度を増加させる指示を与え、温度制御部13が発電部7の温度を増加させる処理を実行する。
ステップS062において、異常と判断されたセルの電圧差ΔV が所定の電圧上限Vu_limよりも高くなく(=低く)、且つ、ステップS066において、発電部7の温度が所定の下限温度Tl_limよりも高い場合、電圧差ΔV の異常は、燃料不足に起因するとみなし、ステップS068において、制御部9は、発電部7から外部に出力される電力を調整する電力調整部30を操作して、発電部7が電力負荷31に接続されない開回路状態にすることができる。開回路状態にすることで、セル積層構造10内に残留したCO2を排出し、セル16間の燃料配流のバラツキを改善させることができる。
尚、図9に示すシステムにおいては、燃料供給流量自体が非常に小さく、燃料供給量を増加させても燃料配流のばらつきは改善されないことから、電力調整部30を開回路状態に切り換えている。
上記ステップS064、ステップS065及びステップS067における処理は、一定時間の間、処理を実行した後に、セル温度及び空気流量は、再び所定の値に戻される。また、ステップS068における処理は、一定時間の間、開回路状態に維持した後に電力調整部30が発電部7を電力負荷31に接続する閉回路に戻されることとなる。
異常セルと判断させたセルが2つ以上あり、一方の電圧差が所定の上限値Vu_limよりも大きく、他方が所定の下限値Vl_limよりも小さい場合、ステップS065とステップS068の操作を同時に実行することができる。この方法により、クロスオーバー制御の向上による燃料利用効率の向上に加え、異常セルを正常状態に戻すような改善によって発電効率を向上させることが可能となる。
尚、異常セルを回復させる操作で正常セルに影響を及すことは、ほとんどない。通常、異常セルを正常セルに回復させる操作範囲が正常セルの出力を落とすなどの問題を引き起こさない範囲に上限及び下限が設定されているからである。
上記実施の形態1から3で示した構成は、システムの一例に相当している。このシステムに対しは、空気供給部として温度制御部13に使用するファンを兼用させたブリージング方式のセルであってもこのシステムのクロスオーバー制御方法は適用することができることは明らかである。また、異常セル検知の際には、上記処理法に対し、空気供給部は操作できないものとみなして処理することができる。また、特許文献1中にあるように、発電部への燃料供給量の制御にあたり、燃料供給部を操作せず、温度制御部、燃料循環部、空気供給部、負荷調整部を操作する方法に関しても本システムは適用することができる。
また、図1及び図9に示されるシステムにおいては、空気供給部11及び温度制御部13が独立して設けられているが、空気供給部11が温度制御部13の機能を有しても良い。即ち、空気供給部11からの送気される空気量が増加されて発電部7がより冷却されて発電部7の温度が低下され、空気供給部11からの送気される空気量が減少されて発電部7の冷却が抑制されて発電部7の温度が上昇されても良い。
また、実施の形態3の図9で適用した図10のフローチャートを実施の形態1の図1のシステムに適用することも可能である。
本発明の第1の実施の形態にかかる燃料電池システムを概略的に示すブロック図である。 (a)及び(b)は、図1に示した発電部内のセル積層構造を概略的に示す断面図及び各セルの構造を概略的に示す断面図である。 図1に示される負荷調整部を操作してセル積層構造から取り出される負荷電流をステップ状に切替えた場合のセル電圧応答特性を示すグラフである。 図1に示される発電部内の燃料セルにおける電圧差ΔV2とクロスオーバー電流との関係を示すグラフである。 図1に示される発電部内の燃料セルにおける電圧差ΔV2の分布の一例を示す分布図である。 図1に示した制御部におけるクロスオーバー制御を示すフローチャートである。 図7は、図1に示されるシステムに負荷変動を与えて生ずるセル電圧の応答に基づく制御のフローチャートを示している。 図1に示した制御部における、異常セル回復方法の制御を示すフローチャートである。 この発明の第3の実施の形態に係る燃料電池システムを概略的に示すブロック図である。 図9示したシステムにおいて、異常セルを検知し、回復させる制御ループを示すフローチャートである。
符号の説明
1...燃料電池システム、2...燃料タンク、3...補器類、4...燃料供給部、5...混合タンク、6...燃料循環部、7...発電部、8...負荷調整部、9...制御部、9a...処理部、9b...データベース、10...セル積層構造、11...空気供給部、12...アノード集電板、13...温度制御部、14...カソード集電板、16...単位セル、18A,18B...締め付け板、19A,19B...固定具、20...膜電極接合体(MEA)、22...アノード流路板、24...カソード流路板、22A,24B...出力端子、26...ガスケット、30...電力調整部、31...電力負荷、32...セル電圧監視部、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7...供給ライン、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8...信号ライン、

Claims (16)

  1. 燃料を蓄える燃料タンクと、
    前記燃料を希釈した燃料水溶液を蓄える混合タンクと、
    前記燃料タンクから前記燃料を前記混合タンクへ供給する燃料供給部と、
    電解質膜と、前記電解質膜を介して互いに対向するアノード極及びカソード極とを含む膜電極接合体と、前記アノード極に前記燃料を供給するアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給するカソード流路板とを有するセルを1単位とし、前記セルが複数積層された発電部と、
    前記燃料水溶液を前記混合タンクから前記アノード極に供給する燃料循環部と、
    前記発電部カソード流路板を通して前記カソード極に空気を供給するための空気供給部と、
    前記発電部に第1の負荷及び第2の負荷を選択的に接続する負荷調整部と、
    前記発電部内の前記セルの中の予め定められた単位セルから出力されるセル電圧信号を監視するためのセル電圧監視部と、
    前記発電部の温度を検知して前記発電部の温度を制御する温度調整部と、
    前記負荷調整部を制御して前記発電部に前記第1の負荷を接続し、ある第1時点において、前記第1の負荷から第2の負荷に切り換える負荷変動を与えて前記第2の負荷を前記発電部に接続する制御部であって、前記負荷変動の直後における前記セル電圧信号の夫々に含まれる最小電圧とこの最小電圧が表れた後における出力応値との電圧差を前記予め定められた単位セル毎に固有の評価値として収集され、この評価値の分散値が所定の範囲内にあるセルの評価値を用いて前記発電部に供給する燃料量を制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料を蓄える燃料タンクと、
    電解質膜と、前記電解質膜を介して互いに対向するアノード極及びカソード極とを含む膜電極接合体と、前記アノード極に前記燃料を供給するアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給するカソード流路板とから構成されるセルを1単位とし、前記セルが複数枚積層された発電部と、
    前記燃料を前記燃料タンクから前記アノード極に供給する燃料供給部と、
    前記カソード極に空気を供給する空気供給部と、
    前記発電部の温度を検知して前記発電部を温度制御する温度調整部と、
    前記発電部に第1の負荷及び第2の負荷を選択的に接続する負荷調整部と、
    前記発電部内の前記セルの中の予め定められた単位セルから出力されるセル電圧信号を監視するためのセル電圧監視部と、
    前記発電部の温度を検知して前記発電部の温度を制御する温度調整部と、
    前記負荷調整部を制御して前記発電部に前記第1の負荷を接続し、ある第1時点において、前記第1の負荷から第2の負荷に切り換える負荷変動を与えて前記第2の負荷を前記発電部に接続する制御部であって、前記負荷変動の直後における前記セル電圧信号の夫々に含まれる最小電圧とこの最小電圧が表れた後における出力応値との電圧差を前記予め定められた単位セル毎に固有の評価値として収集され、この評価値の分散値が所定の範囲内にあるセルの評価値を用いて前記発電部に供給する燃料量を制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする燃料電池システム。
  3. さらに前記制御部が前記評価値の分散が所定の範囲内にあるセルの平均評価値を求め、その平均評価値に基づいて前記燃料供給部を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2の燃料電池システム。
  4. さらに前記制御部が前記評価値の分散が所定の範囲内にないセルがある場合、前記燃料循環部、前記空気供給部及び前記温度調整部の少なくともいずれか1つを予め定められた時間操作することを特徴とする請求項1の燃料電池システム。
  5. さらに前記制御部が前記評価値の分散が所定の範囲内にないセルがある場合、前記空気供給部、前記温度調整部及び前記負荷調整部の少なくともいずれか1つを予め定められた時間操作することを特徴とする請求項1または請求項2の燃料電池システム。
  6. さらに前記制御部が前記評価値の分散が所定の範囲内にないセルを異常セルと判断し、前記異常セルの評価値が所定の範囲の上限値よりも大きく、且つ、前記発電部の温度が所定の範囲の上限値よりも高い場合、前記温度制御部を制御して前記発電部の温度を所定の値よりも低下させることを特徴とする請求項1又は請求項2の燃料電池システム。
  7. さらに前記制御部が前記評価値の分散が所定の範囲内にないセルを異常セルと判断し、前記異常セルの評価値が所定の範囲の上限値よりも大きく、且つ、前記発電部の温度が所定の範囲内にある場合、前記空気供給部を制御して前記発電部への空気供給量を所定の値よりも増加させることを特徴とする請求項1又は請求項2の燃料電池システム。
  8. さらに前記制御部が前記評価値の分散が所定の範囲内にないセルを異常セルと判断し、前記異常セルの評価値が所定の範囲の下限値よりも小さく、且つ、前記発電部の温度が所定の範囲の下限値よりも低い場合、前記温度制御部を制御して前記発電部の温度を所定の値よりも増加させることを特徴とする請求項1又は請求項2の燃料電池システム。
  9. さらに前記制御部が前記評価値の分散が所定の範囲内にないセルを異常セルと判断し、前記異常セルの評価値が所定の範囲の下限値よりも小さく、且つ、前記発電部の温度が所定の範囲内にある場合、前記燃料循環部を制御して前記発電部への燃料循環量を所定の値よりも増加させることを特徴とする請求項1の燃料電池システム。
  10. さらに前記制御部が前記評価値の分散が所定の範囲内にない単位セルを異常セルと判断し、前記異常セルの評価値が所定の範囲の下限値よりも小さく、且つ、前記発電部の温度が所定の範囲内にある場合、前記負荷調整部を制御して前記発電部から取り出す負荷を開回路にすることを特徴とする請求項1および2の燃料電池システム。
  11. さらに前記制御部が前記空気供給部と前記温度調整部が兼用されていることを特徴とする請求項1又は請求項2の燃料電池システム。
  12. さらに前記制御部が前記燃料供給部を操作して前記燃料量を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2の燃料電池システム。
  13. 電解質膜と、前記電解質膜を介して互いに対向するアノード極及びカソード極とを含む膜電極接合体と、前記アノード極に燃料を供給するアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給するカソード流路板とから構成されるセルを1単位とし、前記セルが複数枚積層された発電部に供給する燃料量を制御する燃料電池の制御方法において、
    前記発電部に第1の負荷を接続し、その後、ある時点において、前記第1の負荷から第2の負荷に切り換える負荷変動を与えて前記第2の負荷を前記発電部に接続させ、
    前記負荷変動の直後における前記セルからの電圧信号の夫々に含まれる最小電圧とこの最小電圧が表れた後における最大電圧との電圧差を前記セル毎に固有の評価値として定め、
    この評価値の分散値が所定の範囲内にあるセルの評価値を用いて前記発電部に供給する燃料量を制御することを特徴とする燃料電池の制御方法。
  14. 前記出力応値は、前記最小電圧に達した後に略一定に維持される電圧に相当することを特徴とする請求項1、請求項2、および請求項13のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  15. 前記出力応値は、前記最小電圧に達した後に出現する最大電圧に相当することを特徴とする請求項1、請求項2、および請求項13のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  16. 前記予め定められた単位セルは、全てのセルを各々単位セルとしたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
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