JP7157837B2 - 燃料電池システムの動作方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アノードガス及びカソードガスの供給に基づき発電する燃料電池スタックを備えた燃料電池システムの動作方法に関する。
複数の発電セルを積層して構成される燃料電池スタックは、発電において、一部の発電セルに対するアノードガス(燃料ガス)の供給不足が生じる場合がある。特に、燃料電池スタックは、アノードオフガスを排出するアノード出口連通孔付近において液水(生成水)が溜まり易く、局所的なアノードガスの欠乏が生じ易い。このような局所的なアノードガスの欠乏は、燃料電池スタックを劣化させる要因となる。
このため、特許文献1には、各発電セルのセル電圧を監視して、セル電圧のバラつきが大きい場合に、アノードガスの供給不足が一部の発電セルに生じていると判定する燃料電池システムが開示されている。この燃料電池システムは、一部の発電セルに対するアノードガスの供給不足を判定した場合に、アノード系装置の循環ポンプの回転数を増大する制御を行う。
特開2006-351336号公報
しかしながら、各発電セルのセル電圧は、アノードガスの供給不足が生じていない正常時でもバラつきが生じるため、単純にセル電圧のバラつきを判定しても、そのバラつきが局所的なアノードガスの欠乏を要因としていない場合がある。すなわち、従来の燃料電池システムは、局所的なアノードガスの欠乏を精度よく検出することが難しいという課題がある。
本発明は、上記の実情を鑑みたものであり、簡単な構成によって、局所的なアノードガスの欠乏を一層精度よく検出可能とし、これにより燃料電池スタックの劣化を良好に抑制することができる燃料電池システムの動作方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一態様は、アノードガス及びカソードガスの供給に基づき発電する複数の発電セルを積層した燃料電池スタックを有する燃料電池システムの動作方法であって、前記燃料電池スタックの出力電力が安定した状態における、前記複数の発電セルのセル電圧を平均化した平均セル電圧に対して、前記複数の発電セルのセル電圧のうち最低のセル電圧を減算した安定時電圧差を算出する安定時電圧差算出ステップと、前記安定時電圧差算出ステップ後の前記燃料電池スタックの発電中に、前記複数の発電セルのセル電圧を平均化した平均セル電圧に対して、前記複数の発電セルのセル電圧のうち最低のセル電圧を減算した電圧差を算出する電圧差算出ステップと、前記安定時電圧差に対する前記電圧差の変化量を算出し、前記変化量が所定の閾値を超えたか否かを判定する判定ステップと、前記変化量が前記所定の閾値以下であると判定した場合に、前記燃料電池スタックへの前記アノードガスの供給量を変えずに発電する継続発電ステップと、前記変化量が前記所定の閾値を超えたと判定した場合に、前記燃料電池スタックへの前記アノードガスの供給量を前記継続発電ステップよりも増やして発電するアノード増量発電ステップと、を有する。
上記の燃料電池システムの動作方法は、簡単な構成によって、局所的なアノードガスの欠乏を一層精度よく検出可能とし、これにより、燃料電池スタックの劣化を良好に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を概略的に示す説明図である。 発電セルにおける局所的なアノードガスの欠乏による化学反応を示す説明図である。 ECUの機能ブロックを示すブロック図である。 低負荷発電時の出力電流、平均セル電圧及び最低セル電圧の変化を例示するグラフである。 燃料電池システムの動作方法の処理フローを示すフローチャートである。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システム10は、図1に示すように、燃料電池スタック12、アノード系装置14、カソード系装置16及び冷却装置18を備える。この燃料電池システム10は、燃料電池自動車等の図示しない移動体に搭載され、燃料電池スタック12の発電電力を移動体のバッテリや走行用モータ等に供給する。なお、燃料電池システム10が搭載される移動体は、燃電池自動車に限定されず、他の車両、船舶、航空機、ロボット等であってもよい。また、燃料電池システム10は、移動体に搭載されず、定置型のシステムに構成されてもよい。
燃料電池スタック12は、複数の発電セル20を積層した積層体21を図示しないスタックケース内に収容している。各発電セル20は、アノードガス(水素等の燃料ガス)とカソードガス(エア等の酸化剤ガス)の電気化学反応により発電を行う。
各発電セル20は、電解質膜・電極構造体22(以下、「MEA22」という)と、MEA22を挟持する一対のセパレータ24a、24bとで構成される。MEA22は、電解質膜26(例えば、固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜))と、電解質膜26の一方の面に設けられたアノード電極28と、電解質膜26の他方の面に設けられたカソード電極30とを有する。図2に示すように、アノード電極28は、電解質膜26に対して、アノード触媒層28a、アノードガス拡散層28bを積層して構成される。カソード電極30は、電解質膜26に対して、カソード触媒層30a、カソードガス拡散層30bを積層して構成される。
図1及び図2に示すように、セパレータ24aは、MEA22の一方の面に、アノードガスを流通させるアノードガス流路32を形成する。セパレータ24bは、MEA22の他方の面に、カソードガスを流通させるカソードガス流路34を形成する。また、複数の発電セル20の積層によりセパレータ24aとセパレータ24bが対向し合う面には、冷媒を流通させる冷媒流路36が形成される。
さらに、各発電セル20は、アノードガス、カソードガス及び冷媒の各々を、積層体21の積層方向に沿って流通させる図示しない複数の連通孔(アノードガス連通孔、カソードガス連通孔、冷媒連通孔)を備える。アノードガス連通孔はアノードガス流路32に連通しており、カソードガス連通孔はカソードガス流路34に連通しており、冷媒連通孔は冷媒流路36に連通している。
燃料電池スタック12は、アノード系装置14によりアノードガスが供給される。燃料電池スタック12内においてアノードガスは、アノードガス連通孔(アノードガス入口連通孔)を流通してアノードガス流路32に流入し、アノード電極28において発電に使用される。発電に使用されたアノードオフガス(未反応の水素を含む)は、アノードガス流路32からアノードガス連通孔(アノードガス出口連通孔)に流出して燃料電池スタック12からアノード系装置14に排出される。
また、燃料電池スタック12は、カソード系装置16によりカソードガスが供給される。燃料電池スタック12内においてカソードガスは、カソードガス連通孔(カソードガス入口連通孔)を流通してカソードガス流路34に流入し、カソード電極30において発電に使用される。発電に使用されたカソードオフガスは、カソードガス流路34からカソードガス連通孔(カソード出口連通孔)に流出して燃料電池スタック12からカソード系装置16に排出される。
さらに、燃料電池スタック12は、冷却装置18により冷媒が供給される。燃料電池スタック12内において冷媒は、冷媒連通孔(冷媒入口連通孔)を流通して冷媒流路36に流入し、発電セル20を冷却する。発電セル20を冷却した冷媒は、冷媒流路36から冷媒連通孔(冷媒出口連通孔)に流出して燃料電池スタック12から冷却装置18に排出される。
燃料電池システム10のアノード系装置14は、アノード経路38を有する。アノード経路38は、燃料電池スタック12にアノードガスを供給するアノード供給路40と、燃料電池スタック12からアノードオフガスを排出するアノード排出路42と、を含む。また、アノード経路38は、アノード排出路42のアノードオフガスに含まれる未反応の水素をアノード供給路40に戻すためのアノード循環路44を有する。アノード循環路44には、アノード経路38からアノードオフガスを排出するパージ路46が接続されている。
アノード供給路40の上流部には、アノードガスを貯留するタンク47が設けられている。また、アノード供給路40には、アノードガスの流通方向下流側に向かって順に、インジェクタ48、エジェクタ50が設けられている。インジェクタ48は、燃料電池システム10の運転時に開閉して、タンク47側よりも低圧にしたアノードガスを下流に吐出する。エジェクタ50は、インジェクタ48から吐出されたアノードガスの移動によって発生する負圧により、アノード循環路44からアノードオフガスを吸引しつつ下流側の燃料電池スタック12にアノードガスを供給する。
アノード排出路42には、アノードオフガスに含まれる水(発電時の生成水)を、アノードオフガスから分離する気液分離器52が設けられる。気液分離器52の上部にはアノード循環路44が接続され、アノードオフガス(気体)がアノード循環路44に流入する。気液分離器52の底部には、分離した水を排出するドレイン路54の一端が接続される。ドレイン路54には、内部流路を開閉するドレイン弁56が設けられる。また、パージ路46には、内部流路を開閉するパージ弁58が設けられる。
燃料電池システム10のカソード系装置16は、カソード経路60を有する。カソード経路60は、燃料電池スタック12にカソードガスを供給するカソード供給路62と、燃料電池スタック12からカソードオフガスを排出するカソード排出路64と、を含む。また、カソード供給路62とカソード排出路64の間には、カソード供給路62のカソードガスをカソード排出路64に直接(燃料電池スタック12を通さずに)流通させるカソードバイパス路66が接続されている。カソードバイパス路66には、カソードガスの流通を調整する図示しないバイパス弁が設けられている。カソード排出路64においてカソードバイパス路66よりも下流側には、アノード系装置14のドレイン路54(パージ路46)が接続されている。
カソード供給路62には、カソードガスを燃料電池スタック12に供給するエアポンプ68が設けられている。エアポンプ68は、図示しないファンの回転下に、エアポンプ68よりも上流側のエア(外気)を圧縮して下流側のカソード供給路62に流通させる。また、カソード供給路62には、カソードガスを空気や水等の冷媒により冷却する温調器や、カソードガスを加湿する加湿器が設けられてもよい。
さらに、燃料電池システム10は、複数の発電セル20毎の出力電圧(発電状態)であるセル電圧を検出するセル電圧モニタ70、及びセル電圧モニタ70の信号を受信するECU80(Electronic Control Unit:制御装置)を備える。セル電圧モニタ70は、燃料電池スタック12に取り付けられるモニタ本体72と、モニタ本体72と各発電セル20とを接続する複数のハーネス74と、を備える。モニタ本体72は、所定周期毎に各発電セル20をスキャニングしてセル電圧を検出する。そして、セル電圧モニタ70は、各発電セル20のセル電圧を平均化した平均セル電圧Vave(図4参照)、及び各発電セル20のセル電圧のうち最も低い最低セル電圧Vmin(図4参照)を、ECU80に送信する。
ECU80は、1以上のプロセッサ82、メモリ84、入出力インタフェース86及び電子回路(不図示)を有する。メモリ84に記憶された図示しないプログラムを1以上のプロセッサ82が実行することで、ECU80内には、燃料電池システム10の各構成を制御するための機能ブロックが複数形成される。なお、各機能ブロックの少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路、ディスクリートデバイスを含む電子回路により構成されてもよい。またメモリ84は、プロセッサ82や集積回路等に付随してもよい。
ここで、本実施形態に係るECU80は、燃料電池スタック12の発電を実施しつつ、この燃料電池スタック12の発電中に、複数の発電セル20の局所的なアノードガスの欠乏を検出することで、アノードガスの欠乏を解消する制御を行う。これにより、燃料電池スタック12の性能劣化の抑制が図られる。以下、本発明の理解の容易化のため、アノードガスの欠乏時に生じる発電セル20の作用について説明する。
図2に示すように、発電セル20のアノード電極28及びカソード電極30では、正常な発電状態において、以下の反応がなされる。
アノード電極:H→2H+2e
カソード電極:O+4H+4e→2H
一方、アノード電極28におけるアノードガスの供給不足は、滞留水(カソード電極30で発電に伴って生成された生成水が電解質膜26を介してアノード側に移動した水:液水)が燃料電池スタック12の端部(アノードガス出口連通孔)付近に溜まることで生じる。アノード電極28のアノードガスの欠乏領域では、カソード電極30から透過した酸素により以下の反応が起こってアノード側の電位を上昇させる。また、これに対応したカソード側の電位が高くなることで、カソード電極30では、以下の反応が起こる。
アノード電極:O+4H+4e→2H
カソード電極:2HO→O+4H+4e
C+2HO→4H+4e+CO
すなわち、カソード電極30は、アノード電極28の滞留水に伴う局所的な高電位の発生によって、カソード触媒層30aに含まれる白金がアイオノマーへ溶出し易くなり、またカーボンの酸化反応が進行する。これにより、燃料電池スタック12は、触媒粒子の脱落や電極内細孔の潰れを招くことになり、発電セル20の性能劣化に至る。
特に、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12へのアノードガスの供給量が少ないと、燃料電池スタック12からアノード排出路42への排水性が低下するので、局所的なアノードガスの欠乏が生じ易い。そのため、ECU80は、アノードガスの供給量が少ない状況において、局所的なアノードガスの欠乏の検出及び解消を図る処理を行う。具体的には図3に示すように、ECU80内には機能ブロックとして、発電制御部88、電圧取得部90、発電状態取得部92、安定時電圧差算出部94、継続発電電圧差算出部96及び判定部98が形成される。
発電制御部88は、燃料電池システム10の各構成を制御して、燃料電池スタック12の発電を制御する。発電制御部88は、移動体の走行状況や燃料電池スタック12の状態に応じて制御内容を切り替えるために、通常発電制御部100、低負荷発電制御部102、カソード増量発電制御部104、アノード増量発電制御部106を有する。
例えば、移動体の通常走行時に、発電制御部88は、通常発電制御部100により通常発電を実施する。通常発電において、通常発電制御部100は、走行用ECU等の発電要求に基づきアノードガスの供給量(以下、通常アノード量という)を算出し、通常アノード量に応じた制御内容でアノード系装置14のインジェクタ48等を動作させる。また、通常発電制御部100は、発電要求に基づきカソードガスの供給量(以下、通常カソード量という)を算出し、通常カソード量に応じた制御内容でカソード系装置16のエアポンプ68等を動作させる。
また、移動体のユーザがアクセルを緩める等の走行用モータに低負荷がかかる低負荷走行時に、発電制御部88は、低負荷発電制御部102により低負荷発電を実施する。低負荷発電制御部102は、発電要求が低くなることで、通常発電時におけるアノードガスの通常アノード量よりも少ない供給量(以下、低負荷アノード量という)となるように、インジェクタ48を動作させる。さらに、低負荷発電制御部102は、通常発電時におけるカソードガスの通常カソード量よりも少ない供給量(以下、低負荷カソード量という)となるように、エアポンプ68を動作させる。
上記したように、局所的なアノードガスの欠乏は、アノードガスの供給量が少ない場合(低負荷アノード量の供給時)に生じる。このため、ECU80は、低負荷発電時に、複数の発電セル20のセル電圧に基づき局所的なアノードガスの欠乏を推定する。そして、カソード増量発電制御部104及びアノード増量発電制御部106は、局所的なアノードガスの欠乏を推定した際に動作する。なお、この処理は、低負荷発電時に限らず、発電要求がゼロでも燃料電池システム10を止めないようにするために発電するアイドル発電の実施時、移動体の起動停止中にバッテリ充電や凍結防止のために発電する停止中発電の実施時等において行ってもよい。
電圧取得部90は、燃料電池スタック12の発電中に、セル電圧モニタ70から複数の発電セル20の平均セル電圧Vave及び最低セル電圧Vminを周期的に取得し、メモリ84に記憶していく。なお、電圧取得部90は、セル電圧モニタ70から複数の発電セル20のセル電圧を取得し、ECU80内で平均セル電圧Vave、最低セル電圧Vminを算出してもよい。また、電圧取得部90は、燃料電池スタック12全体の出力電圧(総電圧)を検出する図示しない電圧計から出力電圧を取得し、この出力電圧に対して発電セル20の数を除算して平均セル電圧Vaveを算出してもよい。
発電状態取得部92は、燃料電池スタック12の発電状態(出力電力又は出力電流I)を監視する。例えば、ECU80は、燃料電池スタック12の出力端子付近に設けられた電流計76に接続されており、発電状態取得部92は、電流計76の検出信号(出力電流I)を取得して、メモリ84に記憶していく。また発電制御部88は、発電状態取得部92で取得された出力電流Iをフィードバックすることで、アノードガスやカソードガスの供給量を調整する。
安定時電圧差算出部94は、アノードガスの供給量が少なくなった後、つまり低負荷発電の開始後に、燃料電池スタック12の出力電流I(出力電力)が安定になったタイミングで、安定時電圧差DVを算出する。具体的には、安定時電圧差算出部94は、低負荷発電制御部102の動作開始の情報STを受信すると、発電状態取得部92が取得した出力電流Iを監視する。図4に示すように、低負荷発電の開始後、燃料電池スタック12の出力電流Iは、それまでの発電状態に応じた値から徐々に低負荷発電に応じた値(低負荷電流値)に変化し、その後は略一定に推移するようになる。安定時電圧差算出部94は、出力電流Iが一定となったか否か判定し、出力電流Iが一定となった時点t1で、電圧取得部90が取得した平均セル電圧Vaveから最低セル電圧Vminを減算することにより安定時電圧差DVを得る。
すなわち、低負荷発電の開始直後は、それまで低負荷発電を実施していなかったことで、燃料電池スタック12の端部のアノードガス出口連通孔付近に滞留水が溜まっていない。このため、低負荷発電の開始直後の燃料電池スタック12は、複数の発電セル20全体にアノードガスが供給された状態で発電することが可能である。従って、安定時電圧差DVは、局所的なアノードガスの欠乏が生じていない状態での、各発電セル20のセル電圧のバラつきを示すと言える。
なお、各発電セル20のセル電圧は、発電状態によっては、短時間に大きくなったり小さくなったりする。このため、安定時電圧差算出部94(及び後記の継続発電電圧差算出部96)は、算出値について、一定期間(例えば、1分間)の平均値をとることが好ましい。
図3に戻り、継続発電電圧差算出部96は、安定時電圧差算出部94による安定時電圧差DVの算出後に動作指令CRを受けることで動作し、低負荷発電における電圧差DVを算出し、算出した電圧差DVをメモリ84に記憶していく。電圧差DVも、上記の安定時電圧差DVと同様に、電圧取得部90が所定周期毎に取得した平均セル電圧Vaveと最低セル電圧Vminとの減算により算出される。
ここで、低負荷発電を継続していると、燃料電池スタック12は、燃料電池スタック12の端部のアノードガス出口連通孔付近に滞留水が溜まっていく。そして滞留水が増えることで、端部付近の発電セル20には、局所的なアノードガスの欠乏が発生する(図2も参照)。上記したように局所的なアノードガスの欠乏により、アノード電極28及びカソード電極30の各電位が高まる。しかしながら、アノード電極28及びカソード電極30の相対的な電位差であるセル電圧は小さくなる。結果的に、平均セル電圧Vaveから最低セル電圧Vminを減算した電圧差DVは大きくなる。
このことから、判定部98は、水が溜まっていない状態における安定時電圧差DVに対する電圧差DVの変化の度合いである変化量ΔDVを算出し、予め保有している所定の閾値Thと変化量ΔDVとの比較を行って、変化量ΔDVを監視する。変化量ΔDVが大きくなれば、端部付近の発電セル20に滞留水が溜まってきていると推定できるからである。閾値Thは、予め実験等により適宜の値に設定される。閾値Thは、固定値であってもよく、変動値であってもよく、例えば、安定時電圧差DVの1/2倍~3倍程度の範囲に設定されることが好ましい。
ただし、発電セル20の水が溜まる状態では、カソード電極30にも水が多く存在するので、カソード電極30でフラッディングが生じていることもある。この場合も変化量ΔDVが大きくなるが、このフラッディングは燃料電池スタック12の性能劣化に殆ど影響しない。よって、ECU80は、変化量ΔDVが最初に閾値Thを超えたことを判定した後に、カソードガスを増量してカソード電極30のフラッディングを解消し、それでも変化量ΔDVが閾値Thを超えている場合に、局所的なアノードガスの欠乏と判断する。
そのため、判定部98は、変化量算出部98a、第1判定部98b、第2判定部98cを内部に備え、また発電制御部88は、カソード増量発電制御部104及びアノード増量発電制御部106を備える。変化量算出部98aは、電圧差DVから安定時電圧差DVを減算して変化量ΔDVを算出し、この変化量ΔDVをメモリ84に記憶する。
第1判定部98bは、最初に変化量ΔDVが閾値Thを超えたか否かを判定する判定ステップを行う。そして、判定ステップにより変化量ΔDVが閾値Thを超えたことを判定した場合(図4の時点t2)に、発電制御部88は、カソード増量発電制御部104によるカソード増量発電制御を開始する。
この際、カソード増量発電制御部104は、エアポンプ68を制御して、燃料電池スタック12に対するカソードガスの供給量(以下、増量カソード量という)を、低負荷発電時の低負荷カソード量よりも大きくする。例えば、増量カソード量は、低負荷カソード量の2倍以上に調整されることが好ましい。一方、カソード増量発電制御部104は、アノードガスの供給量について低負荷発電時の低負荷アノード量を維持する。従って、図4の時点t2~時点t3の間に示すように、燃料電池スタック12の発電電圧は、若干上昇するが、低負荷発電時の目標電圧を概ね維持することができる。
また、第2判定部98cは、カソード増量発電制御部104が動作開始から所定期間経過したタイミング(図4の時点t3)で、変化量ΔDVが閾値Thを超えたか否かを判定する再判定ステップを行う。再判定ステップの際も、カソード増量発電制御部104による発電制御は継続している。ここで、変化量ΔDVが閾値Th以下に下がった場合には、カソード電極30のフラッディングに起因した発電不安定だったと見なすことができる。逆に、変化量ΔDVが閾値Thを超えたままとなっている場合には、局所的なアノードガスの欠乏が発生していると判定することができる。再判定ステップにより変化量ΔDVが閾値Thを超えている場合に、発電制御部88は、アノード増量発電制御部106によるアノード増量発電制御を開始する。
この際、アノード増量発電制御部106は、インジェクタ48を制御して、燃料電池スタック12に対するアノードガスの供給量(以下、増量アノード量という)を、低負荷発電時の低負荷アノード量よりも大きくする。また、アノード増量発電制御部106は、カソードガスの供給量について低負荷発電時の低負荷カソード量とする。これにより、燃料電池スタック12には、増量したアノードガスが供給されるので、このアノード電極28による溜まっていた滞留水を押し流して、局所的なアノードガスの欠乏を解消することができる。
なお、アノード増量発電制御部106は、アノードガスの増量と共に、ドレイン路54のドレイン弁56の開弁期間やパージ路46のパージ弁58の開弁期間を長くすることが好ましい。これにより、アノードガスのパージ量が増加し、燃料電池スタック12内から水を一層排出し易くすることができる。
本実施形態に係る燃料電池システム10は、基本的には以上のように構成され、以下その動作について説明する。
燃料電池システム10は、通常時に、ECU80の通常発電制御部100の制御下に、アノード系装置14を動作して燃料電池スタック12にアノードガスを供給すると共に、カソード系装置16を動作して燃料電池スタック12にカソードガスを供給する。これにより、燃料電池スタック12が発電を行い、その発電電力が走行用モータ、バッテリ等に供給される。
また、ECU80は、電圧取得部90により、燃料電池スタック12の各発電セル20の平均セル電圧Vave及び最低セル電圧Vminを継続的に取得している。さらに、ECU80は、発電状態取得部92により燃料電池スタック12の出力電流Iを継続的に取得している。
そして、ECU80は、発電要求が低い場合に、低負荷発電制御部102による低負荷発電の制御を実施する。この際、低負荷発電制御部102は、通常発電時の通常アノード量よりも低い低負荷アノード量のアノードガスを、燃料電池スタック12に供給する。さらに、低負荷発電制御部102は、通常発電時の通常カソード量よりも低い低負荷カソード量のカソードガスを、燃料電池スタック12に供給する。これにより、燃料電池スタック12は、低負荷アノード量及び低負荷カソード量に応じた低負荷発電電力(出力電流I)を出力する。
低負荷発電において、図5に示すように、ECU80の安定時電圧差算出部94は、燃料電池スタック12の低負荷発電の開始の情報STを取得すると、燃料電池スタック12の出力電流Iが、低負荷電流値で一定になったか否かを判定する(ステップS1)。出力電流Iが変化している場合(ステップS1:NO)は、ステップS1に戻る一方で、出力電流Iが一定になった場合(ステップS1:YES)は、ステップS2に進む。図4では、時点t1において出力電流Iが一定となっている。
そして、安定時電圧差算出部94は、平均セル電圧Vaveから最低セル電圧Vminを減算することで、安定時電圧差DVを算出し、メモリ84に記憶する(ステップS2:安定時電圧差算出ステップ)。その後、低負荷発電の実施中に、継続発電電圧差算出部96は、平均セル電圧Vaveから最低セル電圧Vminを減算することで、電圧差DVを算出し、メモリ84に記憶していく(ステップS3:電圧差算出ステップ)。
そして、判定部98の変化量算出部98aは、安定時電圧差DVから電圧差DVを減算することで変化量ΔDVを算出する(ステップS4)。さらに、判定部98(第1判定部98b)は、最初に、変化量ΔDVが所定の閾値Thを超えたか否かを判定する(ステップS5:判定ステップ)。変化量ΔDVが閾値Th以下の場合(ステップS5:NO)には、ステップS6に進む。そして、ECU80は、燃料電池スタック12へのアノードガス及びカソードガスの供給量を変えずに、すなわち低負荷アノード量及び低負荷カソード量のまま発電する継続発電を行う(ステップS6:継続発電ステップ)。ステップS6の後は、ステップS3に戻り、以下同様の処理フローを繰り返す。
一方、変化量ΔDVが閾値Thを超えた場合(ステップS5:YES)には、ステップS7に進む(図4中の時点t2参照)。その後、カソード増量発電制御部104は、カソードガスの供給量を増やして(増量カソード量として)、燃料電池スタック12の発電を行う(ステップS7:カソード増量発電ステップ)。
カソード増量発電制御部104の制御開始後に、判定部98は、所定期間経過したか否かを判定する(ステップS8)。判定部98は、所定期間経過していない場合(ステップS8:NO)にステップS7を継続する一方で、所定期間経過した場合(ステップS8:YES)にステップS9に進む。これにより、発電セル20のカソード電極30にフラッディングが生じていた場合には、ステップS8後(図4の時点t3)にフラッディングが解消される。
そして、判定部98(第2判定部98c)は、変化量ΔDVが所定の閾値Thを超えたままとなっているか否かを判定する(ステップS9:再判定ステップ)。変化量ΔDVが閾値Th以下の場合(ステップS9:NO)には、カソード電極30に発生していたフラッディングが解消されたことになる。そのため、ECU80は、カソード増量発電制御部104の制御を停止し(ステップS10)、カソード増量発電ステップ後、ステップS6の継続発電ステップに切り替える。その後、ステップS3に戻り、低負荷発電が終了するまで、以下同様の処理フローを繰り返す。
一方、変化量ΔDVが閾値Thを超えている場合(ステップS9:YES)には、局所的なアノードガスの欠乏がアノード電極28に発生していることを決定することができる。よって、ECU80は、カソード増量発電制御部104の動作を停止して、アノード増量発電制御部106によりアノードガスの供給量を増やして(増量アード量として)、燃料電池スタック12の発電を行う(ステップS11:アノード増量発電ステップ)。さらに、アノード増量発電制御部106は、ドレイン弁56の開弁期間又はパージ弁58の開弁期間を長くし(ステップS12)、アノード経路38からのアノードガスの排出量を増やす。
また、ECU80は、アノード増量発電制御部106によるアノード増量発電制御(ステップS11、S12)の実施中も、電圧差DVを算出して、電圧差DVが安定時電圧差DVに達するまで継続する(図4の時点t4参照)。その結果、アノード電極28の局所的なアノードガスの欠乏が確実に解消される。電圧差DVが安定時電圧差DVに達した後は、例えば、低負荷発電制御部102による低負荷発電に移行するとよい。これにより、燃料電池システム10は、アノードガスの消費を抑制できる。
以上の処理フローを実施することで、燃料電池システム10は、アノード電極28の局所的なアノードガスの欠乏を精度よく検出して、この局所的なアノードガスの欠乏を解消することができる。すなわち、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12の性能劣化を抑制することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、燃料電池システム10の動作方法は、最初に、変化量ΔDVが所定の閾値Thを超えた場合に、カソード増量発電制御を実施せずに、アノード増量発電制御を直ちに実施してもよい。これにより、仮にアノード電極28に局所的なアノードガスの欠乏が生じていないとしても、アノード出口連通孔付近に溜まる滞留水を早期に排出することが可能となる。
また例えば、燃料電池システム10の動作方法は、アノード増量発電制御の実施時に、増量アノード量に合わせてカソードガスの供給量を増やしてもよい。これにより、燃料電池スタック12の発電電力が増加してこの電力をバッテリに充電することができ、アノードガスの消費を抑制することが可能となる。
上記の実施形態から把握し得る技術的思想及び効果について以下に記載する。
本発明の一態様は、アノードガス及びカソードガスの供給に基づき発電する複数の発電セル20を積層した燃料電池スタック12を有する燃料電池システム10の動作方法であって、燃料電池スタック12の出力電力が安定した状態における、複数の発電セル20のセル電圧を平均化した平均セル電圧Vaveに対して、複数の発電セル20のセル電圧のうち最低のセル電圧(最低セル電圧Vmin)を減算した安定時電圧差DVを算出する安定時電圧差算出ステップと、安定時電圧差算出ステップ後の燃料電池スタック12の発電中に、複数の発電セル20のセル電圧を平均化した平均セル電圧Vaveに対して、複数の発電セル20のセル電圧のうち最低のセル電圧を減算した電圧差DVを算出する電圧差算出ステップと、安定時電圧差DVに対する電圧差DVの変化量ΔDVを算出し、変化量ΔDVが所定の閾値Thを超えたか否かを判定する判定ステップと、変化量ΔDVが所定の閾値Th以下であると判定した場合に、燃料電池スタック12へのアノードガスの供給量を変えずに発電する継続発電ステップと、変化量ΔDVが所定の閾値Thを超えたと判定した場合に、燃料電池スタック12へのアノードガスの供給量を継続発電ステップよりも増やして発電するアノード増量発電ステップと、を有する。
上記によれば、燃料電池システム10の動作方法は、安定時電圧差DVに対する電圧差DVの変化量ΔDVを判定することで、複数の発電セル20のセル電圧のバラつきを予め加味したセル電圧の変化を監視することができる。これにより、燃料電池スタック12の発電中に生じる局所的なアノードガスの欠乏を一層精度よく検出することが可能となる。そして、変化量ΔDVが閾値Thを超えた場合に、アノード増量発電ステップによりアノードガスを増やすことで、アノード電極28の滞留水が排出される。これにより、燃料電池システム10は、局所的なアノードガスの欠乏を早期に解消して、燃料電池スタック12の劣化を良好に抑制することができる。
また、判定ステップにて変化量ΔDVが所定の閾値Thを超えたと判定した場合に、アノード増量発電ステップよりも先に、燃料電池スタック12へのカソードガスの供給量を増やすカソード増量発電ステップと、カソードガス増量発電ステップ後に、変化量ΔDVが所定の閾値Thを超えたままか否かを再判定する再判定ステップと、を行い、再判定ステップにて変化量ΔDVが所定の閾値Th以下であると判定した場合に、カソード増量発電ステップを停止して継続発電ステップを行い、再判定ステップにて変化量ΔDVが所定の閾値Thを超えたままであることを判定した場合に、アノード増量発電ステップを行う。カソード増量発電ステップにより、燃料電池システム10は、カソード電極30のフラッディングの影響を排除することができ、局所的なアノードガスの欠乏をより一層精度よく検出することができる。
また、カソード増量発電ステップを所定期間行った後に、再判定ステップを行う。これにより、燃料電池システム10は、カソード電極30のフラッディングをより確実に解消することができる。
また、アノード増量発電ステップの実施時に、カソード増量発電ステップを停止する。これにより、燃料電池システム10は、アノード増量発電ステップの実施時に、燃料電池スタック12の発電電力が増えることを抑制することができる。従って例えば、燃料電池スタック12の発電電力を廃電する等の無駄を回避することが可能となる。
また、アノード増量発電ステップでは、燃料電池スタック12から排出されるアノードオフガスが流通する経路に設けられた1以上の弁(ドレイン弁56、パージ弁58)の開弁期間を長くする。これにより、燃料電池システム10は、アノード増量発電ステップにおいて、燃料電池スタック12からの滞留水の排水性をより高めることができる。
また、アノード増量発電ステップは、電圧差DVが安定時電圧差DVに達するまで継続する。これにより、燃料電池システム10は、局所的なアノードガスの欠乏を一層確実に解消することができる。
また、燃料電池スタック12の通常発電におけるアノードガスの供給量及びカソードガスの供給量よりも低い低負荷アノード量及び低負荷カソード量を供給することで、通常発電よりも発電電力が低い低負荷発電を実施可能であり、低負荷発電の実施に伴って、安定時電圧差算出ステップ、電圧差算出ステップ、判定ステップ、継続発電ステップ又はアノード増量発電ステップを行う。これにより、燃料電池システム10は、低負荷発電時に生じ易い局所的なアノードガスの欠乏に対して、適切な対処を図ることができる。
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…アノード系装置 16…カソード系装置
20…発電セル 56…ドレイン弁
58…パージ弁 70…セル電圧モニタ
80…ECU 94…安定時電圧差算出部
96…継続発電電圧差算出部 98…判定部
104…カソード増量発電制御部 106…アノード増量発電制御部

Claims (7)

  1. アノードガス及びカソードガスの供給に基づき発電する複数の発電セルを積層した燃料電池スタックを有する燃料電池システムの動作方法であって、
    前記燃料電池スタックの出力電力が安定した状態における、前記複数の発電セルのセル電圧を平均化した平均セル電圧に対して、前記複数の発電セルのセル電圧のうち最低のセル電圧を減算した安定時電圧差を算出する安定時電圧差算出ステップと、
    前記安定時電圧差算出ステップ後の前記燃料電池スタックの発電中に、前記複数の発電セルのセル電圧を平均化した平均セル電圧に対して、前記複数の発電セルのセル電圧のうち最低のセル電圧を減算した電圧差を算出する電圧差算出ステップと、
    前記安定時電圧差に対する前記電圧差の変化量を算出し、前記変化量が所定の閾値を超えたか否かを判定する判定ステップと、
    前記変化量が前記所定の閾値以下であると判定した場合に、前記燃料電池スタックへの前記アノードガスの供給量を変えずに発電する継続発電ステップと、
    前記変化量が前記所定の閾値を超えたと判定した場合に、前記燃料電池スタックへの前記アノードガスの供給量を前記継続発電ステップよりも増やして発電するアノード増量発電ステップと、を有する
    燃料電池システムの動作方法。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムの動作方法において、
    前記判定ステップにて前記変化量が前記所定の閾値を超えたと判定した場合に、
    前記アノード増量発電ステップよりも先に、前記燃料電池スタックへの前記カソードガスの供給量を増やすカソード増量発電ステップと、
    前記カソード増量発電ステップ後に、前記変化量が前記所定の閾値を超えたままか否かを再判定する再判定ステップと、を行い、
    前記再判定ステップにて前記変化量が前記所定の閾値以下であると判定した場合に、前記カソード増量発電ステップを停止して前記継続発電ステップを行い、
    前記再判定ステップにて前記変化量が前記所定の閾値を超えたままであることを判定した場合に、前記アノード増量発電ステップを行う
    燃料電池システムの動作方法。
  3. 請求項2記載の燃料電池システムの動作方法において、
    前記カソード増量発電ステップを所定期間行った後に、前記再判定ステップを行う
    燃料電池システムの動作方法。
  4. 請求項2又は3記載の燃料電池システムの動作方法において、
    前記アノード増量発電ステップの実施時に、前記カソード増量発電ステップを停止する
    燃料電池システムの動作方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の燃料電池システムの動作方法において、
    前記アノード増量発電ステップでは、前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスが流通する経路に設けられた1以上の弁の開弁期間を長くする
    燃料電池システムの動作方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の燃料電池システムの動作方法において、
    前記アノード増量発電ステップは、前記電圧差が前記安定時電圧差に達するまで継続する
    燃料電池システムの動作方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の燃料電池システムの動作方法において、
    前記燃料電池スタックの通常発電における前記アノードガスの供給量及び前記カソードガスの供給量よりも低い低負荷アノード量及び低負荷カソード量を供給することで、前記通常発電よりも発電電力が低い低負荷発電を実施可能であり、
    前記低負荷発電の実施に伴って、前記安定時電圧差算出ステップ、前記電圧差算出ステップ、前記判定ステップ、前記継続発電ステップ又は前記アノード増量発電ステップを行う
    燃料電池システムの動作方法。
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