JP2006351336A - 燃料電池の運転方法と燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池から排出された燃料ガスをガス供給系に環流させる循環系を含めた燃料電池全体としてのエネルギ効率の向上を図る燃料電池の運転方法と燃料電池システムの提供。
【解決手段】アクセル操作等に応じた発電要求を達成するよう燃料電池を運転させるに当たり、燃料電池を構成する単セルの出力電圧ばらつきSbが設定値α以下の状況では、各単セルは出力安定状況にあることから、各単セルでは水素不足を一因とする発電効率の低下は起きていない、或いはその程度が低いとして、アノード排ガスを循環させる循環ポンプの回転数をΔn1だけ低減させる。その一方、出力電圧ばらつきSbが設定値αを越えると、水素不足を回避すべく、循環ポンプを回転数増大側に制御して、アノード排ガス循環比を大きくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、発電の単位である単セルを複数備え、各単セルに発電用の燃料ガスを供給して発電を行う燃料電池に関する。
燃料電池は、一般に、単セルの積層構造を取り、単セルは、表面に触媒層を形成する電解質層からなるMEA(Membrance Electrode Assembly)を、燃料ガス・酸化ガスのガス流路形成部材で挟持する。こうした単セルの積層構造を有する燃料電池では、燃料ガスと酸化ガスの双方のガスを各単セルに供給するに当たり、ガスごとの供給系を有する。
ところで、供給した燃料ガスは、その総てが各単セルにおいて水素と酸素の電気化学反応に供せられるわけではなく、燃料ガス中の一部の水素が未反応のまま単セル、延いては燃料電池から排出される。このため、この未反応水素の有効利用を図るため、燃料ガス供給系に、燃料電池から排出された燃料ガスを環流させる循環系を設けることが行われている(例えば、特許文献1)。
特開2004−127915号公報
この特許文献で提案された燃料電池では、次のようにして燃料ガス環流を制御している。水素と酸素の電気化学反応は各単セルで起きるので、単セル積層構造の燃料電池として発電効率の上からは、各単セルでの電気化学反応がほぼ均一に進行していることが望ましい。よって、単セルの出力状況により燃料電池の運転状態を推定し、例えば、単セルの出力がばらついていればその一因が水素の供給量不足にあるとして、ポンプ回転数を高めて循環ガス量を増やし、水素供給量を増加させている。
ポンプの特性上、その回転数を上げれば消費電力は増大する。そして、ポンプ駆動電力には燃料電池の発電電力が用いられることから、システム全体として捉えると、上記したようなポンプ回転数の一律な増大制御ではエネルギロスを招くことも有りえる。ガスの循環を図るためのポンプには、回転数により循環量を増減する構成の他、ピストンの往復動の速度やストロークで循環量を増減するピストン方式のポンプもあるが、上記の状況はこうしたピストン方式のポンプやそれ以外の構成のポンプにあっても共通している。つまり、ポンプの方式によらず循環量を増やせばそのための消費電力は増えるので、システム全体としてのエネルギロスは起き得る。
本発明は、燃料電池から排出された燃料ガスをガス供給系に環流させる循環系を採用するに際しての上記問題点を解決するためになされ、循環系を含めた燃料電池全体としてのエネルギ効率の向上を図ることをその目的とする。
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、発電の単位である単セルを複数備えた燃料電池において、各単セルに発電用の燃料ガスを供給して発電を行うに当たり、燃料電池への燃料ガスを供給しつつ、循環系を介して、燃料電池からの排出燃料ガスを燃料電池に環流させる。こうした排出燃料ガスの環流により未反応水素を含む排出燃料ガスの有効利用を図る。この場合、燃料ガスは、発電単位である単セルが備えた構成によって定まり、例えば、水素イオン透過性の電解質膜を備えた単セルであれば、水素ガスを燃料ガスとして供給することになる。また、水素とその他のガスを含有したガスを燃料ガスとして供給する場合もある。
その一方、複数の単セルの出力状態のばらつきが所定範囲内にある状況下においては、循環系に設けた循環ポンプを、当該循環ポンプによる循環供給量が複数の単セルの出力状態のばらつきが所定範囲外にある状況に比して低減する側に運転制御する。一般に、循環ポンプをその循環供給量が低減する側に運転すると、循環供給量が多い場合に比して消費エネルギは低減する。この結果、単セルの出力状態のばらつきが所定範囲内にある状況(出力安定状況)においては、循環ポンプの駆動に消費する電力を低減できるので、この出力安定状況にない場合に循環ポンプ消費エネルギが増えたとしても、システム全体としてのエネルギ効率は、出力安定状況における電力低減を図る分だけ高まる。
循環ポンプの駆動方式は、ベーンポンプやギヤポンプのように機器の回転を伴うタイプや、シリンダの往復動を伴うタイプのものがあるが、これらはいずれも回転数が低減する側の運転制御、或いは、シリンダ往復動速度やそのストロークが低減する側の運転制御において、循環供給量と消費エネルギが少なくなる。よって、これら駆動方式の循環ポンプでは、上記した循環ポンプによる循環供給量が低減する側への制御により、システム全体としてのエネルギ効率を高めることができる。
以上説明した本発明の燃料電池システムにおいて、出力状態のばらつきが所定範囲から逸脱すると、循環ポンプを、当該循環ポンプによる循環供給量が増大する側に制御して排出燃料ガスの循環比を増大させるようにすることもできる。こうすれば、排出燃料ガスの循環比増大により燃料ガス量を増やすことができるので、燃料ガス不足に起因する出力ばらつきを低減できる。
また、出力状態のばらつきが前記循環ポンプの回転数低減側への運転制御を繰り返したことで所定範囲から逸脱すると、前記循環ポンプの前記循環供給量低減側への運転制御の際のポンプ運転変化より大きな変化で、前記循環ポンプを前記循環供給量増大側に制御するようにすることもできる。こうすれば、循環ポンプの循環供給量低減側への運転制御の繰り返しにより低減していた排出燃料ガスの循環比を、速やかに増大側に転じることができるので、燃料ガス不足に起因する出力ばらつきを速やかに低減できる。
更に、前記循環ポンプの循環供給量増大側への制御によっても前記出力状態のばらつきを抑制できないときは、前記循環系の外気開放弁を開弁制御するようにすることもできる。こうすれば、排出燃料ガスと共に、燃料電池の単セルの燃料ガス供給側のアノードで電気化学反応に伴い生成された生成物、例えば水も外気放出できる。よって、アノードにおけるフラッディングを回避できることから、フラッディングによる出力低減も抑制できる。なお、カソードに酸素含有の空気が供給され、アノードに水素含有の燃料ガスが供給されている場合、水素と酸素の電気化学的反応の進行と並行して、空気中の窒素は、その一部がカソード側から電解質層を浸透してアノード側に達する。アノードに達した窒素は、電気化学反応に関与するものではないので不要ガスとなるが、こうした不要ガス(窒素)も外気開放弁の開弁によってアノードから外気放出されるので、アノードでの不要ガス残留(窒素残留)による影響(出力低減)も抑制できる。
このように外気開放弁の開弁制御を行うに当たり、前記出力状態に応じて前記排出燃料ガスの放出量を調整するよう、前記外気開放弁を開弁制御するようにすることもできる。例えば、開弁周期や開弁時間を出力状態に応じて変更し、外気開放弁を開弁制御する。こうすれば、排出燃料ガスの不用意な外気排出、アノードでの生成水の過剰な排出によるアノード側の乾燥等を抑制できる可能性がある。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき次の順序で説明する。図1は実施例の燃料電池システム100の構成を概略的に示すブロック図である。この燃料電池システム100は、主に燃料電池10と、水素タンク20と、ブロワ30と、制御部200と、加湿器60と、循環ポンプ250と、セル電圧モニタ300を備えている。
燃料電池10は、水素分離膜型の燃料電池であり、構成単位である単セルを複数積層したスタック構造を有している。各単セルは、電解質膜を挟んで水素極(以下、アノードと呼ぶ)と酸素極(以下、カソードと呼ぶ)とを配置した構成となっている。各々の単セルのアノード側に水素を含有する燃料ガス(以下、アノードガスと呼ぶ)を供給し、カソード側に酸素を含有する酸化ガスを供給することで、電気化学反応が進行し、燃料電池10は発電する。燃料電池10で生じた電力は、燃料電池10に接続される所定の負荷(図示せず)に供給される。なお、燃料電池10としては、上記した水素分離膜型燃料電池の他、固体高分子型燃料電池や、アルカリ水溶液電解質型や、リン酸電解質型や、あるいは溶融炭酸塩電解質型等、種々のタイプの燃料電池を用いることができる。
ブロワ30は、酸化ガスとしての空気を燃料電池10のカソード側に供給するための装置である。ブロワ30は、カソードガス供給流路34を介して燃料電池10のカソード側に接続されている。カソードガス供給流路34には、加湿器60が設けられている。ブロワ30で圧縮された空気は、加湿器60によって加湿された後に燃料電池10に供給される。燃料電池10には、カソード排ガス流路36が配されており、電気化学反応に供された後のカソードからの排ガス(以下、カソード排ガスと呼ぶ)は、カソード排ガス流路36を通じて外部に排出される。
水素タンク20は、高圧の水素ガスが貯蔵される貯蔵装置であり、アノードガス供給流路24を介して燃料電池10のアノード側に接続されている。アノードガス供給流路24上において、水素タンク20の近傍にはアノードガス遮断弁230、およびレギュレータ22が設けられている。アノードガス遮断弁230は、レギュレータ22よりも水素ガスの流れ方向に対して上流側に設けられている。このアノードガス遮断弁230が、閉弁状態であると、水素タンク20からの水素ガスの供給が遮断され、開弁状態であると、水素タンク20からの水素ガスが供給される。このアノードガス遮断弁230の開閉は、後述のバルブ制御部210により制御される。
水素タンク20からアノードガス供給流路24へ供給された高圧の水素ガスは、レギュレータ22によって調圧される。調圧された水素ガスは、アノードガスとして燃料電池10のアノード側へ供給される。調圧後の圧力は、燃料電池10に接続される負荷の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。
上記した水素タンク20から燃料電池10のアノードに到るアノードガス供給流路24は、本発明における燃料ガス供給系に該当する。
なお、水素タンク20に代えて、アルコール、炭化水素、アルデヒドなどを原料とする改質反応によって水素を生成し、アノードガス遮断弁230、レギュレータ22を介して燃料電池10のアノード側へ供給するものとしてもよい。また、電解質膜の性質によっては、水素とそれ以外のガスを含有する燃料ガスを供給するような構成とすることもできる。
燃料電池10のアノード側は、ガス循環流路28から分岐したアノード排ガス流路26に、パージ弁240が設けられている。このパージ弁240は、電気化学反応に供された後のアノードからの排ガス(以下、アノード排ガスと呼ぶ)を、アノード排ガス流路26を介してガス循環流路28から外部へ排出(パージ)するためのものである。つまり、このパージ弁240は、ガス循環流路28を経てアノードガス供給流路24に循環するアノード排ガスを外気に放出する。こうしたアノード排ガスパージは、次のような場合に有効である。
燃料電池システム100の運転中において、アノード排ガスには、水素以外の不要ガスが含まれる場合がある。不要ガスとしては、例えば、カソード側から電解質膜を透過してきた窒素等がある。この不要ガスは、消費されず燃料電池システム100においてガス循環流路28を循環し、その結果、アノードガス中の不要ガスの濃度が徐々に増加し、燃料電池10の発電効率が低下する。そこで、後述のバルブ制御部210は、パージ弁240を制御して、定期的に、不要ガスを含むアノード排ガスを排出するようにしている。
なお、燃料電池10として水素分離膜型燃料電池以外の種類のものを用いる場合や、燃料電池10を使用する環境によっては、他の成分が不要ガスとしてアノード排ガス中に混入する場合もある。
アノード排ガス流路26において、パージ弁240よりもアノード排ガスを排出する流れ方向に対して上流側の位置から、アノードガス供給流路24へ接続されるガス循環流路28が設けられている。このガス循環流路28は、アノード排ガスを、アノードガス供給流路24に戻すためのものであり、当該流路に設けられた循環ポンプ250により、図中の矢印HJで示すようなアノード排ガスの循環供給を図る。
循環ポンプ250は、その回転数を増減することで、アノード排ガス量(循環量)を調整(設定)できるようになっている。これにより、ガス循環流路28を経由して燃料電池10に流れ込むアノード排ガスと水素タンク20からのアノードガスとの比であるアノードガス循環比を調節することができる。このようにして、アノード排ガスに含まれる水素ガスは、循環して、アノードガスとして再び発電に使用される。なお、循環ポンプ250は、内部の圧力損失が大きく、運転停止時には、循環ポンプ250内部をほとんどガスが流れない構造となっている。循環ポンプ250は、後述のポンプ制御部220により制御される。
セル電圧モニタ300は、燃料電池10を構成する各単セルの出力状態(発電状態)を表す出力電圧を検出し、その検出値を制御部200に出力するよう構成されている。
制御部200は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPU(図示せず)と、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROM(図示せず)と、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM(図示せず)と、各種信号を入出力する入出力ポート(図示せず)等を備える。この制御部200は、負荷要求に関する情報等を取得して、燃料電池システム100を構成する各部、すなわち、ブロワ30および加湿器60等に駆動信号を出力し、燃料電池システム100全体の運転状態を勘案してこれらを制御する。
また、制御部200は、パージ弁240およびアノードガス遮断弁230の開閉状態の制御を行うバルブ制御部210と、循環ポンプ250の制御を行うポンプ制御部220としての機能を有している。燃料電池システム100運転中には、これらバルブ制御部210とポンプ制御部220は、その運転状態を勘案して、パージ弁240、および、循環ポンプ250に駆動信号を出力し、それらをそれぞれ制御する。
次に、上記の機器構成を有する燃料電池システム100で行うアノード排ガスの循環制御について説明する。図2はアノード排ガス循環制御の処理内容を表わすフローチャート、図3は循環制御におけるポンプ回転数推移を説明する説明図である。
図2の循環制御では、まず、アクセルセンサ等の種々のセンサ出力を読み込み、それに応じた燃料電池10の発電要求を達成できるよう、循環ポンプ250やブロワ30等を制御(発電制御)する(ステップS100)。つまり、この処理では、アノード側については、アノードガス量やガス循環流路28を介したアノード排ガスの循環比が決定され、これらに基づいて循環ポンプ250が制御される。カソード側も同様に、ブロワ30が駆動制御される。燃料電池10は、こうして供給されるアノードガスと空気とにより電気化学反応を単セルで進行させ、発電する。
この場合、循環ポンプ250の回転数は、発電要求と対応付けられたマップを用いて定められる。つまり、上記したセンサ出力に応じた発電要求を達成する水素を燃料電池10のアノードに供給する場合、循環ポンプ250の運転効率(体積効率)が最も高い時のアノード排ガス循環比とこの発電要求とを予めマップに定めてこれをROMに記憶する。そして、発電要求に応じて当該マップから、アノード排ガス循環比、延いては、循環ポンプ250の回転数を決定する。
次に、セル電圧モニタ300のから単セルの出力電圧をセンシングし(ステップS110)、単セルの出力電圧ばらつきSbと所定の設定値αとを対比する(ステップS120)。ここで、セル電圧ばらつきSbが設定値α以下であると肯定判定すると、各単セルはほぼ均一な運転状況(出力安定状況)にあることから、各単セルでは水素不足や既述した不要ガスによる発電効率の低下は起きていない、或いはその程度が低いと予想される。また、電気化学反応によって生成した水もフラッディングを起こすことから、ステップS120での肯定判定時は、フラッディングによる発電効率の低下も起きていない、或いはその程度が低いと予想される。よって、この場合は、循環ポンプ250の回転数をΔn1だけ低減させ(ステップS130)、既述したステップS100以降の処理を繰り返す。
この単セルの出力電圧ばらつきSbは、単セルの出力電圧の平均値からの隔たりとして規定することができるほか、統計的な演算(例えば、分散算出や特異点除外処置等)を経て求めることもできる。つまりは、単セルの出力電圧のバラツキの程度を把握できるものであれば、種々の態様を取ることができる。
その一方、ステップS120で否定判定した場合は、単セルの出力電圧のばらつきが大きいことから、上記した水素不足や不要ガス或いはフラッディングが一因で出力ばらつきが大きくなっていると予想できる。よって、この場合は、単セルの出力電圧ばらつきに直結しがちな水素不足をまず補うべく、循環ポンプ250の回転数をΔn2だけ増大させて(ステップS140)、アノード排ガス循環比を増大する。その後、既述したステップS100以降の処理を繰り返す。
こうした状況を図でもって説明すると、図3に示すように、本ルーチンが繰り返されている場合、セル電圧モニタ300で検出した単セルの出力電圧ばらつきSbが設定値α以下である状況(時刻t1以前、或いはt2以後)では、循環ポンプ250の回転数は、Δn1ずつ低減する。ところが、出力電圧ばらつきSbが設定値αを越えた状況(時刻t1〜t2)では、循環ポンプ250の回転数は、Δn2ずつ増大する。本実施例では、この回転数増減値をΔn1<Δn2とした。
以上説明したように、本実施例では、セル電圧モニタ300から得られた単セルの発電状況がその出力電圧ばらつきSbが設定値α以下の出力安定状況であれば(ステップS120:肯定判定)、ガス循環流路28に設けた循環ポンプ250の回転数を低減制御する。このように循環ポンプ250を低回転数で運転した場合は、高回転運転時に比してその消費エネルギは低くなる。この結果、単セルの出力安定状況における循環ポンプ250での駆動電力を低減できるので、この出力安定状況にない場合に循環ポンプ消費エネルギが増えたとしても、システム全体としてのエネルギ効率を、出力安定状況における電力低減を図る分だけ高めることができる。
また、本実施例では、出力電圧ばらつきSbが設定値αを越えた状況下となると(ステップS120:否定判定)、循環ポンプ250を回転数増大側に制御してアノード排出ガスの循環比を増大させる。しかも、出力電圧ばらつきSbが設定値α以下であるために循環ポンプ250の回転数低減側制御を繰り返した結果(図3:時刻t1以前)、出力電圧ばらつきSbが設定値αを越えたような場合には、回転数低減側制御が過剰なためであるとして、回転数低減側制御の際の回転数変化率(即ち、低減量Δn1)より大きな変化率(増減量Δn2)で、循環ポンプ250を回転数増大側に制御する。よって、循環ポンプ250の回転数低減側制御の繰り返しにより低減していたアノード排出ガス循環比を、速やかに増大側に転じることができるので、燃料ガス不足による単セルの出力電圧ばらつきSbを速やかに低減できる。
この場合、本実施例では、回転数の増大程度Δn2を一律としたが、循環ポンプ250の回転数低減側制御の繰り返し程度に応じて、このΔn2を変えるようにすることもできる。例えば、僅かな回数の循環ポンプ250の回転数低減側制御の繰り返しで出力電圧ばらつきSbが設定値αを越えたような場合には、Δn2をΔn1に近い数値(Δn2>Δn1)とし、繰り返し回数が増えるほど、Δn2とΔn1の差分が大きくなるようにΔn2を定め(Δn2>Δn1)。こうすれば、循環ポンプ250の回転数低減側制御の繰り返し後の回転数増大側制御の際に、回転数を過剰に増大させないようにしてアノード排ガス循環比の大きな変化を抑制しつつ、水素供給量を増やして水素不足から速やかに脱却することができる。よって、水素不足の速やかな解消に加え、単セルに供給される水素量も瞬時に大きく変化しないようにして、電気化学反応の円滑な進行の上からも好ましい。
また、単セルの出力電圧ばらつきSbが設定値αを越えたような場合における回転数の増大程度Δn2を、この出力電圧ばらつきSbの程度に応じて可変設定するようにすることもできる。例えば、出力電圧ばらつきSbが設定値αを越える程度が大きければ、それに応じた大きな値のΔn2で、循環ポンプ250を回転数増大側に制御する。こうすれば、速やかな水素不足からの脱却を図ることが可能となる。
次に、変形例について説明する。図4はアノード排ガス循環制御の変形例を表わすフローチャートである。この変形例は、ポンプ回転数を増減制御する際の増減値を単セルの出力電圧ばらつきSbと設定値αとの偏差に応じて算出する点に特徴がある。即ち、ステップS100〜120までの処理を図2と同様に実行した後、ステップS120の判断に続いて、単セルの出力電圧ばらつきSbと設定値αとの偏差ΔSに応じてΔn1とΔn2を算出し(ステップS125、135)、その算出したΔn1或いはΔn2で循環ポンプ250の回転数を増減制御する(ステップS130、140)。なお、このようにする場合でも、回転数低減のためのΔn1と増減のためのΔn2は、Δn2>Δn1となるようにすることもできる。
ステップS125、135でのΔn1或いはΔn2の算出は、例えば、上記の偏差ΔSに応じた補正係数をΔn1やΔn2に乗じるようにし、この補正係数kを、偏差ΔSに比例した定数としたり、偏差ΔSに応じて段階的に変化するような定数とすることができる。この補正係数kを、燃料電池10の温度によって更に補正したりすることもできる。
上記した変形例によれば、セル電圧のばらつきが生じた原因を、より一層速やかに解消でき好ましい。
図5はまた別のアノード排ガス循環制御の変形例を表わすフローチャートである。この変形例は、ポンプ回転数を増大制御に上限を設け、この上限に達したらパージを行う点に特徴がある。
即ち、ステップS100〜140までの処理を図2と同様に実行するものの、ステップS140にて循環ポンプ250の回転数を増大制御した後に、その増大制御したポンプ回転数を上限値Nupと比較し(ステップS150)、ポンプ回転数が上限値Nup以下であれば、ステップS100に戻る。その一方、ステップS150でポンプ回転数が上限値Nupを上回ると判定すると、パージ弁240を開弁制御し(ステップS160)、アノード排ガスを外気に放出する。この上限値Nupは、次のように定めた。
循環ポンプ250の回転数増大制御によりアノード排ガス循環比が高まり、アノードへの水素供給量は増えてアノードでの水素不足は解消する。ところが、アノードへの水素供給量を高めても、単セルの出力電圧ばらつきSbの抑制程度が低下することが有りえる。こうした自体は、水素不足とは異なる要因で出力にばらつきが起きたことと云え、その原因の一つに、既述したアノードでの不要ガス残留や生成水のフラッディングがある。よって、この不要ガス排出やフラッディング回避を図るため、ポンプ回転数増大を図っても出力ばらつきの抑制程度が低下する状況を実験等により見定め、その時の回転数をポンプ回転数の上限値Nupとした。
ステップS160でのパージ弁240の開弁制御は種々の態様とでき、例えば、ステップS150での否定判定後において、パージ弁240を所定の開弁時間PSTに亘って開弁したままに制御する。また、この際の開弁時間PSTを、単セルの出力電圧ばらつきSbと設定値αとの偏差ΔSが大きいほど長くなるように、偏差ΔSに応じて長短設定するようにすることもできる。この他、次のようにすることもできる。図6はパージ弁240の開弁制御の様子の一例を示す説明図である。
図6に示すパージ弁制御では、ステップS160で否定判定した時刻ta以降の開弁時間PSTの間において、パージ弁240を間歇的に開弁制御するようにする。そして、このパージ弁240の間歇的な開弁の開弁周期PSと開弁時間PONとを、予め定めたものとしたり、この開弁周期PSと開弁時間PONについても、開弁時間PSTの場合と同様、単セルの出力電圧ばらつきSbと設定値αとの偏差ΔSに応じて長短設定するようにすることもできる。
以上説明したような態様でのパージ弁240の開弁制御を行うと、次のような利点がある。
既述したように、循環ポンプ250の回転数増大制御(ステップS140)を経ると、アノード排ガスの循環比を高めて水素不足を一因とするセル電圧のばらつきを抑制できるが、水素不足以外の原因でセル電圧のばらつきが生じることもある。こうした水素不足以外の原因によるセル電圧ばらつきの抑制には、ポンプ回転数増大制御では限界がある。よって、ポンプ回転数増大制御を行う際のポンプ回転数に上限を設け、この上限値Nupにポンプ回転数が達すると、ガス循環流路28を含む循環系を構成するアノード排ガス流路26のパージ弁240を開弁制御するのである。
こうすれば、燃料電池10の各セルにおけるアノードからは、アノード排ガスと共に、アノードでの生成水や既述した窒素等の不要ガスを外気に放出できる。よって、生成水により起きたフラッディングや不要ガス残留が原因で起きる単セルの出力電圧ばらつきについても抑制でき、好ましい。
また、パージ弁240の開弁制御を行うに当たり、既述したように単セルの出力電圧ばらつきSbと設定値αとの偏差ΔSに応じてパージ弁240を開弁制御するようにした(図5:ステップS160)。よって、アノード排ガスを不用意に過剰に外気排出したりすることや、アノードでの生成水の過剰な排出を回避できる。アノード生成水はアノードの湿潤に影響を及ぼすことから、アノード生成水の過剰な排出回避により、アノード側の乾燥等を抑制でき好ましい。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
例えば、上記の変形例では、循環ポンプ250の回転数増大制御によりポンプ回転数がその上限値Nupに達するとパージ弁240を開弁制御してアノード排ガスを外気に放出するようにした。そして、こうしたパージ弁の開弁制御を、単セルの出力電圧ばらつきSbが所定値以下の場合にポンプ回転数を低減制御することと併用したが、上記のパージ弁開弁制御は、単独で実行することもできる。
実施例の燃料電池システム100の構成を概略的に示すブロック図である。 アノード排ガス循環制御の処理内容を表わすフローチャートである。 循環制御におけるポンプ回転数推移を説明する説明図である。 アノード排ガス循環制御の変形例を表わすフローチャートである。 また別のアノード排ガス循環制御の変形例を表わすフローチャートである。 パージ弁240の開弁制御の様子の一例を示す説明図である。
符号の説明
10...燃料電池
20...水素タンク
22...レギュレータ
24...アノードガス供給流路
26...アノード排ガス流路
28...ガス循環流路
30...ブロワ
34...カソードガス供給流路
36...カソード排ガス流路
60...加湿器
100...燃料電池システム
250...循環ポンプ
300...セル電圧モニタ
230...アノードガス遮断弁
240...パージ弁
200...制御部
210...バルブ制御部
220...ポンプ制御部

Claims (6)

  1. 発電の単位である単セルを複数備え、各単セルに発電用の燃料ガスを燃料ガス供給系を経て供給して発電を行う燃料電池の運転方法であって、
    前記燃料電池への前記燃料ガスを供給しつつ、前記燃料電池から排出された燃料ガスを前記燃料ガス供給系に環流する循環系を介して、前記排出燃料ガスを燃料電池に環流し、
    前記複数の単セルの出力状態のばらつきが所定範囲内にある状況下においては、前記循環系に設けた循環ポンプを、該循環ポンプによる循環供給量が前記複数の単セルの出力状態のばらつきが所定範囲外にある状況に比して低減する側に運転制御する
    燃料電池の運転方法。
  2. 発電の単位である単セルを複数備え、各単セルに発電用の燃料ガスを燃料ガス供給系を経て供給して発電を行う燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給系と、
    前記燃料電池から排出された燃料ガスを前記燃料ガス供給系に環流する経路を有する循環系と、
    該循環系の経路に設けられ、前記排出燃料ガスの循環供給を図る循環ポンプと、
    前記複数の単セルの出力状態のばらつきが所定範囲内にある状況下においては、前記循環ポンプを、該循環ポンプによる循環供給量が前記複数の単セルの出力状態のばらつきが所定範囲外にある状況に比して低減する側に運転制御する循環制御部とを備える
    燃料電池システム。
  3. 請求項2記載の燃料電池システムであって、
    前記循環制御部は、
    前記出力状態のばらつきが所定範囲から逸脱すると、前記循環ポンプを、該循環ポンプによる循環供給量が増大する側に制御して前記排出燃料ガスの循環比を増大させる
    燃料電池システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載の燃料電池システムであって、
    前記循環制御部は、
    前記出力状態のばらつきが前記循環ポンプの回転数低減側への運転制御を繰り返したことで所定範囲から逸脱すると、前記循環ポンプの前記循環供給量低減側への運転制御の際のポンプ運転変化より大きな変化で、前記循環ポンプを循環供給量が増大する側に制御する
    燃料電池システム。
  5. 請求項3または請求項4記載の燃料電池システムであって、
    前記循環系を経て前記燃料ガス供給系に循環する前記排出燃料ガスを外気に放出する外気開放弁を備え、
    前記循環制御部は、
    前記循環ポンプの循環供給量増大側への制御によっても前記出力状態のばらつきを抑制できないときは、前記外気開放弁を開弁制御する
    燃料電池システム。
  6. 請求項5記載の燃料電池であって、
    前記循環制御部は、
    前記外気開放弁の開弁制御を行うに際して、前記出力状態に応じて前記排出燃料ガスの放出量を調整するよう、前記外気開放弁を開弁制御する
    燃料電池システム。
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