JP5228835B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来より、燃料極に燃料ガス(例えば、水素)が供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガス(例えば、空気)が供給されることにより、これらのガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが知られている。この類の燃料電池システムでは、空気中に含まれる窒素が燃料極側へと透過することにより、燃料極では、窒素濃度が濃い箇所、すなわち、水素濃度が低い箇所ができる。このガスの不均一化は、燃料電池を構成する部材の劣化要因となる。そこで、例えば、特許文献1には、燃料極および酸化剤極のガス圧力を変動させることにより、燃料電池の水および蓄積した不反応ガスをパージする手法が開示されている。
特表2007−517369号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、液水および不反応ガスをパージするために比較的な大きな圧力幅の圧力変動が要求されるため、燃料電池を構成する電解質膜などに大きなストレスが作用し、燃料電池の耐久性を低下させるおそれがある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池の耐久性の低下を抑制しつつ、反応ガスの不均一化を抑制することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、燃料電池の燃料極へ燃料ガスを供給するとともに、第1の圧力幅で圧力変動を行う状態と、第1の圧力幅よりも大きな第2の圧力幅で圧力変動を行う状態で、燃料電池の燃料極における燃料ガスの圧力を変動させる
本発明によれば、圧力幅の小さな第1の圧力変動パターンを、第2の圧力変動パターンに加えて有することにより、燃料電池に大きなストレスをかけることなく、燃料極側のガスを撹拌することができる。これにより、燃料極側のガスの均一化を図ることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。燃料電池システムは、例えば、移動体である車両に搭載されており、この車両は燃料電池システムから供給される電力によって駆動する。
燃料電池システムは、燃料電池セルを複数積層して構成される燃料電池スタック1を備えている。燃料電池スタック1を構成する個々の燃料電池セルは、固体高分子電解質膜を挟んで燃料極と酸化剤極とを対設した燃料電池構造体をセパレータで挟持して構成される。
燃料電池スタック1には、燃料電池セルの積層方向に延在する一対の内部流路が、酸化剤ガスおよび酸化剤ガスのそれぞれに対応して構成されている。燃料ガスに対応する一対の内部流路のうち、一方の内部流路である供給用内部流路は、個々の燃料電池セルの燃料極側のガス流路(セル流路)を介して反応面に燃料ガスをそれぞれ供給し、他方の内部流路である排出用内部流路は、個々の燃料電池セルの燃料極側のガス流路からそれぞれ排出されるガス(以下「燃料極オフガス」という)が流入する。同様に、酸化剤ガスに対応する一対の内部流路のうち、一方の内部流路である供給用内部流路は、個々の燃料電池セルの酸化剤極側のガス流路(セル流路)を介して反応面に酸化剤ガスをそれぞれ供給し、他方の内部流路である排出用内部流路は、個々の燃料電池セルの酸化剤極側のガス流路からそれぞれ排出されるガス(以下「酸化剤極オフガス」という)が流入する。本実施形態の燃料電池スタック1は、燃料ガスおよび酸化剤ガスが互いに対向する方向に流れる、いわゆる、カウンターフロー方式を採用している。
燃料電池スタック1は、個々の燃料電池セル毎に、燃料極および酸化剤極にそれぞれ供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスを電気化学的に反応させて発電電力を発生する。本実施形態では、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして空気を用いるケースについて説明する。なお、本明細書では、「燃料電池セル」、「燃料極」または「酸化剤極」という用語を、単一の燃料電池セル、またはその燃料極または酸化剤極を指す場合にのみ用いるのではなく、燃料電池スタック1の各燃料電池セル、または、それらの燃料極または酸化剤極を総称する場合にも用いることとする。
燃料電池システムは、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系と、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系とをさらに有している。
水素系において、燃料ガスである水素は、燃料タンク10(例えば、高圧水素ボンベ)に貯蔵されており、この燃料タンク10から水素供給流路(燃料極入口流路)L1を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、水素供給流路L1は、一方の端部が燃料タンク10に接続されるとともに、他方の端部が燃料電池スタック1の燃料ガス用の供給用内部流路の入口側に接続されている。この水素供給流路L1において、燃料タンク10の下流にはタンク元バルブ(図示せず)が設けられており、このタンク元バルブが開状態となると、燃料タンク10からの高圧水素ガスは、その下流に設けられた減圧バルブ(図示せず)によって機械的に所定の圧力まで減圧される。減圧された水素ガスは、減圧バルブよりも下流に設けられた水素調圧バルブ11によってさらに減圧された後に、燃料電池スタック1に供給される。燃料電池スタック1に供給される水素圧力は、水素調圧バルブ11の開度を制御することによって調整することができる。本実施形態では、燃料タンク10、水素供給流路L1およびこの水素供給流路L1に設けられた水素調圧バルブ11によって、燃料電池スタック1の燃料極へ水素を供給する水素供給手段が構成される。
本実施形態において、燃料電池スタック1は、燃料電池スタック1における燃料ガス用の排出用内部流路の出口側が基本的に閉塞されており、燃料電池スタック1から燃料極オフガスの排出が制限されている、いわゆる、閉じ系を採用するシステムである。ただし、これは厳密な意味での閉塞を指すのではなく、窒素や液水などの不純物を燃料極から排出するために、例外的に、燃料ガス用の排出用内部流路の出口側を開放することができる排出システムが設けられている。具体的には、燃料ガス用の排出用内部流路の出口側には、燃料極オフガス流路(排出流路)L2が接続されている。燃料極オフガス流路L2は、他方の端部が、後述する酸化剤極オフガス流路L6に接続されている。
燃料極オフガス流路L2には、所定容量の空間を備える容積部(容積手段)12が設けられている。この容積部12は、燃料極オフガスに含まれる不純物を一次的に蓄えるバッファとして機能する。容積部12には、一方の端部が開放された排水流路L3が接続されており、この排水流路L3には、排水バルブ13が設けられている。容積部12にたまった不純物(主として、液水)は、排水バルブ13の開閉状態を制御することにより、排出することができる。また、排水流路L3には、容積部12よりも下流側にパージバルブ(遮断手段)14が設けられている。容積部12にたまった不純物(主として、窒素)は、パージバルブ14の開閉状態を制御することにより、排出することができる。
一方、空気系において、酸化剤ガスである空気は、例えば、大気がコンプレッサ20によって取り込まれるとこれが加圧され、空気供給流路L5を介して燃料電池スタック1に供給される。空気供給流路L5は、一方の端部がコンプレッサ20に接続されるとともに、他方の端部が燃料電池スタック1における酸化剤ガス用の供給用内部流路の入口側に接続されている。また、空気供給流路L5には、燃料電池スタック1へ供給される空気を加湿するための加湿装置21が設けられている。
燃料電池スタック1における酸化剤ガス用の排出用内部流路の出口側には、酸化剤極オフガス流路L6が接続されている。これにより、燃料電池スタック1における酸化剤極からの酸化剤極オフガスは、酸化剤極オフガス流路L6を介して外部に排出される。この酸化剤極オフガス流路L6には、上述した加湿装置21が設けられており、発電により生成された水分の除湿が行われる(この除湿した水分は、供給空気の加湿に用いられる)。また、酸化剤極オフガス流路L5には、加湿装置21により下流側に、空気調圧バルブ22が設けられている。燃料電池スタック1に供給される空気圧力は、空気調圧バルブ22の開度を制御することによって調整することができる。本実施形態では、コンプレッサ20、空気供給流路L5および酸化剤極オフガス流路L6に設けられた空気調圧バルブ22によって、燃料電池スタック1の酸化剤極へ空気を供給する酸化剤ガス供給手段が構成される。
また、燃料電池スタック1には、燃料電池スタック1から取り出す出力を制御する出力取出装置30が接続されている。燃料電池スタック1において発電された電力は、出力取出装置30を介して車両駆動用の電動モータ(図示せず)や二次電池、燃料電池スタック1の発電動作に必要な種々の補機に供給される。
制御部(制御手段)40は、システム全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、システムの運転状態を制御する。制御部40としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。この制御部40は、ROMに格納された制御プログラムに従い各種の演算を行い、この演算結果を制御信号として各種のアクチュエータ(図示せず)に出力する。これにより、水素調圧バルブ11、排水バルブ13、パージバルブ14、コンプレッサ20、空気調圧バルブ22、出力取出装置30といった種々の要素を制御し、燃料電池スタック1の発電動作を行う。
制御部40には、システムの状態を検出するために、各種センサ等からのセンサ信号が入力されている。本実施形態では、水素圧力センサ41と、空気圧力センサ42と、スタック温度センサ43とが挙げられる。水素圧力センサ41は、燃料電池スタック1に供給される水素の圧力を検出する。空気圧力センサ42は、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力を検出する。スタック温度センサ43は、燃料電池スタック1の温度を検出する。
本実施形態において、制御部40は、以下に示す形態で燃料電池システムを制御する。まず、制御部40は、燃料電池スタック1に空気および水素を供給し、これにより、燃料電池スタック1による発電を行う。燃料電池スタック1に供給する空気および水素の圧力(運転圧力)は、運転負荷に拘わらず一定の基準値、あるいは、運転負荷に応じた可変値として予め設定されている。そこで、制御部40は、空気および水素を所定の運転圧力で供給することにより燃料電池スタック1の発電を行う。ここで、本実施形態の特徴の一つとして、制御部40は、燃料電池スタック1の燃料極へ水素を供給する際、第1の圧力幅(差圧)で圧力変動を行う第1の圧力変動パターンと、第1の圧力幅よりも大きな第2の圧力幅(差圧)で圧力変動を行う第2の圧力変動パターンとに基づいて、燃料電池スタック1の燃料極における水素の圧力を周期的に変動させる。具体的には、制御部40は、第1の圧力変動パターンを複数回実行した後に、第2の圧力変動パターンを実行する基本制御パターンを繰り返し行う。圧力変動を行う場合、制御部40は、燃料電池スタック1への水素の供給を停止させるとともに、燃料電池スタック1の燃料極における水素の圧力が所定の圧力幅(第1の圧力幅または第2の圧力幅)低下したことを条件に、燃料電池スタック1への水素の供給を再開させ、燃料電池スタック1の燃料極における水素の圧力を運転圧力まで復帰させる。燃料電池スタック1への水素供給の停止および再開は、水素調圧バルブ11の開閉操作により可能であり、圧力幅に相当する水素圧力の低下は、水素圧力センサ41の検出値を参照することにより、モニタリング可能である。
以下、このようなシステム構成および制御方法を採用する燃料電池システムについて、その概念について説明する。
燃費向上、燃料電池スタックを動作させる種々の補機類の動力の低減などの観点から、低ストイキ、低流量で燃料電池システムの運転を行う場合、燃料電池スタックの各燃料電池セル内のガス流路(セル流路)を流れる反応ガス(水素または空気)は流速が低くなる。そのため、発電反応に必要でない不純物、例えば、液水や非反応ガス(主として窒素)がガス流路に蓄積されやすくなり、これが発電に必要な反応ガスの流通を妨げる可能性がある。この場合、燃料電池スタックの出力が低下し、ひいては、発電不能となるばかりか、反応に必要な触媒の劣化を引き起こすおそれがある。
例えば、燃料電池スタックの酸化剤極に空気を供給するとともに、燃料電池スタックから燃料極オフガスの排出を制限して、燃料極において消費された分の水素を定常的に供給することにより、燃料電池スタックが発電を行う状態を考える。個々の燃料電池セルでは、燃料電池セルを構成する固体高分子電解質膜を介して、酸化剤極側のガス流路から燃料極側のガス流路に、空気中の窒素がクロスリークする。一方で、燃料極側のガス流路には、発電反応による水素の消費量と同等量の水素が対流により流入してくる。しかしながら、燃料ガス用の排出用内部流路の出口側が閉塞されているため、クロスリークしてきた窒素は、水素の対流によってガス流路の下流側(出口側)に押し込まれる。燃料極の窒素は、発電反応により消費されないばかりか、酸化剤極側の分圧と燃料極側の分圧とが同等になるまで酸化剤極側からのリークにより増加し続ける。
図2は、燃料電池セル内の燃料極側の水素の状態を示す説明図である。同図において、(a)は、燃料極側のガス流路における水素の流れの流線を示している。ここで、横軸は、ガス流路の距離を示しており、横軸の左側がガス流路の入口側に対応し、横軸の右側がガス流路の出口側に対応している。一方、縦軸は、ガス流路の高さを示しており、縦軸の下側が反応面に対応する。また、(b)は、燃料極側のガス流路における水素濃度分布を示している。(a)と同様、横軸は、ガス流路の距離を示し、縦軸は、ガス流路の高さを示す。同図において、領域a1は、水素濃度が93%〜100%の範囲を示し、領域a2は、水素濃度が83%〜93%の範囲を示し、領域a3は、水素濃度が73%〜83%の範囲を示す。また、領域a4は、水素濃度が63%〜73%の範囲を示し、領域a5は、水素濃度が53%〜63%の範囲を示し、領域a6は、水素濃度が43%〜53%の範囲を示し、領域a7は、水素濃度が33%〜43%の範囲を示す。さらに、(c)は、燃料極側の反応面における水素濃度分布を示している。ここで、横軸は、ガス流路の距離を示しており、横軸の左側がガス流路の入口側に対応し、横軸の右側がガス流路の出口側に対応している。一方、縦軸は、水素濃度を示している。
上述したように、クロスリークした窒素および水素の流入により、燃料極では、窒素濃度が濃い箇所、すなわち、水素濃度が低い箇所ができる。具体的には、燃料電池セルにおいて、ガス流路の下流(出口側)ほど、水素濃度が低くなる傾向を有する。また、この状態から発電を継続すると、水素濃度の低い箇所はさらに濃度が低くなる。
図3は、燃料電池セルを模式的に示す説明図である。同図(a)に示すように、反応ガスの流れに沿って、燃料電池セルの発電面内に8点の電流計測ポイントをそれぞれ仮定する。同図(b)は、個々の計測ポイントにおける電流分布の時系列的な推移を示す。具体的には、破線の矢印で示すように、各計測ポイントにおける電流分布の推移は、一点鎖線から、破線、そして実線へと推移する。すなわち、発電初期の段階では、ガス流路における水素濃度は概ね均一であるため、一点鎖線で示すように、各計測ポイントにおける電流値は概ね対応している。しかしながら、発電を継続的に行うことにより、ガス流路の出口側における水素濃度が低下するため、破線または実線で示すように、ガス流路の出口側における電流値が低下するとともに、ガス流路の入口側において電流集中が起こる。このような状態では、安定的な発電を継続することが困難となり、最終的には、発電が不能となる状態の陥るおそれがある。また、このような局部的な電流低下は検知が難しく、低下していることに気づかず、燃料電池スタックから出力を取り続けてしまうことも起こり得る。
図4は、燃料電池セルの構造を模式的に示す断面図である。燃料電池セルを構成する燃料電池構造体は、固体高分子電解質膜2を、一対の電極(反応極)である燃料極と酸化剤極とで挟持することにより構成される。固体高分子電解質膜2は、例えば、フッ素樹脂系イオン交換膜といったイオン伝導性の高分子膜で構成されており、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。酸化剤極は、プラチナ等の触媒を担持した白金系の触媒層3と、カーボン繊維等の多孔質体から構成したガス拡散層4とで構成されている。燃料極は、プラチナ等の触媒を担持した白金系の触媒層6と、カーボン繊維等の多孔質体から構成したガス拡散層7とで構成されている。また、燃料電池構造体を両側より挟持するセパレータ(図示せず)には、個々の反応極に反応ガス(水素または空気)を供給するためのガス流路5,8がそれぞれ形成されている。
発電を継続した場合、窒素と同時に酸素も酸化剤極側から燃料極側へリークしているため、燃料極側へ酸素が移動する。また、酸化剤極側には、発電反応によって生成された水が存在している。さらに、ガス拡散層4やセパレータなど、燃料電池セル内のガス流路を構成する部材や触媒を支持する部材は主にカーボンにより構成されている。そのため、水素が欠乏している領域(図中、領域B)では、以下に示す反応が促進される。
Figure 0005228835
同数式を参照すると、酸化剤極側で生成した水と、燃料電池セルの構造物中のカーボンとが反応し、酸化剤極側で二酸化炭素が生成される。これは、燃料電池セル内部の構造物が侵食されることを意味する。ガス流路を形成する要素、反応を起こす触媒を担持する構造体、ガス拡散層4を構成する構造体、および、セパレータを構成する構造体に含まれるカーボンが二酸化炭素に変化し、燃料電池セルの劣化へと繋がる。
また、燃料極側にも、発電反応による生成水が酸化剤極側から固体高分子電解質膜2を逆拡散現象により移動し、あるいは、加湿されて供給される水素中の凝縮水が、ガス流路内に留まることがある。液水がガス流路中に水滴状に存在する場合は、特に大きな問題を引き起こすことはない。しかしながら、液水が膜状に広がって存在し、ガス拡散層7のガス流路面を覆ってしまう場合には、反応面への水素供給が液水によって阻害され、水素の濃度が低い箇所が発生する。これにより、上述のケースと同様に、燃料電池の劣化へと繋がるおそれがある。
ガス流路中の液水による不都合は一般的に認識され、この液水を排出するための手法は実施されている。しかしながら、液水がなくても燃料電池セルの劣化が生じる。すなわち、燃料電池セル(触媒)の劣化現象は、燃料極の水素が欠乏することに起因しており、この欠乏箇所(例えば、体積濃度にして概ね5%以下となる箇所)の発生を抑えることが重要である。ここで、燃料極側でガス中の水素濃度が低くなる原因は、酸化剤極側のガス中に含まれる窒素が、燃料極側に透過するためである。そのため、窒素の透過量を適切に把握しておく必要がある。このため、まず、各物理量(窒素分圧、温度、湿度)に対する固体高分子膜を透過する単位時間あたりの窒素量を、実験やシミュレーションを通じて調べたところ、その結果は、図5および図6に示すようになる。
図5は、酸化剤極と燃料極との窒素分圧差とリーク窒素量との関係を示す説明図である。図6は、周囲湿度とリーク窒素量との関係を示す説明図であり、破線の矢印で示すように、周囲温度の増加に応じて両者の関係は相対的に値が大きくなる。図5,6に示すように、酸化剤極側から燃料極側へ透過する窒素量(リーク窒素量)は、窒素分圧差が大きい程大きく、また、燃料極における湿度が高い程、また、温度が高い程大きくなる。
上述したように、燃料電池セルにおいて、燃料極に透過してきた窒素は、供給される水素の流れに乗り、下流側(出口側)に押し込められるようにして留まる。そこで、本実施形態では、このような水素濃度が局所的に低くなる欠乏箇所の発生を、強制対流を起こして水素と窒素とを攪拌することで抑制する。
図7は、水素と非反応ガスとの攪拌状態を模式的に示す説明図である。強制対流による攪拌を行う手法としては、例えば、燃料電池スタック1の燃料極側の水素圧力を水素の供給圧力よりも低下させて、ある一定の差圧を燃料電池スタック1の内外で作っておく。そして、この差圧を瞬間的に解放することで、燃料電池スタック1内へ流入する水素の大きな供給量(流速)が瞬間的に確保される。これにより、図7(a)に示すように、水素と窒素との攪拌が可能となる。燃料電池セル内のガス流路のサイズに依存するが、乱流が得られる場合には、この撹拌効果が大きくなる。また、層流であっても、水素系において燃料電池スタック1の下流に設けられた容積部12へ窒素が押しやられるため、燃料電池セル内は水素に置換される。また、ガス流路全域で圧力が下げられていることから、燃料極の圧力が供給圧と同等になるまでは、水素がガス流路の全域に行き渡ることができる。
一定の差圧を得るためには、発電中の燃料電池スタック1に、大きな圧力を瞬間的に発生させながら水素を供給することも可能である。しかしながら、差圧をより簡単に得るためには、図7(b)に示すように、燃料電池スタック1の発電を継続させたままで、タイミングT1において、水素調圧バルブ11で水素の供給を停止する操作(閉弁操作)を行う。そして、所定の差圧(圧力幅)ΔP1になるまで保持時間を設け、差圧を確保する。差圧ΔP1が得られたら(タイミングT2)、水素調圧バルブ11で水素を供給する操作(開弁操作)を行う。これにより、瞬間的に大きな供給量(流速)が発生し、攪拌を行うことができる。また、このような圧力変動パターン(第1の圧力変動パターン)を周期Cで繰り返すと、タイミングT3において閉弁操作およびタイミングT4において開弁操作が行われる。これにより、水素が脈動的に供給されることになる。この差圧ΔP1は、例えば、5〜8kPa程度であり、燃料電池スタック1の特性およびガスの撹拌特性等を考慮した上で、実験やシミュレーションを通じて最適値を設定することができる。ガス攪拌に必要な差圧ΔP1は、後述する液水排出に必要な差圧と比較して、小さな値に設定されている。
上述したガス撹拌により水素の欠乏箇所の発生を抑制することができるものの、長時間発電を継続した場合には、生成水や凝縮水が蓄積され、燃料電池セル内の燃料極側のガス流路を塞いでしまうことがある。そこで、本実施形態では、水素を燃料極へ流入させることで、ガス流路を閉塞する液水を燃料電池セル外へ排出する。
図8は、液水の排出状態を示す説明図である。水素供給による液水排出を行う手法としては、例えば、燃料電池スタック1の燃料極側の水素圧力を水素の供給圧力よりも低下させて、ある一定の差圧を燃料電池スタック1の内外で作っておく。そして、この差圧を瞬間的に解放することで、燃料電池スタック1内へ流入する燃料ガスの大きな供給量(流速)が瞬間的に確保される。これにより、図8(a)に示すように、ガス流路から液水を排出することができる。
液水排出に必要な差圧は、上述したガス攪拌のために必要な差圧よりも大きいことが要求される。一方、液水排出が要求される頻度は、ガス攪拌が要求される頻度に比べて低くなる。そこで、図8(b)に示すように、ガス攪拌に要求される圧力変動パターンを複数回実行した後、タイミングTmにおいて、水素調圧バルブ11で水素の供給を停止する操作(閉弁操作)を行う。そして、所定の差圧(圧力幅)ΔP2になるまで保持時間を設け、差圧を確保する。差圧ΔP2が得られたら(タイミングTn)、水素調圧バルブ11で水素を供給する操作(開弁操作)を行う。これにより、瞬間的に大きな流速が発生し、液水の排出を行うことができる。もっとも、このような圧力変動パターン(第2の圧力変動パターン)は、ガス攪拌に要求される圧力変動パターンと同様、周期的に繰り返されるが、ガス攪拌に要求される圧力変動パターンと比較して、その実行頻度は低くなる。この差圧ΔP2は、例えば、20〜30kPa程度であり、燃料電池スタック1の特性および液水の排出特性等を考慮した上で、実験やシミュレーションを通じて最適値を設定することができる。液水の排出必要な差圧ΔP2は、上述したガス攪拌に必要な差圧ΔP1と比較して、大きな値に設定されている。
このように本実施形態において、制御部40は、燃料ガス供給手段を制御することにより燃料電池スタック1の燃料極へ水素を供給するとともに、第1の圧力幅ΔP1で圧力変動を行う第1の圧力変動パターンと、第2の圧力幅ΔP2で圧力変動を行う第2の圧力変動パターンとに基づいて、燃料電池スタック1の燃料極における水素の圧力を周期的に変動させる。
かかる構成によれば、圧力幅の小さな第1の圧力変動パターンを、第2の圧力変動パターンに加えて有することにより、燃料電池スタック1の個々の燃料電池セルに大きなストレスをかけることなく、燃料極側のガスを撹拌することができる。これにより、燃料極側のガスの均一化を図ることができる。そのため、水素濃度が部分的に低下することに起因する燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。また、第2の圧力変動パターンも備えることで、第1の圧力変動パターンでは排出することができないような、液水等の排出を行うことができる。これにより、液水に起因する燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池スタック1の燃料極側から排出される燃料極オフガスが制限された閉じ系のシステムを採用している。かかる構成によれば、不純物によって燃料極側のガス流路に水素濃度の低下が生じ易いが、上述した制御を実施することにより、燃料極側のガスの均一化を図ることができる。
また、本実施形態において、制御部40は、第1の圧力変動パターンを複数回実行した後に、第2の圧力変動パターンを実行する。かかる構成によれば、燃料電池スタック1の個々の燃料電池セルに大きなストレスをかける頻度を少なくしつつ、燃料極側のガス攪拌と液水排出の両立を行うことができる。また、ガス撹拌を行う第1の圧力変動パターンの実行頻度が高いため、発電を継続的に行った場合であっても、ガス攪拌を有効に行うことができる。これにより、図9に示すように、発電を継続的に行った場合でも、発電面内の電流値が概ね対応し、ガス流路の出口側における電流値の低下およびガス流路の入口側における電流集中を抑制することができる。
また、本実施形態において、制御部40は、水素を所定の運転圧力で供給することにより燃料電池スタック1の発電を行った状態において、燃料電池スタック1への水素の供給を停止させるとともに、燃料極の水素圧力が所定の圧力幅(ΔP1,ΔP2)低下したことを条件に、水素の供給を再開させることにより、燃料極における水素圧力を変動させる。かかる構成によれば、水素調圧バルブ11によって簡単に圧力変動を行うことができるので、簡素な制御システムを実現することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムは、燃料極オフガス流路L2と、容積部12と、パージバルブ14とを備えている。この場合、容積部12は、燃料極側からの燃料極オフガス、すなわち、窒素や液水を蓄える空間として機能する。これにより、実質的には閉じ系のシステムを構築するものの、必要に応じて、パージバルブ14を開放することにより、相対的に上昇した窒素などの不純物を外部に排出することも可能となる。すなわち、窒素リークは窒素分圧差がなくなるまで発生するが、燃料極側で水素の濃度をある一定以上保ちたい場合は、リーク量に相当した流量を外部へ排出するが可能である。なお、このときの流量は、十分小さい流量であるため、燃料極内のガス攪拌に必要な圧力変動に影響を与えること少なく、また、酸化剤極オフによる希釈も簡単に行うことができる。もっとも、窒素分圧が平衡状態になっても発電ができるように燃料極側の全圧を高めておいてもよく、この場合は、単純な閉じ系システムを採用することができる。
なお、水素供給を停止させた際に、燃料極における水素圧力が低下する速度は、燃料電池スタック内の流路容積によって決まる。システム制御上の要請などで急激な圧力低下を望まない場合には、燃料電池スタック1に水素供給流路L1、あるいは、燃料極オフガス流路L2の容積部12の容量を変えることで、圧力の変化時間を制御することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。第2の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、燃料電池システムの運転状態に応じて、圧力変動パターンによる圧力変動に起因して燃料電池スタック1の燃料極に供給される水素の供給量を可変に設定することにある。なお、燃料電池システムのシステム構成については、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
図10は、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法、具体的には、燃料極への水素の供給方法の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、制御部40によって実行される。
まず、ステップ1(S1)において、制御部40は、燃料電池スタック1の運転状態を検出される。このステップ1において検出される運転状態としては、燃料電池スタック1の運転負荷、燃料電池スタック1の運転温度、燃料電池スタック1の運転圧力(酸化剤極の運転圧力)である。燃料電池スタック1の運転負荷は、車両の車速やアクセル開度から特定される車両側からの要求電力、補機類の要求電力等を考慮することにより、演算することができる。また、燃料電池スタック1の運転温度は、スタック温度センサ43より検出することができる。燃料電池スタック1の運転圧力は、上述した運転負荷に拘わらず一定の基準値、あるいは、運転負荷に応じた可変値が予め設定されているため、これを参照することにより、検出することができる。
ステップ2(S2)において、制御部40は、今回検出された運転状態が、従前に検出された運転状態と比較して変更したか否かを判断する。この判断において肯定判定された場合、すなわち、運転状態が変更した場合には、ステップ3(S3)に進む。一方、ステップ2において否定判定された場合、すなわち、運転状態が変更していない場合には、ステップ3の処理をスキップして、ステップ4(S4)の処理に進む。
ステップ3において、制御部40は、運転状態に基づいて、圧力変動パターンを設定する。第1の実施形態で示すように、制御部40は、ガス攪拌に必要な圧力変動パターンを複数回実行した後に、液水排出に必要な圧力変動パターンを実行し、これを1セットとして繰り返し的に行うことで水素の供給を行う。ところで、圧力変動を伴う供給形態では、圧力変動に起因して燃料極に供給される水素の供給量が脈動的に変化するため、固体高分子電解質膜2へ繰り返し荷重がかかり、これがストレスとして作用する。そこで、酸化剤極からのクロスリークが少ないシーンでは、このような圧力変動に起因して燃料極に供給される水素の供給量を小さくして、固体高分子電解質膜2への加重を低減させることが好ましい。一方で、クロスリークが多いシーンでは、積極的に圧力変動を行い、圧力変動に起因して燃料極に供給される水素の供給量を脈動的に変化させ、ガス撹拌および液水排出を行うことが好ましい。
一般に、燃料電池スタック1の運転負荷が小さい程、燃料電池スタック1の運転温度が低い程、あるいは、燃料電池スタック1の運転圧力(具体的には、酸化剤極の運転圧力)が低い程、クロスリークする窒素量が少ない。そこで、運転状態が上記のいずれかに該当して変更した場合には、圧力変動に起因して燃料極に供給される水素の供給量を小さくする。反対に、燃料電池スタック1の運転負荷が大きい程、燃料電池スタック1の運転温度が高い程、あるいは、燃料電池スタック1の運転圧力(具体的には、酸化剤極の運転圧力)が高い程、クロスリークする窒素量が多い。そこで、運転状態が上記のいずれかに該当して変更した場合には、圧力変動に起因して燃料極に供給される水素の供給量を大きくする。
圧力変動に起因して燃料極に供給される水素の供給量を小さく設定する場合には、以下に示すように、基本制御パターンを修正する。第1の手法としては、図11に示すように、水素調圧バルブ11の弁時間Tを、基本制御パターンのそれよりも長く設定する。換言すれば、圧力変動の実行周期を大きく設定するように、基本制御パターンが修正されることとなる。第2の手法としては、図12に示すように、圧力制御パターンの差圧(圧力幅)ΔP11,ΔP21を、基本制御パターンにおける圧力制御パターンの差圧(圧力幅)ΔP1,ΔP2よりも小さく設定する。第3の手法としては、図13に示すように、ガス攪拌に必要な圧力変動パターンに対する液水排出に必要な圧力変動パターンの実行頻度を、基本制御パターンのそれよりも少なく設定する。これに対して、圧力変動に起因して燃料極に供給される水素の供給量を大きく設定する場合には、第1から第3の手法をそれぞれ逆方向に制御すればよい。
制御部40は、変更した運転状態の状況に応じて、第1から第3の手法のいずれか一つ、あるいは、これらの組み合わせに基づいて、基本制御パターンを修正する。そして、制御部40は、この修正された圧力制御パターンを現在の制御パターンとして設定する。
ステップ4において、制御部40は、現在設定されている制御パターンに基づいて、水素の供給を行う。
ステップ5(S5)において、制御部40は、燃料電池システムの運転を終了するか否かを判断する。具体的には、制御部40は、イグニッションスイッチからオフ信号が入力されるか否かを判断する。このステップ5において肯定判定された場合、すなわち、燃料電池システムの運転を終了する場合には、本制御を終了する。一方、ステップ5において否定判定された場合、すなわち、燃料電池システムの運転を終了しない場合には、ステップ1の処理に戻る。
このように本実施形態において、燃料電池システムは、システムの運転状態に基づいて、圧力変動に起因して燃料極に供給される水素の供給量を小さく設定している。かかる構成によれば、燃料極のガス攪拌および液水排出を行いつつも、燃料電池スタック1の個々の燃料電池セルへの繰り返し荷重を低減することができる。
なお、上述した実施形態では、閉じ系のシステムを前提としているが、本発明は、燃料極オフガスを燃料ガスの供給側へと循環させるシステムにも適用することが可能である。例えば、エゼクタを介して燃料極オフガスを循環させるシステムでは、低負荷時、燃料ガスの供給流量が低いため、燃料極オフガスの循環率が低いことがある。この場合には、実質的には、閉じ系と同様に燃料極側において不純物によって燃料ガスが不均一な状態となる。そこで、上述した制御手法を適用し、燃料電池スタック1の燃料極における水素の圧力を周期的に変動させることで、このようなガスの不均一を解消することができる。
第1の実施形態にかかる燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図 燃料電池セル内の燃料極側の水素の状態を示す説明図 燃料電池セルを模式的に示す説明図 燃料電池セルの構造を模式的に示す断面図 酸化剤極と燃料極との窒素分圧差とリーク窒素量との関係を示す説明図 周囲湿度とリーク窒素量との関係を示す説明図 水素と非反応ガスとの攪拌状態を模式的に示す説明図 液水の排出状態を示す説明図 発電面内の電流分布示す説明図 第2の実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法の処理手順を示すフローチャート 制御パターンの一例を示す説明図 制御パターンの一例を示す説明図 制御パターンの一例を示す説明図
符号の説明
1…燃料電池スタック
2…固体高分子電解質膜
3…触媒層
4…ガス拡散層
5…ガス流路
6…触媒層
7…ガス拡散層
8…ガス流路
10…燃料タンク
11…水素調圧バルブ
12…容積部
13…排水バルブ
14…パージバルブ
20…コンプレッサ
21…加湿装置
22…空気調圧バルブ
30…出力取出装置
40…制御部
41…水素圧力センサ
42…空気圧力センサ
43…スタック温度センサ

Claims (12)

  1. 酸化剤極に供給される酸化剤ガスと、燃料極に供給される燃料ガスとを電気化学的に反応されることにより、電力を発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の燃料極に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料ガス供給手段を制御することにより前記燃料電池の燃料極へ前記燃料ガスを供給するとともに、第1の圧力幅で圧力変動を行う状態と、前記第1の圧力幅よりも大きな第2の圧力幅で圧力変動を行う状態によって、前記燃料電池の燃料極における前記燃料ガスの圧力を変動させる制御手段と
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記第1の圧力幅で圧力変動を行う状態と、前記第2の圧力幅で圧力変動を行う状態とによって、前記燃料電池の燃料極における前記燃料ガスの圧力を周期的に変動させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記第1の圧力幅で圧力変動を行う状態を周期的に行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池の燃料極から排出される排出ガスを制限する制限手段をさらに有し、
    前記制限手段は、
    前記燃料電池の燃料極から排出ガスを排出する排出流路と、
    前記排出流路に設けられて、所定容量の空間を備える容積手段と、
    前記排出流路において前記容積手段よりも下流側に設けられており、前記排出流路を遮断する遮断手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、前記第1の圧力幅で圧力変動を行う状態を複数回行った後に、前記第2の圧力幅で圧力変動を行う状態とすることを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記燃料ガス供給手段から前記燃料ガスを所定の運転圧力で供給することにより前記燃料電池の発電を行った状態において、前記燃料電池への前記燃料ガスの供給を停止させるとともに、前記燃料電池の燃料極における前記燃料ガスの圧力が所定の圧力幅低下したことを条件に、前記燃料電池への前記燃料ガスの供給を再開させることにより、前記燃料電池の燃料極における前記燃料ガスの圧力を変動させることを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記燃料電池の運転負荷が小さい程、圧力変動に起因して前記燃料極に供給される前記燃料ガスの供給量を小さく設定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記燃料電池の運転温度が低い程、圧力変動に起因して前記燃料極に供給される前記燃料ガスの供給量を小さく設定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池の酸化剤極に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記燃料電池の酸化剤極における酸化剤ガスの運転圧力が小さい程、圧力変動に起因して前記燃料極に供給される前記燃料ガスの供給量を小さく設定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  10. 前記制御手段は、圧力変動に起因して前記燃料極に供給される前記燃料ガスの供給量を小さく設定する場合には、圧力変動の実行周期を大きく設定することを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  11. 前記制御手段は、圧力変動に起因して前記燃料極に供給される前記燃料ガスの供給量を小さく設定する場合には、圧力幅を小さく設定することを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  12. 前記制御手段は、圧力変動に起因して前記燃料極に供給される前記燃料ガスの供給量を小さく設定する場合には、前記第1の圧力変動パターンに対する前記第2の圧力変動パターンの実行頻度を少なくすることを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載された燃料電池システム。
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