JP2006236862A - 燃料電池システム及びそれを搭載した車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 短期間で安定した出力を得ることができる。
【解決手段】 燃料電池システム10では、システム起動直後には初期値である電流値i1を目標出力値として設定し、その目標出力値を出力するようシステム全体を制御し、燃料電池スタック30を構成する燃料電池40の中に出力異常のもの(ここではフラッディング状態のもの)が存在しなければその電流値i1を出力制限値として設定する。その後、電流値i1よりも燃料電池スタック30の最大出力値(ここでは電流値i4)に近い値又は最大出力値そのものを新たな目標出力値として設定し、燃料電池スタック30を構成する燃料電池40の中に出力異常のものが存在しなければその目標出力値を出力制限値として設定する。このように、ある段階の出力制限が解除されたあと次の段階の出力制限がかかることになるため、最終的に全段階の出力制限が解除されたときには出力が安定化しやすい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池スタックを発電させて起電力を得る燃料電池システム及びそれを搭載した車両に関する。
従来より、燃料電池スタックを発電させて起電力を得る燃料電池システムが知られている。ここで燃料電池スタックとは、発電起電力を高めるために燃料電池を積層したものであり、数十〜数百の燃料電池が積層されることがある。ところで、燃料電池は、システム始動直後においては、燃料電池が良好に運転し得る温度に達していないことなどが原因で、大きな負荷に接続して発電を行うと電圧の降下が起こって電源として機能しなくなることがあった。このため、燃料電池を二次電池やキャパシタなどの蓄電装置と併用し、システム始動直後には燃料電池の出力を制限して、不足する分を二次電池で補うことが提案されている(例えば特許文献1)。
特願平9−231991
しかしながら、システム始動直後においても燃料電池システムに大きな電力を出力するよう要求されることがあるため、できるだけ早期に出力制限を解除することが望まれている。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであり、短期間で安定した出力を得ることができる燃料電池システムを提供することを目的の一つとする。また、このような燃料電池システムを搭載した車両を提供することを目的の一つとする。
本発明は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
すなわち、本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタックを発電させて起電力を得る燃料電池システムであって、
システム起動時に前記燃料電池を構成する各燃料電池又は各燃料電池群の出力の安定状況に基づいて前記燃料電池スタックの出力制限を段階的に緩和する出力制限設定手段と、
前記出力制限設定手段によって設定された出力制限の範囲内で出力するよう前記燃料電池スタックを制御する燃料電池スタック制御手段と、
を備えたものである。
この燃料電池システムでは、システム起動時に燃料電池を構成する各燃料電池又は各燃料電池群の出力の安定状況に基づいて燃料電池スタックの出力制限が段階的に緩和される。つまり、燃料電池システムの出力制限が一段階で解除される場合には出力制限解除後に大きな出力が要求されると出力が不安定となり再起動を余儀なくされることがあるが、本発明では出力制限が段階的に緩和されるため、ある段階の出力制限が解除されたあと次の段階の出力制限がかかることになり、最終的に全段階の出力制限が解除されたときには出力が安定化しやすい。このため、結果的に短期間で安定した出力を得ることができる。
ここで、「燃料電池スタックを構成する各燃料電池」とは、燃料電池スタックを構成する一つ一つの燃料電池を意味し、「燃料電池スタックを構成する燃料電池群」とは、燃料電池スタックを1以上の燃料電池からなるセルモジュールで構成したときにはそのセルモジュールを意味する。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記出力制限設定手段は、システム起動時に前記燃料電池を構成する各燃料電池又は各燃料電池群の出力の安定状況に基づいて前記燃料電池スタックの出力許容範囲の上限値を低い値から高い値へと段階的に切り替えてもよい。こうすれば、各燃料電池又は各燃料電池群の出力が安定となる出力許容範囲内で燃料電池スタックを運転することができる。あるいは、前記出力制限設定手段は、システム起動時に前記燃料電池を構成する各燃料電池又は各燃料電池群の出力の安定状況に基づいて前記燃料電池スタックの出力許容範囲の上限値を比較的高い値からより高い値へと切り替えてもよい。こうすれば、燃料電池スタックの出力は初段階の出力制限でステップ関数的に比較的高い値まで許容されるため、フラッディングが発生していたとしても発電が大きく発熱も大きいことから初期段階でそのフラッディングが解消されやすく、結果的に早期に起動が完了する。なお、「比較的高い値」とは、例えば、起動直後から燃料電池スタックが安定して出力可能な範囲のうち上限値又はその近傍の値としてもよく、そのような値は実験等を繰り返すことにより経験的に求めてもよい。
こうした燃料電池システムにおいて、前記燃料電池スタック制御手段は、所定のタイミングで次段階の上限候補値を出力するよう前記燃料電池スタックを制御し、前記出力制限設定手段は、前記燃料電池スタック制御手段により前記燃料電池スタックが前記次段階の上限候補値を出力するよう制御されている期間中該燃料電池スタックを構成する各燃料電池又は各燃料電池群の中に出力異常のものが存在するか否かの判定を行い、該判定の結果出力異常のものが存在しない場合には出力許容範囲の上限値を現在の値から前記次段階の上限候補値へ切り替えてもよい。こうすれば、燃料電池スタックが出力許容範囲内で安定して出力することを担保することができる。
ここで、前記出力制限設定手段は、各燃料電池又は各燃料電池群の中に出力異常のものが存在するか否かを、各燃料電池又は各燃料電池群の出力電圧に基づいて判定してもよい。こうすれば、出力異常か否かの判定を比較的簡単に行うことができる。また、前記出力制限設定手段は、前記判定の結果出力異常のものが存在する場合には該出力異常を解消する操作を実行したあと再び前記判定を行ってもよい。こうすれば、燃料電池スタックが現在の出力許容範囲の上限値で安定して出力しなかったとしてもその後比較的早期に安定して出力するようになる。このとき、前記出力異常を解消する操作は、燃料ガス供給量の増加操作、酸化ガス供給量の増加操作及び前記燃料電池スタック内の不要ガス排出促進操作の少なくとも一つであってもよい。これらの操作を行うと、燃料ガス流路や酸化ガス流路に溜まっていた水滴が追い出されるため、フラッディングが解消されやすい。あるいは、燃料電池スタック内の必要なガスの濃度が高まり化学量論的組成が向上するため、現在の出力許容範囲の上限値を出力するようになりやすい。また、前記出力制限設定手段は、出力制限値が最も高い段階の値になったあと前記判定手段により出力異常のものが存在しないと判定されたときには出力制限を解除してもよい。
本発明の車両は、上述したいずれかの燃料電池システムを搭載した車両である。この車両は、本発明の燃料電池システムを搭載しているため、ある段階の出力制限が解除されたあと次の段階の出力制限がかかることになり、最終的に全段階の出力制限が解除されたときには出力が安定化しやすい。このため、結果的に短期間で安定した出力を得ることができる。
なお、フラッディング等により出力異常になった燃料電池の存否を判定する場合、以下のような燃料電池システムを構築してもよい。すなわち、「燃料電池スタックを構成する各燃料電池の燃料ガス流路及び酸化ガス流路へそれぞれ燃料ガス及び酸化ガスを供給して燃料電池スタックを発電させて起電力を得る燃料電池システムであって、強制的に前記燃料ガス流路内の燃料ガス量が低下した燃料ガス低下状態を作り出す燃料ガス低下状態作成手段と、前記燃料ガス低下状態でも燃料ガスと酸化ガスとの化学量論的組成が確保されるような出力値を設定し該設定した出力値を前記燃料電池スタックが出力するよう制御する燃料電池スタック制御手段と、該燃料電池スタック制御手段により制御された前記燃料電池スタックを構成する各燃料電池又は各燃料電池群の中に出力異常のものが存在するか否かを判定する判定手段と、を備えた燃料電池システム。」を構築してもよい。こうすれば、燃料電池スタックの中に出力異常の燃料電池が存在するか否かを容易に判定することができるため、その対処を迅速に行うことができる。ここで、燃料ガス低下状態作成手段は、燃料ガス流路から排出された排出ガス中に含まれる燃料ガスを燃料ガス流路の供給口へ循環させる燃料ガス循環操作を停止する手段としてもよいし、燃料ガス流路内の燃料ガス濃度を高めるためのパージバルブ開閉操作を停止する手段としてもよい。また、この燃料電池システムは、判定手段により出力異常のものが存在すると判定されたとき、出力異常を解消する操作を実行する解消操作実行手段を備えていてもよい。このような解消操作実行手段は、例えば、燃料ガス流路内の燃料ガスの増加を行う手段としてもよいし酸化ガス流路内の酸化ガスの増加を行う手段としてもよい。こうすれば、フラッディングが発生して出力異常になっていた場合には、増量したガスによって水滴が排出されるため出力異常が解消される。具体的には、燃料ガス流路内の燃料ガスを増加するには、燃料ガス流路へ供給する燃料ガス量を増やしてもよいし、燃料ガス流路から排出された排出ガス中に含まれる燃料ガスを燃料ガス流路の供給口へ循環させる燃料ガスの循環量を増やしてもよいし、燃料ガス流路内の燃料ガス濃度を高めるためのパージバルブ開閉操作の頻度を高めてもよい。酸化ガス流路内の酸化ガスを増加するには、酸化ガス流路へ供給する酸化ガス量を増やしてもよい。なお、「燃料ガス低下状態」とは、酸化ガスに対する燃料ガスの過剰率が燃料電池システムの通常運転時よりも低い状態をいう。また、「化学量論的組成」とは、酸化ガスに対する燃料ガスの量が反応上過不足のないことをいう。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の一例を表す燃料電池システムを搭載した車両の構成の概略を示す構成図である。燃料電池システム10は、車両に搭載され、燃料電池スタック30で発電した電力を図示しない車輪を駆動するモータ52や各種補機類の電源として利用したりバッテリ58の充電に利用したりするものである。この燃料電池システム10は、固体高分子型の燃料電池40が複数積層された燃料電池スタック30と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池スタック30へ供給する水素ボンベ12と、酸化ガスとしての酸素を含むエアを燃料電池スタック30へ供給するエアコンプレッサ22と、燃料電池スタック30を構成する各燃料電池40のセル電圧を測定するセルモニタ36と、燃料電池スタック30やバッテリ58から電力の供給を受けたりバッテリ58へ電力を供給したりするモータ52と、燃料電池システム10の運転をコントロールする電子制御ユニット60とを備えている。なお、燃料電池スタック30には、スタック温度を所定の温度範囲に保つために冷却液が循環している。
燃料電池スタック30は、固体高分子型の燃料電池40を複数(例えば数百個)積層したものである。図2に燃料電池40の概略構成を示す。図示するように、燃料電池40は、フッ素系樹脂などの高分子材料により形成されたプロトン伝導性の膜体である固体電解質膜42と、白金または白金と他の金属からなる合金の触媒が練り込められたカーボンクロスにより形成され触媒が練り込められた面で固体電解質膜42を挟持してサンドイッチ構造を構成するガス拡散電極としてのアノード43およびカソード44と、このサンドイッチ構造を両側から挟みつつアノード43との間に燃料ガス流路46を形成し、カソード44との間に酸化ガス流路47を形成すると共に、隣接する燃料電池40との隔壁をなす2つのセパレータ45とにより構成されている。そして、燃料ガス流路46を通過する水素ガスは、アノード43でガス拡散され触媒によってプロトンと電子に分かれる。このうちプロトンは湿潤状態の固体電解質膜42を伝導してカソード44に移動し、電子は外部回路を通ってカソード44に移動する。また、酸化ガス流路47を通過するエアに含まれる酸素は、カソード44でガス拡散され触媒上でプロトンと電子とエア中の酸素とが反応して水が生成する。以上の電気化学反応により各燃料電池40には起電力が生じる。
水素ボンベ12は、数十MPaの高圧水素ガスを蓄えており、レギュレータ14により圧力調整された水素ガスを燃料電池スタック30へ供給するものである。レギュレータ14と燃料電池スタック30との間には加湿器16が設けられ、この加湿器16はレギュレータ14や後述する水素循環ポンプ20からの水素ガスを加湿して燃料電池スタック30へ供給する。燃料電池スタック30へ供給された水素ガスは、各燃料電池40の燃料ガス流路46を通過したあと燃料ガス排出管32へと導出される。この燃料ガス排出管32には、燃料電池スタック30内の水素濃度を高めるために用いられるアノードパージ弁18が取り付けられている。各燃料電池40の燃料ガス流路46内の水素濃度はエア中の窒素がアノード43側に流入することにより低下するため、所定のインターバルごとに所定の開放時間だけアノードパージ弁18を開いて燃料ガス流路46内の窒素を追い出すようにしている。また、水素循環ポンプ20は、燃料ガス排出管32のうち燃料電池スタック30とアノードパージ弁18との間から燃料電池スタック30とレギュレータ14との間へ燃料ガス排出管32内の水素含有ガスを合流させるものであり、その回転数を変動させることで水素供給量を調整することができる。
エアコンプレッサ22は、大気中から吸入した空気を燃料電池スタック30へ圧送するものであり、その回転数を変動させることで酸素供給量を調整することができる。このエアコンプレッサ22と燃料電池スタック30との間には加湿器24が設けられ、この加湿器24はエアコンプレッサ22からのエアを加湿して燃料電池スタック30へ供給する。燃料電池スタック30へ供給されたエアは、各燃料電池40の酸化ガス流路47を通過したあと酸化ガス排出管34から排出される。この酸化ガス排出管34には、空気調圧弁26が設けられ、この空気調圧弁26によって酸化ガス流路47内の圧力が調整される。
セルモニタ36は、燃料電池スタック30を構成する各燃料電池40の出力電圧を検出し、該検出したそれぞれの電圧信号を電子制御ユニット60へ入力するように接続されている。
モータ52は、図示しない車輪の駆動軸に接続され、発電機として駆動することができると共に電動機としても駆動することができる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ54を介してバッテリ58や燃料電池スタック30と電力のやり取りを行う。バッテリ58は、周知のニッケル水素二次電池として構成されており、DC/DCコンバータ56を介して燃料電池スタック30と並列に接続され、燃料電池スタック30のパワーアシストや車両減速時の回生エネルギの吸収を行う。すなわち、バッテリ58は、モータ52や燃料電池スタック30で発電される電力によって充電されたり、放電することにより燃料電池スタック30だけでは不足する電力をモータ52に供給したりする。
電子制御ユニット60は、CPU62を中心として構成されたワンチップマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM64と、一時的にデータを記憶するRAM66と、入出力ポート(図示せず)とを備えている。この電子制御ユニット60には、図示しない流量計や温度計からの燃料電池スタック30へ供給される水素ガス及びエアの流量や温度、各加湿器16,24やエアコンプレッサ22、モータ52の運転状態、セルモニタ36から出力される各燃料電池40のセル電圧、バッテリ58を管理するために必要な充放電電流などが入力ポートを介して入力される。また、電子制御ユニット60からは、エアコンプレッサ22への駆動信号、各加湿器16,24への駆動信号,レギュレータ14、アノードパージ弁18及び空気調圧弁26への駆動信号、インバータ54へのスイッチング信号、DC/DCコンバータ56への制御信号などが出力ポートを介して出力される。
なお、図1中の補機類とは、レギュレータ14、加湿器16,24、アノードパージ弁18、水素循環ポンプ20、エアコンプレッサ22、空気調圧弁26及びセルモニタ36などであり、これらは燃料電池スタック30又はバッテリ58から電力の供給を受ける。
次に、本実施形態の燃料電池システム10の車両走行時の動作の概略について説明する。電子制御ユニット60は、ある走行状態においてドライバがアクセルを踏むと、モータ52に必要なパワーすなわち走行要求パワーを決定し、その走行要求パワーに応じて燃料電池スタック30の出力を上げるべくエアコンプレッサ22の回転数を上げてエア流量を増加させる。それと同時に、燃料電池スタック30の動作点をDC/DCコンバータ56によって高出力側に移動させる。このときバッテリ58の充放電電流から演算したSOCが低下している場合には、バッテリ58への充電パワーを走行要求パワーに上乗せして燃料電池スタック30の出力を上げることになる。一方、バッテリ58のSOCが低下していない場合で走行要求パワーが燃料電池スタック30の最大パワーを超えている場合には、不足分のパワーがバッテリ58からDC/DCコンバータ56を介してモータ52に供給される。なお、水素ガスは水素ボンベ12からレギュレータ14を介して燃料電池スタック30で消費された分が供給され続ける。また、電子制御ユニット60は、ドライバがブレーキを踏むと、回生ブレーキを作動させるために走行要求パワーをマイナスとなるように決定し、燃料電池スタック30の動作点をゼロ出力位置まで移動させ、モータ52で発生した回生パワーをDC/DCコンバータ56を介してバッテリ58に吸収させる。
なお、燃料電池スタック30の動作点の制御は、例えば走行要求パワーが燃料電池スタック30の最大パワー以下であってバッテリ58のSOCが低下していない場合には、走行要求パワーが決定されると電力−電流特性(P−I特性)からその走行要求パワーを出力するための電流を決定し、電流−電圧特性(I−V特性)からその電流に対応した電圧を決定し、その電圧を目標電圧としてDC/DCコンバータ56で燃料電池スタック30の出力電圧を制御することにより行う。これにより、燃料電池スタック30の動作点すなわち出力パワーを制御することができる。
次に、本実施形態の燃料電池システム10の出力制限ルーチンについて説明する。図3は、出力制限ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、システム起動直後に電子制御ユニット60のCPU62により実行される。このルーチンが開始されると、CPU62は、まず、システムチェックを実行する(ステップS100)。このシステムチェックでは、例えば、燃料電池スタック30を数百Vに昇圧したときに漏電していないかどうかのチェックやバッテリ58が充電可能かどうかのチェック、水素循環ポンプ20やエアコンプレッサ22が正常に運転するかどうかのチェック、セルモニタ36が各燃料電池40のセル電圧を正常に検出するかどうかのチェックなどを実行する。そして、システムチェックの結果がすべて正常か否かを判定し(ステップS110)、いずれかが正常でなかったときにはシステムエラーの報知を行い(ステップS115)、本ルーチンを終了する。
一方、システムチェックの結果がすべて正常だったときには、変数kに値1をセットし(ステップS120)、燃料電池スタック30の目標出力値として第k段階の出力許容範囲の上限候補値である電流値ikを設定し、燃料電池スタック30が電流値ikを出力するよう所定の検査時間(ここでは2〜3秒)だけ制御すると共に、該検査時間が経過するまでの間、数msec又は数十msecごとにセルモニタ36からの各セル電圧に基づいて平均セル電圧Vaveと最低セル電圧Vminを算出する(ステップS130)。本実施形態では、ROM64に変数kの最大値が4と記憶されていると共に、電流値i1=200[A]、電流値i2=250[A]、電流値i3=300[A]、電流値i4=350[A]と記憶されている。このため、段階が進むにつれて、出力許容範囲の上限値が大きくなるように、換言すれば出力制限が緩和されるようになっている。また、平均セル電圧Vaveとは、全燃料電池40のセル電圧の総和を燃料電池40の総数で除した値をいい、最低セル電圧Vminとは、全燃料電池40のセル電圧のうち最低の値をいう。また、初期段階の出力許容範囲の上限候補値である電流値i1は比較的高い値であり、ここでは、起動直後から燃料電池スタック10が安定して出力可能な範囲の上限値又はその近傍の値であり、実験等を繰り返すことにより経験的に求めた。続いて、所定の検査時間経過後、平均セル電圧Vaveと最低セル電圧Vminの差分ΔV(=Vave−Vmin)を算出し、この差分ΔVがしきい値Vk以下か否かを判定する(ステップS140)。ここで、しきい値Vkは、変数kに応じて定められ、ROM64に記憶されている。各しきい値Vkは、燃料電池スタック30が電流値ikを出力するように制御した状態である燃料電池40にフラッディング現象を故意に発生させたときに、その燃料電池40の出力電圧が平均セル電圧からどの程度低下するかを経験的に求め、その経験値に基づいて決定されている。
さて、ステップS140で差分ΔVがしきい値Vkを上回っていたときには、燃料電池スタック30を構成する燃料電池40のいずれかにフラッディング現象が発生していると推定し、水素ガス及びエアの供給量を増量する措置を所定時間(例えば数秒)だけ行う(ステップS145)。ここでは、水素循環ポンプ20の回転数を上げて水素ガスの供給量を増量すると同時にエアコンプレッサ22の回転数を上げてエアの供給量を増量し、更にアノードパージ弁18を操作して水素濃度を高める。この措置により、目標出力値に対して十分な量の水素ガス及びエアが供給され、しかも燃料ガス流路46や酸化ガス流路47に水滴が溜まっていたとしてもそれを除去できる程度の量が供給される。アノードパージ弁18の操作は、具体的には次のように行う。すなわち、通常の運転時には、各燃料電池40の燃料ガス流路46内の水素濃度はエア中の窒素がアノード43側に流入することにより低下するため、所定のインターバルごとに所定の開放時間だけアノードパージ弁18を開いて燃料ガス流路46内の窒素を追い出すようにしているが、ステップS145ではこのうちのインターバルを短くするか開放時間を長くすることにより窒素を追い出しやすくして燃料ガス流路46内の水素濃度を高めるのである。以上のように水素ガス及びエアの供給量を増量する措置を行ったあと、再びステップS130に戻る。なお、このような措置を行ったあとはフラッディング現象が解消されることが多く、しかも燃料電池スタック30内の必要なガスの濃度が高まり化学量論的組成が向上するため目標出力値に近い値を出力しやすい。したがって、再びステップS130に戻ったあとに実行されるステップS140においては、差分ΔVはしきい値Vk以下に収まることが多い。
一方、ステップS140で差分ΔVがしきい値Vk以下だったときには、燃料電池スタック30の出力制限値に上限電流値ikを設定する(ステップS150)。これ以降、燃料電池スタック30に要求されるパワーが決定されP−I特性からそのパワーを出力するための電流を決定するときには、その電流が出力許容範囲の上限値である電流値ik以下の場合にはそのまま決定され、その電流が電流値ikを超える場合には電流値ikに置き換えられる。続いて、変数kが最大値(ここでは値4)か否かを判定し(ステップS160)、最大値でないときには変数kを1つインクリメントし(ステップS170)、所定時間だけ燃料電池スタック30の通常運転を実行し(ステップS180)、その後ステップS130以降の処理を実行する。一方、ステップS160で変数kが最大値に達していたときには、燃料電池スタック30の出力制限を解除し(ステップS190)、本ルーチンを終了する。なお、本実施形態では、燃料電池スタック30の出力し得る最大電流値は電流値i4と同じ値に設定されているため、出力制限を解除せず出力制限値を電流値i4のままその後の燃料電池スタック30の制御を行ったとしても、実質的には出力制限がかかっていない状態となる。
次に、上述した出力制限ルーチンの具体例を図4に基づいて説明する。図4は、出力制限ルーチン実行中における各燃料電池40のセル電圧の推移を表すタイムチャートである。燃料電池システム10の電子制御ユニット60は、システム起動直後にシステムチェックを行いすべて正常だったときには、燃料電池スタック30が電流値i1(ここでは200[A])を出力するようシステム全体を制御する。ここで、システム起動直後は出力電流値が数十アンペア程度のアイドル運転を行っていたとすると、図4の時刻t1で目標出力値が電流値i1に設定された直後は平均セル電圧Vave、最低セル電圧Vminとも急に低下したあとセル電圧が安定化する。このようにセル電圧が急に低下するのは、以下の理由による。すなわち燃料電池スタック30のP−I特性は、電流が大きくなるにしたがって電力が大きくなる関係にあるが、I−V特性は、電流が大きくなるにしたがって電圧が徐々に小さくなる関係にあり、アイドル運転のように出力電流値が数十アンペアの場合に比べて、出力電流値が電流値i1のように数百アンペアの場合には出力電力は大きくなるがセル電圧は低下するからである。さて、燃料電池スタック30が電流値i1を出力するようシステム全体を所定の検査時間だけ制御した後の時刻t2では、平均セル電圧Vaveと最低セル電圧Vminとの差分ΔVがしきい値V1以下だったとすると、時刻t2以降は燃料電池スタック30の出力許容範囲の上限値は電流値i1となる。その後、燃料電池スタック30をアイドル運転状態に戻し所定時間経過した後の時刻t3では、燃料電池スタック30が電流値i2(ここでは250[A])を出力するようシステム全体を制御する。そして、燃料電池スタック30が電流値i2を出力するようシステム全体を所定の検査時間だけ制御した後の時刻t4では、差分ΔVがしきい値V2を超えていたとすると、時刻t4以降は水素ガス及びエアの増量措置を行い、時刻t5で燃料電池スタック30をアイドル運転状態に戻す。なお、このアイドル運転状態を所定時間だけ行ったあと再び燃料電池スタック30が電流値i2を出力するようシステム全体を制御し、その後差分ΔVとしきい値V2との比較を行う。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の電子制御ユニット60のCPU62が本発明の出力制限設定手段及び燃料電池スタック制御手段に相当する。
以上詳述したように、本実施形態の燃料電池システム10によれば、ある段階の出力制限が解除されたあと次の段階の出力制限がかかることになるため、最終的に全段階の出力制限が解除されたときには出力が安定化しやすい。したがって、出力制限が一段階で解除される場合のように出力制限解除後に大きな出力が要求されると出力が不安定となり再起動を余儀なくされるようなことはなく、結果的に短期間で安定した出力を得ることができる。また、燃料電池スタックの出力は初段階の出力制限でステップ関数的に比較的高い値(電流値i1)まで許容されるため、フラッディングが発生していたとしても発電が大きく発熱も大きいことから初期段階でそのフラッディングが解消されやすく、結果的に早期に起動が完了する。更に、燃料電池スタック30は、出力許容範囲内で安定して出力することが担保されている。更にまた、ある上限候補値(電流値ik)を出力するように燃料電池スタック30を運転したときに燃料電池40の中に出力異常のものが存在したときでも、出力異常を解消する操作としてステップS145の水素ガス及びエアの増量措置が行われるため、早期に出力異常が解消されるうえ、燃料ガス流路46や酸化ガス流路47に溜まっていた水滴が追い出されるため、フラッディングが解消されやすい。あるいは、燃料電池スタック30内の必要なガスの濃度が高まり化学量論的組成が向上するため、目標出力値を出力しやすい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、燃料電池スタック30を構成する各燃料電池40のセル電圧をセルモニタ36により検出するようにしたが、図5に示すように燃料電池スタック30を複数のセルモジュール48から構成し、各セルモジュール48は数個〜数十個の燃料電池40を備える燃料電池群とし、各セルモジュール48の電圧をセルモニタ36により検出するようにしてもよい。この場合には、各燃料電池40ごとに出力異常の有無を判定するのではなく、セルモジュール48ごとに出力異常の有無を判定することになるが、それ以外は概ね上述した実施形態と同様の効果が得られる。
また、上述した実施形態では、ステップS140で差分ΔVがしきい値Vkを超えたときにはステップS145で水素ガス及びエアの増量措置を一度に行ったが、水素ガスの増量措置(例えば水素循環ポンプ20の回転数アップやアノードパージ弁18による燃料ガス流路46内の水素濃度を高める操作など)とエアの増量措置(例えばエアコンプレッサ22の回転数アップなど)を順次に行うようにしてもよい。すなわち、ステップS140で差分ΔVがしきい値Vkを超えたときには、まず水素ガスの増量措置を行い、その後差分ΔVがしきい値Vk以下になったときにはステップS150へと進み、差分ΔVが依然としてしきい値Vkを超えていたときにはエアの増量措置を行うようにしてもよい。あるいは、先にエアの増量措置を行い、次に水素ガスの増量措置を行ってもよい。
更に、上述した実施形態では、燃料電池スタック30が電流値ikを出力するようシステム全体を制御したあと、ステップS180で燃料電池スタック30を暫く通常運転するようにしたが、このステップS180を省略し、ステップS170で変数kを1インクリメントしたあと直ちにステップS130へ進み、燃料電池スタック30が更新後の電流値ikを出力するようシステム全体を制御するようにしてもよい。
更にまた、上述した実施形態では、ステップS140で差分ΔVがしきい値Vkを超えたときにはステップS145で水素ガス及びエアの増量措置を所定時間だけ行い、再びステップS130に戻る、というサイクルを繰り返すこととしたが、この繰り返し回数が所定回数を超えたときにはステップS115に進んでエラー報知を行い、本ルーチンを終了するようにしてもよい。
そしてまた、上述した実施形態では、差分ΔVがしきい値Vkを超えたときに燃料電池スタック30を構成する燃料電池40の中にフラッディング状態のものが存在すると推定したが、燃料電池スタック30のインピーダンスをACミリオームセンサなどにより検出し、検出されたインピーダンス値に基づいてドライアップ状態(燃料電池40の固体電解質膜42が乾きすぎの状態)か否かを判定したうえで、セル電圧に基づいてフラッディング状態か否かを判定してもよい。すなわち、ドライアップ状態でもセル電圧が低下するため、セル電圧だけではフラッディング状態なのかドライアップ状態なのかを明確化することは難しい。このため、ドライアップ状態のときに変化する固有のパラメータであるインピーダンス値を利用し、インピーダンス値に基づいてドライアップ状態でないことを判定したあとセル電圧に基づいてフラッディング状態か否かを推定するようにしてもよい。ここで、ドライアップ状態では固体電解質膜42が湿潤状態から乾燥状態になりプロトン伝導性が低下するため、ドライアップ状態でのインピーダンス値は通常のインピーダンス値に比べて数倍に変化する。なお、燃料電池スタック30を構成する燃料電池40のいずれかがドライアップ状態であると推定された場合には、加湿器16,24の加湿量を増やしたり冷却液による冷却効率を向上させたりすることが好ましい。
ところで、上述した実施形態の燃料電池システム10は、目標出力値を電流値i1、電流値i2、電流値i3……というように段階的に上げていき、その都度、セル電圧に基づいてフラッディング状態か否かを判定したため、燃料電池スタック30や燃料電池40の運転状態を推定するシステムと見ることもできる。こうした運転状態を推定するシステム、換言すればフラッディング等により出力異常になった燃料電池の存否を判定するシステムとしては、上述した実施形態と同様の構成を備えた燃料電池システムであって、以下のような制御を実行するものを構築してもよい。すなわち、かかる制御は、燃料電池スタック30を構成する燃料電池40のいずれかがフラッディング等により出力異常になったか否かを判定するタイミングが到来するごとに、図6に示す運転状態を推定する制御である。この運転状態推定ルーチンが開始されると、電子制御ユニット60のCPU62は、まず、水素循環ポンプ20を停止すると共にアノードパージ弁18の操作を停止することにより強制的に燃料ガス流路46内の水素量が低下した水素量低下状態を作り出し(ステップS200)、続いてこの水素量低下状態でも水素とエア中の酸素との化学量論的組成が確保されるような電流値を燃料電池スタック30の目標出力値として設定し(ステップS210)、その目標出力値を燃料電池スタック30が出力するようシステム全体を所定の検査時間だけ制御する(ステップS220)。そして、その検査時間が経過したあと、その目標出力値を出力するよう制御された燃料電池スタック30を構成する各燃料電池40の中に出力異常のものが存在するか否かを平均セル電圧Vaveと最低セル電圧Vminとの差分ΔVが所定のしきい値Vthr以下か否かを判定し(ステップS230)、差分ΔVがしきい値Vthr以下のときには各燃料電池40の運転状態は正常だと推定して本ルーチンを終了し、一方、差分ΔVがしきい値Vthrを超えたときには上述したステップS145と同様の水素ガス及びエアを増量する措置を行い(ステップS240)、その後再びステップS220に戻る。こうすれば、燃料電池スタック30の中に出力異常の燃料電池40が存在するか否かを容易に判定することができるため、その措置を迅速に行うことができる。また、フラッディングが発生していたとしても増加されたガスによって水滴が排出されるため出力異常が解消される。この運転状態推定ルーチンの具体例を図7に示す。図7では、時刻t6まではアイドル運転が実行され、時刻t6で運転状態推定ルーチンが開始されて水素循環ポンプ20が停止されると共にアノードパージ弁18の操作が停止されて水素量低下状態が作り出される。そして、時刻t6以降も目標出力値をアイドル運転時と同値としてアイドル運転を続行し、時刻t7で差分ΔVがしきい値Vthrを超えて最低セル電圧を出力した燃料電池40がフラッディング状態にあると判定したあと、時刻t7から時刻t8まで水素ガス及びエアを増量する措置を行い、フラッディング状態を解消する。その後は再びアイドル運転を行い、再度差分ΔVとしきい値Vthrとの比較を行う。
本発明の一例を表す燃料電池システムを搭載した車両の構成の概略を示す構成図である。 燃料電池の概略構成を示す。 出力制限ルーチンのフローチャートである。 出力制限ルーチン実行中における各燃料電池のセル電圧の推移を表すタイムチャートである。 他の燃料電池システムを搭載した車両の構成の概略を示す構成図である。 運転状態推定ルーチンのフローチャートである。 運転状態推定ルーチン実行中における各燃料電池のセル電圧の推移を表すタイムチャートである。
符号の説明
10 燃料電池システム、12 水素ボンベ、14 レギュレータ、16 加湿器、18 アノードパージ弁、20 水素循環ポンプ、22 エアコンプレッサ、24 加湿器、26 空気調圧弁、30 燃料電池スタック、32 燃料ガス排出管、34 酸化ガス排出管、36 セルモニタ、40 燃料電池、42 固体高分子膜、43 アノード、44 カソード、45 セパレータ、46 燃料ガス流路、47 酸化ガス流路、48 セルモジュール、52 モータ、54 インバータ、56 DC/DCコンバータ、58 バッテリ、60 電子制御ユニット、62 CPU、64 ROM、66 RAM。

Claims (10)

  1. 燃料電池スタックを発電させて起電力を得る燃料電池システムであって、
    システム起動時に前記燃料電池を構成する各燃料電池又は各燃料電池群の出力の安定状況に基づいて前記燃料電池スタックの出力制限を段階的に緩和する出力制限設定手段と、
    前記出力制限設定手段によって設定された出力制限の範囲内で出力するよう前記燃料電池スタックを制御する燃料電池スタック制御手段と、
    を備えた燃料電池システム。
  2. 前記出力制限設定手段は、システム起動時に前記燃料電池を構成する各燃料電池又は各燃料電池群の出力の安定状況に基づいて前記燃料電池スタックの出力許容範囲の上限値を低い値から高い値へと段階的に切り替える、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記出力制限設定手段は、システム起動時に前記燃料電池を構成する各燃料電池又は各燃料電池群の出力の安定状況に基づいて前記燃料電池スタックの出力許容範囲の上限値を比較的高い値からより高い値へと段階的に切り替える、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池スタック制御手段は、所定のタイミングで次段階の上限候補値を出力するよう前記燃料電池スタックを制御し、
    前記出力制限設定手段は、前記燃料電池スタック制御手段により前記燃料電池スタックが前記次段階の上限候補値を出力するよう制御されている期間中該燃料電池スタックを構成する各燃料電池又は各燃料電池群の中に出力異常のものが存在するか否かの判定を行い、該判定の結果出力異常のものが存在しない場合には出力許容範囲の上限値を現在の値から前記次段階の上限候補値へ切り替える、
    請求項2又は3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記出力制限設定手段は、各燃料電池又は各燃料電池群の中に出力異常のものが存在するか否かを、各燃料電池又は各燃料電池群の出力電圧に基づいて判定する、
    請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記出力制限設定手段は、前記判定の結果出力異常のものが存在する場合には該出力異常を解消する操作を実行したあと再び前記判定を行う、
    請求項4又は5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記出力異常を解消する操作は、燃料ガス供給量の増加操作、酸化ガス供給量の増加操作及び前記燃料電池スタック内の不要ガス排出促進操作の少なくとも一つである、
    請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記出力制限設定手段は、出力制限値が最も高い段階の値になったあと前記判定手段により出力異常のものが存在しないと判定されたときには出力制限を解除する、
    請求項4〜7のいずれかに記載の燃料電池システム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池システムを搭載した車両。
  10. 燃料電池スタックを構成する各燃料電池の燃料ガス流路及び酸化ガス流路へそれぞれ燃料ガス及び酸化ガスを供給して燃料電池スタックを発電させて起電力を得る燃料電池システムであって、
    強制的に前記燃料ガス流路内の燃料ガス量が低下した燃料ガス低下状態を作り出す燃料ガス低下状態作成手段と、
    前記燃料ガス低下状態でも燃料ガスと酸化ガスとの化学量論的組成が確保されるような出力値を設定し該設定した出力値を前記燃料電池スタックが出力するよう制御する燃料電池スタック制御手段と、
    該燃料電池スタック制御手段により制御された前記燃料電池スタックを構成する各燃料電池又は各燃料電池群の中に出力異常のものが存在するか否かを判定する判定手段と、
    を備えた燃料電池システム。
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