JP2021128908A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池による制約を受けることなく、低温下においても燃料電池の含水量を効率的に適正範囲に保つことができる燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池の掃気ガスを昇温する昇温部と、燃料電池の掃気を制御する制御部とを備え、制御部は、燃料電池の発電停止中に予め設定された条件が満たされた場合に、燃料電池の発電を開始して昇温部で掃気ガスを昇温し、昇温した掃気ガスにより掃気を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
近年、環境問題に対する取り組みの一環として、低公害車の開発が進められており、その中の一つに燃料電池システムを車載電源とする燃料電池車両がある。燃料電池システムは、電解質膜の一方の面にアノード極を配置し、他方の面にカソード極を配置してなる膜− 電極接合体に反応ガスを供給することで電気化学反応を起こし、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換システムである。なかでも、固体高分子膜を電解質として用いる固体高分子電解質型燃料電池システムは、低コストでコンパクト化が容易であり、しかも高出力密度を有することから、車載電力源としての用途が期待されている。
燃料電池スタックのガスチャンネル内部には、反応ガスの電気化学反応で生じた生成水や反応ガスを加湿するための加湿水などが残留しており、この残留水を放置したまま発電を停止すると、低温環境下では、残留水が凍結してしまい、膜−電極接合体への反応ガスの拡散が妨げられ、低温始動性が低下する。
このような問題点に鑑み、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、発電停止時に、蓄電池の電力でエアコンプレッサを駆動し、燃料電池スタック内部に残留する水分を排出するための掃気処理が行われている。
特開2017−147047号公報
蓄電池の電力でコンプレッサを駆動する場合には、駆動時間を十分に確保できずに含水量を適切な範囲にまで低減することができないことがあった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、蓄電池による制約を受けることなく、低温下においても燃料電池の含水量を効率的に適正範囲に保つことができる燃料電池システムを提供するものである。
本発明の第1の態様における燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池の掃気ガスを昇温する昇温部と、燃料電池の掃気を制御する制御部とを備え、制御部は、燃料電池の発電停止中に予め設定された条件が満たされた場合に、燃料電池の発電を開始して昇温部で掃気ガスを昇温し、昇温した掃気ガスにより掃気を実行する。このように、燃料電池が発電停止中であっても、含水量を調整すべき条件を監視し、その結果に応じて燃料電池の発電を開始するので、蓄電池の電力に比べて大きな電力を掃気処理に割り当てることができる。また、掃気ガスを温めるので、より短時間に掃気処理を完了することができる。
本発明により、蓄電池による制約を受けることなく、低温下においても燃料電池の含水量を効率的に適正範囲に保つことができる燃料電池システムを提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池システムのシステム構成図である。 掃気ガスの温度の違いによる含水量の変化を示す図である。 含水量と高周波インピーダンスの関係を示す図である。 掃気時間と含水量の関係を示す図である。 掃気処理の処理手順を示すフロー図である。 冷却水温度と含水量の関係を示す図である。 空気極流路の圧力損失と含水量の関係を示す図である。 他の実施例における掃気時間と含水量の関係を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る燃料電池システムのシステム構成図である。以下の説明では車両の一例として燃料電池自動車(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)を想定するが、電気自動車やハイブリッド自動車にも適用可能である。また、車両のみならず各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源、さらには携帯型の燃料電池システムにも適用可能である。
燃料電池システム10は、燃料電池車両に搭載される車載電源システムとして機能するものであり、反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)の供給を受けて発電する燃料電池スタック20と、酸化ガスとしての空気を燃料電池スタック20に供給するための酸化ガス供給系30と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池スタック20に供給するための燃料ガス供給系40と、電力の充放電を制御するための電力系50と、燃料電池スタック20を冷却するための冷却系60と、システム全体を制御するコントローラ(ECU)70とを備えている。
燃料電池スタック20は、複数のセルを直列に積層してなる固体高分子電解質型セルスタックである。燃料電池スタック20では、アノード極において(1)式の酸化反応が生じ、カソード極において(2)式の還元反応が生じる。燃料電池スタック20全体としては(3)式の起電反応が生じる。
2→2H++2e-…(1)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O…(2)
2+(1/2)O2→H2O…(3)
燃料電池スタック20には、燃料電池スタック20の出力電圧を検出するための電圧センサ71、及び発電電流を検出するための電流センサ72が取り付けられている。
酸化ガス供給系30は、燃料電池スタック20のカソード極に供給される酸化ガスが流れる酸化ガス通路34と、燃料電池スタック20から排出される酸化オフガスが流れる酸化オフガス通路36とを有している。酸化ガス通路34には、フィルタ31を介して大気中から酸化ガスを取り込むエアコンプレッサ32と、燃料電池スタック20のカソード極へ供給される酸化ガスを加湿するための加湿器33と、酸化ガス供給量を調整するための絞り弁35とが設けられている。酸化オフガス通路36には、酸化ガス供給圧を調整するための背圧調整弁37と、酸化ガス(ドライガス)と酸化オフガス(ウェットガス)との間で水分交換するための加湿器33とが設けられている。
燃料ガス供給系40は、燃料ガス供給源41と、燃料ガス供給源41から燃料電池スタック20のアノード極に供給される燃料ガスが流れる燃料ガス通路45と、燃料電池スタック20から排出される燃料オフガスを燃料ガス通路45に帰還させるための循環通路46と、循環通路46内の燃料オフガスを燃料ガス通路45に圧送する循環ポンプ47と、循環通路47に分岐接続される排気排水通路48とを有している。
燃料ガス供給源41は、例えば、高圧水素タンクや水素吸蔵合金などで構成され、高圧(例えば、35MPa〜70MPa)の水素ガスを貯留する。遮断弁42を開くと、燃料ガス供給源41から燃料ガス通路45に燃料ガスが流出する。燃料ガスは、レギュレータ43やインジェクタ44により、例えば、200kPa程度まで減圧されて、燃料電池スタック20に供給される。なお、燃料ガス供給源41は、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクとから構成してもよい。
レギュレータ43は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置であり、例えば、一次圧を減圧する機械式の減圧弁などで構成される。機械式の減圧弁は、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする構成を有する。
インジェクタ44は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ44は、燃料ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体とを備えている。
排気排水通路48には、排気排水弁49が配設されている。排気排水弁49は、コントローラ70からの指令によって作動することにより、循環通路46内の不純物を含む燃料オフガスと水分とを外部に排出する。排気排水弁49の開弁により、循環通路46内の燃料オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環系内を循環する燃料オフガス中の水素濃度を上げることができる。
排気排水弁49を介して排出される燃料オフガスは、酸化オフガス通路36を流れる酸化オフガスと混合され、希釈器(図示せず)によって希釈される。循環ポンプ47は、循環系内の燃料オフガスをモータ駆動により燃料電池スタック20に循環供給する。
電力系50は、DC/DCコンバータ51、バッテリ52、トラクションインバータ53、トラクションモータ54、補機類55、及びインピーダンス計測装置56を備えている。DC/DCコンバータ51は、バッテリ52から供給される直流電圧を昇圧してトラクションインバータ53に出力する機能と、燃料電池スタック20が発電した直流電力、又は回生制動によりトラクションモータ54が回収した回生電力を降圧してバッテリ52に充電する機能とを有する。DC/DCコンバータ51のこれらの機能により、バッテリ52の充放電が制御される。また、DC/DCコンバータ51による電圧変換制御により、燃料電池スタック20の運転ポイント(出力電圧、出力電流)が制御される。
バッテリ52は、余剰電力の貯蔵源、回生制動時の回生エネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。バッテリ5としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等の二次電池が好適である。また、バッテリ52は、燃料電池スタック20の発電停止中において、各検出器へ電力を供給したり、燃料電池を起動させたりするための電力を供給する。
トラクションインバータ53は、例えば、パルス幅変調方式で駆動されるPWMインバータであり、コントローラ70からの制御指令に従って、燃料電池スタック20又はバッテリ52から出力される直流電圧を三相交流電圧に変換して、トラクションモータ54の回転トルクを制御する。トラクションモータ54は、例えば、三相交流モータであり、燃料電池車両の動力源を構成する。
補機類55は、燃料電池システム10内の各部に配置されている各モータ(例えば、ポンプ類などの動力源)や、これらのモータを駆動するためのインバータ類、更には各種の車載補機類(例えば、エアコンプレッサ、インジェクタ、冷却水循環ポンプ、ラジエータなど)を総称するものである。
インピーダンス計測装置56は、燃料電池スタック20への電力信号に高周波の交流信号を重畳し、その電圧応答検出することにより高周波インピーダンスを計測する装置である。
冷却系60は、燃料電池スタック20内部を循環する冷媒を流すための冷媒通路61、62,63,64、冷媒を圧送するための循環ポンプ65、冷媒と外気との間で熱交換するためのラジエータ66、冷媒の循環経路を切り替えるための三方弁67、及び冷媒温度を検出するための温度センサ74を備えている。暖機運転が完了した後の通常運転時には燃料電池スタック20から流出する冷媒が冷媒通路61,64を流れてラジエータ66にて冷却された後、冷媒通路63を流れて再び燃料電池スタック20に流れ込むように三方弁67が開閉制御される。一方、システム起動直後における暖機運転時には、燃料電池スタック20から流出する冷媒が冷媒通路61,62,63を流れて再び燃料電池スタック20に流れ込むように三方弁67が開閉制御される。なお、本実施形態においては、冷媒として水を採用し、冷却水として循環経路を循環させる。
コントローラ70は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェース等を備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システム10の各部(酸化ガス供給系30、燃料ガス供給系40、電力系50、及び冷却系60)を制御するための制御手段として機能する。例えば、コントローラ70は、イグニッションスイッチから出力される起動信号IGを受信すると、燃料電池システム10の運転を開始し、アクセルセンサから出力されるアクセル開度信号ACCや、車速センサから出力される車速信号VCなどを基にシステム全体の要求電力を求める。
システム全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。補機電力には車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。
そして、コントローラ70は、燃料電池スタック20とバッテリ52とのそれぞれの出力電力の配分を決定し、発電指令値を演算するとともに、燃料電池スタック20の発電量が目標電力に一致するように、酸化ガス供給系30及び燃料ガス供給系40を制御する。更にコントローラ70は、DC/DCコンバータ51を制御して、燃料電池スタック20の出力電圧を調整することにより、燃料電池スタック20の運転ポイント(出力電圧、出力電流)を制御する。コントローラ70は、アクセル開度に応じた目標トルクが得られるように、例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をトラクションインバータ53に出力し、トラクションモータ54の出力トルク、及び回転数を制御する。
エアコンプレッサ73は、掃気を実行し、燃料電池スタック20の内部に溜まった水分を酸化オフガス通路36から排出する。このとき、背圧調整弁37は解放される。温度センサ75は、燃料電池スタック20内の温度を検出する。より具体的には、温度センサ75は、燃料電池スタック20内に存在するガスの温度を検出する。
図2は、掃気ガスの温度の違いによる含水量の変化を示す図である。横軸は掃気前の時点と掃気後の時点を表し、縦軸は燃料電池スタック20の含水量を表す。点線のグラフは、掃気ガスを低温のままにした場合の変化を示し、実線のグラフは、掃気ガスを一旦温めて高温にした場合の変化を示す。すなわち、掃気前の時点において燃料電池スタック20の含水量が同じであれば、含水量は、同一時間の掃気により、掃気ガスを高温にした方が大きく低下する。換言すれば、昇温した掃気ガスを用いる方がそのままの温度の掃気ガスを用いるより、短い掃気時間で含水量を決められた値にまで低減させることができる。
発電停止中に燃料電池スタック20の温度が予め設定された温度(例えば4℃)以下になったら、一時的に発電を開始して、その時点の含水量を計測する。本実施形態においては、高周波インピーダンスを計測し、その結果から燃料電池スタック20の含水量を推定する。
図3は、含水量と高周波インピーダンスの関係を示す図である。横軸は含水量を表し、縦軸は高周波インピーダンスを表す。高周波インピーダンスは、水素イオン移動抵抗と等価である。具体的には、燃料電池スタック20において水素と酸素が反応するためには水素がプロトンとして電解質膜内を移動する必要があるが、水分が少なくなり電解質膜が乾燥し始めると水と共に移動するプロトンが移動しにくくなるので、プロトンの移動抵抗が増加する。計測される高周波インピーダンスは、この移動抵抗を表すことになるので、結果的に電解質膜の乾き具合、すなわち燃料電池スタック20の含水量と一対一に対応する。その関係は、図示するような曲線関数で表される。したがって、計測された高周波インピーダンスをこの関数で変換すれば、計測時点における含水量を推定することができる。
図4は、掃気時間と含水量の関係を示す図である。横軸は掃気時間を表し、縦軸は含水量を表す。図示するように、燃料電池スタック20には、非発電時における含水量の適正範囲が設定されている。すなわち、含水量が多いと燃料電池スタック20が氷点下の環境下に置かれた場合に凍結してしまい、発電を開始する場合に出力の立ち上がりが著しく低下してしまう。含水量が少なすぎても、プロトンの移動抵抗が大きくなってしまい、やはり出力の立ち上がりが著しく低下してしまう。したがって、氷点下の環境においてもある程度の立ち上がり特性を得られるように、燃料電池スタック20の特性に合わせて含水量の適正範囲が設定されている。
従来技術のように、二次電池であるバッテリを電力供給減として掃気処理を実行すると、適正範囲に対して含水量が多い場合には、含水量を適正範囲に収束させる前に電力が消失してしまう場合があった。そこで、本実施形態においては、燃料電池スタック20が生成する電力を利用して掃気処理を実行する。しかも、含水量をより短時間で適正範囲に収束させるべく、掃気ガスを昇温してから掃気を実行する。
図のaの場合、bの場合、cの場合は、掃気処理を開始する時点において含水量が適正範囲よりも多いので、掃気ガスを一旦温めてから掃気を実行する。このとき、例えばaの場合はcの場合よりも、掃気処理を開始する時点における含水量と適正範囲の差が大きいので、aの場合の掃気ガスをcの場合の掃気ガスより高温にすると良い。
図のdの場合は、含水量が最初の計測時点で適正範囲よりも少ない場合である。このような場合には、発電量を増やして反応ガスの反応によって生成する水を増加させ、含水量を適正範囲に収束させる。
燃料電池スタック20内の掃気ガスを昇温させる手法は、様々な手法を採用し得る。例えば、燃料電池スタック20の発電効率を低下させて、反応ガスの反応熱を多く発生させる手法を採用し得る。コントローラ70は、反応ガスの導入量を調整して発電効率を下げ、反応熱による昇温を温度センサ74により監視することにより、掃気ガスを目標温度Tに到達させる。この場合、発電効率を調整する構成要素は、昇温部としての機能を担う。
あるいは、冷却系60を循環する冷却水の循環量を減らすことにより燃料電池スタック20内の掃気ガスを昇温しても良い。この場合、コントローラ70は、冷却水の循環量を調整して燃料電池スタック20から奪う熱量を低減し、これによる昇温を温度センサ74により監視することにより、掃気ガスを目標温度Tに到達させる。この場合、冷却水の循環量を調整する構成要素は、昇温部としての機能を担う。
図5は、燃料電池スタック20が発電を停止している期間における掃気処理の処理手順を示すフロー図である。コントローラ70は、燃料電池スタック20が発電を停止している間も、各種センサの出力監視などの処理を実行している。図は、発電停止中の処理のうち、コントローラ70が実行する掃気処理の手順を示す。
コントローラ70は、燃料電池スタック20の発電が停止されると、ステップS101で、温度センサ75の検出結果を取得し、燃料電池スタック20内の温度が設定温度以下か否かを確認する。設定温度を上回っていればステップS110へ進み、設定温度以下であればステップS102へ進む。
ステップS102へ進んだ場合には、コントローラ70は、燃料電池スタック20による発電を開始する。発電された電力は、以下の処理において利用される。発電開始後、所定の時間が経過したら、コントローラ70は、燃料電池スタック20の含水量を計測する。具体的には上述のように、インピーダンス計測装置56を介して高周波インピーダンスを測定し、その測定結果を含水量に変換する。コントローラ70は、ステップS104で、計測された含水量が適正範囲に含まれているか否かを判断する。YESの場合(含まれている場合)には、ステップS109へ進む。なお、この場合、不純物の排出を目的とした短時間の掃気を実行しても良い。
ステップS104でNOの場合(含まれていない場合)には、ステップS105へ進み、その含水量が適正範囲より多いか否かを判断する。NOの場合(多くない場合)はステップS106へ進み、YESの場合(多い場合)はステップS107へ進む。ステップS106へ進んだ場合には、上述のように含水量を増加させる処理を行って、ステップS109へ進む。なお、この場合、不純物の排出を目的とした短時間の掃気を実行しても良い。
ステップS107へ進んだ場合には、コントローラ70は、予め設定された目標温度になるまで掃気ガスを温める。目標温度に到達したらステップS108へ進み、コントローラ70は、含水量が適正範囲に収束するまで、温められた掃気ガスの掃気を実行する。適正範囲に収束したらステップS109へ進む。
ステップS109へ進むと、コントローラ70は、燃料電池スタック20による発電を停止させる。ステップS110へ進むと、コントローラ70は、車両走行系や補機系等からの発電要求があるか否かを確認する。発電要求がなければステップS101へ戻る。発電要求があれば、一連の掃気処理を終了して、発電開始の処理に移行する。
このように制御された燃料電池システム10であれば、燃料電池スタック20が発電停止中であっても、燃料電池スタック20の温度を監視し、その結果に応じて燃料電池の発電を開始するので、蓄電池の電力に比べて大きな電力を掃気処理に割り当てることができる。また、掃気ガスを温めるので、より短時間に掃気処理を完了することができる。
次に、燃料電池スタック20の含水量を推定する他の手法を説明する。図6は、冷却水温度と含水量の関係を示す図である。横軸は冷却水の温度を表し、縦軸は燃料電池スタック20の含水量を表す。図示するように、冷却水の温度と含水量は一対一に対応する。したがって、コントローラ70は、温度センサ74の検出結果を取得すれば、当該検出結果を含水量に変換することができる。このような手法を用いれば、上述のように高周波インピーダンスを計測することなく、停止処理の開始時点における燃料電池スタック20の含水量を計測することができる。
図7は、空気極流路の圧力損失と含水量の関係を示す図である。横軸は空気極流路の圧力損失を表し、縦軸は燃料電池スタック20の含水量を表す。図示するように、空気極流路の圧力損失と含水量は一対一に対応する。したがって、コントローラ70は、空気極流路の圧力損失を取得すれば、当該圧力損失を含水量に変換することができる。このような手法を用いれば、上述のように高周波インピーダンスを計測することなく、停止処理の開始時点における燃料電池スタック20の含水量を計測することができる。
図8は、他の実施例における掃気時間と含水量の関係を示す図である。図4の例では掃気処理を開始する時点の含水量の違いにより、適正範囲に収束させるまでの時間が異なっていたが、図8の例では掃気処理を開始する時点で含水量に違いがあっても、適正範囲に収束させるまでの時間を設定された所定時間となるように制御する。
上述の通り、掃気前の時点において燃料電池スタック20の含水量が同じであれば、含水量は、同一時間の掃気により、掃気ガスを高温にした方が大きく低下することがわかった。本願発明者は、この現象に着目し、実験を重ねることにより、決められた掃気時間で含水量を目標範囲にまで減少させるために、掃気ガスを予め何度まで昇温すべきかの知見を得た。
例えば図示するように、掃気時間を一定の50秒に設定する。掃気処理を開始する時点において、含水量が適正範囲よりも多く、互いに異なる場合であっても(図のeの場合とfの場合)、掃気を制御する制御部として機能するコントローラ70は、設定された50秒間の掃気により含水量を適正範囲に収束させる。図示するように、e>fであるので、排水すべき水量もこの順に多い。したがって、それぞれの含水量が同じ50秒の掃気時間で適正範囲に到達させるためには、それぞれの掃気ガスの目標温度をTe、Tfとすると、Te>Tfの関係が成立する。なお、具体的なTe、Tfの値は、燃料電池スタックごとに、実験やシミュレーションを通じて事前に定められる。コントローラ70は、このように事前に定められたルックアップテーブルを参照することにより、インピーダンス計測装置56を用いて推定された含水量に対して、掃気ガスの目標温度Tを決定する。
すなわち、eの場合には掃気ガスをTeまで昇温した後に、fの場合には掃気ガスをTfまで昇温した後にそれぞれ掃気を実行すれば、いずれもほぼ50秒で含水量を適正範囲に収束させることができる。このように制御を実行する場合には、掃気中に含水量を定常的に監視しなくても、掃気する時間(この場合は50秒)の経過を計測すれば良い。
また、含水量が最初の計測時点で適正範囲よりも少ない場合(gの場合)においても、適正範囲に収束するまでの時間がほぼ設定時間となるように、発電量を制御して反応ガスの反応によって生成する水の量を調整すると良い。このように、掃気時間等が一定であれば、利用者が違和感を覚えることは少ない。
以上説明した本実施形態においては、燃料電池スタック20の温度が設定温度以下になった場合に掃気処理を開始したが、掃気処理を開始する条件は温度に限らず、他の設定された条件であっても構わない。予め設定された複数の条件のうち、すべてが同時に満たされた場合や、そのうちの一部が満たされた場合に、掃気処理を開始しても構わない。例えば、燃料電池スタック20の発電停止中は、一定時間が経過するたびに実行しても良いし、ユーザの指示に応じて実行しても良い。
また、以上説明した本実施形態においては、エアコンプレッサ73が酸化オフガスを酸化オフガス通路36から排出し、燃料オフガスを排気排水通路48から排出する掃気を想定したが、それぞれの排出を個別に制御する掃気を実行しても良い。燃料電池スタック20の水分凍結の影響は、水素欠乏によるセルの電圧低下である(負電圧)。したがって、アノード側(燃料オフガス側)の条件を、カソード側(参加オフガス)の条件よりも、より掃気頻度が大きくなるように設定すると良い。例えば、一定期間にアノード側を3回、カソード側を2回掃気するように制御しても良い。
10…燃料電池システム、20…燃料電池スタック、30…酸化ガス供給系、40…燃料ガス供給系、50…電力系、60…冷却系、70…コントローラ

Claims (1)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池の掃気ガスを昇温する昇温部と、
    前記燃料電池の掃気を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記燃料電池の発電停止中に予め設定された条件が満たされた場合に、前記燃料電池の発電を開始して前記昇温部で前記掃気ガスを昇温し、昇温した前記掃気ガスにより掃気を実行する燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021190248A (ja) * 2020-05-28 2021-12-13 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム

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