JPWO2004021597A1 - 送信信号形成方法、通信方法、及び送信信号のデータ構造 - Google Patents
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Abstract
Description
直交周波数分割多重(OFDM)を用いた方式は、正弦波を用いた周波数多重であるため、マルチパスの影響は信号電力のフェーディングとして現れ、送信の正弦信号とマルチパスの正弦信号とを分離することが難しいという問題がある。
一方、CMDA方式によれば、パイロット信号を使うことにより、同一周波数及び同一時間において、送信信号とマルチパス信号とを分離することができる。
CMDA方式は、スペクトラム拡散通信方式を用いた多元接続方法である。このスペクトラム拡散通信方式は拡散符号系列を用いて変調が行われる。拡散符号系列として、例えば自己相関のない周期系列が用いられる。
元の送信信号とマルチパスによる信号とを分離する拡散符号系列として、例えば、完全相補系列を用いた通信方式が提案されている。完全相補系列は、各系列の自己相関関数の和が、0シフト以外の全てのシフトで0となる自己相関特性と、各系列の相互相関関数の和が、全てのシフトにおいて常に0になる相互相関特性を備える系列である。完全相補系列を用いて、サイドローブやチャンネル間干渉がないZCZ(周期的無相関領域)−CDMA信号を形成し、送信信号の周期スペクトラムが無相関となるようにしている。これにより、パイロット信号と送信信号に同周波数及び同時間を割り当てることができる。
従来提案されている完全相補系列を用いたスペクトラム拡散通信方式では、デジタル変調された無線信号の振幅の広がりが大きくなり、大きなダイナミックレンジが必要となるという問題がある。
図12は、拡散符号系列として完全相補系列を用いた信号例を示している。A0(=+++−++−+)の信号列は、完全相補系列を用いて形成した2値信号の一例である。なお、「+」は「1」を表し、「−」は「−1」を表している。
この信号例において、マルチパス特性が受信信号に対して遅延時間として現れると、マルチパス伝送路を通過した受信信号は「1,2,3,1,1,1,…」の信号列として受信される。この信号の振幅の広がりは例えば0から3までとなり、受信側の増幅器はこの振幅の広がりに対応したダイナミックレンジを備える必要がある。
このように振幅の広がりに対して充分なダイナミックレンジが得られない場合には、増幅器の入出力特性が備える非線形性により出力信号に歪みが生じ、入力信号が持つ周波数帯域以外の帯域にも周波数スペクトルが生じ、スプリアス特性が劣化する。また、出力波形がひずむことにより、受信側で符号間干渉が生じて誤り率が劣化することにもなる。また、増幅器の直線性の良好な部分を用いて信号増幅を行うには増幅器の消費電力が増加する。消費電力の増加は、移動体端末の待ち受け時間を短縮する要因となる。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、スペクトラム拡散による送信データの変調において、信号の振幅の広がりを小さくすることを目的とし、また、受信側の増幅器のダイナミックレンジを小さくすることを目的とする。
本発明の送信信号形成方法は、送信データに所定の係数列の各係数を乗じて複数の送信データを形成する工程と、この係数を乗じた複数の送信データ間に所定長の0データを付加して送信データ列を形成する工程を備え、これにより形成された送信データ列を送信信号とする。
ここで、送信データは、伝送内容の情報を含むデジタルデータである。一方、形成された送信データ列は送信信号となり、送信データを複数配列して形成される。複数の送信データの配列において、各送信データには所定の係数列の各係数が乗ぜられ、送信データと所定の長さの0データが交互に配列されてなる。
送信データ列を形成する第1の方法は、係数を乗じた複数の送信データを、その送信データのデータ長よりも長い時間で遅延させて間隔を開けて配列し、隣接する送信データ間に所定個数の0データを配置する。
また、送信データ列を形成する第2の方法は、送信データの後方に所定個数の0データを付加し、0データを付加した送信データに所定の係数列の各係数を乗じて複数の送信データを形成し、係数を乗じた複数の送信データを係数列の係数順に配列して送信データ列を形成する。あるいは、送信データに所定の係数列の各係数を乗じて複数の送信データを形成し、係数を乗じた各送信データの後方に所定個数の0データを付加し、0データを付加した各送信データを形成列の係数順に配列して送信データ列を形成する。
また、本発明の送信信号形成方法の他の態様は、異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成する信号形成方法であり、異なる二つの送信データ列の任意の組み合わせにおいて、送信データ列に含まれる有限個数の送信データが、非周期相互相関関数が0となる範囲を備えるように送信データ列を形成する。非周期相互相関関数は、無限個数でない有限個数の送信データを有する送信データ列同士の相互相関関数である。この相互相関関数が0となる範囲を備えるように、有限個の送信データを備える送信データ列を形成することにより、送信信号の周期スペクトラムを無相関とする。
本発明の送信信号形成に用いる係数列はZCZ系列から選択することができ、完全相補系列から選択した任意のベクトル行の係数列とすることができ、ユニタリ行列を用いて形成することができる。
本発明の通信方法は、本発明の送信信号形成方法で形成した送信データ列を送信し、この送信データ列の形成に用いた係数列に対応する整合フィルタを通して送信データを受信する。
本発明の通信方法において、送信データ列をマルチパス特性を測定するパイロット信号とし、このパイロット信号を受信することにより伝送経路のマルチパス特性を求めることができる。
本発明の通信方法の他の態様において、異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成し、送信データ列から選択した少なくとも一つをパイロット信号とし、他の送信データ列を送信信号とする。パイロット信号の受信信号からマルチパス特性を求め、求めたマルチパス特性を用いて送信信号の受信信号からマルチパス特性を除去して送信データを求める。
パイロット信号及び送信信号は、周期スペクトラムが互いに無相関であり、対応する整合フィルタを通すことにより、各信号を分離することができる。また、パイロット信号は、送信信号と受信信号との関係からマルチパス特性を求めることができ、このマルチパス特性と受信信号から送信信号を求めることができる。
本発明の送信信号のデータ構造は、送信データに所定の係数列の各係数を乗じて得られる複数の送信データ間に所定長の0データを付加してなるデータ構造であり、本発明の送信信号形成方法により形成することができる。
図1は本発明の送信信号形成方法、及び本発明の送信信号のデータ構造を説明するための概略図である。
本発明は、拡散系列を用いることにより、送信データb(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))(図1(a)に示す)から送信データ列(図1(c)に示す)を形成し、この送信データ列を送信信号とする。なお、Nは任意の整数とし、送信データのデータ長は任意のNビットとする。
送信データ(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)(図1(a)に示す)から送信データ列Bを形成するには、送信データ(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)に所定の拡散系列の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じることにより(図1(b)に示す)、複数の送信データB0(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B1(=(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B2(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B3(=(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))を形成する。なお、送信データb(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))に所定の拡散系列の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じる処理は、図1(b)に示すように、クロネッカー積で表すことができる。
次に、図1(c)に示すように、各係数を乗じた複数の送信データをそれぞれ所定長Tだけ遅延させて間隔を開けて配列し、各送信データ間に遅延時間τに対応する所定個数の0データを配置する。なお、所定長Tは送信データの長さNよりも長く設定し、(T−N)ビット分の0データを配置する。これにより、図1(d)に示すような送信データ列が形成される。送信データ間の間隔は、送信データの終了端から次の送信データの開始端までを所定時間τだけ遅延させて形成する。このように複数の送信データを配列することによって、各送信データ間には(T−N)ビット分に相当する時間の間隔が開けられる。
なお、所定の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じた送信データ(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)を、所定時間遅延させる代わりに、送信データ(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)の後方に(T−N)ビット分の0データを付加して全体のデータ長がTビットの送信データ(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0)を形成し、この0データを付加した送信データに所定の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じることにより、複数の送信データ(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0),(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−,0,…,01),(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0),(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0)を形成し、これらを係数列の順に配列することにより送信データ列を形成することもできる。この(T−N)ビット分の0データの付加は、時間τだけ遅延させる操作に対応している。
ここで用いるZCZ系列は、ゼロ自己相関領域特性とゼロ相互相関領域特性を備える周期的ゼロ相関領域を持つ系列であり、例えば、所定の係数列として完全相補系列を用いることができる。完全相補系列は、各系列の自己相関関数の和が、0シフト以外の全てのシフトで0となる自己相関特性と、各系列の相互相関関数の和が、全てのシフトにおいて常に0になる相互相関特性を備える系列であり、例えば、図2に示すユニタリ行列を用いることができる。
図3は、送信データA0〜A3,B0〜B3,C0〜C3,D0〜D3に、ユニタリ行列の各ベクトル行の各係数を乗じ、所定数の0データを付加することで得られる送信データ列の例を示している。
元の送信データとして(1,0,0,0)を用い、図2に示すユニタリ行列の各ベクトル行の各係数を乗じることにより、複数の送信データが形成される。ユニタリ行列の第1行目のベクトル行から得られる各送信データは、各係数に対応してそれぞれA0=(1,0,0,0),A1=(1,0,0,0),A2=(1,0,0,0),A3=(1,0,0,0)となる。また、ユニタリ行列の第2行目のベクトル行から得られる各送信データは、各係数に対応してB0=(1,0,0,0),B1=(−1,0,0,0),B2=(1,0,0,0),B3=(−1,0,0,0)となり、ユニタリ行列の第3行目のベクトル行から得られる各送信データは、各係数に対応してC0=(1,0,0,0),C1=(1,0,0,0),C2=(−1,0,0,0),C3=(−1,0,0,0)となり、ユニタリ行列の第4行目のベクトル行から得られる各送信データは、各係数に対応してD0=(1,0,0,0),D1=(−1,0,0,0),D2=(−1,0,0,0),D3=(1,0,0,0)となる。
送信データ列は、これらの複数の送信データを遅延させ、0データを付加することにより形成される。図4は、送信データと送信データ列との関係を一般式で表している。ここで、送信データA〜Dを、それぞれA=(a0,a1,…,aN−1),B=(b0,b1,…,bN−1),C=(c0,c1,…,cN−1),D=(d0,d1,…,dN−1)で表したとき、送信データ列は図4(a)中の行列式で表すように0データを付加して形成することができる。
また、送信データA〜Dを、それぞれA=(a0,a1,…,aN−1,0,…,0),B=(b0,b1,…,bN−1,0,…,0),C=(c0,c1,…,cN−1,0,…,0),D=(d0,d1,…,dN−1,0,…,0)で表した場合、送信データ列は図4(b)中の行列式で表すことができる。
次に、形成した送信信号を用いた本発明の通信方法について説明する。
形成した送信信号は、その送信信号の形成に用いた拡散系列の各係数に対応した整合フィルタ(マッチドフィルタ)により取り出すことができる。例えば、整合フィルタは、送信データAを逆拡散して取り出すフィルタであり、送信データAの形成に用いた拡散系列の係数に対応して形成される。
入出力信号と整合フィルタとの関係は、拡散系列が備える完全相補性に基づいて定まる。図5は入出力信号と整合フィルタとの関係を示す図である。
例えば、図5(a)において、信号Aを信号Aの整合フィルタに通した場合には、自己相関特性からインパルス状の信号を得ることができるが、信号Aを信号Aの整合フィルタ以外の整合フィルタ(信号Bの整合フィルタ〜信号Dの整合フィルタ)に通した場合には、相互相関特性から信号は得られない。
また、図5(b)において、信号Bを信号Bの整合フィルタに通した場合には、自己相関特性からインパルス状の信号を得ることができるが、信号Bを信号Bの整合フィルタ以外の整合フィルタ(信号Aの整合フィルタ,信号Cの整合フィルタ,信号Dの整合フィルタ)に通した場合には、相互相関特性から信号は得られない。
次に、本発明の送信信号形成により、送信信号の振幅の広がりが抑えられることについて説明する。
本発明の送信信号形成では、ZCZ系列の係数を乗じた複数の送信データを遅延させて配列することにより、有限個の送信データによるデータ列において周期的ゼロ相関領域を持たせ、インパルス状の信号を形成することができる。
図6を用いて、信号を整合フィルタに通したときのデータ列の状態について説明する。
図6(a)は、信号Aを信号Aの整合フィルタに通したときのデータ列の状態を示している。
本発明による送信信号は、完全相補系列に基づいたZCZ系列に遅延時間を適用して、
aA=a(A0)0+a(A1)T+a(A2)2T+a(A3)3T
で表すことができる。ここで、(・)TはTタイムスロット(Tチップ)の時間遅延を表しており、aAの信号長は4Tとなる。
なお、図3で示したデータ信号Aは、上記式において(AN)の信号を(1,0,0,0)とし、T=9とした場合に対応している。
この信号Aを信号Aの整合フィルタに通して得られる信号は、信号Aと整合フィルタAとのコンボリューションにより求めることができ、
aA*Af=4a(x,x,…,x,x,0,0,0,0,0,0,0,0,1,0,0,0,0,0,0,0,0,x,x,…,x,x)
で表される。なお、Afは整合フィルタに対応している。
上記式から、得られる信号はインパルス状となり、振幅の広がりを抑えることができる。
一方、図6(b)は、信号Bを信号Aの整合フィルタに通したときのデータ列の状態を示している。
送信信号Bは
aB=a(B0)0−a(B1)T−a(B2)2T+a(B3)3T
で表される。なお、図3で示したデータ信号Bは、上記式において(BN)の信号を(1,0,0,0)とし、T=9とした場合に対応している。
この信号Bを信号Aの整合フィルタに通して得られる信号は、信号Bと整合フィルタAとのコンボリューションにより求めることができ、信号Bを信号Aの整合フィルタに通したときの信号は、
aB*Af=a(0,0,…,0,−1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,−1,0,…,0,0)
で表される。なお、上記二つの式において、aは送信時の信号振幅を表している。
このことは、本発明により形成される送信データ列によれば、複数の送信データ列の任意の組み合わせにおいて、有限個数の送信データは非周期相互相関関数が0となる範囲(図6(b)及び上記aB*Af中の(−1)で挟まれる連続する0の範囲)を備えることを表している。なお、非周期相互相関関数は、長さが無限としたときの周期相互相関関数である。
本発明の通信方法では、形成される送信信号の少なくとも一つをパイロット信号とし、信号が送信されるマルチパス伝送路のマルチパス特性の検出、及びマルチパス特性を除去した送信信号の検出に適用することができる。図7は、パイロット信号と送信信号との関係を説明するための図である。
図7において、例えば、信号Aをパイロット信号とし、マルチパス伝送路Pを通過させた後、信号Aの整合フィルタAを通して出力信号pを求めると、この出力信号pからマルチパス伝送路のマルチパス特性Pを求めることができる。
信号B〜信号Dを送信信号としたとき、パイロット信号と同じマルチパス伝送路Pを同時に通過した場合には、マルチパス伝送路Pから同じマルチパス特性の影響を受けることになる。そのため、各整合フィルタB,C,Dを通して得られる出力信号q,r,s中には同一のマルチパス特性が含まれる。そこで、パイロット信号により求めたマルチパス特性Pを用いて、出力信号q,r,sからマルチパス特性Pを除去することにより、送信信号B,送信信号C,及び送信信号Dを求めることができる。
ここで、マルチパス特性PをP=(p0,p1,p2,p3)とする。なお、pkはタイムスロット0,1,2,3の各遅延時間におけるマルチパスファクターである。このマルチパス特性Pは、例えば、マルチパス伝送路を通過したパイロット信号をパイロット信号の整合フィルタで検出することにより求めることができる。
前記したように、送信データにZCZ系列の一係数列に遅延時間を適用して送信信号aAを形成し、この送信信号aAをマルチパス伝送路Pを通過させた後、信号Aの整合フィルタで検出して受信信号aA′を受信する。図8はパイロット信号によるマルチパス特性の検出を説明するための図である。
aA′は、図8に示すように、各遅延時間毎の出力信号を加算して求めることができ、以下の式で表すことができる。
aA′=4a(x,x,…,x,x,0,0,0,0,0,0,0,0,p0,p1,p2,p3,0,0,0,0,0,x,x,…,x,x)
なお、xはある値を表している。
したがって、受信信号aA′はマルチパス特性P=(p0,p1,p2,p3)を分離可能な状態で含んでいる。
一方、同じマルチパス伝送路を通過した送信信号は、以下のように表すことができる。なお、図9,図10は送信信号の通信状態を説明するための図である。
送信データを(b0,b1,b2,b3,b4,b5)(図9(a))とし、ZCZ系列のパイロット信号の形成に使用した係数列とは異なる係数列を用いて、送信信号を形成する。
ZCZ系列の他の係数列をBとすると、
B=(B0)0+(B1)T6+(B2)2T+(B3)3T
で表すことができる(図9(b))。
送信信号は、送信データと係数列Bを用いて、
(b0,b1,b2,b3,b4,b5,0,0,0,−b0,−b1,−b2,−b3,−b4,−b5,0,0,0,b0,b1,b2,b3,b4,b5,0,0,0,−b0,−b1,−b2,−b3,−b4,−b5,0,0,0)
により表される(図9(c))。
ここで、マルチパス伝送路Pを通過した信号をB″とすると、信号Bの整合フィルタで検出される受信信号は、信号B″と整合フィルタBとのコンボリューションにより求めることができ、
B″*Bf
=4p0(…,x,0,0,0,b0,b1,b2,b3,b4,b5,0,0,0,x,x,x,x…)
+4p1(…,x,x,0,0,0,b0,b1,b2,b3,b4,b5,0,0,0,x,x、x…)
+4p2(…,x,x,x,0,0,0,b0,b1,b2,b3,b4,b5,0,0,0,x,x,…)
+4p3(…,x,x,x,x,0,0,0,b0,b1,b2,b3,b4,b5,0,0,0,x,…)
=(…,x,x,x,x,q1,q2,q3,q4,q5,q6,q7,q8,x,x,x,x,…)
で表される。なお、Bfは整合フィルタBに対応している。
ここで、q1,q2,q3,q4,q5,q6,q7,q8は、整合フィルタの出力として直接求めることができる。
図10(a)は、送信信号、マルチパス伝送路のマルチパス特性P、Bの整合フィルタの出力との関係を概略的に示しており、これらの間の関係は図10(a)に示される関係式で表すことができる。
図10(a)に示される関係式において、(p0,p1,p2,p3)はパイロット信号を検出することにより求めることができ、(q0,q1,q2,q3,q4,q5,q6,q7,q8)は送信信号を検出することにより求めることができる。
したがって、送信データ(b0,b1,b2,b3,b4,b5)は、(p0,p1,p2,p3)及び(q0,q1,q2,q3,q4,q5,q6,q7,q8)を用いて、前記式から求めることができる。
次に、整合フィルタの一構成例について説明する。
図11は、整合フィルタの一構成例を示しており、図4に示した信号A〜Dに対する整合フィルタの例である。なお、信号A〜DはZCZ系列に遅延を適用して形成される。
図11(a)は、図3示す系列の一番目のベクトル行(1,1,1,1)に対応する信号Aの整合フィルタの一構成例であり、遅延時間として9τの場合を示している。図11(b),(c),(d)は、それぞれ(1,−1,1,−1),(1,1,−1,−1),(1,−1,−1,1)の各ベクトル行に対応する信号B,信号C,及び信号Dの整合フィルタの一構成例であり、同じく遅延時間として9τの場合を示している。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、送信データにZCZ系列の係数を乗ずると共に、これらを遅延させて送信することにより、送信信号の周期スペクトラムは無相関となり、各信号の振幅の広がりを小さくすることができる。
また、信号の振幅の広がりを小さくすることにより、受信側の増幅器のダイナミックレンジを小さく抑えることができる。
【技術分野】
本発明は、通信方法に関し、特に、移動体通信等のマルチバス環境に好適である。
【背景技術】
セルラー無線通信や種々のモバイル環境下において、データ通信の需要の増加に伴い、無線周波数資源の利用率を高める技術が求められている。例えば、CDMA方式による通信方式では、拡散系列の相関特性や伝送経路のマルチバス特性によるチャネル間干渉が周波数利用率を制限する要因となっている。
直交周波数分割多重(OFDM)を用いた方式は、正弦波を用いた周波数多重であるため、マルチバスの影響は信号電力のフェーディングとして現れ、送信の正弦信号とマルチバスの正弦信号とを分離することが難しいという問題がある。
一方、CMDA方式によれば、パイロット信号を使うことにより、同一周波数及び同一時間において、送信信号とマルチバス信号とを分離することができる。
CMDA方式は、スペクトラム拡散通信方式を用いた多元接続方法である。このスペクトラム拡散通信方式は拡散符号系列を用いて変調が行われる。拡散符号系列として、例えば自己相関のない周期系列が用いられる。
元の送信信号とマルチバスによる信号とを分離する拡散符号系列とし
消費電力が増加する。消費電力の増加は、移動体端末の待ち受け時間を短縮する要因となる。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、スペクトラム拡散による送信データの変調において、信号の振幅の広がりを小さくすることを目的とし、また、受信側の増幅器のダイナミックレンジを小さくすることを目的とする。
【発明の開示】
スペクトラム拡散による送信データの変調において、従来技術では拡散系列自体を工夫することにより送信信号の周期スペクトラムを無相関としている。これに対して、本発明は、スペクトラム拡散による送信データの変調において、従来のように拡散系列自体ではなく、送信データ列に着目することにより、送信信号の周期スペクトラムを無相関とする。送信信号の周期スペクトラムを無相関とすることにより、信号の振幅の広がりを小さくし、また、受信側の増幅器のダイナミックレンジを小さく抑える。
本発明の通信方法の送信において、
複数のデータ列
A=(a0a1…aN−1),B=(b0b1…bN−1),…
複数の係数列
X=(x0x1…xm−1),Y=(y0y1…ym−1),…
を用いて、
複数の送信データ列
SA,X=(x0A,0…0,x1A,0…0,x2A,0…0,…,xm−1A,0…0)
SB,Y=(y0B,0…0,y1B,0…0,y2B,0…0,…,ym−1B,0…0)
…
(0は信号のない単位長さの空白時間)
を形成し、この複数の送信データ列SA,X,SB,Y,…を同じ伝送路に一緒に送信する。
ここで、データ列は、伝送内容の情報を含むデジタルデータである。一方、形成された送信データ列は送信信号となり、データ列を複数配列して形成される。複数のデータ列の配列において、各データ列に所定の係数列の各係数を乗じ、データ列間に所定長の空白時間を配置する。
送信データ列を形成する第1の方法は、係数を乗じた複数のデータ列を、そのデータ列のデータ長よりも長い時間で遅延させて間隔を開
けて配列し、データ列間に所定長の空白時間を配置する。
また、送信データ列を形成する第2の方法は、データ列の後方に所定長の空白時間を付加し、空白時間を付加したデータ列に所定の係数列の各係数を乗じて複数のデータ列を形成し、当該複数のデータ列を係数列の係数順に配列して送信データ列を形成する。あるいは、データ列に所定の係数列の各係数を乗じて複数のデータ列を形成し、係数を乗じた各データ列の後方に所定長の空白時間を付加し、所定長の空白時間を付加した各データ列を係数列の係数順に配列して送信データ列を形成する。
また、本発明の送信信号形成方法の他の態様は、異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成する信号形成方法であり、異なる二つの送信データ列の任意の組み合わせにおいて、送信データ列に含まれる有限個数のデータ列が、非周期相互相関関数が0となる範囲を備えるように送信データ列を形成する。非周期相互相関関数は、無限個数でない有限個数の送信データを有する送信データ列同士の相互相関関数である。この相互相関関数が0となる範囲を備えるように、有限個のデータ列を備える送信データ列を形成することにより、送信信号の周期スペクトラムを無相関とする。
本発明の送信信号形成に用いる係数列はZCZ系列から選択することができ、完全相補系列から選択した任意のベクトル行の係数列とすることができ、ユニタリ行列を用いて形成することができる。
本発明の通信方法は、複数のデータ列に対し、データ列毎に異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成し、当該複数の送信データ列を送信し、前記送信された送信データ列を受信信号として受信し、当該受信信号を前記係数列に対応する整合フィルタに通すことにより前記複数の送信データ列を復元する。
本発明の通信方法において、送信データ列をマルチバス特性を測定するパイロット信号とし、このパイロット信号を受信することにより伝送
経路のマルチバス特性を求めることができる。
本発明の通信方法の他の態様において、異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成し、送信データ列から選択した少なくとも一つをパイロット信号とし、他の送信データ列を送信信号とする。パイロット信号の受信信号からマルチバス特性を求め、求めたマルチバス特性を用いて送信信号の受信信号からマルチバス特性を除去して送信データを求める。
パイロット信号及び送信信号は、周期スペクトラムが互いに無相関であり、対応する整合フィルタを通すことにより、各信号を分離することができる。また、パイロット信号は、送信信号と受信信号との関係からマルチバス特性を求めることができ、このマルチバス特性と受信信号から送信信号を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の送信信号形成方法、及び本発明の送信信号のデータ構造を説明するための概略図であり、第2図はユニタリ行列の一例を示す図であり、第3図はデータ列にユニタリ行列を適用して形成した本発明の送信データ列の例を示す図であり、第4図は本発明のデータ列と送信データ列との関係を表す図であり、第5図は本発明の入出力信号と整合フィルタとの関係を示す図であり、図6は信号を整合フィルタに通したときのデータ列の状態を説明するための図であり、図7は、本発明のパイロット信号と送信信号との関係を説明するための図であり、図8
は本発明のパイロット信号によるマルチバス特性の検出を説明するための図であり、図9は本発明の送信信号の通信状態を説明するための図であり、図10は本発明の送信信号の通信状態を説明するための図であり、図11は本発明に適用する整合フィルタの一構成例を示す図であり、図12は拡散符号系列として完全相補系列を用いた信号例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良な形態における通信方法を説明する。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の送信データ列を説明するための概略図である。
本発明は、拡散系列を用いることにより、データ列b(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))(図1(a)に示す)から送信データ列(図1(c)に示す)を形成し、この送信データ列を送信信号とする。なお、Nは任意の整数とし、送信データのデータ長は任意のNビットとする。
データ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)(図1(a)に示す)から送信データ列Bを形成するには、データ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)に所定の拡散系列の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じることにより(図1(b)に示す)、複数の送信データ列B0(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B1(=(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B2(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B3(=(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))を形成する。なお、データ列b(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))に所定の拡散系列の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じる処理は、図1(b)に
示すように、クロネッカー積で表すことができる。
次に、図1(c)に示すように、各係数を乗じた複数のデータ列をそれぞれ所定長Tだけ遅延させて間隔を開けて配列し、各データ列間に遅延時間τに対応する所定長の空白時間を配置する。なお、所定長Tは送信データの長さNよりも長く設定し、(T−N)ビット分の0データを配置する。これにより、図1(d)に示すような送信データ列が形成される。送信データ間の間隔は、データ列の終了端から次のデータ列の開始端までを所定時間τだけ遅延させて形成する。このように複数の送信データを配列することによって、各送信データ間には(T−N)ビット分に相当する空白時間の間隔が開けられる。
なお、所定の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じたデータ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)を、所定時間遅延させる代わりに、データ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)の後方に(T−N)ビット分の空白時間を付加して全体のデータ長がTビットのデータ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0)を形成し、この空白時間を付加した送信データに所定の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じることにより、複数のデータ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0),(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−,0,…,01),(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0),(−1)−(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0)を形成し、これらを係数列の順に配列することにより送信データ列を形成することもできる。この(T−N)ビット分の空白時間の付加は、時間τだけ遅延させる操作に対応している。
ここで用いるZCZ系列は、ゼロ自己相関領域特性とゼロ相互相関領域特性を備える周期的ゼロ相関領域を持つ系列であり、例えば、所定の係数列として完全相補系列を用いることができる。完全相補系列は、各
系列の自己相関関数の和が、0シフト以外の全てのシフトで0となる自己相関特性と、各系列の相互相関関数の和が、全てのシフトにおいて常に0になる相互相関特性を備える系列であり、例えば、図2に示すユニタリ行列を用いることができる。
図3は、データ列A0〜A3,B0〜B3,C0〜C3,D0〜D3に、ユニタリ行列の各ベクトル行の各係数を乗じ、所定長の空白時間を付加することで得られる送信データ列の例を示している。
元のデータ列として(1,0,0,0)を用い、図2に示すユニタリ行列の各ベクトル行の各係数を乗じることにより、複数のデータ列が形成される。ユニタリ行列の第1行目のベクトル行から得られる各データ列は、各係数に対応してそれぞれA0=(1,0,0,0),A1=(1,0,0,0),A2=(1,0,0,0),A3=(1,0,0,0)となる。また、ユニタリ行列の第2行目のベクトル行から得られる各データ列は、各係数に対応してB0=(1,0,0,0),B1=(−1,0,0,0),B2=(1,0,0,0),B3=(−1,0,0,0)となり、ユニタリ行列の第3行目のベクトル行から得られる各データ列は、各係数に対応してC0=(1,0,0,0),C1=(1,0,0,0),C2=(−1,0,0,0),C3=(−1,0,0,0)となり、ユニタリ行列の第4行目のベクトル行から得られる各データ列は、各係数に対応してD0=(1,0,0,0),D1=(−1,0,0,0),D2=(−1,0,0,0),D3=(1,0,0,0)となる。
送信データ列は、これらの複数のデータ列を遅延させ、空白時間を付加することにより形成される。図4は、データ列と送信データ列との関係を一般式で表している。ここで、データ列A〜Dを、それぞれA=(a0,a1,…,aN−1),B=(b0,b1,…,bN−1),C=(c0,c1,…,cN−1),D=(d0,d1,…,dN−1)で表したとき、送信データ
列は図4(a)中の行列式で表すように空白時間を付加して形成することができる。
また、データ列A〜Dを、それぞれA=(a0,a1,…,aN−1,0,…,0),B=(b0,b1,…,bN−1,0,…,0),C=(c0,c1,…,cN−1,0,…,0),D=(d0,d1,…,dN−1,0,…,0)で表した場合、送信データ列は図4(b)中の行列式で表すことができる。
次に、形成した送信信号を用いた本発明の通信方法について説明する。
形成した送信信号は、その送信信号の形成に用いた拡散系列の各係数に対応した整合フィルタ(マッチドフィルタ)により取り出すことができる。例えば、整合フィルタは、データ列Aを逆拡散して取り出すフィルタであり、データ列Aの形成に用いた拡散系列の係数に対応して形成される。
入出力信号と整合フィルタとの関係は、拡散系列が備える完全相補性に基づいて定まる。図5は入出力信号と整合フィルタとの関係を示す図である。
例えば、図5(a)において、信号Aを信号Aの整合フィルタに通した場合には、自己相関特性からインパルス状の信号を得ることができるが、信号Aを信号Aの整合フィルタ以外の整合フィルタ(信号Bの整合フィルタ〜信号Dの整合フィルタ)に通した場合には、相互相関特性から信号は得られない。
また、図5(b)において、信号Bを信号Bの整合フィルタに通した場合には、自己相関特性からインパルス状の信号を得ることができるが、信号Bを信号Bの整合フィルタ以外の整合フィルタ(信号Aの整合フィルタ,信号Cの整合フィルタ,信号Dの整合フィルタ)に通した場合には、相互相関特性から信号は得られない。
次に、本発明の送信信号形成により、送信信号の振幅の広がりが抑えられることについて説明する。
本発明の送信信号形成では、ZCZ系列の係数を乗じた複数のデータ列を遅延させて配列することにより、有限個のデータ列において周期的ゼロ相関領域を持たせ、インパルス状の信号を形成することができる。
図6を用いて、信号を整合フィルタに通したときのデータ列の状態について説明する。
図6(a)は、信号Aを信号Aの整合フィルタに通したときのデータ列の状態を示している。
本発明による送信信号は、完全相補系列に基づいたZCZ系列に遅延時間を適用して、
aA=a(A0)0+a(A1)T+a(A2)2T+a(A3)3Tで表すことができる。ここで、(・)TはTタイムスロット(Tチップ)の時間遅延を表しており、aAの信号長は4Tとなる。
なお、図3で示したデータ信号Aは、上記式において(AN)の信号を(1,0,0,0)とし、T=9とした場合に対応している。
この信号Aを信号Aの整合フィルタに通して得られる信号は、信号Aと整合フィルタAとのコンボリューションにより求めることができ、
aA*Af=4a(x,x,…,x,x,0,0,0,0,0,0,0,0,1,0,0,0,0,0,0,0,0,x,x,…,x,x)
で表される。なお、Afは整合フィルタに対応している。
上記式から、得られる信号はインパルス状となり、振幅の広がりを抑えることができる。
一方、 図6(b)は、信号Bを信号Aの整合フィルタに通したときのデータ列の状態を示している。
送信信号Bは
aB=a(B0)0−a(B1)T−a(B2)2T+a(B3)3T
で表される。なお、図3で示したデータ信号Bは、上記式において(BN)の信号を(1,0,0,0)とし、T=9とした場合に対応している。
この信号Bを信号Aの整合フィルタに通して得られる信号は、信号Bと整合フィルタAとのコンボリューションにより求めることができ、信号Bを信号Aの整合フィルタに通したときの信号は、
aB*Af=a(0,0,…,0,−1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,−1,0,…,0,0)
で表される。なお、上記二つの式において、aは送信時の信号振幅を表している。
このことは、本発明により形成される送信データ列によれば、複数の送信データ列の任意の組み合わせにおいて、有限個数のデータ列は非周期相互相関関数が0となる範囲(図6(b)及び上記aB*Af中の(−1)で挟まれる連続する0の範囲)を備えることを表している。なお、非周期相互相関関数は、長さが無限としたときの周期相互相関関数である。
本発明の通信方法では、形成される送信信号の少なくとも一つをパイロット信号とし、信号が送信されるマルチバス伝送路のマルチバス特性の検出、及びマルチバス特性を除去した送信信号の検出に適用することができる。図7は、パイロット信号と送信信号との関係を説明するための図である。
図7において、例えば、信号Aをパイロット信号とし、マルチバス伝送路Pを通過させた後、信号Aの整合フィルタAを通して出力信号pを求めると、この出力信号pからマルチバス伝送路のマルチバス特性Pを求めることができる。
信号B〜信号Dを送信信号としたとき、パイロット信号と同じマルチ
送信信号の周期スペクトラムは無相関となり、各信号の振幅の広がりを小さくすることができる。
また、信号の振幅の広がりを小さくすることにより、受信側の増幅器のダイナミックレンジを小さく抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
本発明の通信方法は、移動体通信等のマルチバス環境に好適であり有用である。
【技術分野】
本発明は、通信方法に関し、特に、移動体通信等のマルチパス環境に好適である。
【背景技術】
セルラー無線通信や種々のモバイル環境下において、データ通信の需要の増加に伴い、無線周波数資源の利用率を高める技術が求められている。例えば、CDMA方式による通信方式では、拡散系列の相関特性や伝送経路のマルチパス特性によるチャネル間干渉が周波数利用率を制限する要因となっている。
直交周波数分割多重(OFDM)を用いた方式は、正弦波を用いた周波数多重であるため、マルチパスの影響は信号電力のフェーディングとして現れ、送信の正弦信号とマルチパスの正弦信号とを分離することが難しいという問題がある。
一方、CMDA方式によれば、パイロット信号を使うことにより、同一周波数及び同一時間において、送信信号とマルチパス信号とを分離することができる。
CMDA方式は、スペクトラム拡散通信方式を用いた多元接続方法である。このスペクトラム拡散通信方式は拡散符号系列を用いて変調が行われる。拡散符号系列として、例えば自己相関のない周期系列が用いられる。
元の送信信号とマルチパスによる信号とを分離する拡散符号系列とし
消費電力が増加する。消費電力の増加は、移動体端末の待ち受け時間を短縮する要因となる。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、スペクトラム拡散による送信データの変調において、信号の振幅の広がりを小さくすることを目的とし、また、受信側の増幅器のダイナミックレンジを小さくすることを目的とする。
【発明の開示】
スペクトラム拡散による送信データの変調において、従来技術では拡散系列自体を工夫することにより送信信号の周期スペクトラムを無相関としている。これに対して、本発明は、スペクトラム拡散による送信データの変調において、従来のように拡散系列自体ではなく、送信データ列に着目することにより、送信信号の周期スペクトラムを無相関とする。送信信号の周期スペクトラムを無相関とすることにより、信号の振幅の広がりを小さくし、また、受信側の増幅器のダイナミックレンジを小さく抑える。
本発明の通信方法の送信において、
複数のデータ列
A=(a0a1…aN−1),B=(b0b1…bN−1),…
複数の係数列
X=(x0x1…xm−1),Y=(y0y1…ym−1),…
を用いて、
複数の送信データ列
SA,X=(x0A,0…0,x1A,0…0,x2A,0…0,…,xm−1A,0…0)
SB,Y=(y0B,0…0,y1B,0…0,y2B,0…0,…,ym−1B,0…0)
…
(0は信号のない単位長さの空白時間)
を形成し、この複数の送信データ列SA,X,SB,Y,…を同じ伝送路に一緒に送信する。
ここで、データ列は、伝送内容の情報を含むデジタルデータである。一方、形成された送信データ列は送信信号となり、データ列を複数配列して形成される。複数のデータ列の配列において、各データ列に所定の係数列の各係数を乗じ、データ列間に所定長の空白時間を配置する。
送信データ列を形成する第1の方法は、係数を乗じた複数のデータ列を、そのデータ列のデータ長よりも長い時間で遅延させて間隔を開
けて配列し、データ列間に所定長の空白時間を配置する。
また、送信データ列を形成する第2の方法は、データ列の後方に所定長の空白時間を付加し、空白時間を付加したデータ列に所定の係数列の各係数を乗じて複数のデータ列を形成し、当該複数のデータ列を係数列の係数順に配列して送信データ列を形成する。あるいは、データ列に所定の係数列の各係数を乗じて複数のデータ列を形成し、係数を乗じた各データ列の後方に所定長の空白時間を付加し、所定長の空白時間を付加した各データ列を係数列の係数順に配列して送信データ列を形成する。
また、本発明の送信信号形成方法の他の態様は、異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成する信号形成方法であり、異なる二つの送信データ列の任意の組み合わせにおいて、送信データ列に含まれる有限個数のデータ列が、非周期相互相関関数が0となる範囲を備えるように送信データ列を形成する。非周期相互相関関数は、無限個数でない有限個数の送信データを有する送信データ列同士の相互相関関数である。この相互相関関数が0となる範囲を備えるように、有限個のデータ列を備える送信データ列を形成することにより、送信信号の周期スペクトラムを無相関とする。
本発明の送信信号形成に用いる係数列はZCZ系列から選択することができ、完全相補系列から選択した任意のベクトル行の係数列とすることができ、ユニタリ行列を用いて形成することができる。
本発明の通信方法は、複数のデータ列に対し、データ列毎に異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成し、当該複数の送信データ列を送信し、前記送信された送信データ列を受信信号として受信し、当該受信信号を前記係数列に対応する整合フィルタに通すことにより前記複数の送信データ列を復元する。
本発明の通信方法において、送信データ列をマルチパス特性を測定するパイロット信号とし、このパイロット信号を受信することにより伝送
経路のマルチパス特性を求めることができる。
本発明の通信方法の他の態様において、異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成し、送信データ列から選択した少なくとも一つをパイロット信号とし、他の送信データ列を送信信号とする。パイロット信号の受信信号からマルチパス特性を求め、求めたマルチパス特性を用いて送信信号の受信信号からマルチパス特性を除去して送信データを求める。
パイロット信号及び送信信号は、周期スペクトラムが互いに無相関であり、対応する整合フィルタを通すことにより、各信号を分離することができる。また、パイロット信号は、送信信号と受信信号との関係からマルチパス特性を求めることができ、このマルチパス特性と受信信号から送信信号を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の送信信号形成方法、及び本発明の送信信号のデータ構造を説明するための概略図であり、第2図はユニタリ行列の一例を示す図であり、第3図はデータ列にユニタリ行列を適用して形成した本発明の送信データ列の例を示す図であり、第4図は本発明のデータ列と送信データ列との関係を表す図であり、第5図は本発明の入出力信号と整合フィルタとの関係を示す図であり、図6は信号を整合フィルタに通したときのデータ列の状態を説明するための図であり、図7は、本発明のパイロット信号と送信信号との関係を説明するための図であり、図8
は本発明のパイロット信号によるマルチパス特性の検出を説明するための図であり、図9は本発明の送信信号の通信状態を説明するための図であり、図10は本発明の送信信号の通信状態を説明するための図であり、図11は本発明に適用する整合フィルタの一構成例を示す図であり、図12は拡散符号系列として完全相補系列を用いた信号例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良な形態における通信方法を説明する。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の送信データ列を説明するための概略図である。
本発明は、拡散系列を用いることにより、データ列b(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))(図1(a)に示す)から送信データ列(図1(c)に示す)を形成し、この送信データ列を送信信号とする。なお、Nは任意の整数とし、送信データのデータ長は任意のNビットとする。
データ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)(図1(a)に示す)から送信データ列Bを形成するには、データ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)に所定の拡散系列の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じることにより(図1(b)に示す)、複数の送信データ列B0(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B1(=(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B2(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)),B3(=(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))を形成する。なお、データ列b(=(b0,b1,b2,b3,…,bN−1))に所定の拡散系列の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じる処理は、図1(b)に
示すように、クロネッカー積で表すことができる。
次に、図1(c)に示すように、各係数を乗じた複数のデータ列をそれぞれ所定長Tだけ遅延させて間隔を開けて配列し、各データ列間に遅延時間τに対応する所定長の空白時間を配置する。なお、所定長Tは送信データの長さNよりも長く設定し、(T−N)ビット分の0データを配置する。これにより、図1(d)に示すような送信データ列が形成される。送信データ間の間隔は、データ列の終了端から次のデータ列の開始端までを所定時間τだけ遅延させて形成する。このように複数の送信データを配列することによって、各送信データ間には(T−N)ビット分に相当する空白時間の間隔が開けられる。
なお、所定の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じたデータ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)を、所定時間遅延させる代わりに、データ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1)の後方に(T−N)ビット分の空白時間を付加して全体のデータ長がTビットのデータ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0)を形成し、この空白時間を付加した送信データに所定の係数列(1,−1,1,−1)の各係数を乗じることにより、複数のデータ列(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0),(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−,0,…,01),(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0),(−1)・(b0,b1,b2,b3,…,bN−1,0,…,0)を形成し、これらを係数列の順に配列することにより送信データ列を形成することもできる。この(T−N)ビット分の空白時間の付加は、時間τだけ遅延させる操作に対応している。
ここで用いるZCZ系列は、ゼロ自己相関領域特性とゼロ相互相関領域特性を備える周期的ゼロ相関領域を持つ系列であり、例えば、所定の係数列として完全相補系列を用いることができる。完全相補系列は、各
系列の自己相関関数の和が、0シフト以外の全てのシフトで0となる自己相関特性と、各系列の相互相関関数の和が、全てのシフトにおいて常に0になる相互相関特性を備える系列であり、例えば、図2に示すユニタリ行列を用いることができる。
図3は、データ列A0〜A3,B0〜B3,C0〜C3,D0〜D3に、ユニタリ行列の各ベクトル行の各係数を乗じ、所定長の空白時間を付加することで得られる送信データ列の例を示している。
元のデータ列として(1,0,0,0)を用い、図2に示すユニタリ行列の各ベクトル行の各係数を乗じることにより、複数のデータ列が形成される。ユニタリ行列の第1行目のベクトル行から得られる各データ列は、各係数に対応してそれぞれA0=(1,0,0,0),A1=(1,0,0,0),A2=(1,0,0,0),A3=(1,0,0,0)となる。また、ユニタリ行列の第2行目のベクトル行から得られる各データ列は、各係数に対応してB0=(1,0,0,0),B1=(−1,0,0,0),B2=(1,0,0,0),B3=(−1,0,0,0)となり、ユニタリ行列の第3行目のベクトル行から得られる各データ列は、各係数に対応してC0=(1,0,0,0),C1=(1,0,0,0),C2=(−1,0,0,0),C3=(−1,0,0,0)となり、ユニタリ行列の第4行目のベクトル行から得られる各データ列は、各係数に対応してD0=(1,0,0,0),D1=(−1,0,0,0),D2=(−1,0,0,0),D3=(1,0,0,0)となる。
送信データ列は、これらの複数のデータ列を遅延させ、空白時間を付加することにより形成される。図4は、データ列と送信データ列との関係を一般式で表している。ここで、データ列A〜Dを、それぞれA=(a0,a1,…,aN−1),B=(b0,b1,…,bN−1),C=(c0,c1,…,cN−1),D=(d0,d1,…,dN−1)で表したとき、送信データ
列は図4(a)中の行列式で表すように空白時間を付加して形成することができる。
また、データ列A〜Dを、それぞれA=(a0,a1,…,aN−1,0,…,0),B=(b0,b1,…,bN−1,0,…,0),C=(c0,c1,…,cN−1,0,…,0),D=(d0,d1,…,dN−1,0,…,0)で表した場合、送信データ列は図4(b)中の行列式で表すことができる。
次に、形成した送信信号を用いた本発明の通信方法について説明する。
形成した送信信号は、その送信信号の形成に用いた拡散系列の各係数に対応した整合フィルタ(マッチドフィルタ)により取り出すことができる。例えば、整合フィルタは、データ列Aを逆拡散して取り出すフィルタであり、データ列Aの形成に用いた拡散系列の係数に対応して形成される。
入出力信号と整合フィルタとの関係は、拡散系列が備える完全相補性に基づいて定まる。図5は入出力信号と整合フィルタとの関係を示す図である。
例えば、図5(a)において、信号Aを信号Aの整合フィルタに通した場合には、自己相関特性からインパルス状の信号を得ることができるが、信号Aを信号Aの整合フィルタ以外の整合フィルタ(信号Bの整合フィルタ〜信号Dの整合フィルタ)に通した場合には、相互相関特性から信号は得られない。
また、図5(b)において、信号Bを信号Bの整合フィルタに通した場合には、自己相関特性からインパルス状の信号を得ることができるが、信号Bを信号Bの整合フィルタ以外の整合フィルタ(信号Aの整合フィルタ,信号Cの整合フィルタ,信号Dの整合フィルタ)に通した場合には、相互相関特性から信号は得られない。
次に、本発明の送信信号形成により、送信信号の振幅の広がりが抑えられることについて説明する。
本発明の送信信号形成では、ZCZ系列の係数を乗じた複数のデータ列を遅延させて配列することにより、有限個のデータ列において周期的ゼロ相関領域を持たせ、インパルス状の信号を形成することができる。
図6を用いて、信号を整合フィルタに通したときのデータ列の状態について説明する。
図6(a)は、信号Aを信号Aの整合フィルタに通したときのデータ列の状態を示している。
本発明による送信信号は、完全相補系列に基づいたZCZ系列に遅延時間を適用して、
aA=a(A0)0+a(A1)T+a(A2)2T+a(A3)3T
で表すことができる。ここで、(・)TはTタイムスロット(Tチップ)の時間遅延を表しており、aAの信号長は4Tとなる。
なお、図3で示したデータ信号Aは、上記式において(AN)の信号を(1,0,0,0)とし、T=9とした場合に対応している。
この信号Aを信号Aの整合フィルタに通して得られる信号は、信号Aと整合フィルタAとのコンボリューションにより求めることができ、
aA*Af=4a(x,x,…,x,x,0,0,0,0,0,0,0,0,1,0,0,0,0,0,0,0,0,x,x,…,x,x)で表される。なお、Afは整合フィルタに対応している。
上記式から、得られる信号はインパルス状となり、振幅の広がりを抑えることができる。
一方、 図6(b)は、信号Bを信号Aの整合フィルタに通したときのデータ列の状態を示している。
送信信号Bは
aB=a(B0)0−a(B1)T−a(B2)2T+a(B3)3T
で表される。なお、図3で示したデータ信号Bは、上記式において(BN)の信号を(1,0,0,0)とし、T=9とした場合に対応している。
この信号Bを信号Aの整合フィルタに通して得られる信号は、信号Bと整合フィルタAとのコンボリューションにより求めることができ、信号Bを信号Aの整合フィルタに通したときの信号は、
aB*Af=a(0,0,…,0,−1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,−1,0,…,0,0)で表される。なお、上記二つの式において、aは送信時の信号振幅を表している。
このことは、本発明により形成される送信データ列によれば、複数の送信データ列の任意の組み合わせにおいて、有限個数のデータ列は非周期相互相関関数が0となる範囲(図6(b)及び上記aB*Af中の(−1)で挟まれる連続する0の範囲)を備えることを表している。なお、非周期相互相関関数は、長さが無限としたときの周期相互相関関数である。
本発明の通信方法では、形成される送信信号の少なくとも一つをパイロット信号とし、信号が送信されるマルチパス伝送路のマルチパス特性の検出、及びマルチパス特性を除去した送信信号の検出に適用することができる。図7は、パイロット信号と送信信号との関係を説明するための図である。
図7において、例えば、信号Aをパイロット信号とし、マルチパス伝送路Pを通過させた後、信号Aの整合フィルタAを通して出力信号pを求めると、この出力信号pからマルチパス伝送路のマルチパス特性Pを求めることができる。
信号B〜信号Dを送信信号としたとき、パイロット信号と同じマルチ
送信信号の周期スペクトラムは無相関となり、各信号の振幅の広がりを小さくすることができる。
また、信号の振幅の広がりを小さくすることにより、受信側の増幅器のダイナミックレンジを小さく抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
本発明の通信方法は、移動体通信等のマルチパス環境に好適であり有用である。
Claims (11)
- 送信データに所定の係数列の各係数を乗じて複数の送信データを形成し、当該係数を乗じた複数の送信データ間に所定長の0データを付加して送信データ列を形成し、当該送信データ列を送信信号とすることを特徴とする、送信信号形成方法。
- 係数を乗じた前記複数の送信データを、当該送信データのデータ長よりも長い時間遅延させて間隔を開けて配列し、隣接する送信データ間に所定個数の0データを配置することを特徴とする、請求の範囲第1項記載の送信信号形成方法。
- 後方に所定個数の0データを付加した送信データに所定の係数列の各係数を乗じること、あるいは、所定の係数列の各係数を乗じた送信データの後方に所定個数の0データを付加することにより複数の送信データを形成し、
当該係数を乗じた複数の送信データを形成列の係数順に配列して送信データ列を形成することを特徴とする、請求の範囲第1項記載の送信信号形成方法。 - 異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成し、
当該複数の送信データ列の任意の組み合わせにおいて、当該送信データ列の有限個数の送信データは非周期相互相関関数が0となる範囲を備えるよう形成することを特徴とする、請求の範囲第1項乃至第3項の何れか一つに記載の送信信号形成方法。 - 前記係数列は、完全相補系列から選択した任意のベクトル行の係数列であることを特徴とする、請求の範囲第1項乃至第4項の何れか一つに記載の送信信号形成方法。
- 前記完全相補系列は、ユニタリ行列から形成することを特徴とする、請求の範囲第5項に記載の送信信号形成方法。
- 請求の範囲第1項乃至第6項の何れか一つに記載の送信データ列を送信し、当該送信データ列の形成に用いた係数列に対応する整合フィルタを通して送信データを受信することを特徴とする、通信方法。
- 前記送信データ列をマルチパス特性を測定するパイロット信号とし、受信した信号は伝送経路のマルチパス特性を有することを特徴とする、請求の範囲第7項に記載の通信方法。
- 異なる係数列を用いて複数の送信データ列を形成し、
前記送信データ列から選択した少なくとも一つをパイロット信号とし、他の送信データ列を送信信号とし、
パイロット信号の受信信号からマルチパス特性を求め、
当該求めたマルチパス特性を用いて送信信号の受信信号からマルチパス特性を除去して送信データを求めることを特徴とする、請求の範囲第7項に記載の通信方法。 - 送信データに所定の係数列の各係数を乗じて得られる複数の送信データを所定時間遅延させて配列し、送信データ間に所定長の0データを付加してなるデータ構造を備えることを特徴とする、送信信号のデータ構造。
- 前記請求の範囲第1項乃至第6項の何れか一つに記載の送信信号形成方法により形成されたことを特徴とする、送信信号のデータ構造。
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