JPWO2004010618A1 - 電界通信システムおよび電界通信装置、および電極配置方法 - Google Patents

電界通信システムおよび電界通信装置、および電極配置方法 Download PDF

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Abstract

他の電界通信装置が放射した電界が、受信側主電極ERBを介して、電界センサESに到達する。電界センサESは、到達した電界の変化に基づき、電気信号を出力する。電界センサESに到達した電界は、受信側帰還電極ERGに到達した後、放射元である電界通信装置への帰還経路に入る。このとき、電界センサESを、受信側主電極ERBと受信側帰還電極ERGとの間に配設することにより、電界到達時に電界センサESが配設された位置の電界密度を向上させることができる。その結果、電界通信装置TRXが電界変化を捉える感度を向上させることができる。

Description

本発明は、電界の変化を利用して通信する技術に関する。
近年、人体等の誘電体に誘導される静電界を用いて通信を行う方法が提唱されている。この方法は、T.G.Zimmermanによる”Personal Area Networks:Near−Field intrabody Communication.”(IBM System Journal Vol.35、No.3 & 4、1996−MIT Media Laboratory)において紹介された技術に端を発する。この方法を利用した場合、通信機器の動作電力を低減させるとともに、機器の小型化を実現することが可能であるとされる。
ところが、PANに基づく通信は、帰還伝送路を確保する方法に問題があった。図22に示すように、PANは大地アース(Earth Ground)を帰還伝送路として利用する。このため、送信側装置と受信側装置との間において大地アースを介して静電結合が確立されていることが必要となる。したがって、送信側装置や受信側装置を大地から離れた位置に設置すると、静電結合が弱まり、安定した通信を行うことができなくなる。この結果、PANに基づく電界通信装置は、通信可能距離が極めて短いものとなった。
この大地アースの問題を解決し、通信可能距離を伸長する目的を持つ技術として、例えば、特開平10−229357号公報および特開2001−298425号公報等に開示された技術がある。これらの公報に開示の技術は、帰還伝送路として、大地アースではなく大気を介した静電結合を利用して、通信可能距離の伸長を図る点に共通性がある。
図23〜図26は、帰還伝送路として大気を介した静電結合を利用する電界通信装置の通信原理を概念的に示す図である。
図23において、送信側装置が動作し、送信データに基づいて変調された信号を、電極ERBTおよび電極ERGT間において時間変化する電圧として出力する。すると、電極ERBTおよび電極ERGTに電位差が生じ、電界が発生する。ところで、一般に、人体等の誘電体は、大気に比較して電界を伝達させやすい。したがって、電極ERBTを、図24に示すように、人体等の誘電体に当接させると、電界をより遠方にまで到達させることができる。さらに、図25に示すように、送信側装置により発生した電界内に、受信側装置を設置すると、受信側装置の電極ERBRおよびERGR間に電位差が生じる。受信側装置はこれを検知し、復調することで、送信されたデータを得ることができる。このとき、帰還伝送路として用いられているのが、送信側装置の電極ERGTと受信側装置ERGRとの間に大気を介して確立された静電結合である。このとき、図26のように、帰還伝送路として誘電体を用いてもよい。この場合、電界通信装置の通信可能距離はさらに伸長する。
上記2つの公報に開示の各技術によれば、この大地アースの問題を解決することができる。
しかしながら、上記の公報に開示の各技術を用いても、十分に長い通信距離を確保できるわけではない。その理由を、以下に示す。
特開平10−229357号公報には、大地アースの問題を解決するために、送信側装置の帰還電極と受信側装置の帰還電極とを大気側に向けて、大気を介した静電結合による帰還伝送路を確保している。しかし、大気を介して静電結合するためには、送信側装置および受信側装置の帰還電極間の距離が長すぎてはならない。仮に、同公報に記載の構成で電界通信を実行した場合、人間の頭部および腰部間程度の間隔が開くと、装置間の通信は不可能となる。
特開2001−298425号公報に開示の技術では、帰還電極を外し、導電体材によって構成される筐体が帰還電極の代替手段として用いられている。そして、この技術では、高感度の電界センサを使用して電界を検出するようにしている。この電界センサとしては、所謂ポッケルス効果を示す電気光学素子を用いたものが用いられている。この電界センサは、トランジスタやFET(Field−Effect Transistor)を利用したものに比較して、微かな電界の変化をも測定可能ではある。しかし、帰還電極と筐体とを兼用する構成では、受信側装置に到達した電界が装置内部で具体的にどのような分布となるかが不明である。仮に、電界センサが配設された部位に、ごく一部の電界しか到達しなければ、電界の変化に対する感度が向上することにはならない。つまり、同公報に開示された技術では、電界センサの配設位置がどの程度の電界密度となるかが厳密には予測できないから、受信感度が十分に向上するとは限らない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、十分に長い通信距離を確保することのできる、電界通信装置を提供することを目的とする。
上記の課題に鑑みて、本発明は、誘電体へ電気的影響を与え易い位置に配置される送信側主電極と、送信側帰還電極と、電気信号を生成する信号生成部と、前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間の電位差を前記電気信号に従って変化させる変調部とを有する送信装置と、前記誘電体からの電気的影響を受け易い位置に配置される受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するための受信側帰還電極と、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電気的状態を測定する測定部とを有する受信装置とを有し、前記測定部は、ポッケルス効果を示す電気光学結晶体であって、かつ光が通過する場合には該電気光学結晶体が存在する空間の電気的状態に応じた変化を該光に与える電気光学結晶体と、前記電気光学結晶体に入射する光を発する発光部と、前記電気光学結晶体を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶体内で受けた変化を示す電気信号を出力する受光部とを有することを特徴とする電界通信システムを提供する。かかる電界通信システムにより、送信装置および受信装置間の静電結合を強めるとともに、高感度の電気光学結晶を利用することが可能である。
また、本発明は、誘電体へ電気的影響を与え易い位置に配置される送信側主電極と、送信側帰還電極と、電気信号を生成する信号生成部と、前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間の電位差を前記電気信号に従って変化させる変調部とを有する送信装置と、前記誘電体からの電気的影響を受け易い位置に配置される受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するために前記誘電体から可能な限り遠方に配設され前記誘電体周囲の空間に向けて設置された受信側帰還電極と、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電気的状態を測定する測定部とを有する受信装置とを有し、前記測定部は、ポッケルス効果を示す電気光学結晶体であって、光が通過する場合には該電気光学結晶体が存在する空間の電気的状態に応じた変化を該光に与える電気光学結晶体と、前記電気光学結晶体に入射する光を発する発光部と、前記電気光学結晶体を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶体内で受けた変化を示す電気信号を出力する受光部とを有することを特徴とする電界通信システムを提供する。かかる電界通信システムにより、送信装置および受信装置間の静電結合を強めるとともに、高感度の電気光学結晶を利用することが可能である。
好ましい態様において、前記電気的状態は電界であり、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極は、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電界内に前記電気光学結晶体が位置するように配設される。そうすることで、電気光学結晶を、十分な電界密度の元に置くことができる。
また、別の好ましい態様において、前記静電結合は、前記送信側帰還電極および前記受信側帰還電極間の、大気を介した静電結合である。そうすることで、装置の設置位置によらず、通信可能距離を伸長することが可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極は、前記電気光学結晶体の少なくとも一部を挟んで対向する位置に配置される。そうすることで、電気光学結晶を、十分に電界が通過する。
また、別の好ましい態様において、前記電気光学結晶体は柱状であり、前記受信側帰還電極の前記電気光学結晶体に最も近接する面は、該前記電気光学結晶体内の光路に略直交する断面内に収まる大きさ及び形状を有する。そうすることで、電気光学結晶は電界の変化に対して効率よく反応する。
また、別の好ましい態様において、前記測定部は、前記受信側帰還電極に接続され、前記受信側帰還電極よりも前記電気光学結晶体に近い位置に配置され、前記受信側帰還電極と等電位となる帰還側電極を有する。そうすることで、電界は受信側帰還電極により多く到達する。
また、別の好ましい態様において、前記電気光学結晶体は柱状であり、前記帰還側電極の前記電気光学結晶体に最も近接する面は、該前記電気光学結晶体内の光路に略直交する断面内に収まる大きさ及び形状を有する。そうすることで、電気光学結晶に影響を与えた電界が受信側帰還電極により多く到達する。
また、別の好ましい態様において、前記測定部は、前記受信側主電極に接続され、前記受信側主電極よりも前記電気光学結晶体に近い位置に配置され、前記受信側主電極と等電位となる到達側電極を有する。そうすることで、電界が電気光学結晶に到達する。
また、別の好ましい態様において、前記電気光学結晶体は柱状であり、前記到達側電極の前記電気光学結晶体に最も近接する面は、該前記電気光学結晶体内の光路に略直交する断面内に収まる大きさ及び形状を有する。そうすることで、電気光学結晶により多く電界を到達させることができる。
また、別の好ましい態様において、前記誘電体は人体である。そうすることで、人体を伝送媒体とすることが可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記送信装置および前記受信装置は人体に装着される。そうすることで、人体を伝送媒体として電界通信が可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記送信装置が装着される人体と、前記受信装置が装着される人体とは、各々別の人体である。そうすることで、複数の人体を伝送媒体とし、人体間での電界通信が可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記送信装置は人体に装着され、前記受信装置は前記送信装置が装着された人体以外に配設され、前記送信装置を装着した人体が、前記受信装置における前記受信側主電極に接触すると、前記送信装置および前記受信装置間で通信が行われる。そうすることで、電界通信装置を装着した利用者の意志に基づく通信が可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記受信装置は人体に装着され、前記送信装置は前記送信装置が装着された人体以外に配設され、前記受信装置を装着した人体が、前記送信装置における前記送信側主電極に接触すると、前記受信装置および前記送信装置間で通信が行われる。そうすることで、電界通信装置を装着した利用者の意志に基づく通信が可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記受信側帰還電極は、プラス電源、マイナス電源または低インピーダンスで安定した電位を示す部位に接続される。そうすることで、より安定した通信を行うことができる。
また、別の好ましい態様において、前記受信側帰還電極は、当該受信側帰還電極を収容する導電体材によりなる筐体に接続される。そうすることで、より安定した通信を行うことができる。
また、別の好ましい態様において、前記送信側帰還電極は、プラス電源、マイナス電源または低インピーダンスで安定した電位を示す部位に接続される。そうすることで、より安定した通信を行うことができる。
また、別の好ましい態様において、前記送信側帰還電極は、当該送信側帰還電極を収容する導電体材によりなる筐体に接続される。そうすることで、より安定した通信を行うことができる。
また、別の好ましい態様において、上記の電界通信システムは、前記送信側帰還電極を前記誘電体側に配設すると共に、前記送信側主電極を装置周囲の空間に向けて配設する。この場合も、両電極間に生じた電位差によって装置周囲の空間に電界を発生させることができる。
また、別の好ましい態様において、上記の電界通信システムは、前記受信側帰還電極を前記誘電体側に配設すると共に、前記受信側主電極を装置周囲の空間に向けて配設する。この場合も、前記測定部を用いて、両電極間に生じた電界を測定することができる。
また、別の好ましい態様において、前記発光部はレーザー発振器として構成され、前記電気光学結晶体にレーザー光を照射する。そうすることで、電気光学結晶体の特性を活用して電界を捉えることができる。
また、別の好ましい態様において、前記受光部は、前記電気光学結晶体を透過する光の偏光状態の変化に基づき、出力する電気信号を変化させる。そうすることで、電界の変化に基づき、電気信号を変化させることができる。
また、別の好ましい態様において、前記受光部は、前記電気光学結晶体を通過する光の強度の変化に基づき、出力する電気信号を変化させる。そうすることで、電界の変化に基づき、電気信号を変化させることができる。
また、別の好ましい態様において、前記送信装置および前記受信装置は、イーサネット(登録商標)に準拠した手順で通信を行うための通信インターフェイスをさらに備え、
前記通信インターフェイスを介して、外部機器との間でイーサネット型ネットワークを構築可能である。そうすることで、電界通信ができない機器との間で通信を行うことができる。
また、別の好ましい態様において、前記変調部の変調方式および前記復調部の復調方式は、イーサネット(登録商標)に準拠した方式である。そうすることで、別の通信端末から、送信装置または受信装置をイーサネットデバイスとして認識させることができる。
また、別の好ましい態様において、前記送信装置と前記受信装置とが、同一装置である送受信装置として構成される。そうすることで、送信装置および受信装置双方向の電界通信が可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記送信側主電極と前記受信側主電極とが同一の電極として構成されるとともに、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とが同一の電極として構成される。そうすることで、機器構成を、より簡易なものとできる。
また、別の好ましい態様において、前記送信側主電極と前記受信側主電極とが同一の電極として構成されるか、あるいは、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とが同一の電極として構成される。そうすることで、機器の利用用途に適する機器構成を選択可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記変調部の変調方式および前記復調部の復調方式は、AM(Amplitude Modulation:振幅変調)方式、PM(Phase Modulation:位相変調)方式、FM(Frequency Modulation:周波数変調)方式、PCM(Pulse Coded Modulation:パルス符号変調)方式、SS(Spectrum Spread:スペクトラム拡散)方式、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)方式もしくはUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)方式である。複数の変調方式を用いることで、同時に送受信可能な信号の数を増すことができる。
そして、本発明は、誘電体からの電気的影響を受け易い位置に配置される受信側主電極と、前記誘電体にとどく電界を発生する装置との間で大気を介した静電結合を確立するための受信側帰還電極と、前記電界によって前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電気的状態を測定する測定部とを有し、前記測定部は、ポッケルス効果を示す電気光学結晶体であって、かつ光が通過する場合には該電気光学結晶体が存在する空間の電気的状態に応じた変化を該光に与える電気光学結晶体と、前記電気光学結晶体に入射する光を発する発光部と、前記電気光学結晶体を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶体内で受けた変化を示す電気信号を出力する受光部とを有することを特徴とする電界通信装置を提供する。かかる電界通信システムにより、送信装置との間の静電結合を強めるとともに、高感度の電気光学結晶を利用することが可能である。
さらに、本発明は、誘電体からの電気的影響を受け易い位置に配置される受信側主電極と、前記誘電体にとどく電界を発生する装置との間で大気を介した静電結合を確立するために前記誘電体から可能な限り遠方に配設され前記誘電体周囲の空間に向けて設置された受信側帰還電極と、前記電界によって前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電気的状態を測定する測定部とを有し、前記測定部は、ポッケルス効果を示す電気光学結晶体であって、かつ光が通過する場合には該電気光学結晶体が存在する空間の電気的状態に応じた変化を該光に与える電気光学結晶体と、前記電気光学結晶体に入射する光を発する発光部と、前記電気光学結晶体を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶体内で受けた変化を示す電気信号を出力する受光部とを有することを特徴とする電界通信装置を提供する。かかる電界通信システムにより、送信装置との間の静電結合を強めるとともに、高感度の電気光学結晶を利用することが可能である。
好ましい態様において、前記電気的状態は電界であり、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極は、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電界内に前記電気光学結晶体が位置するように配設される。そうすることで、電気光学結晶を、十分な電界密度の元に置くことができる。
また、別の好ましい態様において、前記静電結合は、前記送信側帰還電極および前記受信側帰還電極間の、大気を介した静電結合である。そうすることで、装置の設置位置によらず、通信可能距離を伸長することが可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極は、前記電気光学結晶体の少なくとも一部を挟んで対向する位置に配置される。そうすることで、電気光学結晶を、十分に電界が通過する。
また、別の好ましい態様において、前記電気光学結晶体は柱状であり、前記受信側帰還電極の前記電気光学結晶体に最も近接する面は、該前記電気光学結晶体内の光路に略直交する断面内に収まる大きさ及び形状を有する。そうすることで、電気光学結晶は電界の変化に対して効率よく反応する。
また、別の好ましい態様において、前記測定部は、前記受信側帰還電極に接続され、前記受信側帰還電極よりも前記電気光学結晶体に近い位置に配置され、前記受信側帰還電極と等電位となる帰還側電極を有する。そうすることで、電界は受信側帰還電極により多く到達する。
また、別の好ましい態様において、前記電気光学結晶体は柱状であり、前記帰還側電極の前記電気光学結晶体に最も近接する面は、該前記電気光学結晶体内の光路に略直交する断面内に収まる大きさ及び形状を有する。そうすることで、電気光学結晶に影響を与えた電界が受信側帰還電極により多く到達する。
また、別の好ましい態様において、前記測定部は、前記受信側主電極に接続され、前記受信側主電極よりも前記電気光学結晶体に近い位置に配置され、前記受信側主電極と等電位となる到達側電極を有する。そうすることで、電界が電気光学結晶に到達する。
また、別の好ましい態様において、前記電気光学結晶体は柱状であり、前記到達側電極の前記電気光学結晶体に最も近接する面は、該前記電気光学結晶体内の光路に略直交する断面内に収まる大きさ及び形状を有する。そうすることで、電気光学結晶により多く与えるように電界を到達させることができる。
また、別の好ましい態様において、前記誘電体は人体である。そうすることで、人体を伝送媒体とすることが可能となる。
また、別の好ましい態様において、前記発光部はレーザー発振器として構成され、前記電気光学結晶体にレーザー光を照射する。そうすることで、電気光学結晶体の特性を活用して電界を捉えることができる。
また、別の好ましい態様において、前記受光部は、前記電気光学結晶体を透過する光の偏光状態の変化に基づき、出力する電気信号を変化させる。そうすることで、電界の変化に基づき、電気信号を変化させることができる。
また、別の好ましい態様において、前記受光部は、前記電気光学結晶体を通過する光の強度の変化に基づき、出力する電気信号を変化させる。そうすることで、電界の変化に基づき、電気信号を変化させることができる。
以上、説明したように、本発明の電界通信システムおよび電界通信装置は、電界を捉えるセンサを、十分に電界密度の高くなる位置に配設することにより、電界変化を捉える感度を向上させる。この結果、本発明の電界通信システムおよび電界通信装置によれば、装置間の通信距離を優れて伸長することが可能となる。
また本発明は、通信装置と、この通信装置と通信する通信ユニットとを有し、前記通信装置は、誘電体に対して電気的影響を与えやすい位置に設けられた送信側主電極と、送信側帰還電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極に与える電位を変化させる変調部とを有し、前記変調部が発生させた電位の変化に応じた電界を前記誘電体に与えるものであり、前記通信ユニットは、前記誘電体からの影響を受け易い位置に設けられた受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するための受信側帰還電極と、前記誘電体に与えられた電界によって前記受信側帰還電極と前記受信側主電極との間に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記通信装置が送信したデータを得る復調部とを有し、前記受信側帰還電極が、前記通信装置と前記通信ユニットとの通信中に前記誘電体が触れ得ない位置に配置されている通信システムを提供する。
この場合、好ましい態様において、前記通信ユニットは、底面と側面と上面とを有する絶縁体を有し、前記絶縁体の内部に、前記測定部と、前記復調部とが設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの前記受信側主電極が、前記絶縁体の上面に設置され、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、前記絶縁体の側面に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットは、前記誘電体に対して電気的影響を与え易い位置に設けられた送信側主電極と、送信側帰還電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極に与える電位を変化させる変調部とをさらに有し、前記変調部が発生させた電位の変化に応じた電界を前記誘電体に与えるものであり、前記通信装置は、前記誘電体からの電気的影響を受けやすい位置に設けられた受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するための受信側帰還電極と、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極との間に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記通信ユニットが送信したデータを得る復調部とをさらに有し、前記送信側帰還電極は、前記通信装置と前記通信ユニットとの通信中に前記誘電体が触れ得ない位置に配置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの送信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋を構成する鉄骨であってもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの送信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の天井に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの送信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の長押部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの送信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の回り付け部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの送信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の巾木部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの送信側帰還電極と分離されている、前記通信ユニットの受信側帰還電極が、前記通信ユニットの送信側帰還電極が設置された部屋の部位と同じ部位に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信装置および前記通信ユニットにおいて、前記通信装置の、前記送信側主電極と前記受信側主電極とが一体化され、前記通信ユニットの、前記送信側主電極と前記受信側主電極とが一体化され、前記通信装置の、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とが一体化され、前記通信ユニットの、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とが一体化されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とを一体化した電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の天井部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とを一体化した電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の長押部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とを一体化した電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の回り付け部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とを一体化した電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の巾木部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とを一体化した電極が、前記通信ユニットが設置される部屋を構成する鉄骨であってもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットは、底面と側面と上面とを有する絶縁体を有し、前記絶縁体の内部に、前記測定部と、前記復調部と、前記変調部とが設置され、前記通信ユニットの前記受信側主電極が、前記絶縁体の上面に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、前記絶縁体の側面に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極が、前記受信側帰還電極が設置されている側面と直交する側面に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極および前記受信側帰還電極とが、前記絶縁体の側面に接し、且つ側面を取り巻くように設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記絶縁体は、直方体形状を有していてもよい。
また、好ましい態様において、前記絶縁体は、畳の形状を有し、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、当該絶縁体の側面部であって、当該絶縁体の縁に相当する部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の天井に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の長押部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の回り付け部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋の巾木部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、前記通信ユニットが設置される部屋を構成する鉄骨であってもよい。
また、好ましい態様において、前記受信側帰還電極が、前記通信装置と前記通信ユニットとの通信中に前記通信ユニットの前記受信側主電極が触れ得ない位置に配置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記受信側帰還電極が、前記通信装置と前記通信ユニットとの通信中に前記通信装置の前記送信側主電極が触れ得ない位置に配置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記静電結合とは、大気を介した静電結合であってもよい。
好ましい態様において、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極は、安定した電位を得ていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極は、プラス電源、マイナス電源、低インピーダンスで安定した電位を得ている部位、信号グラウンド、前記通信装置を構成する筐体、大地アースのいずれかに接続されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記変調部は、前記送信側帰還電極および前記送信側主電極間の電位差を変化させ、前記送信側帰還電極と前記送信側主電極間の電位差に応じた電界を前記誘電体に与えてもよい。
また、好ましい態様において、前記測定部は、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電位差を測定してもよい。
また、好ましい態様において、前記測定部は、ポッケルス効果を示す電気光学結晶であって当該電気光学結晶が存在する空間における電気的状態に応じた変化を、当該電気光学結晶を通過する光に与える電気光学結晶と、前記電気光学結晶に入射する光を発する発光部と、前記電気光学結晶を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶内で受けた変化を示す信号を出力する受光部とを有していてもよい。
また、好ましい態様において、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電界内に前記電気光学結晶が位置するように、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極が設置されること
を特徴とする請求項35に記載の通信システム。
また、好ましい態様において、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極は、前記電気光学結晶の少なくとも一部を挟んで対向する位置に配置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットは、前記受信側主電極に接続され、前記受信側主電極と等電位となる到達側電極と、前記受信側帰還電極に接続され、前記受信側帰還電極と等電位となる帰還側電極とをさらに有し、前記到達側電極と前記帰還側電極が、前記電気光学結晶を挟んで対向する位置に配置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信装置は、前記送信側主電極が前記受信側主電極の近傍に位置するように置かれ、前記受信側帰還電極は、前記送信側主電極および前記受信側主電極と接しない位置に設置され、前記測定部は、前記誘電体を介さず、前記変調部が発生させた電界により、前記受信側帰還電極と前記受信側帰還電極との間に生じる電界を測定してもよい。
また、本発明は、通信ユニットと、この通信ユニットと通信を行う通信装置とを有し、前記通信ユニットは、誘電体に対して電気的影響を与えやすい位置に設けられた送信側主電極と、送信側帰還電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極に与える電位を変化させる変調部とを有し、前記変調部が発生させた電位の変化に応じた電界を前記誘電体に与えるものであり、前記通信装置は、前記誘電体からの影響を受け易い位置に設けられた受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するための受信側帰還電極と、前記誘電体に与えられた電界によって前記受信側帰還電極と前記受信側主電極との間に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記通信装置が送信したデータを得る復調部とを有し、前記送信側帰還電極は、前記通信装置と前記通信ユニットとの通信中に前記誘電体が触れ得ない位置に配置されていることを特徴とする通信システムを提供する。
この場合、好ましい態様において、前記誘電体が、人体であってもよい。
また、本発明は、送信側帰還電極と、誘電体に対して電気的影響を与えやすい位置に設けられた送信側主電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極に与える電位を変化させる変調部とを有する通信装置が有する前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するための電極である受信側帰還電極と、前記誘電体からの影響を受け易い位置に設けられた受信側主電極と、前記誘電体に与えられた電界によって前記受信側帰還電極と前記受信側帰還電極との間に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記通信装置が送信したデータを得る復調部と、底面と側面と上面とを有する絶縁体とを有し、前記測定部と、前記復調部とが、前記絶縁体の内部に設置され、前記受信側帰還電極が、前記通信装置と前記通信ユニットとの通信中に前記誘電体が触れ得ない位置に配置され、前記通信ユニットの受信側主電極が、前記絶縁体の上面に設置されている通信ユニットを提供する。
また、好ましい態様において、前記通信ユニットは、送信側帰還電極と、誘電体に対して電気的影響を与え易い位置に設けられた送信側主電極と、前記絶縁体の内部に設けられ、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極に与える電位を変化させる変調部とを有し、前記変調部が発生させた電位の変化に応じた電界を前記誘電体に与えるものであってもよい。
また、好ましい態様において、前記受信側帰還電極が、前記絶縁体の側面に設置され、前記送信側帰還電極が、前記受信側帰還電極が設置された側面と直交する側面に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記送信側帰還電極および前記受信側帰還電極とが、前記絶縁体の側面に接し、且つ側面を取り巻くように設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記受信側帰還電極が、前記絶縁体の側面に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記変調部は、前記送信側帰還電極および前記送信側主電極間の電位差を変化させ、前記送信側帰還電極と前記送信側主電極間の電位差に応じた電界を前記誘電体に与えてもよい。
また、好ましい態様において、前記絶縁体が方形なタイルの形状を有していてもよい。
また、好ましい態様において、前記絶縁体は、畳の形状を有し、前記通信ユニットの前記受信側帰還電極が、当該絶縁体の側面部であって、当該絶縁体の縁に相当する部分に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記受信側帰還電極と前記送信側帰還電極は、安定した電位を得ていてもよい。
また、好ましい態様において、前記受信側帰還電極と前記送信側帰還電極は、プラス電源、マイナス電源、低インピーダンスで安定した電位を得ている部位、信号グラウンド、前記通信装置を構成する筐体、大地アースのいずれかに接続されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記受信側帰還電極が、前記通信装置と前記通信ユニットとが通信中に前記送信側主電極および前記受信側主電極と接しない位置に設置されていてもよい。
また、好ましい態様において、前記通信装置の前記送信側主電極が前記受信側主電極の近傍に位置するように置かれた場合に、前記測定部は、前記誘電体を介さず、前記変調部が発生させた電界により、前記受信側帰還電極と前記受信側帰還電極との間に生じる電界を測定してもよい。
また、本発明は、誘電体に対して電気的影響を与えやすい位置に設けられた送信側主電極と、送信側帰還電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極に与える電位を変化させる変調部とを有する通信装置が有する前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するための受信側帰還電極と、受信側主電極と、前記誘電体に与えられた電界によって前記受信側帰還電極と前記受信側主電極との間に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記通信装置が送信したデータを得る復調部とを有する通信ユニットの受信側帰還電極を、前記通信装置と前記通信ユニットとの通信中に前記誘電体が触れ得ない位置に設けるとともに、前記受信側主電極を、前記誘電体からの影響を受け易い位置に設ける電極配置方法を提供する。
この発明によれば、送信側帰還電極と受信側帰還電極とが静電結合されて帰還伝送路が確立され、受信側帰還電極が誘電体の移動範囲外に設置されるので、通信装置から送信された信号は、途絶することなく通信ユニットにて受信される。
また、この発明は、電界通信装置と、当該電界通信装置を端末とする通信網を構成し、前記電界通信装置と通信を行う基地局とを有する通信システムにおいて、前記基地局は、誘電体に対して電気的影響を与え易い位置に設けられた送信側主電極と、送信するデータに対応した電気信号を生成する信号生成部と、前記送信側主電極に与える電位を前記電気信号に従って変化させる変調部であって、当該基地局の存在を報知する報知情報に対応した電気信号に従って前記電位を定期的に変化させる変調部とを有し、前記変調部が発生させた電位の変化に応じた電界を前記誘電体に与えるものであり、前記電界通信装置は、前記誘電体からの電気的影響を受け易い位置に設けられた受信側主電極と、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記基地局が送信したデータを得る復調部と、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記基地局との通信が可能であることを当該電界通信装置のユーザに報知する報知部とを有する通信システムを提供する。
この場合、好ましい態様において、前記測定部は、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極に生じる電位と、予め定められた電位との電位差を測定してもよい。
また、本発明は、電界通信装置と、当該電界通信装置を端末とする通信網を構成し、前記電界通信装置と通信を行う基地局とを有する通信システムにおいて、前記基地局は、誘電体に対して電気的影響を与え易い位置に設けられた送信側主電極と、当該基地局に接続された送信側帰還電極と、送信するデータに対応した電気信号を生成する信号生成部と、前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間の電位差を前記電気信号に従って変化させる変調部であって、当該基地局の存在を報知する報知情報に対応した電気信号に従って前記電位差を定期的に変化させる変調部とを有し、前記変調部が発生させた電位差の変化に応じた電界を前記誘電体に与えるものであり、前記電界通信装置は、前記誘電体からの電気的影響を受け易い位置に設けられた受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で帰還伝送路を確立するための受信側帰還電極と、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記基地局が送信したデータを得る復調部と、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記基地局との通信が可能であることを当該電界通信装置のユーザに報知する報知部とを有することを特徴とする通信システムを提供する。
この場合、好ましい態様において、前記基地局は、前記電界通信装置に充電を行うための交流電圧を前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間に印加する発振器をさらに有し、前記報知情報には、当該基地局において前記電界通信装置の充電を行うことが可能であることを示す情報が付与されており、前記電界通信装置は、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に誘導された交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路により得られた直流電圧により充電されるバッテリーとをさらに有し、前記報知部は、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記基地局において当該電界通信装置の充電を行うことが可能であることを当該電界通信装置のユーザに報知してもよい。
また、好ましい態様において、前記測定部は、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電位差を測定してもよい。
また、好ましい態様において、前記測定部は、ポッケルス効果を示す電気光学結晶体であって、かつ光が通過する場合には該電気光学結晶体が存在する空間における電界の強さに応じた変化を該光に与える電気光学結晶体と、前記電気光学結晶体に入射する光を発する発光部と、前記電気光学結晶体を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶体内で受けた変化を示す信号を出力する受光部とを有していてもよい。
また、この発明は、通信網を構成する基地局であり、誘電体に対して電気的影響を与え易い位置に設けられた送信側主電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極に与える電位を変化させる変調部であって、当該基地局の存在を報知する報知情報に対応した電気信号に従って前記電位を定期的に変化させる変調部とを有し、前記変調部が発生させた電位の変化に応じた電界を前記誘電体に与える基地局と通信を行う電界通信装置において、前記誘電体からの電気的影響を受け易い位置に設けられた受信側主電極と、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記基地局が送信したデータを得る復調部と、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記基地局との通信が可能であることを当該電界通信装置のユーザに報知する報知部とを有する電界通信装置を提供する。
この場合、好ましい態様において、前記測定部は、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極に生じる電位と、予め定められた電位との電位差を測定してもよい。
また、本発明は、通信網を構成する基地局であり、誘電体に対して電気的影響を与え易い位置に設けられた送信側主電極と、送信側帰還電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間の電位差を変化させる変調部であって、当該基地局の存在を報知する報知情報に対応した電気信号に従って前記電位差を定期的に変化させる変調部とを有し、前記変調部が発生させた電位差の変化に応じた電界を前記誘電体に与える基地局と通信を行う電界通信装置において、前記誘電体からの電気的影響を受け易い位置に設けられた受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で帰還伝送路を確立するための受信側帰還電極と、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記基地局が送信したデータを得る復調部と、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記基地局との通信が可能であることを当該電界通信装置のユーザに報知する報知部とを有することを特徴とする電界通信装置を提供する。
好ましい態様において、前記報知部は、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記基地局との通信が可能であることを示す情報を表示部に表示してもよい。
好ましい態様において、前記基地局は、電界通信装置に充電を行うための交流電圧を前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間に印加する発振器をさらに有し、前記報知情報には、当該基地局において電界通信装置の充電を行うことが可能であることを示す情報が付与されており、当該電界通信装置は、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に誘導された交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路により得られた直流電圧により充電されるバッテリーとをさらに有し、前記報知部は、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記基地局において当該電界通信装置の充電を行うことが可能であることを当該電界通信装置のユーザに報知するようにしてもよい。
好ましい態様において、前記報知部は、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記基地局において当該電界通信装置の充電を行うことが可能であることを示す情報を表示部に表示するようにしてもよい。
好ましい態様において、前記誘電体は人体であってもよい。
好ましい態様において、当該電界通信装置は、前記受信側主電極が前記送信側主電極の近傍に位置するように置かれ、前記変調部が発生させた電界による電気的影響を前記誘電体を介さず直接、前記受信側主電極に受けてもよい。
好ましい態様において、前記測定部は、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電位差を測定してもよい。
好ましい態様において、前記測定部は、ポッケルス効果を示す電気光学結晶体であって、かつ光が通過する場合には該電気光学結晶体が存在する空間における電界の強さに応じた変化を該光に与える電気光学結晶体と、前記電気光学結晶体に入射する光を発する発光部と、前記電気光学結晶体を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶体内で受けた変化を示す信号を出力する受光部とを有してもよい。
好ましい態様において、前記受信側主電極と前記受信側帰還電極とが、前記電気光学結晶体を挟んで対向する位置に配置されていてもよい。
好ましい態様において、前記受信側主電極に接続されており、前記受信側主電極よりも前記電気光学結晶体に近い位置に配置され、前記受信側主電極と等電位となる到達側電極と、前記受信側帰還電極に接続されており、前記受信側帰還電極よりも前記電気光学結晶体に近い位置に配置され、前記受信側帰還電極と等電位となる帰還側電極とをさらに有し、前記到達側電極および前記帰還側電極が、前記電気光学結晶体を挟んで対向する位置に配置されていてもよい。
好ましい態様において、前記電気光学結晶体は柱状であり、前記到達側電極および前記帰還側電極のいずれか一方以上が、前記電気光学結晶体内の光路に略直交する断面内に収まる大きさおよび形状を有していてもよい。
好ましい態様において、前記受信側帰還電極は、前記送信側帰還電極との間で大気を介した静電結合により帰還伝送路を確立するようにしてもよい。
好ましい態様において、前記受信側帰還電極および前記送信側帰還電極には、ともに安定した同じ電位が与えられていてもよい。
この発明によれば、電界通信装置は、基地局から送信された報知情報を予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、基地局との通信が可能であることをユーザに報知する。
図1は、電界通信装置TRXの一設置例を示した図である。
図2は、電界通信装置TRXの外観構成を示す斜視図である。
図3は、電界通信装置TRXの電気的構成を示すブロック図である。
図4は、送信アンプAPの電気的構成を示す図である。
図5は、電界センサESの機械的構成を示す図である。
図6は、受信側帰還電極ERGを設けていない場合に、電界センサESが電界を捉える様子を概念的に示す図である。
図7は、受信側帰還電極ERGを設けた場合に、電界センサESが電界を捉える様子を概念的に示す図である。
図8は、電極構造EOBを受信側主電極ERBと電気的に接続した場合の構成を示すブロック図である。
図9は、電極構造EOBを受信側主電極ERBと電気的に接続した場合に、電界センサESが電界を捉える様子を概念的に示す図である。
図10は、電極構造EOGを受信側帰還電極ERGと電気的に接続した場合の構成を示すブロック図である。
図11は、電極構造EOGを受信側帰還電極ERGと電気的に接続した場合に、電界センサESが電界を捉える様子を概念的に示す図である。
図12は、受信側帰還電極ERGを低インピーダンスの信号源に接続する場合の態様について説明するブロック図である。
図13は、受信側帰還電極ERGを低インピーダンスの信号源に接続する場合の態様について説明するブロック図である。
図14は、受信側帰還電極ERGを低インピーダンスの信号源に接続する場合の態様について説明するブロック図である。
図15は、設置例1における通信を概念的に示す図である。
図16は、設置例2における通信を概念的に示す図である。
図17は、設置例3における通信を概念的に示す図である。
図18は、設置例4における通信を概念的に示す図である。
図19は、設置例5における通信を概念的に示す図である。
図20は、第1実施形態の変形例4における送信アンプの電気的構成例を示す図である。
図21は、第1実施形態の変形例4における送信アンプの電気的構成例を示す図である。
図22は、PANにおける大地アース(Earth Ground)の問題を説明するための図である。
図23は、帰還伝送路として大気を介した静電結合を利用する電界通信装置の通信原理を概念的に示す図である。
図24は、帰還伝送路として大気を介した静電結合を利用する電界通信装置の通信原理を概念的に示す図である。
図25は、帰還伝送路として大気を介した静電結合を利用する電界通信装置の通信原理を概念的に示す図である。
図26は、帰還伝送路を誘電体にとる電界通信装置の通信原理を概念的に示す図である。
図27は、本発明の第2実施形態に係わる通信システムの全体構成を例示する図である。
図28は、同システムに係わる送信機HTRXのハードウェア構成を例示する図である。
図29は、同システムに係わる通信ユニットCPの断面を例示する図である。
図30は、同システムに係わる受信機FTRXのハードウェア構成を例示する図である。
図31は、本発明の第3実施形態に係わる通信ユニットTCPの外観を例示する斜視図である。
図32は、本発明の第3実施形態に係わる通信ユニットTCPの断面を例示する図である。
図33は、本発明の第3実施形態に係わる通信ユニットTCPを、タイルカーペット状に敷き詰めて設置した際の外観を示す斜視図である。
図34は、本発明の第3実施形態に係わる通信ユニットTCPを、タイルカーペット状に敷き詰めた際の断面を例示する図である。
図35は、本発明の第4実施形態に係わる通信ユニットTMAの外観を例示する斜視図である。
図36は、本発明の第4実施形態に係わる通信ユニットTMAの断面を例示する図ある。
図37は、本発明の第5実施形態に係わる通信システムの構成を例示する図である。
図38は、本発明の第6実施形態に係わる通信システムの構成を例示する図である。
図39は、受信側帰還電極の配置の変形例を例示する図である。
図40は、本発明の変形例3に係わる通信システムの構成を例示する図である。
図41は、本発明の変形例5に係わる通信システムの構成を例示する図である。
図42は、変形例8に係わる、送信側帰還電極および受信側帰還電極の配置の変形例を例示する図である。
図43は、変形例8に係わる、送信側帰還電極および受信側帰還電極の配置の変形例を例示する図である。
図44は、変形例8に係わる、送信側帰還電極および受信側帰還電極を通信ユニットCPに配置する場合の例を示す図である。
図45は、変形例8に係わる、送信側帰還電極および受信側帰還電極を通信ユニットCPに配置する場合の例を示す図である。
図46は、本発明の第7実施形態に係るタイルカーペットCPEnと電子機器APPについて例示する図である。
図47は、同実施形態に係るタイルカーペットCPEnと電子機器APPの回路構成を例示する図である。
図48は、同実施形態に係り、充電モードと通信モードを時分割で行う場合の、分割スイッチFPSW,APSWの切換え動作例について示す図である。
図49は、同実施形態に係り、充電に用いる交流電圧の周波数Pと、通信に使用する搬送波のキャリア周波数Dとを異ならせた場合について例示する図である。
図50は、同実施形態の変形例に係り、電子機器APPの画面表示例を示す図(その1)である。
図51は、同実施形態の変形例に係り、電子機器APPの画面表示例を示す図(その2)である。
図52は、第8実施例における極性反転回路を有する電界通信装置TXaのブロック図である。
図53は、極性が反転していない信号と極性の反転した信号の例である。
図54は、電界通信装置TXaにおいて行われるフローチャートである。
図55は、第8実施例の別の極性反転回路を有する電界通信装置RXbのブロック図である。
図56は、電界通信装置RXbの行う処理のフローチャートである。
図57は、第8実施例の更に別の極性反転装置を有する電界通信装置RXcのブロック図である。
図58は、第9実施形態に係わる通信ユニットTCPaの外観を例示する斜視図である。
図59は、第9実施形態に係わる通信ユニットTCPaが外部の電界通信装置と電界結合している様子を示す図である。
図60は、第10実施形態において、隣接する通信ユニットが結合している様子を示す図である。
図61は、第10実施形態において、1つ離れた通信ユニットが結合している様子を示す図である。
図62は、第10実施形態において、床面の複数の通信ユニットが結合している様子を示す図である。
[1.第1実施形態の構成]
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る電界通信装置TRXの一設置例を示した図である。図1に示すように、電界通信装置TRXは、人体HBに装着される。そして、電界通信装置TRXは、人体HBが良い導電性を示す数十kHz〜数MHzの周波数で変化する電界を放射するとともに、人体HBを介して到達した電界を検知することができる。したがって、複数の電界通信装置TRX間で、人体HBを介して通信を行うことが可能である。
電界通信装置TRXは、ある周波数に対して導電性を有する誘電体であれば、どのようなものをも伝送路として利用することができる。したがって、電界通信装置TRXは、人体HB以外にも、例えば、部屋の壁、床、および天井など、種々の位置に配設することが可能である。また、電界通信装置TRXは、大気を介した静電結合を帰還伝送路とすることも可能であるし、誘電体を介して帰還伝送路を確保することも可能である。
図2は、電界通信装置TRXの外観構成を示す斜視図である。
筐体CSは、絶縁体ISによって覆われた箱型形状をしている。そして、筐体CSの下面側に、絶縁体ISを介して、送信側主電極ESBおよび受信側主電極ERBが設けられている。一方、筐体CSの上面側には、絶縁体ISを介して、送信側帰還電極ESGおよび受信側帰還電極ERGが設けられている。上記構成において、送信側主電極ESBおよび受信側主電極ERBと、送信側帰還電極ESGおよび受信側帰還電極ERGとは、絶縁体ISによって絶縁されている。ここで、送信側主電極ESBおよび受信側主電極ERBは、筐体CSや筐体CS内部の回路から、なるべく離して設置することが望ましい。絶縁体ISは、送信側主電極ESBおよび受信側主電極ERBと、他の装置との距離を確保する機能も果たしている。この具体的理由については、後述する。
送信側主電極ESBと送信側帰還電極ESGとの間に電位差が生じると、この電位差に応じた電界が放射される。この電界は、人体HBを介すると、より遠方まで到達する。送信側帰還電極ESGは、大気を介した静電結合によって帰還伝送路を確立する際に用いられ、人体HBに装着されると、周囲の空間に向くようになっている。
送信側主電極ESBが放射する電界は、送信側主電極ESBが人体HBに当接している場合に、最も遠くまで到達する。しかし、送信側主電極ESBが放射する電界は、衣服等若干の空間を介した場合であっても人体HBに到達し、人体HBを介して遠くまで到達する。この場合、電界の到達距離はやや短くなるが、感電や皮膚アレルギーに対する利用者の不安を低減させることができる。また、同様の理由により、送信側主電極ESBおよび送信側帰還電極ESGの表面を、薄い絶縁体で覆っても構わない。
図3は、電界通信装置TRXの電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電界通信装置TRXは、外部インターフェイスNICと、制御部CRと、送信部TMと、受信部RVと、を備えている。
外部インターフェイスNICは、外部機器との間でイーサネット(登録商標)形式のデータ授受を行うインターフェイスである。この外部インターフェイスNICには、イーサネットの一形式である10BASE−2方式に従って動作可能なあらゆる機器を接続可能である。例えば、外部インターフェイスNICを介して、電界通信装置TRXと通信端末(図示せず)とを接続することが可能である。この場合、通信端末は、電界通信装置TRXをイーサネットデバイスとして認識する。なお、ここでは10BASE−2方式としたが、10BASE−Tおよび10BASE−5方式を用いてもよい。
制御部CRは、送信側制御部MPUTと、受信側制御部MPURとを備えている。
送信側制御部MPUTは、他の電界通信装置TRXへのデータ送信を制御する。より具体的には、送信側制御部MPUTは、他の電界通信装置TRXに送信すべきデータを、その内容に応じた送信信号に変換する。そして、送信側制御部MPUTは、送信信号を送信部TMに供給する。
一方、受信側制御部MPURは、受信部RVから信号を受信すると、これに基づきデータを復元する。そして、受信側制御部MPURは、復元したデータを処理する。例えば、受信した送信信号から画像データが復元された場合、受信側制御部MPURは、そのデータを表示装置(図示略)に表示する。また例えば、受信した送信信号から音声データが復元された場合、受信側制御部MPURは、そのデータに基づく音声をスピーカ(図示略)から出力する。
送信部TMは、変調装置ECと、送信アンプAPとを備えている。
変調装置ECは、送信側制御部MPUTから入力された送信信号を用いて、搬送波を変調する。変調装置ECが搬送波を変調する際の変調方式は、主となる信号帯域が人体が良導性を示す数十kHz以上であれば、どのような帯域も自由に選択することができる。本実施例では、例として、イーサネットで広く用いられている10BASE−2方式を用いている。また、搬送波の周波数は、周囲からのノイズが入りにくい周波数を選択すれば、通信品質を安定したものとすることが可能である。そして、変調装置ECは変調された信号を送信アンプAPに出力する。
送信側帰還電極ESGは、送信アンプの端子Qに接続されている。これによって、送信側主電極ESBと送信側帰還電極ESGとの間に電位差が発生し、周囲の空間に放射される。送信側帰還電極ESGが接続されるのは、送信アンプの端子Q以外にも、例えば、プラス電源およびマイナス電源などの低インピーダンスの信号源や、筐体CS等に接続することが可能である。これらの低インピーダンスの信号源に送信側帰還電極ESGを接続することで、放射される電界を安定させることが可能である。
なお、送信される電界が十分安定していれば、送信側帰還電極ESGは、いずれにも接続しなくても構わない。また、ショートによる電界の減衰を防ぐために、筐体CSや送信側帰還電極ESGは、人体HBや送信側主電極ESBとは絶縁されている必要がある。また、これとは逆に、送信アンプAPの端子Pを、送信側帰還電極ESGに、端子Qを送信側主電極ESB側に接続しても構わない。この場合、放射される電界の極性は上述の場合とは逆になるが、電界の極性に無関係なFM等の変調方式を用いたり、送受信回路の何れか一方に極性反転回路を装備する等の対処により、正常な通信を行うことが可能である。
送信アンプAPは、変調装置ECから信号が入力されると、これを増幅し、信号の増幅に応じた電位差を、端子PおよびQ間に発生させる。
図4は、送信アンプAPの電気的構成を示す図である。同図に示す送信アンプAPは、連続した振幅値を持つ変調方式に適する。この送信アンプAPの駆動電圧を高電圧にすると、送信信号の振幅を増幅することが可能となる。同図に示すように、送信アンプAPの端子Pは、送信側主電極ESBと接続されている。したがって、送信アンプAPに変調された信号が入力されると、人体HBに向けて、端子PおよびQ間に発生した電位差に応じた電界が放射される。なお、電界通信装置TRXの送信電圧は高いことが好ましいが、送信電極を通じて流れる電流はごく僅かである。したがって、送信アンプAPの電源供給能力は高くなくても良い。
なお、端子Qを接続する部位は、安定した電位を示すものであれば、何でも構わない。例えば、上記の構成以外にも、低インピーダンスで安定した電位を示す部位があれば、この部位に端子Qを接続可能である。また、端子Qをプラス電源またはマイナス電源に接続し、電源電位に保っても良い。さらに、端子Qの電位を安定した電位に保つことが困難である場合には、端子Qを何れにも接続せず、大気の電位に保っても構わない。
次に、受信部RVは、電界センサESと、復調装置DCとを備える。
電界センサESは、非常に微弱な電界を識別可能である。電界センサESは、他の電界通信装置が放射した電界が到達した場合に、電界の変化を捉える。そして、電界センサESは、捉えた変化に基づいて、変調された信号を識別し、これを復調装置DCに出力する。復調装置DCは、電界センサESから信号を供給されると、これを復調して、もとの送信信号を得る。
図3に示すように、電界センサESは、電気光学結晶EOと、光測定器DTと、を備えている。
電気光学結晶EOは、例えばBSO(Bi12SiO20)、BTO(Bi12TiO20)、CdTi、CdTe、DAST(ジメチルアミノスルチバゾリウム−トシレート)等の結晶であり、所謂ポッケルス効果に従い、電界の変化に比例して屈折率が変化する結晶である。光測定器は、レーザーダイオード等により構成され、電気光学結晶EOにレーザー光線を入射する光照射器と、フォトデテクタ等により構成され、光照射器から入射されたレーザー光線を受光する受光器とを備えている。
図5は、電界センサESの機械的構成を示す図である。
光照射器LDから電気光学結晶EOに入射したレーザー光線は、電気光学結晶EO内部で反射して、受光器PDに設けられた偏光板を通過し、受光器PDに入射する。このとき、電気光学結晶EOの屈折率が変化すると、この変化に応じて、電気光学結晶EOを透過するレーザー光線の偏光状態が変化する。この変化は、偏光板を通過するレーザー光線の強度に変化をもたらす。この変化を測定することで、光測定器DTは、電界の変化を識別することができる。
そして、電界センサESは、具体的には次のようにして信号を得る。
例えば、他の電界通信装置TRXが放射した電界内において、受信側主電極ERBおよび受信側帰還電極ERGに電位差が生じたとする。すると、これに応じて、電気光学結晶EOの屈折率は変化し、レーザー光線の偏光状態が変化する。光測定器DTは、この偏光状態の変化を測定する。屈折率の変化は電界の変化に基づくものであり、この電圧変化は電界を放射した電界通信装置TRXにおいて変調された信号に基づく。したがって、復調装置DCが、光測定器DTから測定結果を10BASE−2方式で復調すれば、もとの送信信号を得ることになる。
なお、電気光学結晶EO及び光測定器DTから構成された電界センサが電界を捉える方法は、公知のものであり、特開平8−262117号公報等に開示されているものと同一である。
くわえて、本実施形態の電界通信装置TRXは、電気光学結晶EOが十分に電界変化を検知可能とし、電界を捉える感度を向上させるための仕組みを備えている。以下、これについて詳述する。
まず、電気光学結晶EOは、必ずしも受信側帰還電極ERGを備えていない場合であっても、原理的には通信可能である。しかしながら、この場合、電気光学結晶EOが十分に電界を捉えることができず、電界通信装置TRXの通信可能距離が短縮される。
図6は、受信側帰還電極ERGを設けていない場合に、電界センサESが電界を捉える様子を概念的に示す図である。このように受信側帰還電極ERGが設けられていない場合は、同図に示すように、受信側主電極ERBを介して電気光学結晶EOに到達した電界は、受信側主電極ERBを通過するとすぐに、電気光学結晶EOの側面を通過して帰還経路に入っている。電界が、電気光学結晶EOを十分に通過しないまま帰還経路に入るということは、電気光学結晶EOが電界から受ける影響が小さいということである。電気光学結晶EOが電界から受ける影響が小さいということは、電気光学結晶EOの屈折率の変化が小さいということである。これは、電界通信装置TRXの受信感度が上がらないことを意味する。
一方、上述した図3に示す構成のように、受信側帰還電極ERGを設けると、電界センサESが十分に電界を捉えることができるようになる。その結果、電界通信装置TRXの通信可能距離は伸長される。
図7は、受信側帰還電極ERGを設けた場合に、電界センサESが電界を捉える様子を概念的に示す図である。同図では、受信側主電極ERBが、送信側主電極ESBと同様に、人体HBの近傍に設置されている。受信側帰還電極ERGは、送信側帰還電極ESGと同様に、筐体CSの上表面に周囲空間に向けて設置されている。また、電界センサESは、受信側帰還電極ERGと受信側主電極ERBとの間に挟まれるように設置されている。ここで、ショートによる電界の減衰を防ぐために、筐体CSや受信側帰還電極ERGは、人体HBや受信側主電極ERBとは絶縁されている必要がある。
図7に示す構成の場合、送信側帰還電極ERGと受信側帰還電極ERGとの間に大気を介した静電結合により帰還伝送路が確立している。従って、受信側主電極ERBを出た電気力線は受信側帰還電極ERGとによって引き寄せられている。この結果、図6の場合と比較して、電気光学結晶EOを貫く電気力線の数が増える。このとき、光測定器DTは、電界センサESにレーザー光を照射し、電界センサESを通ってきた光の変更状態や強度の変化を検知し、電界センサESを貫いている電界の変化を、電気信号の変化として検出する。
さて、図3の構成からさらに、電界センサESの一部分に電極構造EOBを設け、受信側主電極ERBと電気的に接続すると、受信側主電極ERBに到達した電界を効率良く電界センサESに導くことができるようになる。
図8は、電極構造EOBを受信側主電極ERBと電気的に接続した場合の構成を示すブロック図である。そして、図9は、電極構造EOBを受信側主電極ERBと電気的に接続した場合に、電界センサESが電界を捉える様子を概念的に示す図である。
図9に示すように、受信側主電極ERBを介して電気光学結晶EOに到達した電界は、電極構造EOBの電位によって、受信側帰還電極が配設された方向に引き付けられる。そのため、電気光学結晶EOにより多くの電界を引き付けることができるようになる。
さらに、電極構造EOBの対向部分に電極構造EOGを設け、これを受信側帰還電極ERGと電気的に接続することで、電界センサESに効率的に電界を導くことができるようになる。
図10は、電極構造EOGを受信側帰還電極ERGと電気的に接続した場合の構成を示すブロック図である。同図に示すように、電気光学結晶EOの上面には、上面よりも大きさがやや小さい電極構造EOGが設けられている。図11は、電極構造EOGを受信側帰還電極ERGと電気的に接続した場合に、電界センサESが電界を捉える様子を概念的に示す図である。
図11に示すように、受信側主電極ERBに到達した電気力線は、電極構造EOBの電位によって、電気光学結晶EOが配設された位置に引き付けられ、更に、電極構造EOGの電位によって、受信側帰還電極ERGが配設された方向に引き付けられる。その結果、電気光学結晶EOを通過する電気力線の数を増やすことができ、電界センサESは、より十分に電界の変化を捉えることができるようになる。
くわえて、上記の各態様において、受信側帰還電極ERGを、電界通信装置TRX内部の回路における信号グラウンド、プラス電源やマイナス電源、筐体CS等の、低インピーダンスの信号源に接続することも可能である。受信側帰還電極ERGを、低インピーダンスの信号源に接続することで、電界センサESに導かれる電界を、さらに安定させることが可能となる。
図12〜図14は、受信側帰還電極ERGを低インピーダンスの信号源に接続する場合の各態様について説明するブロック図である。図12は、電界センサESに電極構造を設けていない場合の接続例を示す。図13は、電界センサESに電極構造EOBを設けた場合の接続例を示す。図14は、電界センサESに電極構造EOBおよび電極構造EOGを設けた場合の接続例を示す。
なお、上記の例とは逆に、受信側帰還電極ERGを人体HB側に、受信側主電極ERBを周囲の空間に向けて設置しても構わない。この場合、検出される電界の極性が逆になるが、極性に無関係なFM等の変調方式を用いたり、送受信回路の何れかに極性反転回路を装備すればよい。大気は誘電体であり、電界通信装置TRXは、正常に通信可能である。
また、電界通信装置TRXは、送信側主電極ESB、送信側帰還電極ESG、受信側主電極ERBおよび受信側帰還電極ERGの形状や配設位置を調節することで、電気光学結晶EOに効率的に電界を通過させることの可能な構成であれば良い。各電極の形状はどのようなものであっても構わず、また、どのように配置されても構わない。
以上の構成により、電界通信装置TRXは、高感度の電界センサによって十分に電界を捉えることが可能となる。その結果、電界通信装置TRXの通信可能距離は、従来の装置に比較して、大きく伸長するのである。
[2.第1実施形態の動作]
次に、上記構成による電界通信装置TRXの具体的な設置例および動作例について説明する。説明を具体的に行うため、機能が各々異なる複数の電界通信装置TRX1〜5を例にとり、これらの電界通信装置TRX間の通信について説明する。
電界通信装置TRX1には、例えば、和音キーボード(Chordkeyboard)等の携帯型キーボードが装着されている。この電界通信装置TRX1は、入力インターフェイスとして利用され、各種のデータを入力することが可能である。また、電界通信装置TRX1にはスピーカが備わっており、音声出力が可能である。
電界通信装置TRX2には、例えば、Flashメモリ等の不揮発性メモリが装着されている。この不揮発性メモリには、各種の情報を記憶することが可能である。つまり、電界通信装置TRX2は、記憶装置として用いることができる。
電界通信装置TRX3には、例えば、無線LAN(Local Area Network)インターフェイスや携帯電話(ともに図示せず)等の通信インターフェイスが装着されている。電界通信装置TRX3は、LANを構成する他の通信端末との間での通信や、インターネット(the Internet)等のWAN(Wide Area Network)を介した通信等において、ゲートウェイ装置として用いられる。
電界通信装置TRX4には、例えば、フィルム液晶等によって構成される小型表示装置を備えるヘッドマウントディスプレイが装着されている。つまり、電界通信装置TRX4は、表示装置として用いられる。
電界通信装置TRX5は、屋内設置型の装置として構成される。電界通信装置TRX5の受信側主電極ERBおよび受信側帰還電極ERGは、部屋の床面、壁面、乃至天井面に設置されている。電界通信装置TRX5は、電界通信装置TRX3と同様に、LANを構成する他の通信端末との間での通信や、WANを介した通信において、ゲートウェイ装置として用いられる。
なお、以下の説明においては、電界通信装置TRX1の構成要素については、図3において使用される各符号に”1”を付加した符号を各々を特定するために使用する。また、電界通信装置TRX2の構成要素については、図3において使用される各符号に”2”を付加した符号を各々を特定するために使用する。電界通信装置TRX3〜5についても、同様である。
<設置例1>
図15は、設置例1における通信を概念的に示す図である。同図には、電界通信装置TRX1およびTRX2間の通信が例示されている。
まず、電界通信装置TRX2の送信側制御部MPUT2が、電界通信装置TRX1に送信すべきデータを、送信信号に変換する。そして、送信側制御部MPUT2は、送信信号を変調装置EC2に出力する。変調装置EC2は、送信信号によって搬送波を変調する。そして、変調装置EC2は、変調された信号を送信アンプAP2に出力する。送信アンプAP2は、変調された信号を増幅し、端子P2および端子Q2間の電圧変化に変換する。すると、この電圧変化に基づき、送信側主電極ESB2から電界が放射される。この電界は、人体HBを介して、電界通信装置TRX2の設置されている位置に到達する。
電界通信装置TRX2の放射した電界が到達すると、電界通信装置TRX1において、電気光学結晶EO1の屈折率が変化する。この結果、光測定器DT1の受光部に入射するレーザー光の偏光状態が変化する。そして、光測定器DT1は、受光量の変化に応じた電気信号を、復調装置DC1に出力する。復調装置DC1は、入力された電気信号を復調する。復調装置DC1は、復調した信号を、受信側制御部MPUR1に出力する。受信側制御部MPUR1は、復調装置DC1から入力された信号に基づき、電界通信装置TRX2が送信したデータを得る。そして、受信側制御部MPUR1は、取得したデータに基づく処理を実行する。
<設置例2>
図16は、設置例2における通信を概念的に示す図である。同図には、利用者Aの装着する電界通信装置TRX2aと、利用者Bの装着する電界通信装置TRX2bとの間の通信が例示されている。
まず、電界通信装置TRX2aの送信側主電極ERB2aからは、送信すべきデータによって変調された電界が放射されている。この状態において、例えば握手する等、利用者Aの身体と利用者Bの身体とが接すると、利用者Aに放射されている電界が、利用者Bに伝達する。そして、電界通信装置TRX2bに電界が到達する。すると、電界通信装置TRX2bは、電界通信装置TRX2aが送信したデータを得、これに基づく処理を実行する。
なお、電界通信装置TRX2から変調された信号が放射される過程、および、電界通信装置TRXbにおいて信号が復調されデータが取得される過程の動作については、設置例1と同様であるため、その説明を省略する。
<設置例3>
図17は、設置例3における通信を概念的に示す図である。同図には、複数の電界通信装置TRX1〜TRX4間の通信が例示されている。
本設置例に示す態様は、電界通信装置TRX1〜4が電界通信を行うものである。つまり、入出力装置、記憶装置およびゲートウェイ装置が、人体HBをバスとして通信している。さらに、本設置例では、電界通信装置TRX5を介して、LANに接続された通信端末と通信を行ったり、WANを介した通信を行うことも可能である。
なお、各装置間において行われる通信の過程は、設置例1と同様であるため、説明を省略する。
<設置例4>
図18は、設置例4における各装置間の通信を概念的に示す図である。同図には、電界通信装置TRX2および自動販売機VM間の通信が例示されている。このように、電界通信装置TRXを屋外設置型の装置に装着し、人体に装着される電界通信装置TRXとの間で通信を行うことも可能である。
図18に示す自動販売機VMには、電界通信装置TRXが内蔵されている。そして、自動販売機VMの利用者が飲料を購入する際に押下すべき購入ボタンは、受信側主電極ERBとして構成されている。一方、受信側帰還電極ERGは、例えば装置前面の下方等、利用者が直接触れる可能性の低い位置に設けられている。ここで、利用者が受信側主電極ERBと受信側帰還電極ERGとを同時に触れることの出来ない構成であれば、受信側帰還電極ERGは何処に配設しても構わない。電界通信装置TRX同士の静電結合を高め、通信品質を安定させるためには、受信側帰還電極ERGは受信側主電極ERGの近傍に設置することが好ましい。
利用者が、例えば電子マネーバリュー等によって変調された電界を電界通信装置TRX2から放射した状態で、自動販売機VMの購入ボタンを押下する。すると、電界通信装置TRX2と自動販売機VMとの間で通信が行われ、自動販売機VMは、利用者の押下した購入ボタンに予め対応付けられている商品を排出する。
なお、電界通信装置TRX2および自動販売機VM間の通信過程は、上記複数の電界通信装置TRX間における通信と同様であるため、説明を省略する。
上記の場合において、仮に、微弱無線による近距離無線通信を利用したと想定する。すると、利用者が近傍を通過しただけで通信が行われ、装置内部に記憶される情報が流出する場合がある。しかし、電界通信装置TRXの場合、利用者が触れない限り、外部機器と通信が行われることはない。このため、装置内部に記憶される情報がむやみに外部に流出することを防止したり、情報を外部に送出することに関する利用者の意思確認を行ったりすることが容易となる。つまり、電界通信装置TRXは、個人認証や物品販売を行う機器への応用に優れているということができる。
<設置例5>
図19は、設置例5における各装置間の通信を概念的に示す図である。
電界通信装置TRX5を利用すると、上記設置例3と同様に、LANやWANを介した通信を行うことが可能である。本設置例では、電界通信装置TRX5の受信側主電極ERBが床面に設けられている。そのため、利用者Aが受信側主電極ERBの配設位置に立っただけで、電界通信を行うことも可能である。電子メールの受信確認は勿論、テレビ番組の番組選択やビデオオンデマンドの配信コンテンツ選択等、本設置例の適用範囲は幅広い。
なお、設置例5における各装置間の通信は、上記の各設置例と同様であるため、説明を省略する。
[3.第1実施形態の効果]
以上、説明したように、本実施形態の電界通信装置TRXは、従来の電界通信装置に比較して通信感度が向上しているため、人体の至る部分に装着された装置間で通信が可能である。したがって、装置の利用用途は大きく広がる。
[4.第1実施形態の変形例]
なお、本発明の電界通信装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更を加えることが可能である。
(変形例1)上述の実施形態においては、電界通信装置TRXは、送信側主電極ESBおよび受信側主電極ERBと、送信側帰還電極ESGおよび受信側帰還電極ERGとを、別々の構成とする態様を例に採り説明をおこなった。しかし、送信側主電極ESBおよび受信側主電極ERBを同一の構成とする態様を採っても構わない。また、送信側帰還電極ESGおよび受信側帰還電極ERGを同一の構成とする態様を採っても構わない。
(変形例2)上述の実施形態においては、電界通信装置TRXは、送信機能および受信機能を共に実現可能な構成を備えるものとして説明を行った。しかし、電界通信装置TRXは、用途に応じて、送信機能または受信機能の一方のみを実現する構成を採っても構わない。この場合、電界通信装置TRXは、その実現する機能に応じて、主電極および帰還電極を、送信または受信のどちらか一方のみ備えれば良い。同様に、電界通信装置TRXは、送信側制御部MPUTまたは受信側制御部MPURの何れか一方を備えれば良い。
(変形例3)上述の実施形態においては、電界通信装置TRXは、10BASE−2方式を単一の変調方式として用いた。この場合、一つの伝送路(一つの人体HB)で信号を送信可能な電界通信装置TRXは1台に制限される。しかし、変調に用いる周波数を複数用いる、または、複数の変調方式を採用することにより、信号を同時に送信可能な電界通信装置TRXの台数を増やす態様を採っても構わない。電界通信装置TRXが利用可能な変調方式は、10BASE−2方式に限られるものではない。電界通信装置TRXは、例えば、イーサネットで標準的に用いられている10BASE−2、100BASE、1000BASE等のベースバンド方式に加え、AM(Amplitude Modulation:振幅変調)方式、PM(Phase Modulation:位相変調)方式、FM(Frequency Modulation:周波数変調)方式、PCM(Pulse Coded Modulation:パルス符号変調)方式、SS(Spectrum Spread:スペクトラム拡散)方式、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)方式もしくはUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)方式等、任意の方式を採用することが可能である。また、搬送波の周波数も、誘電体の導電性を良好なものとすることが可能であれば、どのようなものであっても構わない。
(変形例4)上述の実施形態においては、図4に示す送信アンプAPを用いて、変調された信号を、端子PおよびQ間の電位差として出力する態様を採って説明を行った。しかし、電界通信装置TRXにおいて利用可能な送信アンプAPは、図4に示すものには限られない。例えば、変調方式として100BASE−Tのように出力値が多値となる方式を選択した場合、図20に示す送信アンプを用いると良い。この場合、予め出力値として電圧値を設定しておき、入力信号に従ってスイッチを切り換えれば、多値の電圧値を出力することができる。また、図21に示す構成の送信アンプを用いることも可能である。同図に示す送信アンプは、入力信号に従ってスイッチを切り換えることが可能であり、10BASE−2のような2値出力の変調方式には適している。
(変形例5)上述の実施形態においては、電界センサESは、レーザー光線が電気光学結晶EOを通過したレーザー光線の偏光状態に基づいて、電気信号を出力する態様を採って説明を行った。しかし、電界センサESは、レーザー光線が電気光学結晶EOに入射する前後の光の干渉を測定し、これにより電界の変化を測定して電気信号を出力する態様であっても構わない。要は、電界センサESが、電気光学結晶EOに到達する電界の変化に基づいて電気信号を出力することが可能な構成であれば、電界センサESの横成および作用は、どのようなものであっても構わない。
[5.第2実施形態]
[5−1.第2実施形態の構成]
図27は、本発明の第2実施形態に係わる通信システムの全体構成を例示する図である。
送信機HTRXは、人体HBに装着される通信装置であり、人体HBを伝送路として通信を行う機能を有している。通信ユニットCPは、部屋RMの床面に設置される建築部材であり、通信装置である受信機FTRXを有している。ゲートウェイGWは、インターネットINETに接続されている通信装置(図示略)と、受信機FTRXとの間で行われる通信を中継するものであり、インターネットINETおよび受信機FTRXに接続されている。
受信機FTRXは、ゲートウェイGWを介して、インターネットINETに接続されている通信装置と通信を行う機能を有している。また、受信機FTRXは、人体HBを伝送路として、人体HBに装着される送信機HTRXと通信を行う機能を有している。部屋RMの天井には受信側帰還電極ERGが設置されており、この受信側帰還電極ERGは、受信機FTRXのGND(グラウンド)に接続されている。
図27に示した通信システムにおいて、送信機HTRXは、人体HB、通信ユニットCPに内蔵されている受信機FTRX、ゲートウェイGWおよびインターネットINETを介して、インターネットINETに接続されている通信装置との間で通信を行う。
[5−1−1.送信機HTRXの構成]
図28は、送信機HTRXのハードウェア構成を例示するブロック図である。
筐体CS1は、箱形の形状を有しており、以下に説明する送信機HTRXを構成する各部を収容している。
マイクロコンピュータMC1は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート(いずれも図示略)などを備えた、一般的なマイクロコンピュータである。ROMには、受信機FTRXやインターネットINETに接続されている通信装置など他の通信装置と通信を行うための制御プログラムが記憶されている。マイクロコンピュータMC1は、図示を省略した電源が入れられると、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行し、送信機HTRXの各部の制御を行う。
絶縁体HISは、筐体CS1が人体HBに接する面、すなわち、送信側主電極ESBが設置されている面に設置されており、人体HBと筐体CS1との間を絶縁する。送信側帰還電極ESGは、送信機HTRXが人体に装着された時に大気に接する位置に設置されている電極であり、その表面が絶縁体で覆われている。送信側帰還電極ESGは、送信機HTRXのGND(グラウンド)に接続されている。
変調装置EC1は、マイクロコンピュータMC1に接続されている。また変調装置EC1は、人体HBに接する送信側主電極ESBに接続されている。変調装置EC1は、マイクロコンピュータMC1から出力された信号が入力されると、人体が良い導電性を示す数十kHz以上の周波数の搬送波を、入力された信号に対応して変調する。また、変調装置EC1は、図示を省略した送信アンプを有しており、変調後の信号に基づいて、送信側主電極ESBおよび送信側帰還電極ESG間に電位差を発生させる。これにより、変調後の信号に対応した電界が人体HBに与えられる。なお、変調装置EC1が使用する搬送波の周波数を、周囲からのノイズが入りにくい周波数とすれば、通信品質をより安定したものとすることができる。なお、本発明の要旨とは関係がないため図示を省略しているが、この送信機HTRXは、バッテリー、メモリ、操作キー等をさらに有している。
[5−1−2.通信ユニットCPの構成]
図29は、通信ユニットCPの構成を例示する図である。図29に示すように、通信ユニットCPは、受信機FTRX、受信側主電極ERB、インシュレータINSからなる。受信側主電極ERBは、電界の変化を測定するためのものであり、受信機FTRXに接続されている。インシュレータINSは、絶縁体であり、通信ユニットCPが図27に示すように部屋RMに設置された際に、受信側主電極ERBと部屋RMの床面との間を絶縁する。
[5−1−3.受信機FTRXの構成]
図30は、通信ユニットCPに内蔵されている受信機FTRXのハードウェア構成を例示するブロック図である。
筐体CS2は、箱形の形状を有しており、以下に説明する受信機FTRXを構成する各部を収容している。絶縁体FISは、筐体CS2が受信側主電極ERBに接する面に設置されており、受信側主電極ERBと筐体CS2との間を絶縁する。
マイクロコンピュータMC2は、送信機HTRXが有するマイクロコンピュータと同様な一般的なマイクロコンピュータである。受信機FTRXのマイクロコンピュータMC2のROMには、送信機FTRXやインターネットINETに接続されている通信装置など、他の通信装置と通信を行うための制御プログラムが記憶されている。マイクロコンピュータMC2は、図示が省略された電源が入れられると、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行し、受信機FTRXの各部の制御を行う。
電気光学結晶EOaは、CdTe、ZnTe、Bi12GeO20、Bi12SiO20、BiGe12、LiNbO、LiTaO等の結晶であり、印加された電界によって屈折率が変化する、所謂ポッケルス効果に従う結晶である。電気光学結晶EOaは、円柱状の形状を有している。EOa用電極EOBaは、電気光学結晶EOaの端面に設置された電極であり、電気光学結晶の底面(円形)と同じ大きさを有している。EOa用電極EOBaは、受信側主電極ERBに接続されている。EOa用電極EOBaが電気光学結晶に接している面は鏡面となっており、光測定器DTaから出力されたレーザ光を反射する。EOa用電極EOGaは、電気光学結晶EOaに設置されている電極であり、図30に示した電極ERGに接続されている。受信側帰還電極ERGは、送信機HTRXのGND(グラウンド)に接続されている。EOa用電極EOBaとEOa用電極EOGaは、図30に示したように、電気光学結晶EOaを挟むように設置される。これにより、図11に示したように、電気光学結晶EOaを通過する電気力線の数をふやすことができ、より遠距離まで通信を行うことが出来るようになる。
光測定器DTaは、電気光学結晶EOaの屈折率の変化を測定するためのものである。光測定器DTaは、電気光学結晶EOaにレーザ光を照射するための光線源となる半導体レーザダイオードLDaや、この光線源から照射されたレーザ光を受光するためのフォトダイオードPDaを用いた受光部などを有している。この受光部は、光線源からレーザ光が電気光学結晶EOaへと照射され、電気光学結晶EOaを透過した透過光がEOa用電極EOBaにて反射された場合に、その反射光を受光することができる位置に設けられている。従って、電気光学結晶EOaの屈折率に変化が生じた場合、電気光学結晶EOaを透過するレーザ光の偏光状態が変化する。この変化により、受光部においては、受光量が変化する。この結果、光測定器DTaは、この受光量の変化に基づいて電気光学結晶EOaの屈折率の変化を測定することができる。電気光学結晶EOaの屈折率に変化が発生した場合、光測定器DTaは、電気光学結晶EOaの屈折率の変化を測定し、この測定結果を電気信号に変換し、復調装置DCaへ出力する。
復調装置DCaは、光測定器DTaから出力された電気信号を復調するものであり、マイクロコンピュータMC2に接続されている。インターフェースIFは、マイクロコンピュータMC2および図27に示したゲートウェイGWに接続されており、マイクロコンピュータMC2とゲートウェイGWとの間で行われる通信を中継する。マイクロコンピュータMC2は、復調装置DCaから出力された信号を受信すると、インターフェースIFを制御することにより、受信した信号をゲートウェイGWを介して、インターネットINETに接続されている通信装置へ送信する。
なお、変調装置EC1において使用される変調方式、および復調装置DCaにおいて使用される復調方式は、人体が良い導電性を示す数十kHz以上の周波数が用いられるものであれば任意に選択可能であり、例えば、AM(Amplitude Modulation)方式、FM(Frequency Modulation)、PM(Phase Modulataion)方式、PCM(Pulse Coded Modulation)方式、SS(Spectrum Spread)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、UWB(Ultra Wide Band)方式等を用いることができる。なお、本発明の要旨とは関係がないため図示を省略しているが、この受信機FTRXは、バッテリー、メモリ、操作キー等をさらに有している。
次に、図27において、送信機HTRXと受信機FTRXとの間で通信が行われる場合の伝送路について説明する。送信機HTRXが電界を発生させると、電気力線は、人体HBに沿って広がり、通信ユニットCPの受信側主電極ERBへ伝わる。受信側主電極ERBに伝わった電気力線は、受信機FTRX内へ取り込まれ、受信側主電極ERBに接続されているEOa用電極EOBaを介して、電気光学結晶EOaへと伝わる。電気光学結晶EOaに伝わった電気力線は、EOa用電極EOGaを介して、部屋RMの天井に設置されている受信側帰還電極ERGへ伝わる。受信側帰還電極ERGに伝わった電気力線は、大気を介して送信機HTRXの送信側帰還電極ESGへ戻る。受信側帰還電極ERGは、人体HBが触れることがない位置である天井に設置されているため、人体HBが受信側帰還電極ERGに触れることにより信号の伝送路が短絡する虞がない。
[5−2.第2実施形態の動作例]
本発明の第2実施形態において、送信機HTRXが、インターネットINETに接続されている通信装置へデータを送信する場合の動作例について説明する。
まず、送信機HTRXにおいて、送信機HTRXが送信するデータがマイクロコンピュータMC1から変調装置EC1へ出力される。変調装置EC1は、マイクロコンピュータMC1から出力された信号が入力されると、この信号を用いて、人体が良い導電性を示す数十kHz以上の周波数の搬送波を変調する。送信機HTRXは、この変調後の信号を、変調装置EC1の送信アンプにて増幅した後、増幅後の信号に基づいて送信側主電極ESBと送信側帰還電極ESGとの間に電位差を発生させる。これにより人体HBに電界が発生する。
受信機FTRXでは、人体HBに与えられた電界により、受信側主電極ERBと受信側帰還電極ERGとの間に電位差が生じる。すると、この電位差に応じて、電気光学結晶EOaの屈折率が変化する。電気光学結晶EOaの屈折率の変化は、光測定器DTaにより測定され、電気信号に変換される。屈折率の変化は電界の変化に基づくものであり、この電気信号の変化は電界を放射した送信機HTRXにおいて変調された信号に基づく。変換された電気信号は、光測定器DTaから出力され、復調装置DCaに入力される。
復調装置DCaでは、光測定器DTaから出力された信号が復調され、送信機HTRXのマイクロコンピュータMC1が出力した信号が復元される。復調装置DCaにて復調された信号は、復調装置DCaから出力され、受信機FTRXのマイクロコンピュータMC2に入力される。マイクロコンピュータMC2に入力された信号は、インターフェースIFへ出力される。インターフェースIFに入力された信号は、インターフェースIFから出力された後、ゲートウェイGWを介して、インターネットINETに接続されている通信装置へ送られる。
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、天井に受信側帰還電極ERGを設置したことにより、信号の伝送路となる人体HBが、帰還伝送路を確立している受信側帰還電極ERGに触れる虞がなくなり、通信が途絶するのを防止できる。また、受信側帰還電極ERG、送信側帰還電極ESGが設けられているため、安定した通信を行うことが可能となる。また、部屋RMが、上述したように電極が配置されて製造されると、送信機HTRXと受信機FTRXは、部屋RM内にて通信を行うことが可能となる。
[6.第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。図31は、通信ユニットTCPの外観を例示する斜視図である。本発明の第3実施形態に係わる通信システムは、本発明の第2実施形態に係わる通信システムにおいて部屋RMの床面に設置されている通信ユニットCPを、図31に例示した方形なタイルの形状を有する通信ユニットTCPに替えている点が、本発明の第2実施形態と異なる点である。第3実施形態に係わる通信システムにおいて、通信ユニットTCP以外の他の構成要素は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
[6−1.第3実施形態の構成]
通信ユニットTCPの構成について、図31および図32を用いて説明する。図32は、通信ユニットTCPの断面を例示する図である。図32に示したように、通信ユニットTCPは、インシュレータINSと、インシュレータINSに内蔵されている受信機FTRXと、受信側主電極ERBと、カーペットCAと、受信側帰還電極ERGとを有している。
受信側帰還電極ERGには、受信機FTRXのGND(グラウンド)と、EOa用電極EOGaとが接続されており、図31および図32から明らかなように、インシュレータINSの周囲を取り囲むように設置されている。インシュレータINSの上面には、受信側主電極ERBが設置されており、受信側主電極ERBの上面は、カーペットCAで覆われている。受信側主電極ERBは、受信機FTRXのEOa用電極EOBaに接続されている。また、受信機FTRXは、第2実施形態の通信ユニットCPと同様に、インターネットINETに接続されているゲートウェイGWに接続されている。
通信ユニットTCPは、図33に示すように部屋RMの床面に、タイルカーペットのように敷き詰められて設置される。図34は、図33に示すように敷き詰められた通信ユニットTCPの断面を示す図である。図34に示すように、通信ユニットTCPがタイルカーペットのように敷き詰められて設置される場合には、隣り合う通信ユニットTCPとの間に生じる空間、即ち、受信側帰還電極ERGの上部に生じる空間に、インシュレータGISが設置される。
送信機HTRXが電界を発生させると、電気力線は、人体HBに沿って広がり、通信ユニットTCPの受信側主電極ERBへ伝わる。受信側主電極ERBに伝わった電気力線は、受信機FTRX内へ取り込まれ、受信側主電極ERBに接続されているEOa用電極EOBaを介して、電気光学結晶EOaへと伝わる。電気光学結晶EOaに伝わった電気力線は、EOa用電極EOGaを介して、通信ユニットTCPに設置されている受信側帰還電極ERGへ伝わる。受信側帰還電極ERGに伝わった電気力線は、大気を介して送信機HTRXの送信側帰還電極ESGへ戻る。受信側帰還電極ERGは、人体HBが触れることがない位置であるインシュレータGISの下部に設置されているため、人体HBが受信側帰還電極ERGに触れることにより信号の伝送路が短絡する虞がない。
なお、通信ユニットTCPをタイルカーペットのように敷き詰めた場合に、隣り合う通信ユニットTCPとの間に生じる溝の幅を、人体HBが受信側帰還電極ERGに接触しない程度に狭くなるようにすれば、人体HBが受信側帰還電極ERGに触れることがなくなるので、インシュレータGISを設けなくてもよいが、溝に導電性があるゴミなどの異物が入ると通信に支障をきたす虞があるので、インシュレータGISを設けることが望ましい。
[6−2.第3実施形態の動作例]
次に本発明の第3実施形態において、送信機HTRXが、インターネットINETに接続されている通信装置へデータを送信する場合の動作例について説明する。なお、送信機HTRXが電界を発生させるまでの動作は、第2実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
送信機HTRXが人体HBに電界を与えると、受信機FTRXの受信側主電極ERBと受信側帰還電極ERGとの間に電位差が生じる。受信機FTRXは、光測定器DTaを用いて、送信機HTRXがデータを送信するために用いた変調信号を、この電位差から得る。受信機FTRXが、得られた変調信号を復調装置DCaを用いて復調すると、送信機HTRXが送信したデータが得られる。得られたデータは、受信機FTRXのマイクロコンピュータMC2に入力される。マイクロコンピュータMC2に入力された信号は、インターフェースIFへ出力される。インターフェースIFに入力された信号は、インターフェースIFから出力された後、ゲートウェイGWを介して、インターネットINETに接続されている通信装置へ送られる。
以上説明したように、本発明の第3実施形態によれば、受信側帰還電極ERGがインシュレータGISの下部に設置されるようになるため、人体HBが、帰還伝送路を確立している受信側帰還電極ERGに触れることがなくなり、通信が途絶するのを防止できる。また、本発明の第3実施形態によれば、第2実施形態のように、受信側帰還電極ERGを天井に設置する必要がなくなるので、第2実施形態に比べて部屋の施工が容易になり、部屋の景観を損なうことがなくなる。また、通信ユニットTCPをタイルカーペットのように敷き詰めた場合に、インシュレータGISを用いることにより、段差を解消しつつ溝に埃がたまるのを防ぐことができる。
[7.第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態について説明する。図35は、通信ユニットTMAの外観を例示した斜視図である。本発明の第4実施形態に係わる通信システムは、本発明の第3実施形態に係わる通信システムにおいて部屋RMの床面に設置されている通信ユニットTCPを、図35に例示した形状を有する通信ユニットTMAに替えている点が、本発明の第3実施形態と異なる点である。この通信ユニットTMAは、日本で部屋に引くマットの一種である畳の形状をしている。このように通信ユニットを畳の形状にすることにより、部屋の美観を損なうことがなくなる。もちろん、通信ユニットを他の形状やデザインにすることもできる。第4実施形態に係わる通信システムにおいて、通信ユニットTMA以外の他の構成要素は、第2実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
[7−1.第4実施形態の構成]
通信ユニットTMAの構成について、図35および図36を用いて説明する。図36は、通信ユニットTMAの断面を例示する図である。図36に示したように、通信ユニットTMAは、インシュレータINSと、インシュレータINSに内蔵されている受信機FTRXと、受信側主電極ERBと、畳表Tと、受信側帰還電極ERGと、通信ユニットTMAの長手方向の側面に設置されている、縁HRとを有している。また、通信ユニットTMAは、縁HRと、受信側帰還電極ERGと、インシュレータINSとで囲まれた空間に、インシュレータGISを有している。
受信側帰還電極ERGは、受信機FTRXのGND(グラウンド)と、EOa用電極EOGaとに接続されており、図35および図36から明らかなように、インシュレータINSの長手方向の側面に沿って設置されている。インシュレータINSの上面には、受信側主電極ERBが設置されており、受信側主電極ERBの上面は、畳表Tで覆われている。受信側主電極ERBは、受信機FTRXのEOa用電極EOBaが接続されている。また、受信機FTRXは、第2実施形態の通信ユニットCPと同様に、インターネットINETに接続されているゲートウェイGWに接続されている。通信ユニットTMAは、通常の畳と同様に、部屋RMの床面に畳のように敷き詰められて設置される。
送信機HTRXが電界を発生させると、電気力線は、人体HBに沿って広がり、通信ユニットTMAの受信側主電極ERBへ伝わる。受信側主電極ERBに伝わった電気力線は、受信機FTRX内へ取り込まれ、受信側主電極ERBに接続されているEOa用電極EOBaを介して、電気光学結晶EOaへと伝わる。電気光学結晶EOaに伝わった電気力線は、EOa用電極EOGaを介して、通信ユニットTMAに設置されている受信側帰還電極ERGへ伝わる。受信側帰還電極ERGに伝わった電気力線は、大気を介して送信機HTRXの送信側帰還電極ESGへ戻る。受信側帰還電極ERGは、人体HBが触れることがない位置である縁HRおよびインシュレータGISの下部に設置されているため、人体HBが受信側帰還電極ERGに触れることにより信号の伝送路が短絡する虞がない。
[7−2.第4実施形態の動作例]
次に本発明の第4実施形態において、送信機HTRXが、インターネットINETに接続されている通信装置へデータを送信する場合の動作例について説明する。なお、送信機HTRXが電界を発生させるまでの動作は、第2実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
送信機HTRXが人体HBに電界を与えると、受信機FTRXの受信側主電極ERBと受信側帰還電極ERGとの間に電位差が生じる。受信機FTRXは、光測定器DTaを用いて、送信機HTRXがデータを送信するために用いた変調信号を、この電位差から得る。受信機FTRXが、得られた変調信号を復調装置DCaを用いて復調すると、送信機HTRXが送信したデータが得られる。得られたデータは、受信機FTRXのマイクロコンピュータMC2に入力される。マイクロコンピュータMC2に入力された信号は、インターフェースIFへ出力される。インターフェースIFに入力された信号は、インターフェースIFから出力された後、ゲートウェイGWを介して、インターネットINETに接続されている通信装置へ送られる。
以上説明したように、本発明の第4実施形態によれば、受信側帰還電極ERGが縁HRおよびインシュレータGISの下部に設置されるようになるため、人体HBが、帰還伝送路を確立している受信側帰還電極ERGに触れることがなくなり、通信が途絶するのを防止できる。また、本発明の第4実施形態によれば、第2実施形態のように、受信側帰還電極ERGを天井に設置する必要がなくなるので、第2実施形態に比べて部屋の施工が容易になる。また、第2実施形態のように、受信側帰還電極ERGを人の目につく位置に設置しないので部屋の景観を損なうことがなくなる。また、インシュレータINSを畳の形状に似せた場合、通常、畳の長手方向に設けられている縁の部分に受信側帰還電極ERGを配置することで、畳としての外観を保ちつつ、良好な通信を行うことが可能となる。
[8.第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態について説明する。図37は、本発明の第5実施形態に係わる通信システムの構成を例示する図である。本発明の第5実施形態に係わる通信システムは、本発明の第2実施形態に係わる通信システムの受信側帰還電極ERGを、部屋RMを構成する鉄骨SKに替えている点が、本発明の第2実施形態と異なる点である。帰還電極となる鉄骨SKは、受信機FTRXのGND(グラウンド)とEOa用電極EOGaに接続されている。第5実施形態に係わる通信システムにおいて、鉄骨SK以外の他の構成要素は、第2実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
送信機HTRXが電界を発生させると、電気力線は、人体HBに沿って広がり、通信ユニットCPの受信側主電極ERBへ伝わる。受信側主電極ERBに伝わった電気力線は、受信機FTRX内へ取り込まれ、受信側主電極ERBに接続されているEOa用電極EOBaを介して、電気光学結晶EOaへと伝わる。電気光学結晶EOaに伝わった電気力線は、EOa用電極EOGaを介して、受信機FTRXに接続されている鉄骨SKへ伝わる。鉄骨SKに伝わった電気力線は、大気を介して送信機HTRXの送信側帰還電極ESGへ戻る。鉄骨SKは、人体HBが触れることがない位置で壁面内部に設置されているため、人体HBが帰還電極である鉄骨SKに触れることにより信号の伝送路が短絡する虞がない。
次に本発明の第5実施形態において、送信機HTRXが、インターネットINETに接続されている通信装置へデータを送信する場合の動作例について説明する。なお、送信機HTRXが電界を発生させるまでの動作は、第2実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
送信機HTRXが人体HBに電界を与えると、受信機FTRXの受信側主電極ERBと鉄骨SKとの間に電位差が生じる。
受信機FTRXは、光測定器DTaを用いて、送信機HTRXがデータを送信するために用いた変調信号を、この電位差から得る。受信機FTRXが、得られた変調信号を復調装置DCaを用いて復調すると、送信機HTRXが送信したデータが得られる。得られたデータは、受信機FTRXのマイクロコンピュータMC2に入力される。マイクロコンピュータMC2に入力された信号は、インターフェースIFへ出力される。インターフェースIFに入力された信号は、インターフェースIFから出力された後、ゲートウェイGWを介して、インターネットINETに接続されている通信装置へ送られる。
以上説明したように、本発明の第5実施形態によれば、建築物の壁面内部の鉄骨SKを帰還電極とするので、人体HBが、帰還伝送路を確立している鉄骨SKに触れることがなく、通信が途絶するのを防止できる。また、第2実施形態のように受信側帰還電極ERGを部屋に設置したりする必要がなくなるので、第2実施形態に比べて部屋の施工が容易になり、部屋の景観を損なうことがなくなる。
[9.第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態について説明する。図38は、本発明の第6実施形態に係わる通信システムの構成を例示する図である。図38に示したように、本発明の第6実施形態は、第2実施形態にて説明した通信システムを、複数階を有する建築物に設置している。なお、図38においては、ゲートウェイGWとインターネットINETの図示を省略している。
[9−1.第6実施形態の構成]
ビルBLは、3つの階からなる建物であり、各階の部屋RMnに通信ユニットCPnと受信側帰還電極ERGnとが設置されている(nは、階を示す整数)。各階に設けられている通信ユニットCPnに内蔵されている受信機FTRXnは(nは、階を示す整数)、ゲートウェイGWに接続されている。ゲートウェイGWは、第2実施形態と同様に、図示を省略した通信装置が接続されているインターネットINETに接続されている。
また、各階の通信ユニットCPnに内蔵されている受信機FTRXnのGND(グラウンド)は、部屋RMnの天井に設置されている受信側帰還電極ERGnに接続されている。各階に居る人物は、各々送信機HTRXn(nは、階を示す整数)を有している。
送信機HTRXnが電界を発生させると、電気力線は、人体HBn(nは、階を示す整数)に沿って広がり、通信ユニットCPの受信側主電極ERBnへ伝わる。受信側主電極ERBnに伝わった電気力線は、受信機FTRX内へ取り込まれ、受信側主電極ERBnに接続されているEOa用電極EOBaを介して、電気光学結晶EOaへと伝わる。電気光学結晶EOaに伝わった電気力線は、EOa用電極EOGaを介して、通信ユニットCPnに設置されている受信側帰還電極ERGnへ伝わる。受信側帰還電極ERGnに伝わった電気力線は、大気を介して送信機HTRXの送信側帰還電極ESGへ戻る。受信側帰還電極ERGnは、人体HBが触れることがない位置である天井に設置されているため、人体HBnが受信側帰還電極ERGnに触れることにより信号の伝送路が短絡する虞がない。
[9−2.第6実施形態の動作例]
次に本発明の第6実施形態において、送信機HTRXnが、インターネットINETに接続されている通信装置へデータを送信する場合の動作例について、ビルBLの2階を例に説明する。
まず、2階にいる人物が有する送信機HTRX2において、送信機HTRX2が送信するデータがマイクロコンピュータMC1から変調装置EC1へ出力される。変調装置EC1は、マイクロコンピュータMC1から出力された信号が入力されると、この信号を用いて、人体が良い導電性を示す数十kHz以上の周波数の搬送波を変調する。送信機HTRX2は、この変調後の信号を、変調装置EC1の送信アンプにて増幅した後、増幅後の信号に基づいて送信側主電極ESBと送信側帰還電極ESGとの間に電位差を発生させ、人体HB2に電界を与える。
受信機FTRX2では、人体HB2に与えられた電界により、受信側主電極ERBと受信側帰還電極ERG2との間に電位差が生じる。すると、この電位差に応じて、電気光学結晶EOaの屈折率が変化する。電気光学結晶EOaの屈折率の変化は、光測定器DTaにより測定され、電気信号に変換される。屈折率の変化は電界の変化に基づくものであり、この電気信号の変化は電界を放射した送信機HTRX2において変調された信号に基づく。変換された電気信号は、光測定器DTaから出力され、復調装置DCaに入力される。
復調装置DCaでは、光測定器DTaから出力された信号が復調され、送信機HTRX2のマイクロコンピュータMC1が出力した信号が復元される。復調装置DCaにて復調された信号は、復調装置DCaから出力され、受信機FTRX2のマイクロコンピュータMC2に入力される。マイクロコンピュータMC2に入力された信号は、インターフェースIFへ出力される。インターフェースIFに入力された信号は、インターフェースIFから出力された後、ゲートウェイGWを介して、インターネットINETに接続されている通信装置へ送られる。
以上説明したように、本発明の第6実施形態よれば、各階に居る人物が有する送信機HTRXnは、当該送信機HTRXnが存在する階の通信ユニットCPnおよび受信側帰還電極ERGnを用いて通信を行うので、各階毎に設けられた通信システムは、独立して動作することが可能となる。
[10.変形例]
(変形例1)
上述した実施形態では、受信機FTRXの受信側帰還電極ERGを天井に設置するようにしたが、設置場所は天井に限定されるものではない。例えば、図39に示したように、壁面の「回り付け」部分(受信側帰還電極MG)、壁面の「長押」部分(受信側帰還電極NG)、壁面の「巾木」部分(受信側帰還電極KG)など、人体HBに触れにくい場所であれば他の場所であってもよい。
(変形例2)
上述した実施形態では、受信側主電極ERBの上面にカーペットや畳を設置したが、受信側主電極ERBの上面に設置するものは、これに限定されるものではなく、絨毯、人工芝やラバーマットなどでもよい。
(変形例3)
人体に装着されている送信機は、家電製品や動植物などに設置してもよい。また本発明において、人体HB等の誘電体は必ず用いられるとは限らない。図40は、電気機器APPTRXに送信機HTRXの機能を持たせた例を示す図である。電気機器APPTRXは、例えば、テレビやラジオ、パーソナルコンピュータ等の電子機器であって、送信機HTRXと同様に、マイクロコンピュータおよび変調装置を有している。この変調装置は、送信側主電極ABに接続されている。また、電気機器APPTRXのGND(グラウンド)は、受信側帰還電極AGに接続されている。送信側主電極ABおよび受信側帰還電極AGの表面は、ともに絶縁体でおおわれている。
この電気機器APPTRXの場合、当該電気機器APPTRXを通信ユニットCPの上に置くことで、電気機器APPTRXの送信側主電極ABと、通信ユニットCPの受信側主電極ERBとが対向し、電界を用いた通信を行うことが可能となる。これにより、電気機器APPTRXは、ゲートウェイGWを介してインターネットINETに接続されている通信装置と通信を行うことが可能となる。
なお、このようにして電気機器APPTRXと、通信ユニットCP内の通信装置FTRXとが通信を行う場合は、人体HBを伝送路として用いていないので、電界を発生させるために用いる搬送波の周波数を、人体HBが良い導電性を示す数十kHz以上の範囲に限定する必要はない。すなわち、上述した範囲よりも低いキャリア周波数を有する搬送波を用いてもよい。
(変形例4)
第6実施形態において、通信ユニットCPnのインシュレータINSが薄いと、受信側主電極ERBnと受信側主電極ERBnが設置されている直下の階の天井に設置してある受信側帰還電極ERG(n−1)との間で、結合が生じる虞がある。これを防止するために、各階の通信ユニットCPnのインシュレータINSを厚くすると共に、各階の天井に設置されている受信側帰還電極ERGnと天井との間に、絶縁体を挿入するようにしてもよい。このような態様によれば、受信側主電極ERBnと、受信側帰還電極ERG(n−1)との間で結合が生じる虞を小とすることが可能となる。
(変形例5)
本発明の第6実施形態では、受信側帰還電極ERGnを各階毎に設置するようにしているが、図41に示したように、ビルBLを構成する鉄骨SKを受信側帰還電極ERGの代わりとしてもよい。この態様によれば、帰還電極を部屋毎に設置することが無くなるため、簡便に通信システムの設置を行うことが可能となる。
(変形例6)
また、送信機HTRXおよび受信機FTRXが、複数のキャリア周波数を使用できるようにすれば、一つの通信ユニットCPに対して通信できる送信機HTRXの数を増やすことが可能となる。
(変形例7)
また、上述した実施形態において、送信機HTRXの送信側主電極ESBは、人体HBに接するものとしたが、衣服の上や、若干の空間があってもよい。
(変形例8)
上述した送信機と受信機の機能を一体化した送受信機を、人体HBに装着したり、通信ユニットCPに内蔵させるようにしてもよい。送受信機は、送信側主電極および受信側主電極を一体化した主電極を有する一方、送信側帰還電極および受信側帰還電極を一体化した帰還電極を有するようにしてもよい。勿論、送受信機は、送信側主電極と受信側主電極、あるいは送信側帰還電極と受信側帰還電極を別々に備えている構成であってもよい。このような態様によれば、人体HBに装着される通信機と通信ユニットCPに内蔵されている通信機との間で双方向の通信を行うことが可能となる。また、送信機と受信機の機能を一体化した送受信機を床に設置する通信ユニットCP、通信ユニットTCP、通信ユニットTMAに内蔵させる態様において、前述の各通信ユニットに内蔵させる送受信機に、ルータの機能を持たせるようにしてもよい。また、通信ユニットに送信機、人体に受信機を配置する構成にしてもよい。この場合、送信機の送信側主電極は、通信ユニットの上面に配置され、送信機の送信側帰還電極は、人体が触れることのない天井などに配置される。
送信機と受信機の機能を一体化させた送受信機を通信ユニットCPに内蔵させる場合、図42に示したように送信側帰還電極ESGを天井に、受信側帰還電極として、受信側帰還電極NGを部屋の長押部分に設置するようにしてもよい。もちろん、送信側帰還電極ESGと受信側帰還電極ERGの位置は、上述した位置以外に、回り付け、巾木に配置するようにしてもよい。また、同じ部屋の同じ部分に、送信側帰還電極ESG、受信側帰還電極ERGを配置するようにしてもよい。
さらに、図43に示したように、送信側帰還電極ESGを通信ユニットCPの側面に配置し、受信側帰還電極ERGを天井に配置するようにしてもよい。この場合、受信側帰還電極は、回り付け、長押、巾木に配置するようにしてもよい。また、この場合に、受信側帰還電極として、部屋RMを構成する鉄骨を受信側帰還電極とするようにしてもよい。
また、部屋RMを構成する鉄骨を電極として使用する場合には、この鉄骨を通信ユニットCPに内蔵された送受信機の送信側帰還電極としてもよいし、送信側帰還電極と受信側帰還電極とを一体化した電極としてもよい。
送信機と受信機の機能を一体化させた送受信機を通信ユニットTCPに内蔵させる場合、図44に示したように、インシュレータINSの側面部に送信側帰還電極ESGを配置し、送信側帰還電極ESGを配置した側面部と直交する側面部に受信側帰還電極ERGを配置するようにしてもよい。また、図45に示したように、インシュレータINSの側面部を取り巻くように、送信側帰還電極ESGと、受信側帰還電極ERGとを配置するようにしてもよい。
(変形例9)
上述した実施形態においては、より安定した通信を行えるようにするため、通信装置HTRXの送信側帰還電極ESGをGNDに接地するとともに、天井や側壁に設けられた受信側帰還電極ERGにGND(グラウンド)電位を与えるようにした。このように、安定した通信を行えるようにするためには、送信側帰還電極ESGと受信側帰還電極ERGに安定した電位を与えればよい。したがって、例えば、送信側帰還電極ESGや受信側帰還電極ERGが、筐体CS1、CS2や、安定した同じ電位を供給するプラス電源やマイナス電源等の低インピーダンスの信号源に個別に接続されていてもよい。なお、送信側帰還電極ESGと受信側帰還電極ERGに安定した同じ電位が与えられていなくても、通信を行うことは可能である。また、送信機HTRXが発生する電界が十分安定していれば、送信側帰還電極ESGは、いずれにも接続しなくてもよい。
(変形例10)
上述した第4実施形態では、通信ユニットTMAの長手方向の両側面に電極FGを設置しているが、どちらか一方の側面にのみ受信側帰還電極ERGを設置するようにしてもよい。
(変形例11)
上述した実施形態では、通信ユニットCP、通信ユニットTCP、通信ユニットTMAは、いずれも四角形であるが、各々の通信ユニットの形状は、四角形に限定されるものではない。円や楕円、四角形以外の多角形の形状であってもよい。
(変形例12)
上述した実施形態では、各々の通信ユニットや受信側帰還電極ERGは、建築物である部屋に設置されているが、各々の通信ユニットや帰還電極が設置されるのは、部屋に限定されるものではない。各々の通信ユニットや帰還電極は、電車、船や飛行機などの構造体に設置してもよい。
(変形例13)
上述した実施形態では、受信側主電極ERBが人体HBに接触する面を絶縁体で覆うようにしているが、人体HBに接触する面だけでなく、電極全体を絶縁体で覆うようにしてもよい。また、絶縁体がなくても通信システムの動作は変わらないので、絶縁体で覆わなくても良い。ただし、送信側主電極HSBおよび受信側主電極ERBは、通常、導電性物質で作られることとなり、金属イオンを含んでしまう。金属イオンを含む物質を長時間、人間の皮膚に接触させていると金属アレルギーを生じる場合がある。このようなことを防ぐために、本発明では、送信側主電極HSBおよび受信側主電極ERBの表面を絶縁体で覆っている。また、送信側主電極HSBおよび受信側主電極ERBの表面を絶縁物質で覆うことにより、人体HBと送信機HTRXや受信機FTRXとを絶縁し、万一の感電等を防ぐ効果もある。
(変形例14)
EOa用電極EOBaおよびEOa用電極EOGaは、電気光学結晶体EOaの底面または上面と同じ大きさ、あるいはそれよりも小さな大きさであることが望ましいが、このような大きさに限定されるものではない。勿論、電気光学結晶EOaの形状も円柱に限定されるものではない。また、EOa用電極EOBaおよびEOa用電極EOGaは、電気光学結晶EOaを挟んで配置されていればよく、必ずしも電気光学結晶EOaに当接されている必要はない。加えて、EOa用電極EOBaと受信側主電極ERB、EOa用電極EOGaと受信側帰還電極ERGは、必ずしも接続されている必要はない。すなわち、EOa用電極EOBaと受信側主電極ERB、EOa用電極EOGaと受信側帰還電極ERGがそれぞれ近接して設けられていれば、接続されていなくても、接続している場合と同等の役割を果たすことができる。
(変形例15)
上述した実施形態では、主電極と帰還電極の両方を備えた送信機および受信機について説明したが、帰還電極を必ず設置しなければならないということはない。例えば、図11に示す構成において、送信側帰還電極ERGを、接地された筐体CS1により代替する一方、受信機FTRXの受信側帰還電極ERGを取り外し、EOa用電極EOGaを接地する構成とし、このような構成を有する送信機HTRXと受信機FTRXとを一体化させた通信装置HTRX,FTRXを用いてもよい。
(変形例16)
上述した実施形態において、通信装置HTRXの送信側主電極ESBと送信側帰還電極ESGとの配置を入れ替える一方、通信装置FTRXの受信側主電極ERBと受信側帰還電極ERGとの配置を入れ替える構成、すなわち、天井に主電極、通信ユニットCPの表面に帰還電極を設ける構成としてもよい。この場合、測定される電位差の極性が逆になるが、極性に無関係なFM等の変復調方式を用いたり、あるいは通信装置HTRXや通信装置FTRXに極性反転回路を備えるようにすればよい。
(変形例17)
上述した実施形態において、筐体CS1、CS2は、その表面を絶縁体で覆うようにしてもよい。
[F.第7実施形態]
次に、上述の実施形態において説明した通信システムを利用して、電子機器に充電を行う方法について説明する。
本実施形態に係るタイルカーペットCPEnは、タイルカーペットの形状をしていて、床に敷き詰められて設置されるものである。またタイルカーペットCPEnは、上述の実施形態で説明した送信機および受信機を一体化した通信装置FTRXを内蔵するものである。図46に示すように、その上面に主電極FBが設けられている。この主電極FBの表面は絶縁膜で覆われている。また、このタイルカーペットCPEnに内蔵された通信装置FTRXには、側壁に設けられた帰還電極WGが接続されている。一方、電子機器APPは、例えば、テレビやパーソナルコンピュータ等の家電情報機器である。この電子機器APPは、底面に主電極APPBが設けられている一方、上面に帰還電極APPGが設けられている。これらの主電極APPBおよび帰還電極APPGについても、その表面が絶縁膜で覆われている。
次に、図47に示すように、タイルカーペットCPEnは、通信制御装置CCUXnと、通信装置FTRXと、発振器POSCと、分割スイッチFPSWとを有している。また、電子機器APPは、当該電子機器APPの各部を制御する制御部APPCUと、通信装置APPTRXと、分割スイッチAPSWと、整流回路BRGと、充電式のバッテリーBATとを有している。
タイルカーペットCPEn内の通信制御装置CCUXnは、例えば、電子機器APPから送信された充電モードへの移行を指令するコマンドを受信した場合等に、充電モードに移行する。充電モードの場合、まず、通信制御装置CCUXnは、分割スイッチFPSWに切換信号を送出し、分割スイッチFPSWを両方ともP側に接続する。一方、電子機器APPにおいても、制御部APPCUにより分割スイッチAPSWが両方ともP側に接続される。なお、例えば、分割スイッチFPSWの切換えを操作するための操作ボタンをタイルカーペットCPEnの上面に設け、ユーザがこの操作ボタンを操作して分割スイッチFPSWをP側またはD側に切換えるようにしてもよい。
次いで、通信制御装置CCUXnは、電子機器APPの充電を行うための交流電圧を発振器POSCから発生させる。これにより、主電極FBおよび帰還電極WGを介して、電子機器APPの主電極APPBおよび帰還電極APPG間に交流電圧が誘導される。電子機器APPでは、この交流電圧を整流回路BRGにより整流して直流電圧を得て、バッテリーBATを充電する。一方、通信モードの場合は、タイルカーペットCPEnの分割スイッチFPSWおよび電子機器APPの分割スイッチAPSWが全てD側に接続される。これにより、通信装置FTRXと通信装置APPTRXとの間で電界を用いた通信が行われる。
なお、タイルカーペットCPEnの分割スイッチFPSWと、電子機器APPの分割スイッチAPSWとを同期させてP側およびD側に切換える動作を繰り返すことで、充電モードと通信モードを時分割で行うことが可能となる。このような場合における分割スイッチFPSW,APSWの切換え動作例について図48に示す。同図において、「D」は、分割スイッチFPSW,APSWの全てのスイッチがD側に接続され、通信モードである場合を示している。また、「P」は、分割スイッチFPSW,APSWの全てのスイッチがP側に接続され、充電モードである場合を示している。なお、同図において、横軸は時間、縦軸は電界の強さを示している。
また、図49に示すように、充電に用いる交流電圧の周波数帯域Pを、通信に使用する搬送波の周波数帯域Dと異ならせることにより、充電モードと通信モードとを同時に行えるようにすることもできる。同図において、横軸は周波数、縦軸は電界の強さを示している。但し、この場合は、発振器POSCから供給される充電用の交流電圧(周波数帯域P)と、通信装置FTRXから供給される通信用の交流電圧(周波数帯域D)とを合成して主電極FBおよび帰還電極WG間にに印加する回路を設ける必要がある。また、分割スイッチAPSWの代りに、主電極APPBおよび帰還電極APPG間に誘導された交流電圧から、充電用の交流電圧の成分と通信用の交流電圧の成分とを分離し、充電用の交流電圧の成分を整流回路BRGへ、通信用の交流電圧の成分を通信装置APPTRXへ出力する回路を設ける必要がある。
また、この場合、電子機器APPにおいて、主電極APPBおよび帰還電極APPG間に誘導された交流電圧に含まれている、充電用の周波数成分や、通信用のキャリア周波数成分の有無を検出する回路を設けるとよい。このようにすると、電子機器APPは、当該電子機器APPが置かれた場所が、充電が可能なタイルカーペットCPEnの上であるか否か、あるいは、通信が可能なタイルカーペットCPEnの上であるか否か等を判別することができる。
なお、電子機器APPの充電のみを行うのであれば、例えば、図47において、帰還電極WGおよび主電極FBの代りに1次コイルを設け、主電極APPBおよび帰還電極APPGの代りに2次コイルを設ける構成としてもよい。このようにしても、相互誘導作用により2次コイルに交流電圧が誘導される。この場合、1次コイルはタイルカーペットCPEn内の上面付近、2次コイルは電子機器APP内の底面付近に設けられる。また、充電のために電子機器APPをタイルカーペットCPEnの上に置いたときに、1次コイルと2次コイルの位置がきちんと重なるように、タイルカーペットCPEnの上面に充電用スペースを囲うラインや、位置合わせのためのマーク等が記されているとよい。
[第7実施形態の変形例]
<変形例1>
第7実施形態において、タイルカーペットCPEn内の通信制御装置CCUXnおよび通信装置FTRXと、電子機器APPとは、以下に述べるような制御を行う構成であってもよい。すなわち、通信制御装置CCUXnは、当該通信制御装置CCUXnの存在を報知する報知信号を通信装置FTRXから定期的に送信させる。電子機器APPでは、主電極APPBおよび帰還電極APPG間の電位差の測定結果に基づいて通信装置FTRXから送信されてくるデータを復調し、予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく上記報知信号を受信している間、当該電子機器APPが通信サービスエリア内にいることを示すメッセージやマークを表示画面に表示する。
また、電子機器APPに対して充電を行うことが可能なタイルカーペットCPEnであれば、通信制御装置CCUXnは、当該タイルカーペットCPEnにおいて充電を行うことが可能であること報知する充電報知情報を上記報知信号に付与して通信装置FTRXから定期的に送信させる。電子機器APPでは、予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく充電報知情報が付与された報知信号を受信している間、当該電子機器APPが充電を行うことの可能なタイルカーペットCPEnの上にいることを示すメッセージやマークを表示画面に表示する。
図50および図51は、本変形例に係る電子機器APPの画面表示例について示す図である。電子機器APPが充電可能なタイルカーペットCPEnの上にいる場合、当該電子機器APPの表示画面DPには、図50に示すように、充電が可能であることを示す充電マークMK1、電界受信レベルの強さを複数の波の数で示す電界強度マークMK2、通信サービスエリア内であることを示すエリア報知マークMK3が表示される。また、電子機器APPが通信サービスエリア外にいる場合、電子機器APPの表示画面DPには、図51に示すように、充電マークMK1および電界強度マークMK2は表示されず、通信サービスエリア外であることを示すエリア報知マークMK3のみが表示される。
勿論、充電マークMK1、電界強度マークMK2およびエリア報知マークMK3を表示画面DPに表示する代りに、その内容を音声メッセージ等でユーザに報知するようにしてもよい。また、人体HBに装着された通信装置HTRXに対して本変形例の内容を適用することも可能である。
[10.第8実施形態]
上述の説明において、通信を行っている装置の片方を逆に装着して、人体側に向ける電極と空間側に向ける電極を逆にした場合、例えば受信側帰還電極ERGを人体側に、受信側主電極ERBを空間側に向ける場合でも、極性反転装置を使用すれば正常に通信が可能であるとした。
以下に極性反転装置を有する電界通信装置の説明をする。
図52に、極性反転回路を有する電界通信装置TXaのブロック図を示す。図において、HBは人体である。また、TXaは送信機、RXaは受信機である。TXbおよびRXaはその筐体の外側に1組の電極をもつ。片方の電極TXB、RXBは、人体近傍側にむけて、もう片方の電極TXG、RXGは人体の外側である周囲の空間に向けて開放されるように設置されている。
TXaは送信ブロックTBKを用いて、電極TXB、TXGの間に変調された電圧を印加して信号を送出する。RXaは検出ブロックRBKを用いて、電極RXBとRXGの間にかかる電界を検出して信号を復調する。
この時、TXBとRXBがともに人体側(もしくは空間側)に向けて設置されている場合には、復調は正しく行われる。しかし、TXBとRXBの片方のみが人体側(もしくは空間側)に向けて設置されている場合には、RXaで検出される信号の極性が、送信されたものから反転してしまう。
図53に、極性が反転していない場合と、信号の極性が反転した場合に、検出ブロックRBKから出力される信号の図を示す。本実施形態においては、通信に10BASE−2を使用しているので、図53では、10BASE−2のフレームに先立って送られるプリアンブル部を例にしている。10BASE−2のイーサネットフレームにおいては、フレームに先立って、プリアンブル部分として、「10」が31回繰り返され、その後に「11」が送られる。この「11」に続いて、イーサネットフレーム本体が続く。図53の上は、このプリアンブル部の極性が正しい場合、図53の下は、このプリアンブル部の極性が反転した場合である。なお、10BASE−2は本来マンチェスタ符号化方式を使用しているが、簡単のため、図53の例では「1」で負電圧、「0」で正電圧とする符号表現を使用している。
検出ブロックRBKから出力される信号は、RXaの復調部DCbに入力される。RXaの復調部DCbは、信号のプリアンブルの検出部分があり、図54に示す処理を行う。
まず、復調部DCbはプリアンブル部の検出を行う。このプリアンブル部の検出は、「10」または「01」が、所定回数連続していることを検出することにより行う。「10」または「01」が所定回数連続していることを検出すると、プリアンブルであると仮定し、プリアンブル最後の「11」もしくは「00」が送られてくるのを待つ。
待機後に、「11」を検出すると、正しい極性のプリアンブルであるので、復調部DCbは、続くイーサネットフレームの極性を変更せずに復調する。
待機後に、「00」を検出すると、極性の反転されたプリアンブルであるので、復調部DCbは、続くイーサネットフレームの極性を反転させて復調する。この場合、1つのイーサネットフレーム全体を復調部DCb内に取り込んでから、極性反転するが、イーサネットフレームの最後まで1ビットずつ極性反転するようにしてもよい。
「11」もしくは「00」のビットを待っても検出されない場合、受信した「10」もしくは「01」のビット列を破棄し処理を終了する。
この方法によれば、プリアンブル部の31回の「10」を全て受信できなかった場合でも、プリアンブルとイーサネットフレームとの区切りと、極性が反転していることを検出することができる。
なお、極性の反転と非反転の状態は、ひとつのフレームの解析が終わる毎にリセットされる。これによって、設置状態の異なる複数の送受信機器間で反転状態への対応が出来る。
また、プリアンブルの検出部は、プリアンブルの先頭を検出して、「1010」でなく、「0101」で始まっていることを検出したら、極性が反転している可能性が高いとして、復調部DCbは反転回路RVを用いて、以降のビットの極性を反転するようにしてもよい。このようにすれば、プリアンブル最後のビット列を待たずにすむので処理が早くなると言う利点がある。
図55は、別の極性反転装置を有する電界通信装置RXbのブロック図である。図56に、電界通信装置RXbの行う処理のフローチャートを示す。電界通信装置RXbでは、復調器DCcにはメモリMMと反転回路RVが設置されている。まず電界通信装置RXbは、メモリMMをクリアしてイーサネットフレームの受信に備える。そして復調器DCcは、入力される信号にイーサネットフレームの先頭があるかを定期的に判断する。先頭が検出された場合は、復調器DCcは、検出ブロックRBkより入力されるフレームをメモリMMに蓄えつつ復調を行う。復調が正常に行われた場合には、復調器DCcは復調結果を出力し、また、メモリMMの内容は破棄され、次のフレームの解析に移る。
復調器DCcにおいて、復調時にエラーとなった場合には、メモリMMの内容を反転回路RVを通して極性反転させながら、読み出し、復調器DCcは再度復調処理を行う。復調が正常に行われた場合には、復調結果が出力されるとともに、メモリMMの内容は破棄され、次のフレームに移る。
2度の解析でもエラーとなった場合には、メモリMMの内容は破棄され、次のフレームの解析に移る。
なお、フレームの極性の反転と非反転の状態は、ひとつのフレームの解析が終わる毎にリセットされる。これによって、設置状態の異なる複数の送受信機間で反転状態への対応が出来る。
図57は、更に別の極性反転装置を有する電界通信装置RXcのブロック図である。この電界通信装置RXcでは、復調機が並列に2つ(DCd、DCe)設置されていて、DT2の入力は、反転回路RVによって極性反転されている。
2つの復調機はそれぞれ入力されたフレームを解析する。フレームの解析に成功した場合には、解析結果を出力する。2つの復調機の出力は統合復調機DTTによって合成されて出力される。
正常なフレームが入力された場合、DCdだけが結果を出力する。逆に極性反転されたフレームが入力された場合には、DCeのみが結果を出力する。このように、DCd、DCeは常に片方だけが結果を出力することになる。エラーフレームの場合、どちらも出力しない。これによって、設置状態の異なる複数の送受信機間で反転状態への対応が出来る。
[11.第9実施形態]
次に本発明の第9実施形態について説明する。図58は、通信ユニットTCPaの外観を例示する斜視図である。本発明の第9実施形態に係わる通信ユニットは、本発明の第3実施形態に係わる通信ユニットを、図58に示すように、受信側主電極ERBを一枚の板でなく格子状の構造にした点と、受信側帰還電極ERGを通信ユニットの四面と一体化させた点とが異なる。第9実施形態に係わる通信ユニットの他の構成および通信の方法は、第3実施形態のものと同様であるので、その説明を省略する。なお、格子の最適な格子幅や格子間の間隔は、上面に接する物体(人体か、その他の機器か)によって異なるが、おおよそ1センチ(格子幅)、数センチ(格子間間隔)である。
このようにした場合における、通信ユニットと誘電体に設置されている送信装置との電界の結合の方法は図59のようになる。格子部分の受信側主電極ERBは、上述の実施携帯と同様に、人体を信号経路として送信装置の主電極ESBと結合する。そして受信側帰還電極ERGは、受信側主電極ERBの格子間を通じて、送信装置の帰還電極ESGと結合する。このように格子となっているため、格子状でない場合に比べて帰環電極側の結合がよりしやすくなっている。この結合のしやすさは、特に通信ユニットのサイズが大きくなった場合に有効に働く。
なお、通信ユニットの受信側主電極ERBは、格子構造だけでなく、網目構造や、穴あき構造など、電極部分の間に空間をもつような構造であれば、同様な効果を得ることが出来る。
[12.第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態について説明する。図60は、第10実施形態を例示する図である。第10実施形態では、本発明の第3実施形態に係わる通信ユニットの受信側帰還電極ERGと受信側主電極ERBを変更したものを連結して使用する。
第10実施形態においては、図60に示すように、通信ユニットTCP1の受信側主電極ERBは、隣接した通信ユニットTCP2の受信側帰還電極ERGと接続している。そして、通信ユニットTCP1の受信側帰還電極ERGは、隣接した通信ユニットTCP2の受信側主電極ERBと接続している。このように接続することにより、周囲の通信ユニットの上部にある受信側主電極ERBが、通信ユニットTCP1の受信側帰還電極ERGとして働くので、帰還側信号経路の結合をよりしやすくすることができる。これに対し、このような接続がなされていない場合、通信ユニットの受信側帰還電極ERGは、床下に埋もれてしまい、帰還側信号経路の結合が弱くなる場合がある。
また、隣接した通信ユニット間でこのような結合をした場合、人間がこれらの通信ユニットをまたがって立ったり、電子機器が通信ユニット間を跨って置かれた場合、パスが短絡状態になり、通信が途絶える危険性がある。この場合、当該通信ユニットと接続する通信ユニットを少し離れたものにすることで、跨って人に立たれる可能性を少なくすることができる。図61は、通信ユニットが1つ離れた通信ユニットと接続している場合を示す図である。図61に示す通信ユニットは、その受信側帰還電極ERGが1つ離れた通信ユニットの受信側主電極ERBに接続されていて、受信側主電極ERBは1つ離れた通信ユニットの受信側帰還電極ERGに接続されている。
また、相互接続する通信ユニットは1対1でなく、複数の通信ユニット間で接続してもかまわない。特に前後左右にひとつ離れた隣接通信ユニットに格子状に相互接続した場合に、4つのグループで床面全体を埋めることが出来る。図62の右側に、床面をAからDの1つのグループからなる通信ユニットで埋めた場合の各グループの通信ユニットの配置を示す。図62の左側にこの場合の通信ユニット間の接続状態を示す。このように接続すれば、1つのグループの有する通信ユニットの数が多くなり、電界結合の度合いが弱くなりにくくなる。
なお、通信ユニットの周囲や壁面、天井に配置してある受信側帰還電極は、撤去してもよいが、設置しておけば、補助的な電極として使用することができる。

Claims (28)

  1. 誘電体へ電気的影響を与え易い位置に配置される送信側主電極と、送信側帰還電極と、電気信号を生成する信号生成部と、前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間の電位差を前記電気信号に従って変化させる変調部とを有する送信装置と、
    前記誘電体からの電気的影響を受け易い位置に配置される受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するための受信側帰還電極と、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電気的状態を測定する測定部とを有する受信装置とを有し、
    前記測定部は、
    ポッケルス効果を示す電気光学結晶体であって、かつ光が通過する場合には該電気光学桔晶体が存在する空間の電気的状態に応じた変化を該光に与える電気光学結晶体と、
    前記電気光学結晶体に入射する光を発する発光部と、
    前記電気光学結晶体を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶体内で受けた変化を示す電気信号を出力する受光部とを有する
    ことを特徴とする電界通信システム。
  2. 前記受信側帰還電極は、プラス電源、マイナス電源または低インピーダンスで安定した電位を示す部位に接続される
    ことを特徴とする請求項1記載の電界通信システム。
  3. 前記受信側帰還電極は、当該受信側帰還電極を収容する導電体材によりなる筐体に接続される
    ことを特徴とする請求項1記載の電界通信システム。
  4. 前記送信側帰還電極は、プラス電源、マイナス電源または低インピーダンスで安定した電位を示す部位に接続される
    ことを特徴とする請求項1記載の電界通信システム。
  5. 前記送信側帰還電極は、当該送信側帰還電極を収容する導電体材によりなる筐体に接続される
    ことを特徴とする請求項1記載の電界通信システム。
  6. 前記送信装置と前記受信装置とが、同一装置である送受信装置として構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の電界通信システム。
  7. 前記送信側主電極と前記受信側主電極とが同一の電極として構成されるか、あるいは、前記送信側帰還電極と前記受信側帰還電極とが同一の電極として構成される
    ことを特徴とする請求項6に記載の電界通信システム。
  8. 前記受信側帰還電極が、前記送信装置と前記受信装置との通信中に前記誘電体が触れ得ない位置に配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載の電界通信システム。
  9. 前記受信装置は、前記誘電体に対して電気的影響を与え易い位置に設けられた送信側主電極と、送信側帰還電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極に与える電位を変化させる変調部とをさらに有し、前記変調部が発生させた電位の変化に応じた電界を前記誘電体に与えるものであり、
    前記送信装置は、前記誘電体からの電気的影響を受けやすい位置に設けられた受信側主電極と、前記送信側帰還電極との間で静電結合を確立するための受信側帰還電極と、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極との間に生じる電気的状態を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記受信装置が送信したデータを得る復調部とをさらに有し、
    前記受信装置の前記送信側帰還電極は、前記送信装置と前記受信装置との通信中に前記誘電体が触れ得ない位置に配置されていること
    を特徴とする請求項8に記載の通信システム。
  10. 前記測定部は、前記誘電体に与えられた電界により前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電位差を測定すること
    を特徴とする請求項8記載の通信システム。
  11. 前記通信装置は、前記送信側主電極が前記受信側主電極の近傍に位置するように置かれ、
    前記受信側帰還電極は、前記送信側主電極および前記受信側主電極と接しない位置に設置され、
    前記測定部は、前記誘電体を介さず、前記変調部が発生させた電界により、前記受信側帰還電極と前記受信側帰還電極との間に生じる電界を測定すること
    を特徴とする請求項8に記載の通信システム。
  12. 前記受信装置は、
    前記受信側主電極に接続され、前記受信側主電極と等電位となる到達側電極と、
    前記受信側帰還電極に接続され、前記受信側帰還電極と等電位となる帰還側電極とをさらに有し、
    前記到達側電極と前記帰還側電極が、前記電気光学結晶を挟んで対向する位置に配置されていること
    を特徴とする請求項1記載の通信システム。
  13. 前記送信装置は、自身の存在を報知するために、前記送信側主電極と前記送信側帰還電極間の電位差を定期的に変化させ、
    前記受信装置は、前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記送信装置が送信したデータを得る復調部と、前記復調部により前記報知が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記送信装置との通信が可能であることを当該受信装置のユーザに報知する報知部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電界通信システム。
  14. 誘電体からの電気的影響を受け易い位置に配置される受信側主電極と、
    前記誘電体にとどく電界を発生する装置との間で静電結合を確立するための受信側帰還電極と、
    前記電界によって前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電気的状態を測定する測定部とを有し、
    前記測定部は、
    ポッケルス効果を示す電気光学結晶体であって、かつ光が通過する場合には該電気光学結晶体が存在する空間の電気的状態に応じた変化を該光に与える電気光学結晶体と、
    前記電気光学結晶体に入射する光を発する発光部と、
    前記電気光学結晶体を通過した光を受け、この光が前記電気光学結晶体内で受けた変化を示す電気信号を出力する受光部とを有する
    ことを特徴とする電界通信装置。
  15. 前記受信側帰還電極は、前記誘電体から可能な限り遠方に配設され前記誘電体周囲の空間に向けて設置されている
    ことを特徴とする請求項14に記載の電界通信装置。
  16. 前記電気的状態は電界であり、
    前記受信側主電極および前記受信側帰還電極は、前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に生じる電界内に前記電気光学結晶体が位置するように配設される
    ことを特徴とする請求項14記載の電界通信装置。
  17. 前記受信側主電極および前記受信側帰還電極は、前記電気光学結晶体の少なくとも一部を挟んで対向する位置に配置される
    ことを特徴とする請求項14記載の電界通信装置。
  18. 前記測定部は、前記受信側帰還電極に接続され、前記受信側帰還電極よりも前記電気光学結晶体に近い位置に配置され、前記受信側帰還電極と等電位となる帰還側電極を有する
    ことを特徴とする請求項14記載の電界通信装置。
  19. 前記測定部は、前記受信側主電極に接続され、前記受信側主電極よりも前記電気光学結晶体に近い位置に配置され、前記受信側主電極と等電位となる到達側電極を有する
    ことを特徴とする請求項14記載の電界通信装置。
  20. 底面と側面と上面とを有する絶縁体を更に有し、
    前記測定部が、前記絶縁体の内部に設置され、
    前記受信側帰還電極が、電界通信中に前記誘電体が触れ得ない位置に配置され、
    前記受信側主電極が、前記絶縁体の上面に設置されていること
    を特徴とする請求項14に記載の電界通信装置。
  21. 誘電体に対して電気的影響を与え易い位置に設けられた送信側主電極と、送信側帰還電極と、送信するデータに対応した電気信号に従って前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間の電位差を変化させる変調部であって、自身の存在を報知する報知情報に対応した電気信号に従って前記電位差を定期的に変化させる変調部とを有し、前記変調部が発生させた電位差の変化に応じた電界を前記誘電体に与える送信側装置と通信を行う電界通信装置において、
    前記測定部による測定結果に基づいて前記電気信号を取得し、当該電気信号を復調して前記送信側装置が送信したデータを得る復調部と、
    前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記送信側装置との通信が可能であることを当該電界通信装置のユーザに報知する報知部と
    を有することを特徴とする請求項14に記載の電界通信装置。
  22. 前記送信側装置は、電界通信装置に充電を行うための交流電圧を前記送信側主電極および前記送信側帰還電極間に印加する発振器をさらに有し、前記報知情報には、当該送信側装置において電界通信装置の充電を行うことが可能であることを示す情報が付与されており、
    当該電界通信装置は、
    前記受信側主電極および前記受信側帰還電極間に誘導された交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、
    前記整流回路により得られた直流電圧により充電されるバッテリーとをさらに有し、
    前記報知部は、前記復調部により前記報知情報が予め定められた時間間隔以上、途絶えることなく得られている間、前記送信側装置において当該電界通信装置の充電を行うことが可能であることを当該電界通信装置のユーザに報知する
    ことを特徴とする請求項21に記載の電界通信装置。
  23. 当該電界通信装置は、前記受信側主電極が前記送信側主電極の近傍に位置するように置かれ、前記変調部が発生させた電界による電気的影響を前記誘電体を介さず直接、前記受信側主電極に受ける
    ことを特徴とする請求項21に記載の電界通信装置。
  24. 前記測定部から測定結果に基づく電気信号を取得し、当該電気信号を復調して通信相手からのデータを得る復調部を更に有し、
    該復調機は、復調プロセスの初期段階において、受信パケット毎に信号の先頭部分の極性を検出し、所定の極性から反転されていることが検出された場合には、復調中のパケット全体の極性を反転させて復調処理を行う
    ことを特徴とする請求項14に記載の電界通信装置。
  25. 前記測定部から測定結果に基づく電気信号を取得し、当該電気信号を復調して通信相手からのデータを得る復調部を更に有し、
    該復調機は、その内部に受信パケットの一時保存機構を有し、受信パケット毎に、いったん一時保存機構に入力された信号を保存しておき、該パケットの復調に失敗した場合には、該一時保存機構から信号を極性反転させて取り出し、再度復調を試みる
    ことを特徴とする請求項14に記載の電界通信装置。
  26. 前記測定部から測定結果に基づく電気信号が入力される第1の復調器と、前記測定部から測定結果に基づく電気信号が反転されて入力される第1の復調器とを有し、前記第1の復調器および前記第2の復調器からの出力が入力されていて、正常に復調されている信号を出力する統合復調器を備える
    ことを特徴とする請求項14に記載の電界通信装置。
  27. 前記受信側主電極は、穴を有することを特徴とする請求項14に記載の電界通信装置。
  28. 前記受信側主電極が近隣の電界通信装置の受信側帰還電極と接続されていることを特徴とする請求項14に記載の電界通信装置。
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