JPWO2003081145A1 - 極低温蓄冷器及び冷凍機 - Google Patents

極低温蓄冷器及び冷凍機 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2003081145A1
JPWO2003081145A1 JP2003578833A JP2003578833A JPWO2003081145A1 JP WO2003081145 A1 JPWO2003081145 A1 JP WO2003081145A1 JP 2003578833 A JP2003578833 A JP 2003578833A JP 2003578833 A JP2003578833 A JP 2003578833A JP WO2003081145 A1 JPWO2003081145 A1 JP WO2003081145A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
regenerator
stage
refrigerator
cryogenic
magnetic material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003578833A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4104004B2 (ja
Inventor
瑞 李
瑞 李
健則 沼澤
健則 沼澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science, Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical National Institute for Materials Science
Publication of JPWO2003081145A1 publication Critical patent/JPWO2003081145A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4104004B2 publication Critical patent/JP4104004B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
    • F25B9/14Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point characterised by the cycle used, e.g. Stirling cycle
    • F25B9/145Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point characterised by the cycle used, e.g. Stirling cycle pulse-tube cycle
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/003Gas cycle refrigeration machines characterised by construction or composition of the regenerator
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/14Compression machines, plants or systems characterised by the cycle used 
    • F25B2309/1415Pulse-tube cycles characterised by regenerator details
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
    • F25B9/02Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point using Joule-Thompson effect; using vortex effect

Abstract

従来の金属系磁性蓄冷材に比べ、3〜10Kでの冷凍能力を向上する。蓄冷材として、希土類元素と硫黄を含む、少なくとも一種類の磁性材を用いた蓄冷器を備える。

Description

技術分野
本発明は、極低温蓄冷器及び冷凍機に係り、特に、GM(ギフォード・マクマフォン)サイクル冷凍機、スターリングサイクル冷凍機、パルス管冷凍機、ビルミエサイクル冷凍機、ソルベーサイクル冷凍機、エリクソンサイクル冷凍機、又は、これを予冷段に使った冷凍システム等に用いるのに好適な、新規な蓄冷材を用いて冷凍能力を向上させた極低温蓄冷器及び冷凍機、及び、これを用いた冷凍システム、寒剤生成装置、再凝縮装置、超電導磁石装置、超電導素子冷却装置、低温パネル、低温熱シールド、宇宙分野冷却装置に関する。
背景技術
従来の蓄冷型極低温冷凍機では、最終冷却段(最低温段)蓄冷器にErNiやHoCu等、金属系の磁性蓄冷材を充填して、10K以下の温度での冷凍を実現している(特開平5−71816)。
しかしながら、これらの金属系磁性蓄冷材は、図1にHoCuの例を示す如く、4.2K〜7K付近の比熱が充分大きくないため、4.2K付近での冷凍能力が充分ではない。又、これらの金属系磁性蓄冷材は、製造コストが高く、安価ではない等の問題点を有していた。
発明の開示
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、従来の金属系磁性蓄冷材に比べて、3〜10Kとの冷凍性能を大きく改善可能な、新規な蓄冷材を用いた極低温蓄冷器、冷凍機、及び、これを用いた冷凍システム等を提供することを課題とする。
本発明は、極低温蓄冷器において、蓄冷材として、希土類元素と硫黄を含む、少くとも一種類の磁性材を用いることにより、前記課題を解決したものである。
又、前記磁性材が、酸素も含むようにしたものである。
又、前記磁性材として、一般式RS又は(R1−yR´S(R、R´は少なくとも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9、0≦y≦1)で表わされるものを用いるようにしたものである。
又、前記元素R及びR´を、イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユーロピウムEu、ガドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツリウムTm、又は、イッテルビウムYbとしたものである。
本発明に用いた磁性材の例(一般式RS、RはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選択した少なくとも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9)GdS、TbSの体積当たりの比熱を図1に示す。比較するため、従来の磁性蓄冷材HoCu、及び、特開2001−317824に開示された磁性蓄冷材GdAlOの比熱も示す。HoCuに比べ、RxOSの比熱ピーク値は2〜3倍以上ある。GdAlOに対しても、RxOSは比熱が大きいだけでなく、比熱のピーク位置が4〜10Kにあるので、3〜10Kで大きな冷凍能力を得るのに好適である。
又、本発明に用いた磁性材の他の例(一般式(R1−yR´S、R、R´は少なくとも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9、0≦y≦1)(GdTb1−yS(y=0〜1)の体積当たりの比熱を図2に示す。(GdTb1−ySの比熱は、ピーク位置が4〜10Kにあり、ピーク値が0.6J/cmK以上である。これに対して、従来の磁性蓄冷材HoCuの比熱ピーク値は0.4J/cmK程度である。これら組成の材料であれば、どれも3〜10Kで大きな冷凍能力を得るのに好適である。
本発明は、又、前記磁性材が、更にジルコニウムZrやアルミニウムAlまたはアルミナ(Al)等の添加物を含むようにしたものである。
本発明に用いた磁性材の機械強度を改善するのに、添加物を添加することが有効である。図3に示すとおり、GdSにAl又はZr(GdSに対する重量比10%以下)を添加しても比熱の温度依存性を大きく変えることはなく、依然3〜10Kで大きな冷凍能力を得るのに好適である。一方、この場合AlとZrを添加することによって、GdSの硬さを示すピッカーズ硬度は約400から約900まで改善され、冷凍機に使用される際に強い衝撃を受けても、剥離や粉化する可能性は著しく低減される。なお、アルミナ(Al)を添加物として用いる場合、GdSに対する重量比は20%以下が好適である。
本発明は、又、少くとも一種類の前記磁性材を、他の磁性材と混合して用いるようにしたものである。
又、少くとも二種類の前記磁性材を混合して用いるようにしたものである。
又、少くとも一種類の前記磁性材を、好ましくは0.01〜3mmの大きさの顆粒状に加工して、蓄冷器に充填するようにしたものである。
なお、前記の顆粒状に加工された磁性体が冷凍機に使用される際に衝撃を受けても、剥離や粉化が発生しないように、磁性体の表面を1μm〜50μmの薄膜で覆われるように加工して、蓄冷器に充填することが好ましい。薄膜は例えばアルミナ(Al)やフッ素樹脂などの材料からできるだけ伝熱性の良いものを選び、例えばコーティングなどの方法で形成される。
又、少くとも一種類の前記磁性材を、ブロック状、ペレット状、又は、板状に焼結、加工して、蓄冷器に充填するようにしたものである。
又、前記各種磁性材を、蓄冷器に積層状に充填するようにしたものである。
又、前記各種磁性材を、蓄冷器の最低温層に充填するようにしたものである。
又、前記磁性材を、蓄冷器の最低温層より高温の層に用い、且つ、それより低温の層に、4K付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いるようにしたものである。
本発明は、又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を用いることを特徴とする蓄冷型極低温冷凍機を提供するものである。
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を最低温冷却段に用いたことを特徴とする蓄冷型極低温冷凍機を提供するものである。
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を中間冷却段に用い、最終冷却段蓄冷器に、4K付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いるようにしたものである。
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を、並列型蓄冷型極低温冷凍機の低温側冷却段に用いるようにしたものである。
本発明は、又、He、He、又は、HeとHeの混合ガスを作業流体とすることを特徴とする前記の蓄冷型極低温冷凍機を提供するものである。
本発明は、又、前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いた予冷段と、少くとも一つの他の冷却手段とを備えたことを特徴とする、例えばジュール・トムソン冷凍機、He−He希釈冷凍機、断熱消磁冷凍システム、磁気冷凍機、吸着式冷凍システム等の冷凍システムを提供するものである。
又、前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、液体He、液体He、又は、これらの混合液、超流動He、超流動He等の寒剤生成装置や寒剤再凝縮装置を提供するものである。
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、MRI(磁気共鳴イメージ)装置、NMR装置、冷凍機伝導冷却超電導磁石、単結晶引き上げ装置、磁気分離装置、SMES装置、物性測定装置等の超電導磁石装置を提供するものである。
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、SQUID装置、SIS素子、X線回折装置、電子顕微鏡、電圧標準装置等の超電導素子冷却装置を提供するものである。
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、クライオポンプ、クライオパネル、サンプル冷却システム、物性測定装置、低温熱シールド、赤外線観測装置等の低温装置を提供するものである。
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、X線観測装置、赤外線観測装置、電波観測装置、宇宙線観測装置等の宇宙分野冷却装置を提供するものである。
本発明では、4〜10K付近に大きな比熱を持つセラミック磁性材を蓄冷器の蓄冷材として用いる。従って、従来の金属系磁性蓄冷材に比べて、3〜10Kでの冷凍性能を大きく改善できる。
発明を実施するための最良の形態
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の第1実施形態は、図4(全体図)、図5(冷却部詳細図)、図6(2段蓄冷器断面図)に示す如く、本発明を、2段式GM冷凍機に用いたものである。
図4において、圧縮機11からの高圧ガスは、高圧ガス配管12を経て2段式GM冷凍機1に供給され、低圧ガス配管13を経て圧縮機11の低圧口に回収される。図5に示す如く、1段シリンダ25と2段シリンダ35に、それぞれ収容された1段蓄冷器2と2段蓄冷器3は、図4に示す駆動モータ14によって駆動され、上下に往復運動する。
蓄冷材24、34は、図5に示す如く、それぞれの蓄冷器外筒23、33の中に詰められ、本実施形態では、1段蓄冷材24は銅合金の金網とされている。
2段蓄冷器3は、図6に示す如く、積層構造で、2段の低温側蓄冷材34bに顆粒状の(Gd0.05Tb0.95Sが約20%の体積比率で充填され、高温側蓄冷材34aに顆粒状のPbやHoCuなどが約80%の体積比率で充填されている。図6において、38は蓄冷材仕切である。
冷凍機1の冷却部は、図4に示す如く、真空容器16に収納され、2段冷却ステージ37は熱シールド17によって囲まれている。熱シールド17は、銅製の板状の筒で、1段冷却ステージ27によって約40Kまで冷やされる。2段冷却ステージ37には電気ヒータ18が取り付けられ、その電気入力によって冷凍能力が測定される。
図4において、15は、高低圧ガス切換弁と駆動機構が収容されたハウジングであり、図5において、21は、1段蓄冷器2のガス通路、22は、同じくシール、26は、1段膨張空間、31は、2段蓄冷器3のガス通路、32は、同じくシール、36は、2段膨張空間である。
図7に、本発明により、2段蓄冷器低温端の約20%の体積に(Gd0.05Tb0.95Sを充填した場合と、従来の磁性蓄冷材HoCuを充填した場合とを比較して示す。図から明らかなように、本発明により(Gd0.05Tb0.95Sを充填した場合、冷凍能力が約15〜20%向上することが確認できた。
次に、2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第2実施形態を図8(全体図)及び図9(2段蓄冷器断面図)に示す。
図8において、圧縮機41からの高圧ガスは、高圧ガス配管42と高低圧ガス切換バルブユニット44と連結管45を経て2段式パルス管冷凍機4に供給され、低圧ガス配管43と同バルブユニット44を経て圧縮機41の低圧口に回収される。1段蓄冷器51と2段蓄冷器61は、図9に示す如く、それぞれ蓄冷器外管(ステンレス鋼管)56、66と、その内部に充填された蓄冷材57、67によって構成される。
各段蓄冷器51、61の低温端は、各段冷却ステージ52、62に連結され、各段冷却ステージ52、62内部のガス流路58、68を介して、各段のパルス管53、63へ通じている。各パルス管53、63の高温端には、連結管55、65を介して、各段の位相調節部54、64が連結されている。
各段の位相調節部54、64は、バッファタンクやオリフィス、又は周期的に開閉するバルブなどの組合せによって構成される。位相調節部54、64の働きは、高低圧ガス切換バルブユニット44によって実現されたパルス管53、63内部の圧力変化と、ガスの変位との位相を最適に調節し、十分な冷凍能力を得ることである。
本実施形態では、1段蓄冷材57は銅合金の金網(メッシュNo.100〜400)とされている。
2段蓄冷器61は3層の積層構造で、高温側蓄冷材67aに顆粒状の鉛(長短径0.1〜1mm)が約20%の体積比率で充填され、中間蓄冷材67bに顆粒状のHoCu(長短径0.1〜0.7mm)が充填され、低温側蓄冷材67cに顆粒状のGdS(長短径0.1〜0.7mm)が充填されている。図9において、69は蓄冷材仕切である。
冷凍機4の冷却部は、図8に示す如く、真空容器46に収納され、2段冷却ステージ62は熱シールド47によって囲まれている。熱シールド47は銅製の板状の筒で、1段冷却ステージ52によって約40Kまで冷やされている。2段冷却ステージ62に電気ヒータ48が取り付けられ、その電気入力によって冷凍能力が測定される。図8において、49はハウジングである。
図10に、2段蓄冷器61の低温側蓄冷材67cのGdSを0%〜約50%(体積比率)まで増やし、相応に中間蓄冷材67bのHoCuを80%〜30%(体積比率)に減らした場合(高温側蓄冷材69aの鉛は体積比率20%に固定)の4.2Kにおける冷凍能力を示す。冷凍能力が約15%向上したことが確認できた。
本実施形態において、各段の蓄冷材57、67は直接蓄冷器外管56、66に充填されているが、組立や分解作業をし易くするために、第1実施形態のように、蓄冷材を一旦蓄冷器外筒(樹脂やステンレス鋼など熱伝導率の低い材料によって構成される)に充填してから、カートリッジの形として蓄冷器外管56、66に挿入してもよい。
次に、第2実施形態と同じく2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第3実施形態を詳細に説明する。
本実施形態は、第2実施形態と同じ2段式パルス管冷凍機4を用いる。第2実施形態との相違点は、2段蓄冷器61の構成である。本実施形態の2段蓄冷器61はやはり3層構造であるが、高温層(67a)に顆粒状の鉛(体積比率50%、長短径0.1〜1mm)を充填し、中間層(67b)に本発明にかかる顆粒状の磁性材TbS(体積比率30%、長短径0.1〜0.7mm)を充填し、低温層(67c)に顆粒状のGdAlO(体積比率20%、長短径0.1〜0.6mm)を充填する。
GdAlOの比熱のピークは4K以下にあるので、これによって2〜4Kでの冷凍能力を更に向上することができる。
次に、3段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第4実施形態を図11(冷凍機断面図)及び図12(各段蓄冷器断面図)に示す。
本実施形態の3段式パルス管冷凍機5は第2実施形態のパルス管冷凍機4と本質的に同じで、相違点は2段蓄冷器61の先端に更に第3段の蓄冷器71を直列に接続し、該3段蓄冷器71の低温端を3段冷却ステージ72を介して3段パルス管73の低温端と連結したことである。3段蓄冷器71、3段冷却ステージ72、3段パルス管73、及び、連結管75で接続された3段位相調節部74の構造は、第2実施形態で述べた、1段及び2段のそれぞれと同じである。図12において、76は3段蓄冷器外管、77は3段蓄冷材、78は3段冷却部ステージ72内ガス流路、79は蓄冷材仕切である。
本実施形態では、1段蓄冷材57はステンレス鋼の金網(メッシュNo.100〜400)とされている。
2段蓄冷器61は2層構造で、高温側蓄冷材67aには顆粒状鉛を体積比率60%で充填し、低温側蓄冷材67cとしては本発明にかかるペレット状の磁性材(Gd0.1Tb0.9Sを体積比率40%で充填する。3段蓄冷器71には、4K以下に比熱ピークをもつGdAlO(ペレット状)を体積比率100%で充填する。これによって、2〜4Kでの冷凍能力を更に向上することができた。
なお、本実施形態においては、ペレット状の(Gd0.1Tb0.9SとGdAlOを用いたが、焼結されたペレット状の材料では顆粒状の材料に比べ、寸法管理や蓄冷器の形状変化に対応しにくい反面、より高い充填率が実現できる利点がある。
次に、並列型パルス管冷凍機に適用した本発明の第5実施形態を図13(冷凍機断面図)及び図14(低温段蓄冷器断面図)に示す。
並列型パルス管冷凍機は、各々独立した複数の1段又は2段パルス管冷凍機を熱的に結合し、高温段と低温段を形成して、一つの多段式冷凍機の役割を果たすものである。本実施形態の並列型パルス管冷凍機6では、二つの独立した1段パルス管冷凍機を熱的に結合し、高温段冷却ステージ103と低温段冷却ステージ113を形成し、実質的に一つの2段式パルス管冷凍機の役割を果たしている。このような並列型冷凍機は、高温段と低温段とはガスの流れが独立しているため、片方の冷却ステージにおける温度や冷凍能力の変化が他方に影響しにくいため、より安定した冷却システムが得ることができる。
本実施形態では、高温段冷却ステージ103が熱シールド86を冷やすと同時に、低温段蓄冷器111の中間も冷却している。これによって、低温段蓄冷器111の効率が高められ、結果的に低温段がより低い温度に到達することができる。又、本実施形態では、圧縮機81、82に、前記実施形態とは異なる、シリンダ(81a、82b)・ピストン(81b、82b)型の圧縮機を用いている。これによって、高低圧ガス切換バルブユニットを用いずに、パルス管102、112に直接高低圧力の振動を送り込むことができる。図13において、83、84は圧縮機連結管、85は真空容器、100、110はハウジング、101は高温段蓄冷器、104、114は位相調節部、105、115は連結管である。
本実施形態の低温段蓄冷器111は、図14に示す如く、3層の積層構造とし、室温からの高温側蓄冷材117aには銅合金の金網(メッシュNo.100〜400、体積比率50%)を充填し、中間蓄冷材117bには顆粒状の鉛合金(体積比率30%、長短径0.1〜1mm)を充填し、低温側蓄冷材117cには顆粒状のTbSとGdSとの混合材(混合比率60%:40%)(体積比率20%、長短径0.1〜0.7mm)を充填する。これによって低温段冷却ステージ113において4〜10Kの温度範囲で大きな冷凍能力を得ることができる。図14において、116は低温段蓄冷器外管、118は蓄冷材仕切、119は低温段冷却ステージ113内ガス流路である。
なお、本実施形態では、高温段と低温段のパルス管102、112に別々の圧縮機81、82を用いていたが、システムの構成を簡略化するために、一つの圧縮機で同時に二つの並列パルス管に対しガスの供給と回収を行ってもよい。
又、本実施形態では、TbSとGdSとの混合材を使ったが、混合材を使うことによって、見かけ上の比熱ピーク値は低くなるが、より広い温度範囲において見かけ上大きな比熱を得ることができ、結果的に積層の層数を減らすことができる。積層の層数が増えすぎると、蓄冷材仕切の占める空間が増えるばかりでなく、仕切が倒れ、冷凍性能の不安定を招く可能性も大きくなる。混合材を使うことで、これらの欠点を解消することができる。
次に、第1実施形態の2段式GM冷凍機1を予冷段に用い、他の冷却手段としてジュール・トムソン(JT)冷却回路8を追加した本発明の第6実施形態を図15に示す。
2段式GM冷凍機1は第1実施形態と同じで、説明を省略するが、2段蓄冷器3の最低温段に、本発明の蓄冷材(Gd0.05Tb0.95Sを体積比率約20%充填した。
追加したJT冷却回路8では、ヘリウムガスが圧縮機120から高圧配管121を経て、第1対向流熱交換器128a、1段ステージ熱交換器129a、第2対向流熱交換器128b、2段ステージ熱交換器129b、第3対向流熱交換器128cを通過するとともに徐々に予冷される。予冷されたガスがJT弁125(最適な開度は調節ハンドル126で調節される)を通過する際に、等エンタルピ的に膨張して寒冷を発生し、熱交換器129cを通過する際に、冷却対象物127から熱を奪い、それを冷却する。
更に、ガスが対向流熱交換器128a、128b、128cを通過しながら、対向的に入ってくるガスを冷却しつつ、低圧配管122を経て圧縮機120に回収される。
図15において、123は真空容器、124a、124bは熱シールドである。
本実施形態では、GM冷凍機1の冷凍能力が、本発明の磁性材によって約20%向上されたため、JT冷却回路8を流れるガスの流量を増やすことが可能になり、結果的に熱交換器129cにおける冷却対象物127を冷却する能力を、約10〜20%向上することができた。
次に、同じく第1実施形態の2段式GM冷凍機を使った磁気共鳴イメージ(MRI)装置である本発明の第7実施形態を図16に示す。
本実施形態のMRI装置9では、磁場空間138を作り出すために超電導磁石135が用いられている。該超電導磁石135は、液体ヘリウム134に浸漬され、超電導状態まで冷やされている。液体ヘリウム容器133の外部に熱シールド132があり、更に外側には真空容器131がある。液体ヘリウムは注入口136から注入されるが、液体ヘリウム容器133内部に設けられている凝縮部137によって、気化したヘリウムは再び液に戻され、ヘリウムを長期間無補給で運転が可能である。
凝縮部137はGM冷凍機1の2段冷却ステージ37と熱的に結合され、継続的に寒冷が供給される。GM冷凍機1の1段冷却ステージ27により熱シールド132が冷却されている。
本実施形態では、GM冷凍機1の冷凍能力が本発明にかかる磁性材によって約20%向上されるので、液体ヘリウム134の再凝縮を、より効率的に行うことができ、ヘリウムの蒸発量がより大きなMRI装置にも対応可能になる。
なお、本実施形態では、冷凍機1を液体ヘリウム134の再凝縮に用いていたが、液体ヘリウムを無くし、冷凍機1が直接、超電導磁石135を熱伝導で冷却するように構成することもできる。又、熱シールドを一つ追加し、1段冷却ステージ27と2段冷却ステージ37が、それぞれ一つの熱シールドを冷やす、いわゆるシールド冷却型にすることもできる。
なお、前記実施形態においては、磁性材の一般式がRS又は(R1−yR´S(R、R´は希土類元素)とされていたが、磁性材の種類はこれに限定されず、例えば酸素Oを含まないものを用いることもできる。
前記磁性材は、単独で用いることも、他の磁性材と混合して用いることもできる。又、少なくとも二種類の前記磁性材を混合して用いることもできる。
又、前記磁性材は、例えば顆粒状(0.01mm〜3mm)に加工して、蓄冷器に充填することができる。顆粒状とした場合には、蓄冷器の形状変更に対応し易く、蓄冷器の寸法管理が容易で扱い易い。或いは、ブロック状、ペレット状、又は板状に焼結、加工して充填することもできる。この場合には、形を合わせることによって、蓄冷材の充填率を高めることができる。
なお、蓄冷型冷凍機の作業流体は、He、He、これらの混合ガス、或いは他の流体とすることができる。
前記実施形態においては、本発明がGMサイクル冷凍機、パルス管冷凍機、ジュール・トムソン冷凍機に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、スターリングサイクル冷凍機、ビルミエサイクル冷凍機、ソルベーサイクル冷凍機、エリクソンサイクル冷凍機等の他の蓄冷型極低温冷凍機にも適用できることは明らかである。
又、本発明に係る蓄冷型極低温冷凍機を予冷段に使った冷凍システムは、第6実施形態のジュール・トムソン冷凍機に限定されず、He−He希釈冷凍機、断熱消磁冷凍システム、磁気冷凍機、吸着式冷凍システム等、他の冷凍システムにも同様に適用できることは明らかである。
又、本発明は、冷凍システム他、前記の蓄冷型極低温冷凍機を使った、液体He、液体He又はこれらの混合液、超流動He、超流動Heの寒剤生成装置や寒剤再凝縮装置にも同様に適用できる。
又、MRI装置、NMR装置、冷凍機伝導冷却超電導磁石、単結晶引き上げ装置、磁気分離装置、SMES装置、物性測定装置等の超電導磁石装置にも同様に適用できる。
又、SQUID装置、SIS素子、X線回折装置、電子顕微鏡、電圧標準装置等の超電導素子冷却装置にも同様に適用できる。
又、クライオポンプ、クライオパネル、サンプル冷却システム、物性測定装置、低温熱シールド、赤外線観測装置等の低温装置にも、同様に適用できる。
又、X線観測装置、赤外線観測装置、電波観測装置、宇宙線観測装置等の宇宙分野冷却装置にも同様に適用できる。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、蓄冷材として、従来の金属系磁性蓄冷材に比べ、4〜10Kの温度領域に大きな比熱を持つ磁性材を用いたため、ヘリウムガス等の作業ガスとの熱交換率効率が向上し、冷凍能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の金属系磁性蓄冷材と本発明で用いる磁性材の比熱の温度依存性を比較して示す線図である。
図2は、本発明で用いる他の磁性材の比熱の温度依存性を示す線図である。
図3は、本発明で用いる更に他の磁性材の比熱の温度依存性を示す線図である。
図4は、2段式GM冷凍機に適用された本発明の第1実施形態の全体構成を示す断面図である。
図5は、第1実施形態の冷却部の詳細を示す拡大断面図である。
図6は、同じく2段蓄冷器を示す拡大断面図である。
図7は、第1実施形態と従来例の冷凍能力を比較して示す線図である。
図8は、2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第2、第3実施形態の全体構成を示す断面図である。
図9は、第2、第3実施形態の2段蓄冷器を示す拡大断面図である。
図10は、第2実施形態の冷凍能力を示す線図である。
図11は、3段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第4実施形態の要部構成を示す断面図である。
図12は、第4実施形態の各段蓄冷器を示す拡大断面図である。
図13は、並列型パルス管冷凍機に適用した本発明の第5実施形態の全体構成を示す断面図である。
図14は、第5実施形態の低温段蓄冷器を示す拡大断面図である。
図15は、GM−JT冷凍システムに適用した本発明の第6実施形態の全体構成を示す断面図である。
図16は、MRI装置に適用した本発明の第7実施形態の全体構成を示す断面図である。
本発明は、極低温蓄冷器及び冷凍機に係り、特に、GM(ギフォード・マクマフォン)サイクル冷凍機、スターリングサイクル冷凍機、パルス管冷凍機、ビルミエサイクル冷凍機、ソルベーサイクル冷凍機、エリクソンサイクル冷凍機、又は、これを予冷段に使った冷凍システム等に用いるのに好適な、新規な蓄冷材を用いて冷凍能力を向上させた極低温蓄冷器及び冷凍機、及び、これを用いた冷凍システム、寒剤生成装置、再凝縮装置、超電導磁石装置、超電導素子冷却装置、低温パネル、低温熱シールド、宇宙分野冷却装置に関する。
従来の蓄冷型極低温冷凍機では、最終冷却段(最低温段)蓄冷器にEr3NiやHoCu2等、金属系の磁性蓄冷材を充填して、10K以下の温度での冷凍を実現している(特許文献1)。
しかしながら、これらの金属系磁性蓄冷材は、図1にHoCu2の例を示す如く、4.2K〜7K付近の比熱が充分大きくないため、4.2K付近での冷凍能力が充分ではない。又、これらの金属系磁性蓄冷材は、製造コストが高く、安価ではない等の問題点を有していた。
特開平5−71816号公報
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、従来の金属系磁性蓄冷材に比べて、3〜10Kとの冷凍性能を大きく改善可能な、新規な蓄冷材を用いた極低温蓄冷器、冷凍機、及び、これを用いた冷凍システム等を提供することを課題とする。
本発明は、極低温蓄冷器において、蓄冷材として、希土類元素と硫黄を含む、少くとも一種類の磁性材を用いることにより、前記課題を解決したものである。
又、前記磁性材が、酸素も含むようにしたものである。
又、前記磁性材として、一般式Rx2S又は(R1-yR´yx2S(R、R´は少なくとも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9、0≦y≦1)で表わされるものを用いるようにしたものである。
又、前記元素R及びR´を、イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユーロピウムEu、ガドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツリウムTm、又は、イッテルビウムYbとしたものである。
本発明に用いた磁性材の例(一般式Rx2S、RはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選択した少なくとも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9)Gd22S、Tb22Sの体積当たりの比熱を図1に示す。比較するため、従来の磁性蓄冷材HoCu2、及び、特開2001−317824に開示された磁性蓄冷材GdAlO3の比熱も示す。HoCu2に比べ、RxO2Sの比熱ピーク値は2〜3倍以上ある。GdAlO3に対しても、RxO2Sは比熱が大きいだけでなく、比熱のピーク位置が4〜10Kにあるので、3〜10Kで大きな冷凍能力を得るのに好適である。
又、本発明に用いた磁性材の他の例(一般式(R1-yR´yx2S、R、R´は少なくとも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9、0≦y≦1)(GdyTb1-y22S(y=0〜1)の体積当たりの比熱を図2に示す。(GdyTb1-y22Sの比熱は、ピーク位置が4〜10Kにあり、ピーク値が0.6J/cm3K以上である。これに対して、従来の磁性蓄冷材HoCu2の比熱ピーク値は0.4J/cm3K程度である。これら組成の材料であれば、どれも3〜10Kで大きな冷凍能力を得るのに好適である。
本発明は、又、前記磁性材が、更にジルコニウムZrやアルミニウムAlまたはアルミナ(Al23)等の添加物を含むようにしたものである。
本発明に用いた磁性材の機械強度を改善するのに、添加物を添加することが有効である。図3に示すとおり、Gd32SにAl又はZr(Gd22Sに対する重量比15%以下)を添加しても比熱の温度依存性を大きく変えることはなく、依然3〜10Kで大きな冷凍能力を得るのに好適である。一方、この場合AlとZrを添加することによって、Gd22Sの硬さを示すピッカーズ硬度は約400から約900まで改善され、冷凍機に使用される際に強い衝撃を受けても、剥離や粉化する可能性は著しく低減される。なお、アルミナ(Al23)を添加物として用いる場合、Gd22Sに対する重量比は20%以下が好適である。
本発明は、又、少くとも一種類の前記磁性材を、他の磁性材と混合して用いるようにしたものである。
又、少くとも二種類の前記磁性材を混合して用いるようにしたものである。
又、少くとも一種類の前記磁性材を、好ましくは0.01〜3mmの大きさの顆粒状に加工して、蓄冷器に充填するようにしたものである。
なお、前記の顆粒状に加工された磁性体が冷凍機に使用される際に衝撃を受けても、剥離や粉化が発生しないように、磁性体の表面を1μm〜50μmの薄膜で覆われるように加工して、蓄冷器に充填することが好ましい。薄膜は例えばアルミナ(Al23)やフッ素樹脂などの材料からできるだけ伝熱性の良いものを選び、例えばコーティングなどの方法で形成される。
又、少くとも一種類の前記磁性材を、ブロック状、ペレット状、又は、板状に焼結、加工して、蓄冷器に充填するようにしたものである。
又、前記各種磁性材を、蓄冷器に積層状に充填するようにしたものである。
又、前記各種磁性材を、蓄冷器の最低温層に充填するようにしたものである。
又、前記磁性材を、蓄冷器の最低温層より高温の層に用い、且つ、それより低温の層に、4K付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いるようにしたものである。
本発明は、又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を用いることを特徴とする蓄冷型極低温冷凍機を提供するものである。
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を最低温冷却段に用いたことを特徴とする蓄冷型極低温冷凍機を提供するものである。
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を中間冷却段に用い、最終冷却段蓄冷器に、4K付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いるようにしたものである。
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を、並列型蓄冷型極低温冷凍機の低温側冷却段に用いるようにしたものである。
本発明は、又、4He、3He、又は、3Heと4Heの混合ガスを作業流体とすることを特徴とする前記の蓄冷型極低温冷凍機を提供するものである。
本発明は、又、前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いた予冷段と、少くとも一つの他の冷却手段とを備えたことを特徴とする、例えばジュール・トムソン冷凍機、3He−4He希釈冷凍機、断熱消磁冷凍システム、磁気冷凍機、吸着式冷凍システム等の冷凍システムを提供するものである。
又、前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、液体4He、液体3He、又は、これらの混合液、超流動4He、超流動3He等の寒剤生成装置や寒剤再凝縮装置を提供するものである。
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、MRI(磁気共鳴イメージ)装置、NMR装置、冷凍機伝導冷却超電導磁石、単結晶引き上げ装置、磁気分離装置、SMES装置、物性測定装置等の超電導磁石装置を提供するものである。
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、SQUID装置、SIS素子、X線回折装置、電子顕微鏡、電圧標準装置等の超電導素子冷却装置を提供するものである。
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、クライオポンプ、クライオパネル、サンプル冷却システム、物性測定装置、低温熱シールド、赤外線観測装置等の低温装置を提供するものである。
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、X線観測装置、赤外線観測装置、電波観測装置、宇宙線観測装置等の宇宙分野冷却装置を提供するものである。
本発明では、4〜10K付近に大きな比熱を持つセラミック磁性材を蓄冷器の蓄冷材として用いる。従って、従来の金属系磁性蓄冷材に比べて、3〜10Kでの冷凍性能を大きく改善できる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の第1実施形態は、図4(全体図)、図5(冷却部詳細図)、図6(2段蓄冷器断面図)に示す如く、本発明を、2段式GM冷凍機に用いたものである。
図4において、圧縮機11からの高圧ガスは、高圧ガス配管12を経て2段式GM冷凍機1に供給され、低圧ガス配管13を経て圧縮機11の低圧口に回収される。図5に示す如く、1段シリンダ25と2段シリンダ35に、それぞれ収容された1段蓄冷器2と2段蓄冷器3は、図4に示す駆動モータ14によって駆動され、上下に往復運動する。
蓄冷材24、34は、図5に示す如く、それぞれの蓄冷器外筒23、33の中に詰められ、本実施形態では、1段蓄冷材24は銅合金の金網とされている。
2段蓄冷器3は、図6に示す如く、積層構造で、2段の低温側蓄冷材34bに顆粒状の(Gd0.05Tb0.9522Sが約20%の体積比率で充填され、高温側蓄冷材34aに顆粒状のPbやHoCu2などが約80%の体積比率で充填されている。図6において、38は蓄冷材仕切である。
冷凍機1の冷却部は、図4に示す如く、真空容器16に収納され、2段冷却ステージ37は熱シールド17によって囲まれている。熱シールド17は、銅製の板状の筒で、1段冷却ステージ27によって約40Kまで冷やされる。2段冷却ステージ37には電気ヒータ18が取り付けられ、その電気入力によって冷凍能力が測定される。
図4において、15は、高低圧ガス切換弁と駆動機構が収容されたハウジングであり、図5において、21は、1段蓄冷器2のガス通路、22は、同じくシール、26は、1段膨張空間、31は、2段蓄冷器3のガス通路、32は、同じくシール、36は、2段膨張空間である。
図7に、本発明により、2段蓄冷器低温端の約20%の体積に(Gd0.05Tb0.9522Sを充填した場合と、従来の磁性蓄冷材HoCu2を充填した場合とを比較して示す。図から明らかなように、本発明により(Gd0.05Tb0.9522Sを充填した場合、冷凍能力が約15〜20%向上することが確認できた。
次に、2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第2実施形態を図8(全体図)及び図9(2段蓄冷器断面図)に示す。
図8において、圧縮機41からの高圧ガスは、高圧ガス配管42と高低圧ガス切換バルブユニット44と連結管45を経て2段式パルス管冷凍機4に供給され、低圧ガス配管43と同バルブユニット44を経て圧縮機41の低圧口に回収される。1段蓄冷器51と2段蓄冷器61は、図9に示す如く、それぞれ蓄冷器外管(ステンレス鋼管)56、66と、その内部に充填された蓄冷材57、67によって構成される。
各段蓄冷器51、61の低温端は、各段冷却ステージ52、62に連結され、各段冷却ステージ52、62内部のガス流路58、68を介して、各段のパルス管53、63へ通じている。各パルス管53、63の高温端には、連結管55、65を介して、各段の位相調節部54、64が連結されている。
各段の位相調節部54、64は、バッファタンクやオリフィス、又は周期的に開閉するバルブなどの組合せによって構成される。位相調節部54、64の働きは、高低圧ガス切換バルブユニット44によって実現されたパルス管53、63内部の圧力変化と、ガスの変位との位相を最適に調節し、十分な冷凍能力を得ることである。
本実施形態では、1段蓄冷材57は銅合金の金網(メッシュNo.100〜400)とされている。
2段蓄冷器61は3層の積層構造で、高温側蓄冷材67aに顆粒状の鉛(長短径0.1〜1mm)が約20%の体積比率で充填され、中間蓄冷材67bに顆粒状のHoCu2(長短径0.1〜0.7mm)が充填され、低温側蓄冷材67cに顆粒状のGd22S(長短径0.1〜0.7mm)が充填されている。図9において、69は蓄冷材仕切である。
冷凍機4の冷却部は、図8に示す如く、真空容器46に収納され、2段冷却ステージ62は熱シールド47によって囲まれている。熱シールド47は銅製の板状の筒で、1段冷却ステージ52によって約40Kまで冷やされている。2段冷却ステージ62に電気ヒータ48が取り付けられ、その電気入力によって冷凍能力が測定される。図8において、49はハウジングである。
図10に、2段蓄冷器61の低温側蓄冷材67cのGd22Sを0%〜約50%(体積比率)まで増やし、相応に中間蓄冷材67bのHoCu2を80%〜30%(体積比率)に減らした場合(高温側蓄冷材69aの鉛は体積比率20%に固定)の4.2Kにおける冷凍能力を示す。冷凍能力が約15%向上したことが確認できた。
本実施形態において、各段の蓄冷材57、67は直接蓄冷器外管56、66に充填されているが、組立や分解作業をし易くするために、第1実施形態のように、蓄冷材を一旦蓄冷器外筒(樹脂やステンレス鋼など熱伝導率の低い材料によって構成される)に充填してから、カートリッジの形として蓄冷器外管56、66に挿入してもよい。
次に、第2実施形態と同じく2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第3実施形態を詳細に説明する。
本実施形態は、第2実施形態と同じ2段式パルス管冷凍機4を用いる。第2実施形態との相違点は、2段蓄冷器61の構成である。本実施形態の2段蓄冷器61はやはり3層構造であるが、高温層(67a)に顆粒状の鉛(体積比率50%、長短径0.1〜1mm)を充填し、中間層(67b)に本発明にかかる顆粒状の磁性材Tb22S(体積比率30%、長短径0.1〜0.7mm)を充填し、低温層(67c)に顆粒状のGdAlO3(体積比率20%、長短径0.1〜0.6mm)を充填する。
GdAlO3の比熱のピークは4K以下にあるので、これによって2〜4Kでの冷凍能力を更に向上することができる。
次に、3段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第4実施形態を図11(冷凍機断面図)及び図12(各段蓄冷器断面図)に示す。
本実施形態の3段式パルス管冷凍機5は第2実施形態のパルス管冷凍機4と本質的に同じで、相違点は2段蓄冷器61の先端に更に第3段の蓄冷器71を直列に接続し、該3段蓄冷器71の低温端を3段冷却ステージ72を介して3段パルス管73の低温端と連結したことである。3段蓄冷器71、3段冷却ステージ72、3段パルス管73、及び、連結管75で接続された3段位相調節部74の構造は、第2実施形態で述べた、1段及び2段のそれぞれと同じである。図12において、76は3段蓄冷器外管、77は3段蓄冷材、78は3段冷却部ステージ72内ガス流路、79は蓄冷材仕切である。
本実施形態では、1段蓄冷材57はステンレス鋼の金網(メッシュNo.100〜400)とされている。
2段蓄冷器61は2層構造で、高温側蓄冷材67aには顆粒状鉛を体積比率60%で充填し、低温側蓄冷材67cとしては本発明にかかるペレット状の磁性材(Gd0.1Tb0.922Sを体積比率40%で充填する。3段蓄冷器71には、4K以下に比熱ピークをもつGdAlO3(ペレット状)を体積比率100%で充填する。これによって、2〜4Kでの冷凍能力を更に向上することができた。
なお、本実施形態においては、ペレット状の(Gd0.1Tb0.922SとGdAlO3を用いたが、焼結されたペレット状の材料では顆粒状の材料に比べ、寸法管理や蓄冷器の形状変化に対応しにくい反面、より高い充填率が実現できる利点がある。
次に、並列型パルス管冷凍機に適用した本発明の第5実施形態を図13(冷凍機断面図)及び図14(低温段蓄冷器断面図)に示す。
並列型パルス管冷凍機は、各々独立した複数の1段又は2段パルス管冷凍機を熱的に結合し、高温段と低温段を形成して、一つの多段式冷凍機の役割を果たすものである。本実施形態の並列型パルス管冷凍機6では、二つの独立した1段パルス管冷凍機を熱的に結合し、高温段冷却ステージ103と低温段冷却ステージ113を形成し、実質的に一つの2段式パルス管冷凍機の役割を果たしている。このような並列型冷凍機は、高温段と低温段とはガスの流れが独立しているため、片方の冷却ステージにおける温度や冷凍能力の変化が他方に影響しにくいため、より安定した冷却システムが得ることができる。
本実施形態では、高温段冷却ステージ103が熱シールド86を冷やすと同時に、低温段蓄冷器111の中間も冷却している。これによって、低温段蓄冷器111の効率が高められ、結果的に低温段がより低い温度に到達することができる。又、本実施形態では、圧縮機81、82に、前記実施形態とは異なる、シリンダ(81a、82b)・ピストン(81b、82b)型の圧縮機を用いている。これによって、高低圧ガス切換バルブユニットを用いずに、パルス管102、112に直接高低圧力の振動を送り込むことができる。図13において、83、84は圧縮機連結管、85は真空容器、100、110はハウジング、101は高温段蓄冷器、104、114は位相調節部、105、115は連結管である。
本実施形態の低温段蓄冷器111は、図14に示す如く、3層の積層構造とし、室温からの高温側蓄冷材117aには銅合金の金網(メッシュNo.100〜400、体積比率50%)を充填し、中間蓄冷材117bには顆粒状の鉛合金(体積比率30%、長短径0.1〜1mm)を充填し、低温側蓄冷材117cには顆粒状のTb22SとGd22Sとの混合材(混合比率60%:40%)(体積比率20%、長短径0.1〜0.7mm)を充填する。これによって低温段冷却ステージ113において4〜10Kの温度範囲で大きな冷凍能力を得ることができる。図14において、116は低温段蓄冷器外管、118は蓄冷材仕切、119は低温段冷却ステージ113内ガス流路である。
なお、本実施形態では、高温段と低温段のパルス管102、112に別々の圧縮機81、82を用いていたが、システムの構成を簡略化するために、一つの圧縮機で同時に二つの並列パルス管に対しガスの供給と回収を行ってもよい。
又、本実施形態では、Tb22SとGd22Sとの混合材を使ったが、混合材を使うことによって、見かけ上の比熱ピーク値は低くなるが、より広い温度範囲において見かけ上大きな比熱を得ることができ、結果的に積層の層数を減らすことができる。積層の層数が増えすぎると、蓄冷材仕切の占める空間が増えるばかりでなく、仕切が倒れ、冷凍性能の不安定を招く可能性も大きくなる。混合材を使うことで、これらの欠点を解消することができる。
次に、第1実施形態の2段式GM冷凍機1を予冷段に用い、他の冷却手段としてジュール・トムソン(JT)冷却回路8を追加した本発明の第6実施形態を図15に示す。
2段式GM冷凍機1は第1実施形態と同じで、説明を省略するが、2段蓄冷器3の最低温段に、本発明の蓄冷材(Gd0.05Tb0.9522Sを体積比率約20%充填した。
追加したJT冷却回路8では、ヘリウムガスが圧縮機120から高圧配管121を経て、第1対向流熱交換器128a、1段ステージ熱交換器129a、第2対向流熱交換器128b、2段ステージ熱交換器129b、第3対向流熱交換器128cを通過するとともに徐々に予冷される。予冷されたガスがJT弁125(最適な開度は調節ハンドル126で調節される)を通過する際に、等エンタルピ的に膨張して寒冷を発生し、熱交換器129cを通過する際に、冷却対象物127から熱を奪い、それを冷却する。
更に、ガスが対向流熱交換器128a、128b、128cを通過しながら、対向的に入ってくるガスを冷却しつつ、低圧配管122を経て圧縮機120に回収される。
図15において、123は真空容器、124a、124bは熱シールドである。
本実施形態では、GM冷凍機1の冷凍能力が、本発明の磁性材によって約20%向上されたため、JT冷却回路8を流れるガスの流量を増やすことが可能になり、結果的に熱交換器129cにおける冷却対象物127を冷却する能力を、約10〜20%向上することができた。
次に、同じく第1実施形態の2段式GM冷凍機を使った磁気共鳴イメージ(MRI)装置である本発明の第7実施形態を図16に示す。
本実施形態のMRI装置9では、磁場空間138を作り出すために超電導磁石135が用いられている。該超電導磁石135は、液体ヘリウム134に浸漬され、超電導状態まで冷やされている。液体ヘリウム容器133の外部に熱シールド132があり、更に外側には真空容器131がある。液体ヘリウムは注入口136から注入されるが、液体ヘリウム容器133内部に設けられている凝縮部137によって、気化したヘリウムは再び液に戻され、ヘリウムを長期間無補給で運転が可能である。
凝縮部137はGM冷凍機1の2段冷却ステージ37と熱的に結合され、継続的に寒冷が供給される。GM冷凍機1の1段冷却ステージ27により熱シールド132が冷却されている。
本実施形態では、GM冷凍機1の冷凍能力が本発明にかかる磁性材によって約20%向上されるので、液体ヘリウム134の再凝縮を、より効率的に行うことができ、ヘリウムの蒸発量がより大きなMRI装置にも対応可能になる。
なお、本実施形態では、冷凍機1を液体ヘリウム134の再凝縮に用いていたが、液体ヘリウムを無くし、冷凍機1が直接、超電導磁石135を熱伝導で冷却するように構成することもできる。又、熱シールドを一つ追加し、1段冷却ステージ27と2段冷却ステージ37が、それぞれ一つの熱シールドを冷やす、いわゆるシールド冷却型にすることもできる。
なお、前記実施形態においては、磁性材の一般式がRx2S又は(R1-yR´yx2S(R、R´は希土類元素)とされていたが、磁性材の種類はこれに限定されず、例えば酸素O2を含まないものを用いることもできる。
前記磁性材は、単独で用いることも、他の磁性材と混合して用いることもできる。又、少なくとも二種類の前記磁性材を混合して用いることもできる。
又、前記磁性材は、例えば顆粒状(0.01mm〜3mm)に加工して、蓄冷器に充填することができる。顆粒状とした場合には、蓄冷器の形状変更に対応し易く、蓄冷器の寸法管理が容易で扱い易い。或いは、ブロック状、ペレット状、又は板状に焼結、加工して充填することもできる。この場合には、形を合わせることによって、蓄冷材の充填率を高めることができる。
なお、蓄冷型冷凍機の作業流体は、4He、3He、これらの混合ガス、或いは他の流体とすることができる。
前記実施形態においては、本発明がGMサイクル冷凍機、パルス管冷凍機、ジュール・トムソン冷凍機に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、スターリングサイクル冷凍機、ビルミエサイクル冷凍機、ソルベーサイクル冷凍機、エリクソンサイクル冷凍機等の他の蓄冷型極低温冷凍機にも適用できることは明らかである。
又、本発明に係る蓄冷型極低温冷凍機を予冷段に使った冷凍システムは、第6実施形態のジュール・トムソン冷凍機に限定されず、3He−4He希釈冷凍機、断熱消磁冷凍システム、磁気冷凍機、吸着式冷凍システム等、他の冷凍システムにも同様に適用できることは明らかである。
又、本発明は、冷凍システム他、前記の蓄冷型極低温冷凍機を使った、液体4He、液体3He又はこれらの混合液、超流動4He、超流動3Heの寒剤生成装置や寒剤再凝縮装置にも同様に適用できる。
又、MRI装置、NMR装置、冷凍機伝導冷却超電導磁石、単結晶引き上げ装置、磁気分離装置、SMES装置、物性測定装置等の超電導磁石装置にも同様に適用できる。
又、SQUID装置、SIS素子、X線回折装置、電子顕微鏡、電圧標準装置等の超電導素子冷却装置にも同様に適用できる。
又、クライオポンプ、クライオパネル、サンプル冷却システム、物性測定装置、低温熱シールド、赤外線観測装置等の低温装置にも、同様に適用できる。
又、X線観測装置、赤外線観測装置、電波観測装置、宇宙線観測装置等の宇宙分野冷却装置にも同様に適用できる。
本発明によれば、蓄冷材として、従来の金属系磁性蓄冷材に比べ、4〜10Kの温度領域に大きな比熱を持つ磁性材を用いたため、ヘリウムガス等の作業ガスとの熱交換率効率が向上し、冷凍能力が向上する。
従来の金属系磁性蓄冷材と本発明で用いる磁性材の比熱の温度依存性を比較して示す線図 本発明で用いる他の磁性材の比熱の温度依存性を示す線図 本発明で用いる更に他の磁性材の比熱の温度依存性を示す線図 2段式GM冷凍機に適用された本発明の第1実施形態の全体構成を示す断面図 第1実施形態の冷却部の詳細を示す拡大断面図 同じく2段蓄冷器を示す拡大断面図 第1実施形態と従来例の冷凍能力を比較して示す線図 2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第2、第3実施形態の全体構成を示す断面図 第2、第3実施形態の2段蓄冷器を示す拡大断面図 第2実施形態の冷凍能力を示す線図 3段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第4実施形態の要部構成を示す断面図 第4実施形態の各段蓄冷器を示す拡大断面図 並列型パルス管冷凍機に適用した本発明の第5実施形態の全体構成を示す断面図 第5実施形態の低温段蓄冷器を示す拡大断面図 GM−JT冷凍システムに適用した本発明の第6実施形態の全体構成を示す断面図 MRI装置に適用した本発明の第7実施形態の全体構成を示す断面図
符号の説明
1…2段式GM冷凍機
2、51…1段蓄冷器
3、61…2段蓄冷器
4…2段式パルス管冷凍機
5…3段式パルス管冷凍機
6…並列型パルス管冷凍機
7…GM−JT冷凍システム
11、41、81、82、120…圧縮機
16、46、85、123、131…真空容器
24、57…1段蓄冷材
27、52…1段冷却ステージ
34…2段蓄冷材
34a、67a…高温側蓄冷材
34b、67b…低温側蓄冷材
37、62…2段冷却ステージ
53…1段パルス管
63…2段パルス管
67b…中間蓄冷材
71…3段蓄冷器
72…3段冷却ステージ
73…3段パルス管
77…3段蓄冷材
98…ジュール・トムソン(JT)冷却回路
101、111…蓄冷器
102、112…パルス管
103、113…冷却ステージ
117a、117b、117c…低温段蓄冷材
125…JT弁
127…冷却対象
134…液体ヘリウム
135…超電導磁石
【書類名】明細書
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄冷材として、希土類元素と硫黄を含む、少くとも一種類の磁性材を用いたことを特徴
とする極低温蓄冷器。
【請求項2】
前記磁性材が、酸素を含むことを特徴とする請求項1に記載の極低温蓄冷器。
【請求項3】
前記磁性材として、一般式Rx2S又は(R1-yR´yx2S(R、R´は少なくとも
一種類の希土類元素、0.1≦x≦9、0≦y≦1)で表わされるものを用いることを特
徴とする請求項2に記載の極低温蓄冷器。
【請求項4】
前記元素R及びR´が、イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジム
Pr、ネオジムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユーロピウムEu、ガドリニ
ウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツ
リウムTm、又は、イッテルビウムYbであることを特徴とする請求項3に記載の極低温
蓄冷器。
【請求項5】
前記磁性材が、更に、添加物を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
の極低温蓄冷器。
【請求項6】
前記添加物が、ジルコニウムZr及び/又はアルミニウムAl及び/又はアルミナ(A
23)であることを特徴とする請求項5に記載の極低温蓄冷器。
【請求項7】
少くとも一種類の前記磁性材を、他の磁性材と混合して用いることを特徴とする請求項
1乃至6のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
【請求項8】
少くとも二種類の前記磁性材を混合して用いることを特徴とする請求項1乃至6のいず
れかに記載の極低温蓄冷器。
【請求項9】
少くとも一種類の前記磁性材が、顆粒状に加工されて、充填されていることを特徴とす
る請求項1乃至8のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
【請求項10】
前記顆粒状の磁性材が、その表面を薄膜で覆われるように加工され、充填されているこ
とを特徴とする請求項9に記載の極低温蓄冷器。
【請求項11】
前記顆粒の大きさが、0.01〜3mmであることを特徴とする請求項9又は10に記
載の極低温蓄冷器。
【請求項12】
少くとも一種類の前記磁性材が、ブロック状、ペレット状、又は、板状に焼結、加工さ
れて、充填されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の極低温蓄冷器

【請求項13】
前記磁性材が、積層状に充填されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか
に記載の極低温蓄冷器。
【請求項14】
前記磁性材が、蓄冷器の最低温層に充填されていることを特徴とする請求項1乃至13
のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
【請求項15】
前記磁性材を、蓄冷器の最低温層より高温の層に用い、且つ、それより低温の層に、4
K付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いたことを特徴とする請求項1乃
至13のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載の蓄冷器を用いたことを特徴とする蓄冷型極低温冷
凍機。
【請求項17】
前記蓄冷器を最低温冷却段に用いたことを特徴とする請求項16に記載の蓄冷型極低温
冷凍機。
【請求項18】
前記蓄冷器を、中間冷却段に用い、最終冷却段蓄冷器に、4K付近又はそれ以下に大き
な比熱を持つ別な磁性材を用いたことを特徴とする請求項16に記載の蓄冷型極低温冷凍
機。
【請求項19】
前記蓄冷器を、並列型蓄冷型極低温冷凍機の低温側冷却段に用いたことを特徴とする請
求項16乃至18のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機。
【請求項20】
4Heを作業流体とすることを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の蓄冷
型極低温冷凍機。
【請求項21】
3Heを作業流体とすることを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の蓄冷
型極低温冷凍機。
【請求項22】
3Heと4Heの混合ガスを作業流体とすることを特徴とする請求項16乃至19のいず
れかに記載の蓄冷型極低温冷凍機。
【請求項23】
請求項16乃至22のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いた予冷段と、
少くとも一つの他の冷却手段と、
を備えたことを特徴とする冷凍システム。
【請求項24】
請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする
寒剤生成装置。
【請求項25】
請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする
寒剤再凝縮装置。
【請求項26】
請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする
超電導磁石装置。
【請求項27】
請求項26に記載の超電導磁石装置を用いたことを特徴とする磁気共鳴イメージ(MR
I)装置。
【請求項28】
請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする
超電導素子冷却装置。
【請求項29】
請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする
低温パネル及び低温熱シールド装置。
【請求項30】
請求項29に記載の低温パネルを用いたことを特徴とするクライオポンプ。
【請求項31】
請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする
宇宙分野冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温蓄冷器及び冷凍機に係り、特に、GM(ギフォード・マクマフォン)
サイクル冷凍機、スターリングサイクル冷凍機、パルス管冷凍機、ビルミエサイクル冷凍
機、ソルベーサイクル冷凍機、エリクソンサイクル冷凍機、又は、これを予冷段に使った
冷凍システム等に用いるのに好適な、新規な蓄冷材を用いて冷凍能力を向上させた極低温
蓄冷器及び冷凍機、及び、これを用いた冷凍システム、寒剤生成装置、再凝縮装置、超電
導磁石装置、超電導素子冷却装置、低温パネル、低温熱シールド、宇宙分野冷却装置に関
する。
【背景技術】
【0002】
従来の蓄冷型極低温冷凍機では、最終冷却段(最低温段)蓄冷器にEr3NiやHoC
2等、金属系の磁性蓄冷材を充填して、10K以下の温度での冷凍を実現している(特
許文献1)。
【0003】
しかしながら、これらの金属系磁性蓄冷材は、図1にHoCu2の例を示す如く、4.
2K〜7K付近の比熱が充分大きくないため、4.2K付近での冷凍能力が充分ではない
。又、これらの金属系磁性蓄冷材は、製造コストが高く、安価ではない等の問題点を有し
ていた。
【0004】
【特許文献1】特開平5−71816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、従来の金属系磁性蓄冷材
に比べて、3〜10Kとの冷凍性能を大きく改善可能な、新規な蓄冷材を用いた極低温蓄
冷器、冷凍機、及び、これを用いた冷凍システム等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、極低温蓄冷器において、蓄冷材として、希土類元素と硫黄を含む、少くとも
一種類の磁性材を用いることにより、前記課題を解決したものである。
【0007】
又、前記磁性材が、酸素も含むようにしたものである。
【0008】
又、前記磁性材として、一般式Rx2S又は(R1-yR´yx2S(R、R´は少なく
とも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9、0≦y≦1)で表わされるものを用いるよう
にしたものである。
【0009】
又、前記元素R及びR´を、イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、プラセオ
ジムPr、ネオジムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユーロピウムEu、ガド
リニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr
、ツリウムTm、又は、イッテルビウムYbとしたものである。
【0010】
本発明に用いた磁性材の例(一般式Rx2S、RはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm
、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選択した少なくとも一種
類の希土類元素、0.1≦x≦9)Gd22S、Tb22Sの体積当たりの比熱を図1に示
す。比較するため、従来の磁性蓄冷材HoCu2、及び、特開2001−317824に
開示された磁性蓄冷材GdAlO3の比熱も示す。HoCu2に比べ、RxO2Sの比熱ピー
ク値は2〜3倍以上ある。GdAlO3に対しても、RxO2Sは比熱が大きいだけでなく
、比熱のピーク位置が4〜10Kにあるので、3〜10Kで大きな冷凍能力を得るのに好
適である。
【0011】
又、本発明に用いた磁性材の他の例(一般式(R1-yR´yx2S、R、R´は少なく
とも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9、0≦y≦1)(GdyTb1-y22S(y=
0〜1)の体積当たりの比熱を図2に示す。(GdyTb1-y22Sの比熱は、ピーク位
置が4〜10Kにあり、ピーク値が0.6J/cm3K以上である。これに対して、従来
の磁性蓄冷材HoCu2の比熱ピーク値は0.4J/cm3K程度である。これら組成の材
料であれば、どれも3〜10Kで大きな冷凍能力を得るのに好適である。
【0012】
本発明は、又、前記磁性材が、更にジルコニウムZrやアルミニウムAlまたはアルミ
ナ(Al23)等の添加物を含むようにしたものである。
【0013】
本発明に用いた磁性材の機械強度を改善するのに、添加物を添加することが有効である
。図3に示すとおり、Gd32SにAl又はZr(Gd22Sに対する重量比15%以下
)を添加しても比熱の温度依存性を大きく変えることはなく、依然3〜10Kで大きな冷
凍能力を得るのに好適である。一方、この場合AlとZrを添加することによって、Gd
22Sの硬さを示すピッカーズ硬度は約400から約900まで改善され、冷凍機に使用
される際に強い衝撃を受けても、剥離や粉化する可能性は著しく低減される。なお、アル
ミナ(Al23)を添加物として用いる場合、Gd22Sに対する重量比は20%以下が
好適である。
【0014】
本発明は、又、少くとも一種類の前記磁性材を、他の磁性材と混合して用いるようにし
たものである。
【0015】
又、少くとも二種類の前記磁性材を混合して用いるようにしたものである。
【0016】
又、少くとも一種類の前記磁性材を、好ましくは0.01〜3mmの大きさの顆粒状に
加工して、蓄冷器に充填するようにしたものである。
【0017】
なお、前記の顆粒状に加工された磁性体が冷凍機に使用される際に衝撃を受けても、剥
離や粉化が発生しないように、磁性体の表面を1μm〜50μmの薄膜で覆われるように
加工して、蓄冷器に充填することが好ましい。薄膜は例えばアルミナ(Al23)やフッ
素樹脂などの材料からできるだけ伝熱性の良いものを選び、例えばコーティングなどの方
法で形成される。
【0018】
又、少くとも一種類の前記磁性材を、ブロック状、ペレット状、又は、板状に焼結、加
工して、蓄冷器に充填するようにしたものである。
【0019】
又、前記各種磁性材を、蓄冷器に積層状に充填するようにしたものである。
【0020】
又、前記各種磁性材を、蓄冷器の最低温層に充填するようにしたものである。
【0021】
又、前記磁性材を、蓄冷器の最低温層より高温の層に用い、且つ、それより低温の層に
、4K付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いるようにしたものである。
【0022】
本発明は、又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を用いることを特徴とする蓄冷型極低
温冷凍機を提供するものである。
【0023】
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を最低温冷却段に用いたことを特徴とする蓄冷型
極低温冷凍機を提供するものである。
【0024】
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を中間冷却段に用い、最終冷却段蓄冷器に、4K
付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いるようにしたものである。
【0025】
又、前記磁性材を充填した前記蓄冷器を、並列型蓄冷型極低温冷凍機の低温側冷却段に
用いるようにしたものである。
【0026】
本発明は、又、4He、3He、又は、3Heと4Heの混合ガスを作業流体とすることを
特徴とする前記の蓄冷型極低温冷凍機を提供するものである。
【0027】
本発明は、又、前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いた予冷段と、少くとも一つの他の冷却
手段とを備えたことを特徴とする、例えばジュール・トムソン冷凍機、3He−4He希釈
冷凍機、断熱消磁冷凍システム、磁気冷凍機、吸着式冷凍システム等の冷凍システムを提
供するものである。
【0028】
又、前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、液体4He、液体3He、又
は、これらの混合液、超流動4He、超流動3He等の寒剤生成装置や寒剤再凝縮装置を提
供するものである。
【0029】
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、MRI(磁気共鳴イ
メージ)装置、NMR装置、冷凍機伝導冷却超電導磁石、単結晶引き上げ装置、磁気分離
装置、SMES装置、物性測定装置等の超電導磁石装置を提供するものである。
【0030】
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、SQUID装置、S
IS素子、X線回折装置、電子顕微鏡、電圧標準装置等の超電導素子冷却装置を提供する
ものである。
【0031】
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、クライオポンプ、ク
ライオパネル、サンプル冷却システム、物性測定装置、低温熱シールド、赤外線観測装置
等の低温装置を提供するものである。
【0032】
又、同じく前記の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする、X線観測装置、赤外
線観測装置、電波観測装置、宇宙線観測装置等の宇宙分野冷却装置を提供するものである

【発明の効果】
【0033】
本発明では、4〜10K付近に大きな比熱を持つセラミック磁性材を蓄冷器の蓄冷材と
して用いる。従って、従来の金属系磁性蓄冷材に比べて、3〜10Kでの冷凍性能を大き
く改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0035】
本発明の第1実施形態は、図4(全体図)、図5(冷却部詳細図)、図6(2段蓄冷器
断面図)に示す如く、本発明を、2段式GM冷凍機に用いたものである。
【0036】
図4において、圧縮機11からの高圧ガスは、高圧ガス配管12を経て2段式GM冷凍
機1に供給され、低圧ガス配管13を経て圧縮機11の低圧口に回収される。図5に示す
如く、1段シリンダ25と2段シリンダ35に、それぞれ収容された1段蓄冷器2と2段
蓄冷器3は、図4に示す駆動モータ14によって駆動され、上下に往復運動する。
【0037】
蓄冷材24、34は、図5に示す如く、それぞれの蓄冷器外筒23、33の中に詰めら
れ、本実施形態では、1段蓄冷材24は銅合金の金網とされている。
【0038】
2段蓄冷器3は、図6に示す如く、積層構造で、2段の低温側蓄冷材34bに顆粒状の
(Gd0.05Tb0.9522Sが約20%の体積比率で充填され、高温側蓄冷材34aに顆
粒状のPbやHoCu2などが約80%の体積比率で充填されている。図6において、3
8は蓄冷材仕切である。
【0039】
冷凍機1の冷却部は、図4に示す如く、真空容器16に収納され、2段冷却ステージ3
7は熱シールド17によって囲まれている。熱シールド17は、銅製の板状の筒で、1段
冷却ステージ27によって約40Kまで冷やされる。2段冷却ステージ37には電気ヒー
タ18が取り付けられ、その電気入力によって冷凍能力が測定される。
【0040】
図4において、15は、高低圧ガス切換弁と駆動機構が収容されたハウジングであり、
図5において、21は、1段蓄冷器2のガス通路、22は、同じくシール、26は、1段
膨張空間、31は、2段蓄冷器3のガス通路、32は、同じくシール、36は、2段膨張
空間である。
【0041】
図7に、本発明により、2段蓄冷器低温端の約20%の体積に(Gd0.05Tb0.952
2Sを充填した場合と、従来の磁性蓄冷材HoCu2を充填した場合とを比較して示す。
図から明らかなように、本発明により(Gd0.05Tb0.9522Sを充填した場合、冷凍
能力が約15〜20%向上することが確認できた。
【0042】
次に、2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第2実施形態を図8(全体図)及び図
9(2段蓄冷器断面図)に示す。
【0043】
図8において、圧縮機41からの高圧ガスは、高圧ガス配管42と高低圧ガス切換バル
ブユニット44と連結管45を経て2段式パルス管冷凍機4に供給され、低圧ガス配管4
3と同バルブユニット44を経て圧縮機41の低圧口に回収される。1段蓄冷器51と2
段蓄冷器61は、図9に示す如く、それぞれ蓄冷器外管(ステンレス鋼管)56、66と
、その内部に充填された蓄冷材57、67によって構成される。
【0044】
各段蓄冷器51、61の低温端は、各段冷却ステージ52、62に連結され、各段冷却
ステージ52、62内部のガス流路58、68を介して、各段のパルス管53、63へ通
じている。各パルス管53、63の高温端には、連結管55、65を介して、各段の位相
調節部54、64が連結されている。
【0045】
各段の位相調節部54、64は、バッファタンクやオリフィス、又は周期的に開閉する
バルブなどの組合せによって構成される。位相調節部54、64の働きは、高低圧ガス切
換バルブユニット44によって実現されたパルス管53、63内部の圧力変化と、ガスの
変位との位相を最適に調節し、十分な冷凍能力を得ることである。
【0046】
本実施形態では、1段蓄冷材57は銅合金の金網(メッシュNo.100〜400)と
されている。
【0047】
2段蓄冷器61は3層の積層構造で、高温側蓄冷材67aに顆粒状の鉛(長短径0.1
〜1mm)が約20%の体積比率で充填され、中間蓄冷材67bに顆粒状のHoCu2
長短径0.1〜0.7mm)が充填され、低温側蓄冷材67cに顆粒状のGd22S(長
短径0.1〜0.7mm)が充填されている。図9において、69は蓄冷材仕切である。
【0048】
冷凍機4の冷却部は、図8に示す如く、真空容器46に収納され、2段冷却ステージ6
2は熱シールド47によって囲まれている。熱シールド47は銅製の板状の筒で、1段冷
却ステージ52によって約40Kまで冷やされている。2段冷却ステージ62に電気ヒー
タ48が取り付けられ、その電気入力によって冷凍能力が測定される。図8において、4
9はハウジングである。
【0049】
図10に、2段蓄冷器61の低温側蓄冷材67cのGd22Sを0%〜約50%(体積
比率)まで増やし、相応に中間蓄冷材67bのHoCu2を80%〜30%(体積比率)
に減らした場合(高温側蓄冷材69aの鉛は体積比率20%に固定)の4.2Kにおける
冷凍能力を示す。冷凍能力が約15%向上したことが確認できた。
【0050】
本実施形態において、各段の蓄冷材57、67は直接蓄冷器外管56、66に充填され
ているが、組立や分解作業をし易くするために、第1実施形態のように、蓄冷材を一旦蓄
冷器外筒(樹脂やステンレス鋼など熱伝導率の低い材料によって構成される)に充填して
から、カートリッジの形として蓄冷器外管56、66に挿入してもよい。
【0051】
次に、第2実施形態と同じく2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第3実施形態を
詳細に説明する。
【0052】
本実施形態は、第2実施形態と同じ2段式パルス管冷凍機4を用いる。第2実施形態と
の相違点は、2段蓄冷器61の構成である。本実施形態の2段蓄冷器61はやはり3層構
造であるが、高温層(67a)に顆粒状の鉛(体積比率50%、長短径0.1〜1mm)
を充填し、中間層(67b)に本発明にかかる顆粒状の磁性材Tb22S(体積比率30
%、長短径0.1〜0.7mm)を充填し、低温層(67c)に顆粒状のGdAlO3
体積比率20%、長短径0.1〜0.6mm)を充填する。
【0053】
GdAlO3の比熱のピークは4K以下にあるので、これによって2〜4Kでの冷凍能
力を更に向上することができる。
【0054】
次に、3段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第4実施形態を図11(冷凍機断面図
)及び図12(各段蓄冷器断面図)に示す。
【0055】
本実施形態の3段式パルス管冷凍機5は第2実施形態のパルス管冷凍機4と本質的に同
じで、相違点は2段蓄冷器61の先端に更に第3段の蓄冷器71を直列に接続し、該3段
蓄冷器71の低温端を3段冷却ステージ72を介して3段パルス管73の低温端と連結し
たことである。3段蓄冷器71、3段冷却ステージ72、3段パルス管73、及び、連結
管75で接続された3段位相調節部74の構造は、第2実施形態で述べた、1段及び2段
のそれぞれと同じである。図12において、76は3段蓄冷器外管、77は3段蓄冷材、
78は3段冷却部ステージ72内ガス流路、79は蓄冷材仕切である。
【0056】
本実施形態では、1段蓄冷材57はステンレス鋼の金網(メッシュNo.100〜40
0)とされている。
【0057】
2段蓄冷器61は2層構造で、高温側蓄冷材67aには顆粒状鉛を体積比率60%で充
填し、低温側蓄冷材67cとしては本発明にかかるペレット状の磁性材(Gd0.1Tb0.9
22Sを体積比率40%で充填する。3段蓄冷器71には、4K以下に比熱ピークをも
つGdAlO3(ペレット状)を体積比率100%で充填する。これによって、2〜4K
での冷凍能力を更に向上することができた。
【0058】
なお、本実施形態においては、ペレット状の(Gd0.1Tb0.922SとGdAlO3
を用いたが、焼結されたペレット状の材料では顆粒状の材料に比べ、寸法管理や蓄冷器の
形状変化に対応しにくい反面、より高い充填率が実現できる利点がある。
【0059】
次に、並列型パルス管冷凍機に適用した本発明の第5実施形態を図13(冷凍機断面図
)及び図14(低温段蓄冷器断面図)に示す。
【0060】
並列型パルス管冷凍機は、各々独立した複数の1段又は2段パルス管冷凍機を熱的に結
合し、高温段と低温段を形成して、一つの多段式冷凍機の役割を果たすものである。本実
施形態の並列型パルス管冷凍機6では、二つの独立した1段パルス管冷凍機を熱的に結合
し、高温段冷却ステージ103と低温段冷却ステージ113を形成し、実質的に一つの2
段式パルス管冷凍機の役割を果たしている。このような並列型冷凍機は、高温段と低温段
とはガスの流れが独立しているため、片方の冷却ステージにおける温度や冷凍能力の変化
が他方に影響しにくいため、より安定した冷却システムが得ることができる。
【0061】
本実施形態では、高温段冷却ステージ103が熱シールド86を冷やすと同時に、低温
段蓄冷器111の中間も冷却している。これによって、低温段蓄冷器111の効率が高め
られ、結果的に低温段がより低い温度に到達することができる。又、本実施形態では、圧
縮機81、82に、前記実施形態とは異なる、シリンダ(81a、82b)・ピストン(
81b、82b)型の圧縮機を用いている。これによって、高低圧ガス切換バルブユニッ
トを用いずに、パルス管102、112に直接高低圧力の振動を送り込むことができる。
図13において、83、84は圧縮機連結管、85は真空容器、100、110はハウジ
ング、101は高温段蓄冷器、104、114は位相調節部、105、115は連結管で
ある。
【0062】
本実施形態の低温段蓄冷器111は、図14に示す如く、3層の積層構造とし、室温か
らの高温側蓄冷材117aには銅合金の金網(メッシュNo.100〜400、体積比率
50%)を充填し、中間蓄冷材117bには顆粒状の鉛合金(体積比率30%、長短径0
.1〜1mm)を充填し、低温側蓄冷材117cには顆粒状のTb22SとGd22Sと
の混合材(混合比率60%:40%)(体積比率20%、長短径0.1〜0.7mm)を
充填する。これによって低温段冷却ステージ113において4〜10Kの温度範囲で大き
な冷凍能力を得ることができる。図14において、116は低温段蓄冷器外管、118は
蓄冷材仕切、119は低温段冷却ステージ113内ガス流路である。
【0063】
なお、本実施形態では、高温段と低温段のパルス管102、112に別々の圧縮機81
、82を用いていたが、システムの構成を簡略化するために、一つの圧縮機で同時に二つ
の並列パルス管に対しガスの供給と回収を行ってもよい。
【0064】
又、本実施形態では、Tb22SとGd22Sとの混合材を使ったが、混合材を使うこ
とによって、見かけ上の比熱ピーク値は低くなるが、より広い温度範囲において見かけ上
大きな比熱を得ることができ、結果的に積層の層数を減らすことができる。積層の層数が
増えすぎると、蓄冷材仕切の占める空間が増えるばかりでなく、仕切が倒れ、冷凍性能の
不安定を招く可能性も大きくなる。混合材を使うことで、これらの欠点を解消することが
できる。
【0065】
次に、第1実施形態の2段式GM冷凍機1を予冷段に用い、他の冷却手段としてジュー
ル・トムソン(JT)冷却回路8を追加した本発明の第6実施形態を図15に示す。
【0066】
2段式GM冷凍機1は第1実施形態と同じで、説明を省略するが、2段蓄冷器3の最低
温段に、本発明の蓄冷材(Gd0.05Tb0.9522Sを体積比率約20%充填した。
【0067】
追加したJT冷却回路8では、ヘリウムガスが圧縮機120から高圧配管121を経て
、第1対向流熱交換器128a、1段ステージ熱交換器129a、第2対向流熱交換器1
28b、2段ステージ熱交換器129b、第3対向流熱交換器128cを通過するととも
に徐々に予冷される。予冷されたガスがJT弁125(最適な開度は調節ハンドル126
で調節される)を通過する際に、等エンタルピ的に膨張して寒冷を発生し、熱交換器12
9cを通過する際に、冷却対象物127から熱を奪い、それを冷却する。
【0068】
更に、ガスが対向流熱交換器128a、128b、128cを通過しながら、対向的に
入ってくるガスを冷却しつつ、低圧配管122を経て圧縮機120に回収される。
【0069】
図15において、123は真空容器、124a、124bは熱シールドである。
【0070】
本実施形態では、GM冷凍機1の冷凍能力が、本発明の磁性材によって約20%向上さ
れたため、JT冷却回路8を流れるガスの流量を増やすことが可能になり、結果的に熱交
換器129cにおける冷却対象物127を冷却する能力を、約10〜20%向上すること
ができた。
【0071】
次に、同じく第1実施形態の2段式GM冷凍機を使った磁気共鳴イメージ(MRI)装
置である本発明の第7実施形態を図16に示す。
【0072】
本実施形態のMRI装置9では、磁場空間138を作り出すために超電導磁石135が
用いられている。該超電導磁石135は、液体ヘリウム134に浸漬され、超電導状態ま
で冷やされている。液体ヘリウム容器133の外部に熱シールド132があり、更に外側
には真空容器131がある。液体ヘリウムは注入口136から注入されるが、液体ヘリウ
ム容器133内部に設けられている凝縮部137によって、気化したヘリウムは再び液に
戻され、ヘリウムを長期間無補給で運転が可能である。
【0073】
凝縮部137はGM冷凍機1の2段冷却ステージ37と熱的に結合され、継続的に寒冷
が供給される。GM冷凍機1の1段冷却ステージ27により熱シールド132が冷却され
ている。
【0074】
本実施形態では、GM冷凍機1の冷凍能力が本発明にかかる磁性材によって約20%向
上されるので、液体ヘリウム134の再凝縮を、より効率的に行うことができ、ヘリウム
の蒸発量がより大きなMRI装置にも対応可能になる。
【0075】
なお、本実施形態では、冷凍機1を液体ヘリウム134の再凝縮に用いていたが、液体
ヘリウムを無くし、冷凍機1が直接、超電導磁石135を熱伝導で冷却するように構成す
ることもできる。又、熱シールドを一つ追加し、1段冷却ステージ27と2段冷却ステー
ジ37が、それぞれ一つの熱シールドを冷やす、いわゆるシールド冷却型にすることもで
きる。
【0076】
なお、前記実施形態においては、磁性材の一般式がRx2S又は(R1-yR´yx2
(R、R´は希土類元素)とされていたが、磁性材の種類はこれに限定されず、例えば酸
素O2を含まないものを用いることもできる。
【0077】
前記磁性材は、単独で用いることも、他の磁性材と混合して用いることもできる。又、
少なくとも二種類の前記磁性材を混合して用いることもできる。
【0078】
又、前記磁性材は、例えば顆粒状(0.01mm〜3mm)に加工して、蓄冷器に充填
することができる。顆粒状とした場合には、蓄冷器の形状変更に対応し易く、蓄冷器の寸
法管理が容易で扱い易い。或いは、ブロック状、ペレット状、又は板状に焼結、加工して
充填することもできる。この場合には、形を合わせることによって、蓄冷材の充填率を高
めることができる。
【0079】
なお、蓄冷型冷凍機の作業流体は、4He、3He、これらの混合ガス、或いは他の流体
とすることができる。
【0080】
前記実施形態においては、本発明がGMサイクル冷凍機、パルス管冷凍機、ジュール・
トムソン冷凍機に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、スターリン
グサイクル冷凍機、ビルミエサイクル冷凍機、ソルベーサイクル冷凍機、エリクソンサイ
クル冷凍機等の他の蓄冷型極低温冷凍機にも適用できることは明らかである。
【0081】
又、本発明に係る蓄冷型極低温冷凍機を予冷段に使った冷凍システムは、第6実施形態
のジュール・トムソン冷凍機に限定されず、3He−4He希釈冷凍機、断熱消磁冷凍シス
テム、磁気冷凍機、吸着式冷凍システム等、他の冷凍システムにも同様に適用できること
は明らかである。
【0082】
又、本発明は、冷凍システム他、前記の蓄冷型極低温冷凍機を使った、液体4He、液
3He又はこれらの混合液、超流動4He、超流動3Heの寒剤生成装置や寒剤再凝縮装
置にも同様に適用できる。
【0083】
又、MRI装置、NMR装置、冷凍機伝導冷却超電導磁石、単結晶引き上げ装置、磁気
分離装置、SMES装置、物性測定装置等の超電導磁石装置にも同様に適用できる。
【0084】
又、SQUID装置、SIS素子、X線回折装置、電子顕微鏡、電圧標準装置等の超電
導素子冷却装置にも同様に適用できる。
【0085】
又、クライオポンプ、クライオパネル、サンプル冷却システム、物性測定装置、低温熱
シールド、赤外線観測装置等の低温装置にも、同様に適用できる。
【0086】
又、X線観測装置、赤外線観測装置、電波観測装置、宇宙線観測装置等の宇宙分野冷却
装置にも同様に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明によれば、蓄冷材として、従来の金属系磁性蓄冷材に比べ、4〜10Kの温度領
域に大きな比熱を持つ磁性材を用いたため、ヘリウムガス等の作業ガスとの熱交換率効率
が向上し、冷凍能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】従来の金属系磁性蓄冷材と本発明で用いる磁性材の比熱の温度依存性を比較
して示す線図
【図2】本発明で用いる他の磁性材の比熱の温度依存性を示す線図
【図3】本発明で用いる更に他の磁性材の比熱の温度依存性を示す線図
【図4】2段式GM冷凍機に適用された本発明の第1実施形態の全体構成を示す断面

【図5】第1実施形態の冷却部の詳細を示す拡大断面図
【図6】同じく2段蓄冷器を示す拡大断面図
【図7】第1実施形態と従来例の冷凍能力を比較して示す線図
【図8】2段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第2、第3実施形態の全体構成を
示す断面図
【図9】第2、第3実施形態の2段蓄冷器を示す拡大断面図
【図10】第2実施形態の冷凍能力を示す線図
【図11】3段式パルス管冷凍機に適用した本発明の第4実施形態の要部構成を示す
断面図
【図12】第4実施形態の各段蓄冷器を示す拡大断面図
【図13】並列型パルス管冷凍機に適用した本発明の第5実施形態の全体構成を示す
断面図
【図14】第5実施形態の低温段蓄冷器を示す拡大断面図
【図15】GM−JT冷凍システムに適用した本発明の第6実施形態の全体構成を示
す断面図
【図16】MRI装置に適用した本発明の第7実施形態の全体構成を示す断面図
【符号の説明】
【0089】
1…2段式GM冷凍機
2、51…1段蓄冷器
3、61…2段蓄冷器
4…2段式パルス管冷凍機
5…3段式パルス管冷凍機
6…並列型パルス管冷凍機
7…GM−JT冷凍システム
11、41、81、82、120…圧縮機
16、46、85、123、131…真空容器
24、57…1段蓄冷材
27、52…1段冷却ステージ
34…2段蓄冷材
34a、67a…高温側蓄冷材
34b、67b…低温側蓄冷材
37、62…2段冷却ステージ
53…1段パルス管
63…2段パルス管
67b…中間蓄冷材
71…3段蓄冷器
72…3段冷却ステージ
73…3段パルス管
77…3段蓄冷材
98…ジュール・トムソン(JT)冷却回路
101、111…蓄冷器
102、112…パルス管
103、113…冷却ステージ
117a、117b、117c…低温段蓄冷材
125…JT弁
127…冷却対象
134…液体ヘリウム
135…超電導磁石

Claims (31)

  1. 蓄冷材として、希土類元素と硫黄を含む、少くとも一種類の磁性材を用いたことを特徴とする極低温蓄冷器。
  2. 前記磁性材が、酸素を含むことを特徴とする請求項1に記載の極低温蓄冷器。
  3. 前記磁性材として、一般式RS又は(R1−yR´S(R、R´は少なくとも一種類の希土類元素、0.1≦x≦9、0≦y≦1)で表わされるものを用いることを特徴とする請求項2に記載の極低温蓄冷器。
  4. 前記元素R及びR´が、イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユーロピウムEu、ガドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツリウムTm、又は、イッテルビウムYbであることを特徴とする請求項3に記載の極低温蓄冷器。
  5. 前記磁性材が、更に、添加物を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
  6. 前記添加物が、ジルコニウムZr及び/又はアルミニウムAlであることを特徴とする請求項5に記載の極低温蓄冷器。
  7. 少くとも一種類の前記磁性材を、他の磁性材と混合して用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
  8. 少くとも二種類の前記磁性材を混合して用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
  9. 少くとも一種類の前記磁性材が、顆粒状に加工されて、充填されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
  10. 前記顆粒状の磁性材が、その表面を薄膜で覆われるように加工され、充填されていることを特徴とする請求項9に記載の極低温蓄冷器。
  11. 前記顆粒の大きさが、0.01〜3mmであることを特徴とする請求項9又は10に記載の極低温蓄冷器。
  12. 少くとも一種類の前記磁性材が、ブロック状、ペレット状、又は、板状に焼結、加工されて、充填されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
  13. 前記磁性材が、積層状に充填されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
  14. 前記磁性材が、蓄冷器の最低温層に充填されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
  15. 前記磁性材を、蓄冷器の最低温層より高温の層に用い、且つ、それより低温の層に、4K付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の極低温蓄冷器。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載の蓄冷器を用いたことを特徴とする蓄冷型極低温冷凍機。
  17. 前記蓄冷器を最低温冷却段に用いたことを特徴とする請求項16に記載の蓄冷型極低温冷凍機。
  18. 前記蓄冷器を、中間冷却段に用い、最終冷却段蓄冷器に、4K付近又はそれ以下に大きな比熱を持つ別な磁性材を用いたことを特徴とする請求項16に記載の蓄冷型極低温冷凍機。
  19. 前記蓄冷器を、並列型蓄冷型極低温冷凍機の低温側冷却段に用いたことを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機。
  20. Heを作業流体とすることを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機。
  21. Heを作業流体とすることを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機。
  22. HeとHeの混合ガスを作業流体とすることを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機。
  23. 請求項16乃至22のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いた予冷段と、
    少くとも一つの他の冷却手段と、
    を備えたことを特徴とする冷凍システム。
  24. 請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする寒剤生成装置。
  25. 請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする寒剤再凝縮装置。
  26. 請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする超電導磁石装置。
  27. 請求項26に記載の超電導磁石装置を用いたことを特徴とする磁気共鳴イメージ(MRI)装置。
  28. 請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする超電導素子冷却装置。
  29. 請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする低温パネル及び低温熱シールド装置。
  30. 請求項29に記載の低温パネルを用いたことを特徴とするクライオポンプ。
  31. 請求項16乃至23のいずれかに記載の蓄冷型極低温冷凍機を用いたことを特徴とする宇宙分野冷却装置。
JP2003578833A 2002-03-22 2003-03-12 蓄冷型極低温冷凍機 Expired - Lifetime JP4104004B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002081841 2002-03-22
JP2002081841 2002-03-22
PCT/JP2003/002959 WO2003081145A1 (fr) 2002-03-22 2003-03-12 Dispositif de stockage a temperature cryogenique et refrigerateur

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2003081145A1 true JPWO2003081145A1 (ja) 2005-07-28
JP4104004B2 JP4104004B2 (ja) 2008-06-18

Family

ID=28449130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003578833A Expired - Lifetime JP4104004B2 (ja) 2002-03-22 2003-03-12 蓄冷型極低温冷凍機

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7404295B2 (ja)
JP (1) JP4104004B2 (ja)
CN (1) CN1300521C (ja)
WO (1) WO2003081145A1 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4582994B2 (ja) * 2002-12-12 2010-11-17 株式会社東芝 蓄冷材、その製造方法および蓄冷式冷凍機
GB0408312D0 (en) * 2004-04-14 2004-05-19 Oxford Instr Superconductivity Cooling apparatus
US7363767B2 (en) * 2004-06-15 2008-04-29 Cryomech, Inc. Multi-stage pulse tube cryocooler
DE102004033027B4 (de) * 2004-07-07 2008-07-03 TransMIT Gesellschaft für Technologietransfer mbH Erfindung betreffend Tieftemperaturkühlvorrichtungen
GB0504345D0 (en) * 2005-03-02 2005-04-06 Oxford Instr Superconductivity Cryostat assembly
GB2435918B (en) * 2006-03-10 2008-05-14 Siemens Magnet Technology Ltd Thermal diffusion barrier
CN101148577B (zh) * 2007-10-18 2010-05-19 昆明理工大学 铝/三氧化二铝基复合相变蓄热材料
US9234691B2 (en) * 2010-03-11 2016-01-12 Quantum Design International, Inc. Method and apparatus for controlling temperature in a cryocooled cryostat using static and moving gas
US10168105B2 (en) 2010-05-04 2019-01-01 Basf Se Device and method for storing heat
PT2567173E (pt) * 2010-05-04 2014-04-03 Basf Se Dispositivo e processo para o armazenamento de calor
DE102010038713B4 (de) * 2010-07-30 2013-08-01 Bruker Biospin Gmbh Hochfeld-NMR-Apparatur mit Überschuss-Kühlleistung und integrierter Helium-Rückverflüssigung
CN102538285B (zh) * 2010-12-29 2014-01-08 中国科学院理化技术研究所 磁制冷与回热式气体制冷复合制冷的制冷方法和制冷装置
JP5578501B2 (ja) * 2011-04-11 2014-08-27 住友重機械工業株式会社 蓄冷材、蓄冷器及び極低温蓄冷式冷凍機
JP5840543B2 (ja) * 2012-03-21 2016-01-06 住友重機械工業株式会社 蓄冷式冷凍機
JP5972666B2 (ja) * 2012-05-22 2016-08-17 住友重機械工業株式会社 冷却システム及びメンテナンス要否判定方法
US9574685B2 (en) * 2012-06-19 2017-02-21 Pittsburgh Universal, LLC Cooling system for magnetic resonance imaging device having reduced noise and vibration
US20140331689A1 (en) * 2013-05-10 2014-11-13 Bin Wan Stirling engine regenerator
JP6305193B2 (ja) * 2013-09-17 2018-04-04 住友重機械工業株式会社 蓄冷式冷凍機、一段蓄冷器、及び二段蓄冷器
KR102147433B1 (ko) 2014-01-28 2020-08-24 삼성전자주식회사 자기 냉각기 및 이를 포함하는 장치
JP6257394B2 (ja) * 2014-03-18 2018-01-10 住友重機械工業株式会社 蓄冷器式冷凍機
JP6376793B2 (ja) * 2014-03-26 2018-08-22 住友重機械工業株式会社 蓄冷器式冷凍機
JP2017058079A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 株式会社東芝 極低温冷凍機用蓄冷材、極低温蓄冷器、蓄冷型極低温冷凍機及び蓄冷型極低温冷凍機を備えたシステム
FR3052245B1 (fr) * 2016-06-06 2019-06-14 Societe Francaise De Detecteurs Infrarouges - Sofradir Dispositif cryogenique a echangeur compact
US20200248058A1 (en) * 2016-08-05 2020-08-06 Konoshima Chemical Co., Ltd. Rare earth oxysulfide-based cold storage material
DE102020205183A1 (de) 2020-04-23 2021-10-28 Karlsruher Institut für Technologie Vorrichtung und Verfahren zur Erzeugung kryogener Temperaturen und ihre Verwendung
IL300617A (en) * 2020-08-18 2023-04-01 Toshiba Kk Cold storage material particles, cold storage device, refrigeration machine, cryopump, superconducting magnet, nuclear magnetic resonance imaging device, nuclear magnetic resonance device, magnetic field application type single crystal attraction device, and means for producing cold storage material particles
JP7451348B2 (ja) 2020-08-19 2024-03-18 株式会社東京精密 ステータコイル端末の姿勢検査装置及び姿勢検査方法
US11946680B2 (en) 2021-07-08 2024-04-02 Maybell Quantum Industries, Inc. Integrated dilution refrigerators
CN115077125B (zh) * 2022-07-06 2023-06-13 厦门大学 一种氟化锂镱材料在极低温磁制冷的应用

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6073267A (ja) * 1983-09-30 1985-04-25 株式会社東芝 冷凍機
JPH07101134B2 (ja) * 1988-02-02 1995-11-01 株式会社東芝 蓄熱材料および低温蓄熱器
JPH0796974B2 (ja) * 1988-11-09 1995-10-18 三菱電機株式会社 多段式蓄冷型冷凍機及びそれを組み込んだ冷却装置
US5092130A (en) * 1988-11-09 1992-03-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Multi-stage cold accumulation type refrigerator and cooling device including the same
US5186765A (en) * 1989-07-31 1993-02-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Cold accumulating material and method of manufacturing the same
JPH0816214B2 (ja) * 1991-12-19 1996-02-21 株式会社東芝 蓄冷材料及び蓄冷器
JP3284484B2 (ja) * 1994-02-25 2002-05-20 エクテイー株式会社 蓄冷式冷凍機による冷凍液化方法および装置
FR2721918B1 (fr) * 1994-06-29 1996-09-06 Rhone Poulenc Chimie Oxysulfure de terre rare, son procede de preparation et son utilisation comme luminophore
WO1998018880A1 (fr) * 1996-10-30 1998-05-07 Kabushiki Kaisha Toshiba Materiau d'accumulation du froid pour une temperature ultra-basse, machine de refrigeration utilisant ce materiau et materiau de blindage thermique
DE69813767T2 (de) * 1997-10-20 2004-02-12 Kabushiki Kaisha Toshiba, Kawasaki Kältespeicherndes material und kältespeichernder kühlschrank
JPH11325628A (ja) * 1998-05-11 1999-11-26 Toshiba Corp 蓄冷材および蓄冷式冷凍機
JP2001336849A (ja) * 2000-05-26 2001-12-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd 蓄冷式冷凍機
EP1457745B1 (en) * 2001-06-18 2016-06-01 Konoshima Chemical Co., Ltd. Rare earth metal oxysulfide cool storage material
JP3642486B2 (ja) * 2001-06-18 2005-04-27 神島化学工業株式会社 希土類オキシ硫化物蓄冷材及び蓄冷器

Also Published As

Publication number Publication date
US7404295B2 (en) 2008-07-29
WO2003081145A1 (fr) 2003-10-02
US20050223714A1 (en) 2005-10-13
CN1300521C (zh) 2007-02-14
CN1643310A (zh) 2005-07-20
JP4104004B2 (ja) 2008-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4104004B2 (ja) 蓄冷型極低温冷凍機
US20080104967A1 (en) Regenerator Material, Regenerator and Regenerative Cryocooler
JP3347870B2 (ja) 超電導マグネット並びに該マグネット用の蓄冷型冷凍機
US6378312B1 (en) Pulse-tube cryorefrigeration apparatus using an integrated buffer volume
JP4617251B2 (ja) ヘリウム再凝縮用の同軸多段パルス管
JPWO2006022297A1 (ja) 蓄冷器及びクライオポンプ
JP4445230B2 (ja) 極低温蓄冷材、蓄冷器及び冷凍機
JP2000502175A (ja) 冷凍ヘッドを有する低温冷凍機並びに冷凍ヘッドを所望の温度範囲のために最適化調節する方法
JP5578501B2 (ja) 蓄冷材、蓄冷器及び極低温蓄冷式冷凍機
JP2004235653A (ja) 超電導マグネット
US20020031464A1 (en) Oxide regenerator material and regenerator
US20210215421A1 (en) Cryocooler Suitable for Gas Liquefaction Applications, Gas Liquefaction System and Method Comprising the Same
KR100785745B1 (ko) 축냉기 및 크라이오 펌프
Gao IGC-APD advanced two-stage pulse tube cryocoolers
de Waele Millikelvin Cooling by Expansion of ³He in 4He
JP2005090854A (ja) 極低温蓄冷器及び冷凍機
JP2845761B2 (ja) 極低温冷凍機用蓄冷器
WO2022153713A1 (ja) パルス管冷凍機および超伝導磁石装置
JP2003059713A (ja) 超電導マグネット
JP2004233047A (ja) 超電導マグネット
JP2023056570A (ja) 全固体熱スイッチを用いた磁気冷凍システムおよび熱スイッチ用材料の製造方法
JP2845724B2 (ja) 極低温冷凍機用蓄冷器
Shafi et al. Investigations of a two-stage pulse tube cryocooler operating down to 2.5 K
JPS608674A (ja) 極低温冷凍機
CN116379636A (zh) 一种紧凑式低温磁制冷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050228

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070717

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071221

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4104004

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140404

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term