JPWO2003027736A1 - 光導波路およびその製造方法 - Google Patents
光導波路およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2003027736A1 JPWO2003027736A1 JP2003531227A JP2003531227A JPWO2003027736A1 JP WO2003027736 A1 JPWO2003027736 A1 JP WO2003027736A1 JP 2003531227 A JP2003531227 A JP 2003531227A JP 2003531227 A JP2003531227 A JP 2003531227A JP WO2003027736 A1 JPWO2003027736 A1 JP WO2003027736A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- core
- glass
- optical waveguide
- clad
- glass material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/10—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
- G02B6/12—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
- G02B6/13—Integrated optical circuits characterised by the manufacturing method
- G02B6/138—Integrated optical circuits characterised by the manufacturing method by using polymerisation
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/02042—Multicore optical fibres
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/10—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/10—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
- G02B6/12—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/10—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
- G02B6/12—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
- G02B6/13—Integrated optical circuits characterised by the manufacturing method
- G02B6/132—Integrated optical circuits characterised by the manufacturing method by deposition of thin films
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/24—Coupling light guides
- G02B6/25—Preparing the ends of light guides for coupling, e.g. cutting
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/10—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
- G02B6/12—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
- G02B2006/12166—Manufacturing methods
- G02B2006/12176—Etching
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Optical Integrated Circuits (AREA)
Abstract
クラッド1と、クラッド1の中に埋め込まれ導波路となるコア部20とからなり、コア部20となるガラス材料の熱膨張係数をα1、クラッド1となるガラス材料の熱膨張係数をα2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲となるガラス材料の組み合わせとした光導波路からなる。これにより、屈折率が異なり、かつ熱膨張係数が異なるガラス材料を直接接合で接合し、かつ上部クラッド層をスパッタリングにより形成することで、従来方式に比べて低温で光導波路が作製できるので作製工数と作製時間を短縮でき、伝播損失が小さく、かつ安価な光導波路およびその製造方法を提供できる。
Description
技術分野
本発明は、光部品、特に光導波路およびその製造方法に関する。
背景技術
従来、光分波合波器や分岐挿入器等の導波路系の光部品において、基板上に光導波路を作製する方法としては堆積法とイオン交換法の2種類に大別することができる。
堆積法は、シリコン等からなる基板上にSiO2膜を形成する方法であり、具体的には火炎堆積法やプラズマ化学気相成長法(P−CVD法)あるいは分子ビーム蒸着法(MBE法)等がある。
堆積法のうちの火炎堆積法により光導波路を製造する方法について、図3を用いて説明する。図3(a)に示すように、石英基板7上に酸化ゲルマニウム(GeO2)が添加された微粒子状の二酸化ケイ素(SiO2)あるいはチタニア(TiO2)が添加された微粒子状の二酸化ケイ素(SiO2)を数μmの厚さに堆積させた後、これを焼結し透明化してコア層8を形成する。次いで、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィーとドライエッチング技術を用いてコア層8を所定の形状にパターニングしてコア部81を形成する。その後、図3(c)に示すように、再び火炎堆積法によりコア部81と石英基板7上に五酸化リン(P2O5)および酸化ホウ素(B2O3)が添加された二酸化ケイ素(SiO2)を堆積させ、これを焼結し透明化して上部クラッド層9を形成して、光導波路を製造している。
一方、イオン交換法における製造方法について説明する。この方法では、ボロシリケートガラス基板を用いて、この基板上に導波路パターンを金属マスクにより形成する。次いで、この基板をドーパントが含まれた溶融塩中に浸漬し、ドーパントとガラス成分とのイオン交換現象を利用して、導波路パターンのガラス中にドーパントを拡散させて、ガラス基板の表面層にコア層を形成する。なお、金属マスクが形成されている領域はイオン交換現象が生じないので、露出した領域部のみにマスクパターンと同じ形状のコア層が得られる。
さらに、ガラス基板中の成分のうち、上述のドーパントでない成分のみを含む溶融塩中にガラス基板を浸漬し、電界を印加して表面層に形成されていたコア層中のドーパントをガラス基板内部に泳動させて、所定の形状のコア部をガラス基板内部に形成する。このコア部は、光導波路となる高屈折率部である。なお、金属マスクを除去後に光導波路となるコア部を覆うようにガラス基板の表面層を低屈折率の材料を用いて被覆し、コア部が埋め込まれた形状とする。
しかしながら、このような堆積法やイオン交換法においては、以下の問題点がある。
堆積法で形成した光導波路は最も伝播損失が小さいが、コア部およびクラッド層の堆積と焼結工程、さらにフォトリソグラフィーによるパターニング工程を経るため、光導波路の作製工数が多く、しかもそれぞれの工程が長時間必要であるために、生産性に課題を有する。例えば、コア層の堆積には1.5時間、焼結に10時間を要している。
また、イオン交換法で形成する光導波路は比較的短時間で作製可能であるが、コア層をイオン交換により作製するため、ガラス基板の厚さ方向にドーパントは不均一な分布を生じる。これにより、屈折率においても厚さ方向に分布を生じて伝播損失が悪くなることが課題である。
発明の開示
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、伝播損失が小さく、かつ光導波路の作製工数と作製時間を短縮して安価な光導波路およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。
本発明の光導波路は、クラッドと、クラッドの中に埋め込まれ導波路となるコア部とからなり、コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1、クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲となるガラス材料の組み合わせとした構成からなる。
これにより、屈折率が異なり、かつ熱膨張係数が異なるガラス材料を用いて下部クラッド層とコア部との直接接合が可能となるので、界面の光学特性が良好で、しかも接合強度を大きくすることができる。さらに、上部クラッド層をスパッタリングにより形成すれば、従来方式に比べて低温で光導波路が作製できるので、材料の選択の自由度が増加するだけでなく、低コスト化も可能である。
また、本発明の光導波路は、クラッドと、クラッドの中に埋め込まれ導波路となるコア部とからなり、コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1およびその屈伏点をAt1、クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2およびその屈伏点をAt2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲で、かつコア部となるガラス材料の屈伏点がクラッドとなるガラス材料の屈伏点よりも70℃以上高いガラス材料の組み合わせとした構成を有する。
これにより、上部クラッド層をスパッタリングで形成できるだけでなく、クラッド層となるガラス板を用いて熱プレスによりコア部を埋め込むようにしながら下部クラッド層と一体化する作製法も可能となり、工数および時間を大幅に短縮して低コスト化が可能となる。
また、本発明の光導波路は、コア部のガラス材料がホウケイ酸クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)、アルカリ金属酸化物(R2O)および二価金属の酸化物(LO)(R:アルカリ金属、L:二価金属)からなり、クラッドのガラス材料がフッ素クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなる構成を有し、したがって伝播損失特性が良好で、しかも低コストにできる。
また、本発明の光導波路は、コア部およびクラッドのガラス材料が、二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなるフッ素クラウンガラスであり、コア部の屈折率がクラッドの屈折率より大きな材料の組み合わせとした構成からなり、伝播損失特性が良好で、低コストにできる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層となるガラス板の光学研磨面とコア層となるガラス板の光学研磨面とを対向して圧着し加熱することにより直接接合して接合基板を形成する工程と、この接合基板のコア層表面を研削と研磨によりコア部として必要な厚さに加工する工程と、コア層をエッチングして導波路となるコア部を形成する工程と、コア部を含み下部クラッド層上にガラスをスパッタリングにより成膜して上部クラッド層を形成するとともに、コア部を上部クラッド層と下部クラッド層とからなるクラッド中に埋め込む工程とからなる方法であり、ガラス材料からなる光導波路が良好な特性を有しながら、かつ簡単に製造できる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層となるガラス板の光学研磨面とコア層となるガラス板の光学研磨面とを対向して圧着し加熱することにより直接接合して接合基板を形成する工程と、接合基板のコア層表面を研削と研磨によりコア部として必要な厚さに加工する工程と、コア層をエッチングして導波路となるコア部を形成する工程と、このコア部上にこのコア部の屈伏点よりも低い屈伏点を有するガラス板からなる上部クラッド層を配置し、少なくとも上部クラッド層の屈伏点の温度以上に加熱するとともに加圧し、コア部の形状を保持しながら上部クラッド層と下部クラッド層とを接合一体化してコア部をクラッド中に埋め込む熱プレス工程とからなる方法であり、光学特性の良好な光導波路を簡単な工程で、かつ短時間に製造できる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1、クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲となるガラス材料を用いる方法であり、直接接合やダイシング等の工程を経てもクラックや剥離が生じない光導波路を容易に製造することができる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、記コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1およびその屈伏点をAt1、クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2およびその屈伏点をAt2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲で、かつコア部となるガラス材料の屈伏点がクラッドとなるガラス材料の屈伏点より70℃以上高いガラス材料を用いる方法であり、上部クラッド層を熱プレスしてもコア部の形状精度が安定な光導波路を量産性良く製造できる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、熱プレス工程がクラッドとなるガラス材料の屈伏点より高く、コア部となるガラス材料の屈伏点より低い温度で加熱する方法であり、熱プレス温度を上記の範囲に設定することによりコア部の変形を抑制しながら上部クラッド層と下部クラッド層とを確実に接合して一体化できる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、コア部のガラス材料がホウケイ酸クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)、アルカリ金属酸化物(R2O)および二価金属の酸化物(LO)(R:アルカリ金属、L:二価金属)からなり、クラッドのガラス材料がフッ素クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなる材料を用いる方法であり、直接接合が容易で、かつ接合界面の接合強度が大きく高信頼性の光導波路を製造することができる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、コア部およびクラッドのガラス材料が、二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなるフッ素クラウンガラスであり、コア部の屈折率がクラッドの屈折率より大きな材料の組み合わせとした方法であり、直接接合が容易で、かつ接合界面の接合強度が大きく高信頼性の光導波路を製造することができる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層とコア層のそれぞれの接合面が、接合する基板面内全面で算術平均表面粗さ(Ra)が0.1nm〜1nmで、かつ平坦度が0.1μm〜1μmまで研磨した後に直接接合する方法であり、例えば直径が3インチ以上の基板を用いても全面が確実に直接接合ができ、光導波路を生産性良く製造できる。なお、Raは1nm以下とすれば基板のガラス成分同士の原子間結合を確実に生じさせることが可能であり、また平坦度が1μm以下であれば全面均一に基板同士の接触が可能となるので、直接接合が確実に、かつ安定に行える。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して本発明の実施例の光導波路およびその製造方法を詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の光導波路の製造工程図である。下部クラッド層1aとなる基板として直径3インチの円板形状のフッ素クラウンガラスと、コア層2となる基板として同じ形状のホウケイ酸クラウンガラスとを直接接合により接合した。接合した状態を図1(a)に示す。直接接合は以下のような手順で行う。最初に、それぞれのガラス基板の片面を表面粗さとして算術平均粗さ(Ra)が1nmで、平坦度が1μmとなるように光学研磨する。その後、これらのガラス基板を洗浄して、これらのガラス基板に対する水の接触角が5度以下となる清浄度とする。次に、これらのガラス基板の研磨面同士を対向させて圧着した後、250℃で1時間熱処理し、下部クラッド層1aとコア層2とを直接接合により原子レベルで接合して一体化した接合基板11を形成する。直接接合は、ガラスのような酸化物表面を原子レベルで正常にした状態で対向させ密着させて熱処理を行うと、酸素原子を介してガラス基板の成分原子の結合が生じてバルクと同じ程度の強固な界面を得ることができる。このように直接接合によれば、接着剤を用いることなく組成が異なる異種の大径サイズ材料でも容易に一体化が可能である。
次に、図1(b)に示すように、コア層2の表面から研削と研磨を行い、その最終厚さが5〜7μmとなるようにする。次に、図1(c)に示すようにスピンコートでフォトレジスト3を塗布した後、図1(d)に示すようにフォトリソグラフィー法でパターニングし、その後ドライエッチングで図1(e)に示すようにコア層2の不要部分をエッチングする。さらに、フォトレジスト3を除去すれば、所定の形状のコア部20が下部クラッド層1a上に形成されたコア部形成基板11aが得られる。
その後、下部クラッド層1aと同じフッ素クラウンガラスをターゲットとし、スパッタリングにより図1(f)に示すコア部20形成面上にフッ素クラウンガラスを堆積させ上部クラッド層1bを形成する。下部クラッド層1aと上部クラッド層1bとは同じ材料であるので、これらが一体化したクラッド1となり、このクラッド1中にコア部20が埋め込まれた光導波路が得られる。これを、図1(g)にしめす。
以下、具体的な実験例について比較例を参照して説明する。
第1の実験例としては、下部クラッド層1aとなるガラスとして、ガラス屈伏点:568℃、屈折率:1.4876、熱膨張係数95×10−7/℃で、その組成がSiO2−B2O3−K2O−KHF2からなるフッ素クラウンガラスを用いた。また、コア層2となるガラスとして、ガラス屈伏点:625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数86×10−7/℃で、その組成がSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOからなるホウケイ酸クラウンガラスを用いた。それぞれのガラス基板の厚さは1mm、直径は3インチの円板形状である。
対向する面のそれぞれをRa:1nm、平坦度:1μmになるまで光学研磨し、それぞれの基板に対する水の接触角が5度以下になるよう洗浄した後、研磨面同士を対向させて圧着し、250℃の温度で1時間熱処理して、両基板同士を直接接合する。次に、コア層2となるホウケイ酸クラウンガラスをその厚みが7μmになるまで研削し研磨した。次に、ホウケイ酸クラウンガラス上にフォトレジスト3を形成し、これにマスクパターンを重ねて露光・現像してパターン化されたフォトレジスト3を形成した。パターン化されたフォトレジスト3をマスクとして反応性イオンエッチングを行い、断面形状が7μm角のコア部20を形成した。続いて、下部クラッド層1aと同一組成のフッ素クラウンガラスを20μmスパッタリングして上部クラッド層1bを形成し、光導波路を作製した。下部クラッド層1aと上部クラッド層1bとは同じ材料からなり、同じ光学特性を有し、両者は一体化したクラッド1を構成する。このようにして作製した試料を実験例1とよぶ。
この実験例1の光導波路のコア部20とクラッド1の熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値は9×10−7/℃である。しかし、直接接合したコア部20とクラッド1との界面での接合強度は充分大きく、剥離は全く生じなかった。また、下部クラッド層1aとコア部20とはスパッタリングにより形成した上部クラッド層1bで充分に被覆されており、コア部20と下部クラッド層1a、またはコア部20と上部クラッド層1bとの界面に発生しやすい気泡も全く観察されなかった。
さらに、直径3インチの円板形状のガラス基板に複数個作製した光導波路を個片に切断し、また光ファイバーと結合するためにコア部20の端面をダイサー等により切断して露出させる必要がある。この時、コア部20とクラッド1の熱膨張係数の差が大きいと、ダイシング時にコア部20とクラッド1、特にこれらの界面部分に割れやクラックが発生する。しかし、実験例1の光導波路ではこのような欠陥は全く発生しなかった。
第2の実験例としては、コア層および下部クラッド層1aとして上記と同様な直径3インチで厚さが1mmの円板形状のフッ素クラウンガラスを用いた。ただし、下部クラッド層1aとなるフッ素クラウンガラスは、ガラス屈伏点:491℃、屈折率:1.4816、熱膨張係数95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−AlF3−K2O−Na2Oである。また、コア層2となるフッ素クラウンガラスは、ガラス屈伏点:568℃、屈折率:1.4876、熱膨張係数95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−K2O−KFである。これらのガラス基板を用いた光導波路の作製方法および条件については、実験例1と同じとした。このようにして作製した試料を実験例2とよぶ。
この実験例2の光導波路についても直接接合した界面でのそりや剥離、およびコア部20とクラッド1との界面の気泡発生はなかった。さらに、ダイシング時も割れやクラック等は発生しなかった。
上記の実験例と比較するため、下部クラッド層1aとして直径が3インチで厚さが1mmのフッ素クラウンガラス、コア層2として同じ形状のホウケイ酸クラウンガラスを用いた。下部クラッド層1aとなるフッ素クラウンガラスは、ガラス屈伏点:495℃、屈折率:1.5112、熱膨張係数100×10−7/℃で、その組成はSiO2−KF−K2Oである。また、コア層2となるホウケイ酸クラウンガラスは、ガラス屈伏点:625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数86×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOである。これらのガラスを用いて、実験例1と同じ製造方法および条件により光導波路を作製した。このようにして作製した光導波路を比較例1とよぶ。
この比較例1の光導波路の場合、コア部20とクラッド1との熱膨張係数(α1−α2)の差の絶対値は14×10−7/℃である。
この光導波路については、直接接合を行ったときに基板のそりやコア層2と下部クラッド層1aとの界面での剥離、およびコア部20とクラッド1との界面の気泡発生は、実験例1及び実験例2と同様に観察されなかった。しかし、ダイシング時にコア部20とクラッド1との界面において一部クラックが発生した。
これらの3種類の試料についての結果を表1に示す。
表1からわかるように、実験例1の(α1−α2)の値は9×10−7/℃、実験例2の(α1−α2)の値は0、比較例1の(α1−α2)の値は14×10−7/℃である。一方、直接接合やダイシング工程等の工程を経た後にクラックが観察された試料は比較例1のみであった。さらに、上記と同じ製造方法により、種々の熱膨張係数の異なる材料を用いて光導波路形状を作製してクラックや剥離、気泡発生を調べた。その結果、熱膨張係数の差(α1−α2)が10×10−7/℃以上では、少なくともダイシング時にクラックが発生した。しかし、9×10−7/℃以下の場合には、クラック等の異常は全く見られなかった。
以上の結果より、下部クラッド層1aとコア層2とを直接接合により接合し、上部クラッド層1bをスパッタリングによって形成する光導波路を作製するためには、コア層2とクラッド1との熱膨張係数の差が0〜9×10−7/℃の範囲とする必要があることが見出された。
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の光導波路の製造工程図である。下部クラッド層4aとなる基板として直径3インチの円板形状のフッ素クラウンガラスと、コア層2となる基板として同じ形状のフッ素クラウンガラスとを直接接合により接合した。接合した状態を図2(a)に示す。直接接合を行う手順は実施例1と同じであるので、説明は省略する。コア層5と下部クラッド層4aとを直接接合することにより、コア層5と下部クラッド層4aとが接合されて一体化した接合基板21が得られる。
次に、図2(b)に示すように、コア層5の厚みが5〜7μmとなるまでコア層5の表面側から研削し研磨する。次に、図2(c)に示すようにフォトレジスト6をスピンコートで塗布した後、図2(d)のようにフォトリソグラフィー法でパターニングし、その後ドライエッチングによりコア層5の不要部分をエッチングする。これを、図2(e)に示す。次いで、フォトレジスト6を除去すれば、コア部50が形成されたコア部形成基板21aが得られる。これを、図2(f)に示す。
この後、下部クラッド層4aと同じ材料のフッ素クラウンガラスからなる上部クラッド層4bを用意する。この上部クラッド層4bを図2(g)に示すようにコア部50上に配置した後、上部クラッド層4bのガラス屈伏点より20〜30℃高い温度で熱プレスして、コア部50を埋め込み、かつ下部クラッド層4aと上部クラッド層4bとを一体化したクラッド4を形成する。
なお、この熱プレスにおいては、コア層5となるガラスの屈伏点をAt1とし、クラッドとなるガラスの屈伏点をAt2としたとき、At1−At2>70℃となるような材料の組み合わせとする。このようにすることにより、熱プレス時にコア部50の変形が生じず、かつ上部クラッド層と下部クラッド層との一体化が行える加熱温度範囲を設定することができる。
以下、具体的な実験例について比較例を参照して説明する。
第3の実験例としては、コア層5および下部クラッド層4aとして、片面を光学研磨し、洗浄した直径3インチ、厚さ1mmのフッ素クラウンガラスを用いた。ただし、下部クラッド層4aとなるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At2):491℃、屈折率:1.4816、熱膨張係数(α2):95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−AlF3−K2O−Na2Oである。また、コア層5となるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At1):568℃、屈折率:1.4876、熱膨張係数(α1):95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−K2O−KFである。下部クラッド層4aの研磨面とコア層5の研磨面とを対向させて圧着し、250℃で1時間熱処理し、直接接合した。このときの光学研磨後のRa、平坦度および洗浄後の基板に対する水の接触角は実施例1と同様の値とした。
次に、コア層5を厚さが7μmになるまで研削し、研磨した。その後、コア層5上にフォトレジスト6を塗布し、これに所定の露光を行いパターン化されたフォトレジスト6を形成した。このパターン化されたフォトレジスト6をマスクとしてドライエッチングを行い、断面形状がほぼ7μm角のコア部50を形成した。
続いて、下部クラッド層4aと同じ材料のガラスからなる上部クラッド層4bをコア部50上に配置して、520℃で30秒間熱プレスを行った。この熱プレスにより、コア部50を埋め込むように上部クラッド層4bが変形し、下部クラッド層4aに接触して、上部クラッド層4bと下部クラッド層4aとが一体化されたクラッド4が形成され光導波路が作製される。このようにして作製した光導波路を実験例3とよぶ。
この実験例3の光導波路は、熱プレスを行ってもコア部50の変形が生じず、形状精度も優れていた。また、直接接合やその後の熱プレス等の工程を経た後でも、基板の反りや接合界面での剥離、およびコア部50とクラッドとの界面での気泡発生もなかった。さらに、ダイシング時においても、割れやクラック等は全く発生しなかった。
第4の実験例としては、下部クラッド層4aとして直径が3インチで、厚さが1mm、片面を光学研磨し、洗浄したフッ素クラウンガラス、コア層5として同じ形状で同じ洗浄方法を行ったホウケイ酸クラウンガラスを用いた。なお、下部クラッド層4aとなるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At2):447℃、屈折率:1.4644、熱膨張係数(α2):93×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−K2O−KHF2である。また、コア層5となるホウケイ酸クラウンガラスは、屈伏点(At1):625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数(α1):86×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOである。これらのガラスを用いて光導波路を作製したが、熱プレス条件を470℃とした以外は実験例3と同じ条件とした。このようにして作製した光導波路を実験例4とよぶ。
この実験例4の光導波路は、直接接合やその後の熱プレス等の工程を経た後でも反りや剥離、またはコア部50とクラッド4との界面での気泡の発生はみられなかった。さらに、ダイシングによる割れやクラック等も全く発生しなかった。また、470℃の温度で熱プレスを行っても、コア部50には熱変形が起こらず、形状精度も良好であった。
次に、上記の実験例の比較用として比較例2の光導波路の試料を作成した。下部クラッド層4aとして、直径3インチ、厚さが1mmの円板形状で光学研磨し洗浄したフッ素クラウンガラス、コア層5としては同じ形状で同じ処理を行ったホウケイ酸クラウンガラスを用いた。なお、下部クラッド層4aとなるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At2):568℃、屈折率:1.4876、熱膨張係数(α2):95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−K2O−KHF2である。また、コア層5となるホウケイ酸クラウンガラスは、屈伏点(At1):625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数(α1):86×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOである。これらのガラスを用いて光導波路を作製したが、熱プレス条件を590℃とした以外は実験例3と同じ条件とした。
このようにして作製した光導波路は、直接接合や熱プレス工程等の製造工程を経た後でも、基板の反りや界面での剥離、あるいはダイシングによる割れやクラック等は全く発生しなかった。また、熱プレス後でもコア部50は熱変形が生じなく形状精度も優れていた。しかし、コア部50と上部クラッド層4bとの界面や下部クラッド層4aと上部クラッド層4bとの界面に気泡が発生しており、熱プレスによる被覆一体化が不充分であった。
次に、第3の比較例としては、下部クラッド層4aとして直径3インチで、厚さが1mm、片面を光学研磨し洗浄したフッ素クラウンガラス、コア層5として同じ形状のホウケイ酸クラウンガラスを用いた。なお、下部クラッド層4aとなるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At2):495℃、屈折率:1.5112、熱膨張係数(α2):100×10−7/℃で、その組成はSiO2−KF−K2Oである。また、コア層5となるホウケイ酸クラウンガラスは、屈伏点(At1):625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数(α1):86×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOである。これらのガラスを用いて光導波路を作製したが、作製条件は実験例3と同じとした。このようにして作成した光導波路を比較例3とよぶ。
このようにして作製した光導波路のコア部50は熱プレスしても熱変形が生じず、形状精度も良好であった。また、直接接合や熱プレス等の工程を経ても、基板の反りや剥離は見られなかった。また、比較例2のように熱プレスでの被覆一体化が不充分であることにより生じるコア部50と上部クラッド層4bとの界面や、上部クラッド層4aと下部クラッド層4bとの界面での気泡発生も観察されなかった。しかし、ダイシング時に、コア部50とクラッド1との界面に部分的にクラックが生じることが見出された。
これらの3種類の試料についての結果を表2に示す。
表2からわかるように、形状精度が良好で、かつクラックや剥離等が発生しない試料は実験例3と実験例4であり、これらは熱膨張係数の差(α1−α2)が7×10−7/℃以下で、かつ屈伏点の差が77℃以上である。一方、比較例2は熱膨張係数の差(α1−α2)は9×10−7/℃であるが、屈伏点の差が57℃である。さらに、比較例3は、屈伏点の差は130℃と大きいが、熱膨張係数の差(α1−α2)も14×10−7/℃と大きい。この熱膨張係数の差と屈伏点の差が形状精度やクラック等に影響する条件について調べた。
比較例2は、上記したように直接接合や熱プレス等の工程を経ても、基板の反りや界面での剥離、またダイシングによるクラックも生じなかったが、コア部50と上部クラッド層4bとの界面に気泡が観察された。この気泡発生は、熱プレスが不十分であることによる。したがって、熱プレス温度を上げれば被覆性は改善されて気泡は生じなくなるが、一方コア部50の形状精度は大きく劣化する。形状精度を確保しながら、熱プレスによる被覆性を改善するために屈伏点差に注目して、屈伏点の異なるガラス材料の組み合わせを用いて、気泡の発生状況を調べた。その結果、上部クラッド層4bとコア部50との屈伏点の温度差が70℃以上が必要であることが見出された。すなわち、70℃以上の温度差があれば、熱プレス温度を上部クラッド層4bの屈伏点より20〜30℃高く、かつコア部50の屈伏点より低い温度に設定できるので、コア部50の変形が生じず、かつ界面での良好な接合性を確保できることがわかった。すなわち、直接接合でコア層5と下部クラッド層4aとを接合し、上部クラッド層4bを熱プレスによりコア部50を埋め込みながら下部クラッド層4aと一体化する作製法においては、熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲で、かつ屈伏点の差が70℃以上とすることが必要であることを見出した。
なお、本実施例においては、ホウケイ酸クラウンガラスのアルカリ金属としてナトリウム(Na)とカリウム(K)の場合について説明したが、さらにリチウム(Li)を用いてもよい。また、二価金属としてバリウム(Ba)の場合について説明したが、さらにマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)またはストロンチウム(Sr)を用いてもよい。また、本実施例においては、下部クラッド層と上部クラッド層とは同じ材料を用いたが、同じフッ素クラウンガラスであれば、その組成は異なっていてもよい。さらに、フッ素クラウンガラスの成分であるフッ素化合物として、KHF3とKFの場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、LiFやNaF等を用いてもよい。
産業上の利用可能性
以上説明したように本発明の光導波路およびその製造方法は、ガラス基板同士を直接接合により原子間レベルで結合させ、スパッタリングまたは熱プレスにより上部クラッド層を形成することで、コア部をクラッド内部に埋め込む構成であり、製造工程数が少なく、かつ作業時間が短縮でき、しかも良好な特性を有する光導波路を容易に製造できるという大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施例1における光導波路およびその製造方法を示す工程図
図2は、本発明の実施例2における光導波路およびその製造方法を示す工程図
図3は、従来の火炎堆積法による光導波路の製造方法を示す工程図
本発明は、光部品、特に光導波路およびその製造方法に関する。
背景技術
従来、光分波合波器や分岐挿入器等の導波路系の光部品において、基板上に光導波路を作製する方法としては堆積法とイオン交換法の2種類に大別することができる。
堆積法は、シリコン等からなる基板上にSiO2膜を形成する方法であり、具体的には火炎堆積法やプラズマ化学気相成長法(P−CVD法)あるいは分子ビーム蒸着法(MBE法)等がある。
堆積法のうちの火炎堆積法により光導波路を製造する方法について、図3を用いて説明する。図3(a)に示すように、石英基板7上に酸化ゲルマニウム(GeO2)が添加された微粒子状の二酸化ケイ素(SiO2)あるいはチタニア(TiO2)が添加された微粒子状の二酸化ケイ素(SiO2)を数μmの厚さに堆積させた後、これを焼結し透明化してコア層8を形成する。次いで、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィーとドライエッチング技術を用いてコア層8を所定の形状にパターニングしてコア部81を形成する。その後、図3(c)に示すように、再び火炎堆積法によりコア部81と石英基板7上に五酸化リン(P2O5)および酸化ホウ素(B2O3)が添加された二酸化ケイ素(SiO2)を堆積させ、これを焼結し透明化して上部クラッド層9を形成して、光導波路を製造している。
一方、イオン交換法における製造方法について説明する。この方法では、ボロシリケートガラス基板を用いて、この基板上に導波路パターンを金属マスクにより形成する。次いで、この基板をドーパントが含まれた溶融塩中に浸漬し、ドーパントとガラス成分とのイオン交換現象を利用して、導波路パターンのガラス中にドーパントを拡散させて、ガラス基板の表面層にコア層を形成する。なお、金属マスクが形成されている領域はイオン交換現象が生じないので、露出した領域部のみにマスクパターンと同じ形状のコア層が得られる。
さらに、ガラス基板中の成分のうち、上述のドーパントでない成分のみを含む溶融塩中にガラス基板を浸漬し、電界を印加して表面層に形成されていたコア層中のドーパントをガラス基板内部に泳動させて、所定の形状のコア部をガラス基板内部に形成する。このコア部は、光導波路となる高屈折率部である。なお、金属マスクを除去後に光導波路となるコア部を覆うようにガラス基板の表面層を低屈折率の材料を用いて被覆し、コア部が埋め込まれた形状とする。
しかしながら、このような堆積法やイオン交換法においては、以下の問題点がある。
堆積法で形成した光導波路は最も伝播損失が小さいが、コア部およびクラッド層の堆積と焼結工程、さらにフォトリソグラフィーによるパターニング工程を経るため、光導波路の作製工数が多く、しかもそれぞれの工程が長時間必要であるために、生産性に課題を有する。例えば、コア層の堆積には1.5時間、焼結に10時間を要している。
また、イオン交換法で形成する光導波路は比較的短時間で作製可能であるが、コア層をイオン交換により作製するため、ガラス基板の厚さ方向にドーパントは不均一な分布を生じる。これにより、屈折率においても厚さ方向に分布を生じて伝播損失が悪くなることが課題である。
発明の開示
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、伝播損失が小さく、かつ光導波路の作製工数と作製時間を短縮して安価な光導波路およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。
本発明の光導波路は、クラッドと、クラッドの中に埋め込まれ導波路となるコア部とからなり、コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1、クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲となるガラス材料の組み合わせとした構成からなる。
これにより、屈折率が異なり、かつ熱膨張係数が異なるガラス材料を用いて下部クラッド層とコア部との直接接合が可能となるので、界面の光学特性が良好で、しかも接合強度を大きくすることができる。さらに、上部クラッド層をスパッタリングにより形成すれば、従来方式に比べて低温で光導波路が作製できるので、材料の選択の自由度が増加するだけでなく、低コスト化も可能である。
また、本発明の光導波路は、クラッドと、クラッドの中に埋め込まれ導波路となるコア部とからなり、コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1およびその屈伏点をAt1、クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2およびその屈伏点をAt2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲で、かつコア部となるガラス材料の屈伏点がクラッドとなるガラス材料の屈伏点よりも70℃以上高いガラス材料の組み合わせとした構成を有する。
これにより、上部クラッド層をスパッタリングで形成できるだけでなく、クラッド層となるガラス板を用いて熱プレスによりコア部を埋め込むようにしながら下部クラッド層と一体化する作製法も可能となり、工数および時間を大幅に短縮して低コスト化が可能となる。
また、本発明の光導波路は、コア部のガラス材料がホウケイ酸クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)、アルカリ金属酸化物(R2O)および二価金属の酸化物(LO)(R:アルカリ金属、L:二価金属)からなり、クラッドのガラス材料がフッ素クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなる構成を有し、したがって伝播損失特性が良好で、しかも低コストにできる。
また、本発明の光導波路は、コア部およびクラッドのガラス材料が、二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなるフッ素クラウンガラスであり、コア部の屈折率がクラッドの屈折率より大きな材料の組み合わせとした構成からなり、伝播損失特性が良好で、低コストにできる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層となるガラス板の光学研磨面とコア層となるガラス板の光学研磨面とを対向して圧着し加熱することにより直接接合して接合基板を形成する工程と、この接合基板のコア層表面を研削と研磨によりコア部として必要な厚さに加工する工程と、コア層をエッチングして導波路となるコア部を形成する工程と、コア部を含み下部クラッド層上にガラスをスパッタリングにより成膜して上部クラッド層を形成するとともに、コア部を上部クラッド層と下部クラッド層とからなるクラッド中に埋め込む工程とからなる方法であり、ガラス材料からなる光導波路が良好な特性を有しながら、かつ簡単に製造できる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層となるガラス板の光学研磨面とコア層となるガラス板の光学研磨面とを対向して圧着し加熱することにより直接接合して接合基板を形成する工程と、接合基板のコア層表面を研削と研磨によりコア部として必要な厚さに加工する工程と、コア層をエッチングして導波路となるコア部を形成する工程と、このコア部上にこのコア部の屈伏点よりも低い屈伏点を有するガラス板からなる上部クラッド層を配置し、少なくとも上部クラッド層の屈伏点の温度以上に加熱するとともに加圧し、コア部の形状を保持しながら上部クラッド層と下部クラッド層とを接合一体化してコア部をクラッド中に埋め込む熱プレス工程とからなる方法であり、光学特性の良好な光導波路を簡単な工程で、かつ短時間に製造できる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1、クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲となるガラス材料を用いる方法であり、直接接合やダイシング等の工程を経てもクラックや剥離が生じない光導波路を容易に製造することができる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、記コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1およびその屈伏点をAt1、クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2およびその屈伏点をAt2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲で、かつコア部となるガラス材料の屈伏点がクラッドとなるガラス材料の屈伏点より70℃以上高いガラス材料を用いる方法であり、上部クラッド層を熱プレスしてもコア部の形状精度が安定な光導波路を量産性良く製造できる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、熱プレス工程がクラッドとなるガラス材料の屈伏点より高く、コア部となるガラス材料の屈伏点より低い温度で加熱する方法であり、熱プレス温度を上記の範囲に設定することによりコア部の変形を抑制しながら上部クラッド層と下部クラッド層とを確実に接合して一体化できる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、コア部のガラス材料がホウケイ酸クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)、アルカリ金属酸化物(R2O)および二価金属の酸化物(LO)(R:アルカリ金属、L:二価金属)からなり、クラッドのガラス材料がフッ素クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなる材料を用いる方法であり、直接接合が容易で、かつ接合界面の接合強度が大きく高信頼性の光導波路を製造することができる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、コア部およびクラッドのガラス材料が、二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなるフッ素クラウンガラスであり、コア部の屈折率がクラッドの屈折率より大きな材料の組み合わせとした方法であり、直接接合が容易で、かつ接合界面の接合強度が大きく高信頼性の光導波路を製造することができる。
また、本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層とコア層のそれぞれの接合面が、接合する基板面内全面で算術平均表面粗さ(Ra)が0.1nm〜1nmで、かつ平坦度が0.1μm〜1μmまで研磨した後に直接接合する方法であり、例えば直径が3インチ以上の基板を用いても全面が確実に直接接合ができ、光導波路を生産性良く製造できる。なお、Raは1nm以下とすれば基板のガラス成分同士の原子間結合を確実に生じさせることが可能であり、また平坦度が1μm以下であれば全面均一に基板同士の接触が可能となるので、直接接合が確実に、かつ安定に行える。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して本発明の実施例の光導波路およびその製造方法を詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の光導波路の製造工程図である。下部クラッド層1aとなる基板として直径3インチの円板形状のフッ素クラウンガラスと、コア層2となる基板として同じ形状のホウケイ酸クラウンガラスとを直接接合により接合した。接合した状態を図1(a)に示す。直接接合は以下のような手順で行う。最初に、それぞれのガラス基板の片面を表面粗さとして算術平均粗さ(Ra)が1nmで、平坦度が1μmとなるように光学研磨する。その後、これらのガラス基板を洗浄して、これらのガラス基板に対する水の接触角が5度以下となる清浄度とする。次に、これらのガラス基板の研磨面同士を対向させて圧着した後、250℃で1時間熱処理し、下部クラッド層1aとコア層2とを直接接合により原子レベルで接合して一体化した接合基板11を形成する。直接接合は、ガラスのような酸化物表面を原子レベルで正常にした状態で対向させ密着させて熱処理を行うと、酸素原子を介してガラス基板の成分原子の結合が生じてバルクと同じ程度の強固な界面を得ることができる。このように直接接合によれば、接着剤を用いることなく組成が異なる異種の大径サイズ材料でも容易に一体化が可能である。
次に、図1(b)に示すように、コア層2の表面から研削と研磨を行い、その最終厚さが5〜7μmとなるようにする。次に、図1(c)に示すようにスピンコートでフォトレジスト3を塗布した後、図1(d)に示すようにフォトリソグラフィー法でパターニングし、その後ドライエッチングで図1(e)に示すようにコア層2の不要部分をエッチングする。さらに、フォトレジスト3を除去すれば、所定の形状のコア部20が下部クラッド層1a上に形成されたコア部形成基板11aが得られる。
その後、下部クラッド層1aと同じフッ素クラウンガラスをターゲットとし、スパッタリングにより図1(f)に示すコア部20形成面上にフッ素クラウンガラスを堆積させ上部クラッド層1bを形成する。下部クラッド層1aと上部クラッド層1bとは同じ材料であるので、これらが一体化したクラッド1となり、このクラッド1中にコア部20が埋め込まれた光導波路が得られる。これを、図1(g)にしめす。
以下、具体的な実験例について比較例を参照して説明する。
第1の実験例としては、下部クラッド層1aとなるガラスとして、ガラス屈伏点:568℃、屈折率:1.4876、熱膨張係数95×10−7/℃で、その組成がSiO2−B2O3−K2O−KHF2からなるフッ素クラウンガラスを用いた。また、コア層2となるガラスとして、ガラス屈伏点:625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数86×10−7/℃で、その組成がSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOからなるホウケイ酸クラウンガラスを用いた。それぞれのガラス基板の厚さは1mm、直径は3インチの円板形状である。
対向する面のそれぞれをRa:1nm、平坦度:1μmになるまで光学研磨し、それぞれの基板に対する水の接触角が5度以下になるよう洗浄した後、研磨面同士を対向させて圧着し、250℃の温度で1時間熱処理して、両基板同士を直接接合する。次に、コア層2となるホウケイ酸クラウンガラスをその厚みが7μmになるまで研削し研磨した。次に、ホウケイ酸クラウンガラス上にフォトレジスト3を形成し、これにマスクパターンを重ねて露光・現像してパターン化されたフォトレジスト3を形成した。パターン化されたフォトレジスト3をマスクとして反応性イオンエッチングを行い、断面形状が7μm角のコア部20を形成した。続いて、下部クラッド層1aと同一組成のフッ素クラウンガラスを20μmスパッタリングして上部クラッド層1bを形成し、光導波路を作製した。下部クラッド層1aと上部クラッド層1bとは同じ材料からなり、同じ光学特性を有し、両者は一体化したクラッド1を構成する。このようにして作製した試料を実験例1とよぶ。
この実験例1の光導波路のコア部20とクラッド1の熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値は9×10−7/℃である。しかし、直接接合したコア部20とクラッド1との界面での接合強度は充分大きく、剥離は全く生じなかった。また、下部クラッド層1aとコア部20とはスパッタリングにより形成した上部クラッド層1bで充分に被覆されており、コア部20と下部クラッド層1a、またはコア部20と上部クラッド層1bとの界面に発生しやすい気泡も全く観察されなかった。
さらに、直径3インチの円板形状のガラス基板に複数個作製した光導波路を個片に切断し、また光ファイバーと結合するためにコア部20の端面をダイサー等により切断して露出させる必要がある。この時、コア部20とクラッド1の熱膨張係数の差が大きいと、ダイシング時にコア部20とクラッド1、特にこれらの界面部分に割れやクラックが発生する。しかし、実験例1の光導波路ではこのような欠陥は全く発生しなかった。
第2の実験例としては、コア層および下部クラッド層1aとして上記と同様な直径3インチで厚さが1mmの円板形状のフッ素クラウンガラスを用いた。ただし、下部クラッド層1aとなるフッ素クラウンガラスは、ガラス屈伏点:491℃、屈折率:1.4816、熱膨張係数95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−AlF3−K2O−Na2Oである。また、コア層2となるフッ素クラウンガラスは、ガラス屈伏点:568℃、屈折率:1.4876、熱膨張係数95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−K2O−KFである。これらのガラス基板を用いた光導波路の作製方法および条件については、実験例1と同じとした。このようにして作製した試料を実験例2とよぶ。
この実験例2の光導波路についても直接接合した界面でのそりや剥離、およびコア部20とクラッド1との界面の気泡発生はなかった。さらに、ダイシング時も割れやクラック等は発生しなかった。
上記の実験例と比較するため、下部クラッド層1aとして直径が3インチで厚さが1mmのフッ素クラウンガラス、コア層2として同じ形状のホウケイ酸クラウンガラスを用いた。下部クラッド層1aとなるフッ素クラウンガラスは、ガラス屈伏点:495℃、屈折率:1.5112、熱膨張係数100×10−7/℃で、その組成はSiO2−KF−K2Oである。また、コア層2となるホウケイ酸クラウンガラスは、ガラス屈伏点:625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数86×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOである。これらのガラスを用いて、実験例1と同じ製造方法および条件により光導波路を作製した。このようにして作製した光導波路を比較例1とよぶ。
この比較例1の光導波路の場合、コア部20とクラッド1との熱膨張係数(α1−α2)の差の絶対値は14×10−7/℃である。
この光導波路については、直接接合を行ったときに基板のそりやコア層2と下部クラッド層1aとの界面での剥離、およびコア部20とクラッド1との界面の気泡発生は、実験例1及び実験例2と同様に観察されなかった。しかし、ダイシング時にコア部20とクラッド1との界面において一部クラックが発生した。
これらの3種類の試料についての結果を表1に示す。
表1からわかるように、実験例1の(α1−α2)の値は9×10−7/℃、実験例2の(α1−α2)の値は0、比較例1の(α1−α2)の値は14×10−7/℃である。一方、直接接合やダイシング工程等の工程を経た後にクラックが観察された試料は比較例1のみであった。さらに、上記と同じ製造方法により、種々の熱膨張係数の異なる材料を用いて光導波路形状を作製してクラックや剥離、気泡発生を調べた。その結果、熱膨張係数の差(α1−α2)が10×10−7/℃以上では、少なくともダイシング時にクラックが発生した。しかし、9×10−7/℃以下の場合には、クラック等の異常は全く見られなかった。
以上の結果より、下部クラッド層1aとコア層2とを直接接合により接合し、上部クラッド層1bをスパッタリングによって形成する光導波路を作製するためには、コア層2とクラッド1との熱膨張係数の差が0〜9×10−7/℃の範囲とする必要があることが見出された。
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の光導波路の製造工程図である。下部クラッド層4aとなる基板として直径3インチの円板形状のフッ素クラウンガラスと、コア層2となる基板として同じ形状のフッ素クラウンガラスとを直接接合により接合した。接合した状態を図2(a)に示す。直接接合を行う手順は実施例1と同じであるので、説明は省略する。コア層5と下部クラッド層4aとを直接接合することにより、コア層5と下部クラッド層4aとが接合されて一体化した接合基板21が得られる。
次に、図2(b)に示すように、コア層5の厚みが5〜7μmとなるまでコア層5の表面側から研削し研磨する。次に、図2(c)に示すようにフォトレジスト6をスピンコートで塗布した後、図2(d)のようにフォトリソグラフィー法でパターニングし、その後ドライエッチングによりコア層5の不要部分をエッチングする。これを、図2(e)に示す。次いで、フォトレジスト6を除去すれば、コア部50が形成されたコア部形成基板21aが得られる。これを、図2(f)に示す。
この後、下部クラッド層4aと同じ材料のフッ素クラウンガラスからなる上部クラッド層4bを用意する。この上部クラッド層4bを図2(g)に示すようにコア部50上に配置した後、上部クラッド層4bのガラス屈伏点より20〜30℃高い温度で熱プレスして、コア部50を埋め込み、かつ下部クラッド層4aと上部クラッド層4bとを一体化したクラッド4を形成する。
なお、この熱プレスにおいては、コア層5となるガラスの屈伏点をAt1とし、クラッドとなるガラスの屈伏点をAt2としたとき、At1−At2>70℃となるような材料の組み合わせとする。このようにすることにより、熱プレス時にコア部50の変形が生じず、かつ上部クラッド層と下部クラッド層との一体化が行える加熱温度範囲を設定することができる。
以下、具体的な実験例について比較例を参照して説明する。
第3の実験例としては、コア層5および下部クラッド層4aとして、片面を光学研磨し、洗浄した直径3インチ、厚さ1mmのフッ素クラウンガラスを用いた。ただし、下部クラッド層4aとなるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At2):491℃、屈折率:1.4816、熱膨張係数(α2):95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−AlF3−K2O−Na2Oである。また、コア層5となるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At1):568℃、屈折率:1.4876、熱膨張係数(α1):95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−K2O−KFである。下部クラッド層4aの研磨面とコア層5の研磨面とを対向させて圧着し、250℃で1時間熱処理し、直接接合した。このときの光学研磨後のRa、平坦度および洗浄後の基板に対する水の接触角は実施例1と同様の値とした。
次に、コア層5を厚さが7μmになるまで研削し、研磨した。その後、コア層5上にフォトレジスト6を塗布し、これに所定の露光を行いパターン化されたフォトレジスト6を形成した。このパターン化されたフォトレジスト6をマスクとしてドライエッチングを行い、断面形状がほぼ7μm角のコア部50を形成した。
続いて、下部クラッド層4aと同じ材料のガラスからなる上部クラッド層4bをコア部50上に配置して、520℃で30秒間熱プレスを行った。この熱プレスにより、コア部50を埋め込むように上部クラッド層4bが変形し、下部クラッド層4aに接触して、上部クラッド層4bと下部クラッド層4aとが一体化されたクラッド4が形成され光導波路が作製される。このようにして作製した光導波路を実験例3とよぶ。
この実験例3の光導波路は、熱プレスを行ってもコア部50の変形が生じず、形状精度も優れていた。また、直接接合やその後の熱プレス等の工程を経た後でも、基板の反りや接合界面での剥離、およびコア部50とクラッドとの界面での気泡発生もなかった。さらに、ダイシング時においても、割れやクラック等は全く発生しなかった。
第4の実験例としては、下部クラッド層4aとして直径が3インチで、厚さが1mm、片面を光学研磨し、洗浄したフッ素クラウンガラス、コア層5として同じ形状で同じ洗浄方法を行ったホウケイ酸クラウンガラスを用いた。なお、下部クラッド層4aとなるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At2):447℃、屈折率:1.4644、熱膨張係数(α2):93×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−K2O−KHF2である。また、コア層5となるホウケイ酸クラウンガラスは、屈伏点(At1):625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数(α1):86×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOである。これらのガラスを用いて光導波路を作製したが、熱プレス条件を470℃とした以外は実験例3と同じ条件とした。このようにして作製した光導波路を実験例4とよぶ。
この実験例4の光導波路は、直接接合やその後の熱プレス等の工程を経た後でも反りや剥離、またはコア部50とクラッド4との界面での気泡の発生はみられなかった。さらに、ダイシングによる割れやクラック等も全く発生しなかった。また、470℃の温度で熱プレスを行っても、コア部50には熱変形が起こらず、形状精度も良好であった。
次に、上記の実験例の比較用として比較例2の光導波路の試料を作成した。下部クラッド層4aとして、直径3インチ、厚さが1mmの円板形状で光学研磨し洗浄したフッ素クラウンガラス、コア層5としては同じ形状で同じ処理を行ったホウケイ酸クラウンガラスを用いた。なお、下部クラッド層4aとなるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At2):568℃、屈折率:1.4876、熱膨張係数(α2):95×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−K2O−KHF2である。また、コア層5となるホウケイ酸クラウンガラスは、屈伏点(At1):625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数(α1):86×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOである。これらのガラスを用いて光導波路を作製したが、熱プレス条件を590℃とした以外は実験例3と同じ条件とした。
このようにして作製した光導波路は、直接接合や熱プレス工程等の製造工程を経た後でも、基板の反りや界面での剥離、あるいはダイシングによる割れやクラック等は全く発生しなかった。また、熱プレス後でもコア部50は熱変形が生じなく形状精度も優れていた。しかし、コア部50と上部クラッド層4bとの界面や下部クラッド層4aと上部クラッド層4bとの界面に気泡が発生しており、熱プレスによる被覆一体化が不充分であった。
次に、第3の比較例としては、下部クラッド層4aとして直径3インチで、厚さが1mm、片面を光学研磨し洗浄したフッ素クラウンガラス、コア層5として同じ形状のホウケイ酸クラウンガラスを用いた。なお、下部クラッド層4aとなるフッ素クラウンガラスは、屈伏点(At2):495℃、屈折率:1.5112、熱膨張係数(α2):100×10−7/℃で、その組成はSiO2−KF−K2Oである。また、コア層5となるホウケイ酸クラウンガラスは、屈伏点(At1):625℃、屈折率:1.5164、熱膨張係数(α1):86×10−7/℃で、その組成はSiO2−B2O3−Na2O−K2O−BaOである。これらのガラスを用いて光導波路を作製したが、作製条件は実験例3と同じとした。このようにして作成した光導波路を比較例3とよぶ。
このようにして作製した光導波路のコア部50は熱プレスしても熱変形が生じず、形状精度も良好であった。また、直接接合や熱プレス等の工程を経ても、基板の反りや剥離は見られなかった。また、比較例2のように熱プレスでの被覆一体化が不充分であることにより生じるコア部50と上部クラッド層4bとの界面や、上部クラッド層4aと下部クラッド層4bとの界面での気泡発生も観察されなかった。しかし、ダイシング時に、コア部50とクラッド1との界面に部分的にクラックが生じることが見出された。
これらの3種類の試料についての結果を表2に示す。
表2からわかるように、形状精度が良好で、かつクラックや剥離等が発生しない試料は実験例3と実験例4であり、これらは熱膨張係数の差(α1−α2)が7×10−7/℃以下で、かつ屈伏点の差が77℃以上である。一方、比較例2は熱膨張係数の差(α1−α2)は9×10−7/℃であるが、屈伏点の差が57℃である。さらに、比較例3は、屈伏点の差は130℃と大きいが、熱膨張係数の差(α1−α2)も14×10−7/℃と大きい。この熱膨張係数の差と屈伏点の差が形状精度やクラック等に影響する条件について調べた。
比較例2は、上記したように直接接合や熱プレス等の工程を経ても、基板の反りや界面での剥離、またダイシングによるクラックも生じなかったが、コア部50と上部クラッド層4bとの界面に気泡が観察された。この気泡発生は、熱プレスが不十分であることによる。したがって、熱プレス温度を上げれば被覆性は改善されて気泡は生じなくなるが、一方コア部50の形状精度は大きく劣化する。形状精度を確保しながら、熱プレスによる被覆性を改善するために屈伏点差に注目して、屈伏点の異なるガラス材料の組み合わせを用いて、気泡の発生状況を調べた。その結果、上部クラッド層4bとコア部50との屈伏点の温度差が70℃以上が必要であることが見出された。すなわち、70℃以上の温度差があれば、熱プレス温度を上部クラッド層4bの屈伏点より20〜30℃高く、かつコア部50の屈伏点より低い温度に設定できるので、コア部50の変形が生じず、かつ界面での良好な接合性を確保できることがわかった。すなわち、直接接合でコア層5と下部クラッド層4aとを接合し、上部クラッド層4bを熱プレスによりコア部50を埋め込みながら下部クラッド層4aと一体化する作製法においては、熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲で、かつ屈伏点の差が70℃以上とすることが必要であることを見出した。
なお、本実施例においては、ホウケイ酸クラウンガラスのアルカリ金属としてナトリウム(Na)とカリウム(K)の場合について説明したが、さらにリチウム(Li)を用いてもよい。また、二価金属としてバリウム(Ba)の場合について説明したが、さらにマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)またはストロンチウム(Sr)を用いてもよい。また、本実施例においては、下部クラッド層と上部クラッド層とは同じ材料を用いたが、同じフッ素クラウンガラスであれば、その組成は異なっていてもよい。さらに、フッ素クラウンガラスの成分であるフッ素化合物として、KHF3とKFの場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、LiFやNaF等を用いてもよい。
産業上の利用可能性
以上説明したように本発明の光導波路およびその製造方法は、ガラス基板同士を直接接合により原子間レベルで結合させ、スパッタリングまたは熱プレスにより上部クラッド層を形成することで、コア部をクラッド内部に埋め込む構成であり、製造工程数が少なく、かつ作業時間が短縮でき、しかも良好な特性を有する光導波路を容易に製造できるという大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施例1における光導波路およびその製造方法を示す工程図
図2は、本発明の実施例2における光導波路およびその製造方法を示す工程図
図3は、従来の火炎堆積法による光導波路の製造方法を示す工程図
Claims (12)
- クラッドと、前記クラッドの中に埋め込まれ導波路となるコア部とからなり、前記コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1、前記クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲となるガラス材料の組み合わせとしたことを特徴とする光導波路。
- クラッドと、前記クラッドの中に埋め込まれ導波路となるコア部とからなり、前記コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1およびその屈伏点をAt1、前記クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2およびその屈伏点をAt2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲で、かつ前記コア部となるガラス材料の屈伏点が前記クラッドとなるガラス材料の屈伏点よりも70℃以上高いガラス材料の組み合わせとしたことを特徴とする光導波路。
- 前記コア部のガラス材料がホウケイ酸クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)、アルカリ金属酸化物(R2O)および二価金属の酸化物(LO)(R:アルカリ金属、L:二価金属)からなり、クラッドのガラス材料がフッ素クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなることを特徴とする請求項1または2記載の光導波路。
- 前記コア部およびクラッドのガラス材料が、二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなるフッ素クラウンガラスであり、前記コア部の屈折率が前記クラッドの屈折率より大きな材料の組み合わせとしたことを特徴とする請求項1または2記載の光導波路。
- 下部クラッド層となるガラス板の光学研磨面とコア層となるガラス板の光学研磨面とを対向して圧着し、加熱することにより直接接合して接合基板を形成する工程と、前記接合基板のコア層表面を研削と研磨によりコア部として必要な厚さに加工する工程と、前記コア層をエッチングして導波路となるコア部を形成する工程と、前記コア部を含み前記下部クラッド層上にガラスをスパッタリングにより成膜して上部クラッド層を形成するとともに、前記コア部を前記上部クラッド層と前記下部クラッド層とからなるクラッド中に埋め込む工程とからなることを特徴とする光導波路の製造方法。
- 下部クラッド層となるガラス板の光学研磨面とコア層となるガラス板の光学研磨面とを対向して圧着し、加熱することにより直接接合して接合基板を形成する工程と、前記接合基板のコア層表面を研削と研磨によりコア部として必要な厚さに加工する工程と、前記コア層をエッチングして導波路となるコア部を形成する工程と、前記コア部上に前記コア部の屈伏点よりも低い屈伏点を有するガラス板からなる上部クラッド層を配置し、少なくとも前記上部クラッド層の屈伏点の温度以上に加熱するとともに加圧し、前記コア部の形状を保持しながら前記上部クラッド層と下部クラッド層とを接合一体化して前記コア部を前記クラッド中に埋め込む熱プレス工程とからなることを特徴とする光導波路の製造方法。
- 前記コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1、前記クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲となるガラス材料を用いることを特徴とする請求項5または6に記載の光導波路の製造方法。
- 前記コア部となるガラス材料の熱膨張係数をα1およびその屈伏点をAt1、前記クラッドとなるガラス材料の熱膨張係数をα2およびその屈伏点をAt2としたとき、これらの熱膨張係数の差(α1−α2)の絶対値が0〜9×10−7/℃の範囲で、かつ前記コア部となるガラス材料の屈伏点が前記クラッドとなるガラス材料の屈伏点より70℃以上高いガラス材料を用いることを特徴とする請求項6に記載の光導波路の製造方法。
- 前記熱プレス工程は、クラッドとなるガラス材料の屈伏点より高い温度で、かつコア部となるガラス材料の屈伏点より低い温度で加熱することを特徴とする請求項6または請求項8に記載の光導波路の製造方法。
- 前記コア部のガラス材料がホウケイ酸クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)、アルカリ金属酸化物(R2O)および二価金属の酸化物(LO)(R:アルカリ金属、L:二価金属)からなり、クラッドのガラス材料がフッ素クラウンガラスで、その組成が二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなる材料を用いることを特徴とする請求項7から9までのいずれかに記載の光導波路の製造方法。
- 前記コア部およびクラッドのガラス材料が、二酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)およびフッ素化合物とからなるフッ素クラウンガラスであり、前記コア部の屈折率が前記クラッドの屈折率より大きな材料の組み合わせとしたことを特徴とする請求項7から9までのいずれかに記載の光導波路の製造方法。
- 前記下部クラッド層とコア層のそれぞれの接合面は、接合する基板面内全面で算術平均表面粗さ(Ra)が0.1nm〜1nmで、かつ平坦度が0.1μm〜1μmまで研磨した後に直接接合することを特徴とする請求項5または6に記載の光導波路の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001285435 | 2001-09-19 | ||
JP2001285435 | 2001-09-19 | ||
PCT/JP2002/009574 WO2003027736A1 (fr) | 2001-09-19 | 2002-09-18 | Guide d'onde optique et procede de fabrication associe |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2003027736A1 true JPWO2003027736A1 (ja) | 2005-01-13 |
JP3664174B2 JP3664174B2 (ja) | 2005-06-22 |
Family
ID=19108583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003531227A Expired - Fee Related JP3664174B2 (ja) | 2001-09-19 | 2002-09-18 | 光導波路およびその製造方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6996324B2 (ja) |
EP (1) | EP1429160A4 (ja) |
JP (1) | JP3664174B2 (ja) |
CN (1) | CN1220894C (ja) |
WO (1) | WO2003027736A1 (ja) |
Families Citing this family (34)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007114374A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Hitachi Cable Ltd | 光導波路素子及び多連光導波路素子 |
KR100721318B1 (ko) | 2005-12-30 | 2007-05-25 | 전자부품연구원 | 유사위상정합 도파관의 제조방법 |
US7805826B1 (en) * | 2006-07-06 | 2010-10-05 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Fabrication of slot waveguide |
KR100878032B1 (ko) | 2007-08-08 | 2009-01-13 | (주)인터플렉스 | 고굴곡 광도파로 제조 방법 |
JP2009265519A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Hitachi Cable Ltd | フレキシブル光導波路およびその製造方法 |
US8673163B2 (en) | 2008-06-27 | 2014-03-18 | Apple Inc. | Method for fabricating thin sheets of glass |
US7810355B2 (en) | 2008-06-30 | 2010-10-12 | Apple Inc. | Full perimeter chemical strengthening of substrates |
CN102388003B (zh) | 2009-03-02 | 2014-11-19 | 苹果公司 | 用于强化用于便携式电子设备的玻璃盖的技术 |
US20110019354A1 (en) * | 2009-03-02 | 2011-01-27 | Christopher Prest | Techniques for Strengthening Glass Covers for Portable Electronic Devices |
US9778685B2 (en) | 2011-05-04 | 2017-10-03 | Apple Inc. | Housing for portable electronic device with reduced border region |
US9213451B2 (en) | 2010-06-04 | 2015-12-15 | Apple Inc. | Thin glass for touch panel sensors and methods therefor |
US10189743B2 (en) | 2010-08-18 | 2019-01-29 | Apple Inc. | Enhanced strengthening of glass |
US8873028B2 (en) | 2010-08-26 | 2014-10-28 | Apple Inc. | Non-destructive stress profile determination in chemically tempered glass |
US8824140B2 (en) | 2010-09-17 | 2014-09-02 | Apple Inc. | Glass enclosure |
US10781135B2 (en) * | 2011-03-16 | 2020-09-22 | Apple Inc. | Strengthening variable thickness glass |
US9725359B2 (en) | 2011-03-16 | 2017-08-08 | Apple Inc. | Electronic device having selectively strengthened glass |
US9128666B2 (en) | 2011-05-04 | 2015-09-08 | Apple Inc. | Housing for portable electronic device with reduced border region |
US9944554B2 (en) | 2011-09-15 | 2018-04-17 | Apple Inc. | Perforated mother sheet for partial edge chemical strengthening and method therefor |
US9516149B2 (en) | 2011-09-29 | 2016-12-06 | Apple Inc. | Multi-layer transparent structures for electronic device housings |
US10144669B2 (en) | 2011-11-21 | 2018-12-04 | Apple Inc. | Self-optimizing chemical strengthening bath for glass |
US10133156B2 (en) | 2012-01-10 | 2018-11-20 | Apple Inc. | Fused opaque and clear glass for camera or display window |
US8684613B2 (en) | 2012-01-10 | 2014-04-01 | Apple Inc. | Integrated camera window |
US8773848B2 (en) | 2012-01-25 | 2014-07-08 | Apple Inc. | Fused glass device housings |
US9946302B2 (en) | 2012-09-19 | 2018-04-17 | Apple Inc. | Exposed glass article with inner recessed area for portable electronic device housing |
US9459661B2 (en) | 2013-06-19 | 2016-10-04 | Apple Inc. | Camouflaged openings in electronic device housings |
CN105264430B (zh) * | 2013-12-05 | 2019-05-28 | 华为技术有限公司 | 一种光调制器及平面光子器件模组 |
US9886062B2 (en) | 2014-02-28 | 2018-02-06 | Apple Inc. | Exposed glass article with enhanced stiffness for portable electronic device housing |
WO2016108077A1 (en) * | 2014-12-31 | 2016-07-07 | Essilor International (Compagnie Generale D'optique) | Method of mirror coating an optical article and article thereby obtained |
JP6570644B2 (ja) * | 2015-09-25 | 2019-09-04 | 株式会社日立製作所 | 接合材及びそれを用いた接合体 |
US10629577B2 (en) | 2017-03-16 | 2020-04-21 | Invensas Corporation | Direct-bonded LED arrays and applications |
US11169326B2 (en) | 2018-02-26 | 2021-11-09 | Invensas Bonding Technologies, Inc. | Integrated optical waveguides, direct-bonded waveguide interface joints, optical routing and interconnects |
US11256004B2 (en) * | 2018-03-20 | 2022-02-22 | Invensas Bonding Technologies, Inc. | Direct-bonded lamination for improved image clarity in optical devices |
US11762200B2 (en) | 2019-12-17 | 2023-09-19 | Adeia Semiconductor Bonding Technologies Inc. | Bonded optical devices |
JPWO2022244274A1 (ja) * | 2021-05-21 | 2022-11-24 |
Family Cites Families (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4108674A (en) * | 1974-02-01 | 1978-08-22 | Jenaer Glaswerk Schott & Gen. | Phototropic optical glass |
US4066466A (en) * | 1976-07-22 | 1978-01-03 | Ppg Industries, Inc. | Low pollution glass fiber compositions |
FR2521123A1 (fr) * | 1982-02-09 | 1983-08-12 | Thomson Csf | Procede de production de verre de silice dopee destine a l'elaboration de preforme pour fibre optique |
US4629485A (en) * | 1983-09-26 | 1986-12-16 | Corning Glass Works | Method of making fluorine doped optical preform and fiber and resultant articles |
US4778499A (en) * | 1984-12-24 | 1988-10-18 | Ppg Industries, Inc. | Method of producing porous hollow silica-rich fibers |
JP2831407B2 (ja) * | 1989-12-21 | 1998-12-02 | 日立電線株式会社 | 希土類元素添加導波路の製造方法 |
US5148510A (en) * | 1990-11-28 | 1992-09-15 | Corning Incorporated | Optical fiber made of galliobismuthate glasses and optical devices using same |
JPH05273417A (ja) * | 1992-01-31 | 1993-10-22 | Yokogawa Electric Corp | 光導波路 |
KR0137125B1 (ko) * | 1992-11-16 | 1998-06-15 | 모리시타 요이찌 | 광도파로소자와 그 제조방법 |
US5377285A (en) * | 1993-02-11 | 1994-12-27 | Honeywell Inc. | Technique for making ultrastable ring resonators and lasers |
US5858051A (en) * | 1995-05-08 | 1999-01-12 | Toshiba Machine Co., Ltd. | Method of manufacturing optical waveguide |
US6150027A (en) * | 1995-06-16 | 2000-11-21 | Hitachi, Ltd | Glass composition, structure, and apparatus using the same |
JP2000509853A (ja) * | 1997-03-04 | 2000-08-02 | アンドロミス エス.アー. | 複数の光学的コンポーネントまたは一個の光学的コンポーネントと基板のアセンブリー法および装置 |
JPH10300962A (ja) * | 1997-04-22 | 1998-11-13 | Oki Electric Ind Co Ltd | 光導波路の製造方法 |
US6314228B1 (en) * | 1998-02-02 | 2001-11-06 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Optical waveguide component and a method of producing the same |
US6686304B1 (en) * | 1999-05-28 | 2004-02-03 | Ppg Industries Ohio, Inc. | Glass fiber composition |
JP2001264566A (ja) * | 2000-03-23 | 2001-09-26 | Tdk Corp | 光導波路の製造方法 |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2003531227A patent/JP3664174B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2002-09-18 US US10/432,920 patent/US6996324B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2002-09-18 CN CN02803357.4A patent/CN1220894C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2002-09-18 WO PCT/JP2002/009574 patent/WO2003027736A1/ja not_active Application Discontinuation
- 2002-09-18 EP EP02765587A patent/EP1429160A4/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1429160A1 (en) | 2004-06-16 |
US20040071424A1 (en) | 2004-04-15 |
EP1429160A4 (en) | 2005-09-14 |
WO2003027736A1 (fr) | 2003-04-03 |
US6996324B2 (en) | 2006-02-07 |
JP3664174B2 (ja) | 2005-06-22 |
CN1220894C (zh) | 2005-09-28 |
CN1481517A (zh) | 2004-03-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3664174B2 (ja) | 光導波路およびその製造方法 | |
US6605228B1 (en) | Method for fabricating planar optical waveguide devices | |
US6836602B2 (en) | Direct bonding of optical components | |
JP2001021744A (ja) | 光導波路基板の製造方法 | |
US6847773B2 (en) | Optical waveguide and method for manufacturing the same | |
WO2006023140A1 (en) | Backside deposition for relieving stress and decreasing warping in optical waveguide production | |
CA2202216A1 (en) | Treatment of glass substrates to compensate for warpage and distortion | |
US20030188553A1 (en) | Direct bonding methods using lithium | |
JPH10300962A (ja) | 光導波路の製造方法 | |
US20040226910A1 (en) | Bulk optical elements incorporating gratings for optical communications and methods for producing | |
JPH0688914A (ja) | 光導波路及びその製造方法 | |
EP1074864A2 (en) | Method of fabricating planar optical waveguide devices | |
JP3659278B2 (ja) | 光導波路用基板の作製方法 | |
JP3690648B2 (ja) | 光導波路基板 | |
JP2002258075A (ja) | 導波路およびその製造方法 | |
JPH0822784B2 (ja) | 複層誘電体の製造方法 | |
JP2532650B2 (ja) | 積層型偏光子の製造方法 | |
JP2007147751A (ja) | 光導波路の作製方法 | |
JP2005330113A (ja) | 石英ガラスの接合方法 | |
JP2003107264A (ja) | 光導波路の製造方法 | |
JPH1039153A (ja) | 光導波路の製造方法 | |
JP2588710B2 (ja) | 石英系光導波膜の製造方法 | |
JP3809792B2 (ja) | 光導波路の製造方法 | |
JPS63149607A (ja) | 光導波路の製造方法 | |
JP2002006164A (ja) | 導波路およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050308 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050321 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |