JPS647420B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の分野） 本発明は光ビームをシート状記録媒体上に走査
させて画像情報の記録または読取りを行なうシー
ト状記録媒体走査装置に関するものである。さら
に詳細には、記録媒体上に光ビームを二次元的に
走査する際に記録媒体を一方向に一定の速度で移
動させることにより副走査を行なうようにした走
査装置の副走査搬送系の改良に関するものであ
る。

（技術的背景及び先行技術） 従来より、光ビームを偏向器によつて一次元的
に偏向させて記録媒体上に走査線を形成し（主走
査）、この走査方向と直交する方向に記録媒体を
機械的に移動させることによつてこの走査線をそ
の走査方向と直交する方向に平行に多数本形成し
て（副走査）二次元的な走査を行ない、画像記録
あるいは画像読取を行なうようにした画像走査方
法が例えばフアクシミリ等において広く採用され
ている。

さらに、本出願人により特許出願されている放
射線画像記録再生方法（例えば特開昭55−12429
号、特開昭56−11395号等）においても上述した
画像走査方法が蓄積性螢光体シートに記録された
画像の読取り、あるいは読取つた画像の記録媒体
への記録において用いられている。このような装
置においては、主走査を一定の周期で規則正しく
行なうとともに、副走査方向への記録媒体の移動
を一定の速度で行なうことが要求される。すなわ
ち、記録媒体を副走査のため一方向に低速で移動
させる一方、主走査のためこれと直角な方向に光
ビームを走査する場合、記録媒体は高精度で一定
の速度で移動されないと記録ムラあるいは読出し
ムラが生じ、最終画像を得るとき画像濃度が正確
に再現された画像が得られなくなる。したがつ
て、この副走査は高い精度が要求され、記録媒体
の保持手段と、移動機構の構造には高精度の高価
な構造が要求される。

従来、この記録媒体の移動のための機構として
は、ドラムの上にクランプ装置あるいはピンチロ
ールによつてシート状の記録媒体を密着させてド
ラムを回転させる機構や、ドラムの内部の一部に
サクシヨンボツクスを配し、サクシヨンによつて
ドラムの一部に記録媒体を吸着してドラムを回転
することによつて記録媒体を移動させる方法、あ
るいはベルトの内部にサクシヨンボツクスを配
し、このベルト上に記録媒体を載置して搬送する
方法等が用いられている。これらの方法では、ド
ラムやベルト上に記録媒体を密着させるためにク
ランプ装置やサクシヨンボツクスが必要となるの
で機構的に複雑となり、装置が大型化しコストア
ツプになるという問題がある。

また、サクシヨンボツクス採用の場合には、一
般にサクシヨンのためのブロアの騒音や振動、さ
らにはサクシヨン圧の変動が生じやすく実用上問
題が多く、特に、記録媒体の精密な送りを必要と
し、精密な走査光学系を内蔵する記録あるいは読
取のための走査装置においては、振動およびサク
シヨン圧の変動による送り速度の変動が致命的な
問題とさえなり得る。

また、光ビームで走査することにより記録媒体
からの画像情報を含んだ光を読取る読取走査装置
においては、通常記録媒体に近接して集光体が設
けられるが、集光効率を上げるために集光体をで
きる限り記録媒体に近づけるのが一般に望まし
い。しかしながら、従来のクランプ装置やピンチ
ロールを採用する場合には、クランプやピンチロ
ール等の付近に突出する機構が邪魔になつて集光
体と記録媒体とを近づけることが難しいという問
題がある。

（発明の目的） 本発明は、これらの事情に鑑みなされたもので
あり、比較的小型で、かつ機構が簡単であり、記
録媒体を確実に保持し、精密な光学走査を可能と
したシート状記録媒体走査装置を提供することを
目的とするものである。

（発明の構成及び効果） 本発明のシート状記録媒体走査装置は、画像の
記録あるいは画像の読取のためのシート状記録媒
体を搬送する第一の搬送手段と、この第一の搬送
手段の下流側で前記記録媒体の長さより短かい所
定の距離前記第一の搬送手段より離れた位置に設
けられ、前記第一の搬送手段により搬送される前
記記録媒体を受け取つて搬送する第二の搬送手段
と、 前記第一の搬送手段と前記第二の搬送手段との
間に設けられ、第一の搬送手段によつて送られて
くる記録媒体が第二の搬送手段に到達した後この
記録媒体の搬送面を略垂直に横切る方向に移動し
て記録媒体に当接し、この記録媒体を移動方向に
対して凸形となるように湾曲せしめ得るローラ
と、前記記録媒体に関して前記ローラの反対側に
設けられ、ローラにより湾曲せしめられた前記記
録媒体の凸面側表面上に光ビームを記録媒体搬送
方向と直角な方向に走査せしめる走査光学系とを
有することを特徴とするものである。

このように本発明のシート状記録媒体走査装置
は、光ビームを記録媒体上に走査して画像の読取
りあるいは記録を行なう際に、第一の搬送手段と
第二の搬送手段との間に設けられたローラを記録
媒体に当接させて記録媒体を一定の湾曲した形状
を保ちながら搬送するようにしているので、記録
媒体をローラに密着した状態で安定させて精度良
く搬送（副走査）させることが可能となり、画像
情報を正確に記録あるいは読取りすることができ
る。

また本発明のシート状記録媒体走査装置は、従
来のようなクランプ装置やサクシヨンボツクスを
用いていないので、構造が簡単になるとともに騒
音や振動の問題が解決される。

また本発明の走査装置を画像読取りに適用する
場合には、記録媒体読取側表面近くにクランプ装
置やピンチロール等の突出する機構がなくなるの
で、従来のサクシヨンボツクスを使用した場合と
同様に光源や集光体を記録媒体に近接させて配置
することが可能になるという利点がある。すなわ
ち、従来のクランプやピンチロールを使用した場
合の無騒音、無振動の利点と、サクシヨンを利用
した場合の走査読取系近接配置可能の利点の両方
の利点を備えている上、構造的にはいずれの形式
のものよりも簡略化されているという利点を有す
る。

また本発明によれば、光ビームにより記録媒体
を走査することなく、単に記録媒体を高速で搬送
する場合には、記録媒体に当接して記録媒体を湾
曲せしめるローラを記録媒体に当接しない所定の
位置に戻すことにより、記録媒体と光源や集光体
との間隔を広げることができるので、記録媒体が
ばたついても、また記録媒体そのものにカールが
あつても記録媒体と光源や集光体とが接触するこ
とがなく高速搬送可能である。

本発明においてシート状記録媒体とは、光ビー
ムを走査することによつて画像情報を光学的に記
録できる感光材料、あるいは画像情報がすでに記
録された情報記録担体で光ビームを走査すること
によつて画像情報を含んだ光を放出するものであ
れば何でも良い。上記感光材料としては例えば印
画紙。写真フイルム等、情報記録担体としては画
像情報が記録された紙葉類やフイルムシート等、
あるいは放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性
螢光体シート（たとえば特開昭55−12142号、同
55−12144号、同55−12145号公報参照）等があげ
られる。

ここに情報記録担体が光ビーム走査によつて画
像情報を含んだ光を放出するとは、その光ビーム
の波長と同じ波長の光を放出する場合（反射）
と、その光ビームの波長と異なる波長の光を放出
する場合（発光）の両方を含むものである。

本発明における第一の搬送手段としては、ベル
トあるいはローラ等の公知の搬送手段を用いるこ
とができる。

また第二の搬送手段としてはシート状記録媒体
を挾持して搬送するものであればいかなるもので
も良く、たとえば一対のローラ、ローラとベルト
対、あるいは一対のベルト等の公知の搬送手段を
用いることができる。

また本発明における記録媒体を湾曲せしめるロ
ーラは、第一の搬送手段と第二の搬送手段との間
に設けられ、それ自身フリーで回転可能であると
ともに、記録媒体に当接してこの記録媒体を湾曲
させる位置と、記録媒体に当接しない所定の位置
との間を移動するように構成されたものであり、
このローラを移動させる手段としては、公知の
種々の手段を用いることができる。たとえば、カ
ムやクランクを用いてローラを移動させるように
することができる。

なお本発明における第一の搬送手段と第二の搬
送手段との距離は出来るだけ短かく設定するのが
好ましく、この距離が長くなると記録媒体の読取
りあるいは記録の開始または終了位置が記録媒体
先端あるいは後端より記録媒体の内側へ長く入つ
た位置となり、記録媒体の有効な読取りあるいは
記録が出来なくなる。また記録媒体を光ビームで
走査し、記録或いは読取操作をおこなつている間
は、記録媒体は第一の搬送手段及び第二の搬送手
段により支持されていることが必要である。

なお、本発明は、輝尽性螢光体に人体等の被写
体を透過した放射線を照射して、放射線画像情報
を蓄積記録した後、励起光のビームで輝尽性螢光
体を走査して励起し、発光光を光電的に読み取つ
て得た電気信号に基づいて、記録材料上を光ビー
ムを走査して放射線画像情報を再生記録する前述
の放射線画像読取記録装置の如く、高精度の記
録、読取りが要求される場合にとくに好ましく適
用される。

（実施態様） 以下、図面により本発明の実施態様を詳細に説
明する。

第１図〜第３図は本発明の一実施態様を示し、
第１図は放射線画像情報を記録した蓄積性螢光体
シート３を画像読取操作部へ挿入する状態を、第
２図はシート３の情報を読み取つている状態を、
第３図はシート３を早送りしている状態をそれぞ
れ示している。一対のベルト車１ａ，１ｂに架け
られて駆動される入口側搬送ベルト１と、この入
口側搬送ベルト１の下流側で、ベルト車１ａの上
方に設けられた入口側ローラ２とで入口側搬送手
段２１（第一の搬送手段）が形成され、１対のベ
ルト車６ａ，６ｂに架けられて駆動される出口側
搬送ベルト６と、この出口側搬送ベルト６と対向
してベルト車６ａの上方に設けられた出口側ロー
ラ５とで出口側搬送手段（第二の搬送手段）２２
が形成される。この出口側搬送手段２２は出口側
ローラ５と出口側搬送ベルト６とでシート３をニ
ツプするようになつている。入口側搬送ベルト１
と出口側搬送手段２２とは、シート３の長さより
小さい間隔を置いてシート３を受渡しできるよう
に設置され、この間隔内にシート３の幅方向に延
びる回転軸を有するメインローラ４が設けられて
いる。

このメインローラ４は上下動可能で、第２図に
示すように上方に移動して、シート３と当接しこ
のシート３を上方に湾曲させる読取位置と、第１
図および第３図のように下方に移動して、シート
３を入口側搬送ベルト１および出口側搬送手段２
２を結ぶ搬送ライン上に位置せしめる早送り位置
との間を移動できるようになつている。なおメイ
ンローラ４が読取位置にある時には、シート３は
メインローラ４に当接し入口側ローラ２に当接し
た状態で出口側搬送手段２２の出口側搬送ベルト
６と出口側ローラ５との間に挾持されて搬送され
る。今便宜上、第１図乃至第３図においてこのメ
インローラ４を読取位置にある時を４ａとし、早
送り位置にある時を４ｂとして表わす。第１図に
示す状態、すなわちシート３を入口側搬送ベルト
１から送り込む時にはメインローラ４は下方に移
動して実線４ｂで示す早送り位置に位置してい
て、送り込まれたシート３は、シート自体の有す
る剛性の故に、入口側搬送ベルト１と出口側搬送
ベルト６を結ぶ搬送ラインに沿つてほぼ平面状の
まま出口側搬送手段２２へ送り込まれ、出口側搬
送ベルト６と出口側ローラ５の間に挾持される。

シート３の前部３ａが出口側搬送ベルト６と出
口側ローラ５の間に挾持されると、メインローラ
４は上方に移動して第２図に示すようにシート３
を上方に湾曲させる。この場合、シート３は十分
な剛性を有していて入口側ローラ２、出口側ロー
ラ５によつて両端を支持されるとともに中央部を
メインローラ４ａによつて上に押し上げられた状
態で上方に湾曲して確実に保持される。このた
め、メインローラ４ａによつて支えられるシート
３の湾曲部３ｂは、湾曲することによつてシート
のゆがみ、カーリング等が除去され、シート幅方
向（紙面に垂直な方向）に凹凸のない直線状にな
る。この直線状になつた湾曲部３ｂ上に、レーザ
光源７からのレーザ光８を、例えばガルバノメー
タミラー９等の走査光学系により主走査させて、
シートに蓄積記録されている画像情報に応じてシ
ート３を輝尽発光させる。この時、シート３は出
口側搬送手段２２により一定速度で副走査されて
おり、この副走査と前記主走査によりシート３の
全面にわたるレーザ光８による走査をなすことが
できる。レーザ光８の走査により湾曲部３ｂから
放出された光（輝尽発光光）は、湾曲部３ｂに沿
つて平行に配された集光体１０の前端１０ａから
集光され、この集光体１０の後端に取り付けられ
た光電変換器（フオトマル）１２によつて電気信
号に変換される。この電気信号はライン１３を介
して再生記録装置１４に送られ必要な信号処理が
施された後画像として再生記録されたり、CRT
によつて可視像を作り出されたりする。このよう
に、シート３の湾曲部３ｂにおいては、湾曲する
ことによつてシート３が自由状態で生ずることの
多いゆがみ、カーリング等を除去できるので、集
光体１０の前端１０ａをこの湾曲部３ｂに近い位
置で、且つ湾曲部３ｂと平行に配すれば効率よく
正確な画像情報を得ることができる。

なお、副走査であるシート３の送り速度はこの
シート３を挾持する出口側搬送手段２２によつて
制御され、入口側搬送ベルト１は搬送を補助して
いるだけである。すなわち、入口側搬送ベルト１
と出口側搬送手段２２とは同一の速度でシート３
を送るようになつているのであるが、実際にはわ
ずかの速度差が生じることが多いため、入口側搬
送ベルト１においてシート３と搬送ベルト１の相
対的滑りを許容して上記速度差を吸収するように
している。このため、出口側搬送手段２２の送り
速度のみを制御するだけでよく、送り制御が比較
的容易である。

また、集光体１０の前端１０ａの下方にストツ
パ１１が設けられていて、シート３が送られて入
口側ローラ２から外れた時にシート３の剛性のた
めに後端がはね上げられて集光体１０に当たるの
を防止している。

第３図は記録、読取りをおこなわずに、単にシ
ート３を早送りする時の状態を示しており、この
時メインローラ４は下方へ移動して実線４ｂで示
す早送り位置に位置する。メインローラ４が４ｂ
で示す早送り位置に位置すると、シート３は入口
側搬送ベルト１と出口側搬送手段２２とをほぼ直
線で結ぶ搬送ライン上に位置する。このため、シ
ート３は第２図のように強制的に曲げられること
もなく、ほぼ平面状になつて搬送されるので早送
りし易い。さらに、シート３と集光体１０の前端
１０ａの間隔が十分に大きく、早送り時にシート
３がばたついてもまたシート３自身がカールして
いても集光体１０とシートが接触することもな
い。

本発明は上記実施態様に限らず種々の変更が可
能であることは言うまでもない。たとえば上述し
た実施態様においては、シート状記録媒体として
比較的剛性の高い蓄積性螢光体シート３を搬送し
ているので、シート３を湾曲させるために入口側
ローラ２を設けて入口側搬送手段２１においても
シート３を挾持しているが搬送する記録媒体の剛
性が低く、メインローラ４が記録媒体に当接した
とき記録媒体の自重により記録媒体が湾曲する場
合には入口側ローラ２は必要でない。

また記録媒体の剛性がある程度以上であるとき
は記録媒体を湾曲させる方向をたとえば、第２図
における湾曲の方向と反対の方向として、メイン
ローラ４をシート３の上部へ、走査光学系をシー
ト３の下部へ設けるような構成とすることができ
るが、この場合にも入口側ローラ２は必要としな
い。

以上説明したように、本発明によればクランプ
装置やサクシヨンボツクスが不要であり、構造を
簡単にできるので装置のコストダウンおよび小型
化を図ることができ、さらには装置の保守も容易
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図はいずれも、本発明の１実施
態様を示す側面図であり、第１図はシートの挿入
時、第２図は画像情報読取時、第３図はシートの
早送り時の状態をそれぞれ示す。 １……入口側搬送ベルト、２……入口側ロー
ラ、３……蓄積性螢光体シート、４……メインロ
ーラ、５……出口側ローラ、６……出口側搬送ベ
ルト、１０……集光体、２１……入口側搬送手
段、２２……出口側搬送手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (i) シート状記録媒体を搬送する第一の搬送
   手段と、 (ii) この第一の搬送手段の下流側で前記記録媒体
   の長さより短かい所定の距離前記第一の搬送手
   段より離れた位置に設けられ、前記第一の搬送
   手段により搬送される前記記録媒体を受け取つ
   て搬送する第二の搬送手段と、 (iii) 前記第一の搬送手段と前記第二の搬送手段と
   の間に設けられ、第一の搬送手段によつて送ら
   れてくる記録媒体が第二の搬送手段に到達した
   後この記録媒体の搬送面を略垂直に横切る方向
   に移動して記録媒体に当接し、この記録媒体を
   移動方向に対して凸形となるように湾曲せしめ
   るローラと、 (iv) 前記記録媒体に関して前記ローラの反対側に
   設けられ、ローラにより湾曲せしめられた前記
   記録媒体の凸面側表面上に 光ビームを記録媒体搬送方向と直角な方向に
   走査せしめる走査光学系とを有することを特徴
   とするシート状記録媒体走査装置。 ２ 前記シート状記録媒体は画像情報がすでに記
   録され、前記走査光学系の走査によりその画像情
   報を含んだ光を放出するものであることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のシート状記録媒
   体走査装置。