JPH05142685A - 放射線画像情報読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート
から塵埃の影響を受けることなく輝尽発光光を得、これ
から良好な画像信号を得ることができる放射線画像情報
読取装置を提供することを目的とする。 【構成】集光ガイド６８の集光端部６８ａの上部および
集光ミラー６６の上部には、レーザ光６０に対向する面
６９ａ、７３ａが蓄積性蛍光体シートＡ側より鉛直線に
沿って斜め上方向に延在する補助部材６９、７３が配設
されている。この場合、塵埃がこれらの面に付着するこ
とがなく、また、補助部材６９、７３の上部がレーザ光
６０から充分に離間した状態となっているため、前記上
部に塵埃が付着しても、レーザ光６０の一部を遮断する
ことがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像情報が蓄積記録さ
れた蓄積性蛍光体シートに励起光を走査して輝尽発光さ
せ、この輝尽発光光を光電的に読み取り、画像信号を得
る放射線画像情報読取装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、医療の分野で人体等の被写体の放
射線画像情報を一旦蓄積性蛍光体シートに蓄積記録し、
これに励起光を走査して輝尽発光させ、この輝尽発光光
を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号を処
理して診断適性のよい被写体の放射線画像を得る放射線
画像情報記録再生システムが提案されている（特開昭５
５−１２４２９号、同５６−１１３９５号、同５５−１
６３４７２号、同５６−１０４６４５号、同５５−１１
６３４０号等参照）。 前記放射線画像情報記録再生シ
ステムを構成する読取装置においては、図７に示すよう
に、矢印方向に副走査搬送される蓄積性蛍光体シート２
に対して、励起光３を主走査方向に照射し、前記蓄積性
蛍光体シート２から得られる輝尽発光光５を必要に応じ
て集光ミラー４で集光し、集光ガイド６を介してフォト
マルチプライヤ７に導いて電気信号に変換している。こ
の場合、集光ミラー４と集光ガイド６との間隔は集光効
率を高く維持するために相当に狭く設定されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記読取装
置の内部には、搬送機構等の動作部が多数あり、これら
によって塵埃が生起されるおそれがある。この場合、例
えば、図７に示すように塵埃８が集光ガイド６の集光端
部上面部あるいは集光ミラー４の上面部に付着すると、
この塵埃８により蓄積性蛍光体シート２に照射される励
起光３の一部が遮断され、この結果、蓄積性蛍光体シー
ト２の励起が妨げられ輝尽発光光５が生じない。このた
め、輝尽発光光５を光電的に読み取って画像信号を得、
この画像信号を処理して再生される被写体の再生画像に
おいては、この部分が副走査方向に延在する筋状の線と
して現れる不都合が生じる。

【０００４】本発明は、前記不都合を克服すべく、放射
線画像の読取部に配設される集光部材の上面に塵埃が付
着し、この塵埃が集光部材の集光端部から突出して励起
光の一部が遮断されることを阻止することにより、必要
な画像情報を確実に得ることができ、これによって画質
を著しく向上することが可能な集光部材を備えた放射線
画像情報読取装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された
放射線画像情報に励起光を照射し、この蓄積性蛍光体シ
ートから発せられた輝尽発光光を集光部材を介して光電
変換手段で読み取って画像信号を得る読取装置におい
て、前記集光部材の上面に、該励起光に対向する面が蓄
積性蛍光体シート側より鉛直線に沿って斜め上方向に延
在する補助部材を設けることを特徴とする。

【０００６】また、本発明は、蓄積性蛍光体シートに蓄
積記録された放射線画像情報に励起光を照射し、この蓄
積性蛍光体シートから発せられた輝尽発光光を集光部材
を介して光電変換手段で読み取って画像信号を得る読取
装置において、前記集光部材の前記励起光に対向する上
面が、蓄積性蛍光体シート側より鉛直線に沿って斜め上
方向に延在する傾斜面で構成されることを特徴とする。

【０００７】

【作用】本発明に係る放射線画像情報読取装置では、集
光部材の上面に、蓄積性蛍光体シートに照射される励起
光に対向する面が蓄積性蛍光体シート側より鉛直線に沿
って斜め上方向に延在する補助部材を設けること、若し
くは、集光部材の前記励起光に対向する上面に蓄積性蛍
光体シート側より鉛直線に沿って斜め上方向に延在する
傾斜面を構成することにより、集光端部に塵埃が付着す
ることを回避することができる。従って、レーザビーム
等の励起光の一部が遮断されることがなく、再生画像上
に副走査方向の筋状の線を生じることを阻止できる。

【０００８】

【実施例】次に、本発明に係る放射線画像情報読取装置
について好適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。

【０００９】図１において、参照符号１０は、本発明に
係る放射線画像情報読取装置を示す。前記放射線画像情
報読取装置１０内の室１２には、サプライマガジン１４
が装着されており、このサプライマガジン１４内には、
放射線画像を蓄積記録済の蓄積性蛍光体シートＡが積層
して収納されている。室１２には前記サプライマガジン
１４に近接して吸着盤１６を含む枚葉機構が設けられ、
この吸着盤１６の下方には、蓄積性蛍光体シートＡを搬
送するエンドレス状の第１の搬送ベルト１８が設けられ
ている。

【００１０】前記第１搬送ベルト１８は鉛直方向下方に
延在し、放射線画像情報読取装置１０の下部隅角部で水
平方向に指向するように屈曲する。この第１搬送ベルト
１８の一面部に接して鉛直方向に配列された複数個のロ
ーラ２０ａ乃至２０ｄが設けられる。さらに、前記第１
搬送ベルト１８の下部側屈曲部には大径のローラ２２が
配設される。そこで、前記第１搬送ベルト１８の終端部
から若干離間して蓄積性蛍光体シートＡを副走査方向に
搬送するための搬送機構２４が設けられている。

【００１１】図１並びに図２に示すように、前記搬送機
構２４を構成する第１のローラ対２６と第２のローラ対
２８は、蓄積性蛍光体シートＡの搬送方向の長さより所
定距離だけ短く離間して配設されている。前記第１ロー
ラ対２６は回転駆動されるローラ３０とこれに摺動して
回転するローラ３２とからなり、一方、前記第２ローラ
対２８は、前記ローラ３０と同一の直径を有すると共に
回転駆動されるローラ３４とこれに摺動して回転するロ
ーラ３６とからなる。この場合、前記ローラ３０と３４
とは、例えば、ベルトあるいはチェーン等を介して同一
の回転駆動源により同期して回転される（図２中、破線
参照）。

【００１２】第１ローラ対２６と第２ローラ対２８との
間には蓄積性蛍光体シートＡの下面部を支持する支持板
３８が設けられている。

【００１３】前記搬送機構２４の上部には、読取部５６
が配置される。この読取部５６は、レーザ光源５８を含
み、このレーザ光源５８のレーザ光導出側には、レーザ
光６０を蓄積性蛍光体シートＡ上に走査させるためのミ
ラー６２およびガルバノメータミラー６４が設けられ、
レーザ光６０は、蓄積性蛍光体シートＡを主走査する。
さらに、レーザ光６０の蓄積性蛍光体シートＡ上の主走
査位置には、主走査線Ｃに近接して集光ガイド６８の集
光端部６８ａが配設され、この集光ガイド６８にフォト
マルチプライヤ７０が接続されている。また、主走査線
Ｃを挟んで前記集光端部６８ａの反対側には、蓄積性蛍
光体シートＡから発せられる輝尽発光光を効率よく前記
集光端部６８ａに導くための反射鏡である集光ミラー６
６が設けられている。

【００１４】そして、前記集光ミラー６６並びに集光ガ
イド６８に塵埃が付着することを回避するため、図３並
びに図４に示すように、集光ガイド６８の集光端部６８
ａの上面および集光ミラー６６の上面には、補助部材６
９、７３が取着される。これらの補助部材６９、７３に
は、レーザ光６０に対向する面６９ａ、７３ａが蓄積性
蛍光体シートＡ側より鉛直線に沿って斜め上方向に延在
して構成されている。なお、前記補助部材６９、７３の
面６９ａ、７３ａと鉛直線とが成す角度αおよびβは３
０度以下が好適である。また、前記補助部材６９と、集
光ガイド６８との取着面の間には、集光効率の低下を回
避するために０．１ｍｍ以上の間隙７１が画成されてい
る。

【００１５】また、第２ローラ対２８に近接してエンド
レス状の第２の搬送ベルト４４が設けられている。この
第２搬送ベルト４４は所定距離水平方向に延在すると共
に、図において垂直方向に大きく立ち上がり、その先端
部は水平部分を経て若干下降するように構成されてい
る。この場合、前記第２搬送ベルト４４の下部側屈曲部
には、大径なローラ４６を配設し、第２搬送ベルト４４
の垂直方向に延在する部分には、複数のローラ４８ａ乃
至４８ｅを設け、さらに前記第２搬送ベルト４４の上部
側屈曲部には大径なローラ５０とローラ５２ａ、５２ｂ
を設けて蓄積性蛍光体シートＡを鉛直方向下方に搬送す
るように構成している。そして、前記ローラ５２ｂに近
接して蓄積性蛍光体シートＡを収納するレシーブマガジ
ン５４が設けられている。

【００１６】さらにまた、室１２内には、例えば、第２
搬送ベルト４４に設けられるローラ４８ｂとローラ４８
ｃとの間に消去部７２を配置する。なお、前記消去部７
２の内部には図示しない複数の消去用光源を配設してお
く。

【００１７】本発明に係る放射線画像情報読取装置１０
は、基本的には以上のように構成されるものであり、次
にその作用並びに効果について説明する。

【００１８】先ず、室１２内にサプライマガジン１４が
装着される。この場合、前記サプライマガジン１４に
は、例えば、人体等の被写体の放射線画像が蓄積記録さ
れた蓄積蛍光体シートＡが複数枚積層して収納されてい
る。

【００１９】そこで、前記蓄積性蛍光体シートＡは吸着
盤１６を含む枚葉機構の作用下に前記サプライマガジン
１４から一枚ずつ取り出され、この吸着盤１６の下方に
設けられた第１搬送ベルト１８と複数のローラ２０ａ乃
至２０ｄおよびローラ２２を介して搬送機構２４側に搬
送される。蓄積性蛍光体シートＡは、第１ローラ対２
６、および第２ローラ対２８によって挟持されて矢印Ｂ
で示される副走査方向に搬送される（図２参照）。

【００２０】そして、読取部５６を駆動してレーザ光源
５８から導出されたレーザ光６０は、ミラー６２により
一旦反射された後、ガルバノメータミラー６４に到達
し、このガルバノメータミラー６４の揺動作用下に前記
蓄積性蛍光体シートＡを走査する。これによって蓄積性
蛍光体シートＡから放出された輝尽発光光は直接あるい
は集光ミラー６６で反射され集光ガイド６８に入射す
る。

【００２１】前記集光ガイド６８により集光された輝尽
発光光は、フォトマルチプライヤ７０によって電気信号
に変換され、例えば、画像記録装置等に供給される。

【００２２】このようにして、蓄積性蛍光体シートＡ
は、レーザ光６０により二次元的に走査されるととも
に、この蓄積性蛍光体シートＡは、さらに第２ローラ対
２８に挟持されて矢印Ｂ方向に搬送され、支持板３８上
の読取部５６を通過してその画像信号が全て読み取られ
る。

【００２３】ここで集光ガイド６８と集光ミラー６６と
の間隔は、集光効率を高く維持するために狭く設定され
ているため、前記集光ガイド６８の集光端部６８ａある
いは集光ミラー６６の上面に塵埃が付着していると、レ
ーザ光６０の一部が遮断されてしまう。これに対して、
本実施例では、前記集光端部６８ａおよび集光ミラー６
６の上面に、鉛直線に沿って斜め上方向に延在する面６
９ａ、７３ａを有する補助部材６９、７３を取着してい
る。従って、放射線画像情報読取装置１０の上部から塵
埃が降下してきた場合であっても、この塵埃は、夫々の
補助部材６９、７３の面６９ａ、７３ａにとどまること
なく落下する。また、たとえ、前記補助部材６９、７３
の上部に塵埃が付着することがあっても、面６９ａ、７
３ａの傾斜によって前記補助部材６９、７３の上部がレ
ーザ光６０の光路から充分に離間されることとなるた
め、レーザ光６０が塵埃によって遮断されることなく、
蓄積性蛍光体シートＡに到達し、当該蓄積性蛍光体シー
トＡの全面より輝尽発光光６１を得ることができる。こ
れにより、フォトマルチプライヤ７０で光電変換して得
られる画像信号に基づき再生画像を得た場合、画像上に
副走査方向に延びる筋状の線が発生することがなく、好
適な画像を得ることができる。

【００２４】次いで、前記蓄積性蛍光体シートＡは第２
搬送ベルト４４、大径のローラ４６およびローラ４８
ａ、４８ｂを介して消去部７２に至る。前記消去部７２
では、図示しない複数の光源が点灯されており、前記光
源から発せられる消去光により蓄積性蛍光体シートＡに
残存する放射線画像が完全に消去される。放射線画像を
消去された蓄積性蛍光体シートＡは前記第２搬送ベルト
４４、ローラ４８ｃ乃至４８ｅを介し室１２の上部に搬
送され、ローラ５０およびローラ５２ａ、５２ｂを介し
てその進行方向を偏位させてレシーブマガジン５４内に
収納される。

【００２５】なお、図５に示すように、集光ガイド６８
の集光端部６８ａを蓄積性蛍光体シートＡ側に湾曲させ
ることで、鉛直線に沿って斜め上方向に延在する曲面６
８ｂを形成することにより補助部材６９を配設した場合
と同様の効果を得ることができる。また、図６に示すよ
うに、集光ガイド６８の集光面６８ｃを鉛直線に沿って
上方に延在する傾斜面とし、集光ミラー６６を用いて蓄
積性蛍光体シートＡからの輝尽発光光を前記集光面６８
ｃに導くようにすることも可能である。

【００２６】

【発明の効果】本発明に係る放射線画像情報読取装置に
よれば、集光部材の上面に、励起光に対向する面が蓄積
性蛍光体シート側より鉛直線に沿って斜め上方向に延在
する補助部材を設けること、若しくは、蓄積性蛍光体シ
ート側より鉛直線に沿って斜め上方向に延在する傾斜面
とすることにより集光端部に塵埃が付着し、あるいは塵
埃が励起光の一部を遮断することを阻止できる。従っ
て、蓄積性蛍光体シートの全面から、塵埃の影響を受け
ることなく確実に輝尽発光光を得ることができる。そし
て、この輝尽発光光に基づく画像信号を処理して得られ
る再生画像に副走査方向に延びる筋上の線が形成される
ことがなく、画質を著しく向上させる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る放射線画像情報読取装置の概略説
明図である。

【図２】本発明に係る放射線画像情報読取装置の搬送機
構の概略説明斜視図である。

【図３】本発明に係る放射線画像情報読取装置の集光部
の斜視図である。

【図４】本発明に係る放射線画像情報読取装置の集光ガ
イド並びに集光ミラーの縦断面図である。

【図５】本発明に係る放射線画像情報読取装置の実施例
において、集光端部を蓄積性蛍光体シートに対向して湾
曲させた集光ガイドの縦断面図である。

【図６】本発明に係る放射線画像情報読取装置の実施例
において、集光端部が鉛直方向に沿って上方に延在する
傾斜面からなる集光部の縦断面図である。

【図７】従来技術に係る放射線画像情報読取装置の集光
部の側面図である。

【符号の説明】

１０…放射線画像情報読取装置 １４…サプライマガジン １８…搬送ベルト ２４…搬送機構 ２６、２８…ローラ対 ３０、３２、３４、３６…ローラ ３８…支持板 ５４…レシーブマガジン ５６…読取部 ５８…レーザ光源 ６４…ガルバノメータミラー ６６…集光ミラー ６８…集光ガイド ６８ａ…集光ガイドの集光端部 ６８ｂ…曲面 ６９…補助部材 ７０…フォトマルチプライヤ ７２…消去部 ７３…補助部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された放射
   線画像情報に励起光を照射し、この蓄積性蛍光体シート
   から発せられた輝尽発光光を集光部材を介して光電変換
   手段で読み取って画像信号を得る読取装置において、 前記集光部材の上面に、該励起光に対向する面が蓄積性
   蛍光体シート側より鉛直線に沿って斜め上方向に延在す
   る補助部材を設けることを特徴とする放射線画像情報読
   取装置。
2. 【請求項２】蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された放射
   線画像情報に励起光を照射し、この蓄積性蛍光体シート
   から発せられた輝尽発光光を集光部材を介して光電変換
   手段で読み取って画像信号を得る読取装置において、 前記集光部材の前記励起光に対向する上面が、蓄積性蛍
   光体シート側より鉛直線に沿って斜め上方向に延在する
   傾斜面で構成されることを特徴とする放射線画像情報読
   取装置。