JPS646734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、図柄等がホログラムにより立体的
に加飾されているコンパクトに関するものであ
る。

〔背景技術〕

一般に、コンパクトは、本体と蓋体とからな
り、本体の内部に化粧料が収容され、蓋体の裏側
に鏡が設けられている。この種のコンパクトは、
通常、蓋体の表面に文字、図柄等のデザインが加
飾されている。このように、上記コンパクトは、
蓋体の表面に、文字、図柄等のデザインが加飾さ
れているものの、それらデザインの加飾状態は平
面的であるため、商品に対する需要者の印象が弱
く、商品を選択する際に、需要者が他の商品に目
をうばわれやすいという欠点を有している。

〔考案の目的〕

この考案は、美的効果をともない、需要者に対
して強い印象を与えるコンパクトの提供をその目
的とする。

〔考案の開示〕

この考案は、コンパクトの外面および内部の少
なくとも一方にホログラムが形成されていること
をその要旨とするものである。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく
説明する。

第１図は、この考案の一実施例を示している。
図において、１は、本体２および蓋体３とからな
るコンパクトである。蓋体３は、本体２の後部２
ａに設けられたヒンジ（隠れて見えない）によつ
て本体２に開閉自在に取付けられている。蓋体３
の前部には、下方に向かつて係止片４が突設され
ており、本体２の前面部に設けられた係止凹部５
に嵌入し、蓋体３の閉成状態を保つようになつて
いる。蓋体３の開成は、蓋体３の前部を上方へ持
ち上げ、上記係止片４を上記係止凹部５から離脱
させることにより行われる。注目すべきは、蓋体
３の表面に、富士山の画像をもつ平面反射型のホ
ログラム（フイルム状体）６が貼着され、蓋体３
の開閉時等に富士山の画像が蓋体表面から浮き上
がり立体的に見えるようになつていることであ
る。なお、上記ホログラム６には、同時にコンパ
クト１の内容物を示す表示（小さくて見えない）
が上記富士山の画像の一部をなすように小さく設
けられ、これも上記富士山の画像同様立体的に見
えるようになつている。

ここで、ホログラムとは、被写体にレーザ光を
照射し被写体で回折させられた光波（信号波）
に、斜方から別個のレーザ光（参照波）を加え、
両者の干渉縞を感光材料（フイルム）に記録した
ものである。ホログラムの作製にはこのように手
間がかかるため、通常、上記のようにして作製し
たホログラムをオリジナルホログラムとし、これ
に生フイルムを密着させてレーザ光により露光し
てコピーをつくり、これを用いるか、もしくは、
オリジナルホログラムからフオトレジスト等に転
写して凹凸のホログラムをつくり、スタンパーを
用いてこれをフイルム等にスタンプ（エンボス）
してコピーをつくりこれを使用することが行われ
る。前者のようにしてホログラムのコピーを作製
する場合は、オリジナルホログラムに密着する生
フイルムが全て不透明体であるため、得られたコ
ピーのホログラムは全て反射型となる。後者のよ
うにしてコピーのホログラムを作製する場合は、
エンボスの対象として透明なプラスチツクフイル
ムを用いることができるため、透過型のホログラ
ムをつくることができる。

上記蓋体３に貼着したものは、前者のようにし
て作製した反射型のコピーのホログラム６であ
る。

このように、このコンパクト１は、蓋体３の表
面にホログラム６が貼着され、蓋体３の開閉時等
にその画像が蓋体３から立体的に浮き上がつて見
えるため、その状態が需要者に強い印象を与え、
商品のイメージとして強く残るようになる。した
がつて、次回から需要者はそのイメージにもとづ
き商品を選択しうるようになり、商品を誤認混同
して購入するということがなくなるようになる。
また、ホログラム６の画像の一部にコンパクト１
の内容物を表示する記号等を組み込むことによ
り、これまでコンパクト１の裏面に貼着されてい
て見にくかつた内容物表示ラベルを取り除き、見
やすい蓋体３の表面に内容物表示をしうるように
なり、いちいちコンパクト１を裏返して内容物を
確認する手間を省くことができるようになる。こ
の場合、上記表示も立体的に見えるため、小さな
文字、記号等でもはつきり見える。したがつて、
平面的表示における場合よりも多く情報を組み込
みうるようになる。

第２図は、この考案の他の実施例を示してい
る。図において、蓋体７の内部上面が２分割さ
れ、一方にはポリエステル等の静電防止効果を有
する保護フイルムで表面が被覆されている平面反
射型のホログラム１３が設けられ、他方には鏡８
が設けられている。１０は蓋体７を開閉自在に本
体９に取付けているヒンジ、１１は本体９の内部
に設けられた化粧料収容部、１２は化粧料塗布具
収容凹部である。それ以外の部分は第１図と実質
的に同じであるから同一または相当部分に同一符
号を付して説明の繰り返しを省略する。

このコンパクト１は、ホログラム１３と鏡８と
が並設されているため、鏡８を見て化粧する際
に、同時にホログラム１３の立体画像をも楽しむ
ことができる。なお、ホログラム１３の化粧料に
よる汚損は、ポリエステル等の静電防止効果を有
する保護被覆フイルムにより防止される。

第３図は、この考案の変形例を示している。こ
の例は、裏面が鏡面１４になつている蓋体１５と
本体１６との間に、２枚の透明プラスチツク板１
７の重合体からなる中蓋１８が、ヒンジ１９を中
心に上下に回動自在に設けられ、その中蓋１８の
２枚の透明プラスチツク板１７の間に平面透過型
のホログラム（フイルム状体）２０が交換可能に
配挿されている。それ以外の部分は第２図と同じ
である。この中蓋１８は、ホログラム保持作用を
有するとともに、化粧料飛散防止作用を有してい
る。

なお、上記中蓋１８自体を透過型のホログラム
２０で構成すると、中蓋１８の両面からホログラ
ム画像が見えるようになるため、中蓋１８の開成
時だけでなく、閉成時にもホログラム２０の立体
画像が楽しめるようになる。

第４図は、この考案のさらに他の変形例を示し
ている。すなわち、この例は、中蓋体２１を透明
プラスチツクで構成し、これに画像をエンボスに
より形成して蓋体２１自体を透過型のホログラム
２２に仕上げている。それ以外の部分は第１図の
コンパクト１と同じであるから同一部分に同一符
号を付している。

このコンパクト１は、蓋体２１が透明であるた
め、ホログラム２２の立体画像を楽しみうる外、
蓋体２１を開成しなくても内容物を確認できると
いう効果が得られる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のコンパクトには、ホ
ログラムが形成されているため、平面的な模様で
はなく、画像が容器面から浮かび上がつて見える
という立体画像が得られるようになり、その状態
が需要者に強い印象を与え、商品のイメージを脳
裏に強く焼き付けるようになる。そのため、次回
の商品購入の際、需要者はその強いイメージにも
とづき商品を選択でき、商品を誤認混同するとい
う事態の発生が回避されるようになる。また、ホ
ログラム立体画像の形成をフイルムの貼着により
行つているため、貼着面は平滑であり、浮出模様
等の立体形状を施したものに比べ、汚れの拭き取
りが容易で、かつ模様の凹凸部に汚れが溜まり外
観が見苦しくなることがない。また各種のホログ
ラムフイルムを用意し、これを各種のコンパクト
に貼着することにより多品種小ロツトという化粧
品分野の特殊性に充分対応できるようになる。そ
のうえ、ホログラムをコンパクトの表面に形成
し、その画像の一部に容器の内容物を表示する記
号等を組み込むときには、これまで容器の裏面に
貼着されていて見にくかつた内容物表示ラベルが
不要になり、かつ表面のホログラム記号で内容物
がわかるようになるため、いちいち容器を裏返し
て内容物を確認する手間を省きうるようになる。
この場合、上記表示も立体的に見えるため、小さ
な文字、記号等でもはつきり見え、それによつて
平面的表示における場合よりも多くの情報を組み
込みうるという付随的な効果も得られるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図、第２図
ないし第４図はそれぞれ他の実施例の斜視図であ
る。 １……コンパクト、２……本体、３……蓋体、
６……ホログラム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コンパクトの表面および内部の少なくとも一
   方に、フイルムの貼着によりホログラムが形成
   されていることを特徴とするコンパクト。 (2) ホログラムが、コンパクトの表面に形成さ
   れ、そのホログラムの画像にコンパクトの内容
   物の表示が組み込まれている実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のコンパクト。 (3) コンパクトが、本体と蓋体とから構成され、
   ホログラムがその蓋体の裏面に設けられている
   実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記
   載のコンパクト。 (4) コンパクトが中蓋を備えており、ホログラム
   がその中蓋に設けられている実用新案登録請求
   の範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の
   コンパクト。