JP5202898B2 - コンパクト容器用加飾成形体の製法およびそれによって得られるコンパクト容器用加飾成形体。 - Google Patents

コンパクト容器用加飾成形体の製法およびそれによって得られるコンパクト容器用加飾成形体。 Download PDF

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本発明は、成形面の少なくとも一部に、特殊な透かし模様を有するコンパクト容器用加飾成形体の製法およびそれによって得られるコンパクト容器用成形体に関するものである。
化粧料を収容したコンパクト容器や口紅容器等には、単に機能性だけでなく、見栄えがよい、商品イメージを反映したデザインである、といった意匠性も要求される。このような要求に応える技術として、例えば、コンパクト容器の蓋部に、接着剤を用いることなく装飾フィルムを一体化する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、蓋部の表面や裏面に設けられた薄膜層にレーザを照射し、その薄膜層に、微細な線や点で構成された図柄の透かし模様を形成する技術が開示されている(特許文献2、3参照)。
特開2001−292827公報 特開2006−34623公報 特開2006−334122公報
しかしながら、上記特許文献1のように、装飾フィルムを用いたものは、経時的に装飾フィルム部が変質したり摩耗・損傷したりして、見栄えが悪くなるという問題がある。また、上記特許文献2のように、レーザで微細な透かし模様を形成したものは、美麗で耐久性にも優れているが、模様に立体感や陰影がなく、模様が単調になりやすいという問題がある。
これに対し、上記特許文献3のものは、レーザで形成される微細な透かし模様と凹凸模様が組み合わせられており、立体感があって非常に興趣に富むものである。しかし、このものは、インモールド転写成形等において、透かし模様形成予定部に、予め微細な凹凸形状を付与しておく必要があり、模様のデザインが変わるたびに、異なる凹凸形状の転写シートを用いて金型成形を行わなければならないため、工程が複雑で、製造コストがアップするという問題がある。また、顧客のニーズに応じたデザインのものを、短時間で提供したり、急な仕様変更に対応したりすることができないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低コストで簡単に、立体感のある美麗な透かし模様を形成することのできる、優れたコンパクト容器用加飾成形体の製法と、それによって得られるコンパクト容器用加飾成形体の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、透明部材からなる透明層を有する成形体を準備する工程と、上記透明層片面に対してCO2 レーザを照射し、上記透明層表面を部分的に除去加工して幅25〜100μmの線状もしくは点状の溶融除去跡を連続的もしくは断続的に形成し、それによって凹状模様P′を形成する工程と、上記透明層の凹状模様P′の形成面に、非透明薄膜層を積層形成する工程と、上記非透明薄膜層の表面の一部に対してYAGレーザを照射し、上記非透明薄膜層の除去加工を行うことにより、その下の、透明層に形成された凹状模様P′を構成する溶融除去跡の少なくとも一部を露出させるとともに、その露出した溶融除去跡で囲まれた区画部分には非透明薄膜層を残すことによって、線もしくは点の組み合わせからなる透かし模様を形成する工程とを備え、上記透明層の、非透明薄膜層形成面と反対側の面に直接、もしくは隙間を介して着色層を設け、上記透かし模様Pから、上記着色層の色が透けて見えるようにしコンパクト容器用加飾成形体の製法を第1の要旨とする。
そして、本発明は、上記第1の要旨であるコンパクト容器用加飾成形体の製法によって得られるコンパクト容器用加飾成形体であって、透明部材からなる透明層と、上記透明層片面の少なくとも一部に積層形成された非透明薄膜層とを有し、上記透明層片面に、CO 2 レーザの照射により幅25〜100μmの線状もしくは点状の溶融除去跡を連続的もしくは断続的に形成してなる凹状模様P′が形成されており、上記非透明薄膜層の一部が、YAGレーザの照射によって除去加工されて、その下の透明層の凹状模様P′を構成する溶融除去跡の少なくとも一部が露出し、その露出した溶融除去跡で囲まれた区画部分には非透明薄膜層が残されて、線または点の組み合わせからなる透かし模様Pが形成されているとともに、上記透明層の、非透明薄膜層形成面と反対側の面に直接、もしくは隙間を介して着色層が設けられており、上記透かし模様Pから、上記着色層の色が透けて見えるようになっているコンパクト容器用加飾成形体を第の要旨とする。
本発明は、透明層片面に、まずCO2 レーザを照射して特定の凹状模様P′を付与し、その凹状模様P′の形成面に、非透明薄膜層を積層形成後、その一部に対してYAGレーザを照射して、その下の凹状模様P′を露出させるようにしたものである。したがって、従来のように、金型を用いて立体模様(凹状模様)を形成する必要がなく、単一形状の成形面に、CO2 レーザ照射による除去加工と、非透明薄膜層形成と、YAGレーザ照射による除去加工とを、順次行うだけで、立体的な透かし模様を、簡単かつ短時間で形成することができる。このため、顧客のニーズに応じたデザインのものを、短時間で提供したり、急な仕様変更に対応したりすることができる。しかも、本発明で得られる透かし模様は、透けていない部分との境界が非常に鮮明なため、くっきりとした印象を与えることができる。
なお、透明層片面に、まず非透明薄膜層を形成し、その一部をYAGレーザ照射によって除去加工し、その除去加工部に対してCO2 レーザを照射して凹状模様を形成することも考えられるが、CO2 レーザ照射による溶融除去跡は、溶融した樹脂の一部が除去縁部に残留する場合があり、YAGレーザ照射に比べて、溶融除去跡と非除去部との境界端縁が鮮明な線にならないため、鮮明な境界線を得るには、本発明のように、CO2 レーザ照射による除去加工と、非透明薄膜層形成と、YAGレーザ照射による除去加工とを、この順で行うことが重要である。また、上記YAGレーザ照射による除去加工の際、凹状模様上の非透明薄膜層の一部を残しておくことにより、より複雑な透かし模様を形成することができるという利点を有する。
そして、本発明、特に、上記CO2 レーザの照射によって、透明層表面に幅25〜100μmの線状もしくは点状の溶融除去跡形成、それによって凹状模様P′を形成するようにしたため、従来の、金型や凹凸模様付きフィルムを用いた賦形では実現することができなかった微細な模様を付与することができ、とりわけ興趣に富むコンパクト容器用加飾成形体を得ることができる。
また、本発明、特に、上記透明層の、非透明薄膜層形成面と反対側の面に直接、もしくは隙間を介して着色層け、上記透かし模様から、上記着色層の色が透けて見えるようにしたため、透かし部分にも色がついて見え、より興趣に富むものとなる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明を実施するための最良の形態であるコンパクト容器の斜視図であり、図2は、そのX−X′断面図である。これらの図において、1は本体部で、その内側の向かって左側に設けられた凹部2には、ファンデーション等の化粧料が収容保持されるようになっている。また、向かって右側に設けられた凹部3には、化粧料を肌に塗布するためのパフが収容保持されるようになっている。
また、4は、上記本体部1の上部開口を蓋する蓋体で、上記本体部1の後端部に、本体部1とのヒンジ連結(図示せず)によって回動自在に取りけられており、図1において鎖線で示すように、上方に開くようになっている。なお、蓋体4の内側面はに、鏡5が貼着されている。
上記蓋体4は、透明アクリル樹脂成形体からなる透明層6と、その表面に形成されたハーフミラー調の金属光沢層からなる非透明薄膜層7(以下、単に「薄膜層」という)とで構成されており、上記薄膜層7の一部が、以下に述べる特殊な方法によって除去されて透明層6が露出し、陰影ある透かし模様Pが付与されている。なお、上記透かし模様Pの一部を、図3(a)に示す。図3(b)はその拡大図である。
上記透かし模様Pは、例えばつぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、蓋体4のベースとなる透明層6を賦形するための金型を用意し、透明層6の形成材料である透明アクリル樹脂材料を射出成形することにより、図4(a)に示すように、所定形状が付与された透明層6を得ることができる。
つぎに、図4(a)に示すように、上記透明層6のうち、透かし模様Pをつくろうとする領域の透明層6にCO2 レーザを照射し、透明層6表面を部分的に除去加工して、凹状模様P′を形成する。この例では、透明層6表面において、十字状に配置される帯状部分(図1参照)に、線状の溶融除去跡からなる微細な幾何模様(図3参照)が形成され、それによって凹状模様P′が形成される。
そして、図5(a)に示すように、上記透明層6の凹状模様P′形成部分を含む全面に、アルミニウム蒸着によって、ハーフミラー調の金属光沢層からなる薄膜層7を形成した後、図5(b)に示すように、上記凹状模様P′形成面にYAGレーザを照射し、上記凹状模様P′を覆う薄膜層7のうち、CO2 レーザで形成された線状の溶融除去跡に一致する部分を除去加工する。これにより、薄膜層7の下の、透明層6に形成された凹状模様P′を露出させて、透かし模様Pを形成することができる。
この構成によれば、上記蓋体4の、十字状に配置された透かし模様Pが、微細な幾何模様の線(図3〔b〕においてQで示す)で構成され、その線で囲まれた微細な区画部分(図3〔b〕においてRで示す)は、金属光沢層からなる薄膜層7が除去されずに残っているため、非常に繊細で美麗な透かし模様Pを得ることができる。
しかも、上記透かし模様Pは、立体的であるにもかかわらず、2種類のレーザ照射を組み合わせることにより、金型を用いることなく得ることができるため、製造の手間およびコストを大幅に削減することができる。そして、上記レーザ照射の設定条件、薄膜層7の色等を適宜組み合わせることにより、全く異なる印象の透かし模様Pを付与することができることから、短期間で、ニーズに応じた多種多様な商品を納品することができるという利点を有する。そして、上記透かし模様Pは、透けていない部分との境界が鮮明なラインで形成されており、非常にくっきりとした印象を与えることができる。
なお、上記の例において、蓋体4の透明層6を構成する透明部材は、従来から容器等の成形品に用いられる透明部材であれば、どのようなものであってもよく、アクリル樹脂の他、例えば、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)等があげられる。これらは、透かし模様Pの陰影を見せるために透明でなければならないが、無色である必要はなく、多少着色されていても、反対側が透けて見えるものであれば差し支えはない。
また、上記透明層6を構成する樹脂部材の種類によって、CO2 レーザ照射による溶融除去跡の印象が多少異なるため、付与しようとする凹状模様P′に応じた種類の樹脂部材を選択することが望ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、PC、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂を用いると、溶融除去跡の凹部の切り込みが比較的シャープなエッジとなることから、シャープな線を活かしたデザインの凹状模様P′を付与する場合、これらの樹脂を用いることが好適である。また、ABS、ポリプロピレン(PP)等の樹脂を用いると、溶融除去跡の凹部の切り込みがなだらかで、凹部周囲の角部が多少盛り上がるため、比較的優しい線が形成される。そこで、優しい印象のデザインの凹状模様P′を付与する場合は、これらの樹脂を用いることが好適である。
なお、上記凹状模様P′の上に積層させる薄膜層7を、YAGレーザ照射によって除去することによって得られる透かし模様Pのデザインは、上記の例のように、上記凹状模様P′のデザインをなぞるものであってもよいし、意図的に露出させる部分をずらす等して、異なる印象を与えるようにしても差し支えない。
一方、上記透明層6の表面に形成される薄膜層7は、上記の例では、アルニミウム蒸着によって形成されるハーフミラー調の金属光沢層を用いたが、その材料は、特に限定するものではなく、従来から成形体の加飾に用いられる、どのような薄膜層7であっても差し支えない。ただし、上記透明層6との対比から、非透明でなければならず、着色フィルム(シート)の他、ホログラムシート、金属箔、金属蒸着層、塗料塗膜等、各種のものが用いられる。そして、その形成方法は、蒸着、スパッタリング、メッキ、ホットスタンプ、コーティング等、その材質に応じて適宜の方法が採用される。なお、「非透明」とは、上記薄膜層9の除去部と非除去部とを対比した場合に、その見え方に差異があることが認識できる程度に透明でないことをいい、いわゆる「半透明」も含む趣旨で用いている。
なお、上記薄膜層7の色は、上記のように、金属光沢を有する色であることが、透かし模様Pとの対比の上で、印象が強く好ましい。
また、上記の例では、図3(b)に示すように、YAGレーザによる薄膜層7の除去加工の際、その下の、CO2 レーザによる溶融除去跡の線Qをなぞって除去加工を行い、上記線Qで囲まれた微細な区画部分Rについては、薄膜層7を除去せずに残したが、参考例として、例えば、図6に示すように、透かし模様Pを形成しようとする一定の領域において、薄膜層7を完全に除去することにより、CO2 レーザによる溶融除去跡からなる凹状模様P′をそのまま露出させるようにしてもよい。
そして、CO2 レーザの照射によって凹状模様P′を形成する際の凹状の幅は、通常の、金型による賦形や転写シートを用いた賦形によっては実現しにくい、幅25〜100μm、深さ25〜500μmの凹状加工によって形成される模様であることが、本発明の優位性を示す範囲となり、好適である。そして、幅25〜100μmの線状もしくは点状(あるいはこれらを組み合わせたものを含む)の溶融除去跡を連続的もしくは断続的に形成して微細凹状模様を形成するよう設定することが、デザイン上および加工効率上、必要である。なお、つぎに行うYAGレーザ照射による除去幅は、上記CO2 レーザ照射による凹状模様P′に併せて、適宜に設定される。
また、上記の例において、透かし模様Pから、その下の、容器に収容される内容物の色等が直接透けてみえるようにするのではなく、例えば、図7に示すように、透明層7の裏面側に、着色層10を設け、この着色層10の色が、透かし模様Pから透けて見えるようにすることが必要である。このようにすると、透かし模様Pから見える色として、異なる多くの色を組み合わせることができるため、印象のバリエーションを豊富にすることができる。
上記着色層10の材料としては、特に限定するものではなく、着色転写シートから転写される着色層の他、金属箔やホログラム箔等、コーティングによる塗膜層、蒸着層、インモールド成形による着色層等、各種のものがあげられる。そして、その色も、単一色に限らず、2色以上の色からなる色模様であっても差し支えない。
また、コンパクト容器として、蓋体4と本体部1との間に、仕切板11が設けられているタイプのものにおいて、例えば図8に示すように、上記仕切板11の上面に、着色層10を形成するようにしても差し支えない。その場合、着色層10は、着色塗料のコーティングによってもよいし、着色転写シートの転写等によってもよい。もちろん、仕切板11自体を着色樹脂で作製して着色層10としてもよい。
さらに、着色層10を、仕切板11と一体的に形成するのではなく、例えば、図9に示すように、着色シート(材質は特に限定されない)10′を、仕切板11と蓋体4との間に挟むだけでもよい。この場合、上記着色シート10′が着色層10として機能する。
なお、これらの例は、本発明をコンパクト容器に適用したものであるが、本発明を適用する成形体は、各種のコンパクト容器用樹脂成形体である
本発明の一実施例の斜視図である。 図1のX−X′断面図である。 (a)は上記実施例における透かし模様の説明図、(b)はその拡大図である。 (a)、(b)は、ともに上記実施例における透かし模様の形成方法の説明図である。 (a)、(b)は、ともに上記実施例における透かし模様の形成方法の説明図である。 本発明の参考例における透かし模様の形成方法の説明図である。 本発明の他の実施例の説明図である。 本発明のさらに他の実施例の説明図である。 本発明の他の実施例の説明図である。
符号の説明
4 蓋体
6 透明層
7 薄膜層
P 透かし模様

Claims (2)

  1. 透明部材からなる透明層を有する成形体を準備する工程と、上記透明層片面に対してCO2 レーザを照射し、上記透明層表面を部分的に除去加工して幅25〜100μmの線状もしくは点状の溶融除去跡を連続的もしくは断続的に形成し、それによって凹状模様P′を形成する工程と、上記透明層の凹状模様P′の形成面に、非透明薄膜層を積層形成する工程と、上記非透明薄膜層の表面の一部に対してYAGレーザを照射し、上記非透明薄膜層の除去加工を行うことにより、その下の、透明層に形成された凹状模様P′を構成する溶融除去跡の少なくとも一部を露出させるとともに、その露出した溶融除去跡で囲まれた区画部分には非透明薄膜層を残すことによって、線もしくは点の組み合わせからなる透かし模様を形成する工程とを備え、上記透明層の、非透明薄膜層形成面と反対側の面に直接、もしくは隙間を介して着色層を設け、上記透かし模様Pから、上記着色層の色が透けて見えるようにしたことを特徴とするコンパクト容器用加飾成形体の製法。
  2. 請求項1記載の製法によって得られるコンパクト容器用加飾成形体であって、透明部材からなる透明層と、上記透明層片面の少なくとも一部に積層形成された非透明薄膜層とを有し、上記透明層片面に、CO 2 レーザの照射により幅25〜100μmの線状もしくは点状の溶融除去跡を連続的もしくは断続的に形成してなる凹状模様P′が形成されており、上記非透明薄膜層の一部が、YAGレーザの照射によって除去加工されて、その下の透明層の凹状模様P′を構成する溶融除去跡の少なくとも一部が露出し、その露出した溶融除去跡で囲まれた区画部分には非透明薄膜層が残されて、線または点の組み合わせからなる透かし模様Pが形成されているとともに、上記透明層の、非透明薄膜層形成面と反対側の面に直接、もしくは隙間を介して着色層が設けられており、上記透かし模様Pから、上記着色層の色が透けて見えるようになっていることを特徴とするコンパクト容器用加飾成形体。
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