JPS645145B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、屋根パネルの取付構造に係り、更に
詳しくは建物上部のフレーム材上端面に束材を複
数立設してこの束材間に屋根パネルを取付ける構
造に於いて、束柱の上端と方杖材の上端とに添板
を設け、該添板に屋根パネルを載置して固定する
ことを特徴とする屋根パネルの取付構造に関す
る。

従来、工業化生産住宅に於いて切妻屋根や寄棟
等の勾配屋根を構築する場合は、現場で梁材や桁
材上に束材を立設し、その束材に母屋材を架設
し、その上に木材と野地板を敷き、次いでルー
フイング材を張設する工法が一般的であつた。

しかし、所謂ユニツト住宅等では、予めユニツ
ト上部に勾配屋根を設けておくとユニツト相互を
接合する際に屋根部分での接合が難しく、又ユニ
ツト搬送時の障害になる等の問題があり、その為
ユニツト上部にはデツキプレート等で構成した単
調な陸屋根とすることが多かつた。

本発明は、上記単調な屋根に代えて既存の建物
と同様に外観意匠上からも特徴のある各種の勾配
屋根を構成する為、建物の梁等のフレーム材の上
端面に束材を立設し、その束材の束柱上端には屋
根勾配とほぼ等しい添板を設けておき、この添板
上に屋根パネルを載置し固定することを概要とす
るものである。

以下、図面に基づき本発明に係る屋根パネルの
取付構造を詳細に説明する。

第１図は、例えば鉄骨ラーメン構造からなる建
物１の全体斜視図である。

この建物１は、ユニツト２，２を複数個集積
し、その最上階上部に屋根パネル３，３…を敷設
して勾配屋根を構成したものである。

第２図は、ユニツト２，２を複数個集積して構
成した建物１の最上階ユニツトのフレーム材上端
面４，４に、複数束材を立設した状態の斜視図で
ある。

上階ユニツトのフレーム材上端面４，４…は、
ユニツト２，２の柱頭部を継ぐ梁やフレーム材の
上面からなり、この斜視図で示すように例えば縦
方向２列、横方向４列の計８個のユニツトのフレ
ーム材によつて構成されている。この建物１の屋
根として、例えば寄棟の勾配屋根を構成する場合
には、建物１のほぼ中央に配置されたフレーム材
上端面４，４…上に束材５を立設する。この束材
５を中心として建物１の桁方向に束材６，６…を
建て、更に建物１の桁側出隅部のフレーム材上端
面４，４…には、束材５，６の方杖材に対応して
束材７を建てる。そしてこれら束材５．６，７上
に屋根パネルを載置する。第３図は、束材５の斜
視図である。

束材５は、略矩形状のベース板５１上にアング
ル材や角パイプ材等からなる束柱５２を立設して
構成される。束柱５２の上端には妻行方向に屋根
勾配とほぼ等しい形状を有する二材の添板５３
ａ，５３ｂを設けている。

またベース板５１のウイングプレート５４，５
４を介して束材５の脚部から方杖材５５ｘ，５５
ｙが張出されている。この方杖材５５ｘ，５５ｙ
の上端にも屋根勾配にほぼ等しい勾配を有する添
板５６ａ，５６ｂが設けられている。

これら添板５３ａ，５３ｂ，５６ａ，５６ｂに
はパネル枠材のガイド孔に挿通するガイドピンＧ
と止着用のボルト孔Ｖが適宜設けられている。

よつて、添板５３ａと５６ａ及び添板５３ｂと
５６ｂに屋根パネルを一定勾配に載置して固定す
ることができる。

第４図は、前記屋根パネルＰを添板５３ａ，５
６ａに載置した状態を示した斜視図である。

すなわち、添板５３ａに設けられたガイドピン
Ｇ及び添板５６ａに設けられたガイドピンＧにパ
ネルＰのガイド孔を挿通する。

同様にして反対側の傾斜面の添板５３ｂと５６
ｂに設けられた各ガイドピンＧにパネルP′のガイ
ド孔を挿通し載置する。

これによりパネルＰとP′の位置調整を行ない、
ボルト孔Ｖに挿通したボルトを介してパネルＰ，
P′をそれぞれ添板に固定する。

以上の様にパネルＰ，P′を添板に固定していく
ことによつてパネルＰ，P′…は建物１の上部全体
に亘つて敷設されることになり、勾配屋根が構成
される。

第５図は、桁行方向に立設される束材６の斜視
図を示したものである。この束材６の妻側屋根パ
ネルと桁側屋根パネルの交点下に配設されるもの
で、所謂軸組屋根の墨心束に相当するものであ
る。

この束材６も上記束材５とほぼ同様にベース板
６１上に束柱６２を立設し、束柱６２の上端に添
板６３ａ，６３ｂ，６３ｃを設けている。添板６
３ａ，６３ｂは束材５の添板５３ａ，５３ｂと同
じ勾配を有し、且つ両側には方杖材６５ｘ，６５
ｙがウイングプレート６４，６４を介して張出さ
れている。方杖材６５ｘ，６５ｙの上端には束柱
と同様に添板６６ａ，６６ｂが設けられている。
これにより添板６３ａ，６６ａは屋根勾配とほぼ
同じ勾配平面上に位置することとなり、且つ添板
６３ｂ，６６ｂも同様な位置関係となる。この様
な位置関係にある添板に屋根パネルＰをガイドピ
ンＧを介して載置し、前記同様固定する。

一方、妻側屋根面においても、束柱６２の上端
には添板６３ｃが設けられ、脚部からは方杖材６
７が張出されている。しかも方杖材６７の上端に
添板６８が添板６３ｃとほぼ等しい勾配の傾斜面
上に設けられている。また方杖材６５ｘと６７及
び６５ｙと６７の各中間部にも方杖材６９ｘ，６
９ｙを張出し、その上端に添板７０ａ，７０ｂを
設ける。

これら方杖材６９ｘと６９ｙには桁側屋根パネ
ルと妻側屋根パネルの両方を支持させる為、添板
７０ａには添板６３ａ，６６ａと同一傾斜面内に
小板７０ａ１及び添板６３ｃ，６８と同一傾斜内
に小板７０ａ２を設ける。

同様にして添板７０ｂにも小板７０ｂ１と７０
ｂ２を設ける。

尚、これら各添板６３ａ，６３ｂ，６３ｃ，６
６ａ，６６ｂ，６８，７０ａ，７０ｂには前記し
たと同様にガイドピンＧと止着用のボルト孔Ｖが
適宜設けられている。

第６図は、妻側及び桁側の出隅部上端面に設け
られる束材７を示す斜視図である。

束材７はベース板７１に束柱７２を立設し、そ
の上端に添板７３を設けたものである。この束柱
７は、建物１の妻側と桁側の隅部に配置されたフ
レーム材上端面において、束材５，６の方杖材５
５ｘ，５５ｙ，６５ｘ，６５ｙ，６７，６９ｘ，
６９ｙに対応して配置され、軒近傍で妻側の勾配
屋根パネル及び桁側の勾配屋根パネルを支持する
ものであるから他の束材よりも短柱に形成されて
おり、しかも各束材と対応する束柱７２の添板７
３は、束柱５，６の各添板と同じ勾配の傾斜面上
に設けられている。添板７３も他の添板と同様
に、ガイドピンＧと止着用のボルト孔Ｖが設けら
れている。

上記の様に構成された各束柱の添板と、方杖材
の添板とにパネルをガイドピンを介して載置し、
ボルトにより固定すると建物上部にパネルが敷設
される。そして隣接するパネル相互の接合目地部
にはルーフイング材を増貼りして屋根パネルに葺
材を葺くと十分な雨仕舞を有する屋根が完成され
る。

以上の様に本発明の取付構造は、束柱の上端と
方杖材の上端とに設けられた添板に、屋根パネル
を載置固定するので、建物上部に於いて各束材が
屋根パネルと一体となり、所謂トラス組みを構成
することとなるので屋根全体として極めて剛性の
高い取付構造となる。又、束材と方杖材等の関係
を適宜に選択することにより、屋根全体の形状を
切妻や寄棟などに変更することも容易となる等極
めて施工性、且つ強度的にも優れた勾配屋根パネ
ルの取付構造となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、寄棟屋根が構成された建築物の斜視
図、第２図は、建物梁等のフレーム材上端面に束
材を立設した状態を示す説明図、第３図は、束材
の斜視図、第４図は、束材にパネルを載置した状
態を示す一部省略の斜視図、第５図は、桁行方向
に立設される束材の斜視図、第６図は、妻側及び
桁側上端面に取付けられる束材の斜視図である。 ５…束材、５１…ベース板、５２…束柱、５３
ａ，５３ｂ…添板、５５ｘ，５５ｙ…方杖材、５
６ａ，５６ｂ…添板、６…束材、６１…ベース
板、６２…束柱、６３，６３ａ，６３ｂ…添板、
６６ａ，６６ｂ…添板、６８…添板、７０ａ，７
０ｂ…添板、６５ｘ，６５ｙ，６７，６９ｘ，６
９ｙ…方杖材、７…束材、７１…ベース板、７２
…束柱、７３…添板、Ｇ…ガイドピン、Ｖ…ボル
ト孔、Ｐ，P′…屋根パネル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 束柱の上端と束柱の脚部から張出した方杖材
   の上端とに屋根勾配に略等しい勾配を有する添板
   を設け、該添板に屋根パネルを載置して固定する
   屋根パネルの取付構造。 ２ 前記添板に突設されたガイドピンを屋根パネ
   ルのガイド孔に挿通して固定すること特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の屋根パネルの取付構
   造。