JPH0430247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【技術分野】

本考案は、鉄骨系プレハブ住宅において、鉄骨
の躯体に木質の軒用小屋組みを強固に取り付ける
技術に関する。

【背景技術】

鉄骨系プレハブ住宅においても軒の小屋組みは
木質のものが用いられている。これは大きな強度
を必要としない非構造用の部材まで鉄骨を用いる
と建物の総重量が増大し、ひいては構造用部材に
まで影響を与え構造用部材として更に強度のある
重い部材を必要とするという矛盾に陥るからであ
る。このため非構造用部材としては軽く、安価な
木質材料を使用したいわけであるが、このほかに
も小屋組みに鉄骨を用いると孔あけなどの予備加
工が必要で家屋の個性や現場での事情に応じきれ
ないという理由もある。 然るに従来にあつては、第３図に示すように、
木質の軒下地材７ａと木質の下横材８ａと木質の
短縦材９ａと木質の長縦材１０ａとを台形に組
み、ここへ対角線状に筋交い１９をかませ、軒下
地材７ａと下横材８ａとの間に補強合板１１ａを
貼つて木質の小屋組み４ａを製造しておき、これ
をそのまま鉄骨の梁１やパネル５の正面に取り付
けられていた。この為、小屋組み４ａは梁１やパ
ネル５に面接状態で取り付けられているだけであ
つて、なんら支持されておらず、構造的に十分な
強度を期待できないという問題があつた。

【考案の目的】

本考案は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところは鉄骨系
プレハブ住宅において、鉄骨の躯体（梁）の屋外
側に木質の軒の小屋組みを強固に取り付けられる
ようにすることにある。

【考案の開示】

本考案軒の小屋組みの取付け構造は、鉄骨の梁
１より水平に鉄骨の片持梁２を突出させ、梁１よ
り突出させられた複数本の片持梁２の先端部間に
鉄骨の母屋３を架設し、略三角形状に形成せる木
製の小屋組み４を母屋３の長手方向に適当な間隔
を隔てて複数個配置すると共に木製の小屋組み４
の背面を梁１上面に立てたパネル５に当接して釘
のような固着具にて背面をパネル５に固定し、小
屋組み４の下横材８の先端を母屋３上に載置する
と共に下横材８に取着した取付け金物１５を母屋
３に係止し、複数個の小屋組み４間に継ぎ材１８
を架設して成ることを特徴とするものであり、片
持梁と母屋とにより小屋組みを支持するための鉄
骨部分が形成され、鉄骨の躯体に強固に小屋組み
を支持させられるようになつた。 以下本考案の実施例を添付図に基いて詳述す
る。梁１は鉄骨の組立梁であり、梁１の上面には
木質系のパネル５が立てられて固定されている。
図示例では、パネル５として梁１上面にやぎりパ
ネルの木質の心材が立てられているが、外壁パネ
ルなどでもよい。梁１上部にはＩ型鋼の片持梁２
の基端がボルト固定されて梁１から屋外側へ向け
て水平に複数本の片持梁２が突出させられてい
る。片持梁２の上面先端間にはＩ型鋼の母屋３が
片持梁２と直角に架設されており、これにより梁
１の屋外側に片持梁２と母屋３とからなる鉄骨の
小屋受け部６が構築されている。軒用の小屋組み
４は木質の傾斜した軒下地材７と水平な木質の下
横材８の間に短縦材９と長縦材１０を立てて略三
角形状に形成され、さらに軒下地材７と下横材８
との間に補強合板１１を貼つたのであり、軒下地
材７上面の中央部及び後端にはほぞ溝１２が切欠
されている。而して、パネル５表面に沿つて母屋
３と上面を高さ合わせして水平に受け桟１３を打
ち付け、上記小屋組み４の背面下端を受け桟１３
に載置すると共に小屋組み４背面をパネル５に当
接させ、同時に小屋組み４先端部下面を母屋３上
面に載置して、第２図に示すように、一定間隔ご
とに小屋組み４を配設する。そして、小屋組み４
の長縦材１０をパネル５に釘１４を打つて固定
し、下横材８の先端を取付け金物１５で母屋３に
固定する。なお、この取付け金物１５は下横材８
先端側面に釘打ち固定され、スリツト１６内に母
屋３のフランジ１７を食い込まされるようになつ
ている。更に、軒下地材７のほぞ溝１２内に嵌め
込むようにして小屋組み４間に継ぎ材１８が架設
され、軒下地材７の先端間にも継ぎ材１８が母屋
３と平行に架設され、これにより各小屋組み４同
士が連結されて強度を増している。尚、このよう
にして軒の小屋組み４が完成した後、軒下地材７
などには合板や鋼板等が張られ、軒の外観が構成
される。

【考案の効果】

本考案は叙述のごとく略三角形の小屋組みを木
製としたので、小屋組みを軽量にできると共に小
屋組みを支える構造部材も軽量にできて全体の軽
量化が図れるものであり、しかも鉄骨の梁より水
平に鉄骨の片持梁を突出させ、梁より突出させら
れた複数本の片持梁の先端部間に鉄骨の母屋を架
設し、小屋組みの背面を梁上面に立てたパネルに
固定すると共に小屋組みの下横材の先端部を母屋
に載設固定したので、小屋組みが木製でも鉄骨の
片持梁や母屋で下部を支えると共に小屋組みの背
面をパネルにて支えることができるものであつ
て、木製の小屋組みでも建物躯体に強固に取付け
ることができるものであり、さらに小屋組みの背
面をパネルに当接して釘のような固着具にて背面
をパネルに固定し、小屋組みの下横材の先端を母
屋上に載置すると共に下横材に取着した取付け金
物を母屋に係止したので、パネルに簡単に小屋組
みの背面を固定できると共に木製の小屋組みでも
鉄骨の母屋に簡単に固定できるものであつて、施
工性もよいものであり、さらにまた母屋の長手方
向に複数個並んだ小屋組みに継ぎ材を架設したの
で、複数個の小屋組みを継ぎ材でつなぐことで補
強できて木製の小屋組みをより強固にして木製で
も充分荷重に耐える構造にできるという利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図は同上の全体斜視図、第３図は従来例の側面図
であり、１鉄骨の梁、２は鉄骨の片持梁、３は鉄
骨の母屋、４は木質の小屋組み、５はパネル、８
は下横材、１５は取付け金物である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄骨の梁より水平に鉄骨の片持梁を突出させ、
   梁より突出させられた複数本の片持梁の先端部間
   に鉄骨の母屋を架設し、略三角形状に形成せる木
   製の小屋組みを母屋の長手方向に適当な間隔を隔
   てて複数個配置すると共に木製の小屋組みの背面
   を梁上面に立てたパネルに当接して釘のような固
   着具にて背面をパネルに固定し、小屋組みの下横
   材の先端を母屋上に載置すると共に下横材に取着
   した取付け金物を母屋に係止し、複数個の小屋組
   み間に継ぎ材を架設して成る軒の小屋組みの取付
   け構造。