JPS64497Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は天井埋込形空気調和機、詳しくはケ
ーシング本体にフアンと熱交換器とを内装すると
共に、前記ケーシング本体に前記熱交換器を通過
した空気を流通させる少なくとも二つの空気流通
部を設け、少なくとも２方向に空調空気を吹出す
ごとくした天井埋込形空気調和機に関する。

（従来技術） 従来この種天井埋込形の空気調和機、例えば実
開昭58−103624号公報に示され、かつ第５図に示
すごとくケーシング本体１の内部下方に、フアン
２を装備したフアン室３を形成し、該フアン室３
と対応する前記本体１の下部、即ち底部中央に、
被空調室に開口する吸込通路７を設けると共に、
前記本体１の内方上部に複数の熱交換器４を配置
する一方、前記本体１の外周内方位置に被空調室
に開口する空調空気の吹出通路８を形成してい
る。

斯くして前記フアン２の駆動により、前記吸込
通路７から被空調室内の空気を吸込んで前記各熱
交換器４へと送り、この各熱交換器４の通過時に
熱交換して、前記吹出通路８から空調空気を被空
調室に吹出すごとくしている。

ところで前記の如き空気調和機にあつては、フ
アン室３と対応する前記本体１の下部に吸込通路
７を形成し、この吸込通路７の外周側に隔壁を設
けて吹出通路８を形成しているので、前記吹出通
路８を、前記吸込通路７に制約されることなく、
前記本体１の外周の全体を含む何れの部分にでも
開口させることができ、従つて、空調空気の被空
調室への吹出方向を任意の多方向に設定できる利
点があるが、その反面、前記吸込通路７を介して
前記本体１の前記フアン室３が被空調室に直接開
放されているため、前記本体１内で発生する前記
フアン２の駆動音などが被空調室に直接伝わり、
該被空調室の騒音が大きくなり、不快感を生ずる
という問題があつた。

（考案の目的） 本考案は以上のごとき問題に鑑みて考案したも
ので、その目的は、ケーシング本体のフアン室と
対応する下部を遮蔽板により遮蔽すると共に、前
記吸込通路、吹出通路の構成を工夫して前記ケー
シング本体から被空調室に直接フアンの駆動音が
伝わるのを阻止するようにし、低騒音運転が可能
にできながら、しかも空調空気の吹出方向も従来
同様に多方向に設定できるようにする点にある。

（考案の構成） しかして本考案の天井埋込形空気調和機は、下
方を開放したケーシング本体の中央部にフアンを
内装し、該フアンを内装するフアン室の外周部
で、かつ、前記ケーシング本体の側壁内方に熱交
換器を配設すると共に、前記ケーシング本体の下
方外周部に、前記熱交換器を通過した空気を流通
させる少なくとも二つの空気流通部を、前記熱交
換器の配設位置に対応させて設け、被空調室に向
けて少なくとも２方向に空調空気を吹出すごとく
した天井埋込形空気調和機において、前記フアン
室の下部に、該フアン室の下方を閉鎖する遮蔽板
を設けると共に、前記ケーシング本体における前
記空気流通部に、一端が前記熱交換器の出口側に
接する前記フアン室に開口し、他端が前記ケーシ
ング本体の下方外周部にて被空調室に開口する吹
出通路を形成した構造体を介装し、該構造体に、
前記吹出通路と空気の流れ方向が交差し、かつ、
一端が前記ケーシング本体における下方中央部に
て被空調室に開口し、他端が前記熱交換器の入口
側に接する前記ケーシング本体の側壁内方部位に
開口する吸込通路を、前記吹出通路と隣接状に区
画形成したことを特徴とするもので、前記遮蔽板
により前記フアンの騒音が被空調室に直接伝わる
のを阻止して低騒音運転を可能と成すと共に、前
記空気流通部に空気の流れ方向が交差するごとく
吸込通路と吹出通路とを並設することにより、シ
ヨートサーキツトを防止しつゝ所望の多方向への
吹出しを容易になし得るようにしたものである。

（実施例） 以下本考案の実施例にかゝる天井埋込形の空気
調和機を図面を参照しながら詳細に説明する。

図中１は天井埋込形空気調和機のケーシング本
体であつて、下部を開放した方形状をなし、内部
中央にフアン２を備えたフアン室３を形成すると
共に、該フアン室３の外周囲には、前記本体１の
各側壁と対向状に４個の熱交換器４を配置してい
る。尚、図中ｋはガス側配管、ｌは液側配管、ｍ
はドレン配管、２ａはフアンモータである。

また前記本体１の下方外周部には、前記各熱交
換器４を通過して熱交換された空調空気を流通さ
せる四つの空気流通部５を、前記熱交換器４の配
設位置に対応させて設け、これら各流通部５を介
して空調空気を被空調室に向けて４方向に吹出す
ごとくしている。

しかして前記フアン室３と対応する前記本体１
の下部に、遮蔽板６を設け、該遮蔽板６により前
記フアン室３の下部を閉鎖して該フアン室３から
被空調室にフアン３の駆動音が直接伝わるのを阻
止するごとくなすのである。

また前記本体１の空気流通部５に、吸込通路７
と吹出通路８とを空気の流れ方向が交差するごと
く並設するのである。

具体的には、第３及び第４図に詳しく示す如
く、断面矩形状をなす構造であつて、一端が前記
熱交換器４の出口側に接する前記フアン室３に開
口し、他端が前記ケーシング本体１の下方外周部
にて被空調室に開口する吹出通路８を所定間隔空
けて複数個形成した構造体９を用い、該構造体９
を前記各空気流通部５における熱交換器４の下部
位置に介装して、前記フアン室３からの空調空気
を前記吹出通路８を介して被空調室に吹出すよう
にすると共に、この構造体９に、前記吹出通路８
と空気の流れ方向が交差し、かつ、一端が前記ケ
ーシング本体１における下方中央部に設ける吸入
チヤンバー１２に開口し、他端が前記熱交換器４
の入口側に接する前記ケーシング本体１の側壁内
方部位に形成されるダクト空間１０に開口する吸
込通路７を、前記吹出通路８と隣接状で且つ区画
状に複数個形成して、被空調室からの空気を前記
吸込通路７を介して前記ダクト空間１０から熱交
換器４側に吸込むようにするのである。こうし
て、吸込及び吹出通路７，８を交差状に設けるこ
とにより、前記各通路７，８間においてシヨート
サーキツトが生じるのを防止するのである。

前記吸入チヤンバー１２は、前記遮蔽板６と、
該遮蔽板６の下方に所定間隔隔てて取付けられる
吸込グリル１１との間に形成され、又、該チヤン
バー１２は、４方に配設された前記各構造体９に
おける前記吸込通路７の入口側に接する平面４角
形状を呈するものである。

前記フアン室３内に設けるフアン２としては、
シロツコフアン、斜流フアン、プロペラフアン及
びターボフアンなどが適用可能であるが、フアン
ハウジングを必要とするシロツコフアン以外のフ
アンを用いることにより前記フアン室３の上下幅
を可及的に小さくできて、空気調和機の小形化が
図れるとともに、効率的な４方吹出しが可能とな
る。

尚、以上述べた実施例では、ケーシング本体１
に四つの空気流通部５を設け、４方向に空調空気
を吹出すごとくした空気調和機を示したが、本考
案はこれに限られるものでなく２以上の適宜数の
空気流通部５をもつ空気調和機に当然適用するこ
とができるものである。

本考案の実施例にかゝる空気調和機は以上のご
とく構成したもので、フアン室３に備えたフアン
２の駆動により、被空調室内の空気が前記本体１
の底部内方側にある吸込グリル１１から構造体９
の吸込通路７に流入し、更にダクト空間１０に吸
込まれ、熱交換器４を通過してフアン室３に至
り、該フアン室３から前記構造体９の吹出通路８
を介し被空調室に前記本体１外周部外方に向つて
吹出される。そして斯かる運転時において、前記
吸込及び吹出通路７，８は、それぞれ交差状に設
けられているため、空調空気の吹出方向と室内空
気の吸入方向とが交差状に異なり、吹出された空
調空気が直ちに吸込まれるという、いわゆるシヨ
ートサーキツトが起らず、被空調室の空気調和が
効率良く行なわれるのである。

而して、前記吹出通路７と吸込通路８とをもつ
前記流通部５を２つ以上、所望の吹出方向数だけ
設けることにより、該所望の多方向への吹出しを
容易になし得るのである。

また前記空気調和機の運転時には、前記フアン
２の駆動音などが発生するのであるが、前記フア
ン２の下部には遮蔽板６を設けており、従つて該
遮蔽板６により前記駆動音などが遮断されて、被
空調室に直接伝わることがなく、低騒音運転が行
なわれるのである。

（考案の効果） 以上説明した如く本考案にかゝる天井埋込形の
空気調和機では、フアンを内装するフアン室の下
部に該フアン室の下方を閉鎖する遮蔽板を設けた
から、前記本体の内部で発生するフアン駆動音が
被空調室に直接伝わるのを阻止できて、空気調和
機の低騒音運転ができるのであり、しかも前記本
体の空気流通部に吸込及び吹出通路を空気流通方
向が交差する如く並設することにより、従来のよ
うに底部中央吸込方式をとらずとも前記各通路を
流通する空気のシヨートサーキツトを防止し
つゝ、２つ以上の所望の吹出方向数だけ空気流通
部を設けることにより、該所望の多方向への空調
空気の吹出を容易になし得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例にかゝる天
井埋込形空気調和機を示し、第１図はケーシング
本体の上面部分を取り外した状態における平面
図、第２図は第１図のＸ−Ｘ縦断面図、第３図は
空気調和機の一部省略下面図、第４図は構造体の
斜視図、第５図は従来例を示す縦断面図である。 １……ケーシング本体、２……フアン、３……
フアン室、４……熱交換器、６……遮蔽板、７…
…吸込通路、８……吹出通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方を開放したケーシング本体１の中央部にフ
   アン２を内装し、該フアン２を内装するフアン室
   ３の外周部で、かつ、前記ケーシング本体１の側
   壁内方に熱交換器４を配設すると共に、前記ケー
   シング本体１の下方外周部に、前記熱交換器４を
   通過した空気を流通させる少なくとも二つの空気
   流通部５を、前記熱交換器４の配設位置に対応さ
   せて設け、被空調室に向けて少なくとも２方向に
   空調空気を吹出すごとくした天井埋込形空気調和
   機において、前記フアン室３の下部に、該フアン
   室３の下方を閉鎖する遮蔽板６を設けると共に、
   前記ケーシング本体１における前記空気流通部５
   に、一端が前記熱交換器４の出口側に接する前記
   フアン室３に開口し、他端が前記ケーシング本体
   １の下方外周部にて被空調室に開口する吹出通路
   ８を形成した構造体９を介装し、該構造体９に、
   前記吹出通路８と空気の流れ方向が交差し、か
   つ、一端が前記ケーシング本体１における下方中
   央部にて被空調室に開口し、他端が前記熱交換器
   ４の入口側に接する前記ケーシング本体１の側壁
   内方部位に開口する吸込通路７を、前記吹出通路
   ８と隣接状に区画形成したことを特徴とする天井
   埋込形空気調和機。