JPS643967B2 - - Google Patents

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JPS643967B2
JPS643967B2 JP3319585A JP3319585A JPS643967B2 JP S643967 B2 JPS643967 B2 JP S643967B2 JP 3319585 A JP3319585 A JP 3319585A JP 3319585 A JP3319585 A JP 3319585A JP S643967 B2 JPS643967 B2 JP S643967B2
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JP
Japan
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metal wire
yarn
elastic
composite
wire
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JP3319585A
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JPS61194237A (ja
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Takeshi Kimura
Shoichi Hayashi
Shigeyoshi Fujitani
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TORE DEYUHON KK
Original Assignee
TORE DEYUHON KK
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、金属線複合弾性糸に関する。 さらに詳しくは、伸縮伸長性と伸縮回復性の有
る電線用途や、布帛にされて電界シールド用途、
X線遮蔽用途等に好ましく用いられる金属線複合
弾性糸に関するものである。 たとえば、伸縮伸長性と伸縮回復性の特性にす
ぐれた電線は、産業用ロボツト等の自動機械にお
ける導電線として最適に用いられるものであり、
1例として、本発明の金属線複合弾性糸はその外
周に絶縁物質が被覆されて該導電線分野に好まし
く用いられることのできるものである。 また、伸縮伸長性と伸縮回復性にすぐれた金属
線複合弾性糸より布帛を構成した場合、その布帛
は、布帛としても適度な伸長性と回復性を有する
ことになり、例えば型にはめて成型をするモール
ド成形分野等にも実質的に不都合なく最適に使用
し得る実用的価値の高いものである。 (従来技術) 従来、電線などに伸長性を付与するには金属線
をらせん状に巻いたものに熱処理を施したものが
あるが、このものは伸長性はあつても伸縮回復性
がほとんどなく、金属線そのものも太くて重く、
たるみが生じるという欠点がある。さらには、金
属をらせん状に加工するために製造コストも高く
つくという欠点があつた。 一方、真すぐな電線をコア(芯)として熱可塑
性エラストマーをシース層(鞘層)に設けてなる
電話機等に用いられるカールコードがあるが、こ
れも多かれ少なかれ太くて、重く、かつカールに
よる伸縮回復性を利用するため、結果として“た
るみ”が生じるという本質的な欠点があり、利用
分野も狭いものである。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、上記したような点に鑑み、伸縮
伸長性と伸縮回復性にすぐれ、かつ軽くて細い伸
縮性導電線を得るべく鋭意検討を重ねた結果、本
発明の金属線複合弾性糸に到達したものである。 伸縮伸長性と伸縮回復性にすぐれた糸状物もし
くは線状物を得るには、伸縮伸長率として概して
100%以上の値を示す弾性繊維フイラメント糸、
それも特に伸縮伸長率が400%以上もの値を示す
弾性繊維フイラメント糸を用いることが有効であ
り、かかる弾性フイラメント糸と金属線とを複合
状態にうまく構成し得れば、該弾性フイラメント
糸のもつすぐれた伸縮伸長性、伸縮回復性と、一
方、導電性、電界シールド性、X線遮蔽性、保温
性など金属の有する固有の特性の双方を兼ね備え
た糸状物もしくは線状物が得られるものである。 このような点に着目すれば、弾性繊維フイラメ
ント糸を芯として少なくともその周囲に金属線を
らせん状に捲回させて配置してなる複合糸が有効
である。 しかしながら、極めて柔軟であると言える弾性
繊維フイラメント糸とこれに比較して本来伸長性
が期待できなくかつ概して剛性の高い金属線を単
に複合するには種々の問題があり、両者の持つ特
性を十分に発揮し所期の効果を得るためには、細
心の注意が必要である。 すなわち、伸長時と伸縮回復時において該複合
糸の特性、特に金属線によりもたらされる導電性
等の特性が実質的に大きく相違したり、また、複
合糸としてジグザグ形状の糸になつたりあるいは
伸長と伸長回復を何度も繰り返すうちに同様にジ
グザグ形状の糸になつてしまうような場合にはも
はや弾性フイラメント糸のもつ弾性特性を効果的
に発揮することは不可能なものである。また、該
複合糸が真つすぐな形態を保てないような場合に
も、弾性繊維フイラメント糸のもつ伸縮伸長性と
伸縮回復性とを十分に発揮することは不可能であ
るし、かつそのような形態を有する導電線を使用
する場合には、誤つた作動の要因にもなりかねな
いものである。本発明の所期の目的は、従来では
得られなかつた優れた伸縮伸長性および伸縮回復
性を有し、金属線である銅線、ステンレス鋼線、
アルミニウム線、鉛線などを選択することによつ
てそれぞれ固有の特性を付与し、しかも伸長状態
においても、その固有特性がほとんど変化しない
という特徴を有する金属線複合弾性糸を提供する
ことにあり、特に本発明者らは、上記目的を達成
せんとして鋭意研究を重ねた結果、複合糸の構成
比および金属線のらせん角と、該複合糸の伸縮特
性との間には特別な関係が存在するという知見を
得て、本発明に到達したものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成する本発明の金属線複合弾性糸
は以下の構成からなる。 すなわち、弾性繊維フイラメント糸と該弾性繊
維フイラメント糸にらせん状に捲回されているか
または引揃えられている繊維束とからなる芯部
に、前記弾性繊維フイラメント糸の径と下記(a)、
(b)式の関係を満足する径を有する金属線がらせん
角30度以上にてらせん状に捲回してなることを特
徴とする金属線複合弾性糸である。 D/d≧3.0 …(a) d≦1.0 …(b) ただし、 D:弾性繊維フイラメント糸の換算直径(mm) d:金属線の換算直径(mm) かかる構成の本発明の金属線複合弾性糸におい
て、その好ましい実施態様例は、上記弾性繊維フ
イラメント糸が弾性繊維マルチフイラメント糸で
あるものであり、さらに、金属線が多重に捲回さ
れてなるものであり、さらに弾性繊維フイラメン
ト糸に繊維束が捲回されてなる場合において該繊
維束の捲回方向と金属線の捲回方向とが逆方向
(例えば前者がS方向なら後者はZ方向、あるい
はそれぞれその逆)とされてなるものである。 (作用) 以下、さらに詳しく本発明の金属線複合弾性糸
について説明をする。 本発明の複合弾性糸は、弾性繊維フイラメント
糸にらせん状に捲回されているかまたは引揃えら
れている繊維束とからなる芯部に、金属線がらせ
ん状に捲回してその基本構造が成つている。 金属線は、金属箔の線状物あるいは長手方向に
直角な断面形状が円形状のもの等、特にその形態
は限定されず、適宜使用目的に応じて定められれ
ばよいものである。特に箔状の線状物を使用する
場合には、複合糸表面が極めて滑らかでかつ該金
属の被覆性が良いものを得ることが可能である。
また、箔状のものを用いる場合には、円形断面形
状のものを用いる場合と比較して伸縮性が向上す
る傾向にある。 また、金属線の素材も同様に特に限定はされ
ず、その使用目的等に応じて適宜、銅、ステンレ
ス、アルミニウム、鉛、その他の金属などのうち
から選択して用いるとよいものである。 弾性繊維フイラメント糸に捲回されるか引揃え
られて用いられる繊維束は、複合糸の伸長時にお
ける金属線の切断を防ぐ補強のためのものであつ
て、合成繊維や天然繊維のフイラメント糸や紡績
糸が使用され得、特に高強力のポリエステル系フ
イラメント糸それも仮ヨリ加工等によりケン縮を
付与されているケン縮加工糸や、または、やはり
高強力のポリアラミド系フイラメント糸などを好
ましく用いることができる。また、該繊維束を場
合によつては炭素繊維もしくは炭素繊維系で構成
することができ、この場合には高強力という特徴
に加えて該繊維束自身も導電可能という特徴を有
するものとなる。 また、弾性繊維フイラメント糸は、伸縮伸長率
が少なくとも100%以上の値を示すものであれば
よく、ポリマー等特には限定されないが、例えば
ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エ
ラストマー、ポリアミド系エラストマー、天然ゴ
ム、合成ゴムなどの弾性特性を有する各種繊維フ
イラメントを用いることができ、耐久性、ぜい化
などを考慮すれば、特に好ましくはポリウレタン
系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、
ポリアミド系エラストマーである。該弾性フイラ
メント糸は、モノフイラメント糸あるいはマルチ
フイラメント糸のいずれでもよいが、伸長された
後の回復力という点からすれば、モノフイラメン
ト糸よりはマルチフイラメント糸の方が回復パワ
ーが一般に強いと言え、好ましいものである。 本発明の金属線複合弾性糸の構造について図面
により説明をする。 第1図、第2図は、それぞれ本発明の金属線複
合弾性糸の1例を示す側面概略モデル図である。 これら図において、金属線複合弾性糸1は、弾
性繊維フイラメント糸2に対して繊維束3がらせ
ん状に捲回されて芯部を構成し、この芯部に金属
線4がらせん状に捲回してなるものである。第1
図は円形断面の金属線を用いた場合、第2図は箔
状の金属線を用いた場合を、それぞれモデル的に
示してある。 かかる構造の本発明の金属線複合弾性糸におい
て、上記弾性繊維フイラメント糸の径と金属線の
径とは、下記(a)式、(b)式の関係を満足することが
必要である。 すなわち、 D/d≧3.0 …(a) d≦1.0 …(b) ただし、ここで D:弾性繊維フイラメント糸の換算直径(mm) d:金属線の換算直径(mm) である。 すなわち、弾性繊維フイラメント糸の換算直径
が金属線の換算直径の3.0倍以上であることを必
要とし、3.0倍未満の場合には、ほとんど伸縮伸
長性がなく、また後述する本発明糸の1例製造方
法により本発明糸を製造する際に、金属線のカバ
リング捲回時に該金属線のバルーニング張力が極
めて不安定となり、この場合に得られる金属線複
合糸は一般にその形状が折線状のわん曲した複合
糸となり全く好ましくないものである。 本発明の金属線複合弾性糸は、金属線が一重に
捲回されてなるもの、あるいはそれにさらに金属
線が捲回されて金属線の捲回が多重になつている
もののいずれでもよいものであるが、多重の場合
においてもそれぞれの捲回金属線が上記(a)式を満
足するように構成することが重要である。 また、金属線の捲回は、らせん角30度以上でら
せん状に捲回してなることが必要である。たと
え、上記の換算直径比が上記(a)式を満足していた
としても、該らせん角が30度未満のときには複合
糸は直つすぐな形状にはなるが、金属線が芯部に
密着せず、効果的な伸縮作用ができない、取扱い
性も悪い等の不都合があるものである。一方、ら
せん角が30度以上の場合でも上記換算直径比が
3.0未満の場合には上述の如く伸縮性がなくなり、
このときらせん角を大きくしていけばいくほど複
合糸の形状が折線状わん曲を増していくことにな
る。 これらのわん曲状糸や金属線が密着しない複合
糸は伸長時に金属線が芯部に対して不規則にずれ
を起こしたりあるいは切断するといつた不都合が
あり、複合糸としては致命的な欠陥を有している
ものとなる。 また、本発明において金属線はその換算直径が
1mm以下であることが必要である。該値が1mmよ
りも大きい場合には、一般に好ましい複合状態を
得ることが難しい。 なお、ここで弾性繊維フイラメント糸の換算直
径D(mm)は、次式(c)で求めるものである。 ここで、 W:弾性繊維フイラメント糸のデニール(重さ)
(g/9×105cm) l:弾性繊維フイラメント糸の長さ(ここではl
=9×105cm) ρ:弾性繊維フイラメント糸の比重(g/cm3) であり、デニール値は、糸長さ9000mに対する重
さ(単位:g)で表わすものである。また、デニ
ール、長さ等の測定に際しては、複合糸を分解
し、弛緩状態で25℃×65%RHの雰囲気中に24時
間放置して、該自由放縮後の値を測定してなるも
のである。 また、金属線の換算直径d(mm)は、該金属線
が丸断面のもののときはそのままの直径d(mm)
で求め、箔状等の非円形のもののときには、該金
属箔等の断面積Sを元にしてこれを同断面積の丸
断面糸に換算して直径d(mm)を求めるものであ
る。すなわち、この場合、 となるものである。なお、このとき、箔状のもの
の断面積を求めるに際しては、該箔の厚さをミク
ロン単位まで求めてなるものである。 また、らせん角θは、次のようにして求めるも
のである。 すなわち、複合糸を25℃×65%RHの雰囲気中
に24時間放置して放縮後、該糸を写真撮影して、
拡大写真となし、第1図、第2図にモデルを示し
た通りのらせん角θを、20個所につき分度器で測
定して、その平均値をらせん角θとするものであ
る。 上記した通りの構成を有する本発明にかかる金
属線複合弾性糸は、その伸縮特性として、概して
1.2〜3.0倍程度の伸縮伸長性と、すぐれた伸縮回
復性とを有するものである。 本発明の金属線複合弾性糸は、代表的には次に
記載する方法にて製造することができる。 すなわち、第3図は本発明の糸を製造する方法
の1例を説明するための工程概略図である。 同図に示すように、弾性繊維フイラメント糸1
0はパツケージ11からキヤリアローラ12、フ
イードローラ13を経で、トツプローラ23へ導
かれる。即ち、弾性繊維フイラメント糸10は、
キヤリアーローラ12とフイードローラ13の間
で予備ドラフトされ、フイードローラ13とトツ
プローラ23の間で十分にドラフト(伸長)され
る。一般的に言うドラフト比は、キヤリアーロー
ラ12とトツプローラ23の表面速度比で表わ
す。弾性繊維フイラメントのドラフト範囲は、
1.5〜4.5倍で十分であるが、本発明者らの知見に
よれば好ましくは1.5〜3.5倍の範囲が適してい
る。これは弾性繊維フイラメントの回復率が最も
優れている伸度領域で操作することによつて、伸
縮回復性の優れた、しかも表面品位の良い複合糸
を得るためである。14と19は、それぞれ中空
スピンドルであり、カバリングされる糸がそれぞ
れボビン15,20に巻かれているものである。
すなわち、下段中空スピンドル14、上段中空ス
ピンドル19には、それぞれボビン15,20を
設け、一般的なダブルカバリングの配列をなして
いる。ボビン15に巻かれた繊維束16は下段中
空スピンドルによつて回転を付与されバルーニン
グポイント17で弾性繊維フイラメント糸の芯を
横巻き捲回し、カバリング糸18となる。さら
に、ボビン20に巻かれた金属線21は上段中空
スピンドルによつて、下段スピンドルと反対方向
に回転を付与され、バルーニングポイント17で
複合糸22となり、トツプローラ23とテイクア
ツプローラ25の間で十分に弛緩された複合糸2
4はパツケージ26に巻きとられる。また、金属
線の多重巻き複合糸は、こうして得られた複合糸
にくり返し金属線を横巻き捲回せしめるか、ある
いは多段に中空スピンドルを設けることによつて
製造することができる。この多重巻きの場合にそ
れぞれの金属線の横巻き捲回方向は特にこだわら
ないが、同一らせん方向の方が得られる複合糸の
外観が滑らかであり好ましい。カバリング操作
は、金属線21のらせんピツチを一定に保つため
にバルーニング張力が一定でなければならないこ
とを除いては通常のカバリング糸製造と基本的に
は同様な方法である。これは、フライヤー27を
金属線の太さ、スピンドル回転数に合わせて調整
することによつて達成される。フライヤー使用の
場合は、スピンドル回転数を下げて操作すると良
い。また、フライヤーを使用しない場合は、少な
くとも3000RPM以上のスピンドル回転数での遠
心力によるバルーニング張力の調整が必要であ
る。このようにしないと、金属線がボビン20か
ら解舒されるときに“たるみ”が生じて、品質の
劣つた、不均一な製品しか得られない。 こうして得られる本発明の金属線複合弾性糸は
必要に応じて、残存トルクをなくする目的で若干
の解撚を施すか、あるいはまた80〜100℃程度の
乾熱処理などが適宜施されるものである。 金属線と繊維束とは互いに逆方向のらせん状捲
回とするのが望ましく、このようにすることによ
り、好ましい伸縮性を発揮でき、該複合糸の伸縮
伸長率をほぼ一定にして、伸長状態における金属
線の切断を効果的に防止することができるもので
ある。該繊維束は、弾性フイラメント糸にらせん
状に捲回されていないで、単に引揃えられてなる
ものでもよい。ただしその場合には、伸縮性をあ
る程度有する仮ヨリ加工糸等のケン縮加工糸など
を用いるのが肝要である。 こうして得られる本発明の糸は、その用途に応
じて適宜必要に応じ高次加工される。例えば、電
線に使用する場合には、絶縁物質で被覆される。
この場合、該絶縁物質も各種エラストマー等のあ
る程度伸縮性を有するものを選ぶべきことはむろ
んである。 (実施例) 実施例 1 第3図に概略を示した製造工程に従い、弾性繊
維フイラメント糸として、各種のポリウレタン弾
性フイラメント糸15種類40デニール〜20000デニ
ールを用い、金属線として丸断面硬銅線(工業規
格HC−1)直径0.03mm〜0.3mmの4種を用い、補
強繊維束としてはポリエステル仮ヨリマルチフイ
ラメント糸を用いて、各種組合せ下で金属線複合
弾性糸を作り、表面品位についてそれぞれ評価し
た。 結果は第1表の通りであり、換算直径比が3.0
以上を満足する本発明にかかる金属線複合糸は表
面品位が良好であることがわかる。該値が3.0未
満のものは、複合糸としてわん曲したり、屈折し
たりして表面状態が極めて悪く、この結果、伸縮
性の良好な複合糸は得られなかつた。
【表】 ×印:表面品位粗悪
実施例 2 実施例1と同様にして、ポリウレタン弾性フイ
ラメント糸4種(換算直径:0.1113mm、0.1817
mm、0.3635mm、1.0861mm)と、銅線4種(直径:
0.03mm、0.05mm、0.10mm、0.30mm)を用いて、各
種組合せで金属線複合弾性糸を作つた。このと
き、該複合糸における金属線のらせん状捲回回数
T(回/M)を200〜4800の間で各種変更し、らせ
ん角を種々変えた。 該らせん角の値と、複合糸としての特性の評価
をし、その結果を第2表に示した。かかる第2表
からもわかる通り、らせん角θが30度以上を満足
しないと複合糸として最適なものは得られない。
30度未満のときには銅線が弾性芯に密着せず、
“ゆるみ”が生じて、らせんピツチも不規則とな
り、複合糸を伸長した時に銅線の切断が生じるも
のであつた。また、該複合糸にシゴキ作用を与え
た場合も、密着していない銅線と弾性芯に“ずれ
現象”が生じて結果として、銅線が切断するもの
である。 らせん角θが30度以上を満足すれば、表面の滑
らかな複合糸を得ることができる。好ましくは、
らせん角θは40度以上、最も好ましくは60度以上
にすれば表面品位はさらに向上するものである。 本発明の範囲内において、同一規格の素材を用
いて、らせん角θを大きくしていくと、伸縮伸長
率は若干低下するが、目的とする用途の伸縮伸長
率を得るためには、直径換算比とらせん角θを、
本発明の範囲内で調整すればよいものである。
【表】 実施例 3 実施例1と同様にして、弾性繊維フイラメント
としてポリウレタン通性フイラメント糸5種類
(換算直径:0.1285mm、0.2570mm、0.3148mm、
0.3635mm、0.4452mm)と合成ゴム(丸ゴム)2種
類(換算直径:0.2822mm、0.6350mm)を用い、繊
維束としてポリエステル仮ヨリ加工糸2種類(ウ
ーリーポリエステル糸、30デニール、50デニー
ル)を用い、金属線としては銅線4種類(直径:
0.03mm、0.05mm、0.1mm、換算直径:0.1mmの箔)、
ステンレス鋼線1種類(直径0.0305m/m)、鉛
線1種類(直径:0.05m/m)、アルミニウム線
1種類(換算直径0.1mmの箔)を用いて各種組合
せで、13種類の金属線複合糸を作り、諸特性につ
いて評価した。その結果を第3表に示した。伸縮
伸長率および伸縮回復率はJIS L1090−1977の伸
縮性試験法(A法)および伸縮回復試験法による
ものである。金属線の切断の有無はHand法を用
いた。 第3表中、試料No.2、5、6は本発明の範囲外
のものであり、その他の複合糸は本発明の範囲内
のものである。No.2は繊維束を用いていないもの
である。第3表に示した通り、ポリウレタン弾性
フイラメント糸を用いたものは、直径換算比が
3.0倍以上で、しかもらせん角が30度以上の複合
糸は銅、ステンレス鋼、鉛、アルミニウムのいか
なる金属線の場合においても、伸縮伸長率で1.8
倍〜3.5倍の値を有し、回復性に優れているもの
であり、伸縮伸長性が良好と判断されるものであ
つた。なおかつ、これらのものは表面品位に優れ
ていることがわかる。 なお、特に試料No.9は銅箔糸を用いたものであ
り、試料No.10、11は該銅箔糸を同方向に多重巻き
したものであり、2重糸、4重糸の実施例であ
る。試料No.9に示した通り、金属線として銅箔を
用いると、伸縮回復性や表面品位が更に向上する
ことがわかる。このことは丸断面に比して箔糸
は、面接触をするものであるために弾性芯に“く
い込み”現象が生じないためであると判断され
る。 試料No.9、10、11の比較において銅箔を2重巻
き、4重巻きにすると伸縮伸長率はやや低下する
傾向にあるが本発明の範囲内においては、4重巻
の複合糸においても2.0倍の伸縮伸長率が得られ
る。さらに付け加えると銅箔を多重巻きする程表
面品位は向上する。 しかし、試料No.5のように、直径換算比が3.0
倍以上でも、らせん角θが30度未満のときや、試
料No.6のように、らせん角が30度以上でも直径換
算比が3.0倍未満のものは、複合糸としては満足
できるものではない。すなわち、前者は金属線が
芯部に密着せず伸縮伸長性は有するものの、伸長
時やシゴキ作用時に金属線が切断しやすい。一
方、後者は、複合糸がわん曲状となり伸縮伸長性
にも劣り、なおかつ表面品位に劣つたものとな
る。一方、試料No.2に示すように繊維束を用いな
いと表面品位は良いが、伸長時に金属線が切断し
やすいという欠点がある。 また、試料No.12、13に示すように合成ゴムを用
いた場合は、伸縮伸長性はよいが、伸縮回復性と
表面品位の点ではポリウレタン弾性フイラメント
糸使いの場合と比べてやや劣る。むろん、ゴム糸
を使つた場合でも本発明の金属線複合弾性糸を良
好に得ることは可能であるが、ゴム糸の場合は、
ポリウレタンエラストマーに比較して、伸縮応力
(復元力)が小さく、太物を用いる必要があるこ
と、さらには、耐久性、ぜい化の点でもポリウレ
タンエラストマーよりまさるものを得るのはむず
かしい。
【表】
【表】 実施例 4 実施例3に示した試料の中から、換算直径
0.1285mmと0.4452mmの2種類のポリウレタン弾性
フイラメントを用い、金属線として銅線0.03mmと
直径換算0.1mmの2種類を用い、それぞれを組合
せた試料No.1、9とさらに銅箔を2重巻き、4重
巻きした試料No.10、11の4種類の複合糸を用い
て、伸長状態における電気抵抗値を測定して第4
表に、その結果を示した。電気抵抗値は、横川電
気製のWHEASTON BRIDGE(4.5V)を用い
て、雰囲気25℃×65%RHで弛緩状態で1mの該
複合糸を2.0倍まで伸長したときの、電気抵抗の
変化を調べたものである。 試料No.1、9の比較において、銅線の直径が細
いほど電気抵抗値は高くなることは衆知の通りで
ある。試料No.9〜11の比較において、同箔状糸使
用のもので、多重巻き(1重〜2重〜4重)とす
るほど電気抵抗値が低くなることがわかる。該複
合糸を弛緩状態から伸長していくと、全試料につ
いて電気抵抗値は僅かの変化しかみられず、変化
率からみても、伸長率1.7倍では1%未満と小さ
いことがわかる。これらの結果をもとに、試料No.
11の4重巻き、銅線横巻き複合弾性糸をポリオレ
フイン系エラストマーで外被したものを、2心構
造となし、さらに最外層部をシリコーンゴム系の
熱可塑性エラストマーで外被した多層構造体とし
て、産業用ロボツトのアーム内導電線に使用した
ところ、伸縮による電気容量や電気抵抗の変化も
ほとんどなく、この用途に十分使用し得ることが
わかつた。
【表】 (発明の効果) 本発明の金属線複合弾性糸は、以下の特長を有
するものである。 (1) 芯に弾性繊維フイラメント糸を使用している
ことから、その回復パワーを活かして、金属線
を構成要素として用いながらも、従来の類似品
と比べて、伸縮伸長性と回復性にすぐれ、かつ
柔軟性も有しているものである。 (2) 第1層に弾性繊維フイラメント糸、第2層に
繊維束を用い、糸表層たる第3層に金属線を捲
回させてなるものであるため、金属個有の特性
を十分に生かした金属線複合弾性糸たり得るも
のである。 (3) 伸縮性電線として使用する場合、従来に比較
して、直径を細くでき軽くなるので、コスト的
に安くなる。 また、直径が細いことは、メカトロニクスの
内臓部品としても最適に使用できるものであ
る。 (4) 金属線として金属箔を用いる場合には、金属
線複合弾性糸として糸表面の滑らかなかつ柔軟
性に富んだものになる。 (5) 本発明の金属線複合弾性糸は、金属線の素材
について実際上特別に限定されることがなく、
その用途に応じた金属線素材の選定が可能であ
り、その利用分野は広く、実用的価値は極めて
高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は、それぞれ本発明の金属線複
合弾性糸の1例を示す側面概略モデル図である。
第3図は、本発明の糸を製造する方法の1例を説
明するための工程概略図である。 1,22,24:金属線複合弾性糸、2,1
0:弾性繊維フイラメント糸、3,16:繊維
束、4,21:金属線、14,19:中空スピン
ドル。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 弾性繊維フイラメント糸と該弾性繊維フイラ
    メント糸にらせん状に捲回されているかまたは引
    揃えられている繊維束とからなる芯部に、前記弾
    性繊維フイラメント糸の径と下記(a)、(b)式の関係
    を満足する径を有する金属線がらせん角30度以上
    にてらせん状に捲回してなることを特徴とする金
    属線複合弾性糸。 D/d≧3.0 …(a) d≦1.0 …(b) ただし、 D:弾性繊維フイラメント糸の換算直径(mm) d:金属線の換算直径(mm) 2 弾性繊維フイラメント糸が、弾性繊維マルチ
    フイラメント糸であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の金属線複合弾性糸。 3 金属線が、多重に捲回されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    金属線複合弾性糸。 4 弾性繊維フイラメント糸に繊維束が捲回され
    て芯部が構成されてなる場合、該繊維束の捲回方
    向と金属線の捲回方向とが逆方向であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項、第2項または第
    3項記載の金属線複合弾性糸。 5 金属線が、金属箔の線状物であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項、第2項、第3項ま
    たは第4項記載の金属線複合弾性糸。 6 金属線が、該金属線長手方向に直角な断面形
    状が実質的に円形状のものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項、第2項、第3項または
    第4項記載の金属線複合弾性糸。 7 金属線が、銅線であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第
    5項または第6項記載の金属線複合弾性糸。 8 金属線が、ステンレス線であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第
    4項、第5項または第6項記載の金属線複合弾性
    糸。 9 金属線が、アルミニウム線であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、
    第4項、第5項または第6項記載の金属線複合弾
    性糸。 10 金属線が、鉛線であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、
    第5項または第6項記載の金属線複合弾性糸。
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