JPS61194237A

JPS61194237A - 金属線複合弾性糸

Info

Publication number: JPS61194237A
Application number: JP3319585A
Authority: JP
Inventors: 木村　雄志; 林　昇一; 藤谷　成良
Original assignee: Du Pont Toray Co Ltd
Current assignee: Du Pont Toray Co Ltd
Priority date: 1985-02-21
Filing date: 1985-02-21
Publication date: 1986-08-28
Also published as: JPS643967B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、金属線複合弾性糸に関する。

さらに詳しくは、伸縮伸長性と伸縮回復性の有る電線用
途や、布帛にされて電界シールド用途。

Ｘ線遮蔽用途等に好ましく用いられる金属線複合弾性糸
に関するものである。

たとえば、伸縮伸長性と伸縮回復性の特性にすぐれた電
線は、産業用ロボット等の自動機械における導電線とし
て最適に用いられるものであり。

く用いられることのできるものである。

また、伸縮伸長性と伸縮回復性にすぐれた金属線複合弾
性糸より布帛を構成した場合、その布帛は、布帛として
も適度な伸長性と回復性を有することになり２例えば型
にはめて成型をするモールド成形分野等にも実質的に不
都合なく最適に使用し得る実用的価値の高いものである
。

（従来技術）従来、電線などに伸長性を付与するには金属線をらせん
状に巻いたものに熱処理を施したものがあるが、このも
のは伸長性はあっても伸縮回復性がほとんどなく、金属
線そのものも太くて重く。

たるみが生じるという欠点がある。さらには、金属をら
せん状に加工するために製造コストも高くつくという欠
点があった。

一方、真すぐな電線をコア（芯）として熱可塑性エラス
トマーをシース層（鞘層）に設けてなる電話機等に用い
られるカールコードがあるが、これも多かれ少なかれ太
くて９重く、かつカールによる伸縮回復性を利用するた
め、結果として°たるみ°が生じるという本質的な欠点
があり、利用分野も狭いものである。

（発明が解決しようとする問題点）本発明者らは、上記したような点に鑑み、伸縮伸長性と
伸縮回復性にすぐれ、かつ軽くて細い伸縮性導電線を得
るべく鋭意検討を重ねた結果２本発明の金属線複合弾性
糸に到達したものである。

伸縮伸長性と伸縮回復性にすぐれた糸状物もしくは線状
物を得るには、伸縮伸長率として概して１００％以上の
値を示す弾性繊維フィラメント糸。

それも特に伸縮伸長率が４００係以上もの値を示す弾性
繊維フィラメント糸を用いることが有効であり、かかる
弾性フィラメント糸と金属線とを複合状態にうまく構成
し得れば、該弾性フィラメント糸のもつすぐれた伸縮伸
長性、伸縮回復性と、一方、導電性、電界シールド性、
Ｘ線遮蔽性、保温性など金属の有する固有の特性の双方
を兼ね備えた糸状物もしくは線状物が得られるものであ
る。

このような点に着目すれば９弾性繊維フィラメント糸を
芯として少なくともその周囲に金属線をらせん状に捲回
させて配置してなる複合糸が有効である。

しかしながら、極めて柔軟であると言える弾性繊維フィ
ラメント糸とこれに比較して本来伸長性が期待できなく
かつ概して剛性の高い金属線を単に複合するには種々の
問題があり９両者の持つ特性を十分に発揮し所期の効果
を得るためには、細心の注意が必要である。

すなわち、伸長時と伸縮回復時において該複合糸の特性
、特に金属線によりもたらされる導電性等の特性が実質
的に大きく相違したり、また、複合糸としてジグザグ形
状の糸になったりあるいは伸長と伸長回復を何度も繰シ
返すうちに同様にジグザグ形状の糸になってしまうよう
な場合にはもはや弾性フィラメント糸のもつ弾性特性を
効果的に発揮することは不可能なものである。また、該
複合糸が真っすぐな形態を保てないような場合にも１弾
性繊維フィラメント糸のもつ伸縮伸長性と伸縮回復性と
を十分に発揮することは不可能であるし、かつそのよう
な形態を有する導電線を使用する場合には、誤った作動
の要因にもなりかねないものである。本発明の所期の目
的は、従来では得られなかった優れた伸縮伸長性および
伸縮回復性を有し、金属線である銅線、ステンレス鋼線
。

アルミニウム線、鉛線などを選択することによってそれ
ぞれ固有の特性を付与し、しかも伸長状態においても、
その固有特性がほとんど変化しないという特徴を有する
金属線複合弾性糸を提供することにあり、特に本発明者
らは、上記目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果
、複合糸の構成比および金属線のらせん角と、該複合糸
の伸縮特性との間には特別な関係が存在するという知見
を得て９本発明に到達したものである。

（問題点を解決するための手段）上記目的を達成する本発明の金属線複合弾性糸は以下の
構成からなる。

すなわち１弾性繊維フィラメント糸と該弾性繊維フィラ
メント糸にらせん状に捲回されているかまたは引揃えら
れている繊維束とからなる芯部に２前記弾性繊維フィラ
メント糸の径と下記（−）、　（ｂ）式の関係を満足す
る径を有する金属線がらせん角６０度以上にてらせん状
に捲回してなることを特徴とする金属線複合弾性糸であ
る。

Ｄ／ｄ≧３・０　　　　・・・・・・・・・（＝）ｄ≦
１．　Ｏｅ＋・・・・・・・（ｂ）ただし。

Ｄ二弾性繊維フィラメント糸の換算直径（ｆｌ−）ｄ：
金属線の換算直径（ＷＩ）かかる構成の本発明の金属線複合弾性糸において、その
好ましい実施態様例は、上記弾性繊維フィラメント糸が
弾性繊維マルチフィラメント糸テあるものであシ、さら
に、金属線が多重に捲回されてなるものであり、さらに
弾性繊維フィラメント糸に繊維束が捲回されてなる場合
において該繊維束の捲回方向と金属線の捲回方向とが逆
方向（例えば前者がＳ方向なら後者は２方向、あるいは
それぞれその逆）とされてなるものである。

（作用）以下、さらに詳しく本発明の金属線複合弾性糸について
説明をする。

本発明の複合弾性糸は９弾性繊維フィラメント糸にらせ
ん状に捲回されているかまたは引揃えられている繊維束
とからなる芯部に、金属線がらせん状に捲回してその基
本構造が成っている。

金属線は、金属箔の線状物あるいは長手方向に直角な断
面形状が円形状のもの等、特にその形態は限定されず、
適宜使用目的に応じて定められればよいものである。特
に箔状の線状物を使用する場合には、複合糸表面が極め
て滑らかでかつ該金属の被覆性が良いものを得ることが
可能である。

また、箔状のものを用いる場合には２円形断面形状のも
のを用いる場合と比較して伸縮性が向上する傾向にある
。

また、金属線の素材も同様に特に限定はされず。

その使用目的等に応じて適宜、銅、ステンレス。

アルミニウム、鉛、その他の金属などのうちから選択し
て用いるとよいものである。

弾性繊維フィラメント糸に捲回されるか引揃えられて用
いられる繊維束は、複合糸の伸長時における金属線の切
断を防ぐ補強のためのものであって９合成繊維や天然繊
維のフィラメント糸や紡績糸が使用され得、特に高強力
のポリエステル系フィラメント糸それも仮ヨリ加工等に
ょ９ケン縮を付与されているケン縮加工糸や、または、
やはシ高強力のポリアラミド系フィラメント糸などを好
ましく用いることができる。また、該繊維束を場合によ
っては炭素繊維もしく社員素繊維系で構成することがで
き、この場合には高強力という特徴に加えて該繊維束自
身も導電可能という特徴を、有するものとなる。

また１弾性繊維フィラメント糸は、伸縮伸長率が少なく
とも１００％以上の値を示すものであればよく、ポリマ
ー等特には限定されないが１例えばポリウレタン系エラ
ストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系
エラストマー、天然ゴム、合成ゴムなどの弾性特性を有
する各種繊維フィラメントを用いることができ、耐久性
、ぜい化などを考慮すれば、特に好ましくはポリウレタ
ン系ニジストマー、ポリエステル系エラストマー。

ポリアミド系エラストマーである。該弾性フィラメント
糸は、モノフィラメント糸あるいはマルチフィラメント
糸のいずれでもよいが、伸長された後の回復力という点
からすれば、モノフィラメント糸よリハマルチフィラメ
ント糸の方が回復パワーが一般に強いと言え、好ましい
ものである。

本発明の金属線複合弾性糸の構造について図面により説
明をする。

第１図、第２図は、それぞれ本発明の金属線複合弾性糸
の１例を示す側面概略モデル図である。

これら図において、金属線複合弾性糸１は１弾性繊維フ
ィラメント糸２に対して繊維束６がらせん状に捲回され
て芯部を構成し、この芯部に金属線４がらせん状に捲回
してなるものである。第１図は円形断面の金属線を用い
た場合、第２図は箔状の金属線を用いた場合を、それぞ
れモデル的に示しである。

かかる構造の本発明の金属線複合弾性糸において、上記
弾性繊維フィラメント糸の径と金属線の径とは、下記（
−）式、（ｂ）式の関係を満足することが必要である。

すなわち。

Ｄ　／　ｄ≧３．０　　　−０．−１（ａ）ｄ≦１．０
　　　　　　・・・・・・・・・（ｂ）ただし、ここでＤ二弾性繊維フィラメント糸の換算直径（１ｍｌＩ）ｄ
：金属線の換算直径（ｍｍ）である。

すなわち９弾性繊維フィラメント糸の換算直径が金属線
の換算直径の３．０倍以上であることを必要とし、３．
０倍未満の場合には、はとんど伸縮イφ長性がなく、ま
た後述する本発明糸の１例製造方法によシ本発明糸を製
造する際に、金属線のカバリング捲回時に該金属線のバ
ルーニング張力が極めて不安定となシ、この場合に得ら
れる金属線複合糸は一般にその形状が折線状のわん曲し
た複合糸となり全く好ましくないものである。

本発明の金属線複合弾性糸は、金属線が一重に捲回され
てなるもの、あるいはそれにさらに金属線が捲回されて
金属線の捲回が多重になっているもののいずれでもよい
ものであるが、多重の場合においてもそれぞれの捲回金
属線が上記（ａ）式を満足するように構成することが重
要である。

また、金属線の捲回は、らせん角３０度以上でらせん状
に捲回してなることが必要である。たとえ、上記の換算
直径比が上記（−）式を満足していたとしても、該らせ
ん角が３０度未満のときには複合糸は直つすぐな形状に
はなるが、金属線が芯部に密着せず、効果的な伸縮作用
ができない、取扱い性も悪い等の不都合があるものであ
る。一方。

らせん角が３０度以上の場合でも上記換算直径比が３．
０未満の場合には上述の如く伸縮性がなくなシ、このと
きらせん角を大きくしていけばいくほど複合糸の形状が
折線状わん曲を増していくことになる。

これらのわん曲状糸や金属線が密着しない複合糸は伸長
時に金属線が芯部に対して不規則にずれを起こしたりあ
るいは切断するといった不都合があり、複合糸としては
致命的な欠陥を有しているものとなる。

また９本発明において金属線はその換算直径が１０１１
１以下であることが必要である。読値が１ｏｘｏよシも
大きい場合には、一般に好ましい複合状態を得ることが
難しい。

なお、ここで弾性繊維フィラメント糸の換算直径Ｄ　（
ａｍ）は２次式（Ｃ）で求めるものである。

ここで。

Ｗ：弾性繊維フィラメント糸のデニール（重さ）（ｇ／
９ｘ１０ｃＩｏ）ｔ：弾性繊維フィラメント糸の長さくここではｔ＝９ｘ
１０ａａ） ρ：弾弾性繊維フィラメント糸比重（ｇ／ａ５）であり
、デニール値は、糸長さ９０００ｍに対する重さく単位
二ｇ）で表わすものである。また、デ慕−ル、長さ等の
測定に際しては、複合糸を分解し、弛緩状態で２５゛ｃ
ｘ６５％ＲＨの雰囲気中に２４時間放置して、該自由放
縮後の値を測定してなるものである。

また、金属線の換算直径ｄ（−）は、該金属線が丸断面
のもののときはそのままの直径ｄ（＝）で求めｔ箔状等
の非円形のもののときには、該金属箔等の断面積Ｓを元
にしてこれを同断面積の丸断面糸に換算して直径ｄ　（
＋Ｉｎ）を求めるものである。すなわち、この場合。

となるものである。なお、このとき、箔状のものの断面
積を求めるに際しては、該箔の厚さをミクロン単位まで
求めてなるものである。

また、らせん角θは９次のようにして求めるものである
。

すなわち、複合糸を２５℃ｘ６５１ＲＨの雰囲気シのら
せん角θを、２０個所につき分度器で測定して慶　その
平均値をらせん角θとするものである。

上記した通りの構成を有する本発明にかかる金属線複合
弾性糸は、その伸縮特性として、概して１．２〜３．０
倍程度の伸縮伸長性と、すぐれた伸縮回復性とを有する
ものである。

本発明の金属線複合弾性糸は９代表的には次に記載する
方法にて製造することができる。

すなわち、第３図は本発明の糸を製造する方法の１例を
説明するだめの工程概略図である。

同図に示すように９弾性繊維フィラメント糸１０はパッ
ケージ１１からキャリアロー２１２．フィードローラ１
３を経で、トップローラ２５へ導カれる。即ち２弾性繊
維フィラメント糸１０は、キャリアーローラ１２とフィ
ードローラ１５の間で予備ドラフトされ、フィードロー
ラ１３とトップローラ２５の間で十分にドラフト（伸長
）される。

一般的に言うドラフト比は、キャリアーローラ１２とト
ップローラ２３０表面速度比で表わす。弾性繊維フィラ
メントのドラフト範囲は、１．５〜４．５倍で十分であ
るが２本発明者らの知見によれば好ましくは１．５〜３
．５倍の範囲が適している。これは弾性繊維フィラメン
トの回復率が最も優れている伸度領域で操作することに
よって、伸縮回復性の優れた。しかも表面品位の良い複
合糸を得るためである。１４と１９は、それぞれ中空ス
ピンドルであり−　カバリングされる糸がそれぞれボビ
ン１５．２０に巻かれているものである。すなわち。

下段中空スピンドル１４．上段中空スピンドル１９には
、それぞれボビン１５．２０を設け、一般的なダブルカ
バリングの配列をなしている。ボビン１５に巻かれた繊
維束１６は下段中空スピンドルによって回転を付与され
バルーニングポイント１７で弾性繊維フィラメント糸の
芯を横巻き捲回し。

カバリング糸１８となる。さらに、ボビン２０に巻かれ
た金属線２１は上段中空スピンドルによって、下段スピ
ンドルと反対方向に回転を付与され。

バルーニングポイント１７で複合糸２２となシ。

トップローラ２６とティクアップローラ２５の間で十分
に弛緩された複合糸２４はパッケージ２６に巻きとられ
る。また、金属線の多産巻き複合糸は、こうして得られ
た複合糸にくシ返し金属線を横巻き捲回せしめるか、あ
るいは多段に中空スピンドルを設けることによって製造
することができる。この多重巻きの場合にそれぞれの金
属線の横巻き捲回方向は特にこだわらないが、同一らせ
ん方向の方が得られる複合糸の外観が滑らかであり好ま
しい。カバリング操作は、金属線２１のらせんピッチを
一定に保つためにバルーニング張力が一定でなければな
らないことを除いては通常のカバリング糸製造と基本的
には同様な方法である。

これは、フライヤー２７を金属線の太さ、スピンドル回
転数に合わせて調整することによって達成される。フラ
イヤー使用の場合は、スピンドル回転数を下げて操作す
ると良い。また、フライヤーを使用しない場合は、少な
くとも３０００ＲＰＭ以上のスピンドル回転数での遠心
力によるバルーニング張力の調整が必要である。このよ
うにしないとり金属線がボビン２０から解舒されるとき
に“たるみ°が生じて９品質の劣った。不均一な製品し
か得られない。

こうして得られる本発明の金属線複合弾性糸は必要に応
じて、残存トルクをなくする目的で若干の解撚を施すか
、あるいはまた８０〜１００℃程度の乾熱処理などが適
宜施されるものである。

金属線と繊維束とは互いに逆方向のらせん状捲回とする
のが望ましく、このようにすることにより、好ましい伸
縮性を発揮でき、該複合糸の伸縮伸長率を＃１ぼ一定に
して、伸長状態における金属線の切断を効果的に防止す
ることができるものである。該繊維束は９弾性フィラメ
ント糸にらせん状に捲回されていないで、単に引揃えら
れてなるものでもよい。ただしその場合には、伸縮性を
ある程度有する仮ヨリ加工糸等のケン縮加工糸などを用
いるのが肝要である。

こうして得られる本発明の糸は、その用途に応じて適宜
必要に応じ高次加工される。例えば、電線に使用する場
合には、絶縁物質で被覆される。

この場合、該絶縁物質も各種ニジストマー等のある程度
伸縮性を有するものを選ぶべきことはむろんである。

（実施例）実施例１第３図に概略を示した製造工程に従い１弾性繊維フィラ
メント糸として、各種のポリウレタン弾性フィラメント
糸１５種類４０デニール〜２００００デニールを用い、
金属線として丸断面硬銅線（工業規格ＨＣ−１）直径０
．０３−〜０．３ｍｍの４種を用い、補強繊維束として
はポリエステル仮ヨリマルチフィラメント糸を用いて、
各種組合せ下で金属線複合弾性糸を作り９表面品位につ
いてそれぞれ評価した。

結果は第１表の通りであり、換算直径比が３，０以上を
満足する本発明にかかる金属線複合糸は表面品位が良好
であることがわかる。読値が３．０未満のものは、複合
糸としてわん曲したシ、屈折したりして表面状態が極め
て悪く、この結果、伸縮性の良好な複合糸は得られなか
った。

第　１　表　（換算直径比）注）Ｏ印：表面品位良好実施例２実施例１と同様にして、ポリウレタン弾性フィラメント
糸４種（換算直径：　０．１１１３ｍｍ、　　０．１８
１７ｒｍ、　　０．３６３５１１Ｉ１１．　１．０８６
１ｍｍ）と、銅線４種（直径：　０．０３ｍ＋、　　０
．０５ｍｍ、　　０．１０ｏｎ、　　０．３０ｍ　）　
を用いて、各種組合せで金属線複合弾性糸を作った。

このとき、該複合糸における金属線のらせん状捲回回数
Ｔ（回／Ｍ）を２００〜４８００の間で各種変更し、ら
せん角を種々変えた。

該らせん角の値と、複合糸としての特性の評価をし、そ
の結果を第２表に示した。かかる第２表からもわかる通
り、らせん角θが３０度以上を満足しないと複合糸とし
て最適なものは得られない。

３０度未満のときには銅線が弾性芯に密着せず。

”ゆるみ”が生じて、らせんピッチも不規則となり、複
合糸を伸長した時に銅線の切断が生じるものであった。

また、該複合糸にシゴキ作用を与えた場合も、密着して
いない銅線と弾性芯に°ずれ現象”が生じて結果として
、銅線が切断するもの１噂　丸　ｚ１らせん角θが３０度以上を満足すれば１表面の滑らかな
複合糸を得ることができる。好ましくは。

らせん角θは４０度以上、最も好ましくは６０度以上に
すれば表面品位はさらに向上するものである。

本発明の範囲内において、同一規格の素材を用いて、ら
せん角θを大きくしていくと、伸縮伸長率は若干低下す
るが、目的とする用途の伸縮伸長率を得るためには、直
径換算比とらせん角θを。

本発明の範囲内で調整すればよいものである。

注）○印：適　　Ｘ印：不適　Δ印：適不速沖間程度実
施例３実施例１と同様にして１弾性繊維フィラメントとしてポ
リウレタン弾性フィラメント糸５種類（換算直径：　０
．１２８５ａｍ、０．２５７０ｍ＋、０．３１４８ａｎ
、　　０．３６３５ａｎ、　　０．４４５２ｍｍ　）と
合成ゴム（丸ゴム）２種類（換算直径：　０．２８２２
０ｍ１．０．６５５０ｎｏ）を用い、繊維束としてポリ
エステル仮ヨリ加工糸２種類（ウーリーポリエステル糸
、３０デニール。

５０デニール）を用い、金属線としては銅線４種類（直
径：　０．０３ｏｎ、　　０．０５ｍｍ、　　０．１ｍ
ｍ、□換算直径二０．１ｍの箔）、ステンレス鋼線１種
類（直径０．０３０５ｍ／ｆｆ＋）、鉛線１種類（直径
＝０．０５ｆｆｉ／ｌ１１）、アルミニウム線１種類（
換算直径０．１−の箔）を用いて各種組合せで、１３種
類の金属線複合糸を作り、緒特性について評価した。そ
の結果を第３表に示した。伸縮伸長率および伸縮回復率
はＪＩＳＬ１０９０−１９７７の伸縮回試験法（Ａ法）
および伸縮回復試験法によるものである。金属線の切断
の有無はＨａｎｄ法を用いた。

第３表中、試料８ｍ２．　５．　６は本発明の範囲外の
ものであり、その他の複合糸は本発明の範囲内のもので
ある。ｍ２は繊維束を用いｔゼいものである。第３表に
示した通り、ポリウレタン弾性フィラメント糸を用いた
ものは、直径換算比が３１．０倍以上で、しかもらせん
角が３０度以上の複合糸は銅、ステンレス鋼、鉛、アル
ミニウムのいかなる金属線の場合においても、伸縮伸長
率で１．８倍〜３．５倍の値を有し２回復性に優れてい
るものであり、伸縮伸長性が良好と判断されるものであ
った。なおかつ、これらのものは表面品位に優れている
ことがわかる。

なお、特に試料Ｎ１９は銅箔糸を用いたものであり、試
料Ｎ１１０，１１は該銅箔糸を同方向に多重巻きしたも
のであり、２重糸、４重糸の実施例である。試料ｍ９に
示した通り、金属線として銅箔を用いると、伸縮回復性
や表面品位が更に向上することがわかる。このことは丸
断面に比して箔糸は２面接触をするものであるために弾
性芯に”くい込み°現象が生じないためであると判断さ
れる。

試料ｍ９，１０．１１の比較において銅箔を２重巻き＃
　４重巻きにすると伸縮伸長率はやや低下する傾向にあ
るが本発明の範囲内においては、４重巻の複合糸におい
ても２．０倍の伸縮伸長率が得られる。さらに付は加え
ると銅箔を多重巻きする程表面品位は向上する。

しかし、試料部５のように、直径換算比が５．０倍以上
でも、らせん角θが３０度未満のときや。

試料部６のように、らせん角が３０度以上でも直径換算
比が３．０倍未満のものは、複合糸としては満足できる
ものではない。すなわち、前者は金属線が芯部に密着せ
ず伸縮伸長性は有するものの。

伸長時やシゴキ作用時に金属線が切断しやすい。

一方、後者は、複合糸がわん曲状となシ伸縮伸長性にも
劣９．なおかつ表面品位に劣ったものとなる。一方、試
料ｍ２に示すように繊維束を用いないと表面品位は良い
が、伸長時に金属線が切断しやすいという欠点がある。

また、試料ｍ１２，１３に示すように合成ゴムを用いた
場合は、伸縮伸長性はよいが、伸縮回復性と表面品位の
点ではポリウレタン弾性フィラメント糸使いの場合と比
べてやや劣る。むろん、ゴム糸を使った場合でも本発明
の金属線複合弾性糸を良好に得ることは可能であるが、
ゴム糸の場合はｔ　ポリウレタンニジストマーに比較し
て、伸縮応力（復元力）が小さく、大物を用いる必要が
あること、さらには、耐久性、ぜい化の点でもポリウレ
タンエラストマーよりまさるものを得るのはむずかしい
。

実施例４実施例３に示した試料の中から、換算直径０−１２８５
ｍｍと０．４４５２ａｍの２種類のポリウレタン弾性フ
ィラメントを用い、金属線として銅線０．０３−と直径
換算０．１ｍｍの２種類を用い、それぞれを組合せた試
料ｍ１，９とさらに銅箔を２重巻き。

４重巻きした試料ｍ１０，１１の４種類の複合糸を用い
て、伸長状態における電気抵抗値を測定して第４表に、
その結果を示した。電気抵抗値は。

横用ｔｆｉ製ＯＷＨＩＡＳ’ｌ’ＯＮ　ＢＲＩＤＧＥ　
（４，５Ｖ　）を用いて、雰囲気２５℃ｘ６５％ＲＨで
弛緩状態で１１１１の該複合糸を２．０倍まで伸長した
ときの、電気抵抗の変化を調べたものである。

試料部１，９の比較において、銅線の直径が細いほど電
気抵抗値は高くなることは衆知の通シである。試料部９
〜１１の比較において、同箔状糸使用のもので、多重巻
き（１重〜２重〜４重）とするほど電気抵抗値が低くな
ることがわかる。該複合糸を弛緩状態から伸長していく
と、全試料について電気抵抗値は僅かの変化しかみられ
ず、変化率からみても、伸長率１，７倍では１ｔｌ）未
満と小さいことがわかる。これらの結果をもとに、試料
部１１の４重巻き、銅線横巻き複合弾性糸をポリオレフ
ィン系エラストマーで外被しだものを、２心構造となし
、さらに最外層部をシリコーンゴム系の熱可塑性エラス
トマーで外被した多層構造体として、産業用ロボットの
アーム内導電線に使用したところ、伸縮による電気容量
や電気抵抗の変化もほとんどなく、この用途に十分使用
し得ることがわかった。

（発明の効果）本発明の金属線複合弾性糸は、以下の特長を有するもの
である。

（１）芯に弾性繊維フィラメント糸を使用していること
から−その回復パワーを活かして、金属線を構成要素と
して用いながらも、従来の類似品と比べて、伸縮伸長性
と回復性にすぐれ、かつ柔軟性も有しているものである
。

（２）　　第１層に弾性繊維フィラメント糸、第２層に
繊維束を用い、糸表層たる第３層に金属線を捲回させて
なるものであるため、金属個有の特性を十分に生かした
金属線複合弾性糸たり得るものである。

（３）　　伸縮性電線として使用する場合、従来に比較
して、直径を細くでき軽くなるので、コスト的に安くな
る。

また、直径が細いことは、メカトロニクスの内臓部品と
しても最適に使用できるものである。

（４）金属線として金属箔を用いる場合には、金属紬億
へ−具台Ｌ１イ☆キエ八エーユとｌ−名虹性に富んだも
のになる。

（５）本発明の金属線複合弾性糸は、金属線の素材につ
いて実際上特別に限定されることがなく。

その用途に応じた金属線素材の選定が可能であり、その
利用分野は広く、実用的価値は極めて高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、それぞれ本発明の金属線複合弾性糸
の１例を示す側面概略モデル図である。第６図は９本発明の糸を製造する方法の１例を説明する
ための工程概略図である。１．２２．２４：金属線複合弾性糸２．１０：弾性繊維フィラメント糸３．１３．繊維束４．２１：金属線１４．１９：中空スピンドル

Claims

【特許請求の範囲】

（１）弾性繊維フィラメント糸と該弾性繊維フィラメン
ト糸にらせん状に捲回されているかまたは引揃えられて
いる繊維束とからなる芯部に、前記弾性繊維フィラメン
ト糸の径と下記（ａ）、（ｂ）式の関係を満足する径を
有する金属線がらせん角３０度以上にてらせん状に捲回
してなることを特徴とする金属線複合弾性糸。Ｄ／ｄ≧３．０・・・・・・・・・（ａ）ｄ≦１．０・・・・・・・・・（ｂ）ただし、Ｄ：弾性繊維フィラメント糸の換算直径（ｍｍ）ｄ：金
属線の換算直径（ｍｍ）
（２）弾性繊維フィラメント糸が、弾性繊維マルチフィ
ラメント糸であることを特徴とする特許請求の範囲第（
１）項記載の金属線複合弾性糸。
（３）金属線が、多重に捲回されていることを特徴とす
る特許請求の範囲第（１）項または第（２）項記載の金
属線複合弾性糸。
（４）弾性繊維フィラメント糸に繊維束が捲回されて芯
部が構成されてなる場合、該繊維束の捲回方向と金属線
の捲回方向とが逆方向であることを特徴とする特許請求
の範囲第（１）項、第（２）項または第（３）項記載の
金属線複合弾性糸。
（５）金属線が、金属箔の線状物であることを特徴とす
る特許請求の範囲第（１）項、第（２）項、第（３）項
または第（４）項記載の金属線複合弾性糸。
（６）金属線が、該金属線長手方向に直角な断面形状が
実質的に円形状のものであることを特徴とする特許請求
の範囲第（１）項、第（２）項、第（３）項または第（
４）項記載の金属線複合弾性糸。
（７）金属線が、銅線であることを特徴とする特許請求
の範囲第（１）項、第（２）項、第（３）項、第（４）
項、第（５）項または第（６）項記載の金属線複合弾性
糸。
（８）金属線が、ステンレス線であることを特徴とする
特許請求の範囲第（１）項、第（２）項、第（３）項、
第（４）項、第（５）項または第（６）項記載の金属線
複合弾性糸。
（９）金属線が、アルミニウム線であることを特徴とす
る特許請求の範囲第（１）項、第（２）項、第（３）項
、第（４）項、第（５）項または第（６）項記載の金属
線複合弾性糸。
（１０）金属線が、鉛線であることを特徴とする特許請
求の範囲第（１）項、第（２）項、第（３）項、第（４
）項、第（５）項または第（６）項記載の金属線複合弾
性糸。