JPS64300B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、確実な用紙送りを行うことが可能な
複写機における排紙装置に関するものである。

従来技術および発明が解決しようとする課題 A1，A2，A3等の大サイズ用紙に対する複写を
行うことが可能な複写機では、複写された大サイ
ズ用紙（コピー）を排紙ローラ等の手段で排紙ト
レイ内に排出、収容するのが比較的困難であつ
た。すなわち、後送り出し方式によつて排紙トレ
イ内に用紙を送給しても、排紙ローラ等によつて
用紙に伝達される推進力は用紙と排紙トレイ（ま
たは該トレイ内の用紙）との間の摩擦で打消され
て、用紙の一定長さ範囲以上には伝達され難く、
その結果排紙トレイ内に用紙がきちんと収容され
ない結果となる。

本発明は斯かる技術的背景の下に創案されたも
のであり、その目的は、用紙の搬送を確実に行う
ことができ、小サイズ用紙は勿論のこと、大サイ
ズ用紙であつても整然と排紙トレイ内に収容する
ことが可能な複写機の排紙装置を提供することで
ある。

課題を解決するための手段および作用 この目的は複写機の排紙装置を、真空吸引式搬
送手段と、底板、一対のサイド板および後端スト
ツプ板から成り、その底板が用紙進行方向に沿つ
て中央が高く両側下り傾斜の形状になされるとと
もに後端ストツプ板に向つて下降する傾斜姿勢に
なされた排紙トレイと、真空吸引式搬送手段の用
紙吸引面に対して排紙トレイ側に偏向する空気流
を与える第一の送風手段と、真空吸引式搬送手段
および排紙トレイの中間部において排紙トレイ側
に偏つて上方へ向う空気流を与える第二の送風手
段とで構成し、真空吸引式搬送手段側より排出さ
れ排紙トレイ側へ搬送される用紙を、第一、第二
の送風手段による空気流で支えるようになすこと
によつて達成される。

本発明においては、真空吸引式搬送手段の用紙
吸引面に対して第一の搬送手段によつて空気の吹
付けが行われるため、真空吸引式搬送手段による
搬送駆動力が確実に用紙へ伝達される。

また、前記真空吸引式搬送手段と排紙トレイの
中間部において第二の送風手段によつて排紙トレ
イ側に偏つて上方へ向う空気流が与えられるとと
もに、第一の送風手段による空気流が排紙トレイ
側に偏向しているため、真空吸引式搬送手段側か
ら排紙トレイ側へ搬送される用紙が、その上下面
に吹付けられる空気流によつて挟まれて搬送が確
実化され、しかも排紙トレイ内に用紙が整然と収
容される。

実施例 以下、第１図、第２図に示した本発明の一実施
例について説明する。

電子写真式複写機において、用紙グリツパー２
を有するチエーン式搬送装置１の搬出側に隣接し
て真空吸引式搬送装置１０が配設され、さらに搬
送装置１０の搬出側に隣接して排紙トレイ２０が
配設されている。

チエーン式搬送装置は、転写部、定着部から真
空吸引式搬送装置１０に到る範囲に配設され、し
かも、定着部よりも用紙進行側にブロワー３１を
有する真空吸引式搬送手段３０を備えている。ま
た、搬送装置１の搬出部には跳ね上げプレート３
が配設され、用紙グリツパー２から用紙Ｐが離れ
ると同時に、真空吸引式搬送装置１０側へ用紙Ｐ
を引き継ぐようになされている。

そして、バキユーム・フアン１１を備えた真空
吸引式搬送装置１０の搬出部には排紙ローラ１２
が配設され、装置１０の上方にノズル４１を有す
る第一ブロワー４０が配設されている。このノズ
レ４１は若干用紙搬出側に偏向して開口してい
る。

排紙トレイ２０は、中央が高く両側に傾斜し、
後記後端ストツプ板２４とは逆側の開放側端縁が
その中央部で突出した底板２１と、両側に立設さ
れたサイド板２２，２３と後端ストツプ板２４と
で形成され、しかも、底板２１の中央稜線２１ａ
は、底板２１とサイド板１５，１６、後端ストツ
プ板２４との各接続線を包含する面に対して約
10゜傾斜している。

また、真空吸引式搬送装置１０の搬出部と排紙
トレイ２０との間には第二ブロワー５０のノズル
５１が開口配設されている。このノズル５１の開
口は、空気流が若干トレイ２０側に偏向するよう
に形成されている。なお、第１図において６０は
電源箱を示している。

本実施例は前記の様に構成されており、用紙Ｐ
は、用紙グリツパー２を有するチエーン式搬送装
置１によつて、転写部、定着部を経由して搬送さ
れ、所定位置でその先端部が用紙グリツパー２か
ら開放されると同時に、跳ね上げプレート３によ
つてその先端部が真空吸引式搬送装置１０側へ誘
導される。

しかるに、用紙Ｐは真空吸引式搬送手段３０に
よつて吸引され前進力を与えられているため、用
紙グリツパー２から開放された後も継続的かつ確
実に真空吸引式搬送装置１０側へ送給される。

真空吸引式搬送装置１０に引き継がれた用紙Ｐ
は、バキユーム・フアン１１によつて吸引される
とともに、第一ブロワー４０の風圧によつて搬送
装置１０側へ押圧されるので、確実な前進力が与
えられ、排紙ローラ１２部から排紙トレイ２０側
へ排出される。

この時、排出された用紙Ｐには下方のノズル５
１から（第二ブロワー５０によつて）若干排紙ト
レイ２０側に偏向する空気が吹付けられ、しかも
その上面には第一ブロワワー４０による一部空気
流が与えられているため、いわば空気流で支えら
れる態様で、A1サイズ等の大サイズ用紙であつ
ても真空吸引式搬送装置１０によつて円滑に排出
される。搬送装置１０から排出される間の用紙Ｐ
は、その先端側が底板２１の中央稜線２１ａに摺
動接触しつつ進行し、ノズル５１から吹出す空気
流が用紙Ｐの両側を支えながら中央稜線２１ａの
左右の傾斜面に沿つて円滑に流れる。用紙Ｐがこ
のように前進すると、用紙Ｐの先端側が全面で底
板に接触する場合に比して空気の流れが円滑であ
るため、用紙Ｐの先端側が大きくばたつくような
ことがなく、安定姿勢で排紙トレイ２０内に排
出、収容される。そして、搬送装置１０から完全
に排出された用紙Ｐの後端は排紙トレイ２０の後
端ストツプ板２４に当接し、搬送装置１０から順
次送り出される用紙Ｐが後端揃いで整然と排紙ト
レイ２０内に収容される。用紙Ｐが後端揃いで収
容されるのは、排紙トレイ２０の底板２１が後端
ストツプ板２４に向つて適当角度（約10゜）で後
下りに傾斜しているからである。

なお、小サイズ用紙P₀の場合には、排紙トレ
イ２０内に完全に収まつた状態で収容されるが、
A1サイズ等の大サイズ用紙Ｐは、その先端側が
底板２１の前端からはみ出すような寸法関係に排
紙トレイ２０が形成されているため、排紙トレイ
２０による占有空間は比較的小さくて済む。

また、排紙トレイ２０における底板中央稜線２
１ａの頂点２１ｂは真空吸引式搬送装置１０の排
紙部よりも低くなされており、そのため用紙Ｐが
円滑に排出される。この意味では収容される積層
用紙Ｐの頂面（前記頂点２１ｂに対応する部分）
が真空吸引式搬送装置１０の排紙部高さを越えな
い範囲の収容枚数で排紙トレイ２０を使用するの
が好ましい。

なお、前記実施例においては真空吸引式搬送装
置１０の排出部に排紙ローラ１２を配設している
が、この排紙ローラ１２を省略することも可能で
あり、その場合には未定着コピーを得ることがで
きる（画像が乱されない）。この未定着コピーに
よれば、画像の修正が可能である。

また、排紙トレイ２０の形状は、底板２１の中
央部傾斜角が約10゜になされているが、必ずしも
この角度に限定されるものではなく、用紙進行側
に適当な上り傾斜であれば良い。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば下記の作用効果を得ることができる。

排紙トレイへ用紙を搬送する真空吸引式搬送
手段の用紙吸引面に対して第一の送風手段によ
り空気流を吹付けるように構成したため、搬送
される用紙に確実な前進力が与えられる。

真空吸引式搬送手段と排紙トレイの間に第二
の送風手段が配設されており、真空吸引式搬送
手段から排出された用紙の下面に向つて第二の
送風手段から空気が吹付けられ、しかもその空
気流が排紙トレイ側に向うようになつているた
め、排紙トレイ内に進入する用紙と排紙トレイ
底板との摩擦接触が最小限に押えられ、真空吸
引式搬送手段から排出された用紙は排紙トレイ
底板に沿つて円滑に前進する。その際、用紙の
上面には第一の送風手段からの空気流が排紙ト
レイ側に向うように吹付けられているため、大
サイズであつても用紙は上、下の空気流で支え
られつつ安定姿勢で前進する。

排紙トレイが底板、一対のサイド板および後
端ストツプ板で形成され、前端の端板が存在し
ないため、特に第二の送風手段から吹出す空気
流が底板に沿うその流れを乱されることなく底
板前端から外部へ放出される。また、前端の端
板が存在せず、底板が後端ストツプ板に向つて
下降する傾斜姿勢になされているため、底板寸
法を越える大サイズ用紙をも排紙トレイに収容
することができる。このことは、収容する用紙
サイズに比して排紙トレイを小さくできること
を意味しており、複写機の空間占有率の低減化
に寄与し得る。

排紙トレイの底板は、用紙進行方向に沿つて
中央が高く両側下りの形状になされているた
め、真空吸引式搬送手段から排出された用紙が
底板の中央稜線に摺接しながら空気流で支えら
れて前進する。このとき、用紙下面に沿う空気
流は底板中央稜線の左右の傾斜面に沿つて排紙
トレイ前端側へ円滑に流れるため、用紙の先端
側が大きくばたつくようなことがなく、安定姿
勢で排紙トレイ内に排出、収容される。

排紙トレイの底板は、後端ストツプ板に向つ
て下降する傾斜姿勢になされているため、排紙
トレイ内に収容される各用紙の後端が後端スト
ツプ板に当接し、積層状態の用紙が後端揃いで
整然と排紙トレイ内に収容される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る排紙装置の概
略説明図、第２図は同実施例で使用されている排
紙トレイの斜視図である。 １……チエーン式搬送装置、２……用紙グリツ
パー、３……跳ね上げプレート、１０……真空吸
引式搬送装置、１１……バキユーム・フアン、１
２……排紙ローラ、２０……排紙トレイ、２１…
…底板、２１ａ……稜線、２１ｂ……頂点、２
２，２３……サイド板、２４……後端ストツプ
板、３０……真空吸引式搬送手段、３１……ブロ
ワー、４０……第一ブロワー、４１……ノズル、
５０……第二ブロワー、５１……ノズル、６０…
…電源箱。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 真空吸引式搬送手段１０と底板２１、一対の
   サイド板２２，２３および後端ストツプ板２４か
   ら成り、その底板２１が用紙進行方向に沿つて中
   央が高く両側下り傾斜の形状になされるとともに
   後端ストツプ板２４に向つて下降する傾斜姿勢に
   なされた排紙トレイ２０と、 前記真空吸引式搬送手段１０の用紙吸引面に対
   して前記排紙トレイ２０側に偏向する空気流を与
   える第一の送風手段４０，４１と、 前記真空吸引式搬送手段１０および前記排紙ト
   レイ２０の中間部において前記排紙トレイ２０側
   に偏つて上方へ向う空気流を与える第二の送風手
   段５０，５１とで構成され、 前記真空吸引式搬送手段１０側より排出され前
   記排紙トレイ２０側へ搬送される用紙を、前記第
   一、第二の送風手段４０，４１，５０，５１によ
   る空気流で支えるようになしたことを特徴とする
   複写機の排紙装置。