JPS642531B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は１本或いは２本のスピンドルをもつた
調整部材を介して動力で調節可能な自動車用バツ
クミラーに関する。

〔従来の技術〕

これらのスピンドルはこのようなミラーにあつ
て本質的に、回転運動を軸方向運動へ変える働ら
きをし、この場合回転運動は小型電動機によつて
行われ、軸方向の運動はミラー本体の揺動運動す
なわち傾倒運動に利用される。この際一般に軸方
向の運動はスピンドルおよびナツト部分による調
整部材の長さの変化にしたがつて変えられる。

この様式の公知のミラーにあつては電動機がそ
の往復運動を惹起するよう制御される。したがつ
て、ミラーの利用者は電動機を制御し、更に電動
機がミラー本体の所望の位置において停止し、電
動機への電流供給が中断されるように配慮しなけ
ればならない。この場合、ミラー本体が或る方向
で旋回し過ぎた際、電動機を再び制御し、ミラー
本体を旋回して戻し、最後に電動機への電流供給
を再び遮断しなければならない。この行程にあつ
て操作者の特別な注意を必要とすることは勿論、
制御可能な電動機を必要とする。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載したミ
ラーを以下のように改良することである。即ち、
制御可能な電動機を設けなくて済みかつ加えて操
作員にその切換え完了に対して特別な注意等を課
すことがないように改良することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の課題を解決するため本発明では、スピン
ドルをクロススレツドスピンドルとして構成す
る。このクロススレツドスピンドルとは、スピン
ドルが互に交叉する左ねじと右ねじとを有し、こ
れらのねじがスピンドルもしくはねじ山の端部に
おいて左ねじが右ねじに、右ねじが左ねじに移行
すなわち連通しているようなスピンドルを称す
る。

〔作用〕

このようなスピンドルと協動するナツト等はス
ピンドルが一方向に回転した際往復運動する。ミ
ラー本体のための調節部材を相応して形成した際
ミラー本体は電動機を接続した際絶えず或る運
動、例えば揺動運動を、しかも一方の終端位置か
ら他方の終端位置へと往復動状態で行う。この場
合、ミラー本体はすべての任意の位置を通過す
る。所望の位置に到達すると、電動機は遮断され
る。これに対して操作員が所望の位置を逸して
も、電動機はその調節運動をし続け、次いで改た
めて所望の位置に達すると電動機は遮断されう
る。

〔実施例〕

以下に添付図面に図示した実施例につき本発明
を詳説する。

ほぼ漏斗状のミラーハウジング（そのうち直径
の大きい前方部分のみを示し、またその底部を１
でかつその側壁を２で示した）には、その開口部
３の範囲にミラーホルダ４があり、この中には破
線だけで示したミラー本体５がある。ミラーホル
ダ４を揺動可能に支承するには、普通、底部１に
固定されていてかつ球接手７を介してミラーホル
ダ４と連結されているアーム６により行なう。

ミラーホルダ４またはミラー本体５を垂直軸線
８および水平軸線９を中心として選択的に回動で
きるようにするために、長さの可変な２つの調整
部材１０，１１が設けられている。これらの調整
部材はほぼ水平に走つていて、架柱１２を介して
底部１と連結されるかまたは底部１に支承されか
つ小さな球接手１３を介してミラーホルダ４と関
着されている。

従つて、調整部材１１の長さを変えるとミラー
が水平軸線９を中心として回動するのに対し、調
整部材１０の長さを変えると垂直軸線８を中心と
して回動することになる。

調整部材１０，１１は、それぞれ外方に設けら
れたスリーブ１４と、スリーブ１４に対して相対
的に長さ方向に変位可能に支承されたスピンドル
１５とからなり、このスピンドルがクロススレツ
ドスピンドルとして左ねじと右ねじを有し、これ
らのねじは互に交叉しそれらの端部で相互に連通
している。スリーブ１４には、スピンドル１５の
ねじと係合するピンが支承されている。そのピン
を１６で示す。

スピンドル１５の回転は、ウオーム歯車１７，
ウオーム１８および底部１に支承された電動機１
９を介して行なわれる。しかしながら、両方のウ
オーム歯車１７に対して駆動ウオーム１８が１つ
しか設けられていない。この駆動ウオーム１８が
電動機軸２０に長さ方向に変位可能に支承され、
かつ摺動手段（図示省略）により一方のウオーム
歯車または他方のウオーム歯車１７と選択的に噛
み合わせることができる。しかしながらこの駆動
電動機の形成や使い方は本発明の対象ではなく、
それ自体公知である。

スピンドル１５は架柱１２内に支承されている
ので回転するだけである。即ち長手方向には摺動
できない。更に、詳しくは示されていない手段に
よつて回転しないように支承されているスリーブ
１４は、そのピン１６を介してスピンドル１５の
ねじ内に係合している。従つて、調整部材に付属
するウオーム歯車１７が回転するとき、調整部材
の長さが絶えず変化する。この調整部材の長さが
変化するのに伴つてミラー本体５が揺動する間、
利用者はミラー本体５とその所望な位置を観察す
ることができる。所望な位置が達成されると、電
動機１９は停止される。この調整が、軸線８，９
のために別々に行われることは自明である。

その際、電動機１９の切換制御が不必要である
ことが重要である。更に、利用者が特別な事情に
よりまたは不注意により、ミラーの所望な位置を
逸した場合には、クロススレツドスピンドルの新
しい行程を待てばよい。

第３図のミラー調整部材の場合、クロススレツ
ドスピンドルは、直接調整するためでなく、間接
的に調整するために供される。

前述の左ねじと右ねじからなる二重反転ねじを
備えたスピンドルはここでは２０の符号がつけら
れている。このスピンドルは中空であり、そして
長手方向に移動可能であるがしかし電動機２２の
軸２１と相対的に回転しないように支承されてい
る。スピンドル２０の前方自由端部には、半径方
向のスリツト２４を有するフランジ２３がある。
このスリツトの中に、ミラーホルダ４に固定連結
されたロツド２５が挿入されており、このロツド
はミラーの表面に対して垂直に延びており、そし
てその長手軸線は球状軸受２６の回転軸線および
揺動軸線と交叉している。スピンドル２０はスピ
ンドル２０のねじに係合するためのピン２８を有
する軸受２７中に配設されている。

電動機２２が回転すると相応してスピンドル２
０も回転する。スピンドルのねじの中にはピン２
８が係合しているので、スピンドルは回転と同時
に往復運動をも実施する。その結果フランジ２３
と球状軸受２６との間隔も変わる。このことはフ
ランジ２３の回転の際ロツド２５が一緒に運動
し、その際ロツドはミラー本体と一体となつてみ
そすり運動を実施する。フランジ２３の回転と同
時にフランジ２３と球状軸受２６との間隔も変わ
るので、ミラー本体のみそすり運動のふれすなわ
ち振巾も変わる。電動機２２が一定時間回転する
と、ミラー本体又はミラー本体を収容するミラー
ホルダ４は利用者によつて観察されることができ
る実際上の全ての可能なミラー位置に揺動する。
所望の位置に達した際に電動機は遮断される。し
かし電動機２２が再び回転すると上記の作業行程
がいつでも繰返される。ミラー本体は常に振巾を
変化しつつみそすり運動する。

〔発明の効果〕

本発明は、以上のように構成されているので、
単にスイツチを入れて電動機を一方向回転させる
のみで、通常必要なあらゆる位置状態に連続的に
ミラーを操作でき、しかもそのミラーの位置変動
の行程はエンドレスであるので、ミラーを観察し
ながら所望位置でスイツチを切るだけで最適な位
置にミラーをセツトすることができ、しかも、誤
つて最適位置で停止させ損つても、そのまま次回
の最適位置を待てばよいものである。

したがつて、本発明は、従来技術におけるよう
に、電動機の正逆回転の切換制御のためのスイツ
チ操作を必要とせず、また、電動機の正または逆
の回転終端部において発生する過負荷を防止する
ための機構の設置の必要もなく、構成が簡単で、
しかも操作の容易な後写鏡を提供することができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の自動車用後写鏡の主要部を有
する前部の水平断面図、第２図はミラーホルダ及
び調整装置を外方のミラーハウジングを省略して
ミラーホルダの裏側を見た図、第３図は後写鏡及
びその調整装置の図式的側面図、そして第４図は
第３図による調整装置のためのスピンドル要素を
示す図である。 図中符号、１……ミラーハウジングの底、２…
…側壁、３……開口部、４……ミラーホルダ、５
……ミラー本体、６……アーム、７……球接手、
８……垂直軸線、９……水平軸線、１０，１１…
…調整部材、１２……架柱、１３……球接手、１
４……スリーブ、１５……スピンドル、１６……
ピン、１７……ウオーム歯車、１８……ウオー
ム、１９……電動機、２０……スピンドル（電動
機軸）、２１……電動機軸、２２……電動機、２
３……フランジ（連行部材）、２４……スリツト、
２５……ロツド、２６……球状軸受、２７……軸
受、２８……ピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ミラーホルダ４を揺動可能に支承する保持手
   段と、ミラーホルダ４に連結し電動力によつて長
   さが変更可能なミラーホルダ調整用の二本の調整
   部材１０，１１とを有し、調整部材１０，１１が
   それぞれ互に交叉し、かつ端部で連通する左ねじ
   と右ねじを備えたクロススレツドスピンドル１５
   と、スピンドル１５のねじに係合するピン１６を
   有するスリーブ１４とから構成されていることを
   特徴とする自動車用バツクミラー。 ２ 二本の調整部材１０，１１の一方の調整部材
   １０が一つの軸線８を中心とするミラーホルダ４
   の揺動のために、他方の調整部材１１が前記軸線
   ８に対して垂直方向にある他の軸線９を中心とす
   るミラーホルダ４の揺動のために、それぞれミラ
   ーホルダ４に連結されていることを特徴とする特
   許請求の範囲１に記載の自動車用バツクミラー。 ３ クロススレツドスピンドル１５が駆動電動機
   １９側に連結され、スピンドル１５を包囲するス
   リーブ１４がミラーホルダ４側に連結されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲１または２に記
   載の自動車用バツクミラー。 ４ ミラーホルダ４を揺動可能に支承する保持手
   段と、ミラーホルダ４に連結し、電動力によつて
   長さが変更可能なミラーホルダ調整用の一本の調
   整部材とを有し、調整部材は互に交叉し、かつ端
   部で連通する左ねじと右ねじを備え長手方向に摺
   動可能に支承されたクロススレツドスピンドル２
   ０と、スピンドル２０に回転を伝える電動機軸２
   １とから構成され、さらにスピンドル２０の前記
   ねじに係合する位置固定したピン２８を有すると
   ともに、スピンドル２０の自由端部に、ミラーホ
   ルダ４に一端が固定されたロツド２５と係合して
   ミラーホルダ４に常に振巾が変化するみそすり運
   動を与える連行部材２３を有することを特徴とす
   る自動車用バツクミラー。 ５ ロツド２５がミラーの表面に対してほぼ垂直
   に延びており、球状軸受２６を介して支持されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲４に記載の
   自動車用バツクミラー。 ６ ロツド２５が連行部材２３に設けられた半径
   方向のスリツト２４に係合するように構成されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲４または５
   に記載の自動車用バツクミラー。