JPS642172B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガスを間接熱交換接触させ冷却ガス
からダスト成分を分離し、分離ダストの少なくと
も一部をサスペンシヨン・スメルチング工程に戻
すことによつて、硫化精鉱のサスペンシヨン・ス
メルチング工程で発生するダスト含有ガスから熱
を回収する方法に関するものである。さらに、本
発明はサスペンシヨン炉およびその後に連結した
廃熱ボイラを結合した装置に関し、この装置は分
離ダストをサスペンシヨン・スメルチング炉に戻
す装置を備えている。

サスペンシヨン・スメルチング工程、例えば本
出願人（Outokumpu Oy社）によつて開発され
たフラツシユ・スメルチング工程においては、温
度が通常1300〜1500℃であるダスト含有高温ガス
が発生する。これらのガスに含まれている熱は放
射部および対流部を備えている２部分廃熱ボイラ
によつて回収された。

廃熱ボイラに入るガスは高温で遊離酸素および
昇華および焼結物質を含んでいるので、ガスから
分離するダストの一部は粘着状態になつている。
冷却の際前記ダストはフラツシユ・スメルチング
炉の吸上げシヤフトおよび廃熱ボイラの熱面に付
着して、ガスの通過を妨げる付着物を生成する傾
向がある。フラツシユ・スメルチング炉の吸上げ
シヤフトから前記付着物を除去することは、通常
ダイナマイトまたは分離オイルバーナーの補助に
よつて爆破することによつて行なわれ、廃熱ボイ
ラからの除去は自動すす吹き機またはダスト付着
物をたたき落すハンマー装置の補助によつて行な
われている。さらに廃熱ボイラの放射部および対
流部の下方部の集塵フアネルの壁を平滑にし形状
を急勾配にして、その上に沈降したダストが再度
付着物または閉塞物を生成することなく落下し得
るようにした。付着物が生成した場合熱面の冷却
能力は急速に損なわれる。廃熱ボイラおよび電気
フイルタの両方から回収したダストはフラツシ
ユ・スメルチング炉の供給原料に戻した。

さらに、処理しているサスペンシヨン・スメル
チング炉のダスト含有ガスは酸素濃縮度に基いて
比較的大量の二酸化硫黄、通常10〜50％を含有し
ており、従つて処理槽は気密シールしなければな
らない。廃熱ボイラの動作圧はさらに十分に高く
して、熱から発生されている蒸気を送るパイプ装
置の表面温度を前記ガスの硫酸露点より上に維持
し得るようにすることが必要である。しかしなが
らダスト付着物を除去しようとするとボイラパイ
プからの漏水が増加した。

従つて本発明の目的は、フラツシユ・スメルチ
ング炉の廃熱ボイラまたは電気フイルタにおい
て、ダストにガスの通過を妨げ得る分離困難な付
着物を生成させることなく、サスペンシヨン・ス
メルチングにおいて発生するダスト含有高温ガス
から熱を回収する方法および装置を提供すること
である。

廃熱ボイラにおける分離困難な付着物の生成
は、本発明の好適な実施例においては、ガスを間
接熱交換接触させる前にサスペンシヨン・スメル
チング工程で発生されるダスト含有高温ガスおよ
び（または）スメルチング炉から発生されるスラ
グに、サスペンシヨン・スメルチング用の供給原
料の一部、すなわち硫化精鉱およびスラグ化剤を
混合することによつて防止される。この混合は有
利なようにサスペンシヨン・スメルチングからの
ダスト含有ガスの離脱点のかなり近くで行なう。

本発明の方法はサスペンシヨン・スメルチング
炉およびその後に連結した廃熱ボイラを結合した
装置によつて有利に行なわれ、前記装置において
廃熱ボイラの垂直放射部はその下方部で直接ある
いは短い予備冷却連結部を介してサスペンシヨ
ン・スメルチング炉の沈降タンクに連結し、その
上方部で同様に垂直のスクリーン部によつてほぼ
水平の対流部と連結し、沈降タンクおよび放射部
またはその連結部の接合部の付近でサスペンシヨ
ン・スメルチング炉の供給原料、可能な余分の燃
料およびガスから分離したダストの一部等の低温
物質を沈降タンクから放射部に流入するダスト含
有ガスおよび（または）沈降タンクで形成されて
いるスラグに供給する供給部材を設けている。

ボイラの放射部はそこで分離したダストが沈降
タンクに直接戻るかフアネルを介してコンベヤー
ベルトに載るように有利に構成する。放射部の下
方部または連結部には、廃熱ボイラを修理するた
め沈降タンクから廃熱ボイラを隔離するダンパを
設け、ダンパの前に解放可能な出口を設けてダス
ト含有ガスを他に案内してもよい。

本発明の好適な実施例を添付図面を参照して以
下説明する。

第１図は従来のフラツシユ・スメルチング炉１
および廃熱ボイラ５を結合した装置を示す。フラ
ツシユ・スメルチング炉１は水平沈降タンク３お
よびその対向端に接続した反応シヤフト２および
吸上げシヤフト４から成つており、前記吸上げシ
ヤフト４の上方部は廃熱ボイラ５の対流部７に連
結しており、そこからガスを最終的に電気フイル
タ８に導入する。放射部６および対流部７および
電気フイルタ８で分離したダストはコンベヤー２
５によつてフラツシユ・スメルチング炉１の反応
シヤフト２の供給原料に戻す。

廃熱ボイラ５の放射部６と対流部７は、ダスト
含有ガスから熱を回収するためのものである。放
射部６は熱を放射により回収するガス室であり、
対流室７には対流により熱の回収を可能にする対
流管を有する。ダスト中の粒子はガスより重いか
ら、ガスが上記放射部６、対流部７を通つて流れ
るとき、その粒子はこれらの部分の下部に導か
れ、これら粒子はフアネルすなわち漏斗状部を経
て廃熱ボイラ５より排出される。フアネルは、粒
子を排出する開口を有し、粒子の排出を調節する
ダンパを備える。また電気フイルター８は、ダス
ト粒子を吸引してガスよりこれを分離する電圧を
かけた濾過板を有する。

フラツシユ・スメルチング炉の吸上げシヤフト
（第１図の４）は第２図に示す本発明の実施例に
おいては、廃熱ボイラ５とフラツシユ・スメルチ
ング炉１の間の短い連結部９で置換えた。廃熱ボ
イラ５は垂直放射部６およびスクリーン部１０、
および水平対流部７から成つている。スクリーン
部１０にはガスを所望方向に向ける手段を設け
る。第３図の実施例においては、第２図に示した
放射部６および連結部９は放射部６が従来の吸上
げシヤフトの代りに沈降タンク３の直接上に位置
するように変更した。

本発明が教示するように、例えば高品位銅マツ
トすなわち粗銅２７を生成する場合、フラツシ
ユ・スメルチング炉１の供給原料の一部を第２図
または第３図のように沈降タンク３の後端１３に
供給する。フラツシユ・スメルチング炉１の供給
原料１５の一部１２を沈降タンク３の後端１３に
直接導入して、生成されるスラグ２８中の貴金属
含有量を従来の供給方法のものから低減すること
ができ、同時にフラツシユ・スメルチング炉１か
ら離脱するダスト含有ガスの特性が変化する。さ
らに、後端の供給原料１３によつて廃熱ボイラ５
の放射部６に入る際ガスの温度は低下し、よつて
ダストが付着物を生成する傾向が低減する。反応
流体１２を後端１３に与える際ダストが付着物を
生成する傾向は少なくなり、沈降タンクの供給原
料１２がスメルチング生成物中に存在する酸素と
反応する際全酸素および全エネルギーのより効率
の良い利用が達成される。さらに、沈降タンクか
ら放射部に流れるダスト含有ガスの硫酸露点が低
下する。

フラツシユ・スメルチング炉１と廃熱ボイラ５
の放射部６の間にダンパ１６も設け、よつて起こ
り得るボイラ修理の間ダスト含有ガスを出口１８
を介して除去する。

本発明が教示するように、ダスト含有ガスはフ
ラツシユ・スメルチング炉１の沈降タンク３から
連結部９を介して廃熱ボイラの垂直放射部６に送
り、必要があればガス流と平行な冷却パネルを取
付けてもよい。放射部６において、ガスから離脱
したダストはフアネル１９を介してコンベヤベル
ト２０上に案内してフラツシユ・スメルチング炉
１内に再循環させるか（第２図）沈降タンク３の
後端１３に直接戻す（第３図）。放射部６からダ
スト含有ガスはスクリーン部１０のガス流と平行
な冷却パネルの補助によつて廃熱ボイラ５の水平
対流部７に方向付け、さらに短い連結管２１を介
して電気フイルタ８に送る。廃熱ボイラ５のスク
リーン部１０、対流部７および電気フイルタ８で
ガスから離脱したダストはフアネル２２，２３お
よび２４を介してコンベヤベルト２０上に送り、
ガス２６はさらに処理するために案内する。

本発明の装置および方法によつて、装置の動作
が容易になりその動作の信頼度が増加すると同時
に、先行技術よりもさらに有利な全工程および装
置設計が達成される。温度効率に関しては、本発
明のフラツシユ・スメルチング炉廃熱ボイラは現
在一般に使用されているいわゆる「水平」ボイラ
（第１図）より相等に優れている。というのはよ
り有利な流れ条件のため不活動フアネル体積およ
び面積の大部分を排除すると考えられるためであ
る。同時にダスト回収装置も先行技術と比較して
寸法および価格が低減する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフラツシユ・スメルチング炉お
よび廃熱ボイラを結合した装置の概略断面立面
図、第２図は本発明のサスペンシヨン・スメルチ
ング炉／廃熱ボイラ結合装置の同様の概略断面立
面図、第３図は廃熱ボイラの垂直放射部をその下
端でサスペンシヨン・スメルチング炉の沈降タン
クの上方に直接連結した本発明の別の実施例の概
略断面立面図を示す。 １……フラツシユ・スメルチング炉、２……反
応シヤフト、３……沈降タンク、４……吸上げシ
ヤフト、５……廃熱ボイラ、６……放射部、７…
…対流部、８……電気フイルタ、１０……スクリ
ーン部、１５……供給原料、１６……ダンパ、１
８……出口、１９，２２，２３，２４……フアネ
ル、２０，２５……コンベヤー、２６……ガス、
２７……銅マツト、２８……スラグ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガスを間接熱交換接触５させ、冷却ガスから
   ダストを分離し、分離ダストの少なくとも一部を
   サスペンシヨン・スメルチング１に戻す２０，２
   ５ことによつて硫化精鉱のサスペンシヨン・スメ
   ルチングで発生するダスト含有ガスから熱を回収
   する方法において、サスペンシヨン・スメルチン
   グ工程で発生するダスト含有ガスおよび（また
   は）スラグに、実質的にそれらを間接熱交換接触
   ５させる前に低温の反応流体１２を混合すること
   を特徴とする上記方法。 ２ 上記サスペンシヨン・スメルチング工程で発
   生するダスト含有ガスおよび（または）スラグ
   に、上記ガスを間接熱交換接触５させる前にサス
   ペンシヨン・スメルチング１用の供給原料１５の
   一部を混合することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載の方法。 ３ 上記サスペンシヨン・スメルチング工程１で
   発生するダスト含有ガスおよび（または）スラグ
   に、それらを間接熱交換接触５させる前にスラグ
   化剤の少なくとも一部および（または）サスペン
   シヨン・スメルチング工程で必要な余分の燃料を
   混合することを特徴とする特許請求の範囲第１項
   または第２項に記載の方法。 ４ 上記混合は上記サスペンシヨン・スメルチン
   グ工程１からの上記ダスト含有ガスの出口の相当
   近くで行なうことを特徴とする前記特許請求の範
   囲第１項乃至第３項のいずれかに記載の方法。 ５ サスペンシヨン・スメルチング炉１およびそ
   の後に連結した廃熱ボイラ５を結合した装置にお
   いて、そこで分離したダストを上記サスペンシヨ
   ン・スメルチング炉１に戻す部材２２，２３を備
   えており、上記廃熱ボイラ５の垂直放射部６はそ
   の下端で直接あるいは短い水冷連結部９によつて
   上記サスペンシヨン・スメルチング炉１の沈降タ
   ンク３に連結しており、その上端で同様に垂直ス
   クリーン部１０によつてほぼ水平の対流部７に連
   結しており、上記沈降タンク３および上記放射部
   ６またはその連結部９の接合部の付近において上
   記沈降タンク３から上記放射部６に流入する上記
   ダスト含有ガスおよび（または）上記沈降タンク
   ３中のスラグに低温の反応物質を供給する部材１
   ２を設けたことを特徴とする上記装置。 ６ 上記放射部６の下方部において上記放射部６
   で分離したダストを上記サスペンシヨン・スメル
   チング炉１の反応シヤフト２の上方部および（ま
   たは）上記沈降タンク３および上記放射部６また
   はその連結部９の間の接合部の付近に戻す部材１
   ９を設けたことを特徴とする特許請求の範囲第５
   項に記載の装置。 ７ 上記放射部６の下方部または上記連結部９に
   おいてダンパ１６および上記ダンパ１６が閉止し
   ている際上記沈降タンク３から流れるダスト含有
   ガスを他へ案内する開放可能な出口１８を設けた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第５項または第
   ６項に記載の装置。