JPS641989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） この考案はミシンの刺しゆう枠に関するもので
ある。殊に横長の大型刺しゆう枠を撓んで湾曲し
ないように保持する枠部の構成に関する。

（従来技術） 従来より工業用多頭刺しゆうミシンに使用され
る刺しゆう枠は、テーブル上に配設され、Ｙ軸方
向にはＹ軸駆動モータに、又Ｘ軸方向にはＸ軸駆
動モータにそれぞれシヤフトを介して連結する駆
動装置により、刺しゆう枠をＸ，Ｙ軸方向に移動
していた。しかし乍ら、刺しゆう枠の寸法、殊に
横方向（Ｘ軸方向）の巾が大きい構造では特にＹ
軸方向に移動するとき、刺しゆう枠の長い辺が撓
んで湾曲するから、刺しゆう枠に装着した生地に
歪が生じ美麗な刺しゆう縫いができない等の欠陥
があつた。

（考案の解決しようとする問題点、構成、作用） そこで本考案においては前記欠陥を克服するこ
とを目的として、刺しゆう枠移動中にその長い一
辺が湾曲しない構成を提供する。すなわちＹ軸方
向への移動に用いられるＹ軸駆動板４の両端部
に、一対のレール部材１１を取付け、このレール
１１に刺しゆう枠２の長い一辺２ｂを連結して、
レール１１を補強材として使用した。従つて刺し
ゆう枠２はたわんで湾曲することなく、円滑にテ
ーブル上を移動することができる。

（実施例） 以下添付図面を参照して本考案の一実施例を説
明する。第１図において、複数の刺しゆうミシン
１２をとりかこんでテーブルＴ上に刺しゆう枠２
を配設する。この枠は前方横長部２ａと後方横長
部２ｂ、側方短部２ｃ、Ｘ軸駆動板１０とよりな
る。Ｙ軸駆動板４には、刺しゆう枠２の後方横長
部２ｂの側に設けた一対の横長レール１１が嵌合
固定される。この横長レール１１と刺しゆう枠後
方横長部２ｂとは刺しゆう枠コロ土台９を介して
連結される。符号１３はＹ軸駆動モータ、１５は
Ｙ軸駆動シヤフト、１４はＸ軸駆動モータ、１６
はＸ軸駆動シヤフトである。尚前記モータはパル
スモータを最適とし、これらの回転方向は図示矢
印の方向に示す通りである。

第２図は第１図のＡ−Ａの線に見た断面図であ
る。

ＳはテーブルＴの上面を示し、その下方にＹ軸
駆動モータ１３の駆動軸１５に纒懸し、送り板２
０を装着した駆動ベルト１８と送り板２０上に固
着した駆動土台８並にＹ軸駆動板の調整スペーサ
７が配設されている。駆動土台８は高さ調整スペ
ーサ７を介して、断面連続コ字状に形成したＹ軸
駆動板４に連結される。このＹ軸駆動板４の一端
部コ字状部内には横長レール１１が嵌合固定さ
れ、更にこの横長レール１１内には、刺しゆう枠
駆動コロ１が配設される。刺しゆう枠駆動コロ１
は刺しゆう枠後方横長部２ｂ上に固定された刺し
ゆう枠コロ土台９と連結される。Ｙ軸駆動モータ
１３による駆動軸１５の回転は、駆動ベルト１
８、送り板２０、駆動土台８、スペーサ７、Ｙ軸
駆動板４並にレール１１を介して刺しゆう枠駆動
コロ１に伝達され、更に刺しゆう枠コロ土台９を
介して刺しゆう枠後方横長部２ｂの矢印方向の運
動となり、刺しゆう枠２全体がＹ軸方向に往復動
する。この場合刺しゆう枠２の横長部２ａ，２ｂ
の横巾を長く形成しても、Ｙ軸駆動板４に装着し
たレール１１により、枠２は補強されるから、横
長部２ａ，２ｂが湾曲し刺しゆう作業に不具合が
生じることはない。

第３図は第１図のＢ−Ｂに沿つた断面図であ
る。

ミシンテーブルＴの下方には（Ｓで示す鎖線の
下方）軸駆動モータ１３のシヤフト１５に纒懸
し、送り板２０を保持する駆動ベルト１８を設
け、送り板２０には刺しゆう枠駆動コロ１に連結
する駆動コロ土台３、更にその上にＹ軸連結板６
を装着する。又Ｙ軸連結板６上にはスペーサ５を
介して断面コ字状に形成したＹ軸駆動板４を設け
る。断面コ字状の刺しゆう枠後方横長部２ｂ並び
に刺しゆう枠前方横長部２ａにはそれぞれ刺しゆ
う枠駆動コロ１が嵌合する。Ｙ軸モータ１３の回
転は、シヤフト１５、ベルト１８、送り板２０、
駆動コロ土台３、Ｙ軸連結板６、Ｙ軸駆動板４等
を介して刺しゆう枠後方横長部２ｂに嵌合してい
る刺しゆう枠駆動コロ１に伝えられ、枠全体は矢
印図示の方向に往復自在に移動する。第４図は第
１図のＣ−Ｃの断面図である。駆動ベルト１８は
Ｘ軸駆動シヤフト１６に纒懸し、駆動部材２１に
連結される。駆動部材２１にはＸ軸駆動板１０の
断面コ字状部に嵌合する刺しゆう枠駆動コロ１を
設ける。尚第２図と第３図に説明した刺しゆう枠
の駆動運動は同調して行われることは勿論であ
る。

（効果） 上述のように、刺しゆう枠の横長部の一つはＹ
軸駆動板の両端部に設けたレール部に連結補強さ
れてなるから、刺しゆう枠がＹ軸方向に往復動す
る際に、刺しゆう枠の撓みによる湾曲を防止でき
る。従つて、刺しゆう枠に取付けた刺しゆう用生
地にたるみやしわ等の生じる恐れはなく美麗な刺
しゆう模様が制作できる等の便役がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例の刺しゆう枠を
テーブル上に配設した平面図。第２図は第１図の
Ａ−Ａの線に沿つた断面図。第３図は第１図のＢ
−Ｂの線に沿つた断面図。第４図は第１図のＣ−
Ｃの線に沿つた断面図。 Ｓ……テーブル上面、Ｔ……テーブル、１……
刺しゆう枠駆動コロ、２……刺しゆう枠、２ａ…
…前方横長部、２ｂ……後方横長部、３……駆動
コロ土台、４……Ｙ軸駆動板、６……Ｙ軸連結
板、８……駆動土台、９……刺しゆう枠コロ土
台、１０……Ｘ軸駆動板、１１……レール、１３
……Ｙ軸駆動モータ、１４……Ｘ軸駆動モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業テーブル上を摺動自在の長方形刺しゆうミ
   シン枠において、モータ駆動ベルトに取りつけた
   送り板上に設けられ、スペーサを介してＹ軸駆動
   板に連結する駆動土台と、Ｙ軸駆動板の端部に嵌
   合固着した断面コ字状横長レールと、この横長レ
   ールに嵌合する刺しゆう枠駆動コロが刺しゆう枠
   コロ土台を介して連結された刺しゆう枠後方横長
   部とを具えた構成を複数個設け、前記駆動ベルト
   の移動により、刺しゆう枠の長手方向の一辺であ
   る前記刺しゆう枠後方横長部が前記レールと共に
   作業テーブル上を摺動する際、前記レールに支持
   された刺しゆう枠長手方向の一辺が撓んで湾曲す
   るのを阻止できることを特徴とするミシンの刺し
   ゆう枠。