JPS641585Y2 -

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【考案の詳細な説明】本考案は弁特に、ウオーターハンマー現象やこ
れに類する現象を防止する弁に関する。

ウオーターハンマー等の現象は弁体を急閉した
ときに生じる。

そこでかかる現象を防止する弁装置として、弁
体を弁座に対し緩やかに対接するようにすれば、
前記現象が緩和される。ところが、この緩やかな
動作を確保するためには、持別な機構が要求さ
れ、特に電磁弁等ではかかる機構の採用が困難で
ある。

本考案はかかる点に鑑みて成されたものであ
り、弁自体の構成を改善することにより、閉弁時
に生じた圧力波がくり返し配管内で振動しないよ
うにすることを目的とする。

この目的を達成するための本考案の技術手段
は、弁体内に弁室を設けて該弁室に弁座口を形成
し、前記弁座口を弁体の下流側に開口させると共
に弁室の他側に弁体外部の上流側に連通させた透
孔を形成し、前記弁室内に弁座口を閉鎖する球弁
を開閉自在に収容したことである。

上記技術手段は次のように作用する。

弁座に弁体を対接するとこの弁座を介する流路
が遮断される。この時、透孔→弁室→弁座口を介
する流路も球弁と弁座口との対接により閉じられ
ているからである。

この閉弁動作が瞬時に行なわれると、回路急閉
による高圧部が生じこれが圧力波となつて上流側
に伝わろうとする。ところが、弁体内には上記弁
体内流路があることから、負圧条件となつたとき
球弁が開放してこの負圧条件を解消し、圧力波も
消失するか又は大幅に緩和される。

〓後、弁体の上流側と下流側との圧力差応じた
圧力で球弁は弁座口に対接せしめられ流路が遮断
される。

上記技術手段の前記作用から、本考案は次の持
有の効果を有する。

弁体の急閉によつて生じる圧力波が大幅に緩和
されるか又は消失するから、ウオーターハンマー
現象等の弁体急閉による不都合が解消できる。

また、弁体内に球弁を自由状態に収容した弁室
を形成するだけであるから、電磁弁等の緩やかな
閉弁動作機構を組み込みにくい弁装置にも簡単に
採用できる。

以下、本考案の実施例の詳細を図面に基づいて
説明する。

第１図、第２図に示す実施例のものは、リフト
弁型の弁装置で、弁体１の弁部１１を取付けた軸
部１２を中空に形成して弁室２とし、この弁室内
に球弁３を収容し、弁部１１の中央から下方の出
口４に向つて孔部２１を開口させその上端が弁座
口２２となつている。

弁体１の上流側と連通する透孔２３は前記弁室
２の側壁に開口し、本体５の入口６側に連通す
る。

この場合、球弁３は自重により弁座口２２を閉
塞し、弁部１１が本体５に設けた弁座７に対接し
た状態で閉弁状態となる。尚、バネにより球弁３
に閉弁力を付与させることも可能である。

この閉弁動作が急激に行なわれて弁体１の上流
側に圧力波の生じる条件が発生したとき、球弁３
は第２図の如く開弁せしめられて圧力波の負圧部
を解消すべく作用する。

次に、第３図に示す実施例のものは、ガスの過
流出防止弁に採用したもので、この弁体１は流路
内に設定ガス量以上のガス流量が生じた場合にこ
の流路を自動的に遮断するもので、この場合に
も、弁体１の急閉によつて生じる圧力波の影響
（チヤタリング現象）が生じる。

この実施例では弁体１内に球弁３を収容した弁
室２を設け、弁体１の下流側中央に孔部２１を、
上流側中央の透孔２３を設けている。

この構成によれば、既述した実施例と同様の作
用でチヤタリング現象が緩和又は解消できる。

尚、球弁３の自動開弁による作用は、弁体の上
流側、下流側の両方に於ける圧力変動に対して有
効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の断面図、第２図はそ
の閉弁状態に於ける球弁３の作動状態の説明図、
第３図は他の実施例を示す。図中１……弁体、２……弁室、３……球弁、２１…
…孔部、２３……透孔。

【実用新案登録請求の範囲】